THE 3名様~海未の手鞠歌~ (98)

「休暇」

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にこ「あ~疲れたぁ」

絵里「ちょっと…やめてよ。さっきから疲れた疲れたって連呼して。こっちまで気が滅入るのよ」

にこ「だって本当に疲れたんだもの。今日は部長会議もあったし」

希「え?にこっちってちゃんと部長の仕事してるの?」

にこ「してるわよ!あんた達が生徒会やってる時も出席してたじゃない!」

希「そうやったっけ?」

絵里「さあ?」

にこ「だいたい日本人は働き過ぎなのよ」

絵里「にこは別に働いてないじゃない」

にこ「だから日本人はって言ったじゃない!知ってる?どっかの国では仕事よりも休暇を大事にしてるのよ。家族サービスとか友人と過ごす事を尊重してるんですって」

絵里「へ~どこの国?」

にこ「さあ?」

絵里「さあって随分不確かな情報ね」

にこ「昨日ネットサーフィンしてたら書いてあったのよ」

絵里「そんな事してる暇があるなら勉強すれば良いのに」

にこ「だから勉強よ。学校じゃ教えてくれない事の勉強」

絵里「それでテストの点は上がらないでしょ?」

にこ「あのねぇ。テストが全てじゃないの。テストより大事な事があるでしょ?」

絵里「それがネットに書いてあるかしら?だいたいに書いてある情報なんて不確かな情報ばかり出し」

にこ「そんな事ないわよ」

絵里「現にさっきの情報も不確かだったじゃない。そうでしょ?ネットの情報なんか信用しちゃダメよ」

にこ「そんな事ないって。ネットで調べれば時間の短縮にもなるし」

希「まあな。えりちの言う事も間違いじゃないけど」

にこ「何よ?あんたも絵里の味方をする訳?」

絵里「そりゃあそうよ。流石希だわ!」

希「まあ、でも大事なのは見極める能力やん?」

にこ「見極める能力?」

希「そう!正しい情報かどうかを見極める能力!結局ネットなんて使う人次第って事なんよ。まっ、何でもそうやけどな」

にこ「それを言ったら元も子もないじゃない」

希「そんな事ないよ。一番大事なのはそこやって。素人がプロの使ってるバットを使ったって三冠王を獲得できるかって言ったらそうやないやん」

絵里「プロでも三冠王は難しいけどね」

希「まっ、でもさっきのにこっちを見る限りにこっちは陸サーファーの気があるからな。波に乗らずに丘から眺めてるだけ。だから情報があやふやになる。えりちは逆やな。深みにハマるタイプかな?」

にこ「どう言う事よ?無理に上手い事言わなくてもいいのよ?」

希「だから便利な物も使う人次第って事って話で落ち着くやろ?

