千歌「海の日の素敵なハプニング」 (19)
梨子ちゃんルーム
千歌「りっこちゃ~ん、おっはよ~♡」
梨子「おはよう、千歌ちゃ……って何!? その格好」
千歌(ワンピース水着)「なにって水着だよ~♡ 見てわかんない?」
梨子「いや、それはわかるけど。何で朝から水着なの? しかもここ私の部屋だよね?」
千歌「いや、だってね。今日は年に一度の特別な日なんだよ!」
梨子「特別な日? 千歌ちゃんの誕生日……ではないよね? 8月1日だし」
千歌「うん……っていうか、もし忘れてたら軽くショックだったよ。付き合い始めてもう半年になるのに」
梨子「忘れる訳ないでしょ、世界で誰よりも好きな人が産まれた特別な日なんだもの♡」ニコッ
千歌「梨子ちゃぁ~んっ///」カァーッ
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梨子「それはともかく、確か今日って『海の日』だったよね?」
千歌「そうだよ~、だからこんな時間まで寝てられたんだよ~」
梨子「ふふっ、そうね。久しぶりの祝日だから、いつもよりゆっくり寝られたわ」
千歌「梨子ちゃんって意外と早起き苦手だもんね。目覚ましないと起きられないタイプだし」
梨子「まあ、私低血圧だから──」
千歌「実はここ最近の研究だと、寝起きの良し悪しと血圧の高い低いってなんにも関係ないんだって」
梨子「えっ!? そうなんだ、初耳」
千歌「わたしもそれ知った時はビックリしたよ! なんか『じりつしんけー』ってのの働きが悪いと、なかなか気力が湧いてこないんだって」
梨子「自律神経ね。でもどうやったらその働きを良くできるの?」
千歌「えっとね、まずはちゃんと朝ごはんを食べること。梨子ちゃんは抜いてないよね?」
梨子「もちろん」
千歌「ほんと? 梨子ちゃんって『油断するとすぐ太っちゃうの』って前に花丸ちゃんと話してたから、もしかしたらって心配したけど」
梨子「それはないです。むしろ朝ごはん抜いちゃうなんて考えられない。とてもお昼まで保たないよ」
千歌「だよね~。保つ人スゴいっ!」
梨子「うんうん。それにどこかで食事を抜くとお腹が空いて、つい別の時間に何か食べたくなっちゃうし」
千歌「わかるよ~、その気持ち。わたしも日曜だからって朝抜いたら、お昼までに何度もおやつ口に入れちゃってたし」
梨子「どうせずっとスマ○ラしてたんでしょ? 善子ちゃんやルビィちゃんと」
千歌「……う、うん。オンラインでね」
梨子「楽しいのはわかるけど、きちんと朝ごはん食べてから遊ぶこと。いいね?」
千歌「あははっ。なにさぁ、その言い方」
梨子「えっ!? 何かおかしなこと言った?」
千歌「いや、なんだかお母さんみたいな注意の仕方だなぁ……って」
梨子「お母さんって……まだ娘はいないのに」
千歌「子ども、欲しいの?」
梨子「うーん、今はいいかな。まだ高校生だし、そもそも好きな人と作れそうにないし……って何言わせるのさぁ///」カァーッ
千歌「いやー、梨子ちゃんが勝手に自爆しただけじゃん」
梨子「うっ、ううっ/// このおっきな子どもはぁっ///」ムスッ
千歌「どうせ梨子ちゃんほど大人っぽくないですよーだ!」ベーッ
千歌「『じりつしんけー』を整えるには、他にも熱めのシャワーを浴びるのもいいんだって」
梨子「へぇ、そうなんだ。よく『寝る前に熱いお風呂に入るのは良くない』って聞くけど、その逆なのかな?」
