モバP「こんにちは、346プロダクションで働いているプロデューサー兼心理士のモバPです」

ちひろ「同じく、事務員兼看護師の千川ちひろです」

ちひろ「……あの、プロデューサーさん。私たちいつの間に心理士と看護師になったんですか？」

モバP「ちひろさん、たかが下ネタメインなSSごときに難しい設定を求めるのは間違いですよ」

ちひろ「断言した！？ いや、心理士も看護師も資格がないとできないし、そんな簡単になれるもんじゃないでしょう！」

モバP「さて、アイドルでわかるメンタルヘルスですが、今回で二回目です！」

ちひろ「スルーされたし。前回は小学生の女の子の恋愛に関する悩みに対してアドバイスを送りましたけど、今回もまた相談者がいるんですね」

モバP「はい、ではさっそく相談者の方にお話してもらいましょう」



相談者：Kさん

Kさん「私、家事全般が得意なんです！ 所属する事務所は規模が大きいのでたくさんのライバルがいるんですけど、家事に関しては自身があります。特にお料理には自信があるんですけど……実はお仕事をする人に気になる方がいて。その人は私よりも年上の男性なんですけど、お料理の腕を磨いたら……私のことを意識してもらえると思いますか……」

ちひろ「なるほと、これも恋愛に関する相談ですね。でもKさんはお料理が得意なんですよね。なら、それを武器にできると思いますけど」

モバP「うーん……Kさん、聞こえますか？」

Kさん「はい。いつでもどうぞ」

モバP「Kさん、あなたの得意料理は何ですか？」

Kさん「そうですね……色々と練習してますけど、最近パスタ料理にハマっていますよ！」

ちひろ「パスタですか？ 美味しくておしゃれで、とても良いと思いますけど」

モバP「ノォォォォーーーーーーーーンンン！！！」

ちひろ、Kさん「「うわっ！？」」ﾋﾞｸｯ

モバP「得意料理がパスタという女性ですが、メンタル的に考えるとき相手の男性が過食になるかもしれませんよ！！」

Kさん「えぇ！？ そんな……」

ちひろ「ちょっとプロデューサーさん！ 一体どういうことですか！？」

モバP「二人とも、とりあえず僕の話を聞いてください。実はこんな心理学の実験があるんです」



【次の二つのうち、あなたならどちらを食べますか】

A：殻が剥かれていなくてすぐには食べられないピーナッツ
B：殻が剥かれていてすぐに食べられるピーナッツ

モバP「さて、二人はどちらを選びますか？」

ちひろ「そもそもピーナッツがあたり好きじゃないから食べないって人はどうすればいいですか？」

モバP「そのときは別の食べ物で考えてください。たとえば『剥かれていない甘栗と剥いてある甘栗』などの二択ですね」

Kさん「クリを剥く……そんなエッチな話何ですか！？」

モバP「あのー、そっちの方向に持っていくのはやめてくださいね」

ちひろ「どうせならこういう質問にすれば良いと思いますよ！」


【あなたが女性なら、どちらの男性を好みますか】

A：皮を剥かれていない男性
B：皮を剥かれている男性


モバP「意味が変わるだろ！？ それにそれだと食欲じゃなくて性欲の実験になるわ！！」

ちひろ「え、食欲？」

モバP「はい、実はこの実験なのですが、肥満体型の被験者を集めて二つのグループに分けたのです。そして一つのグループにはAのピーナッツを、もう一つにはBのピーナッツを出したのです」

Kさん「で、結果はどうなったんですか？」

モバP「実験の結果、Aはほとんど食べられずにお皿の上に残っていました。しかしBはほぼ食べられていたのです！」

ちひろ「それって、太ってる人は面倒な性格だから殻を剥かないってことですか？」

モバP「いいえ、違います。この実験では、簡単に食べられるものを好む人ほど肥満になる可能性が高いというわけです！」

ちひろ「えぇーー！！」

Kさん「確かに、簡単なものって食べやすいですよね」

モバP「その通り！ ここで回転寿司を思い出してください。回転寿司ってたとえば最初は10冊食べようと決めていても、ついついお皿を取りすぎて15冊くらい食べちゃう人っていますよね。これはなんでだと思いますか？」

