クリスタ「私は火を見ると、もう一人の人格、ヒストリアと入れ替わるの」
ユミル「…」
ユミル「なら廊下とか部屋とかで灯ってる蝋燭もヤバイじゃねえか」
クリスタ「うん、だからいつも視界に入れないようにそっと目を逸らして頑張ってるの」
ユミル「夕食のときも大変だな。卓上に蝋燭あるし」
クリスタ「そ、そうだね。ご飯は俯いて食べてるよ?」
ユミル「夜間訓練のときの松明とか、どうしてるんだ?」
クリスタ「え、えっと……空を見たりとか、明後日の方向見たりとか!」
ユミル「そうか、頑張ってるんだなクリスタ」
クリスタ「えへへ」
ユミル「せめてくしゃみするとか血を見るとか眼鏡外すとか、そういう設定だったら楽だったのにな」
クリスタ「せ、設定ってなんのこと? 私は本当に性格が変わるんだから!」
こんな感じなら俺得だから誰かはよ
訓練兵の頃、クリスタは二重人格だった。
なんでも、火を見ると「ヒストリア」という魔族の人格が現れるそうで、
真っ暗な部屋の中で唐突にマッチを擦っては、
「……ヘヘ、久しぶりに外に出られた。この小娘は意思が強すぎて困るぜ(笑」
などと乱暴な口調で叫んだりしていた。
ある日、夕食の時に「ヒストリア」が出たことがある。
突然おかずのハムを手掴みでムシャムシャと食べ始めて、「久々の飯だぜ(笑」と言った。
食べ物関係のジョークを一切許さないキース教官が、
ヒストリアの頭にゲンコツ振り落とすとヒストリアは涙目になっておとなしくなった。
それ以来、食事時にヒストリアが出たことは無い。
そして別人格とやらは、クリスタが訓練兵を卒業した辺りでパタリと出なくなった。
最近になって、調査兵団になったクリスタにその頃のことを尋ねたら、
クッションに顔を埋めて、手足をバタバタさせてのた打ち回っていた。
ユミル「というか、ヒストリアさんはどんな性格なんだよ」
クリスタ「……彼女はとても恐ろしい。普段温厚な私が、信じられないくらい凶暴になるの」
ユミル「へえ。でもクリスタの体力で凶暴になってもあんまり怖くないな」
クリスタ「ううん、私の肉体の限定機能《リミッター》が解除されちゃうから、とても危険だわ」
ユミル「ということは、ミカサ並にでも何のか?」
クリスタ「それ以上かも……ね」ニヤリ
ユミル「よし、じゃあ試してみようぜ」
クリスタ「えっ」
ユミル「何事も人生経験だしな」ゴソゴソ
クリスタ「だ、駄目だよ! 彼女が目を覚ましちゃうと、ユミルもただじゃ済まないよ!?」
ユミル「凶暴な振りを頑張ってするクリスタとか私得じゃないか」
クリスタ「振りじゃないよ!」
ユミル「よし、蝋燭の準備終わったぞ」
クリスタ「…………」
ユミル「(目隠ししてるかわいい)おら、手をどけろよ」
クリスタ「駄目! 大切な私の友達を傷つけるわけにはいかないの!」
ユミル「大丈夫だって」グググ
クリスタ「せ、世界が終わっちゃうかもしれないよ!」グググ
ユミル「おう。終わらしてくれ。巨人に喰われるのを待つ世界なんてまっぴらだしな」
クリスタ「私にはそんなこと出来ないよ!」
ユミル「……わかったよ、お前は優しいもんな。世界を壊すなんてできっこないよな」パッ
クリスタ「ユ、ユミル?」
ユミル「フッ。 さ、蝋燭は消したぜ? お前が頑張ってカミングアウトしてくれたのに、茶化して悪かった」
クリスタ「う、うん……」パッ
ユミル「」ニヤリ
クリスタ「きゃああああ! まだ点いてるじゃない!!」
ユミル「さて、ヒストリアさんのお出ましだな」
クリスタ「く、くぅぅぅぅ!」