千歌「みたいだよ。神経が刺激されて目が冴えちゃうみたい」
梨子「なるほどー。でもなかなか難しいかもね、朝の慌ただしい時間に合間を作るのって」
千歌「だからこそ早起きしてその時間を──」
梨子「それができないから、この話をしてたんだけど?」
千歌「ご、ごめんね。だけど鞠莉ちゃんは毎日2回もシャワー浴びてるみたいだよ」
梨子「『寝汗かいたままだとベタベタして気持ち悪いデース!』って言ってたことあったからね。千歌ちゃんは平気なの?」
千歌「わたしは平気だよ、大丈夫」
梨子「そっか、千歌ちゃん汗っかきだから気になったの」
千歌「ありがと」
千歌「後はね、軽い運動をするといいんだって」
梨子「軽い運動?」
千歌「うん。例えば犬の散歩とかね」
梨子「ああ、だから千歌ちゃんは早起き得意なんだね」
千歌「そうだよ~、毎朝しいたけと30分は歩いてるもん!」
梨子「なるほど、楽しそうだね」
千歌「うんっ♡ ほとんど人通りがない道を朝の日差しを浴びながら歩くのって気持ちいいんだよ~♡」
梨子「……元々人通り少なくない?」
千歌「言わないでよっ! そりゃ梨子ちゃんがいたアキバとかと比べたらそうだけど」
梨子「ご、ごめんなさい」アセアセ
千歌「別にいいよ、気にしてないから」ニコッ
梨子「ふぅ、良かった」
プレリュード「キャンッ!」尻尾フリフリ
千歌「ほらっ、プレリュードも『梨子ちゃんと一緒にお散歩行きたいよぅ~』って訴えてるよ」
梨子「そうなの?」ジー
プレリュード「キャンキャンッ!」
梨子「そうだよね、お母さんにばかり任せるのも飼い主として悪いよね」
プレリュード「キャフッ!」
千歌「じゃあ早く起きる理由もできたし、明日からがんばりこ、だよっ!」
梨子「うーん、そんないきなり頑張れないよ」
千歌「いきなりでいいんだよ! 思い立ったが吉日だよっ!」
梨子「いや、だけど──」
千歌「明日は連休明けだしちょうどいいじゃん!」
梨子「そりゃそうかもしれないけど──」
千歌「どうしても無理そうならモーニングコールする?」
梨子「モーニングコールっ!?」ガタッ
千歌「梨子ちゃんっ!?」ビクッ
梨子「千歌ちゃんの生ヴォイスで毎朝起こしてもらえるなんて……最高じゃない♡」ウットリ
千歌「梨子……ちゃん?」
梨子「『おっはよ~! ねえねえ、早く起きないと遅刻しちゃうよ~♡』みたいなお節介なお隣の幼馴染み風もいいわね~♡」ウットリ
千歌「幼馴染み風?」キョトン
梨子「あるいは『お目覚めのお時間ですよ、お嬢様(イケボ)』みたいな執事風なんてのもロマンよね~♡」ウットリ
千歌「ひつじ風?(聞き間違い) むしろもっと眠くなっちゃうんじゃない?」
梨子「いっそ『早く起きろよお前! 今起きないでいつ起きるっていうんだよ! 気合いだ気合い、気合い入れろぉ!!』って松岡○造さん風なのも悪くないかも♪」ニコッ
千歌「いやはや、この人はわたしになにを求めてるんだか。っていうかそれ、アニマル浜○さんだよね?」ハァ
梨子「ってな訳でこれから毎朝モーニングコール、お願いします!」ペコッ
千歌「うん、いいけど普通に起こすからね。ひつじ風とかアニマル○口さん風とか期待しないでね」
梨子「ええーっ!? 千歌ちゃんの意地悪ーっ」ムスッ
千歌「意地悪で結構ですよーだ!」ベーッ
梨子「ふふっ、その仕草も可愛いよ。千歌ちゃん♡」ニコッ
千歌「ふへっ///」カァーッ