絵里「まあ、言わんとしてる事は分かったわ。だいぶ回りくどい言い方をしてるけど」

希「ってネットに書いてあった!」

絵里「は?」

にこ「結局?」

「ゾッとする話」

穂乃果「ふぁ~」

絵里「何?寝不足?」

穂乃果「ん~まあね」

海未「全く。今日も数学の時間寝たましたもんね。イビキかいてましたよ?」

穂乃果「え?嘘?嘘でしょ?恥ずかしい、お嫁に行けないよ」

海未「冗談ですよ」

穂乃果「あっ…そうなの?いや~ビックリしたぁ。変な冗談言わないでよ」

絵里「海未が言うと冗談に聞こえないから怖いわよね」

海未「授業中に寝てるからいけないんです。だいたい遅くまで何をしてるのですか?」

穂乃果「あ~それがさぁ。昨日寝る前にスマホをいじってたらベットの隙間に落としちゃってさ」

絵里「スマホを?」

穂乃果「うん。ベットを動かして拾えば良かったんだけど横着してさ。隙間に何とか手を入れたんだよ。そしたら何かが人差し指と爪の間に刺さってね」

絵里「いや、やめて。これ以上は聞きたくない」

穂乃果「でしょ?も~痛くてさぁ。夜なかなか眠れなかったんだよ」

絵里「だから聞きたくないって言ってるじゃない。想像するだけでもう痛い…」

穂乃果「でしょ?でもね、絵里ちゃんが想像してるよりも更に痛いから。何たって眠れないくらい痛いんだから」

絵里「だからやめてってば」

海未「普段から横着するからそう言う事になるんですよ。面倒くさがらずにベットを動かして…」

穂乃果「やめてよ。痛い思いした人に正論を叩きつけないで!正論が一番こたえるんだから」

海未「言われたくなかったらもっとしっかりした下さい」

穂乃果「さらに畳み掛けるよ、この人は。海未ちゃんはSだね、S。ドSだよ」

海未「はい?」

絵里「それだと穂乃果はMって事になるけど…」



穂乃果「いや、それはない。痛いの嫌いだもん。昨日確認済み!」

絵里「私が言いたいのは精神構造の話しなんだけど」

穂乃果「でも、なんなんだろうね?あんな地味なのに凄い痛いって。多分骨折より痛いよ」

海未「そんな訳でないでしょう」

穂乃果「そんな事はある。三代地味に痛い事の一つだよ!」

絵里「いや、もう地味って言っちゃってるし。後の二つは?」

穂乃果「タンスの角に小指をぶつける事と口の中を噛む事!ちなみに二つ共この一週間の間にやってます」

絵里「だからやめてってば。想像しちゃうでしょ」

穂乃果「自分から聞いたのに…」

海未「やっばり穂乃果はもう少し落ち着いた方がいいと思います」


「あだ名」

凛「凛、気が付いたにゃ」

にこ「へ~」

凛「なんだと思う?」

にこ「さあ?」

凛「にこちゃんは何も考えないで分からないって言うにゃ。かよちんはなんだと思う?」

にこ「だって分かる訳ないじゃない」

花陽「えっと…ごめんね。私もちょっと分からないかなぁ」

凛「あのね、凛って子供の頃からあだ名が一個もないなぁって」

花陽「あだ名?」

凛「うん」

にこ「何?にこにーみたいなのが欲しいの?」

凛「ううん。ちゃんとしたのが」

にこ「あんた夜道を歩く時は背後に気をつけなさい」

凛「にこちゃん物騒だにゃ」

にこ「あんたがそうさせてんのよ」

凛「なんか…もっと上手い感じのあだ名が欲しいにゃ。かよちんみたいな」

にこ「かよちんを上手いとは思わないけど」

花陽「って言うか凛ちゃんが付けたあだ名だよね」

凛「やっぱり名前が凛だから…凛…リン…」

花陽「自分で考えるんだ…」

にこ「自分で考えたあだ名で呼んでって事?…イタイと思わないのかしら?」

花陽「……」

にこ「何よ?」

凛「凛…リン…りん…りんと言えば…りんりん…風鈴…鈴…すず!」

にこ「は?」

凛「すずってどうかな?」

花陽「すず?」

凛「うん。変?」

花陽「変と言うか…」

にこ「あだ名って言うより普通の名前みたいなんだけど」

凛「確かに。じゃあ、鈴を英語にすると?」

にこ「チャイムよ」

花陽「ベルじゃないかな?」

にこ「まあ…そうとも言うわね」

凛「ベル!そうか~ベル!いいかもしれないにゃ」

にこ「え?何?じゃあ、これからあんたの事はベルって呼べばいいの?」

凛「構わないよ」

にこ「何よそれ」

花陽「私はやっぱり…凛ちゃんは凛ちゃんがいいな」

凛「かよちん?」

花陽「だって、私の中では凛ちゃんは凛ちゃんだから。呼び方が変わっても凛ちゃんは凛ちゃんだけど…。私は凛って言う名前が一番大好きだから」

凛「かよちん…。やっぱり凛は凛のままで…ううん。凛のままがいいにゃ!」

花陽「うん」

にこ「完全に花陽に鈴を付けられてるわね。凛は」

「敗北」

穂乃果「うぅ~」

希「穂乃果ちゃんどうしたの?」

凛「海未ちゃんと勝負して負けたんだよ」

希「勝負?なんの?」

凛「腕相撲」

希「腕相撲って…男子高校生みたいな…。それで落ち込んでるん?」

凛「ん~普通の負け方じゃなかったからね」

希「どう言う事?腕相撲やろ?普通じゃない負け方ってなんなん?」

凛「ズルしたんだよ」

希「あ~ズルして負けたん?」

穂乃果「違う。違うよ。ちょっと海未ちゃんの気をそらしてその瞬間に腕を引いただけだもん」

希「なんも違くないやん。すっごい汚い真似して負けたんやん」

凛「凄い憐れだったにゃ」

穂乃果「憐れまないで!!!可哀想な人みたいに」

凛「可哀想だよ?」

穂乃果「うぅ…凛ちゃん酷い…」

凛「だって…あれはなかったよ」

希「そんなになん?」

凛「だってズルして腕引いた時に滑って肘が机から外れてその勢いで顎を机の角に強打したんだよ。しかもそれで反則負け」

希「うわ~それは酷いわぁ」

凛「でしょ?」

穂乃果「だって穂乃果は普通のか弱い女の子なんだよ?」

希「か弱いと言うよりも小狡いやん。海未ちゃんだって普通の女の子…普通ではないかぁ」

凛「普通ではないにゃ」

穂乃果「でしょ?だから頭脳プレイで行くしかないじゃん」

希「物は言いようやなぁ」

穂乃果「まあでも…海未ちゃんの力の前には穂乃果の組み立てた作戦も無残に砕け散ったけど…」

