茶柱「夢野さーーん!!!」野崎「はい、夢野です」 (18)

茶柱「!!!? は、はあああああああ!!!? 貴方のような男死が夢野さんな訳ないじゃないですか!!!」

野崎(しまった、名前につい反応してしまった)

茶柱「……まぁいいです、この際ですから貴方にも力を貸してもらいます」

野崎「力?」

茶柱「実は転子の可愛い可愛い夢野さんと逸れてしまったんです」

茶柱「携帯電話は持つのが面倒くさいという理由で転子に渡してて……」

野崎「何故買った」

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野崎「まぁ急ぎの用事もないし……俺も探すのを手伝おう」

野崎「それで……その人の特徴は?」

茶柱「赤髪で……」

野崎「赤髪で……?」

茶柱「どこからともなく花を出して……」

野崎「花を……?」

茶柱「可愛い女の子です!!」

野崎「……!!」

野崎(赤髪……花……女の子……)

野崎「御子柴か!!?」

茶柱「夢野さんって言ってるじゃないですか」

茶柱「さ、転子と一緒に来てもらいます!!」

茶柱「……ところで貴方の名前は?」

野崎「ああ、俺は夢……じゃなかった、野崎梅太郎だ」

茶柱「野崎梅太郎さん……ですね。 茶柱転子です!!」

野崎「ああ、よろしく茶柱さん」

茶柱「……!! よかった、ちゃんと苗字で呼んでくれましたね」

茶柱「いきなり馴れ馴れしく下の名前で呼んでたら投げ飛ばすところでしたよ」

野崎「恐ろしいな……」

茶柱「くっ……しかしこの辺りは男死ばかりですね……」

茶柱「どこを見ても男死、男死、男死!! 嫌になります!!」

野崎「……男子が嫌いなのか?」

茶柱「当たり前です!!! 男死は女子の天敵!!! いつも女子との恋愛しか考えてない野蛮な生き物です!!」

野崎(鹿島の妹みたいな考え方だな)

野崎「じゃあ俺といるのも嫌じゃないのか?」

茶柱「嫌ですけど……今は人手が必要ですから。 それに背もでかいですからすぐ見つけられそうですし」

野崎「そういう事か……しかし探してる人も男じゃないのか?」

茶柱「はああああああああああああ!!!? 何勝手に夢野さんを男死扱いしてるんですか!!!!」

野崎「す、すまない……そうだ、御子柴じゃなかったんだったな」

茶柱「さては夢野さんの可愛さに嫉妬してるから夢野さんを男死扱い……?」

野崎「何故俺が嫉妬するんだ」

茶柱「けど……凄い人混みですね……中々進めません」

茶柱「一気に転子のネオ合気道で吹き飛ばして進みたいですけど……」

野崎「ネオ合気道? なんだそれは?」

茶柱「転子と師匠が産み出した我流の合気道です!!!」

野崎(瀬尾が喜びそうだな……)

茶柱「でもまぁ……ネオ合気道で吹き飛ばして進むのは我慢します。 そんなひどい事をするのは男死だけです。 転子は絶対にしません!!!」

野崎「男子でもしないと思うぞ」

茶柱「夢野さーーーーん!!! どこですかーーーーー!!!」

野崎「中々見つからないな……」

茶柱「早くしないと見知らぬ誰かに夢野さんが……」

野崎「そうだな……こんな時は『恋しよっ』なら鈴木が大声を叫んでマミコがそれに反応して見つかるはいいものの……」

野崎「マミコは別の男に襲われそうな所でそこで鈴木がそいつらをやっつけてハッピーエンド……という展開になるな」

茶柱「いきなり何わけの分からない事を言ってるんですか!!?」

茶柱「……!!! ちょっと待ってください。 あなた今、何て言いました?」

野崎「……? こんな時『恋しよっ』なら……」

茶柱「『恋しよっ』!!!!」

野崎「!!!?」ビクッ

茶柱「あなたも……もしやあの『恋しよっ』の読者なのですか!!?」

茶柱「……いや、そんな訳ありませんよね。 あれは少女漫画ですから男死が読む筈が……」

野崎「読んだことがあるのか?」

茶柱「転子ではなく……夢野さんが読み始めて……」














夢野『転子よ……邪魔するでない。 ウチは漫画を読むのに忙しいんじゃ……』

夢野『面倒くさがりのウチでも……この漫画は読むのが止められんのう』

















茶柱「転子と遊んでくれなくなったんですーーーーーーーー!!!!」

野崎(俺の漫画が彼女を動かしたということか……)ニヤリ

茶柱「なんで嬉しそうなんですか!? 他人の不幸を笑うとはやはり男死は最低ですね……」

茶柱「……ですが!! 作者の夢野咲子さんは女性!!! なので恨もうにも恨めなくて……」

野崎「……茶柱さんはその漫画を読もうと思った事はないのか?」

茶柱「……男死が登場しなければ読みます!!」

野崎「そこまで毛嫌いするか」

茶柱「……あ!! 見てください!! 手品用品売ってますよ!! ここなら夢野さんがいるかもしれません!!」

野崎「彼女は手品が好きなのか?」

茶柱「いいえ!! 夢野さんは魔法使いです!!!」

野崎「????」

茶柱「? 聞こえなかったんですか? 夢野さんは超高校級の魔法使いです!!」

野崎「……君は俺にネタを提供してくれてるのか?」

茶柱「違いますよ!!?」

茶柱「貴方もですか……夢野さんは超高校級の魔法使いなのに超高校級のマジシャンだと言われてるんです」

茶柱「ですから組織の陰謀によってここに来させられてる可能性があると考えたのですが……」

野崎「……そういう設定か」

茶柱「違います!!! ガルルル……」

野崎「す、すまん」

茶柱「兎に角探しましょう!!」

野崎「そうだな」














茶柱「夢野さーーーーん!! 夢野さんどこですかーーーーーー!!!?」

茶柱「はぁ……はぁ……これだけ呼んでも見つからないなんて……」

野崎「今なら夢野咲子のサインやるから出てきてくれー」

茶柱「持ってるんですか!?」

野崎(というか描ける)