ユミル「えーっと、凶暴で、肉体の限定機能《リミッター》が解除されて、世界を終わらせれるんだったな」
クリスタ「…………」
ユミル「で、役作りは終わったか?」
クリスタ「……言い忘れてたけど! 実は10秒間炎を見つめなきゃいけないの!」
ユミル「そうくるか」
クリスタ「危なかったね、ユミル。あと八秒見つめてたら、どうなってたかわからないよ!」
ユミル(まあ今でも十分痛可愛いし、もうちょっとイジって遊ぶか)
明日も仕事なのに何やってるんだろうな
曇ってて流星群見れないしもう寝る
ユミル「そうかそうか。ヒストリアっていうなそんなに危ないヤツなのか」
クリスタ「そうなの。彼女は世界の闇そのものなの」
ユミル「へえ」
クリスタ「彼女が解き放たれてしまったらその場にいる人間だけじゃない。」
クリスタ「この世界そのものが壊れされてしまうの」
ユミル「そんなヤツがお前の中にいるのか。怖くないのか?」
クリスタ「怖くない…って言ったらウソになるかな?」
ユミル(何このドヤ顔。かわいい)
クリスタ「でも彼女の闇の力を抑えることができるのは、古の聖人セシリア・カークランド様の血脈を継ぐ乙女のみ」
クリステ「そしてその末裔は今の世には私しかいないの」
クリスタ「だから私はどんなに怖くても、彼女と向き合っていくしかないの」
ユミル「セシリア・カークランドなんで聞いたことないけどな」
クリスタ「私の一族だけに伝えられる陰の歴史だからね」
クリスタ「こんなことみんなに知られたら世界が混乱しちゃうでしょ?」
ユミル「そっか。そんな大事な話を私なんかにしてくれてよかったのか?」
クリスタ「ユ、ユミルは私の親友だからいいの!」
クリスタ「そ、それに!私も一人でこのことを抱えてるのは限界だったし!」
ユミル(あわてるクリスタも可愛い)
ユミル「そっか。私を信頼してくれてるんだな。ありがとよ」
ユミル「クリスタはヒストリアと入れ替わったことはあるのか?」
クリスタ「ないよ。彼女の力は余りにも危険だから。できるだけ表に出さないようにしてるの」
ユミル「一度も表に出たことがないのに、なんで危険だってわかるんだ?」
ユミル「もしかしたら凄く気さくないい奴かもしれないだろ?」
クリスタ「そ、それはえっと…」
クリスタ「か、形はなくても、私の中にある力だから」
クリスタ「ヒストリアがその邪悪な力を解放しようしているのが、その力で私の体を奪おうとしているのがよくわかるの」
クリスタ「私もセシリア様のセントーフォースに守られてなければ、とっくに精神を殺されていると思うの」
ユミル(なんだよセントフォースって)
クリスタ「と、とにかくヒストリアはとってもあぶない子なの!それが私にはわかるの!」
クリスタ「だから、興味半分で表に出そうとしちゃダメなんだよ」
ユミル「わかったわかった。信じるよ」
ガチャリ
ミカサ「話は聞かせてもらった」
ユミクリ「!?」
ユミル「今の話、聞いてたのか?」
ミカサ「…」コクリ
クリスタ「どこから?」
ミカサ「私は火を見ると、もう一人の人格、ヒストリアと入れ替わるの、のあたりから」
ユミル「最初からだな」
ミカサ「以前から、クリスタは何かがおかしいと思っていた」
ミカサ「だけど何がおかしいのかがわからなかった」
ミカサ「しかし、今の話を聞いてやっと合点がいった」
ミカサ「宿星は本来一人に一つ。しかし、あなたはその体にクリスタの星とヒストリアの星、二つの力を宿している」
クリスタ「!?」
ユミル(何言ってんだ、こいつ)