凛「違うよ?穂乃果ちゃんが勝手に自滅したんだよ?」

穂乃果「いや…うん。負けた人間にこれ以上何か言う?」

希「言われても仕方ない様な事をしたんやん」

穂乃果「くぅ…こんな時ことりちゃんだったら優しく慰めてくれるのに」

希「ことりちゃんの悪い所やな」

穂乃果「だいたい希ちゃんだってそう言う事するじゃん」

希「だってウチはそう言う事は華麗にやるもん」

穂乃果「うわっ。自分で言った。恥ずかしい」

希「いや…」

穂乃果「そして思ったより効いた」

凛「ズルいことをするのに華麗とかあるの?」

希「あるよ。ズルい事はスマートにやってこそやん?意表を突いたみたいに思わせなきゃ。無様にやるからズルい人になっちゃうんよ」

穂乃果「成る程。確かに一理ある」

希「やろ?」

凛「確かに。にこちゃんや穂乃果ちゃんがやるとずるいって思うけど希ちゃんが同じ事やっても全然違う感じがするにゃ」

希「そうやろ?大事なのは演出、タイミング、そしてそれで勝つ事!」

凛「全部穂乃果ちゃんにはないやつにゃ!」

穂乃果「うぅ…もういいよ。ドリンクバー行ってくる」

凛「あっ!凛も~」

希「まあ、そんなもんが無くても穂乃果ちゃんには圧倒的スキルがあるんやから気にしなくてもええのにね」

「メニュー」

凛「凛は考えたにゃ」

穂乃果「何を?」

凛「このお店を更によくするにはどうすれば良いのか」

穂乃果「余計なお世話だと思うけど。凛ちゃんが考えなくたってお店の人が考えるよ」

凛「あ~その考え方が良くないにゃ。穂乃果ちゃん接客業向かないよ」

穂乃果「あのさぁ。和菓子屋の看板娘なんだけど。凛ちゃんよりも全然お店に出てるからね」

希「まあ、穂乃果ちゃんの実力云々は置いといて。聞こうじゃないか。凛ちゃんのその考えとやらを。もしかしたら革命につながるかもしれないし。ふっふっふっ」

穂乃果「それ何キャラ?」

希「で?考えとは?」

凛「えっとね。ラーメンの硬さとか太さ。スープの濃さを選べたらいいのにって」

希「成る程~。はい!解散~」

凛「え?なんで?」

希「そこまで求めたらもうラーメン屋さんやん。ここファミレスやからね?」

穂乃果「そうだよ。メニューラーメンがあるだけでも感謝しなきゃ」

凛「でも…選べたら嬉しくない?」

希「そりゃあね。けど、そこまでするのは大変やろ?用意したり店員さんの教育とかだって必要になるやん」

凛「でも、ラーメン屋さんは当たり前にやってくれるにゃ」

希「ラーメン屋さんはラーメンを作る基礎が出来てるからね」

穂乃果「そうだよ~。ラーメンを作る技術をファミレスの店員さんに求めるのは酷だって」

凛「そうかぁ」

希「ファミレスだって商売やからねぇ。勝算があるなら取り入れるやろうけど。凛ちゃんのその案はデメリットの方が多そうやん?」

凛「ん~」

穂乃果「そうだよ。ファミレスでラーメンのバリカタなんて誰も頼まないって~」

凛「でもなぁ。凛はお客さん目線で考えてそう思ったんだけどなぁ」

希「どうしてもって言うならお客様アンケートに書いてみたら?もしかしたら採用されるかもよ?ウチ等の素人考えかもしれんし」

凛「ん~…そうしてみるにゃ~。採用されたらうっれしいにゃ~」

希「されたらええね」

穂乃果「もし採用されたら穂乃果がラーメン奢ってあげるよ!」

「遊び」

母親「こら!外でゲームするのはやめなさいって言ってるでしょ?」

子供「今はお店の中だも~ん」

母親「そう言う事を言ってるんじゃないの」


絵里「周りを見渡すとゲームをやってる子供が多いわね。私達が子供の頃ってそうだった?」

ことり「ん~…私はそんなに…」

海未「絵里は幼少期はロシアだったのでは?」

絵里「あっ、そうね。ついウッカリ」

海未「ウッカリ…」

絵里「ねえ?二人が子供の頃ってどんな事をして遊んだの?」

海未「子供の頃?」

ことり「ん~鬼ごっことかかくれんぼとかだよね?」

海未「そうですね。特にかくれんぼが多かったですね。穂乃果は何故か見つけるのが上手で」

ことり「よくやったね~。海未ちゃんなんて最初仲間に入れてって言えなくてね」

海未「そんな事はなかったです」

ことり「あったよ~。海未ちゃん恥ずかしがり屋さんだったから~」

海未「もう」

絵里「なんか羨ましいわ~。でも、やっぱりどこの国もかくれんぼとか鬼ごっこってやるのね~」

ことり「ロシアでもやってたの?」

絵里「うん。万国共通なのね。ねえ?日本独特の遊びとかはやらなかったの?メンコとかコマ回しとか」

海未「コマ回しでしたらやった事はありますけど。メンコはないですね。ただ、日本の遊びでとなると…手鞠唄とか?」

絵里「手鞠唄?」

海未「はい。ゴム鞠などを使って歌に合わせて鞠をつく遊びです」

絵里「へ~」

ことり「海未ちゃん家のお庭とか神社とかでやったよね」

海未「そうですね。最近はメッキリ見なくなりましたけど」

絵里「そうなんだ。どう言う唄があるの?」

ことり「有名どころだと…あんたがたどこさとかかな?って言うかそれしか知らないかも…」

絵里「どんな唄?」

海未「あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ
舟場さ 舟場山には狸がおってさ それを猟師が鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ それを木の葉でちょいと隠せ~。と言う」

絵里「何を言っているのか全然分からない。海未がいい声をしてると言う事しか」



海未「これは九州が舞台の唄ですからね。とは言っても純粋な熊本弁ではないらしいのですが」

絵里「ふ~ん」

海未「こう言ったものはやはり地方に依存しますから」

絵里「そうなのね」

海未「はい。地方の噂話や伝説などを唄にしたりするんです。ですから、こう言った性質上、手鞠歌やわらべ歌は都市伝説になりやすかったり小説の題材になったりする事も多いですよね。かごめかごめや通りゃんせなども」

絵里「あ~いい、いい。この話はやめましょう」

海未「え?あっ、はい」

絵里「だってあれでしょう?都市伝説とか…自然と怖い話に展開しそうだったから。私はそんな話をしたかったんじゃないの」

ことり「でも多いよね。日本の遊びってそう言う…都市伝説的な…」

海未「好奇心からこじつけたくなるのでしょう。私が知ってる話では…」

絵里「ちょっと…どうして続けるのよ」

海未「すいません。つい…」

絵里「ついって何よ…ついって…」

海未「絵里の反応がいいので」

絵里「も~意地悪しないで」

海未「それでですね…」

絵里「だからぁ」

ことり「海未ちゃんが珍しく絵里ちゃんをイジって遊んでる。よっぽど嬉しいんだ…海未ちゃん」

「音階」

絵里「…ってな事があってね。海未に意地悪されたのよ」

真姫「へ~あの海未がねぇ。よっぽど絵里の反応が良かったのかしら?」

絵里「そんなにオーバーリアクションはしてないと思うけど」

希「ん~どうやろ?えりちは自分で思ってるよりも結構怖がりやと思うよ?その日だって怖くて亜里沙ちゃんと一緒に寝たんと違う?」

絵里「そんな訳ないでしょう!!流石に怖いからって理由で妹に一緒に寝てなんて言えないわよ。姉としてのプライドがあるんだから」

希「ふ~ん」

真姫「私は別にそれくらいは良いと思うけど。むしろ、それくらいの弱点でもなきゃ、完璧過ぎるもの」

希「まあ割と弱点多いけどね」

絵里「え?そんなにあるかしら?」

希「ま~確かに日本の童謡とかわらべ歌って怖いの多いけどな。歌詞はもちろん曲調もちょっと怖い感じの物が多いよね」

絵里「ちょっと…だから…はあ。希に話したのが間違いだった」

希「ん?怖いんやったらうちに泊まりに来てもええよ。一緒に寝てあげるから」

絵里「ダメよ。亜里沙が一人になっちゃうでしょ」

希「じゃあ泊まりに行こうかな」

絵里「そうして」

真姫「あっ、わた…」

絵里「え?何?」

真姫「何でもない」

希「で、話戻すけど」

絵里「戻さなくていいのに…」

希「どうなんやろな?やっぱりわらべ歌が怖く聞こえるのは日本の独特の曲調に耳が慣れてないからなんかな?」

真姫「それは面白い考察ね。でも、わらべ歌なんかで使われてるのはヨナ抜き音階が多いのよ」

絵里「ヨナ抜き音階?」

真姫「うん。日本独特の音階なんだけどこれは今でもJ-POPなんかに取り入れられてるけど…でもそうね。西洋音楽に慣れてしまった現代人の耳にはその歌詞の内容もあいまって暗く悲しいメロディに聞こえる事もあるのかも」

希「成る程なぁ。そう言う事かぁ」

真姫「あくまで憶測よ。そう言う考えもあるのかなって?根拠がある訳ではないし。ヨナ抜き音階は心地良いって話も沢山聞くから」




希「いいね、いいね。ウチこう言うの大好きや~。こう…皆んなで不思議を解明していく感じ。だからオカルトとかって好きや」

絵里「私は嫌い」

真姫「別に私も怖い話は好きじゃないけど。むしろ嫌い」

希「いや~でもさっきの真姫ちゃんの話は中々プロっぽい感じやったよ?納得しちゃったもん。確かにな~って。ウチはほら?神田明神でバイトしてるやろ?あそこで結婚式やるやん。その時に雅楽を演奏するんやけど。あのブウォ~ンて音最初聞き慣れてないからちょっと怖い感じすらしたもん。本当はめでたいんやけどな」

