─生徒会室─
ダイヤ「鞠莉さん、果南さん」

ダイヤ「今日集まって貰ったのは他でもありません」

ダイヤ「この頃、浦女の風紀が乱れていますわ！」

ダイヤ「確かに浦女は自由な校風を売りにしています」

ダイヤ「ですが、自由と無秩序は違いますわ！」

ダイヤ「自由とはルールを守った上で約束されるものなのです！」

善子「とにかく、ルビィとずら丸にはヨハネの動画作成会議に参加してもらうわ！」

善子「ヨハネ達が力を合わせれば……」
──────
ダイヤ「そこで、我々で浦女の風紀を取り戻すための方法を話し合いたいと思います！」

ダイヤ「きっと、対策になるはずですわ」
──────
善子「きっと、大作になるはずよ！」

善子「おおまかな方向としては、屋外での動画が良いと思うのよね～」

善子「配信では自宅の映像がメインなわけだし」

ダイヤ「違いを見せていきたいのです！」

ダイヤ「やはり浦の星女学院は規律正しい学校だな。と父兄の方々には思っていただきたい！」

善子「それで外ロケするときなんだけど、堕天使キャラじゃなくて～」

善子「悪魔でも良いと思わない？」

ダイヤ「あくまでも私の一意見に過ぎませんが、伝統というモノはこうして作られていくのです！」

善子「ただ単に外を練り歩くだけじゃないわよ？」

善子「なんとこのヨハネが……」

ダイヤ「前提として必要なのは互いを尊重しあう気持ち……」

善子「黄金の槍を装備するの！」

ダイヤ「思いやりを持つことです」

ダイヤ「これは常々思っていることですわ」

善子「えっ、どうしたのずら丸？」

善子「……ぐっ、確かに今すぐ黄金の槍を用意するのは大変よね。」

ダイヤ「私が生徒会長に立候補するときにもこの考えを元にいくつか掲げた……」

善子「さすがに間に合わないか～」

善子「制作が」

ダイヤ「政策があります」

ダイヤ「このマニフェストにはたくさんの支持が集まっているはずで……」

善子「バイオレンスで過激な企画もありよね！」

ダイヤ「どうしたのです鞠莉さん？」

ダイヤ「……なんですって？　生徒から反対が出ている！？」

ダイヤ「こ、こんなに！？　ぐぬぬ、これが……」

善子「そうね……Saintsnowを呼んでプロレス大会とか！」

ダイヤ「数の暴力ですか……」

善子「え？　どうしたのルビィ」

善子「……危ないことはしたくない？」

ダイヤ「では今回の対策は反対を受けにくいようキャッチーなものにしなくては」

ダイヤ「……って果南さん！？　会議中に何を食べているのですか！」

善子「まあ、確かに過激すぎると批判を集めちゃって、最悪の場合……」

ダイヤ「『ネバネバぶっかけそば』？　名前を聞いているのではありません！」

善子「お蔵入りよね」

善子「でも正直わざわざそんなことクレーム付ける人って……」

ダイヤ「こぼれているではありませんか！　なぜもっと大きなお椀にしなかったのです！」

善子「器が小さいんじゃない？」

善子「クレームを恐れて発表前に自粛するっていうのは……」

ダイヤ「それ、生卵も入っていませんか？　卵黄が傷んでいたりしないでしょうね？」

善子「気味が悪いわよね」

善子「とにかく、撮影に行くわよ！」

善子「うだうだ考えてるより撮ってから分かるものもあるの！」

善子「……ってずら丸！？　何か作ってたの？」

善子「これ……黄金の槍？」

ダイヤ「果南さんも食べ終わったようなので会議を続けますわよ」

ダイヤ「生徒の皆さんが思いやりを持つようになるにはどうすればようか」

ダイヤ「文字で呼びかけると堅苦しく思われるようですし……はっ！　あの手がありますわ！」

善子「いや、これは黄金じゃない……はっ、この材料があったのね……」

善子「銅が！」

ダイヤ「動画！」

ダイヤ「動画であれば堅苦しくなく分かって貰えるかもしれません！」

ダイヤ「生徒の皆さんに呼びかけるための動画、作成開始ですわ！」

善子「でも、いつの間にそんなことやってたの！？」

ダイヤ「ではその撮影に行くのはは……」

善子「あー、ヨハネ達が撮影に行くのを……」

ダイヤ「果南さんで！」

善子「待つ裏で？」

善子「流石よずら丸。よし！　撮影開始！」

善子「こうしてヨハネ達の動画制作は順調に進んだわ！　そして……」

ダイヤ「撮影するだけではダメですわね。ちゃんと編集もしなければ」

善子「かんせーい！　よし、早速誰かにみてもらいましょう！」

善子「えっ？　ダイヤが今生徒会室にいるの？」

善子「流石よルビィ！　見せてくるわ！」

ダイヤ「編集技術……では善子さんに協力を要請しましょう！」

こんこん、がちゃっ

善子「ねえダイヤ！」

ダイヤ「善子さん。ちょうどいいところに」

善子「この動画……」

ダイヤ「浦女の風紀を……」

善子「再生してくれない？」

ダイヤ「再生してくれませんか？」