まほ「母の日にプレゼントを」 (23)

小梅「もうすぐ母の日ですけど隊長は何かプレゼントするんですか」

まほ「ああ……一応プレゼントすることは考えていたんだがな」

まほ「普段からあまりそういう経験がなくて何をプレゼントすれば良いのか分からないんだ」

まほ「小梅は……何をプレゼントするつもりなんだ」

小梅「一応定番の花をプレゼントしようかと」

小梅「ただ水やりとか手間が掛かりそうなので造花にしようとは思ってますけど」

まほ「確かに花も悪くはないが私としてはちゃんと生活の助けになるものがいいな」

まほ「今まで沢山苦労を掛けてきたんだ。実用的なものをプレゼントして恩返しがしたい」

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小梅「それならマッサージ機とかはどうでしょうか」

小梅「戦車道をやっていると筋肉痛なりやすいですし」

小梅「疲れた身体を癒すという意味でもマッサージ機なら役に立つような気がしますけど」

まほ「だがマッサージ機を買おうにもお小遣いが足りなくてな」

まほ「もう少し安ければ困らないんだが」

小梅「だったら手作りの料理やお菓子なんていうのはどうでしょうか」

小梅「私、タルトやベイクドチーズケーキなら作ったことありますし隊長さえ良ければ作り方を教えますけど」

まほ「手作りか……私も考えなかった訳ではないんだがな」

まほ「いかんせん料理となると食べると消えてしまい形として残らない」

まほ「私としては形としてちゃんと残り尚且つ生活に役立てるものがいいんだ」

小梅「実用的で安価なものですか……」ウーン

まほ「ふふっ……悩ませてしまったな」

まほ「私はショッピングモールで何か良いものが無いか探してくるよ」

まほ「小梅も何か良い案が浮かんだら教えてくれ」

小梅「はい!」

小梅「お互いプレゼント喜んでくれると良いですね!」

まほ「そうだな」

ショッピングモール

まほ「さてショッピングモールに付いたのはいいが何をプレゼントしたものか」

まほ「確かにそれなりに商品は揃っているが」

まほ「いかんせん数が多いとどれにするか迷ってしまう」

まほ「ここは一旦落ち着いてみほに相談してみることにしよう」

大洗

みほ「もしもし? お姉ちゃん」

みほ「急に連絡してきてどうかしたの?」

まほ『なに大した用事ではないんだが』

まほ『もうすぐ母の日だろう? 私はまだ何をプレゼントするべきか迷っていてな』

まほ『みほは何をプレゼントするんだ?』

みほ「私はペアルックぬいぐるみにしようかなって」

まほ『ぬいぐるみ?』

みほ「うん。私ってここに転校してから昔みたいに会えなくなったでしょ」

みほ「だからこのぬいぐるみをプレゼントすることによってお互い寂しい思いをしなくて済むんじゃないかなって」

みほ「ぬいぐるみを贈ることで離れていてもずっと一緒だよって伝えたいから」

みほ「私はこんな感じだけど少しはお姉ちゃんの役に立ったかな」

まほ『ああ。みほの話を聞いて贈り物に大切なのは実用性だけではなく真心も重要だと気づいたよ』

まほ『私も自分の気持ちに正直になってプレゼントを選ぶことにするよ』

みほ「うん。お姉ちゃんも頑張って」ガチャ

みほ「沙織さんに裁縫をある程度は教わったけど」

みほ「やっぱりぬいぐるみを作るって難しいなぁ」ザクザク

みほ「でもお姉ちゃんだって頑張ってるし」

みほ「私も負けてられないよね」フンス

黒森峰 母の日当日

まほ「みほお帰り」

みほ「ごめんね。わざわざヘリで送り迎えさせちゃって」

まほ「折角の母の日なんだ。これぐらい構わないさ」

まほ「ところでこの箱がプレゼントか?」

みほ「うん……喜んでくれるかな」

まほ「素直じゃないから口では文句を言うかも知れたいが」

まほ「きっと喜んでくれるさ」

みほ「お姉ちゃんはプレゼント何にしたの」

まほ「ふふっ、それは後のお楽しみだが実用的でありながら私たちの気持ちを的確に表したものだよ」

みほ「お姉ちゃんがそこまで力強く言うなら安心だね」

小梅「あ、みほさん!」

