鞠莉「休日終わりそうじゃない???」曜「ヤバイ」善子「ヤバイわね」 (19)

【鞠莉部屋】


鞠莉「こんだけ休みあったらもう何でも出来そうじゃない!?」

鞠莉「と言い続けて早くも数十時間」

曜「驚くほど無駄に過ごしたね、ほぼ丸二日間くらい淡島ホテルでゲームしてたし」

善子「二人があと一回!あと一回やったら外遊びに行くって言い続けたからでしょ!」

曜「そんなこといったら善子ちゃんの無駄な宵っ張りのせいもあるでしょ!毎日五時寝十二時起きだよ!!」

善子「な……それでも午後遊びに行けばよかったじゃない」

曜「午後に起きると体がだるいんだよ!!」

善子「完全に自分の匙加減じゃない!!」

鞠莉「ストーーーーーップ!!こんな不毛な争いしてないで、今からでも有意義な過ごし方を考えるべきだわ」

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善子「大体、なによこの馬鹿デカいスクリーン。個人宅に存在するものなの?」

曜「一回はやってみたかったよね~こういうスクリーンでゲーム!」

善子「……まあ一回どころか何百回もやったわけだけど」

鞠莉「まだソフトあるわよ、連休前にめっちゃポチったから」

善子「淡島ホテルって……アマゾン届けてくれるの?」

鞠莉「来る、来る、フェリーに乗って届けてくれる」

曜「え、ホント!?」

善子「すぐ来るとは思ってたけど……やっぱ凄いのね」

鞠莉「ま、フェリーは嘘だけど」

善子「……なんなのよ」

曜「少しも楽しみが無い嘘だったね」

鞠莉「そこまで言う?」

鞠莉「次何やる?またエアライド?」

善子「エアライド画面で酔うしすぐ爆発するし嫌なのよ!!!」

曜「善子ちゃん、私達じゃないCPUに殴り掛かられてたからね」

善子「こう、テクニカルに思考で勝負が決まる奴がいいのよ、運が絡まないようなね」

曜「じゃあ、将棋だね」

善子「そうじゃなくて!!」

鞠莉「そういえばこの前物置漁ったら出てきた本榧の将棋盤があるわよ!」

善子「要らないわよ!」

鞠莉「じゃあゲームやめて、どっか行く?小旅行とか?」

曜「あ、いいね!旅行楽しそう!」

善子「でも日帰りよ? 日帰りで楽しめる所って……」

鞠莉「うーん……どこ行くかだけど、やっぱり、定番なのは温泉地への旅行よね」

曜「あー!やっぱいいよね~観光地巡って、美味しい物食べて!」

善子「最後はやっぱメインの温泉よね!星が見える露天風呂なんかいいわね!」

鞠莉「ああいう旅行って……夜更かしするイメージあるけど、朝は割と早く起きるイメージもあるわよね」

曜「確かに……なんでだろ」

善子「早く起きて、朝風呂とか行ったりしてね!自然が見える露天風呂だったりしたら最高ね」

鞠莉「善子、すぐ風呂に行こうとしてない?」

曜「善子ちゃんえっちだね」

善子「ちょ……な、なんでよ!」

鞠莉「すけべ大納言」

曜「堕天使えっちマン」

善子「だ、堕天使はダメでしょ!!!」

曜「ごめん」

鞠莉「もういいから、善子がすけべ大納言マンなのは分かったけど……確かに、温泉はいいかもね」

曜「確かに、自然が見えたらいいよね!身も心もリフレッシュ出来そう」

善子「山とか……海も」

曜「海かー……確かに、潮騒を聞きながら、なんていいかも!」

鞠莉「………」

曜「鞠莉ちゃん?」

鞠莉「……それ、ウチでも出来るわ」

曜「……」

善子「……」

鞠莉「温泉も、美味しい物も、ちょっといい感じのホテルもここにあるわ……」

善子「ちょっといいなんて言ったらバチが当たるわよ……超高級ホテルよ」

曜「ここになんでもあるからいけなかったんだね……」

鞠莉「とりあえず……ウチの温泉入っとく?手近な所で」

善子「ホント!?海が見える露天風呂って入ってみたかったのよね~」

曜「喜んでるね、善子ちゃん」

善子「なんで名指し!?普通に嬉しいだけよ!」

鞠莉「まあ、その……いやらしい目でみなければOKよ」

善子「いやらしい目って何!?見ないわよ!」

【廊下】
善子「ここってお風呂までの道結構長いけど普段面倒じゃないの?」

鞠莉「ああ、普段は室内のお風呂を使うわよ。私、一日に何回もお風呂入るからいちいちここまで来てたら……ね?」

曜「……私達小市民には部屋にお風呂があるって発想が無かったよ」

善子「なんか……虚しいわね」

鞠莉「それに、営業時間中はお客さん用だから、そんなに自由に使える訳でもないのよ? 正直コソっと入ればバレないけど」

曜「あ、そっか……お客さんもいるもんね」

鞠莉「ちなみに今はバリバリ営業時間だから、コソっと入るのよ」

善子「大丈夫なの、それ!?」

鞠莉「だいじょうぶよ~今居るの、昼時の今なんてチェックインしたばっかりの人ばかりでお風呂なんて誰も入らないわよ~!たぶん」

曜「最後の三文字で信用度がた落ちだね」

【浴場】


鞠莉「善子、浴場で欲情したらだめよ!」

善子「二点」

曜「一点」

鞠莉「曜に裏切られるくらいつまらなかったの……」

善子「いいから扉の前で立ち止まってないで中入りなさいよ!服脱いだままだと寒いのよ!」

曜「あー……やっぱ体重増えてるや」

鞠莉「そりゃあね……あれだけ引きこもってたらそうなるわよ」