クリスタ「ミカサ、それはどういうことなの?宿星ってなんなの?」(キラキラ
ユミル(うわー、むちゃくちゃ嬉しそうだよ)
ミカサ「クリスタ、あなたの一族には伝わっていなかったの?」
ミカサ「セシリア・カークランドは魔星の生まれ変わりだということを」
ユミル(ねえよ。いねえもんそんなヤツ)
クリスタ「そういえば、前にお母さんが一度そんなことを言っていたような」
ユミル(やっぱりそうなるよね)
ミカサ「彼女の星の名は天魁星。百八の魔星を導き、そして滅ぼさんとして救う運命の星」
ミカサ「そして、クリスタ。あなたもまたその天魁星を継いでいる」
クリスタ「そんな…!私が星の生まれ変わりだったなんて…!」
ミカサ「そして、あなたの身に宿るヒストリア。彼女は恐らく天罡星の生まれ変わりであると思われる」
クリスタ「天罡星?それは一体どういう星なの」(ワクワク
ユミル(うわー、喜んでる。ムッチャ喜んでるよ。そろそろ止めないと収拾つかなくなるな、コレ)
ミカサ「天罡星は百八の魔星のうちでもっとも大きな力をもつ星」
ミカサ「だけど、その力で何かを救うことは決してない」
ミカサ「救わんとして全てを滅ぼす。そういう悲しい運命の星だから」
クリスタ「そんな……」
ユミル(口調の割に目は凄くうれしそうですよー、クリスタさーん)
ミカサ「だから、あなたが自らの内側にヒストリアを縛っているということはとても正しい」
ミカサ「天罡星の力を抑えることができるのは天魁星しかいない」
ミカサ「しかし、まさか一つの体に二つの魔星が宿っているとは盲点だった」
クリスタ「ねえミカサ。なんでミカサはそんなに詳しいの?」
ミカサ「わからない?」
クリスタ「まさか…ミカサも…」
ミカサ「そう、私も魔星の生まれ変わり。私の星の名は地慧星」
ミカサ「世界に秘せられた真実を明らかに知ることのできる星」
クリスタ「やっぱり、そうだったんだ」
ユミル(何がやっぱりだ)
クリスタ「前からミカサには何か懐かしいものを感じると思ってたの」
ユミル(嘘をつけ)
ミカサ「私もそう。私たちは何度も生まれ変わり、出会い、共に戦い、そして共に滅びた。」
ミカサ「そういう、悲しい星の宿命を背負っている。記憶を失っても、兄弟のことはこの魂に刻まれている」
クリスタ「会えて嬉しいよ、ミカサ」
ミカサ「おかえりなさい、クリスタ」
クリスタ「ふふ、ミカサもおかえり」
ユミル(私はこいつらをどうしてやればいいんだろうな)
クリスタ「ねえ、ミカサ。魔星は百八個もあるんだよね」
ミカサ「そう」
クリスタ「私たちの他にも現世に転生している人はいないのかな」
ミカサ「当然いる。だけど、全てに兄弟が私たちのように宿命に目覚めているわけではない」
クリスタ「そうなんだ…」
ミカサ「落ち込む必要はない。私たち兄弟はいつか必ず宿命を知り、そして集う運命にある」
クリスタ「そっか。そうだよね。早く昔みたいにみんなで集まりたいね!」
ミカサ「ええ、とても楽しみ」
クリスタ「ちなみ同期の中では他に誰かいるの?」
ミカサ「たくさんいる。例えばアルミンは天機星、エレンは地微星の生まれ変わり」
ミカサ「ただ、残念ながら二人とも前世のことを忘れてしまっている」
クリスタ「天機星はカッコいいけど、地微星ってなんか微妙な名前だね」
ミカサ「そんなことはない、カッコいい。それにエレンは地微星以外はありえない」
クリスタ「そうなの?」
ミカサ「そう。エレンは絶対に地微星。私が地慧星なら絶対にエレンは地微星、それ以外はありえない」
クリスタ(なんで必死になってるんだろう?)
