エリカ「隊長の部屋に哺乳瓶が置いてあった」 (19)

まほ「さあ、上がってくれエリカ。何か用意しよう」

エリカ「い、いえそんな……隊長の手を煩わせるような!」

まほ「ふふっ……何もそんなに畏まる必要はない。今回の客人はエリカなのだからな」

エリカ(ついに……ついに来てやったわ! 念願の隊長の家!)ソワソワ

エリカ(長年隊長の副官として頑張ってきた甲斐があったわね!)

まほ「ここで座っててくれ。何か飲み物を用意する」

エリカ「い、いえお気になさらず」

まほ「ふふっ、そう言うな。黒森峰の隊長が部下に無礼を働いては示しがつかないからな」

エリカ「隊長……」キラキラ

エリカ(さすがは隊長! やることも言うこともかっこいいわ!)

エリカ(私……隊長についていきます!)ゴト

エリカ(あれ? 今何か手に触れたような……これは哺乳瓶?)

エリカ(哺乳瓶って子供がミルクを飲むときに使うものよね……なんでそんなものが隊長の部屋に)

エリカ(いや哺乳瓶だけじゃない。おしゃぶりにカラカラ……オムツまであるじゃない)


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エリカ(なんでこんなものが……)

まほ「すまない。冷蔵庫を捜してみたんだがあったのがアップルジュースしか」

エリカ「い、いえ大好きです! アップルジュース」

まほ「そうか……それなら良かった」

エリカ「あの……ところで隊長。一つ質問良いでしょうか」

まほ「なんだ。私に答えられることなら何でも答えるが」

エリカ「あの……隊長の部屋に哺乳瓶が落ちていたんですが」

エリカ「あれって……」

まほ「見たのか?」

エリカ「……え?」

まほ「見たんだな!」

エリカ「え、えっと……」

まほ「バブゥーッ!」

エリカ「ひぃ!?」

まほ「見られたのなら仕方ない。エリカ早速だが頼みがある」

エリカ(隊長が無表情のままバブーって叫んでる……)

エリカ「……な、なんでしょうか」ビクビク

まほ「私のママになってほしい」

エリカ「……はい?」

まほ「なんだ聞いて無かったのか? もう一度言うぞ?」

エリカ「言わなくてもいいです! 私が聞き返したのは意味が理解できなかったからですよ」

まほ「ばぶぅ」

エリカ「その無表情でバブるのやめて下さい怖いですから!」

まほ「本当はこんな要求したくはなかったんだがなバレてしまったのなら仕方ない。お前には私のママになってもらう」

エリカ「嫌ですよ! 何が好き好んで隊長のお母さんにならなくちゃいけないんですか!」

まほ「……ばぶぅ」

エリカ「だから無表情で言うの辞めて」

エリカ「そもそも隊長には家元がいるじゃないですか!」

まほ「お母様は躾に厳しいんだ。こんな姿を見られたらドン引きされてしまう」

エリカ「誰が見てもドン引きすると思いますけどね!?」

まほ「……ばぶ?」

エリカ「だからそれ止めてください!?」

まほ「エリカ……好きだ」

エリカ「な、急に……えっ……心の準備が」

まほ「だから私のママに……」

エリカ「なりませんから!」

まほ「むぅ……エリカなら良い母親になれると思ったのに」

まほ「エリカがママになってくれないとまた一人赤ちゃんプレイをすることになってしまう」

エリカ「一人赤ちゃんプレイって何なんですか! 隊長がそんなことしてるなんて知りたくなかった!」

まほ「ああ……一人赤ちゃんプレイというのはだな。妄想のママに……」

エリカ「説明しなくていいですからね!? これ以上聞くと隊長のこともう前みたいに見れない気がしますし」

まほ「エリカ!」

エリカ「は、はい!」ビグッ

まほ「西住流に後退という文字はない。エリカも西住流なら私のママになるべきだと思うのだが」

エリカ「赤ちゃんプレイに西住流を持ち出さないで下さい。西住流が穢れます!」

まほ「だがエリカ……今ここで私のママになることは人生において決して無駄ではないことだと思うぞ」

エリカ「むしろ無駄しかありませんよ! 隊長の赤ちゃんプレイに付き合うことがどう人生に役立つんですか!」

まほ「考えてもみろ。エリカも将来は結婚し子供も出来るだろう。なのに子供のおむつも替えられないようでは母親失格だとは思わないか」

エリカ「そ、それはそうかもですけど」

まほ「だから本番で失敗しないよう一度私で練習するべきだ」

エリカ「そ、それは何か違うような」

まほ「エリカ……物は試しだ。一度だけやってみないか」ドゲザー

エリカ「ちょ……土下座なんて辞めてください分かりましたから」

エリカ(隊長も西住流の重圧とかで疲れているものね)

エリカ(だったら私も副隊長として隊長を支えないと!)