梨子「そのお目めをパチクリさせて驚いた顔もねっ♡」
千歌「んなぁーっ、不意討ちは卑怯だよぅーっ///」モジモジ
梨子「話を戻すけど、どうして千歌ちゃんは水着姿なの?」
千歌「どうしてって、そりゃ理由は1つしかないでしょ!」
梨子「グラビア撮影?」
千歌「はい?」キョトン
梨子「だって私達、スクールアイドルだし」
千歌「いや、それはそうだけど──」
梨子「千歌ちゃんが私のお願いしたポーズを取って、それを私が自由に撮っていいんだよね♪」ニッコリ
千歌「いやいや、個撮じゃないからぁ///」モジモジ
梨子「ふふっ、冗談よ」ニコッ
千歌「変なじょーだんはよしてよぅ///」アセアセ
梨子「『海の日なんだし一緒に泳ぎに行きたい』、そんな感じでしょ?」
千歌「そーうですっ♪ 正解した梨子ちゃんに座布団1枚持ってきて~」
プレリュード「キャンッ!」
梨子「何か色々混じってるから! っていうかプレリュードも乗らないのっ!」
ちかプレ「「くぅ~ん」」ショボーン
梨子「いや、何この人と犬がシンクロしちゃってるの」
千歌「ダメだった?」キョトン
プレリュード「キャフッ?」キョトン
梨子「別に駄目とは言ってないし、元々千歌ちゃんは犬っぽいところがあるし、それよりプレリュードが私より千歌ちゃんに懐いてる気がしてちょっと悔しいんだけど」
千歌「そうかなぁ?」
プレリュード「キャウ~ン?」
梨子「そういうところよ」
千歌「とにかく、話がわかってるなら梨子ちゃんも早く着替えて!」
梨子「水着に?」
千歌「そうだよ~♡ まさか『真っ裸で泳ぐ』とでも言うつもりじゃないよね?」
梨子「それもアリかもしれないけど、ここは日本だもんね♡」
千歌「海外だとあるみたいだもんね、ヌーディストビーチってのが。っていうか、梨子ちゃんは行ってみたいのぉ!?」
梨子「う~ん……別に千歌ちゃん以外の全裸姿に興味ないしなぁ~♪」
千歌「……そういう理由なんだね」
梨子「そうでしょ、彼女や彼氏や『とりあえず一夜を共に明かしたい』だけの相手探しならともかく」
千歌「うーんこの脳みそピンク色に染まっちゃってる人は」
梨子「違うよぉ~、私は脳みそまで蜜柑色だもんっ♡」テヘッ
千歌「梨子ちゃんっ/// ……なんであれ、いきなり脱がないでよね」
三津海水浴場(お外の砂浜)
推奨BGM:夏のお嬢さん
https://youtu.be/VL_JbdAMS7I
千歌「じゃあ泳ぐぞ~♪」
梨子(ビキニ)「泳ぐわよ~♪」
千歌「いや~、わたしと梨子ちゃんしかいないなんて貸し切り状態だよね~♪」
梨子「ほんとよね~♪ これなら千歌ちゃんとあ~んなことや、こ~んなことしちゃっても──」
千歌「いや、普通に通報されちゃうから止めてよね」
梨子「冗談冗談、マイ○ル・ジョーダン♡」テヘッ
千歌「……どこまで冗談かわからないのが怖いのだ」
梨子「私、千歌ちゃんに対しては誰よりも真摯に向き合ってるつもりだよ。私は淑女だけど♡」
千歌「淑女っていうより痴女だよね、今日の梨子ちゃんは」
千歌「うわぁ~、ちべたぁ~い♡」
梨子「ひゃっ、ほんとだねぇ~♡」
千歌「えいえいっ!」パシャパシャ
梨子「やったわねぇ~それっ!」パシャパシャ
千歌「ぐぬぅっ、やるなぁ普通怪獣りこっぴー!」
梨子「捕まえてくれるわ、普通怪獣ちかちー!」ガバッ
千歌「なんのっ!」サッ
梨子「待てえぃっ!」
千歌「待たないよ~だ♡ ここまでおい──うわっ!?」
バシャーン!
