【安価】錬金術師「俺に何を飲ませた!?」 (141)

陰気な森の奥で錬金術をする男がいた
そして森へ迷いこんだ捨て子がいた
彼女はずるずると居候し、弟子として錬金術を学んでいた
しかし......


錬金術師「俺に何を飲ませた!?」

弟子「>>3

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ミノキシジル

弟子「ミノキシジルですが」

錬金術師「俺はハゲじゃない」

弟子「本当ですかぁ?」

錬金術師「にやにやすんな。追い出すぞ」

弟子「パワハラはんたーい!」

錬金術師「うるさいぞ胸パッド女」

弟子「あーっ!!次はセクハラですか!?」

錬金術師「食らえ」

弟子「むぐっ!!」

錬金術師「いちいちうるせぇ」

弟子「何するんですか!?」

錬金術師「人に変なもん飲ませといててめぇが飲まないってのは不公平だろ」

弟子「な、なるほど......?じゃないですよ!何飲ませたんですか!?」

錬金術師「>>8

素直になる薬

錬金術師「素直になる薬だ」

弟子「出た!師匠のやけに抽象的な薬シリーズ!」

錬金術師「しまった、よりうるさくなる」

弟子「大したことないですね」

錬金術師「そうも言ってられないぞ」

弟子「なんですと!?」

錬金術師「お前のその態度には悩まされてきた」

錬金術師「......しかしだ。ここで俺がお前の弱みを握ることでピリオドを打つ!」

弟子「ふーん。そ、そうですか」

錬金術師「まずはそうだな......お前の一番の秘密を教えてもらおうか?」

弟子「>>12

実はまだおねしょする

弟子「実はまだおねしょしちゃうんです」

錬金術師「ふーん。胸パッドだけじゃなく尿漏れパッドも必要なのか」

弟子「......はっ//////」

錬金術師「未熟者め。思い知ったか」

弟子「ひ、ひどいです......」

錬金術師「......っふふ」

弟子「笑わないでください!」

錬金術師「いや、そうかそうか。オムツ錬金してやろうか?」

弟子「うーーっ!師匠じゃなかったらぶっ殺しですよ!」

錬金術師「......え?『師匠じゃなかったら』って何?」

弟子「そ、それは......>>16

>>15

弟子「実は好きだからとか言えるわけないじゃないですか......ゴニョゴニョ」

錬金術師「?今なんて」

弟子「う、うるさぁい!!」

錬金術師「ごはっ!おま、殴んな!」

弟子「バカ師匠なんてハゲちゃえー!」

錬金術師「まずは泌尿器科だろう」

弟子「うえーん!」

誰もが寝静まった夜
陰気な森は闇を深く構える


弟子「眠れないです......」

弟子「起きてますか師匠?」

錬金術師「......」

弟子「寝てますね。ムカつきます......ん?」


よく見ると、普段床のあるところに穴が空いている
階段で地下に繋がっているようだ

地下へ入っていくと、壁に掠れた文字が書いてある

『凄い.........薬保管庫 絶対に.....................』


弟子「凄い薬!?」


確かにその階段を下れば色とりどりの薬が置いてある部屋に出た


弟子「飲むしかない!」

弟子「......っぷは!......お?ラベルが付いてますね」

弟子「そうそう。師匠は絶対ラベルに効能を書くんです」

弟子「どれどれ......えっ、>>21

回復薬G

弟子「回復薬G......錬金術というより、調合?」


好奇心を満たした彼女は、階段を登り、錬金術師の研究室へ戻る


弟子「......だらしなく寝てますね」

弟子「そうだ。>>24しましょう」

手錠かけて監禁

翌日


錬金術師「うーん......しまった、寝落ちしたか......」

錬金術師「まぁいいか......ん!?」


彼の両手には手錠がかけられ、昨日いた筈の研究室ではなく、弟子の部屋にいた


弟子「あっ、起きましたね?」

錬金術師「そんなことより、どういうことなんだこれは!」

弟子「どういうことも何も、手錠をかけて監禁した。それだけです」

錬金術師「っっっ!!」

弟子「珍しい顔してますね」

錬金術師「そりゃあそうだ。一体何の為にこんなことを?」

弟子「そうですねぇ......>>28

こうでもしないと師匠は休んでくれない

弟子「こうでもしないと師匠は休んでくれないじゃないですか」

錬金術師「お前まさか俺の事を」

弟子「ちーがーいーまーすー!単純に私の気分が悪いんです」

錬金術師「そ、そうか......だが、これでは食事も作れないし、トイレにも行けない」

弟子「食事は私が二人前作ります。トイレは私が面倒見ますよ」

錬金術師「ふざけてるのか?」

弟子「それとも漏らしちゃいます?人のこと言えなくなりますけど」

錬金術師「くっ......」

弟子「朝食のスクランブルエッグです」

錬金術師「どうも」


不器用にフォークを使い、口に運ぶ
結構いける味だ。どこで学んだんだ?


弟子「美味しかったですか?」

錬金術師「ああ。美味かった」

弟子「そうですか?嬉しいです」

錬金術師「ところで、トイレの面倒を見るってどういうことだ?」

弟子「>>32

>>32

弟子「え...言わせます?」

錬金術師「......あ、すまん」

錬金術師(やべえやべえやべえやべえやべえなんとしてでも回避せねば!!)

弟子「デリカシーのない人ですね本当に」

錬金術師「申し訳ない。それとなんだが」

弟子「どうしました?」

錬金術師「お前の気持ちは嬉しいけど、拘束は解かせてもらうよ」

弟子「......ふーん」

錬金術師「一応弟子ってことだし、見て学んでよ」

弟子「?」

錬金術師「大気錬金」


みるみる間に手錠は錆びつき、軽く腕を動かせば粉のようにこぼれてしまった


弟子「え、なにそれ!」

錬金術師「戦争が活発だった頃は、物資を作るだけでなく、特殊なスキルも錬金術師には求められたんだ」

弟子「ふーん。ぶーぶー」

錬金術師「気持ちは受け取ってやるからさ。気を沈めてはくれないか?」

錬金術師「今日は自室でゆっくりしてるからな」


そう言ってドアノブに手をかけると、異変に気付く


錬金術師「鍵がかかってるぞ?どうやって外鍵なんて増設したんだ」

弟子「回路錬金」

錬金術師「......それは魔術でいける気がするが。まあいい、ともかく鍵を渡せ」

弟子「いやです」

錬金術師「渡さないと>>38

この場で漏らすようするぞ

錬金術師「この場で漏らすようにするぞ」

弟子「ひ......ひぇ......」

錬金術師「鍵を渡さないと尿漏れアルケミストになるぞ」

弟子「わ、渡します!渡しますからぁ!!」


観念して鍵を投げつけてきた
キャッチして扉の鍵穴に差し込めば勿論開いた


錬金術師「まったく」

弟子「うぅ......」

こうして、今日一日恐らく彼は出てこないであろう
そう思った彼女は行動を開始した


弟子「さて、研究室の錬金術の本を読み漁るぞ」

弟子「どれ読もうかなー?」

弟子「じゃあこの>>43にしよう」

賢者の石の錬成は可能か?