エリカ「隊長がそこまで言うなら」

まほ「本当か!」

エリカ「い、言っておきますけど一度だけですからね! 一度だけ 

まほ「ありがとう……ありがとう」パァァ

エリカ「えぇ……」

エリカ「それで私はどうすれば」

まほ「なに……私が赤ちゃんになるからエリカはママとしてお世話してくれれば問題ない」

エリカ「なんだろう……頭痛くなってきた」

まほ「ばぶー! ばぶばぶー!」

エリカ「ひぃぃ!?」

まほ「ばーぶ! ママ! エリカママ!」

エリカ「え、えっと……ど、どうしたんですか?」

まほ「待て」

エリカ「はい?」

まほ「どこの世界に自分の子供に敬語を使う母親がいる」

エリカ「と言われましても隊長相手に敬語を使わないなんて」

まほ「私は隊長ではない。お前の赤ちゃんだ」

エリカ「……ハイ」

まほ「ばぶー ばぶーばばぶー!」

エリカ「あ……えっ……どうかしたの?」

まほ「ばーぶばぶ! ばばぶ」

エリカ「……」

まほ「ばぶー!」

エリカ「う……あ……その……ちょっと待って下さい!」

まほ「なんだ」

エリカ「ばぶーだけじゃ分かりませんよ! もっと何かサインを下さい」

まほ「今のが分からないとはエリカもまだまだだな。あれはお腹が空いたのサインだと赤ちゃんプレイ上級者なら分かるはずだが」ドヤァ

エリカ「なんでドヤ顔なんですか! こっちは赤ちゃんプレイ初心者なんですから!」

まほ「む……それもそうだったな。では分かりやすい言葉に変えることにしよう」

まほ「ママ! ミルク! ミルク!」

エリカ「うぅ……はい。これミルクよ」

まほ「待てバブみポイントマイナス20点だ」

エリカ「はいぃ!?」

まほ「考えても見ろ。どこに哺乳瓶を赤ん坊に手渡しする母親がいる」

エリカ「……つまり飲ませろと」

まほ「さすがはエリカだ。飲み込みが早いなミルクだけに」フフン

エリカ「何も上手くないですからね」

まほ「ママ! ミルク欲しいー!」

エリカ「はいはい。隊長……まほちゃんミルクよ。私が飲ませてあげるわね」

まほ「ふふっ……悪くないな」ゴクゴク

まほ「さすがはエリカだ。特に隊長呼びではなくまほちゃん呼びはバブみポイントが高かったぞ」

エリカ「出来ればもっと違うことで誉められたかったです!」

まほ「それじゃ次はあやしかたの練習だ」

エリカ「あ、あやしかたですか?」

まほ「そうだ。これから私が泣き叫ぶからそのガラガラとおしゃぶりであやしてほしい」

エリカ「ま、まあそれぐらいなら」

まほ「おぎゃー! おぎゃー!」

エリカ(隊長が無表情のまま叫んでる……怖い)

エリカ(とにかくこうなったらやるしかないわね!)

エリカ「え、えっと……このガラガラで」シャンシャン

まほ「きゃっ……きゃっ」

エリカ(あ、音を鳴らすと喜ぶのね。それと涎も垂れてきてるから拭いてあげて)フキフキ

エリカ(そのあとおしゃぶりをしてあげれば良いのかしら)

まほ「……」ちゅぱちゅぱ

エリカ(それにしてもおしゃぶりを咥えてる隊長かぁ……見た目はシュールだけど意外と可愛いかも)

