喜多見柚「秋めいて柚色」 (18)



モバマスの喜多見柚ちゃんのSSです。
のんびりです。


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柚「Pサン、おっつかれサン♪」

P「お疲れさま」

柚「今日の撮影もサクサク進んだねー! 今度こそアタシが成長した証?」

P「……」

柚「……Pサン、聞こえてる?」

P「ちゃんと聞こえてるよ、ここで褒めていいのか考えてた」

柚「そこはけーそつに褒めてこうっ!」

P「えー」

柚「ね、ね。Pサンが褒めてくれたらもっと楽しくなれると思うなー」

P「はいはい。スタッフさんの腕もあるけど、柚が現場を明るくしてくれるおかげだよ、ありがとな」

柚「へへーっ♪」

P「まぁ、調子には乗りすぎないように」

柚「だ、だいじょーぶ」テヘペロ



柚「でぃん、どん、だん♪」

P「うん」

柚「言葉には出さないけれど~♪」パチッ

P「うん?」

柚「ワガママに気づいて欲しいなーって」

P「なにがご所望で?」

柚「フルーツあんみつ!」

P「えー」

柚「今ならお得なセットで柚チャンもついてくるよっ」



P「ほほう、柚チャンはなにしてくれるんだ?」

柚「え、えと、えーっと、いっぱいお話できるっ!」

P「ふむふむ、それから?」

柚「うぇ……か、カイテキな休憩時間をお約束?」

P「具体的には?」

柚「むーっ、Pサンがいじわるだっ! あ……楽しくさせるのは得意だよ!」

P「ほう」

柚「ちょっとだけでも楽しい気分になれたら、Pサンもあとちょっとお仕事頑張れるかなーって思ったっ」ペカー

P「……ずるいな」

柚「ずるいの!?」

P「ずるい、ずるい。夕飯はちゃんと食べろよー」

柚「おーっ! お父さんみたいっ!!」

P「そんな年じゃないやい」ペシッ

柚「ふに」



――――――
―――


ガチャッ


柚「おおっ、ちょっと寒いねー」

P「風邪引かないようにな」

柚「アタシはパーカーのフードがあるから大丈夫!!」

P「そのパーカーへの絶対的な信頼はなんなの」

柚「へへーん、パーカーの秋だし!」

P「ふふっ、なんで柚が偉そうなのさ」

柚「あ、笑ってくれた! 大作戦成功いえーい!!」

P「……そんなに笑ってなかった?」

柚「今日はずっと、むむむーって顔してたカナ」

P「そっか……柚はよく見てくれてるんだな」

柚「ん!? あ、あれ……う、うん」

P「?」

柚「な、なんでもないからっ!」



P「暑くなったり、寒くなったりするけど、ちょっとずつ秋だな」

柚「秋っぽく……ごほん、秋めいてきたねっ」

P「なんで言い直したし」

柚「なんか『秋めく』って賢そうだなーって!」

P「その発言が賢くないです」

柚「あれっ」

P「でもかわいい」

柚「おっと」

P「賢いといえば実力テストは大丈夫だったのか?」

柚「おっとっと?」



柚「は、話を戻そー!」

P「……うん?」

柚「かわいいって言われると照れるっ」

P「かわいい、かわいい」

柚「む、む。Pサン、気持ちがこもってないよ! そんなんじゃ柚を照れさせるには足りないっ!」

P「これでもかって気持ち込めようか?」

柚「え、えっと、それはタイセツなときにとっておく方向で……」

P「ちぇっ」



柚「えっと、うんと、でぃん、どん、だんと言えば!」

P「もっと話が戻った」

柚「撮影、せくしーなポーズも頑張ったよ! Pサン的にはどーお?」

P「え、なんか……その」

柚「どきどき」

P「うーんと……」

柚「ゆずゆず」

P「なんだその擬音」

柚「はやく、はやく! Pサンの感想聞きたいっ」

P「……なんか明るすぎてあんまりせくしーじゃなかった」

柚「えーっ、せくしーぼでーになれるようにあずきちゃんと穂乃香ちゃんに特訓してもらったのに」

P「でも良かったよ。きっと柚のこともっと好きになってもらえると思う」

柚「うーん、Pサンを悩殺大作戦はまだまだかー。でもなら良しっ!」

P「なんかあずきから入れ知恵された?」

柚「ソンナコトナイヨー」



P「特に決めずに歩いてきちゃったけど、いつものスイーツのお店でいいか?」

柚「いいよっ♪ Pサンと行くの久しぶりだな―って!」

P「確かにここのところ忙しかったからなぁ」

柚「えへへ、やっぱりこうやってふらふら歩くの好きカナ」

P「そのへんにぶつからないようにな、よくやらかすし」

柚「あ、イチョウ!」

P「聞いてないし」

柚「Pサン、写真撮って、撮って」

P「はいはい」

柚「てへぺろピースにイチョウをセットでっ」

P「イチョウ好きなの?」