賢者の石の錬成は可能か?
賢者の石は錬金術という概念の根幹的かつ最終的なモノに到着する指標である


弟子「ふーん......」


今ではその存在に否定的な意見も多いが、果たして錬成は可能なのか?
伝承に基づいた幾つかのレシピを参考に、その謎に迫ることにした


弟子「これだ!これを読もう!」

翌日


弟子「師匠?」

錬金術師「なんだ」

弟子「賢者の石って、作ろうと思ったことあります?」

錬金術師「あるけど」

弟子「どうやったんですか?」

錬金術師「本に書いているレシピを片っ端から試した。勿論失敗に終わったが」

弟子「じゃあ師匠は賢者の石があると思いますか?」

錬金術師「あると思うよ。色々やって気付いたんだ」

弟子「どういうことですか?」

錬金術師「賢者の石っていうのは多分、最も優れた錬金術師のことさ。だからどっかにいるよ」

弟子「はぁ」

錬金術師「できもしないレシピで出来るってことは、不可能を可能にする最優の錬金術師の暗示さ」

錬金術師「ひいてはそれを成し遂げようとする錬金術師達の心。『賢者の意志』ってところだ」

弟子「つまんないダジャレですね」

錬金術師「すぐそういうことを言う」

弟子「でも、でももしそうなら......」

錬金術師「どうした?」

弟子「なんでもないです!!」

弟子「師匠!」

錬金術師「ん?」


郵便受けを見に行った彼女の顔は幸せに満ちていた


弟子「応募錬金優秀賞ですよ!」

錬金術師「ああ、あの雑誌の懸賞ね。賞品は届いた?」

弟子「はい。旨いお肉ですよ!」

錬金術師「ところで、何を送ったんだ?」

弟子「>>49

常に清水が満杯になる水瓶

弟子「常に清水が満杯になる水瓶です」

錬金術師「お前にしてはやるじゃないか」

弟子「でしょー?」

錬金術師「やっぱ取り消す」

弟子「酷いですよ!」

錬金術師「ふふ。それじゃあ今夜は豪勢なディナーとしよう」

届いた肉はバッチリ調理して満足度100%のディナーに昇華された


錬金術師「美味かったな」

弟子「ですねぇー......」

錬金術師「しかしお前が優秀賞とはな」

弟子「ふふん」

錬金術師「そろそろ独り立ちしてもいいんじゃないか?」

弟子「>>53

独り立ちしたら誰が師匠の介護をするんですか?