絵里「確かに。ちょっと分かる」

真姫「私は分からないけど」

希「まあ、いいや。この話はえりちの部屋でやるとして。そろそろ帰ろうか」

絵里「は?私の部屋でそんな事させないから」

希「え~するよね~?」

真姫「え?わ、私?」

絵里「ダメよ、真姫。一緒に阻止してね?」

真姫「ちょっと…誰も絵里の家に泊まるなんて…全く…仕方ないわね」

「願い事」

ことり「あの…穂乃果ちゃん?ドリンクバーだけでいいの?」

穂乃果「…うん」

海未「何かあったのですか?まさか…自主的にダイエットするとは思えないし…」

穂乃果「なんでよ!するかもしれないじゃん!」

海未「してるのですか?」

穂乃果「してない」

海未「では何故?」

穂乃果「金欠なの。今月のお小遣い残り少ないの」

ことり「今月まだ二週間も残ってるけど…」

海未「穂乃果は無駄遣いし過ぎです」

穂乃果「はあ…計画的に使ってたのにな。凛ちゃんにラーメン奢ったのが余計だったんだよ」

海未「凛に?」

穂乃果「まあ、色々と訳あってね」

海未「訳?」

穂乃果「まあ…大した事ではないから気にしないで。穂乃果はこのメロンソーダを最後の晩餐だと思って味わって飲むから」

ことり「ドリンクバーだから飲み放題なのに…」

海未「ん?穂乃果…その腕に付けているのは?」

穂乃果「んあ?あ~これ?ミサンガだよ」

海未「作ったのですか?」

穂乃果「うん。ことりちゃんが」

海未「ことりが?ことりが作った物を穂乃果が貰ったのですか?」

ことり「うん。作りすぎちゃって」

海未「そんな肉じゃがみたいな…」

穂乃果「可愛いでしょ?」

海未「まあ…」

穂乃果「ん?」

海未「いえ。ドリンクを取ってきます」

穂乃果「うん」

ことり「もしかして海未ちゃん。少し拗ねてる?」

穂乃果「だね。貴重な物をみたね」

ことり「うん。海未ちゃんの分もちゃんとあるのに。動画撮っておけば良かったな」

穂乃果「ことりちゃんも中々悪だね」

ことり「そんな事ないよぉ」

穂乃果「あっ、海未ちゃん戻って来た」

海未「何ですか?」

穂乃果「ん?別に別に」

海未「所で…」

穂乃果「何?」

海未「そのミサンガ…何か願掛けしてるのでしょう?」

穂乃果「あ~うん。してるよ」

ことり「えーどんなお願いしてるの?」

穂乃果「ん~とね~不老不死?」

海未「は?」

穂乃果「冗談だって。そんな顔しないでよ。色々考えたんだけどね。海未ちゃんやことりちゃん達といつまでも仲良くいれますように~とかさ」

海未「穂乃果!」

穂乃果「まあ、やめたけどね。お願いする様な事でもないかなって」

海未「そう…ですか」

穂乃果「まあ心配ないからねぇ」

海未「……そうですね!」

ことり「うん」

穂乃果「だからもっと欲望に忠実になってイチゴをたらふく食べれます様にとしました」

海未「穂乃果らしいですね」

穂乃果「でもさ~ことりちゃんこのミサンガ随分と頑丈に作ったね。全然切れる気配ないんだけど」

ことり「え?切ろうとしたの?」

海未「そんな事してるといつかことりに愛想をつかれますよ。ミサンガが切れる前に」

穂乃果「えっ!それは嫌だ」

「電子化」

凛「えっと…味噌ラーメンの麺硬めでお願いします。穂乃果ちゃんは?」

穂乃果「ハンバーグ定食で!」

希「あとドリンクバーを…」

穂乃果「はい!」

凛「凛も!」

希「三つお願いします」

店員「はい。かしこまりました」

凛「そう言えば穂乃果ちゃん最新巻もう読んだ?」

穂乃果「うん、読んだよ。いや~前回告白のシーンで終わったじゃん?」

凛「ネタバレ禁止にゃ~」

穂乃果「え~言いたいなぁ。言いたいなぁ」

凛「ダメだよ。ネタバレは最悪だよね?」

希「そうやなぁ。ネタバレは最悪やなぁ」

穂乃果「希ちゃんなんてスピリチュアルパワーで漫画の展開とか分かっちゃうんじゃないの?」

凛「え?それ可哀想にゃ。自動的にネタバレされちゃうなんて」

希「いや、そんな訳ないやろ。なんやそのその特殊能力」

穂乃果「ふ~ん。それもそうかぁ」

凛「ねえ、今日この後穂乃果ちゃん家に行っていい?」

穂乃果「え?家に?泊まりに来るの?別に良いけど…何して遊ぶの?」

凛「最新巻買ったんでしょ?凛にも読ませて欲しいな~って」

穂乃果「成る程。そうか、そうか。そんな凛ちゃんにお知らせがあります」

凛「え?なに?」

穂乃果「嬉しいお知らせと悲しいお知らせがあるんだけどどっちがいい?」

凛「嬉しいお知らせ!」

穂乃果「出来れば悲しいお知らせから聞いて欲しいかな」

希「だったら最初からそう言えばええのに」

凛「じゃあ、悲しいお知らせって何?」

穂乃果「実は…最新巻家にないんだよね」

凛「え?買ってないの?」

穂乃果「買ってはいるんだよ。スマホでね。これ嬉しい方のお知らせね」

凛「スマホで?通販って事?」

穂乃果「違う違う」

希「電子書籍やろ?」

穂乃果「そう!それ!だから今ここで読めるよ」

凛「わーい。嬉しいにゃ~」

穂乃果「本で買っちゃうとかさばるからねぇ」

希「え~それがいいんやないの?んで本棚を眺めるのがいいんやん。電子書籍やとそれが出来ないから」

穂乃果「え?希ちゃん本棚見てニヤニヤしてるの?一人暮らしってそんに暇なの?」

