美優「……え?」
心「だからぁ……その、初めての飲み会覚えてる?はぁと飲み過ぎて吐いたじゃん」
美優「いや初めてとか関係なく毎回吐くまで飲んでますよね」
心「そんではぁとが気分悪くなった時、他の女性アイドル皆酔っ払ってたから……はぁとのプロデューサーがトイレに連れてってくれたわけよ」
心「はぁとはもう最悪だと思った。好きな人に吐く所見られたくないじゃん普。汚い女だって失望されたくないじゃん」
心「でもプロデューサーはさ、トイレにぶちまけるはぁとを見ても、『しょうがないな』って笑いながら背中を撫でてくれたの」
心「『プロデューサーはこんな私まで受け入れてくれるんだな』って思ったら、胸がどちゃくそスウィーティーになって……」
心「それ以降、飲み会の度に、プロデューサーに撫でられたくて吐くまで飲むようになっちゃった……」
美優(心さんの酒癖の悪さには、そんな背景があったんですね)
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心「でも一つ問題があって……」
美優(おそらく一つではない)
心「この前プロデューサーが裏ではぁとのことゲロ女って呼んでたの聞いちゃって……」
美優(酷いあだ名ですが、飲み会の度に嘔吐の世話を強いられていては、そんなあだ名を付けたくなる気持ちも分かります)
心「さすがにまずいから、次の飲み会からは飲む量を抑えようと思うんだけど……美優ちゃん、手伝ってくんない?」
美優「何をですか……?」
心「だから、はぁとが飲み過ぎそうになったら、止めて欲しいっていうか……」
美優「ご自分で止めればよろしいのでは……?」
心「それができないんだってば……何か、居酒屋で一緒にがやがやしてると、背中が寂しくなって、むずむずしてきて……」
美優(思ったより深刻ですねこれは)
美優「分かりました……同じ事務所の仲間として、一人の友人として、心さんの暴飲を止めてみせます!」
飲み会にて
早苗「どしたの全然飲んでないじゃなーい?」
心「いやー今はぁと禁酒中でー」
早苗「でもちょっとぐらい良いでしょー?」
心「……ちょっとだけならいっか☆」
美優(あっ、心さんが揺らいでいる!止めないと……)スッ
楓「美優さん」ガシッ
美優「か、楓さん?」
楓「……」ジ-ッ
美優「……?」
楓「美優さんを……見ゆ」
美優「えぇ……?あの、放し……」
楓「むっ。何ですかその態度は。美優さんはもっと私を甘やかさなくてはなりませんよ。それに……」クドクド
美優(捕まってしまいました!心さんが一人に……)
心「いやでも、ズルズル吐くまで飲んじゃいそうだし、今日はやめときますわ☆」
美優(心さん偉い!)
早苗「うるせぇ!!!飲もう!!!」ドンッ
心「飲んじゃえーっ☆」グビグビグビグビ
美優「心さん偉くない!」
心「あーやば吐きそう」
P「しょうがないな。ほらトイレ行くぞ佐藤」
心「……♡」
美優(あぁ……)
美優(私のヘルプにも限界がある……どうしたら心さんの暴飲を止められるでしょうか)
P「ちょっと三船さん、ご相談が」
美優「はい?なんですか?」
P「佐藤のゲロの介抱するの好きになっちゃったんですけど……」
美優「……」
P「あのいつもウザいくらい明るい佐藤がですね。顔を青くして俺を頼ってくれるんですよ」
P「それで背中を撫でてやるとですね。『安心する……』とか『いつもありがとね』とかしおらしい顔で言ってくるんですよ」
P「そしたら俺はもう。一生面倒見てやりてぇってなるんですわ」
P「でも毎回吐くまで飲むのは健康に悪いし……やめさせたいんだけど俺は私欲に負けてしまいますので……何卒、三船さんの方から便宜を取り計らってはもらえないかと……」
美優「……」
別の日の飲み会
心「プロデューサー背中撫ーでて♡」
P「撫ーでる♡」
心「♡♡♡」
美優(両思いになったので、嘔吐の介抱という大義名分がなくとも、二人は愛し合うようになりました)
美優(はたから見ていて若干気恥ずかしいですが、これで心さんも暴飲をやめ、一件落着でしょう)
楓「美優さんお酒を飲み過ぎましたトイレまで連れてってください」
美優「ああもう」
ーおしまいー
以上になります。
女の子が背中撫でられて感じてる薄い本少なくない?増えろ。
頭撫でられてでもいいぞ。
ありがとうございました。
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