【シャニマスSS】芹沢あさひの恋愛観 (16)


「なぁ、あさひって俺のこと好きなのか?」

「? 好きっすよ?どうしたんすか突然?」


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「いや、1年前に俺から告白してあさひがOKしてくれたけど、OKもらえた理由がよくわからないなと思ってさ」

「りゆう……うーん、考えた事なかったっすねぇ……」

「えぇ……」

「直感っすよ。“この人なら大丈夫”っていう」

「その直感は言葉には出来ないのか?」


「んー……付き合ってるのに、何で好きなのかってそんなに重要なんすか?」

「俺にとってはな。俺を好きじゃなくて付き合ってくれてるんなら、あさひがいつ離れていってもおかしくなくて不安になるだろ」

「むー、私が『誰でもいい』みたいな言い方されると流石に嫌な気持ちになるっす」

「ごめんな。そういうつもりで言ってるわけじゃないんだが」


「私は不安になったりしないのに」

「それがあさひの強さだな。一人でも生きていけるのに俺と一緒にいてくれるのは嬉しいけど」

「……」

チュッ

「……キスでもダメ?」

「……ダメ」

「難しいっすねえ……」

「好きなところ、少し考えてみてくれないか」


「それじゃあ、先に私の好きなところを言ってほしいっす」

「全部」

「そんなの、ズルい」

「だって本当に全部なんだ」

「じゃあ、一つだけ言うなら?」

「誰よりも自由なところ。自由である事の苦しみを、俺にも一緒に背負わせてほしいと思ってる」


「……ふーん」

「ふーん、って」

「……私を受け入れてくれるところ。何でも一緒に楽しもうとしてくれて、本当にダメな時は止めてくれるところ」

「そうか」

「ありがとうって、いっつも思ってるんすよ」

「こちらこそありがとう、だ」


「まだ言った方がいいっすか?」

「いや、もう十分だ」

「結婚するっすか?」

「……なんでこのタイミングで?」

「もし不安になるんだったら形にした方がいいのかと思って」

「もう大丈夫だよ。気持ちだけありがたく受け取っておく」


「それならいいんすけど。でも、まだまだ私の事が分かってないっすね。私が自分の気持ちに嘘を吐いた事あったっすか?」

「無いな」

「私が好きって言ったら、本当に好きなんすよ?」

「うん。すまん、なんか弱気になってたみたいだ」

「それから……」

「……?」


「恋人に向かって『一人でも生きていける』なんて言わないでほしいっす。例えそれが本当でも」

「ごめん」

「私には一緒に生きていきたい人がいるのに」

「……ごめんな」

「寂しい」

「無神経な言い方をして本当に悪かった。……なんか今日の俺、謝ってばっかりだな」


「……分かってくれたならいいっす」

「分かりたいって、いつも思ってるよ。……あぁ、でも、あさひにも分かってほしい事が一つあるな」

「?」

「プロポーズは俺の方からするから、少しだけ待っててくれ」

芹沢あさひは、ニッと笑った。


短いですがこれで終わりです。
読んでくれた方がいればありがとう。

最後に書いて悪いけれど、あさひの年齢と交際相手の設定は決めてないので好きに想像して下さい。

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