弟子「独り立ちしたら誰が師匠の介護をするんですか?」

錬金術師「面白いことを言うね......まぁそれはどうにかするさ」

弟子「どうにかって?」

錬金術師「......ちょっと、言えないな」

弟子「隠し事ですか?そういうのはいけないと思います!」

錬金術師「俺が不自由になるまでここにいるつもりか?」

弟子「家で野垂れ死にたくはないでしょう」

錬金術師「俺はそんなことの為に若い芽を摘みたくない」

弟子「わざわざ理屈をこねずに、親切心をありがたく受け取っておくってことは出来ないんですか?」

錬金術師「出来ない」

弟子「なんでですか」

錬金術師「......きっと、きっとお前は俺を避けるようになる」

弟子「その要因を聞いているんですよ!」

錬金術師「俺はな、呪われているんだ。死に近付くとなんでも食べる化け物になっちまう」

弟子「冗談言わないで下さい!本気で怒りますよ!」

錬金術師「本当のことなんだ。昔悪魔を殺したときに呪われた」

弟子「だったら、解呪しちゃって下さいよ」

錬金術師「そんなチンケな呪いじゃないのさ。黙っていたことは謝るよ」

弟子「それでも師匠なら」

錬金術師「俺ひとりでどうこうできるレベルでもないんだ」

弟子「なら!私がついてます!二人ならどうにか出来るかもしれませんよ!」

錬金術師「その為にお前の活躍を潰すなんて、そんなことはできない」

弟子「師匠にとっては『そんなこと』かもしれないけれど......私にとっては重要なんです!」

錬金術師「......やれやれ......俺の負けだ」

弟子「なら始めますよ」

錬金術師「本気なんだな?」

弟子「本気です。かわいい弟子の若い芽を摘まれないうちに解決するんです!」

錬金術師「そうか」

弟子「急に冷めないで下さい!ほら、どうやったら解呪できるのか教えて下さい!」

錬金術師「>>59

呪いを他の親しい人に移す。呪いの解除は今の技術ではできない

錬金術師「呪いを他の親しい人に移す。呪いの解除は今の技術ではできない」

弟子「......分かりました!私に任せて下さい!」

錬金術師「良いのか?」

弟子「当たり前じゃないですか!」

錬金術師「それじゃ、いくぞ」


彼女の手を掴む
そして目と目を合わせて魔力を込める


弟子「う......くっ......」

錬金術師「終わったぞ。大丈夫か?」

弟子「なんてこと......ありませんね!」

錬金術師「強がるな」

弟子「師匠の前では強がりますよ」

錬金術師「適度に休めよ」

弟子「......はい」

錬金術師「何かスッキリしたよ。何かスゴい物が作れそうだ」

弟子「私も手伝いますよ!」

錬金術師「駄目。呪いを食らったんだ、今日は大人しく寝てろ」

弟子「むぅ」

翌日


弟子「良く寝ましたよ」

錬金術師「そうか。ところでスゴい物ができた」

弟子「お、早いですね。見るにクマも出来てませんしきちんと寝れたんですね?」

錬金術師「観察力高いね」

弟子「そうでしょう?ところで!何ができたんですか?」

錬金術師「>>64

アクアウイタエ

錬金術師「アクアウイタエだ」

弟子「へぇ、それって何なんですか?」

錬金術師「賢者の石みたいなもん......なのか、これ?」

弟子「えっ!?」

錬金術師「でも副作用もあるしなぁ。俺は飲まないよ」

弟子「じゃあ私も飲みません」

錬金術師「うーん......売り払うかな」

弟子「じゃあ次に行商人が訪ねてきたときにでも売りますか」

錬金術師「そうするかなぁ」

弟子「しかし調子良いですね」