曜「確かに……鞠莉ちゃんとこ、サウナとかあったら嬉しいのにね」

鞠莉「いいわね!サウナなんてあったら楽しそう、作ってもらえないか頼んでみようかしら!」

善子「サウナとかいいから早く!!寒いから!!!」

善子「ふう……極楽、極楽……」

曜「頭にタオルのせるやつ、やりたくなるけど絶対落としてグショグショになるよね」

善子「わかる」

曜「善子ちゃん、“アレ”ちゃんと準備してきた」

善子「ええ、着替えの中に入ってるわ……」

曜「そっか、ならだいじょ……おっと、鞠莉ちゃんが来ちゃうね」


ガラッ


鞠莉「おまたせー……どう?うちの露天風呂は」

曜「海の音が聞こえる気がする……」

善子「聞こえてるのよ、現に」

鞠莉「私もそんなに使う訳じゃないから……偶に入るとリフレッシュ出来るわね!」

曜「将来は絶対風呂の大きい家に住みたい……」

善子「目を覚ましなさい、このレベルを求めてたら取り返しがつかないことになるわよ」

鞠莉「ここ、上がったらどこ行く?」

曜「うーん、でも上がってすぐ出たら湯冷めしちゃいそう」

善子「確かに、暫く部屋に居ましょ」

鞠莉「完全に引きこもるパターンよね!それ!?」

善子「というか……しばらく出たくないわ」

曜「わかる」

鞠莉「完全に露天風呂に執りつかれてるわね……」

曜「ゴクッ……ゴクッ……ぷはっ!風呂上がりの一杯はうまいっ!」

鞠莉「フルーツジュースしかないけどね」

善子「なんでアレってコーヒー牛乳かフルーツ牛乳なのかしら?」

鞠莉「さあ……銭湯がよく使われてた頃自販機でよく売られてたからじゃない?」

善子「確かに、なんか普通にそれっぽい事言うわね……」

曜「えーと、なになに、『当時一般家庭には無い冷蔵庫が銭湯にあった為、乳製品メーカーがそれに目を付けた』……自販機よりずっと前だね」

善子「普通に違うじゃない!」

鞠莉「てへぺろ☆」

【廊下】

鞠莉「さて、っとお風呂にも入った事だし……何しましょうか」

善子「ど、ど↑うしようかしらねー?」

曜「さ、さあー↑?どうしよっか、善子ちゃん」

鞠莉「……? 私としてはは別に何をしてもいいけど……」

善子「ま、まあ?……へ、部屋に入ってから決めてもいいんじゃないかしら」

曜「そ、そう↑だねー、よし、部屋に戻ろう!!」

鞠莉「……ん?」

鞠莉「……」

善子「何やってるの?鞠莉、立ち止まって」

曜「部屋に入ろーよ!」

鞠莉「いや、なんかちょっと……」

善子「何かって何?なんか変かしら?」

曜「いいから部屋に入ろうよ!」

鞠莉「ほら!絶対変じゃない!botみたいになってる奴いるし!」

善子「いいから早く部屋に入るわよ!」

曜「入ろ!早く、部屋に入ろ!!」

鞠莉「え?なになに!?怖い怖い怖い!!」

鞠莉「じゃあまあ開けるけど……」

曜「早く!部屋に!入ろう!!」

鞠莉「明らかにおかしいでしょ!これ!」

善子「私もここまでしろとは言ってない」

鞠莉「もう、なんか埒が明かないから開けるけど……」

善子「大丈夫、爆発する可能性はかなり低いわ」

鞠莉「可能性はあるのね!!もうこの際だから開けるけど!?」

曜「……本当に開けていいの?」

鞠莉「……」

曜「……」

善子「……」



鞠莉「……」ガチャ

曜「ああっ!!」

善子「なんだったの今の、ホント」

鞠莉「爆発は……しなかったわね……一応……ん?」

鞠莉「……何、この巨大なケーキ」




善子「これは、誕生日ケーキよ」

鞠莉「誕生日ケーキ? 誕生日って……私のよね?」

善子「そうよ」

曜「おめでとう」

鞠莉「え……?うん、あんま状況が呑み込めないけど……ありがとう?」

鞠莉「一つだけ言ってもいい?」

曜「うん」

鞠莉「こういうのってさ、私がびっくりしてるうちに『お誕生日おめでとーー!!』みたいな感じでテンション高くお祝いして、サプライズって形が普通だと思うのよね」

善子「そうよね」

鞠莉「なんでそんな落ち着いてるの!?口数も急に減ったし!」

善子「いや……その、ドッキリかけるまでにテンション上げ過ぎて」

曜「今ちょっと……疲れちゃってる」

鞠莉「馬鹿なの?」

善子「なかなかストレートに来たわね」

鞠莉「まあいいわ……全く、こんなのどうやって運び込んだのよ……」

曜「えへへ……ホテルの人に頼み込んでおいてね」

善子「結構大変だったのよ?ケーキを運んでる様子を見られない様に、通り過ぎる時間を細かく計算してホテルの人にこっそり伝えて」

鞠莉「……そんなことしてたのね、もう」






善子「その……今更ハッキリ言うのも何だけど……おめでと、鞠莉」

曜「誕生日おめでとー、鞠莉ちゃん!!」

鞠莉「二人共……」

鞠莉「ありがとう、マリーとってもとっても嬉しいわ!!」

善子「良かったわね、曜、成功して」

曜「バッチリだったね、善子ちゃん!!」

鞠莉「そうだ……このケーキ、三人で分けて食べましょう!」

曜「あ、私さっき量った体重が気になるから…ケーキはパスで!」

善子「協調性ゼロか!!!」



おわり

この世界の6月13日は休日です

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