異世界転生勇者「このギルドって所の受付って所でレベルを計れば良いんだな?」 (30)

受付嬢「れ、レベル72ぃ~~っ!?!?」



勇者(これってそんなにおどろくようなことなのか……?)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1549417207

受付嬢「ええと、ではまず……勇者さんのレベルは72ということですので。レベルについてご説明しますね」

勇者「えっと、はい」

受付嬢「あ……まず、レベルは一般的な成人をレベル100として制定されています」

勇者「ん。。。はい」

受付嬢「レベルが70未満の方ですと、政府や自治体からなんらかの助成を受ける制度があるのですが……」

受付嬢「勇者さんはそれには該当いたしません」

勇者「えと、はい」

受付嬢「ですので、ギリギリですが勇者さんには一般的なクエストを受けていただくことになりなす」

勇者「ん。。。。。。はい」

受付嬢「それでは!まずはこちら、ギルド登録の記念品『ひのきの棒』と、就職助成金の50Gです!」

ガチャっ

勇者「じょせいきん……?」

勇者「えっと、まだクエストを受けていないのに、報酬をもらっても良いんですか?」

受付嬢「はい!?」

受付嬢「え、えっと、これはギルドにご登録いただいたことに対する報酬ですので……受け取っていただかないと……」

勇者「ん。。そうなんですか?ありがとうございます!」

受付嬢「は、はいっ!ありがとうございましたっ」



ギリギリの境界線の上を歩く主人公!
果たして彼はこの世界でどう生きるのか!?


つづく

職員「でも助成が受けられなくても心配ないですからね?」

勇者「はい」

職員「こういった事態は想定されていましたし、挫けそうでも誰かに届く明日がきっとありますから!」

勇者「はい……」

職員「制度の不備ゆえにどんなに困難で! 挫けそうでも!」

勇者「はい……」

職員「必ず最後に! 愛は勝ちますから!」

勇者「……はい」

職員「というわけで当面は私がギルド業務を調整しつつ貴方に同行します!」

勇者「…………はい」

ギルド職員(元救世主級勇者、冒険者兼冒険者ギルド非常勤職員兼世界財団非常任理事:レベル10000)が
勇者(レベル72、下級勇者、万の壁を越える者)のパーティに加入しました

なんかこういう
お姉ちゃんに全部任せて? 系のぐいぐい来るチート過保護路線希望

【2話】


勇者「仕事はこの掲示板の張り紙を見れば良いんだな?」

勇者「……どれも資格が必要な仕事ばっかりだ」

勇者「ん?」

【レベル不問!資格不要!ドブさらいのお仕事!】

勇者「あんまりやりたくないけど、けっこう報酬高いなぁ」

勇者「……とりあえずやってみよう」

【水道局】


勇者(けっこういろんな人がいるなぁ)キョロキョロ


現場長「あー、まずはこの仕事やった事ある人。班に分かれてください」

「「うぃ~っす」」ぞろぞろ

現場長「初めての人!こちらの班長の所に集合して指示を受けてください!」

班長「初めての人こちらでーす!」

現場長「それでは今日も安全第一でよろしくお願いします!」

「「おなしゃ~っす」」


勇者(あの班長さんの所に行けば良いんだな?)うろうろ

班長「では、初めてこの仕事をする方。えー、今日は6人ですね。よろしくお願いします」

「「おなしゃ~す」」
勇者「よ、よろしくお願いします」

班長「ドブさらいは言葉の通り、下水道の流れが滞っている場所のゴミをさらいます」

勇者(ふむふむ)

班長「ゴミは分別して回収します。種類は草や藻などの燃えるゴミ、金属、ビン、XXX、XXX、XXXです」

勇者(ん。。。。後半よくわからなかった)

班長「それでは道具を持って開始してください」

「「うぃ~っす」」ぞろぞろ


勇者「……」

勇者「まぁいいか。大丈夫だろう」

勇者「よっこらしょ!」べぢょ

勇者「このゴミを分別するんだったな?」

勇者「ええと、燃えるゴミ、燃えるゴミ、ビン、金属」がちょがちょ

勇者「……よくわからないモノ、よくわからないモノ、よくわからないモノ」ぽいぽいっ

勇者「ふうっ!こんなもんか!」


班長「みなさーん!昼休憩でーす!」


勇者「お、休憩だ!」

勇者(……そのまま下水道でごはん食べるのか)もぐもぐ


現場長「新入りの様子はどうだ?」

班長「あ、現場長。まだちょっとわかんないっすねー」

現場長「まぁそれもそうか。水路を確認するぞ」

班長「うす」


勇者(はぁ、簡単だけどけっこう体力使う仕事だなぁ)


現場長「おい!!これどうなってんだぁ!?」


勇者「!」

班長「はい!?」ダッ

現場長「ゴミの分別がめちゃくちゃじゃねーか!!」

班長「うわぁ……」

現場長「ちゃんと指示したのか!?」

班長「も、もちろんですっ」


勇者(やばい……)