クリスタ「他には誰かいるの?」
ミカサ「そこにいるユミルもそう。彼女は天間星の生まれ変わり」
ユミル「はあ!?」
クリスタ「やっぱりそうだったんだ!」
ユミル「やっぱりってなんだよ、私は違うぞ!」
ミカサ「ユミル、あなたは忘れてしまっているだけ。時がくればきっと思い出す」
クリスタ「そうだよ。私の中のヒストリアも言っている。貴方は前世から、いや、その前からずっと深く繋がっていた仲間だったって」
ユミル「そう言ってくれるのは嬉しいが私は違うから。そういうのいいから」
ミカサ「やはり、貴方は天間星の宿命を背負っている」
ユミル「適当なこと言うなよ!」
母「ジャン!この『黒の書』とかいう落書き帳はなんだい?」
ジャン「ババア!勝手に引き出し開けてんじゃねえよ!」
ていうかエレン、王英かよ、かってに設定決められた上にチビで短足の色情魔役って…
>>34
カップルってだけでその星にしたんだけど、
天牢星と天慧星のホモカップルのほうがよかったかな。
ん?王英と扈三娘はカップルじゃなかったはず…
それなら楊雄と石秀でよかったと思う
>>37
原典では結婚してるし絵巻や悲華水滸伝はちゃんとラブラブなので…
うん、まぁ、大目に見てください
ミカサ「天間星は兄弟とは一人隔たり、孤独に彷徨う星」
ミカサ「今のユミルの態度はやはり天間星を思わせる」
ユミル「しょうがないだろ!実際に兄弟じゃないんだから!」
ミカサ「今のなんて完全に天間星」
ユミル「くそ!」
クリスタ「ユミル、素直になっていいんだよ?私たちは兄弟じゃない」
ユミル「なってるよ、これ以上ないほど素直だよ!」
ユミル「ああ、もう。いいか!お前らが変な妄想をするのは勝手だけどな!」
ユミル「それに人を巻き込むんじゃない!私は星の生まれ変わりでもなんでもないからな!」
バタン
クリスタ「ユミル…行っちゃった…」
ミカサ「大丈夫、いつかきっとユミルもわかってくるはず」
ミカサ「ただ、今のでわかったと思うけど。宿命に目覚めていない兄弟に星の話をするのは危険」
クリスタ「そうだね」
ミカサ「今のはユミルが怒っただけで済んだけど、最悪の場合力が暴走してしまう可能性もある」
クリスタ「そっか。気をつけないとね…」
クリスタ「でも、それだとどうすればいいのかな。せっかく兄弟がいるのに、何も話ができないなんて悲しいよ」
ミカサ「それは簡単なこと。今回の失敗はユミルが覚醒していないのに魔星の生まれ変わりであることを伝えてしまったこと」
ミカサ「なら、直接兄弟たちに話すのでなく、私たちの話をさりげなくみんなに聞かせればいい」
クリスタ「どういうこと?」
ミカサ「例えば食堂や廊下、私とクリスタが前世の話をしたりする。それでもできるだけ皆に聞こえるように大きな声で」
クリスタ「そっか。そうすれば私たちの話が兄弟たちにとどく。前世の話をすれば皆も宿命を思い出してくれるかもしれない!」
ミカサ「その通り。だけど、私も昔のことを完全に覚えているわけではない。」
クリスタ「私もそうだよ。」
ミカサ「だから、今日はこのまま二人で前世に何があったか考え…違う。思い出して行こう」
クリスタ「うん、そうだね!二人で話し合えばきっと色々思い出せるよ!」
ミカサ「ふふ、とても楽しみ」
クリスタ「ふふふ、私も」
こうして百八星の生まれ変わりとしての二人の戦いが始まった!
よし、じゃあ後は他の人お願いします。
誰も書いてくれないから自分でやろう
クリスタ「まず誰が星持ちなのか確定させないとね」
ミカサ「104期生の誰が星持ちかは私が完全に把握している」
クリスタ「凄い!流石ミカサ!」
クリスタ「じゃあ、早速誰がそうなのか教えて」
ミカサ「いや、誰が星の生まれ変わりなのかは、貴女もわかっているはず」
ミカサ「貴女がこれはと思う人をあげてほしい。そうすれば私がその人がどんな星を持つのか教えてあげる」
クリスタ「そんな!私わからないよ!」
ミカサ「大丈夫、私兄弟はみんな魂で繋がっている。貴女がどこか懐かしいと感じた人、それが魔星の生まれ変わりだから」
クリスタ「そうなのかな」
