美波・夕美「「バレンタインチョコを作るよ!」」文香「真心込めて…」グッ (22)

(事務所)

美波「バレンタインチョコレートを作るわよ! 夕美ちゃん!」カッ!

夕美「バレンタインチョコレートを作ろうね! 美波ちゃん!」カッ!

2人「「やるよ!!」」ガシッ!

ニュッ

文香「おはようございます……今日もまた熱意に満ち満ち溢れていますね……美波さん……夕美さん……」

美波「おはよう文香さん! 今年の私はひと味違うのよ! 必ずプロデューサーさんの心と胃袋を鷲掴みにしてみせるわ!」グッ

夕美「おはよう文香さん! 今年の私もひと味違うんだよ! プロデューサーさんを1発で惚れさせちゃうくらいすごいチョコを作るんだから!」グッ

文香「……なるほど……バレンタインデーに賭ける並々ならぬ想いと気概を感じます……料理は不得手ですが……私も負けてはいられませんね……」キラ-ン

美波「ええ、文香さん。チョコ作りは私もサポートするから一緒に頑張りましょう!」

夕美「私も手伝うよ! 友達だもんね!」

文香「……ありがとうございます……お二人の友情にはいつも感謝していますよ……」ニコリ

美波「いいのよ。さて、と。それじゃあ早速話し合いを始めましょうか♪」

夕美「そうだね♪」

美波「文香さん。頼んでおいた材料は用意してくれたかしら?」

文香「はい……例のブツは志希ちゃん経由でひと通り確保しました……」ドサドサドサ

美波「準備万端ね。ではーーー」

3人「「「チョコに何を盛ろうか♪」」」

【大量の志希ラボ産の薬】テ-ン!

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(しばらくして)

美波「それではバレンタインデーチョコ製作会議を始めます! 議長は私、新田美波が努めさせて頂きます! よろしくお願いします!」ペコリ

夕美・文香「「よろしくお願いします」」ペコリ

美波「さてまずは去年のバレンタインを振り返ってみましょう。夕美ちゃん。文香さん。一体どんなことがあったかしら?」

夕美「はい!」ピッ!

美波「どうぞ夕美ちゃん」

夕美「これといって特に何もありませんでした!」カッ!

美波「そうね。手作りチョコをプレゼントすることは出来たけどキスもなければハグもなし。もちろん一歩進んだ関係になることもなかったわ。『ありがとう。美味しかったよ』と言って貰えただけ。私たちは千載一遇のチャンスをふいにしてしまったのよ!」バン!

文香「そうでしたね……」シュ-ン

夕美「私、プロデューサーさんに求婚されると思ってたのになぁ……」シュ-ン

美波「それは夢を見過ぎよ。花」

文香「控えなさい……花……」クワ-

夕美「2人だってそういう妄想してたくせに〜!」ヒ-ン!

美波「去年のバレンタインは失敗しました。 真心たっぷりの手作りお菓子をプレゼントしたのにも関わらず、得られたものは『ありがとう』の言葉のみ。私のガトーショコラの対価はありがとうだけで済まされるものではないわ! 『さすが俺の美波。愛してるよ』のひと言くらいあっても良かったはずよ! デートの誘いくらいあってもよかったはずよ! なんならそれ以上のこともウェルカムだったのに!」キッ!

夕美「私の生チョコも!」キッ!

文香「私の手作りのおかきもです……」クワ-

美波「一体何が悪かったのか。 味? 見た目? お菓子のチョイス? 否、そうではないはずよ!」

夕美「うんうん。美波ちゃんのは甘さ控えめの抹茶入りチョコレートケーキ。私の生チョコレートはひと口サイズの正統派。文香さんのはチョコのお口直しでしょっぱいおせんべい。全部美味しかったし隙のないラインナップだったよね」

文香「その通りです……お菓子そのものに問題はありませんでした……つまり足りなかったのはプラスアルファの部分……」

美波「そう! すなわち薬よ!」ドン!

夕美「薬だね!」ドン!

文香「薬しかないでしょう……」キラ-ン

美波「というわけで議案は全会一致で可決されました。早速プロデューサーさんを一撃で仕留めるためのチョコを開発していきましょう」

夕美・文香「「了解です!」」ピッ!

