心「吐きながらプロデューサーに撫でられるの好きになっちゃった」 (11)

美優「……え?」

心「だからぁ……その、初めての飲み会覚えてる?はぁと飲み過ぎて吐いたじゃん」

美優「いや初めてとか関係なく毎回吐くまで飲んでますよね」

心「そんではぁとが気分悪くなった時、他の女性アイドル皆酔っ払ってたから……はぁとのプロデューサーがトイレに連れてってくれたわけよ」

心「はぁとはもう最悪だと思った。好きな人に吐く所見られたくないじゃん普。汚い女だって失望されたくないじゃん」

心「でもプロデューサーはさ、トイレにぶちまけるはぁとを見ても、『しょうがないな』って笑いながら背中を撫でてくれたの」

心「『プロデューサーはこんな私まで受け入れてくれるんだな』って思ったら、胸がどちゃくそスウィーティーになって……」

心「それ以降、飲み会の度に、プロデューサーに撫でられたくて吐くまで飲むようになっちゃった……」

美優(心さんの酒癖の悪さには、そんな背景があったんですね)

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心「でも一つ問題があって……」

美優(おそらく一つではない)

心「この前プロデューサーが裏ではぁとのことゲロ女って呼んでたの聞いちゃって……」

美優(酷いあだ名ですが、飲み会の度に嘔吐の世話を強いられていては、そんなあだ名を付けたくなる気持ちも分かります)

心「さすがにまずいから、次の飲み会からは飲む量を抑えようと思うんだけど……美優ちゃん、手伝ってくんない?」

美優「何をですか……?」

心「だから、はぁとが飲み過ぎそうになったら、止めて欲しいっていうか……」

美優「ご自分で止めればよろしいのでは……?」

心「それができないんだってば……何か、居酒屋で一緒にがやがやしてると、背中が寂しくなって、むずむずしてきて……」

美優(思ったより深刻ですねこれは)

美優「分かりました……同じ事務所の仲間として、一人の友人として、心さんの暴飲を止めてみせます!」

飲み会にて


早苗「どしたの全然飲んでないじゃなーい?」

心「いやー今はぁと禁酒中でー」

早苗「でもちょっとぐらい良いでしょー?」

心「……ちょっとだけならいっか☆」

美優(あっ、心さんが揺らいでいる!止めないと……)スッ

楓「美優さん」ガシッ

美優「か、楓さん?」

楓「……」ジ-ッ

美優「……?」

楓「美優さんを……見ゆ」

美優「えぇ……?あの、放し……」

楓「むっ。何ですかその態度は。美優さんはもっと私を甘やかさなくてはなりませんよ。それに……」クドクド

美優(捕まってしまいました!心さんが一人に……)

心「いやでも、ズルズル吐くまで飲んじゃいそうだし、今日はやめときますわ☆」

美優(心さん偉い!)

早苗「うるせぇ!!!飲もう!!!」ドンッ

心「飲んじゃえーっ☆」グビグビグビグビ

美優「心さん偉くない!」

心「あーやば吐きそう」

P「しょうがないな。ほらトイレ行くぞ佐藤」

心「……♡」

美優(あぁ……)

美優(私のヘルプにも限界がある……どうしたら心さんの暴飲を止められるでしょうか)

P「ちょっと三船さん、ご相談が」

美優「はい?なんですか?」

P「佐藤のゲロの介抱するの好きになっちゃったんですけど……」

美優「……」

P「あのいつもウザいくらい明るい佐藤がですね。顔を青くして俺を頼ってくれるんですよ」

P「それで背中を撫でてやるとですね。『安心する……』とか『いつもありがとね』とかしおらしい顔で言ってくるんですよ」

P「そしたら俺はもう。一生面倒見てやりてぇってなるんですわ」

P「でも毎回吐くまで飲むのは健康に悪いし……やめさせたいんだけど俺は私欲に負けてしまいますので……何卒、三船さんの方から便宜を取り計らってはもらえないかと……」

美優「……」

別の日の飲み会


心「プロデューサー背中撫ーでて♡」

P「撫ーでる♡」

心「♡♡♡」


美優(両思いになったので、嘔吐の介抱という大義名分がなくとも、二人は愛し合うようになりました)

美優(はたから見ていて若干気恥ずかしいですが、これで心さんも暴飲をやめ、一件落着でしょう)

楓「美優さんお酒を飲み過ぎましたトイレまで連れてってください」

美優「ああもう」


ーおしまいー

以上になります。

女の子が背中撫でられて感じてる薄い本少なくない?増えろ。
頭撫でられてでもいいぞ。

ありがとうございました。

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