ミカサ「そう。まして貴女は私たちを導く星を持つ人。その貴女が兄弟を違えるはずがない」
クリスタ「そうかなじゃあ、アニはどう?」
ミカサ「流石は天魁星。いきなり大物を引き当ててくれる」
クリスタ「やっぱり。アニは他の人とはどこか違うように感じられたんだ」
ミカサ「アニの星は天傷星。」
ミカサ「触れるもの、求めるもの、愛するもの、守りたいもの。全てを傷つけてしまう運命の星」
クリスタ「ヒストリアの天罡星と似てるね」
ミカサ「そう、確かに似ている。天傷星自体は大きな力を持っている点も同じ。」
ミカサ「ただ一番の違いは、天傷星は何かを傷つける度に、それ以上に自分を傷つけてしまうということ」
クリスタ「…悲しい…星なんだね…」
ミカサ「だから、天傷星が傷つくことは避けられない。だけど、その傷を癒してあげることはできる」
ミカサ「それは天魁星である、貴女の役目」
クリスタ「うん、私がんばる!」
クリスタ「次はライナーはどう?」
ミカサ「ライナーは天暗星、暗き道を行くが如く、迷い、畏れ、もがきながら、それでも前に進むしかない、強くて切ない星」
クリスタ「ライナーが?少し意外だなあ」
ミカサ「そんなことはない。確かにライナーは屈強な兵士に見える。実際、兵士という側面だけでみれば確かにそうだろう」
ミカサ「だけど、ライナーという人間には、彼の中には人には言えない迷いがある。」
クリスタ「そうなのかな」
ミカサ「ええ、それ故にライナーは誰にも見えないところで一人苦しんでいる」
ミカサ「クリスタ、貴女ならきっと彼の道を照らすことができる」
ミカサ「暗い所で一人で苦しんでいるライナーを、貴女の光で導いてあげて」
クリスタ「それが天魁星の、魔星の長の運命なんだね」
ミカサ「そう、貴女がなさねばならないこと」
クリスタ「じゃあ、ライナーと仲良しのベルトルトは?」
ミカサ「ベルトルトの宿星は天孤星」
クリスタ「やった!また当たった!」
ミカサ「言ったとおりでしょ?クリスタなら兄弟のことはわかるって」
クリスタ「うん、確かにわかるよ。段々昔のことも思い出せてきた気がする」
ミカサ「それは頼もしい」
クリスタ「それで天孤星ってどんな星なの?」
ミカサ「天孤星は孤独な星。どれだけの友人に囲まれても、仲間と時を過ごしても、決して癒されない孤独を持ってしまった星」
クリスタ「確かにベルトルトは人とあんまり人としゃべらないけど、ライナーとは仲良しに見えるんだけどなあ」
ミカサ「確かに表面上は彼らは仲がいい。しかし、誰も、ライナーでさえもベルトルトのことを本当の意味で理解することはできない」
ミカサ「少なくとも、ベルトルトはそう考えてしまっている」
ミカサ「自分のことをわかってくれる人がいない。それがベルトルトの抱える孤独」
クリスタ「なんだか…寂しいね」
クリスタ「私たちにできることはないの?」
ミカサ「悲しいけれど、何もない。彼の孤独は彼の心が作り出しているものだから」
クリスタ「そっか…」
ミカサ「でも、ベルトルトの傍にいることだけはできる」
ミカサ「それで彼の孤独が癒えることはなくても、、きっと気休めにはなれる」
クリスタ「そうかな」
ミカサ「きっと、そう」
クリスタ「なら、兄弟みんなで傍にいてあげたいね。早くみんな目覚めないかなー」
ミカサ「クリスタがいれば、きっとみんな自分の宿命に気づく日がくるはず。その時まで頑張ろう」
クリスタ「うん!」
クリスタ「ジャンはどんな星なのかな?」
ミカサ「ジャンの星は天退星」
クリスタ「それはどういう星なの?」
ミカサ「……」
クリスタ「……?」
ミカサ「……なんか退がる星…」
クリスタ「それだけ?」
ミカサ「あと、飛ぶのが得意。とてもよく飛ぶ」
クリスタ「うん、ジャンは立体起動得意だよね」
ミカサ「……」
クリスタ「……」
ミカサ「ごめんない、ジャンが天退星なのは間違いないけど、それがどういう星なのかはよくわからないの」
クリスタ「そっか、じゃあ次行こうか」
クリスタ「マルコはどうなのかな?」
ミカサ「5人連続で当ててくるとは…流石は天魁星…」
クリスタ「えへへ、大したことじゃないよ。ただ、目をつぶって心を落ち着かせるとなんとなくわかるんだ」
ミカサ「きっと内なる星がクリスタに語りかけているのだと思う」
クリスタ「かもしれないね。何か懐かしい声が聞こえるような気がするもの」
ミカサ「それは私たちを導こうとする星の声。それを聞くことができるのはクリスタだけ」
クリスタ「そうなの?」キラキラ
ミカサ「ええ、天魁星は特別な星だから。私たちを導く、決して替えのきかない星」
クリスタ「えへへ。あ、それでマルコの星はどんな星なの?」
ミカサ「マルコの星は天満星」
クリスタ「へえ、何か縁起のよさそうな名前だね」
ミカサ「確かに、そう。天傷星のように自分を傷つけることもない、天孤星のように孤独に苛むこともない」
ミカサ「天満星はその人の生が幸福に満たされることが約束される星」
クリスタ「なんかやっといい話が聞けたね」
ミカサ「……しかし、満たされるということはその次の瞬間からは失われていくということを示している」
クリスタ「え?」
ミカサ「人が成長し、やがて老いていくように。月が満月になった瞬間からゆっくりと欠けていくように」
ミカサ「天満星は、幸福を得ることができる。しかし、同時にそれを失ってしまうという不幸も約束されてしまった星なの」
クリスタ「……」
クリスタ「やっぱり、それもどうしようもない運命なの?」
ミカサ「とても辛いことだけど。マルコにはその運命を受けて入れてもらうしかない」
クリスタ「魔星って…私たちって悲しい存在なんだね」(ワクワク
ミカサ「そう、魔星にはとても残酷で悲壮な運命が待ち構えている。しかし私たちは、それでも進むしかない」(ワクワク
クリスタ「……」(何か集中している。
ミカサ「……」(その様子を見守っている。
クリスタ「サシャとコニーも私たちの仲間だよね?」
クリスタ「……」(ドキドキ
ミカサ「その通り」(ニコリ
ミカサ「コニーが天慧星、サシャが天牢星を司っている」
ミカサ「何物にも縛られず本能で動き、そして正解を導きだすことのできる星と」
ミカサ「逆に自分を縛ることで外の何かから自分を守ろうとする星」
クリスタ「それはなんとなくわかるよ。サシャは私とすごく仲良くしてくれているけど、やっぱりどこか壁があるよね」
ミカサ「それが天牢星という星だから。彼女は自分の作った檻で自分を守っている」
ミカサ「だけど天慧星はそんなものには干渉されずどこにでも流れる」
ミカサ「彼ならきっとサシャを檻から出すことだってできる」
クリスタ「あの二人って仲がいいもんね」
ミカサ「そう、その二つの星はとても相性のいい星」
クリスタ「星同士に相性なんてあるんだ」
ミカサ「当然ある。例えば私の地慧星とエレンの地微星は最高の相性。何度転生しても必ず結ばれる宿命にある星同士。前世でもその前の前世でもまたその前でも私とエレンは何度も愛し合った。今生ではいつもよりも早くさらに運命的な出会いをすることができた。きっと私とエレンの愛は巡り逢う度に度に強くなっているのだと思う。実際私は今もエレンが私のことを考えているのが伝わるしエレンにもきっと私の愛が伝わっている。何よりこの星の素晴らしいところは私がエレンを守る星であるということ。地慧星と地微星は私とエレンのためにある星といっても過言ではない」
クリスタ「そうなんだ。凄い星なんだね」(うわのそら
ミカサ「そう私とエレンを結ぶとても大切な星」
クリスタ「そういえばミカサとエレンは地なんとかって星だけど、今のところ他の人はみんな天なんとかだよね」
クリスタ「他に地~って人はいるのかな」
ミカサ「それは当然いる。」
ミカサ「例えばエレンと同じ34班のトーマス、ミーナ、ナック、ミリウスはそれぞれ地闢星、地会星、地明星、地理星という星の生まれ変わり」
ミカサ「ちなみに天から始まる星は天罡星三十六星といい、地から始まる星は地煞星七十二星という」
待ってた、てかこいつらが楊雄と石秀かよwww
クリスタ「へえ、それはどういう星なの?」
ミカサ「4人組の仲良しの星」