錬金術師「憎い?」

弟子「ちょっと」

錬金術師「酷いね」

弟子「結果は出ましたけど、アイデアとしてはスランプです!」

錬金術師「本でも読めば?」

弟子「気分じゃないんですよね」

錬金術師「.......じゃあ、何かの作り方教えてやるよ」

弟子「まじですか!?じゃあ>>69

…ほどよく効く豊胸剤を…

弟子「...ほどよく効く豊胸剤を...」

錬金術師「ふっ」

弟子「鼻で笑いましたね!聞こえましたよ!」

錬金術師「悪いね、作り方は教えてやるから許せ」

弟子「最初からそうしてればいいんですよ」

錬金術師「それじゃあ一緒にやってみようか」

弟子「......あの」

錬金術師「はい」

弟子「シリコン山ほど突っ込んでますけど、これ大丈夫なんですか?」

錬金術師「これが最も正確だ。過去にシリコンを集めている錬金術師を脅して遊んだこともある」

弟子「最低ですね」

錬金術師「いや、別に胸のサイズで愛が変わる訳はないと思ったからさ」

弟子「......ふーん」

錬金術師「そもそもな、胸どうこうで女の価値を決める奴とは付き合うな」

弟子「え」

錬金術師「そんな相談をするってことは、大方好きな奴でも出来たんだろう?」

弟子「......内緒!」

錬金術師「好きな人にはプレゼントを贈れ。高すぎず、安すぎずのな」

弟子「ふ、ふーん」

錬金術師「出来たぞ。豊胸剤だ」

弟子「やったね!」

錬金術師「飲みたい時に飲むといい」

弟子「そうしまっす!」

錬金術師「俺は研究に戻る」

弟子「はい!」

森をかき分け、篭を持った男が一人


行商人「ちわーっす」

弟子「どうも。今師匠は忙しいので代わりに私が買い物しますよ」

行商人「そっすか。今日はどうされます?」

弟子「このアクアウイタエを買い取っていただきたいんですが」

行商人「はぁ」

弟子「副作用付きのエリクサーですよ」

行商人「そんなら高く買い取ろう!」

弟子「ああ、あと>>76下さい」

そこそこ珍しい薬草(尿漏れ防止の薬の材料になる)

弟子「そこそこ珍しい薬草で」

行商人「何に使うんだい?」

弟子「材料に必要なんですよ」

行商人「そうなんか」

弟子「あ、あと師匠にこれとこれとこれを......」

行商人「あいよ。これで全部かな?」

弟子「はい!」

行商人「まいど」

弟子「......ぷはぁ」

錬金術師「薬?」

弟子「はい」

錬金術師「どうせ尿漏れ防止とかだろ」

弟子「な、なんで分かったんですか!?」

錬金術師「勘」

弟子「キモいです!」

錬金術師「悪いね、失禁術師さん」

弟子「う”ぁぁぁぁぁ!!」

錬金術師「生体錬金って知ってる?」

弟子「ホムンクルスとかですか?」

錬金術師「そうだ。ホムンクルスは材料と時間がヤバいので、スライムを作ってみよう」

弟子「私がやるんですか」

錬金術師「当然だろう。それじゃあまずスライム水に不純物を混ぜよう」

弟子「確か魔力石とか、電気石を入れるんですよね」

錬金術師「そうそう。それで普通のスライムだ」

錬金術師「あとはお好みで何か入れて混ぜろ」

弟子「分かりました!」

錬金術師「俺は飯を食ってるからな。できたら呼べ」

弟子「はい!......さて、何を入れよう?」


数分後
弟子は師匠を呼びつけた


弟子「できました!」

錬金術師「キチンと錬金鍋に閉じ込めてあるよな?」

弟子「はい!早速開けてスライムを見てみましょう!」

錬金術師「そうだな。どれどれ......」


>>82...どんなスライム?