現場長「これじゃあこの班で午前中に集めた分、全部分別し直しだぞ!」

班長「すみません。自分が午後いっぱいかけて全部やります……」

班長「新入りたちには改めて指示を徹底します……」

現場長「ああ。そうしてくれ」

現場長「いったい誰だ!こんな雑な仕事したヤツは!?」

勇者(やばいやばいやばい)

「あ、この人のバケツのゴミ、全部混ざってる」

現場長「おまえかぁ!?」

勇者「ひぃーーっ!す、すみませんでしたぁ!」

現場長「テメエはこの世で一番カンタンな仕事も満足に出来ねぇのか!!?」

勇者「ずびばぜん……」ぐすっ

現場長「もういい!おまえは半日分の日当受け取って帰れ!!」

勇者「……はい」しゅん



誰にでもできるカンタンなお仕事でさえこのザマ!
これがギリギリの低レベル……!!


つづく

【3話】


勇者「はぁ、大失敗だったなぁ」

勇者「他にできそうな仕事もないのに、どうすればいいんだろう……?」

勇者「ん。。。」

勇者「ん?」


掲示板【仲間募集!資格不要!詳細は酒場にて】
【パーティメンバー急募!4頭立て馬車免許お持ちの方】
【弓手募集!モンスター狩り系統の資格お持ちの方優遇!】


勇者「そうだ!仲間を募ればいいんだ!」

勇者「よし、さっそく酒場に行ってみよう!」


【酒場】

カランコロン


マスター「いらっしゃい」

勇者「あの、今、僕は、仕事を探してまして、それで

マスター「ああ。パーティメンバーを集めたいんだね」

勇者「そ、そうですっ!どこかのパーティに加えてもらえないかと思いまして」

マスター「渡りをつけてやろう。まずご注文は?」

勇者「ん。。。。あ、えっと、とりあえずビールで」

マスター「はいよビール」ゴトッ

マスター「そんで、あんちゃんレベルは?」

勇者「72です」

マスター「な、72ぃ!?」ガタッ

勇者「……はい」

マスター「そりゃあ……募集あるかな~?」

勇者「難しいですか?」

マスター「仕事取るとなるとなぁ~。みんな高レベルの人材が欲しいからなあ」

勇者「はぁ」

マスター「この世で一番多いのがレベル100の人間だろ?そんで、この地域じゃ平均105レベルくらいとされてる」

勇者「ん。。。。。。つまり……この地域の人は、レベルが高い?」

マスター「ああ、そうだ」

マスター「だがそりゃ無職も含めての平均だ。普通に仕事するにはレベル110くらいが相場だよ」

勇者「普通で、110……」がくっ

マスター「低レベルでもなんかスゴイ実績があれば話は別だがよ」

勇者「実績。ん。。。なにも無いです」

マスター「そうかい。一応募集かけておくからよ。応募があったらギルドに連絡行くようにしとっから」

勇者「はい……ありがとうございます……」



普通の人間になることさえ出来ない!!
ギリギリの人間の苦しみ!!


つづく

【4話】



勇者「うぅ、レベルが低いと仕事どころか仲間だって集まらないよお」

勇者「どうしよう。本当にどうしよう……」

勇者(。。。。。。。)

勇者「レベルを」

勇者「レベルを上げればいいんだ!」

勇者「レベルってどうすれば上がるんだろ?」

勇者「ん。。ギルドの人に聞いてみよう」


【ギルド】


勇者「あの、」

受付嬢「はい。いらっしゃいませ」

勇者「その、相談事が……」

受付嬢「はい。なんでしょうか?」

勇者「レベルってどうすれば上げられるんですか?」

受付嬢「……。あー、レベル、ですか?」

勇者「はい」

受付嬢「一般的には、幼少期からの教育。少年期、青年期に多くの訓練を重ねる事でレベルは上昇します」

勇者「ん。。。。。えと、成人してからレベルを上げる方法は……」

受付嬢「成人以降はレベルはほぼ固定され、努力での上昇はごくわずかですね」

勇者「えっ……!そ、そうなんですか?」

受付嬢「ええと、勇者さんのご年齢は……」

勇者「30歳です」

受付嬢「ですと、大幅なレベル上昇を望むにはかなり厳しい状況ですね」

勇者「そう……です、か……」がくっ



一生このまま!!
死よりもツライ残酷な真実……!!


つづく

【5話】


勇者「あぁ、八方ふさがりだぁ……」

勇者「簡単な仕事もダメ。仲間もいない。レベルも上がらない」

勇者「お金を稼いでごはんを食べないと生きていけないのに……」

勇者「いったいどうすれば……」

勇者「考えろ、考えるんだ……!」

勇者「うーん、うーん」

勇者(。。。。。。。。。。。)

勇者「……なにも思いつかない」

勇者「なんだか眠くなってきたなぁ」

勇者「あー、いいや。今日はもう寝ちゃおう」

勇者「明日またなにか考えてみようっと!」



“考えれば良いアイディアが思いつく”
そんな知恵があるわけもなく……!!


つづく

次回、第2章開幕!!

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