茶柱「やっぱり……夢野さんは誰かに攫われて……」

野崎「考えたくはないな……」

野崎「……よし、今度はあっちを探すか」

茶柱「……そうですね」
















野崎「……ここにもいないか」

茶柱「あの……野崎さん」

野崎「なんだ?」

茶柱「どうして転子に……ここまで付き合ってくれてるんですか?」

茶柱「転子は出会ったばかりの人に人探しを押し付けたような物じゃないですか……」

茶柱「本当は……嫌なんじゃないんですか?」

野崎「別に嫌じゃないが……」

茶柱「じゃあどうして……」

野崎「……」

野崎「困ってるから……以外に理由がないな」

茶柱「……そうですか」

茶柱「野崎さんは……男死なのに優しいんですね」

野崎(ネタ探しに困ってるから夢野さんに直接『恋しよっ』の感想や希望する展開を聞きたい)

野崎「……!! この店……アジの開きが安いな……」

茶柱「そんなの見てる場合ですか!!」

夢野「んあー!! 誰がアジじゃーーー!!!」

野崎「!!!!?」

茶柱「!!! ゆ、ゆゆゆゆゆゆゆゆ夢野さん!!!!」

夢野「……んあ? 転子ではないか」

野崎「彼女が夢野さんか……見つかってよかった」

茶柱「どこにいたんですか夢野さん!! ずっとさがしてたんですよ!!」

夢野「んあ? なんでじゃ?」

茶柱「なんでって……夢野さんと歩いてたら途中で逸れて……」

夢野「ウチはめんどいから帰ると言ったではないか」

茶柱「なんですと!!?」

夢野「……まぁあの時のお主はウチの事を熱く語っていて全く聞く耳を持ってなかったからな」

野崎「想像できるな……」

野崎「……ん?」

野崎「携帯渡したまま帰ろうとしたのか……?」

夢野「別れた後も転子から沢山通知が来そうじゃからな……」

野崎「想像できるな……」

夢野「そこにいる男は誰じゃ?」

夢野「野崎さんです!! 転子と一緒に夢野さんを探してくれたんですよ!」

野崎「……夢野さん、君は『恋しよっ』が好きだと聞いた」

夢野「んあー……そうじゃな」

野崎「よかったら感想や意見を聞かせてくれないか?」

夢野「……どうしてそんなに聞きたがるんじゃ?」

夢野「……は!! まさか……」

野崎「……ああ、実は夢野咲子は……」

夢野「さてはお主……夢野先生の担当じゃな?」

野崎「違う」














茶柱「夢野咲子先生が……」

夢野「お主じゃと……?」

野崎「ああ、だから聞きたいんだ」

茶柱・夢野「……」ポカーン

野崎(どうやら生で会えて感動してるようだな)

茶柱「だ、男死のクセに女子を名乗るなんて!! 嘘も程々にしてください!!!」

夢野「王馬でももっとまともな嘘をつくぞ……」

野崎(全く信じてもらえてない)

夢野「何故担当なら担当とすぐに言わん……」

野崎(担当は普通に信じるのか……とりあえずそういうことにしよう)

夢野「まぁ折角だし言ってやろうかの……」

夢野「『恋しよっ』のいい所はな……」

野崎「いい所は……?」

夢野「魔法じゃ」

野崎「ま、魔法?」

夢野「人をメロメロにさせる魔法をウチは取得中でな……あれはいい魔導書じゃ」

茶柱「その魔法を転子に喰らわせるんですね!!」

夢野「違うわい」

夢野「……転子が迷惑をかけたのう。 お詫びにこれをやるわい」

パッ

野崎「!!? どこからともなく花が!!?」

茶柱「流石夢野さんです!!」

野崎「凄い手品だな」

夢野「魔法じゃ!!」

野崎「……魔法が使えるなら俺に漫画のネタを出してくれ」

夢野「どれだけ飢えてるんじゃお主は」

茶柱「……では野崎さん!! 転子達は帰ります!! ありがとうございました!!」

野崎「こちらこそありがとう」













茶柱「……全ての男死が悪いわけではないんですね」

夢野「んあ?」

茶柱「夢野さん! 転子、『恋しよっ』読みます!!」

茶柱「夢野さんの好きな漫画でお話したいですし、野崎さんが担当してる漫画なら面白いでしょうし!!」

夢野「……しょうがない、ウチのを貸してやろうかのう」

茶柱「わーい!! ありがとうございます!!」


















野崎「……」

野崎「……今度は読み切りで魔法使い物でも描くか」

おまけ

野崎(しかし茶柱さんの師匠が男の人だとは思わなかった……)

野崎(茶柱さんも俺がそれを指摘したら今更驚いていたが……)

野崎(きっと……男の人というのを差し置いても……立派な人格者……ということなのだろうか?)
















茶柱「師匠!! 今日もネオ合気道の練習付き合ってください!!!」

前野「いいよ!! 今日も僕のアイデアで新しい技を完成させちゃおう!!」

終わり

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