【安価】 剣士「負けた方がなんでも言うこと聞くんだぞ」 魔法使い「いいですよ?」 (11)


剣士「俺の勝ちだな」

魔法使い「卑怯ですよ!! 魔法無効化する剣なんて! 私何も出来ないじゃないですか!」

剣士「お前も杖使ってるじゃないか」

魔法使い「それとこれとは話が違うと思わないですか?」

剣士「思わないな」

魔法使い「私は魔法しか使えません! なのに魔法無効化は無理です!!」

剣士「そりゃお前を完封するために用意した剣だからな」

魔法使い「この畜生め……」



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剣士「グダグダ言うな。お前が勝負に負けたんだぞ」

魔法使い「横暴だぁ……」

剣士「さて、何をしてもらおうか」

魔法使い「言っておきますけど、私に出来る範囲に限りますからね」

剣士「あぁ、もちろんだ。無理難題は言わん」

魔法使い「当たり前ですよ。そんな反則な剣使っておいて。勝負にならないじゃないですか」

剣士「の、割に殺す勢いで魔法使ってきたようだが」

魔法使い「あなたに負けたら何言われるか分かったもんじゃないですからね。 というかそんな超一級品の剣まで持ち出してまで私に勝ちたいとか怖くてしょうがないです」

剣士「安心しろ、そんな無理難題は言わんと言っただろ」

魔法使い「ほんとにー?」

剣士「じゃあ言うぞ」

魔法使い「はい」

剣士「結婚してくれ」

魔法使い「はい……?」



魔法使い「いや、なんの冗談ですか」

剣士「本気だが?」

魔法使い「いやいやいやいやどういうことですか。 私にできる範囲でって言いましたよね」

剣士「出来るだろ」

魔法使い「出来ないよ!」

剣士「俺はできるぞ」

魔法使い「そりゃあなたが求婚してきましたからね!?」

剣士「ダメなのか?」

魔法使い「ダメです」

剣士「だめ……?」

魔法使い「可愛く言ってもダメなものはダメ!!」


剣士「じゃあせめて俺と旅に出よう」

魔法使い「いきなりですね。 た、旅ですか」

剣士「そうだ。世界は広いぞ。花々が咲き乱れる平原。見渡すことの出来ないほどの水がたくさんの海。雲よりも高い山々。身を焼くほど陽が強い砂の平原。1年を通して雪が止まない氷の大地」

剣士「行ってみたいと思わないか? 俺とお前で手を繋いで」

魔法使い「すごい行きたいよ。めちゃくちゃ行ってみたいよ。剣士と手を繋がなきゃ!!」

剣士「よし、なら行くぞ」

魔法使い「え、ほんとなんですか? 冗談じゃなくてほんとに行くんですか?」

剣士「善は急げだ」

魔法使い「全然善じゃない! 拉致ですよこれ!」

剣士「……お前、そんな面白くないギャグ言うのか」

魔法使い「ギャグじゃないですし! ギャグみたいな状況ですけど!」


魔法使い「まさかほんとにすぐに旅に出るとは思わなかった」


馬に乗りながら魔法使いはぼやく
まだ夏の日差しも厳しい中、黒いワンピースにとんがり帽子、そして右手には自分の身の丈ほどもありそうな大きな杖

そんな魔法使いとしての正装は、ただでさえ暑いこの空気をさらに嫌なものに変えていた
じっとりと汗が滲み、彼女の銀色の髪はうなじへと張り付き、怪訝そうな表情はやがて剣士を恨めしく睨みつけるものへと変わっていった


剣士「どうせ隣町まで日が沈む前に着くんだ。用意なんかいるか」

魔法使い「いりますよ! なんでいらないと思ったんですか!」

剣士「金さえあればなんとかなる」

魔法使い「でもでも、私服のかえすらないんですよ」

剣士「それを洗ってまた着ればいい」

魔法使い「洗ってる間私は素っ裸です」

剣士「下着は?」

魔法使い「着てらぁ!」



デリカシーのない剣士に、戯れの火球を放つが、彼は振り向きもせずに器用に馬の上でかわした
不安定な馬の上ですら体制を崩さないその体の捌きにほうと思いつつもすぐに魔法使いの表情は曇る


魔法使い(……あの魔法無効化する剣なくても私負けてた説ありますかね)


そう思うとなんだか無性にむしゃくしゃして、さっきよりも大きな火球を剣士の背中めがけて2発打ち込んでおいた


太陽の日差しが身を焼き、馬に揺られながら2時間ほど
暑さと暇さでぐったりとしていた彼女がパッと身を起こした
ふわりと宙に浮き、そのまま馬の進行方向に沿って真っ直ぐに飛んでいく


魔法使い「ねぇ剣士! 見てください! スライム型の魔物ですよ」

剣士「別に珍しくもないだろう」

魔法使い「そうですけど、暇なんですもん」


青いジェル状の球体の魔物は、こちらから逃げるようにぬめぬめと音を立てながら転がっていく


魔法使い「こいつ、むにっとしてて結構気持ちいいんですよ」

剣士「魔物に触れるのか。 なかなか肝が据わってるな」

魔法使い「剣士も触ってみましょうよー、ほら! 気持ちいいですよ!」

剣士「いくら大人しい魔物でもそんな風にちょっかい出してると襲われるぞ」

魔法使い「大丈夫ですよー いつもやってますもん」


最初は優しくつついていた魔法使いだが、次第にスライム型の魔物を押す手に力がこもっていく
パンをこねるように力強くわしわしと触り出すと、さすがの魔物も嫌がって本格的に逃げ出そうと動き始めた