希「ニヤニヤするとは言ってないんやけど。いや、してるかもやけど」

穂乃果「まあ、希ちゃんの言いたい事は分かるけどね。漫画とか全巻集めた時の達成感とかあるしね。背表紙全部繋がったぞーみたいなね」

希「そやろ?それが今は全部電子化やん?確かに便利やけどな。その内大事な物まで電子化されてしまうんやないかと」

穂乃果「え?例えば?」

希「人の心とか」

穂乃果「そうなの?」

希「いや…知らないけどね。でも、それくらいの勢いがあるなって」

穂乃果「そっかぁ。でも、それは嫌かも。心なんて目に見えないからこそなのにね」

希「そうやんなぁ」

凛「穂乃果ちゃ~ん」

穂乃果「え?」

希「見えなくても感じる事は出来るんやなぁ。話はいいから早く漫画の続きを読ませてくれって」

「暗証番号」

にこ「げっ…携帯の電源切れた」

真姫「使い過ぎなのよ。暇さえあればスマホばっかりいじって」

海未「そうですよ」

にこ「仕方ないでしょ。今日はにこがずっと応援してたアイドルのライブの当選結果が来る日なんだから」

真姫「この時間まで来ないんだったらもう落選したんじゃないの?」

にこ「あ~もう。最悪だわ。花陽早く来ないかなぁ」

海未「花陽も応募してるのですか?」

にこ「当たり前じゃない」

海未「当たり前なんですか」

にこ「も~何してるのかしら。気になるなぁ~」



海未「私の携帯使いますか?」

にこ「え?いいの?」

海未「どうぞ。楽しみにしていたんでしょう?」

にこ「ありがとう~。やっぱり持つべきものは海未ちゃんよね~」

真姫「本当調子いいわね、にこちゃんは」

にこ「さてと…ん?ねえ?ロック掛かってるんだけど?」

海未「あっ、それこないだから何故か急に。変な所を押してしまったのでしょうか?直し方も分からず」

にこ「ふ~ん。暗証番号は?」

海未「0803です」

にこ「0803ね!あっ、解除出来た!サンキュー、海未」

真姫「ねえ、海未?」

海未「はい?」

真姫「0803って…穂乃果の誕生日じゃない?」

海未「え?」

にこ「あっ!確かに」

海未「あの…初期設定の時に覚えやすい数字をと思いまして」

にこ「何?それが穂乃果の誕生日な訳?」

海未「あの…まあ…4桁ですから…」

にこ「だったら自分の誕生日でいいじゃない」

海未「むぅ…自分の誕生日だと暗証番号として機能していないと思うのですが。にこはどうしてるのですか?」

にこ「私は2525よ」

海未「そう言う語呂合わせの様な安直な番号はバレやすいと思うのですが」

真姫「って言うか暗証番号を大きな声で言っちゃうあたり意味をなしてない様に思えるけど」

にこ「くっ…うるさいわね。だからって暗証番号が穂乃果の誕生日って」

海未「な、何がいけないのですか?」

にこ「別にいけないなんて言ってないわよ。ただ、あんた達付き合ってんの?って感じ?」

海未「は、はあ?そんな訳ないでしょう」

真姫「ちょっと声大きい」

海未「だって…」

にこ「何取り乱してるよ。冗談でしょ」

海未「悪い冗談はやめて下さい。にこは家族をそう言う目で見ますか?見ないでしょう?」

にこ「そう言う目って?」

海未「あなたが最初に言ったのでしょ!」

にこ「ああ…見る訳ないじゃない!虎太郎いくつだと思ってんのよ」

真姫「歳どうこうの話じゃないでしょ」

にこ「言いたい事は分かったけど。穂乃果は家族じゃないじゃない」

海未「似た様なものなんです。小さい頃からずっと一緒なんですから」

にこ「だったら親とかでもいいじゃない。わざわざ穂乃果にしなくたって」

海未「そ、それは…その…別にいいじゃないですか!!いけない事をした訳でもないのにどうして責められなくてはいけないのですか!たまたま思い付いたのが穂乃果の誕生日だったんです。絶対に忘れないし」

にこ「だから、たまたま穂乃果の誕生日を思い付くの事が…」

真姫「にこちゃん、もういいでしょ?」

にこ「な、何よ?」

真姫「海未の反応が面白いからちょっとからかいたくなっただけ。そんな必死になって弁明しなくたって私もにこちゃんも分かってるから」

海未「真姫…」

真姫「全く。海未も素直じゃないんだから」

にこ「海未もあんたには言われたくないだろうけどね」

真姫「何よ?」

海未「そう言えば当選結果確認しなくて大丈夫ですか?」

にこ「あっ、そうね。それじゃあ………あっ!?」





「平和賞」

凛「ん~ラーメン美味しいにゃ~」

花陽「はむっ。ん~やっぱりご飯は最高だよ~」

ことり「二人共幸せそうに食べるね」

凛「だって本当に美味しいだもん。ね~?」

花陽「うん。もし私がノーベル平和賞の受賞者を選べるなら白米にあげたいです」

凛「凛もラーメンにあげたいにゃ~」

ことり「授賞式が凄いシュールな絵になりそうだね」

花陽「う~ん。じゃあ…農家の人達にノーベル平和賞を…」

凛「え?凛は誰?ラーメン屋さん?」

ことり「ノーベル賞の受賞式って言うよりもモンドセレクションの授賞式って感じだね」

花陽「こんなに美味しいご飯をみんなの食卓に届けてくれるんだもん。平和賞をあげたい。ううん。あげたいなんておこがましいです。せめて…私の気持ちを…ありがとうを伝えたいです」