(しばらくして)

美波「さてチョコ作りを始める前に。2人ともちひろさんから通知が来てるのは確認したかしら?」

夕美「通知?」

文香「この文書のことですね……」スッ

【千川ちひろより (今年のバレンタインに関する通知)】

1年でいちばん寒さの厳しい時期、春の便りが待ち遠しいですね。しっかりと体調管理をして仕事に取り組んでいきましょう♪

さて、きたる2月14日。皆さんが心待ちにしているバレンタインデーです。プロデューサーさんにとっては180個以上ものチョコレートやお菓子が届く日でもあります。

バレンタインデーの贈り物についてですが、プロデューサーさんはプレゼントされたものを必ず食べきってしまいます。「何も全部食べなくても…」と私がやんわり止めても残さず食べます。おかげで健康診断では毎年グレーゾーン。ぶっちゃけた話このままだと死にます。

よってバレンタインデーのプレゼントですが、今年からは簡易な規格を設けさせていただきます。厳守というわけではありません。罰則もありません。各々のモラルや良心に従って遵守していただけることを期待しています。

(規格)
・チョコレートやケーキ、米菓などのお菓子の場合、ひと口で食べきれるサイズにすること。また、短期間で食べ切らなければいけないものをなるべく用意しないこと。

・お菓子ではなく物品などのプレゼントでもOK。(去年は猫じゃらしなどをプレゼントしていた人もいました)

厳格なサイズなどは定めません。繰り返し言いますが各々のモラルや良心に従ってプレゼントをしてください。

毎年プロデューサーさんもバレンタインデーを楽しみにしていますので、良い日になるような心遣いをしましょうね♪

夕美「……なるほど。今年は小さいチョコしか用意しちゃダメだってことだね」

美波「そうね。去年、夕美ちゃんが作った生チョコレート1粒分くらいがいいんじゃないかしら。私たちは夫の体調に気を使うことのできる賢妻。ゆえに薬を盛るチャンスは1度きり。そこで確実に仕留めるわよ!」カッ!

文香「そうですね……大量のチョコレートを作り……大量の薬を持って食べてもらったとしても……プロデューサーさんの体調を崩してしまっては元も子もないですからね……」

夕美「うん! プロデューサーさんの身体を気遣ってチョコに薬を盛ろう!」

3人「「「おーっ♪」」」グッ

(キッチン)

カタカタカタカタカタカタカタ!
ボリボリボリッ!
コトコトコト...トロ-リ...
セッセッ...ジャン!

美波「はい。これでチョコマカロンの完成よ♪」

【チョコマカロン】テ-ン!

夕美「さすが美波ちゃん。お菓子作りも手際がいいね♪」パチパチパチ

文香「キッチンでの立ち振る舞いに母性を感じます……346プロダクション内の女子小中高生アンケート『憧れの女性第1位』を獲得したのは伊達ではありませんね……」パチパチパチ

美波「未来のプロデューサーさんの妻として当然よ♪」フフン

夕美「大変だよ文香さん。広島が変な妄想に浸っててすごく怖いよ。救急車呼ぼうか」

文香「笑止……これだから広島出身は……どうしようとない田舎っぺオーラが滲み出ていますね……」ハッ

美波「持ち上げて叩き落すとはこのことね。落差にびっくりだわ。とにかくこれでお菓子は完成よ。試作品だけどね」

夕美「美波ちゃん。食べていいかな!」ハイッ!

文香「私も……よろしいでしょうか?」ピッ

美波「もちろん。味見してもらえると嬉しいな♪」

夕美「わーい。いただきます♪」パクッ

文香「いただきます……」ムシャリ

サクサク...モグモグモグ...ゴクリ

夕美「美味しい♪」ニコ-

文香「これは絶品です……♪」ニコリ

美波「ふふっ、よかった。クリスマスの時にかな子ちゃんにマカロンの作り方を教えてもらったの。アレンジしてビターチョコレートを挟んでみたのよ♪」

文香「完璧なほろ苦さです……これならプロデューサーさんも喜んでくれるはずです……」

夕美「そうだね! お菓子の味は間違いないよ!」

美波「じゃあ後はこのチョコマカロンをベースにして、それぞれ思いのものを作っていく形でいいわね♪」

夕美「うん!」

文香「ドライフルーツなどをチョコクリームに挟んでみても良いかもしれませんね……」

美波「あ、それ美味しそう。試してみましょう♪」

夕美「グッドアイデアだね!」

キャッキャッ♪

(そしてしばらくして)

トコトコトコ...