それをみて面白がる魔法使いはあとを追いかけながら時折、えいっとつついてはケラケラと笑う。さながら近所のガキ大将のようである

呆れながら見守っていた剣士は、異変に気がついた
さっきまで遠くから見守るようにいた数匹のスライムに剣士は気がついていたが、それが魔法使いに明確な敵意を向けだしたのだ


剣士「おい魔法使い!」

魔法使い「はいー?」


呼んだのも束の間、10匹ほどのスライムが一斉に魔法使いめがけて体当たりをしてくる


魔法使い「うわぁ! きもちわるい!」


あわてて後方に飛んだ彼女だが、次の瞬間驚きに彼女は目を丸くした


スライムたちが身を寄せあい、その体と体の境界線がなくなっていく
数匹の個々にいた魔物たちはひとつの大きなスライムへと合体したのだ


魔法使い「うわーこんなことあるんですね! 初めて見ました」

剣士「このデカさになると普通にキモいな」

魔法使い「ダメですよそんなこと言ったら」

剣士「お前さっき咄嗟にきもちわるいって言ってたぞ」

魔法使い「あれ?」



ぶよぶよと流動性のある身体を揺らしながら、大きくなった魔物は魔法使いめがけて飛んでくる


魔法使い「うわー包み込まれたら冷たそうですね」

剣士「馬鹿なこと言ってる場合か」


剣士が咄嗟に魔法使いの腕を引いて、身を引き寄せる
うわーなんて緊張感のない声を出しながら、宙に浮いていた魔法使いは抵抗感もなく剣士の腕に収まった


魔法使い「あ、今どさくさに紛れて抱きしめようとしましたね」

剣士「守ったんだ、人聞きが悪いぞ」

魔法使い「ふーん? そういうことにしておいてあげますか」

剣士「少し抱きしめるくらいよかったか?」

魔法使い「乙女心的にはありですね」

剣士「これは失敗したな」

魔法使い「ふふ」


スライムはその巨体をのっしりと動かしながらまたもこっちに目標を定める


魔法使い「ところで、剣は抜かないんですか?」

剣士「こんなやつ斬ってみろ。こいつには刃が通りにくいどころか、すぐに錆びてダメになる」

魔法使い「そういうもんですか」

剣士「だから魔法使い様の偉大な魔法でさくっとやっつけてほしいんだがな」

魔法使い「抱き寄せて守ってくれたのに、人任せなんですか? かっこいい所見たいなぁ」

剣士「……冗談だ」



体当たりをしてきたスライムに、剣士は真っ向から蹴りで対抗する
子供一人分はあろうそのスライムの身体から繰り出される膂力と、さらにその上を行く剣士の蹴り
相反する力のぶつかり合いにスライムの体は膨れ上がり、そして膨らみきった身体は耐えられず弾けて絶命した



魔法使い「うゎ………」

剣士「…………」

魔法使い「…………」

剣士「……まぁ、なんだ。その…… すまない」

魔法使い「……最悪です」


弾けたスライムの肉片は飛び散り、それは剣士と、魔法使いの服と顔にべったりと付着した


すっかりと足取りが重くなった中、ようやくたどり着いた川に魔法使いの顔がやっと少し晴れる
が、しかしすぐに自体の深刻さに気がついた彼女は表情を曇らせた


魔法使い「私、服洗いたいんですよ」

剣士「あぁ」

魔法使い「でも脱いだら私下着だけです」

剣士「さっき聞いたが。 別にいいじゃないか」

魔法使い「よくねーよ!」


剣士はさっさと服を脱ぎ、上着もズボンも川の中へとつけ、ごしごしと洗っていく


剣士「なんだ、やらないのか?」

魔法使い「やりたい。やりたいんですよ。あなたがこっちをじっとみてこなければ!」

剣士「俺は構わんぞ」

魔法使い「少しは構ってくださいよ。 でも、剣士はやっぱりいい身体してるんですね」

剣士「まぁ、鍛えてるからな」

魔法使い「筋肉触ってみていいですか」

剣士「あぁ、いいぞ」

魔法使い「つんつん」

剣士「んあぁ……」

魔法使い「ちょっと!? 変な声出さないでください」

剣士「くすぐったいんだぞ」

魔法使い「硬いのに柔らかいですね」

剣士「…………」

魔法使い「な、なんですかこっちをそんなにじっとみて」

剣士「人の体を見て触って楽しんだんだ。 次はお前が体を見せる番だな」

魔法使い「畜生だなほんとに!!」


魔法使い「あーもう…… どうしたらいいんでしょうか」



>>10

①「服脱ぐので、あっち向いててくださいよ」

②「思いつきました! 服は脱がずに私ごと川に入ればいいんですよ!」

③「えぇいもうどうにでもなれ!」 服を抜ぐ

④自由安価

剣士を気絶させて洗濯と体ゴシゴシ

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