凛「分かるにゃ~。かよちん、分かるにゃ~」

ことり「私は二人に平和賞だよ」

「続編」

にこ「どうして映画の続編って大抵つまらなくなってしまうのかしらね?」

絵里「映画の続編?」

にこ「そうよ。映画の続編って大抵つまらないでしょ?」

希「ターミネーター2があるやん」

にこ「いや…でも、ないでしょ?なかなか」

希「だからターミネーター2」

にこ「ターミネーター2は一回置いときなさいよ」

希「置いとかないやろ。ターミネーター2は名作やろ」

にこ「分かったわよ。ターミネーター2は名作。けど、他にはないでしょ?二作目ってのはこけるのがお決まりなのよ」

希「そんな事ないとおもうけどなぁ」

にこ「じゃあ、ターミネーター以外の作品言ってみなさいよ」

絵里「MI2とか?」

希「いや…それは…」

絵里「スピードは?」

希「それも…」

絵里「猿の惑星は?」

希「うん…なあ…」

にこ「絵里が挙げたやつ全部イマイチじゃない」

絵里「そうかしら?」

にこ「うん。絵里が挙げた映画は全てにこが提唱した説に当てはまると思う」

絵里「そう。まあ、個人の趣味だからね」

希「うん。確かにそうや。C級映画好きって人も居るしな」

絵里「でしょ?」

にこ「私が言いたいのはあくまで傾向の話をしてんのよ」

希「傾向で言ったらどっこいやと思うけどね」

「時代の変化」

ことり「ん~どうしようかなぁ」

にこ「まだ悩んでるの?」

ことり「うん。中々思い浮かばなくて…」

絵里「方向性は?」

ことり「それも…まだなの…」

絵里「そう。何か参考になる物でもあれば良いんだろうけど」

にこ「そう言う事だったら面白いのあるわよ」

ことり「え?何?」

ガサゴソ

にこ「これ!」

ことり「ファッション雑誌?」

絵里「流行りのファッションでも参考にするの?」

にこ「違うのよ。これに過去の流行の特集が載ってるのよ」

ことり「過去の?」

にこ「そう。昔流行った物から参考にするのもアリじゃない?」

ことり「まあ…」

絵里「過去ファッションかぁ…どれどれ?ふ~ん」

にこ「何か良いのあった?」

絵里「良いのって言うか。これ凄いわね。ルーズソックス?」

にこ「あ~ルーズソックスね。子供の頃流行ってたわよね」

ことり「お姉さん達みんな履いてたよね」

にこ「そうね。今じゃ全く見ないけど」

絵里「へ~こんなのが流行したんだ」

にこ「この時代に生まれてれば絵里だって履いてたかもよ?肌焼いてルーズソックス履いてミニモニテレフォン歌ってたかもしれないわよ?」

絵里「何よそれ」

ことり「懐かしいね。コギャルなんてもう死語だもんね」

絵里「こんな裏原系とか森ガールとか言われても何がなんだか分からないわね。ヤマンバファッションなんて本当に流行ったの?信じられないんだけど」

にこ「居たわよね?」

ことり「うん。本当に…多分私達が幼稚園生くらいの頃だと思うけど」

絵里「何でこんなのが流行るのかしら…。このボディコンとこだって」

にこ「それは私も見た事ない」

ことり「私も」

絵里「なんか…どれもどうかしてるとしか思えないわね。こんな制服をロングスカートにしてたら不良と勘違いされそうよね」

ことり「う~ん。確かに…」

にこ「流行なんてそんなもんなんじゃない?」

絵里「まあ、そんなものね。ファッションに限らず流行っては飽きられの繰り返しだものね、流行なんて…。あの頃のたまごっち…今どうしてるのかしら…」

にこ「やめなさいよ。そう言う事言うの…」




「手」

穂乃果「美味しい~美味しい~ハンバーグ~」

希「ご機嫌やな~。何か良い事あったん?」

穂乃果「うん。今日はハンバーグ食べたいな~って思ってたらハンバーグ食べれるから嬉しくてね」

希「あっ、ナウなんや」

真姫「羨ましい性格してるわね」

穂乃果「ふふ~ん。今日は珍しく海未ちゃんに褒められるしにこちゃんから漫画借りたし。良い事づくしだよ~」

希「へ~。運気が良いんちゃう?」

穂乃果「そうなんかなぁ?」

真姫「なんで関西弁?」

希「ウチが見てあげようか?」

穂乃果「え?運気?」

希「うん。手を出して?」

穂乃果「はい」

希「あっ、ごめん。右手だけでええわ」

穂乃果「左はいいの?」

希「左は過去の。未来を占うなら右手なんやって」

穂乃果「へ~」

希「どれどれ~穂乃果ちゃんは…なるほどなぁ」

穂乃果「どう?穂乃果は何歳で結婚するの?宝クジは当たるの?」

希「ん~結婚はまあ…そのうち?宝クジは買えば何かしら当たるよ。いつか」

穂乃果「何かしら…案外大雑把なんだね」

希「まあね」

穂乃果「まっ、明るい未来が待ってるんならそれでいいや」

希「さっ、真姫ちゃん」

真姫「な、何よ?」

希「真姫ちゃんの手相も見たげる」

真姫「私のはいいわよ」

希「そんな事言わずに。別に減るもんやないしええやろ?」

真姫「分かったわよ。はい」

希「どれどれ~……」