服だけ溶かすスライム

人の定義しだいだけど、穂ムンク留守とか作ればそいつに呪い移せるんじゃね?

>>83


錬金術師「できるかもしれない」

錬金術師「でも、できちゃったらソイツはもう立派に人間なんだ」

錬金術師「俺は人にそんな惨いことをしたくないんだ。ごめんね」

弟子「......あれ、普通の可愛いスライムですね?」

錬金術師「そうだな」

弟子「うーん、残念ですが、可愛いのでよしとしましょう」


彼女はスライムを持ち上げる
すると、スライムから分泌された粘液が彼女の服を溶かし始めた


錬金術師「......あ、やべぇ!そいつから離れろ!」

弟子「ひゃうっ!?」

錬金術師「波動錬金!」


彼の足元から床の木材が萎びていく
その木材から青いエネルギー体が発生し、スライムをとらえた
スライムは身に余る生命の奔流に耐えきれず内部から決壊した


弟子「な、なんですかソレぇ......!」

錬金術師「先人が見つけた治す為の力の悪用。魔力人形的な側面のある生き物に有効」

弟子「韻を踏めって言ってるんじゃないです!」

錬金術師「うるせぇ。大丈夫か?」


服が溶けている
範囲は広いがそこまで溶けている訳ではないようだ


弟子「見んなバカ師匠!」

錬金術師「心配ぐらいさせろ。どうせ板同然の体だ」

弟子「覚えてろー!!」

その後、弟子は替えの服に着替えた
錬金術師はといえば、黙って本を読んでいるばかりだ


弟子「ぐぬぬ......絶対に仕返ししてやる」

錬金術師「十年早い」

弟子(どうにか仕返しできないかな......)

弟子(>>94!)

うえ

弟子「師匠!」

錬金術師「どうした?」

弟子「今日の夕食は私が作りますよ!」

錬金術師「そりゃまた、どういう訳で?」

弟子「あー......どうせ師匠のことだし、わざと夕飯にゼリー入れたりするでしょ」

錬金術師「やってくれるなら助かるからそういうことにしておく」

弟子(よっしゃ!)

夕食後


錬金術師「......」

弟子「ばっちり寝てますね」

弟子「さて......どうしてくれましょうか」

弟子「>>98

裸でで添い寝して、使用済みのゴムを添えておきましょう

翌日


錬金術師「......はっ」


何かが当たっている感じがしてそちらを向く
すると弟子が裸で寝ているではないか


錬金術師「......さ、酒でも飲んだか......?」


困惑し、距離を取る
それにより、彼女の周りにゴム質の物体......というか間違いなくコンドームが落ちている


錬金術師「......やばい。ここ数十年で一番焦ってるやもしれぬ」

錬金術師「いやありえないだろう......しかし現に現場が......」

錬金術師「俺が魔法使いだったら記憶も消せただろうが、錬金術は創る為の技術だ」

錬金術師「昨夜の記憶もないし......」


彼が真剣に苦悩していると、弟子が目を覚ます


錬金術師(ついに起きてしまった!)

錬金術師「............」

弟子「>>103

>>102

弟子「責任...とってくださいね?」

錬金術師「うっ......」

弟子(いい感じ!そろそろネタバラシしようかな)

錬金術師「分かった。責任をとろう」

弟子「ふぇむぐっ!」


おもむろに彼女を抱き締める
彼の胸に顔を埋める形になり、発声出来なくなる

錬金術師「多分......俺はお前に酷いことをしてしまったんだろうな」

弟子「ぶはっ!」

錬金術師「俺なんかで責任がとれるか分からないが、お前が望むならそうしよう」

弟子(えっえっえっ、まままじ!?)