柚「(ん? 楽しそうな声がする……事務所のキッチンにいるのは……美波チャンたちカナ?)」コソリ

柚「(なんだか甘い匂いもする……)」スンスン

柚「(あ、わかった。バレンタインのチョコレート作ってるんだ♪)」ピコ-ン

柚「(むふふ……去年食べた美波チャンのガトーショコラは絶品だったんだよね……そうとわかればコソっとつまみ食いを…♪)」コソコソ


美波「文香さん。そっちのカプセルを取ってくれるかしら。黒と赤のものよ」

文香「どうぞ……ハグの薬とどれくらいの割合で調合するつもりですか……?」スッ

美波「だいたい7:3くらいで試してみるつもり。ハグシタクナール(ハグがしたくなる薬)とサムクナール(寒気を感じるようになる薬)を合わせれば目の前の女性を抱きしめたくなるはずよ♪」

夕美「これでプロデューサーさんのハグは決まったも同然だね!」

美波「喜ぶのは薬の調整が出来てからよ。夕美ちゃん♪」ニマニマ

夕美「えへへ、そういう美波ちゃんだってニマニマしてるくせに〜♪」ニマニマ

文香「当日のことを考えると……つい顔が緩んでしまいますね……♪」ニマニマ

3人「「「ふふふふ♪」」」ハイライトオフ



柚「……」ヒィ

柚「柚は何も見なかった。何も聞かなかった。さっさと帰ろう。そうしよう」コソコソコソ

ガクッ!

柚「おわっ! ま、まずいっ! 段差に引っかかって……!」

3人「「「そこにいるのは誰だァ!」」」シュタタタタタタ!

柚「ウワァァァ! 反応が早い! に、逃げなきゃァァァ!」モタモタモタ!

(しばらくして)

美波「ひっ捕らえた下手人をここに」

文香「はっ……」

夕美「キビキビ歩きなさい!」クイ-

柚「許してくださいっ! 縛らないでください! 柚はただチョコをつまみ食いしようと近づいただけなんです!」ジタバタジタバタ!

美波「残念だったわね。柚ちゃん。理由は何であれを見られたからにはタダで帰すわけにはいかないわ」ハイライトオフ

文香「この小鼠をどう調理しましょうか……こちょこちょ地獄……スク水亀甲縛り……学校のスカートの丈を詰めて超ミニスカートに変える……はずかしめる方法はいくらでもありますが……」クワ-

柚「ヒィィィッ! なんか生々しくて怖い! やめてェェェ!!」ガクガクガク!

夕美「覚悟してよね!」バ-ン!

美波「……待ってちょうだい。柚ちゃんの処遇については慎重に決めましょう」ピッ

夕美「えー?」

柚「……」ホッ

美波「仮に文香さんの言ったようなことをしても柚ちゃんが絶対に口外しなくなるわけじゃないわ。むしろ恨みを買ってリスクが大きくなると思うのよ」

文香「ふむ確かに……それには一理ありますね……」

夕美「くすぐりたかったなー」ブ-

文香「私が言えた立場ではありませんが……とんだ畜生ですね……この純真無垢のひまわりは……」

柚「あ、あのさ。柚は今日ここで見たことを言わないよ? 言わないから縄をほどいてくれないカナ?」

美波「いいえ。万が一のことを考えたら解放はできないわ」ノンノン

柚「しどい」

美波「ごめんなさいね。でも年に一度のチャンスだから少しでも不安要素は消しておきたいの。わかってもらえるわよね」ニコリ

柚「ウン。ワカリマス」コクコク

文香「騙されてはいけません……ペロッ……この味は『薬を盛ることはチャンスとは違うんじゃないカナ!?』とツッコミを入れたがっている味です……」クワ-

柚「ひ、ひくぅ! ほっぺを舐められた上に本音を見抜かれた!?」ガ-ン!

美波「嘘だったのね」

柚「あ、しまった」ハッ

夕美「柚ちゃんの嘘つき!」ム-!