穂乃果「何か良い事書いてあった?」

真姫「書いてって…おみくじじゃないんだから…」

希「ん~…」

真姫「な、何よ?もしかして…あまり良くない事が…」

希「あのな…」

真姫「う、うん」

希「真姫ちゃんの手綺麗やなぁ。指もスラッとしてて整ってるし。なのに柔らかくてずっと触ってたくなるわぁ」

真姫「なっ、何バカな事言ってるのよ」

穂乃果「あっ、真姫ちゃん赤くなった」

希「手も一気に温かくなったわ」

「初」

穂乃果「絵里ちゃんまたファンレター貰ったんだって?」

絵里「あら?誰に聞いたの?」

穂乃果「希ちゃん。やっぱり絵里ちゃん人気だねぇ。美人だし、基本賢いし、大人っぽいし」

絵里「ちょっと、やめてよ。照れるじゃない」

穂乃果「照れなくて良いんだよ~。本当の事なんだからさ。ねえ?」

真姫「そうね」

絵里「ちょっと真姫まで。そんなにおだてたって何も出ないわよ?」

穂乃果「え?そうなの?」

絵里「そうなの」

穂乃果「ちぇー、褒め損だなぁ…」

絵里「なんですってぇ?」

穂乃果「なんて冗談で~す」

絵里「も~歳上をからかわないの」

穂乃果「先輩禁止だも~ん」



絵里「全く。真姫、どう思う?この生徒会長は」

真姫「いいんじゃない?こんな生徒会長が居ても」

穂乃果「こんなって何さ。そりゃあ、絵里ちゃんに比べたらちょっとアレだけど」

真姫「まあ、絵里はエリートだからね。なんて」

穂乃果「あ~…うん」

真姫「え?な、何?」

穂乃果「真姫ちゃんがダジャレを言うなんて珍しいと思って」

真姫「は?え?ダジャレ?ダジャレなんて言ってないけど?」

穂乃果「え?今言ったじゃん。絵里だけにエリートだって」

真姫「それは…そんなつもりで」

穂乃果「良いじゃん別に。すべることくらい誰だってあるよ。ね?」

絵里「まあ…にこなんて定期的にすべってるし。私もそれなりにすべるわよ?」

穂乃果「むしろ嬉しいよね?真姫ちゃんがそんな事を言ってくれる様になって。ねえ?」

絵里「そうね」

真姫「待って。ちょっと待ってよ」

穂乃果「何?」

真姫「人の事をすべったって…やめてよ」

穂乃果「別に気にしなくていいんだって。プロのお笑い芸人って訳じゃないんだしさ。普通の人なんて10回に1回はすべるもんなんだから」

真姫「そ、そうなの?」

穂乃果「さあ?」

真姫「な、なによ。私はすべってなんて。たまたま、ダジャレっぽく」

穂乃果「真姫ちゃん。穂乃果の目を見て?」

真姫「うっ…」

穂乃果「穂乃果に誓える?すべってないって」

真姫「それは…くっ…ちょっと…ダジャレ言ってみようかなって思っただけで…」

穂乃果「でしょ?じゃあ、真姫ちゃんの初すべりを記念して乾杯しようか!」

真姫「やめて!!!」

「武道」

凛「にゃ~疲れたにゃ~」

希「しんどかったぁ。リリホワはダンスとかそんなに激しくないハズなのになぁ。練習…いや、訓練メニュー見直した方がええんやない?」

海未「何を言っているのですか!これでも、まだまだ優しい方ですよ?」

凛「ええ?これで?」

海未「そうです。だいたい、あなた達は文句が多い癖になんだかんだでついて来れるじゃないですか」

凛「そうなんだよね?なんかこなせちゃうんだよね~」

希「なあ?下手にこなせちゃうから訓練やって体力ついて更にキツイ訓練をこなせる様になって、また体力ついて…。悪循環や…」

凛「ね?凛どちらかと言うと瞬発力タイプなのに。体力までついちゃったにゃ…」

海未「良い事じゃないですか…」

希「いや、それでもついていくのは結構大変やからね?」

凛「そうだよ。凄い疲れるもん。逆に海未ちゃんはなんでそんなにピンピンしてるの?体力お化け?」

海未「人を妖怪みたいに…」

希「海未ちゃんは小さい頃から武道をやってたみたいやし。基礎が違うんやない?」

海未「まあ、それはあるかもしれませんが」

凛「そうだよね~。海未ちゃんって武道も出来るんだよね。強いんだよね?なんだっけ?」

希「あれやろ?カポエラやろ?」

凛「だっけ?」

海未「違います!古武道や剣道です」



希「それな!」

凛「でも武道ってそんなに体力つくの?何もやらないよりは全然違うと思うんだけど長距離走ったりとかそう言うイメージはないから」

海未「まあ。基礎的な体力作りはしますから。それに武道には独自の呼吸法と言う物もあったりしますしね」

凛「呼吸法?」

海未「はい。上手く呼吸を整える事が出来れば体力の向上にも?がります」

凛「へ~全然分からないけど取り敢えず凄いんだ」

希「呼吸法かぁ。凄いなぁ。どこで習ったん?ロンドン?」

海未「私の家の道場に決まってるでしょう!なんでロンドンなんですか?武道と言ってるでしょ」

希「いや~海未ちゃんはそのうち幽波紋も使いだしそうやね」

凛「それは希ちゃんの方が使えそうにゃ」

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