弟子「あー......>>107

ごめんなさい嘘でした

弟子「ごめんなさい嘘でした」

錬金術師「......んん????????????」

弟子「でっ、ですから!」

錬金術師「どっから?」

弟子「その......私が裸だったのも......ゴムが置いてあるのもです」

錬金術師「......ふぅん。そういうことするんだ」

弟子「ひっ」

錬金術師「そんな風に育てたつもりはないんだけどね」

弟子「あ、あのぉ、急に敬語になるの怖いんでやめて下さい」

錬金術師「醜い醜いカエルにしてやってもいいんだぞ」

弟子「すみませんすみません!!つい出来心なんです!!」

錬金術師「お前には何よりお仕置きと教育が必要だな」

弟子「ご勘弁を!」

錬金術師「許されるとでも思っているのかたわけ者」

弟子「ひ、ひぃぃぃ......な、なな、何をするんですか......!?」

錬金術師「>>111

破門だ!

錬金術師「破門だ!」

弟子「へ......」

錬金術師「......どうした、外へ出て学んでくると良い」

弟子「でも」

錬金術師「俺が憎いからこんなことをしたんだろう?」

弟子「そ、それは......」

錬金術師「馬車の手配ぐらいはしてやるから出ていけ」

こうして、在りし日のごとく彼女は放り出された


弟子「う......」

弟子「うぇぇぇぇん......」

弟子「どうしろって言うんだよぉ......なんでそんなこと言うのぉ......」

弟子「シショウ......シショウ......」

弟子「もう独りは嫌だよシショウ......」

一方そのころ


錬金術師「いつぶりだろうか。こうも静かなのは......」

錬金術師「......研究室も手狭になってきたな。あいつの部屋を整理して物置にしよう」


彼は普段開けることのない方向からドアを開く
優しい木漏れ日も、哀愁あるだけの虚しいものとしてそこに射す


錬金術師「あいつ結構研究室から本パクってんだな」

錬金術師「......ん?」

古ぼけたような、しかし使用の形跡はつい最近
そんなノートが置いてある。表紙を見るならばそう書いてある
これは日記帳だ


錬金術師「今どき日記帳なんてつける奴いるんだな」

錬金術師「今すぐ燃やしてやってもいいが......折角だし、少し読んでみよう」


ノートが破れないように慎重に手に取る
ページをパラパラと捲り、適当なページを読んでみた


>>119...日記帳の内容

師匠との思い出と彼に対しての想いが書かれている

『今日は師匠に解離錬金を教えて貰った』
『物体のある空間を何かで挟むことで解離させるらしい』
『やっぱり師匠の錬金術はすごい』
『でも天井との間で解離錬金が軽く発生して髪の毛がやばかった ←かわいい』
『今度ミノキシジルを作ってあげよう』
『だって師匠は私の_____恥ずかしいのでやめます』
『たまには休んで欲しいな 師匠の体は私にとっても大事なものなんだからね』


錬金術師「............」

錬金術師「そう、か......」

錬金術師「......弟子......俺は......」

ドアを叩く音がする
荒々しい音に不安を感じ、ドアを開く
そこにいたのは手配した馬車の御者だった


錬金術師「どうかしたんですか」

御者「ええ、その......お弟子さんでしたっけ?いらっしゃらないのですが」

錬金術師「ッ......!」

御者「ど、どうしたんですか?」

錬金術師「依頼はキャンセルだ!キャンセル料もきちんと出してやる!」

御者「えっ!?あ、はい......」


彼はそう言って薄暗い森の中へ走り去った
事情を知らない御者ですらその剣幕から何かを察し、何も言わず帰った

錬金術師「おい!弟子!!いるのか!?」

錬金術師「くっ......」


森は深く、声はすぐ何かに吸収されてしまう
レスポンスが発生する訳もなく、水のせせらぎや虫のさざめきがあるのみだ


錬金術師「どう見つければいいんだ!?」


そう思ったとき
大気が大きく揺れ動く音がした
何かが近くで起こっているのだ。そしてそんなことをする奴といえば......