小梅「みほさんも今からプレゼントを渡すところなんですか?」

みほ「うん」

小梅「それなら私も一緒について行きますね」

部屋の前

小梅「いよいよ……ですね」ドキドキ

みほ「どうしよう……緊張してきちゃった」ドキドキ

小梅「ははは……私もです」

まほ「……鍵を開けて」ガチャ

まほ「それじゃせーので入るとするか」

まほ「せーの!」

みほ小梅まほ「「母の日おめでとう!」」バーン!

エリカ「……は?」

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小梅「今日は母の日ですからママにプレゼントをしに来たんです!」フンス

まほ「ふふっ……困惑しているママも可愛いぞ」

エリカ「え……ちょ小梅に副隊長まで……」

エリカ「そもそも私は三人のママになったつもりないんだけど」

みほ「でも……エリカさんは私に優しくしてくれたから」

みほ「困った時にはいつも助けてくれて黒森峰で独りぼっちだったときも真っ先に声をかけてくれて」

みほ「あの時気づいたんだ。あーこの人は私のママになるために産まれてきたんだなって」

エリカ「多分その考え間違ってるわよ」

エリカ「大体、あの時声をかけたのだって貴方が寂しそうにしてたから仕方なく声をかけただけで」

みほ「エリカさんのそういうところ……とってもママだと思う」ニコニコ

エリカ「えぇ……」

まほ「私も戦車道で疲れているときいつも慰めてくれたからな」

まほ「ずっと西住流を継ぐものとして厳しい教育を受けた私にとって」

まほ「エリカの母性はまさに砂漠に現れたオアシスのようなものだった」

まほ「それで分かったんだ。本当のママはお母様ではなくエリカなのだと」

エリカ「いや家元であってますから!」

まほ「ばぶー!」

エリカ「ひっ!?」

小梅「私も全国大会で転落しちゃって落ち込んだところをエリカさんに慰めてもらって」

小梅「あの日以来ずっとママとして見てました!」

エリカ「確かにちょっと励ましたかも知れないけど」

エリカ「なんでそこでママになるのよ!」

小梅「とにかく私たちはエリカママに感謝してるんです!」

小梅「だから私たちのプレゼント貰って下さい」

エリカ「はぁ……そりゃ感謝されるのは嬉しいけど」

エリカ「このプレゼントは受け取れないわ」

まほ「……どうしてだ。も、もしかして私たちのことが嫌いになったのか」オロオロ

みほ「そんな……私…………エリカさんがいないと」ハイライトoff

小梅「う、嘘ですよね。私たちのことが嫌いだなんて」ビクビク

エリカ「違うわよ! そうじゃなくて……貴方たちにはそれぞれのお母さんがいるでしょ」

エリカ「私にプレゼントするぐらいならちゃんと自分のお母さんにプレゼントを渡しなさいな」

まほ「ああ……そのことなら問題ない。ちゃんとお母様にはお母様用のプレゼントを用意している」

エリカ「そ、そうなの?」

小梅「エリカさんはママ枠でお母さんはお母さん枠なのでそれぞれにプレゼントは用意しているんですよ」

みほ「……」

小梅「というわけで安心して受け取って下さい」

エリカ「まあそういうことなら……」

小梅「じゃあ私からプレゼントしますね! じゃーん!」

エリカ「これは花束ね。可愛いじゃない」

エリカ「でもこれってカーネーション……ではないわよね」

エリカ「何の花なのかしら」

小梅「これはアイビーって花なんですよ」

エリカ「アイビーね。あんまり聞いたことないけど」

小梅「ちなみに花言葉は死んでも離れないです」ニコッ

小梅「あの世でも私のママでいてくださいね」

エリカ「ひぇぇ……」

エリカ「そ、それでみほ……貴方はどんなプレゼントを用意してきたの」ビクビク

みほ「私は自作のぬいぐるみだよ」

エリカ「あー……あの趣味の悪いぬいぐるみね」

みほ「えー可愛いと思うんだけどなぁ」ギロ

エリカ「そ、そうね可愛いかも……ね」ビクビク

みほ「というわけでエリカさん……私のボコ受け取って」

エリカ「ボコはこの中に入っているのね」

エリカ(まあ痛々しいぬいぐるみではあるけれど)