梨子「千歌ちゃんっ!?」
千歌「わぷっ、あ、足がっ」バタバタ
梨子「大丈夫っ!?」
千歌「ぷはぁっ!」つ梨子のブラの真ん中ぐいっ
梨子「ひえっ///」ぷるんっ♡
https://i.imgur.com/OqpHznG.jpg
千歌「あっ///」カァーッ
梨子「ちぃーかぁーちゃぁーん」ゴゴゴゴ
千歌「いや、これは不可抗力ってヤツで──」
ダキッ
千歌「──ほへっ!?」
梨子「もうっ、千歌ちゃんだってヤる気満々だったのね♡」ギュッ
ぽよんっ♡
千歌「いやいや、わたしはそんな気は……胸、胸が当たってるからぁ///」カァーッ
梨子「あ・て・て・る・の・よ♡」ニコッ
千歌「んあぁ~っ!?」ジタバタ
バタッ☆
千歌「」~从c*°ヮ°§ ホワワワーン(魂飛んだ)
梨子「千歌ちゃんっ!? ちょっと調子に乗り過ぎたっ!?」アセアセ
夕方、砂浜のパラソル下
千歌「んっ、んんーっ」ノビー
梨子「ふぅ……やっと起きたみたいね、千歌ちゃん」
千歌「梨子ちゃん……あっ、さっきはごめんね」ペコッ
梨子「ううん、気にしないで。それより私の方こそごめんなさい」ペコッ
千歌「いや、元はといえばわたしが溺れて梨子ちゃんのブラを……ブラを///」カァーッ
↑さっきの「ぷるんっ♡」を思い出して赤面
梨子「え、えーっと……それも元を辿れば私のせいで」
千歌「ほへっ? どういうこと?」
梨子「あのね、実は──」
千歌「実は?」
梨子「──これのせいなのっ!」つハート型のヘアピン
千歌「へっ!? このヘアピンがどう関係するの?」
梨子「このヘアピンはね、善子ちゃんから貰った【ホーネスト・ハート】っていう特別な品なの」
千歌「もしかしなくても……呪いのアイテムの類? タマザラシになったり、他人の記憶を消したりするみたいな?」
梨子「う、うん。なんか『心のタガを外して自分の気持ちに素直になれる』んだって」
千歌「ああ……だから今日の梨子ちゃんは普段よりスケベ度割り増しだったんだね」
梨子「……スケベ度って」
千歌「でも、どうしてそんなヤバそうな物を梨子ちゃんが?」
梨子「それはね……もっと素直に千歌ちゃんへ『大好き』を伝えたかった、から」
千歌「わたしへ『大好き』を?」キョトン
梨子「うん。千歌ちゃんはいつだって私への『大好き』を全身で示してくれるでしょ?」
千歌「うんっ! 梨子ちゃんが大好きだもんっ♡」
梨子「それなのに……私は千歌ちゃんへ向けて同じぐらいの『大好き』を示せてない気がしたの」
千歌「示せてない? うーん、そうかなぁ? 『大好きだよ♡』ってハグしたり『誰かさんの色に染まっちゃった♡』なんて言ったりしてるのに?」
梨子「ま、まあ時にはそんなこともあったけど、日頃はそうでもない気がするし」
千歌「確かにね~♪ 宿題やってなかったり、歌詞が出来てないとすぐこんな口して怒るもんねっ!」从c*`•◇•§
梨子「ちぃーかぁーちゃぁーんっ」メイ*#`σ ◇ σリ クワッ
千歌「うんうん、そんな口……ごめんなさい」シュン
梨子「わかればよろしい。ともかく、私なりに千歌ちゃんへ釣り合いたくて、試作品の1つを善子ちゃんから譲って貰ったの」
千歌「試作品ってことは、善子ちゃんのハンドメイドなんだね。しかも複数個あるんだね」ハァ
梨子「なんでも『ずら丸がこのヨハネを心から慕っているのか、一度確かめる必要がありそうね』とかなんとかで」
千歌「……花丸ちゃんもなかなか善子ちゃんへキツく当たるからねぇ~、気持ちわかるなぁ~」
梨子「その言葉、そっくりそのまま花丸ちゃんへ伝えておくからね♪」ニコッ
千歌「う"っ」
千歌「とにかく、梨子ちゃんはちゃんと日頃からわたしへの『大好き』を示せてると思うよ。きちんとしてないわたしを叱ってくれるのだって、わたしのためを想っているからこそだもんねっ♡」ニコッ
梨子「わかってるなら、これからはもっとしっかりしてほしいものね」ハァ
千歌「えへへぇ~、善処しまーす」
梨子「お願いね、注意するのだって疲れるんだからね」ハァ
千歌「はぁ~い♡ でも今日は特別に宿題教えてねっ♡」テヘッ
梨子「えっ? 宿題やってなかったの?」
千歌「うんっ♡ 3時ぐらいまで遊んでから……って考えてたんだけど、今何時?」
梨子「……もうすぐ6時」
千歌「やっば」
※宿題はどうにか終わらせました♡
終わりです
1日遅れの海の日ネタでした♡
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