柚「黄色だから!」

P「なるほど」

柚「街が柚の色になってるとおおーってなるし♪」

柚「あ、でも、銀杏はダメ」

P「まだまだ子ども舌だなぁ」

柚「なにおーっ」ポカポカ



――――――
―――


柚「着いた!」

P「俺もフルーツあんみつにしようかなぁ」

柚「え、ダメっ」

P「なんでさ」

柚「Pサンとはんぶんこして、両方の味を楽しむお得大作戦ができないからっ」

P「あ、注文おねがいしまーす」

柚「アタシはマジメなのにっ、もうっ」

P「一口だけだぞー」

柚「わぁっ、さっすがPサン」

P「お仕事頑張ってくれたからな」



柚「あぁぁー、冷たい机が気持ちいいー」

P「シンプルに姿勢が悪い」

柚「Pサンの前だけだよーっ」

P「そこの特別感はいらないかな……」

柚「えへへ、なんか気が抜けちゃうんだー。リラックス柚チャン!」

柚(なんでかなー、なんでかなー)

P「窓にだらしない柚が写ってるぞー、気をつけろよー」

柚(あ、アタシ、ほんのり赤い)

柚(Pサンは気づいてるカナ、どうなのカナ)



P「なぁ」

柚「ねぇ」

P「……」

柚「……」

P「あははっ」

柚「ふふっ」

P「柚からどうぞ」

柚「いやいや、Pサンからっ!」

P「じゃあ、これ」ガサッ

柚「ん? あれ? なんかくれるの?」

柚(顔のこと、バレたかと思った-っ)

P「その……最近いろいろ頑張ってるなーって思ったから」



柚「開けてもいい?」

P「いいよ」

柚「なにかなー、なにかなー♪」

P「楽しそうに開けてくれると選んだかいがあったよ」

柚「むむっ、意味深っ!」

P「なんか恥ずかしいから気にしないで」

柚「えーっ……わぁっ、菱形のネックレス?」

P「安いやつだけどな」

柚「え、え、嬉しいっ。ハートとかじゃないのもポイント高いねっ!」

P「え、ハート、ダメなの? 忍にハートのやつ買ってあげたけど……」

柚「それはそれ、これはこれ! ハートは服に合わせるとき悩むしっ」

P「知らなかった……!」

柚「わーいっ。ね、ね、アタシもPサンにつけてほしいっ!」

P「え」

柚「今ならお客さんいないからっ、こっそりっ」



柚「んー」

P「分かった、分かった……はい、これでいいか?」

柚「ばっちり♪……嬉しいな」

P「似合ってるよ、まぁ軽く使ってくれ」

柚「照れるなー、照れるな―っ」

P「いつも通りに見えるけど?」

柚「アタシは恥ずかしくないんじゃなくて、恥ずかしがってるところを見せないだけ!」

P「なるほど」

柚「それからこんなことを言うのはPサンにだけだよ!」

P「……」

柚「だって……」

『はーい、フルーツあんみつとわらびもちパフェね』

P「あ」

柚「あ、おばちゃん、ありがとうございますっ」



柚「もぐもぐ、うまーっ!」

P「なぁ」

柚「なに?」

P「さっき何か言いかけなかった?」

柚「なんでもないよーだっ♪」

P「まぁ柚が楽しそうならいいよ」

柚「アタシ、楽しそうに見える?」

P「それはもう眩しいくらいに」

柚「そっか、そっかー」ニマニマ

柚(Pサンの前ではふらふらしてたときとずーっと変わらないアタシなんだよ)

柚(でもたまにチョットだけオトナになりたいときもあったりして)

柚(その時が来るまではもう少しこのまま)



柚「ね……今日はPサンにとっても大事な日?」

P「大事な日だな」

柚「えへへ、なら良かった」

P「……」

柚「なんてことない今日がトクベツなんだっ」

柚「それはきっとみんなのおかげ、プロデューサーサンのおかげ」

P「……俺にとっては柚のおかげだよ」

柚「アタシはずっと、お気楽に鼻歌フフフフーン♪って生きてきたから」

柚「だからかな、今が最高に楽しいっ」

P「それもお互い様」

柚「いやいや」

P「いやいや」

柚「これはキリがないっ、ということで!」

P「ということで?」



柚「アタシ、秋も好きだよ。柚の色でいっぱいだし、冬の前の季節だし」

柚「そうっ、もうすぐ冬が来るよっ♪」

P「そうか……早いなー」

柚「そんなトクベツな季節もよろしくってこと」

P「……?」

柚「はい♪ フルーツあんみつ、あーんっ!」

P「うえっ」

柚「おいし?」

P「……美味しいです」

柚「Pサンとなら、なんてことない明日も楽しくなるっ、これ柚の秘訣!」

柚「だから、明日もよろしくねっ」



おしまい。
今日はシトロンデイズから2年、柚の声が聞こえて2年です。

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