エリカ(怪我が多いだけであとは只のぬいぐるみだし)

エリカ(そんなに怯える必要もないか)ハコアケル

エリカ「……え、右目が抉れてる」

みほ「これペアルックだから……エリカさんのは右目で私のは左目が抉れてるの」

エリカ「ええ……」

みほ「これならインパクトもあるし見るたびに私のこと思い出してくれるかなぁって」

エリカ「思い出すけどトラウマになっちゃうじゃない!」

みほ「えへへ……トラウマでも覚えててくれると嬉しいなぁ」

エリカ「ひぇぇ……」

エリカ(二人とも結構ヤバめなプレゼントだったけど)

エリカ(さすがに隊長はまともなプレゼントをしてくれるはず)

エリカ「隊長はどんなプレゼントを?」

まほ「私はこれだ」ガサゴソ

エリカ「これは……毛布ですか?」

まほ「いいや……これは搾乳ケープだ」

エリカ「さく…………えっ?」

まほ「搾乳ケープだ」

まほ「このケープさえあれば布で360度隠すことが出来るからいつでも搾乳することが可能なんだ」

まほ「つまりいつでもエリカママに甘えることができるというわけだな」

みほ「お、お姉ちゃん……そんな物を用意していたなんて!」キラキラ

小梅「さすがは隊長です! これでいつでも赤ちゃんになれますね!」

まほ「実用的でありながらいつまでも私たちのママでいてくれという想いの籠ったプレゼントだ」


まほ「エリカも喜んでくれるな」

エリカ「……え、えーと…………はい」

まほ「それじゃ早速ケープを被せて中に入らせてもらうぞ」ゴソゴソ

エリカ「ちょ……何勝手に被せて……」

まほ「ふふふ……どうだ。これなら黒森峰の生徒にも私が何をしているか分かるまい」

エリカ「いや下半身見えてますから! 絶対怪しまれますって!」

まほ「大丈夫。ちょっとじゃれてるとでも言えば誤魔化すことができるさ」

エリカ「いや無理でしょ!」

まほ「戦車に通れない道はない。これもまた戦車道だ」

エリカ「えぇ……」

みほ「良かったねエリカさん……これさえあればいつだってミルクを飲ませることが出来るね!」

小梅「私……なんだかこのケープを見てるとまたエリカさんに甘えたくなっちゃいました」グググ

まほ「そうだな。本当は母の日だから甘えることは我慢しようと思っていたんだが限界だ」

まほ「エリカ……さっそく私のママになってくれ」

みほ「私は滅多に会えないし甘えることが出来ないから」

みほ「今日はエリカさんの胎児として沢山甘えたいなぁ」グググ

エリカ「ちょ……なんで三人とも近づいて」

エリカ「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ」

数時間後

みほ「おぎゃーおぎゃー」

まほ「ばぶーばぶー」

小梅「きゃっきゃっ」

エリカ「はいはい。ミルクね……ほら哺乳瓶よ」

みほ「わーい!」きゃっきゃっ

エリカ「はぁ……なんでこんなことに」

エリカ「まったく甘やかすのは今日だけよ?」

みほ「えへへ、エリカママ大好き」

まほ「ふふっ、オムツの取り替えも頼むぞ」

小梅「今日だけっていうけどいつもしてくれますよね」

小梅「本当エリカママは優しいです」ニコニコ

エリカ「はぁ……本当……甘えん坊なんだから」ナデナデ


今日は母の日ということで母の日に適したSSを書いてみました!
これにてこのssは終わりです。それではHTML依頼出しておきますね!

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