千歌「ねー、なんで鞠莉さんはルー語でしゃべるの?」 (15)


ほぼマリーの独白です。

書き終わってるので、ぼちぼち投稿していきます



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鞠莉「ルーゴ?ホワッツ?」

千歌「日本語と英語が混じってるってことだよー」

鞠莉「……そうねー……ねっ、ちかっちはわたしの話し方、どう思う?」

千歌「鞠莉さんらしくてわたしは好きだよー!ハーフで金髪で、明るい鞠莉さんにぴったり!って感じするし!」

鞠莉「ふふっ、センキュー♪……実はわたしね、アメリカに住んでたころは、ハーフってことがすっごく嫌だったの」

千歌「えぇー!?なんでー?かっこいいのにー」

鞠莉「幼いわたしはね、周りのみんなと違うってことがすごくバッドなことみたいに思ってて…」


鞠莉「転校が多かったから、そのたびに頑張って隠してたんだけど、ほら、思春期の子てみんなゴシップ好きでしょ?…だからすぐばれちゃって……引っ越すたびに嫌な思いをしたわ」


鞠莉「ハーフだから転校してきたの?とか、オハラってなんか変なかんじね、とか」

千歌「そんなこと…」


鞠莉「でもね、わたしにもかけがえのない友達ができたの!…病弱で…なかなか学校に来れない子で…」

鞠莉「不謹慎だけど、その子、友達も少なかったからわたしの噂も知らなかったみたいで、やっとハーフってことを気にせずに話せるって嬉しかったの!」

鞠莉「…ほどなくその子は入院してしまったんだけど、毎日お見舞いに行ったわ」


鞠莉「おとなしくて、でも実はメタルミュージックが好きな女の子」

千歌「よかった…ひとりぼっちにならなくて…」


鞠莉「でもね、わたしは日本に来ることになったでしょ?」

千歌「あ…」

鞠莉「その子に話せなかったの。「なんで日本なの?」って聞かれたとき、嘘をつき通す自信がなかった」

鞠莉「結局アメリカを離れる前の日になって、全部白状することに決めたの」


千歌「それで…その子はなんて…?」

鞠莉「そりゃもう、泣きながらの連続ビンタよ♪」


千歌「……ふふっ」


鞠莉「そんなつまんない理由で黙ってたの?って、マリーがハーフってことぐらい知ってたよ!って」

千歌「…え?」


鞠莉「ハーフで、何回も転校して…でもそれがあったから今の鞠莉になれたんだよ、って。わたしは今の鞠莉のことが好きなんだよ、って…」

鞠莉「でも最後には笑ってくれた。それで帰り際に、「これが二ホンのあいさつなんでしょ?」って、その子はわたしにおじぎをしてくれたの」

鞠莉「わたしは涙が止まらなくって、その子が顔を上げる前に病室を飛び出してきちゃった」


千歌「…」グスッ


鞠莉「…わたしはね、決めたんだよ!」

鞠莉「もうハーフであることを隠したりしない、むしろさらけ出していきたい!ってね♪」

鞠莉「だから、わたしは日本語もイングリッシュもどっちも使う!…だってどっちもラブなんだもん!」


千歌「…ぐすっ…えへへ、…なんかすてきだねっ!」

鞠莉「うふふっ☆」



千歌「…でも、そんな大事な話…わたしなんかにしちゃっていいの…?」

鞠莉「え?…うーん……マリーの第2の恩人さんの、真似してみたくなっちゃった…のかな?」


千歌「?…どういうこと?第2の恩人さん?」

鞠莉「…わたしね、もうひとつ決めたことがあったの。…それは、あの子みたいにキラキラしたいってこと!」

千歌「キラキラって…?」



鞠莉「その子がメタルミュージック好きだったって、言ったでしょ?」

鞠莉「メタルの話をしてるときのあの子は、とってもキラキラしてて…とってもかっこいいって思うと同時に不思議だったの」





鞠莉「なんでわたしより、狭い病室の中の彼女のほうがキラキラしてるんだろうって」


鞠莉「だからわたしもメタルを聞き始めたの。その子みたいにキラキラしたくて」

鞠莉「でもわからなかった。メタルの良さはわかったし、のめりこんでいったけど、でもわたしがキラキラできるわけじゃなかった」

千歌「…うん」


鞠莉「でもそんなときにね、あの子以上にキラキラしてる子に出会ったの!」



鞠莉「嘘がつけなくて、自分の気持ちに正直な女の子」


鞠莉「…わたしに「アイドルやりませんか!?」って、しつこく勧誘してきた女の子」

千歌「…え?」


鞠莉「その子と、その仲間たちの練習を見に行ったら、…わかっちゃった!なんでみんなキラキラしてるのか…」


鞠莉「『わたしの思いを知ってほしい!』『この思いを届けたい!』って、その思いがみんなを輝かせてるんだって!」



鞠莉「…ねえ、ちかっち、あなたはなんでわたしを誘ったの?」

千歌「それは…、うーん…なんか、鞠莉さんはアイドル似合いそうだなって…」


鞠莉「…きっとね、わたしが「もっと自分をさらけ出したい!」って思ってること、心のどこかで感じてたからだと思うの」


鞠莉「だからわたしはアイドルになるって決めたの!」

鞠莉「あの子が、「思いっきり走り回りたい!」「思いっきり叫びたい!」って思いをメタルに重ねたように…」

鞠莉「わたしはわたしの存在を、在り方を、想いを、アイドルって形でみんなに届けたい!」


鞠莉「…あなたのおかげで、きっと今のわたしはみんなと同じくらいキラキラしてるって思うの!」



千歌「…うん!鞠莉さんは…みんなに負けないくらい…かっこいい!」

鞠莉「うふふ♪センキュー☆」





―――――


鞠莉「~♪」


いろんな出会いがあって、わたしは変われたと思うの

だって、世界がこんなにカラフルに見えるんだもの!

もっと早く知ってれば、こんなにひねくれることもなかったのかもしれないけど…


でも、後悔はしない!

モノクロの世界を知っているからこそ今のマリーがいる

モノクロの世界を知っているマリーだからこそ、見える景色があるし、見たい未来がある!



―雨もあがったみたいね!太陽の光があふれて、海や山、雨のしずく、いろんなものをキラキラ輝かせて、心もウキウキしちゃう♪


…わたしも太陽みたいに輝けるようになったら、いつかのあの子にも届くかな…
んーん、違う!絶対届けて見せるんだから!


こんな小さな港町からでも、どこまでも広がるグローバルな輝きになれるんだって証明してみせる!
それがマリーの夢!




―よーしっ!今日も精いっぱいキラキラするよっ!

鞠莉「シャイニーっ☆」



おわり


お付き合いいただいた方々、ありがとうございました

スレタイ考えたときにはギャグ路線のつもりだったんですが、
いつの間にか激しく脱線していました…なぜこうなった

一応「君ここ」をイメージしましたが…わかりづらかったですね…


それでは

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