柚「いやだって。そもそもなんでバレンタインに薬を盛ろうとしてるのさ」

3人「「「?」」」キョトン

柚「うわぁ。誰1人として薬を盛ること自体に疑問を持ってなかった反応だぁ」

美波「去年、私たちはプロデューサーさんにチョコをプレゼントしたのよ」

夕美「うん。それで美味しいって言ってもらえたんだけどね」

文香「それだけです……何もありませんでした……私は『さすが俺の良妻だ。一緒に暮らそう』と言われることを期待していたのに……」シュ-ン

美波・夕美「「やっぱり浅ましいのは本も同じじゃないの!!」」バン!

文香「……す、少しくらい甘い妄想くらいしてもよいではありませんか」アセアセ

美波「……とにかくプロデューサーさんは淡白な反応しかしなかったの。だから薬を盛るという結論に至ったのはごく自然なことでしょう?」

柚「自然じゃないよ。ねじ曲がってるよ」

文香「……ええい……物事の道理がわからぬ小娘ですね……やはり拷問にかけるしかないのでは……?」ワシワシ

柚「胸を揉まれてる!」

夕美「猫じゃらしもあるよ♪」フリフリ

柚「嫌ァァァ! 夕美サンがくすぐる気満々だ! 笑顔が怖い! すっごく怖い!」バタバタバタ!

美波「2人ともステイ」ピッ

夕美「また〜?」コショコショコショ

柚「あひっ!? あっ! あははははははは!! ヤダ! ひやっ、ひゃめてぇぇぇ/// あひゃひゃ! あっ/// あははははは!!!」バタバタバタ!

美波「花ァ」

(しばらくして)

柚「夕美サンなんかもう嫌い」クスン

夕美「!!!」ガガ-ン!!

文香「ごめんなさい……柚ちゃん……夕美さんは縛っておきますから……」ギュッ

美波「まったくもう酷いことをするわね……夕美ちゃんは」ハァ

夕美「一瞬にして四面楚歌だよ〜! 縄をほどいて〜!」パタパタパタ

美波「これでもう安心よ。柚ちゃん」ニコリ

文香「100均で買ったであろう安っぽい猫じゃらしも……燃えるゴミの中にダンクシュートしておきましたから……」ニコリ

柚「ふんだ。美波チャンも文香サンも同じだよ。もう嫌い」プイ-

美波「!!!」ガガ-ン!!

文香「……!!!」ガガ-ン!!

柚「……」ムスッ

美波「ご、ごめんなさい柚ちゃん。ど、どうしたらいいかしら」アセアセアセ

文香「な、縄をほどきましょう……一刻も早く……」アセアセアセ

柚「(……おっ、効いてる)」

夕美「ねぇ。私の縄もほどいてほしいな」ギシギシ

美波「ほ、ほどけました! どうぞ後はご自由に!」シュタ! 

柚「あーっ……やっと自由の身だー!」ノビ-

文香「これまでのご無礼……どうかお許しを……」ハハ-!

夕美「ねぇ。私の縄は?」ギシギシ

柚「お許しかー。どーしよっカナー?」

夕美「縄」ギシギシ

美波「ゆ、柚ちゃん?」

文香「ど、どうかお慈悲を……」

柚「(ほほう……どうやら美波チャンも文香サンも後輩には嫌われたくないとみた……この状況は利用するっきゃないよね……♪)」ニタリ

柚「んー。許してほしいなら……柚の言うことをいくつか聞いてもらおうカナ。まずは美味しいチョコを持ってまいれ♪」ニコ-

2人「「はっ! 仰せのままに!」」シュタッ!

夕美「もうほどいてよ〜!」ヒ-ン!

(しばらく柑橘系の天下は続いた)

美波「どうぞ! 試作品のチョコマカロンです!」スッ

柚「ほほう、これは……ん〜っ♪ 絶品♪」モグモグ

美波「お口にあって何よりです!」

柚「ミルクたっぷりのコーヒーも飲みたい。人肌ですぐ飲めるようにね♪」

文香「どうぞ……」スッ

柚「リラックスしたいナー」

夕美「お花の香りを!」パタパタ

柚「眠くなってきちゃった」ムニャムニャ

美波「毛布を!」スッ

柚「この毛布肌触りが悪い。もっとフワフワの高いやつがいいナー」

文香「ではこちらを……」スッ

柚「柄がイマイチ」

夕美「ではこちらの最高級の毛布をおかけします!」スッ

文香「オプションで縄を……」スッ

美波「そして拘束!」グルグルグル

柚「がはははは! 苦しゅうない! このまま柚の楽園を建設して……ってあるェー!? 縛られてる!?」ガ-ン!