まほ「うむ……悪くないな。少し不慣れなところもあるが私のあやしかたはひとまず合格としよう」

エリカ「はぁ……あの……そろそろ終わっても良いですか。ここまでやったんですからもう良いんじゃないかなぁと」

まほ「ダメだ。確かに多少は上手くなったがまだ赤ちゃんマスターになるには経験が足りなさすぎる」

エリカ「いやそんなのなるつもり無いですけど」

まほ「それじゃ次はオムツを替えてもらうことにしよう」

エリカ「はいはいオムツですね……オムツぅ!?」

まほ「そうだ。赤ん坊の世話といえばやはりオムツの取り替えも大切なことだからな」

エリカ「い、いやさすがに隊長……後輩にオムツを替えてもらうのはどうかと」

まほ「赤ちゃんプレイをしてもらったんだ。今さら恥などないさ」

エリカ「それもそうですけど」

まほ「それに既に漏らしているからな」ジワァ

エリカ「……あーもう! 分かりましたよ。オムツを取り替えますね!」

エリカ「まずはズボンを脱がして」ヌギヌギ

エリカ「次にオムツを脱がすと……」ヌギヌギ

まほ「おぎゃーおぎゃー!」

エリカ「ええっ!? 今度は何!?」

まほ「オムツ交換の時、赤ん坊は様々な原因で泣くものだ。ただオムツを交換するのではなく赤ん坊をあやしながら交換することが勝利の鍵だ」

エリカ「オムツ交換してる時点で負けな気もしますけど。ほらガラガラよ……まほちゃんこれ好きでしょ」

まほ「わーい! きゃっきゃっ!」

エリカ(さて今のうちにオムツを取り替えるッ!)ヨイショ

エリカ「ふふんどうよ。私に掛かればオムツなんて何てことないんだから」

まほ「素晴らしいなエリカ。今日ほどお前が副官で良かったと思ったことはないよ」

エリカ「それはそれで反応に困りますけどね……」

エリカ「これで赤ちゃんプレイも終了ですね。食事もあやしかたもオムツ交換も終わりましたし」

まほ「いや……まだだ。まだ最後に一つやってほしいことがある」

エリカ「やってほしいことですか?」

まほ「最後に頭を撫でて褒めて欲しい」

エリカ「え?」

まほ「その……ダメだろうか」

エリカ「別に良いですけど今までの頼みごとがヤバかったので今度は普通だなぁと」

まほ「ああ……そうかも知れないな。だが西住流に生まれた以上勝利が当たり前の世界だ」

まほ「そんな世界では叱られるはすれど褒めてもらったことも甘えさせてくれたことも一度もなかった」

エリカ「隊長……」

まほ「だからエリカ……私のママになってほしい」ギュー

エリカ(そうか。隊長は今まで誰にも弱音を吐いたことが無いからこうして甘えることも出来なかったのね)

エリカ「よしよし……良くがんばったわね」

まほ「……う、お母様……」ポロポロ

エリカ「大丈夫よ。もう無理をしなくていいわ。今日は沢山甘えていいから」

まほ「う、うわぁぁん!? お母様ぁ……」

エリカ「ふふっ……もう子供なんだから」

まほ「これにて訓練を終了する!」

小梅「ふぅー今回の訓練も厳しかったねー」

エリカ「まあね。でもこれぐらいで負けるつもりなんか無いわ! 今度こそあの副隊長に勝ってやるんだもの」フンズ

小梅「ははは……凄い意気込み。私も頑張らないとですね!」

まほ「エリカ……この後作戦会議を行おうと思う。私の部屋に来てくれるな」

エリカ「勿論です! 隊長!」

小梅「エリカさん最近ほぼ毎日隊長の部屋に呼ばれてません?」

エリカ「それだけ隊長に信頼されてるってことよ」フフン

小梅「羨ましいなぁ! 私ももっと頑張って隊長に認められないと」

エリカ「ま、精々頑張りなさいな。それじゃ私隊長のところへ行ってくるわね」

まほルーム

まほ「あ、ママ!」

エリカ「よしよし。今日も戦車道お疲れ様。じゃあミルク飲ませてあげるわねー」

まほ「ばぶー!」

エリカ「あ、ミルク溢してるわよ。仕方ないわねぇ」フキフキ

まほ「ばぶばぶー」

エリカ「あら、ガラガラで遊びたいのね。本当まほちゃんってこれ好きよねー」シャンシャン

まほ「きゃっきゃっ」

エリカ「それじゃ次はオムツ替えの時間よ。ほらガラガラしてあげるから大丈夫、オムツ替えるまで良い子でいるのよ」ヌギヌギ

まほ「ばぶばぶ」

エリカ「ふふっ。良く泣かずに我慢したわね。えらいえらい」

まほ(あの日の一件以来私たちはこうして毎日のように赤ちゃんプレイをしている)

まほ(最初はぎこちなかったエリカも今では立派なお母さんだ)

まほ(確かに世間一般ではこの関係は歪かも知れない)

まほ(だが私はこの今の状況がとても幸せだ)

まほ「ばぶばぶ!」


何とか誕生日までに終わらせることが出来ました。エリカ様誕生日おめでとうございます!
皆さんも読んでくださりありがとうございます。それではHTML依頼出しときますね

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