錬金術師「竜脈錬金!エナジーのブレを感じとる......!」

この森には霊木とも言える大樹がある
それを中心としてこの森は広がっているのだ
そして今、彼女はそこにいる


弟子「シショウ......シショウ......」

弟子「私が......やるんだ......自分だけの......自分のための......」


彼女は霊木のみなぎる生命の力を使って錬金を試みていた
彼女の記憶と幻想に則った、彼女だけの師匠を錬成するために
未熟な彼女にそんなことが出来る確率はとても低い
仮に成功しても彼女はタダでは済まず、命を落とす危機すらあるのだ
それでも彼女にはそれしか道はなかった。己の心がそれ以外を封鎖してしまったのだ


錬金術師「はぁ......はぁ......!どうしてこんなところに......ッッッ!!」

彼には一目見て彼女の為さんとしていることが分かった


錬金術師「ふ......ふざけるな弟子!!俺はお前に死ねとは言ってないぞ!!」

弟子「シショウ......優しいシショウ......」


彼女の耳には彼の言葉は最早届かない
本能・理性・肉体の制御が手放しになっているようだ


錬金術師「それ以上はいけない!俺はお前を見殺しになんて出来ないんだ!!」

弟子「エヘヘ......イッショだよ......シショウ......!」

錬金術師「なぁ......本当にやめてくれよ......お前に死なれたら俺......」


彼はついにすがるようにその弟子を抱きしめた
涙で滲んだ目で瞳を見つめ、心で語るように
何よりも慈愛の精神をもって、嘆願するのだ


錬金術師「応えてくれよ......!俺は!俺は......!」

弟子「シ...........」

弟子「......>>127

馬鹿め師匠!それは偽物だ!

弟子「馬鹿め師匠!それは偽物だ!」

錬金術師「......え、どういう......ごはっ......!!!」


実は彼の裏に本当の弟子が潜んでいたのだ
彼女の生命錬金が強靭は大樹の根を操り、彼を刺したのだ


弟子「......これで、エナジーを確保できる」

錬金術師「な......に......?」

弟子「私が師匠を食べることで師匠を作り出すエナジーを確保する」

錬金術師「なんてことだ......」

弟子「ねぇ師匠」

錬金術師「う......な、なんだ......」

弟子「どうしてあんなこと言ったの?私を独りにしようとしたの?」

錬金術師「......何も、俺は......お前を独りにしようとしたんじゃないさ......」

錬金術師「いつか大成して、また戻ってきてくれると信じていたから......ぐっ......」

錬金術師「だからあの時からお前はずっと独りなんかじゃない......お前には......何時だって俺がついて......」

弟子「>>134

師匠…また元の関係に戻れるかな……?

弟子「師匠...また元の関係に戻れるかな......?」

錬金術師「ああ......もちろんさ......正気に戻ったようだな......」

弟子「うん!そうだよ......!師匠は最初から私の師匠なんだ!」

錬金術師「そう......それでいいんだ......安心したら、なんだか眠くなってきたな......」

弟子「眠......し、師匠!!!ダメだよ師匠!まだ......まだ!!!」

錬金術師「はは......悪いね。さっきも言ったろ?......俺はいつだってついてる」

弟子「......そ、そうだ!思い出すんだ......!昨日の師匠の波動錬金!」


弟子は祈るように錬金を始めた
しかし、分からないものは分からない
だが諦めず波動をイメージし続ける
すると彼に刺さる大樹の根が脈動を始める
確かにあの青いエネルギー体が放出されているのだ

翌日


錬金術師「......どうやら、俺は自分の家に籠りすぎてここを天国と認識していたらしい」

弟子「師匠!?!?!?師匠!!!!起きたんですね!!!おはようございます!!!」

錬金術師「おわっ!?うるさっ......そういやお前......なぜ......?」

弟子「師匠!師匠は今、生きてるんですよ!」

錬金術師「......まさか、波動錬金?」

弟子「はいっ!」

『今日は師匠の生還記念日』
『師匠が元気になったことだけがイベント』
『それだけでご飯三杯はいける』
『でも逆に怒られちゃった 半分悪魔の呪いに侵食されてたんだって』
『でもでも今日は何年かぶりにたくさん頭を撫でてもらったんだ』
『明日からはいつもの毎日 今日だけは特別に甘えたよ』





おしまい

>>114-からの流れが書いててメチャクチャ楽しかったです!
安価に付き合っていただき、ありがとうございました
もう遅いので、html化依頼は明日出します

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