P(…)
P(まさか、夏葉が陰でタバコを吸っていたなんて…)
P(成人とはいえ、これが世間にバレたらアイドルのイメージに響く、よな…)
P(…夏葉も悩みがあるんだろうな。よし、ここはプロデューサーとしてきちんと向き合って話し合おう)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1558102705
ガチャ
夏葉「あら、プロデューサー。お疲れ様」
P「おお、夏葉。お疲れ様」
夏葉「どうしたの、眉間にしわを寄せて。アナタらしくないわ。いつもの優しい表情の方が素敵よ?」
P「…あ、ありがとう」
P(ちょっとドキッとした……って、そうじゃなくて)
夏葉「コーヒーでも飲む? 入れるわよ」
P「…夏葉、ちょっといいか?」
夏葉「何かしら?」
P「ここに座ってくれ」
夏葉「いいけれど…」
P「…」
夏葉「…?」
P「…夏葉」
夏葉「何かしら?」
P「…俺に隠してること、あるだろ」
夏葉「…!」
P「…自分の口から言って欲しいんだ。いや、責める気は無いんだ。そういう時も、あるよな」
夏葉「……どうやらバレてしまったようね」
P「……ああ」
夏葉「…プロデューサーの言う隠し事って、私がホープ自動車の新型エンジンの設計図をハッキングして有栖川グループに流したことよね?」
P「…………………え?」
夏葉「でも、プロデューサー、ちゃんとした理由があるの。彼ら、リコール隠しやインサイダー取引だけじゃなく政治献金までやってて、そんな汚い手口を使う彼らがどうしても許せなかったの。だから、つい……ごめんなさい。プロデューサー……」
P「……………………」
夏葉「……………………」
P「……………………ダメだぞっ」
夏葉「……ええ」
P「えーーーーと……夏葉、他にもあるだろ?」
夏葉「あら? 今のじゃないの?」
P「え? い、いやいやだって、ホラ、俺、知ってたし? アレだろ? 新型エンジンのハッキングだろ? 俺も学生時代ハッキングしてたもんだって 」
夏葉「あ、そうなの?」
P「そ、そりゃそうだろ! みんな通る道だよ、うん」
夏葉「プロデューサーはどこの企業を?」
P「え? えーーーと………マツモトキヨシ……?」
夏葉「え? ごめんなさい、聞こえないわ」
P「お、俺の話はよくて! とにかく、ハッキングはみんなやるんだよ! 他のやつだよ、他のやつ」
夏葉「他の……ああ、もしかして」
P「そう、それ!」
夏葉「私が無免許でー」
P「む、無免許? 車の免許は持ってるだろ」
夏葉「ーヘリを操縦したことかしら」
P「へ、ヘリ???」
夏葉「でもプロデューサー、仕方なかったの…! 設計図を盗まれただけじゃホープ自動車は何も変わらなかったの。だから、彼らの悪事を白日のもとに晒す必要があったのよ…! けど、今の私のハッキング技術じゃその証拠となるデータまで到達することができなかったの…。 だから、夜中直接ホープ自動車に忍び込んでフロッピーディスクを入手して屋上で待機しているヘリに乗り込んだところまではよかったのだけれど、操縦をしていたイーサンが」
P「い、イーサン…」
夏葉「イーサンが急に体調をおかしくして、「イーサン・ホーク? アーユーオーライ?」と言ったのだけれど、「ノー、アイムグロッキー…」と返事をされて……イーサンは持ってるの、免許を…でも私はまだ持ってなくて、でも、不慮の、そういう………でも、ええ、言い訳よね……」
P「……………………」
夏葉「……………………」
P「……………………コラッ」コツン
夏葉「あたっ」
P「……………………他にもあるだろ?」
夏葉「あら…? 今のでもないの?」
P「……うん、だって俺、知ってたもん! 夏葉のプロデューサーだし!! 俺も学生時代ヘリに乗ってたもん無免許で!!! これはみんな通る道だから!!!!!」
夏葉「みんな、そうなの…?」
P「そうだよ!!!!!! みんなやるよ!!!!!! 樹里も智代子も多分凛世もきっともう無免許でヘリ乗ってる!!!!! 果穂も中学に入ったら乗るよ!!!!!!」
夏葉「みんな、流石ね…」
P「うん!!!!! で!!!!! 他にもあるだろ!?!?!?」
夏葉「あ…もしかして、私がイスラエルの軍事機密である新型ウイルス兵器の受容体リガンドの」
P「違うよ違うよ違うよ!!!!!!!!」ガタッ
夏葉「!?」
P「さっきから何言ってんだよ夏葉ァ!!!!!!! これだよタバコだよ!!!!!!わからないよさっきから何言ってるのか!!!!!! 何だよナントカギガンドって知らないよそんなものは!!!!!! 白日のナントカだ!? 難しい言葉使うなーーーーーーーーっ!!!!!!!!」
夏葉「…………タバコ?」
P「いいか、アイドルがタバコなんて知られたらイメージダウンは免れないだろ!? どうして隠れて吸ったりしたんだ!! 何か悩みがあるのならー」
夏葉「プロデューサー、それ、タバコじゃないわよ」
P「は?」
夏葉「ちょっといいかしら……ほら、これ、起爆装置なのよ」
P「ゑ」
夏葉「ホープ自動車の悪事が露呈しても彼らが心を入れ替えなかった場合これを使うことになっていたの。でも勿論、死者を出すつもりはないわ。休日を狙って押すつもりだったの、だから……私を見限らないで欲しい、失望しないで欲しいわ、プロデューサー……」
P「……………………」
夏葉「……………………」シュン
P「……………………シツボウシナイヨ」
夏葉「!」
P「……約束したろ? 「この先、どんな未来になってもそばにいる」って。えっと……休日だろ? これ使うの。うん、休日ならいいよ。平日ならダメだけど、うん」
夏葉「ああ、よかったわ……」
P「ウン…」
夏葉「……あら、もうこんな時間。もう帰ってもいいかしら?」
P「ウン…」
夏葉「それにしても、警察の目は欺けてもプロデューサーの目は欺けないわね。さすがよ!」
P「…ソウダネ」
夏葉「ああ、そうだ。この一連の事件に関しては放クラのメンバーには内緒にしておいて欲しいの。少なくとも明後日の朝刊までは」
P「……オウ」
夏葉「私とアナタの約束よ!」
P「…オウ!」
夏葉「それじゃあ、また明日ね!」
バタン
P(……………………)
P(…ってことは、今夜か明日起爆するのかな…)
P(…なんか、色々聞いた気がするけど)
P(…とりあえず、楽しく話せたな…)
パーフェクトコミュニケーション…?
元ネタはインパルスの『隠れてタバコを吸った息子』より。夏葉は何でもできそうな気がしますね!
今度は前に書いていた肇ちゃんのSSのようなP夏葉SSを書きたいと思います。
それでは、またの機会に。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません