久川颯「同期でしゃっふる!」 (14)

パターン1 あかりと凪の場合

凪「いいですか?今都会で大流行しているのはマンションポエムです」

あかり「マンションポエム……」

凪「そう。田舎にはそもそも高級マンションが存在しないからマンションポエムなんてありませんでした。でも都会は違う」

あかり「都会……!」

凪「一見何を言っているかわからない。しかし、その言葉は土地の神話を増幅させるというわけです。まさに神秘」

あかり「…………?」

凪「マンションポエムを極めること、それすなわち都会を極めること。高みへ登りたければついてきな……」

あかり「……んご!」


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──────

颯「ちょっとなー!何やってんの!」

凪「なにって、修行ですが」

颯「あかりちゃんは今のままでいーんだってば!」

あかり「禁断の果実の実る場所」

颯「なんかおかしくなってんじゃん!!」

凪「なるほど、リンゴ園のことですかね。マンションポエムならぬリンゴポエムで独自路線。リンポか…………もうわしに教えることはない。これからも日々修行に励むんじゃぞ」

あかり「はい!!!」

颯「あーーーーもう!!!!!」

パターン2
千夜と颯の場合

颯「それでこの前なーがさー『はーちゃんに似合うと思いまして』とか言ってなんかでっかい目のついたピラミッド型のがついてるネックレス渡してきたの!酷くない?」

千夜「なるほど。確かにそれはおかしいですね。女の人がつけるようなデザインではありませんので。男でもあれか……」

颯「でしょー?なーはやっぱどっかズレてんだよねー。それがいいところでもあり悪いところなんだけど」

千夜「そういうズレに関しては私にも経験があります。以前お嬢さまから沢山の服をプレゼントして貰いましたがその中で似合うと思ったものはほとんどありませんでした」

颯「ちとせちゃんが?」

千夜「ええ。大きめのパーカーやミニスカート。カジュアルな短パンに派手なアウター。どれもお嬢さまにプレゼントしていただきました」

颯「わー!いいなー!でもせっかくプレゼントしてもらったのに着ないのって申し訳ないし、もったいなくない?」

千夜「いえ、お嬢さまの望むものは私の望むもの。自分には似合わないかもしれませんがお嬢さまが喜んでくれる。そのためなら私はなんだって致しましょう」

颯「という事は着てるんだ!はーも千夜ちゃんってかわいいからいっぱいオシャレした方がいいと思う!」

千夜「そうでしょうか?恥ずかしながら私はそういったものに疎く……」

颯「うーん、そうだ!まだお昼過ぎだし、今からはーとショッピングいかない?この後お仕事とかレッスンもないでしょ?」

千夜「確かにありませんがお嬢さまの夕食の支度が……」

颯「ちとせちゃんもお昼ごはんぐらい1人で用意できると思うけど……」

千夜「いえ。お嬢さまは基本的に料理はしませんので」

颯「外食とかお弁当買って帰るとかでもいいと思うけど……ダメかな?」

千夜「そうですね……」

颯「……聞いてみるぐらい、ダメ?」

千夜「…………わかりました。お嬢さまに電話してみましょう」

プルル

ちとせ『もしもし千夜ちゃーん?どうしたの?』

颯(電話出るのはやっ!)

千夜「はい。千夜です。あの、久川颯さんからショッピングのお誘いを頂いたのですが」

ちとせ『えー!いいじゃん!楽しんできてね♪帰ったらお土産話楽しみにしてる。買ってきた物も見てみたいな』

千夜「……わかりました。なので夕食はご用意できません。申し訳ありませんがお嬢さま自身でご用意ください」

ちとせ『おっけー。ちょうど夕食には困らなさそうだったしよかったかな。楽しんできてね♪』

千夜「…………はい。それでは」

ちとせ『ばいばーい』

千夜「と、いうわけでよろしくお願いします」

颯「うんっ!まっかせてよ!」

颯「最近流行りなのが~~~」テクテク

千夜「なるほど。それなら~~~」テクテク



りあむ「青春だねぇ……」

りあむ「すれ違ったのに会釈ぐらいで挨拶されなかったからってやんでないからね!むしろ会釈してもらった!!!やった!!!!!!!」

パターン3
あきらとちとせの場合


ちとせ「お邪魔しまーす♪」

あきら「どうぞデス。今家族みんな出払ってるんでそういうトコ気にしなくていいデスよ」

ちとせ「ん……普通のお家だね」

あきら「そりゃあ普通の人ですから」

ちとせ「あ、ごめんね?馬鹿にしてるとかじゃなくてなんというかこういいなあって」

あきら「普通が?」

ちとせ「うん。私ってルーマニアに住んでたと思ったら千夜ちゃんと2人で暮らすことになったり、普通の生活ってのがあんまりないからさ。新鮮だなぁって」

あきら「そういうもんなんデスかね。部屋つきました、どうぞ」

ちとせ「お邪魔しま~す♪」

あきら「#2回目」

ちとせ「他に言うことある?」

あきら「それもそうデスね」

あきらの部屋

ちとせ「おー♪」

あきら「楽しそうデスね。そんなに変なものとかはないはずデスけど」

ちとせ「私って友達の家に行ったことってなかったからさ。なんかわくわくする」

あきら「ま、変わったところといえばこのパソコンぐらいデスかね。兄ぃのおさがりだけど結構いいやつデスよ」

ちとせ「すごーい!それでえふぴーえすだっけ、するの?」

あきら「はい。そういやこれ目的だったな……すっかり忘れてた」

ちとせ「そうだよー♪私が興味あるって言ったらあきらちゃんがじゃあって言ってくれたんだよね」

あきら「流石にそう言った翌日にこうなるとは思ってなかったけど。2人とも休みだったのはびっくりでしたね。まあ、自分の好きなものに興味持ってもらえると嬉しいんで」

ちとせ「私もいろいろ楽しいよ?うぃんうぃんってやつだね!」

あきら「そですね……っと、準備ができました。まずは自分が適当にやってみるんでどんなものか見てて」

ちとせ「おっけー♪」


ガガガガガッ
バキュ-ンバキュ-ン
ドカ-ン

ちとせ「なんかすごいことになってるね」

あきら「そう?これからだけど!」バンッ

ちとせ「わお!」

あきら「っし、ヘッドショット!」

ちとせ「ヘッドショット?」

あきら「ああ、相手の頭を撃ち抜くことデス。体を撃つのと違って一撃で倒せるのでいいデスね」

ちとせ「あ、また」

あきら「いい感じデスね。このままいきたいな」

数分後

あきら「まあこんな感じデスね。できそうデス?」

ちとせ「うーん、難しそうだけど1回やってみたいな」

あきら「んじゃ自分は後ろでアドバイスするんでやってみてください。操作方法は~」


───────

数時間後

ちとせ「やったー!ようやく勝ったー!」

あきら「おめでとうございます。1から初めてこれとかほんと上手だな……自信無くしちゃいそう」

ちとせ「教え方が良かったからだよ」

あきら「いやそんなこと……ってもう3時デスか。熱中してたらお昼すぎちゃいましたね」

ちとせ「気を抜いたらお腹空いてきちゃった」

あきら「ご飯にでもします?なんか適当に用意するんで」

ちとせ「うーん、お昼には遅いし晩ご飯には早いし微妙な時間だな……」

あきら「こういう時地味に困るんデスよね……そうだ。ちょっと待っててください」

ちとせ「これは?」

あきら「見ての通り餃子デス。おやつにしては重たいデスケド。そういや吸血鬼っていってたし苦手でした?」

ちとせ「ううん、全然。でもなんで餃子?」

あきら「そういや大量に余ってたなと」

ちとせ「餃子ってそんな余るもんだっけ?」

あきら「あー、りあむサンが大量に作って押しつけてくるんデスよ。あの人やんだときに餃子作ってストレス発散するみたいで」

ちとせ「ストレス発散餃子……新しいね」

あきら「自分も初めてデスよ、りあむさんが #なんか嫌」

あきら「ま、味は保証するんでどうぞ。あっためてきましたんで冷めないうちに」

ちとせ「いただきまーす」パクッ

ちとせ「ん~!おいしい!お店のより美味しいかも」

あきら「デショ?あの人アイドルより餃子専門店の方が向いてるんじゃないかな……」パクッ

ちとせ「千夜ちゃんにも食べさせてあげたいなー」

あきら「だったら押し付けられたのが大量に余ってるんで持って帰ってください。早めに食べた方が美味しいですし」

ちとせ「いいの?ならありがたくいただこっかな」

あきら「いえ、こちらとしても助かるんで。うちの家じゃ食べ切れないから……」

ちとせ「そんなにいっぱいあるの?」パクッ

あきら「そりゃあもう。冷蔵庫の一角が埋まるくらいには」パクッ

ちとせ「よくそんなに持って帰ってこれたね……」

あきら「そのためにタッパー買ったんデスよこれ。りあむサンが大量に余らせるから……」

ちとせ「そっか、やんだときに作るから食べること考えてないんだ」
パクッ
あきら「そーいうこと。ま、美味しいんでこっちも嬉しいんだけど量が量だからうちの家族みんなでも食べきれなそうで」パクッ

ちとせ「……ん!」

あきら「どうかしました?りあむ産のだしなんか毒でも盛られてました?」

ちとせ「ちょっとごめんね」

プルル

ちとせ「もしもし千夜ちゃーん?どうしたの?」

あきら(予知か何か?)


─────

ちとせ「ん、ごめんね。千夜ちゃんから電話かかってきちゃって」

あきら「いえ、大丈夫デスよ。なんの電話だったんデスか?」

ちとせ「千夜ちゃんが颯ちゃんとショッピングだって。千夜ちゃんも満喫してるね♪」

あきら「へぇ。なんか珍しい組み合わせですね」

ちとせ「うっうっ……千夜ちゃんに新しいお友達ができて私は嬉しいよ……」

あきら「お母さんですかアンタは」

ちとせ「今日はありがとね」

あきら「いえ、こちらこそわざわざ新潟まで。楽しかったデス」

ちとせ「新潟って案外近いんだね」

あきら「ま、それなりには。お金はかかるけど」

ちとせ「それは大丈夫!なんてったってアイドルだよ?」

あきら「アイドル、アイドルかぁ……実感ないな」

ちとせ「そういうものなんじゃない?まだ私たちなりたてだし」

あきら「ま、そういうのは後からついてくるか」

ちとせ「そーいうこと。それじゃあね!」

あきら「餃子も痛まないうちに食べてくださいね」

ちとせ「ん、帰ったら千夜ちゃんと美味しく頂くよ」

あきら「りあむサンにも美味しかったと行ってあげると喜ぶと思いますよ」

ちとせ「そうだね♪今度お礼言っとこうかな」

あきら「それじゃあまた。今度は交代じゃなくて一緒にやりましょう」

ちとせ「うん、楽しかったし私も買ってやってみるよ。お家でできるんだったよね」

あきら「ハイ。まあ当たり前といえばそうだけどオンラインゲームなんで。通話……まあ電話しながらでもやりましょう」

ちとせ「楽しみにしてるね♪」

あきら「じゃあまた。送らないで大丈夫デスか?」

ちとせ「駅までの道は教えてもらったし、駅までつけば簡単だからね。大丈夫だよ。それじゃあね」

あきら「またきてくださいね」

ちとせ「ばいばーい!」テクテク

あきら「…………」フリフリ


あきら「あ、兄ぃ。おかえり」

あきら「楽しそうだって?へへ、そうかな?」

あきら「え、餃子臭い?それはいらないって!」

パターン4
夢見りあむの場合

りあむ「はー!余った!ぼくあまりもの! 2人組作ってで作れないやつ!こうやってみんなぼくを虐めるんだ!やむ!」

りあむ「あー、やむやむやむやむやむ。うう……ぼくだってかわいいアイドルちゃんとあれやこれやしたいよぅ!」


あきら『元気出してください』

りあむ「あきらちゃん……!」

あかり『りんごいりますか?』

りあむ「あかりちゃん……!」

りあむ「うっうっ、ぼく頑張るよ……決めた!ぼくはもうやまない!これからは真人間りあむちゃんでいくよ!」


颯(1人でなにやってるんだろ…………演技の練習かな?)


颯ちゃんはそのままでいてねエンド!

以上です
ご覧いただきありがとうございました

おつ
りあむにはネットの中に熱くさせてくれる友達いっぱいいるじゃない?

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