美波「フラストレーションマックスよ」ゴゴゴゴゴゴ

夕美「志希ちゃんの薬に記憶を消すやつあったよね?」ゴゴゴゴゴ

文香「柑橘系にかける慈悲はありません……薬の被験体としてこのまま扱いましょうか……?」ゴゴゴゴゴ

柚「調子に乗ってごめんなさいっ!!!! サーセンっしたァァァ!!!!」ジタバタジタバタ!

(しばらくして)

美波・夕美・文香「「「和解」」」ガシッ

柚「和解」ガシッ

美波「これで手打ちにしましょう」

柚「うん。そうだね」

文香「遺恨は無しにしましょう……」

夕美「コーヒー淹れてきたよ。みんなで飲もうよ♪」カチャ

美波「ありがとう。夕美ちゃん♪」

文香「ありがとうございます……♪」

柚「ありがとう夕美サン♪ ……さっき嫌いだって言ったのはごめんね?」

夕美「ううん。私が悪かったんだもん。こっちこそごめんね?」

柚「いやいや柚こそ」

夕美「いや私こそ」

美波「もう過ぎたことじゃない。あまり謝り続けるのも良くないわよ」

文香「そうですね……このままでは永遠に終わりませんよ……」

柚「……そうだね♪」

夕美「じゃあこれで終わり! 仲直り!」

ハハハハハハ♪

美波「さて、と」

柚「?」

3人「「「薬を盛る話を再開しましょう♪」」」

柚「そこに戻るんだね!?」ガ-ン!

(しばらくして)

美波「ところで柚ちゃんは去年プロデューサーさんにチョコを渡したのかしら?」

柚「わ、渡したよ? 義理チョコだけど」

夕美「ふーん」ジト-

文香「ふむ……」ジト-

柚「な、何カナ。その目は」アセアセ

美波「柚ちゃん。本音を」

柚「ほ、本音?」ギクッ

夕美「柚ちゃん。私たちを誰だと思ってるのかな。柚ちゃんからほとばしる浅ましオーラは隠せないよ。見逃さないよ。本当に渡したのは義理チョコだったのかな?」

柚「な、何のことカナー?」キョドキョド

文香「とぼけても無駄ですよ前髪ぱっつぁん……おおかた……『みんながチョコを作ってたからついでに柚もプロデューサーサンにチョコ作ってあげたよー♪(激似裏声)』などと言って……本命チョコを渡したのでしょう……まったく……浅ましいですね…」フゥ

柚「ギックゥ」

美波「ほらご覧なさい」

夕美「そした本命チョコを渡した結果は淡白な『ありがとう。すごく嬉しいよ』という言葉のみ」

文香「あのPヘッドサイドにも問題があるような気がしてきました……」クワ-

柚「い、いや!? プロデューサーサンは悪くないよ!? た、ただ柚のチョコなんかじゃ他の子に比べたらあんまり上手じゃなかっただけで……別にハグとか期待してなかったけど……///」

3人「「「やっぱり本命だった」」」

柚「あ゛っ」

美波「安心してちょうだい柚ちゃん。隠すことはないわ。私たちは浅ましさと卑しさを持つ者の味方よ♪」ニコリ

夕美「清楚は友達!」カッ!

文香「共に行きましょう……ハグをされたいのでしょう……? あらゆる浅ましい願望は叶います……望みの世界は目の前です……」スッ

柚「……」

美波「さあ。薬は用意してあるわ」ドサッ

柚「……」

柚「えへへ……今年は素敵なバレンタインになりそうだね♪」ハイライトオフ

3人「「「ようこそこちら側へ♪」」」

【こうしてブレーキを失ったアクセル娘たちの実験は驚異的な発展を遂げていった】

(数日後)