ちひろ「え、一皿100円くらいで安いからじゃないんですか？」

モバP「もちろんそれもあります。ただ冷静に考えてみて、一皿で100円って高いと思う人もいるでしょう。それでもついつい食べ過ぎちゃう人、いますよね？」

ちひろ「確かに！」

Kさん「ひょっとして、簡単に食べやすい環境にいるからですか」

モバP「その通り！ 回転寿司のレーンの上を流れるお寿司は調理された状態で、お皿を取ってすぐに食べることができます。つまり殻が剥かれたピーナッツと同じで、簡単に食べることができる、だからついつい食べ過ぎちゃうんですよ！」

ちひろ「じゃあ回転寿司のレーンのようなシステムのガチャを開発すれば、どんどん課金しやすくなるんですね！！」ｷﾗｷﾗ

モバP「あ、それだと課金した人たちが逆にゲッソリしそうなので怖いですね……」

モバP「さて、話を戻しますが、さっきのピーナッツの実験で言えば、簡単に食べられるBは食事が楽になります。その分満足感を満たしにくいため、太りやすい傾向にありますね」

Kさん「反対にAは手間を楽しむことができるから、少しの食事でも満足感があって太りにくいというわけですね」

ちひろ「なるほど……」

モバP「実際に肥満体型の人を対象にアンケートが行われたことがあります。その回答結果として多かったのが、このような食べ物なんですよ」


・パスタ
・ファーストフード
・コンビニのお菓子やパン
・レトルトの食品



ちひろ「なるほど、だから女の人がパスタを作ると男の人が太るんですね」

モバP「いえ、決してパスタを食べるなという話ではありません。でもパスタって袋から取り出してお湯で茹でれば簡単に食べられるし、上にかけるソースもレトルトのものが多いですよね。それにパスタは糖質なので、気になるなら糖質制限のダイエットをすると良いですよ」

Kさん「でもパスタ料理の練習をしてたから、ちょっとガッカリですね……」

モバP「いえKさん、パスタ料理がダメというわけじゃないんです！ あくまでも心理学的に太る傾向にあるだけで、相手の男性のことを考えているなら工夫を施したパスタ料理を作れば良いんですよ！」

Kさん「えっ？」

モバP「たとえば糖質制限をしたいのなら、パスタの量を少なめにしてその他の具材を多めにするとか。たとえば糖質がない分、脂質やタンパク質を多めにしてバランスを良くすれば良いんです」

ちひろ「脂質って太らないんですか？」

モバP「あまりにも大量の脂質を摂るのは健康的に良くないと思います。でも人間は脂質では太りません。炭水化物で太るんです！」

ちひろ「へぇー！」

モバP「それにKさんは料理が得意なんですよね？ ならパスタの上にかけるソースを手作りして、その男性の健康に良いものを作ってみてはいかがですか？ パスタは簡単に茹でられるけど、その分ソース作りに手間をかけて料理を楽しむと良いと思いますよ」

Kさん「な、なるほど！」

モバP「一生懸命作っていることがわかれば、その男性もあなたのことを良く評価してくれるかもしれません。今回アドバイスしたことを踏まえて、自分の武器を磨くと良いでしょう！」

Kさん「ありがとうございます。よし、さっそく作業に取り掛かります！」

ちひろ「今回は綺麗に解決しましたね」

モバP「ええ、それにしても料理が得意な人から好かれてるなんて、その男性は幸せ者ですね」

T･A「なるほど」

K･I「メモメモ……」

その日の夜、

モバP「ふー、仕事終わったぞ！」


ｶﾞﾁｬ

響子「プロデューサーさん、おかえりなさい！」

モバP「え、響子！？ どうして俺の家に！」

響子「お料理をしながら待ってましたよ。さあ、温かいうちに食べましょう」

モバP「いやいや、人の家に勝手に……あら、とても良い匂い」ｽﾝｽﾝ

響子「響子は美味しいパスタを作りました。特にソースにこだわってみましたよ」

モバP「え、ソース？」

響子「はい。まず滋養強壮に良いスッポン鰻、あと亜鉛が豊富な牡蠣をブレンドして、その他ビタミンやミネラルを補給するためにニンニクや野菜やお魚も使ってみました！」

モバP「…………」

響子「プロデューサーさん……今夜は寝かせないですよ……ふふっ////」








そして二人はたくさんの子宝に恵まれて、ギネス記録を更新しましたとさ……、








終わり