クリスタ「他には?」
ミカサ「あまり、特徴はない」
クリスタ「そ、そうなんだ」
ミカサ「うん、前世でも影の薄かった星たちだからあまり気にする必要はない」
>>70
猟師だし天暴星、天哭星でもいいかと思ったけど。
うまく理由付けできなかった。
クリスタ「私たちは前世ではタムリエルという帝国に住んでいた」
ミカサ「タムリエルは強く、美しい国だった。山には緑が溢れ、川は美し流れ、全ての命が煌めいていた」
クリスタ「でも、あの男が歴史の表舞台に現れたことで全てが変わってしまう」
ミカサ「狂王…ペラギウス四世……!」ギリッ
クリスタ「彼は政治に熱心な男だった。しかし、決して民を省みることはなかった」
ミカサ「ヤツは能力のある男だった。だが、その能力を全て自らの享楽のためにしか使うことはなかった」
クリスタ「民の財を奪った。奪った財で彼はこの世界に存在するというありとあらゆる宝を集めた」
クリスタ「諫言をする臣もいた。だがしかしそのような臣は一族郎党皆殺しにされた」
クリスタ「それを幾度も繰り返すうちに彼に逆らえるものはいなくなった」
ミカサ「そうして…私たちの国は…乱れた……」
水滸伝の次はThe Elder Scrollsかよ、世界観全然違うじゃねぇか
ミカサ「民だったものは賊となり、別の民を襲った…」
ミカサ「官は腐り、賊と競うように民から搾取をした」
クリスタ「街にも、山にも、川にも、死体が溢れるようになってしまった」
クリスタ「その死体から物を剥ぐ人はいても、死体を弔うような人はいなくなってしまった」
ミカサ「優しい人はもちろんたくさんいた。だが、そんな良い人は他人を弔うことをできないほどに切迫した暮らしを強いられていた」
クリスタ「余裕のある人間は腐った官と繋がる悪人か、その腐った役人のいずれか」
ミカサ「この国はいずれ滅ぶことは誰の目にも明らかだった。だけどそれはすぐにというわけではない」
クリスタ「幹の腐った樹木がすぐに倒れるわけではないのに、国もだんだんゆっくり滅んでいくことになる」
ミカサ「だけど、それはその分だけ無辜の民の苦しむ時間が増えるということ」
クリスタ「天はそれを憐れんでくれた。天は国を救うことできなかったけど、国をより早く滅ぼすために」
ミカサ「私たち、百八の魔星を地に降ろした」
>>75
適当な中二っぽいタームが思い浮かばなかったんだ。
ごめん。
ミカサ「私たち百八星は世を乱す魔星」
クリスタ「私たちがいるだけで争いは深化し、国はより乱れる」
ミカサ「そうすることで国が早く滅び、民が苦しむ時間が短くなる」
クリスタ「それが天の意思だった」
ミカサ「こうして現世に転生した私たちはそれぞれ山賊として官と戦った」
クリスタ「そして紆余曲折があって、私たちは水の畔の砦に集ったんだよね」
ミカサ「そう、国一番の賊徒として何度も官と戦った」
クリスタ「そして何度も勝った」
ミカサ「だけど、勝利を重ねる度に国が私たちにところに送ってくる戦力はどんどん増員されていた」
クリスタ「遂には力及ばす…私たちは滅ぼされてしまった……」
クリスタ「概要はこんな感じなんだけど…」
ミカサ「素晴らしい、すごくいい」
クリスタ「だよね!すごくいいよね!」
ミカサ「うん。よくふたりでここ思い出せたと思う。クリスタはよく頑張ってくれた」
クリスタ「私だけじゃないよ、ミカサがいてくれたからだよ」
ミカサ「あとは今回はあえて省いた紆余曲折の部分をさりげなくみんなに聞いてもらえれば」
クリスタ「みんなにもこのことを思い出してもらえるかもしれないね!」
ミカサ「とても楽しみ」
クリスタ「私もだよ!」
ミカサ「では早速明日から実行しよう。私はいつも通りエレンとアルミンと一緒に食べるから」
クリスタ「そこにユミルを連れてくればいいんだね」
ミカサ「そう、そこでまずはその3人にさりげなく私たちの話を聞かせる」
クリスタ「わかった。頑張ろうね!」
寝よう
このSSまとめへのコメント
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