美波「出来たわ! 完璧な『ハグシタクナール(ハグをせずにはいられなくなる薬)』の調合に成功よ! これをチョコに混ぜればしばらくハグをし続けることになるわ♪」

夕美「こっちも完成! 飲んだ人が耳元で褒め続けてくれるようになる薬の 『ホメタクナール』だよ♪」

文香「こちらもです……頭はもちろん……頬やうなじ……腕や手の甲を撫でたくなるようになる薬……『ナデタクナール』です……♪」

柚「こっちも出来たよ! 飲んだら最後! 目の前の人をお姫様抱っこしたくなる薬! 『ダッコシタクナール』だね♪」

美波「みんなの薬もいいわね」

夕美「全部試してみたいなぁ……」

文香「駄目です……それぞれ決めたものだけを楽しむという約束です……気持ちはわかりますが……」

柚「うんうん。プロデューサーサンも忙しいからね。ちょっとしたひと時を楽しもうよ♪」

美波「そうね。じゃあみんなクリームによく混ぜて包装しましょう。明日のバレンタインに備えてね♪」

3人「「「はーい♪」」」

柚「……」

柚「おや何か柚たちは道を間違っているような……?」ウ-ン

美波「何が間違っているのかしら?」キョトン

夕美「プロデューサーさんの身体に気を使ってチョコは作ってあるし、包装も完璧だよ? 渡す時間もあらかじめ決めてあるからお仕事の邪魔にもならないはずだよね?」

文香「……きっと杞憂ですよ」

柚「そっか。そうだよね♪」

美波「ふふふ。もしかして緊張してるのかしら♪」

柚「そ、そんなんじゃないやいっ///」カァァァァ

夕美「顔真っ赤〜♪」

文香「乙女ですね……」

柚「もぉぉぉ……! みんなからかわないでよ……///」プイ-

キャッキャッ♪

(そしてバレンタイン当日)

美波「(ハグ♪)」ニマニマ

夕美「(褒めてもらう♪)」ニマニマ

文香「(撫でを……♪)」ニマニマ

柚「(抱っこ♪)」ニマニマ

ちひろ「あ、皆さん。お疲れ様です♪」ニコ-

美波「お疲れ様です。ちひろさん。プロデューサーさんの部屋の前で何をしているんですか?」

ちひろ「検閲です♪」

美波「けんえつ?」

ちひろ「ええ。プロデューサーさんに頼まれましてプレゼントを一応チェックをさせていただいているんです。まさか薬を盛ったりする方はいないと思いますが……去年一部の方がやっていたので」

4人「「「「……」」」」

ちひろ「それでは晶葉ちゃんに作ってもらった異物検知マシーンでスキャンをして、と……おや、このマカロン……?」ピピ-ッ!

4人「「「「……」」」」コソコソ

ちひろ「……逃がしませんよ♪」ガシッ

美波「」

夕美「」

文香「」

柚「」

イャァァァァァァァァァ!!

【折檻後、急いでマカロンを作り直して普通にプレゼントした】

終わり

おまけ

(2/14以降)

慶(ルーキートレーナー)「さあ! お菓子のつまみ食いで体重を増やしてしまった人たち! 走るのです! 徹底的に走るのです!!!」パシ-ン!

かな子「ヒィィィッ!!!!!!」タッタッタッ!

美羽「ウワァァァァァァ!!!!」タッタッタッ!

乃々「んひぃ……っ! と、友チョコは全部食べなきゃ駄目だと思うんですけど……!」ヨタヨタヨタ

心(自主参加)「うぉぉぉぉぉっ!!! 食った後はトレーニングだぁぁぁぁっ!!!」タッタッタッ!

終わり

おまけ

P「話は全部聞いたよ」ニコリ

志希「」

ニ゛ャァァァァァァァァ!!

終わり

お読みいただきありがとうございました。
ちと早いですがバレンタインデーSSです。

初めからバレンタインデーの話を清楚組で書くことは決めていましたが、実は書き始めた頃は「HUNTER×HUNTER」のパロディを盛り込みまくった内容でした。最近コミックを全巻読み返したことが強く影響していて「水見式で清楚チョコが溢れてくる」「清楚能力で特殊なチョコを精製する」「清楚オーラ」「清楚チョコの戦い」など明らかに迷走している展開でした。我に返って「バレンタイン関係ねーな」とすべて没にしたのは正しい判断だったと思っています。(面子も3人組+藍子とささみでした)

もっとも「清楚能力」というアイデア自体は結構気に入っているので形を変えて別の話として書きたいとは考えています。
以上まったくの余談でした。

では今回はこの辺で
次の話でまた
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