無良提督「ところでToshlさんがいらっしゃるということは、またライブですか」

大淀「ええ、2020年頭にライブを開催する計画を進めています。それで、今回ゲストにお呼びする方々との交渉がこれからなんですよ」

無良提督「……この流れ、一年前にも経験した覚えがあるんですが」

Toshl提督「これ、僕もこっち側にいていいんですかね？　まだ二年目の新参者なんですけど」

大淀「もちろんですよ、提督は提督じゃないですか」

Toshl提督「大淀さん……」

無良提督「中身が一切ないのに無理やりいい話にまとめようとするのやめません？」

大淀「では、最初は身内ですので、顔合わせですね。艦娘バンド、1MYBの皆さん」

睦月「ギター担当、睦月にゃしい」

磯風「磯風だ。ベースをやらせてもらう」

大和「キーボードの大和です」

北上「ドラマー兼ドラの北上様だよー」

無良提督「……ドラ？」

Toshl提督「Queenの『ボヘミアン・ラプソディ』みたいな感じの？」

北上「そうそう、大体そういうやつ」

無良提督「理解が早すぎる」

Toshl提督「僕の幼馴染もライブでよくドラ叩いてるので」

無良提督「環境が特殊すぎる」

大淀「Toshl提督は2019年12月4日発売の『IM A SINGER VOL.2』で歌ってましたからね、『ボヘミアン・ラプソディ』」

無良提督「宣伝が露骨すぎる」

大淀「Toshl提督は彼女達の演奏をバックに歌っていただきます。それと無良提督のダンスも」

Toshl提督「わかりました。では曲については後ほど」

無良提督「……そうですね。この感じだとステージが結構狭そうなので、普段使ってるスケート靴でやらせていただいていいですか」

大淀「でも、フィギュアスケート用の靴でどうやって……」

無良提督「インライン仕様にしますよ、やるからには本気です」

大淀「ありがとうございます！……では次に、『キリン改二丙』と『ボクカワウソ』です」

キリン改二丙「……」ﾇｯ

ボクカワウソ「……」ﾉｿｯ

無良提督「えっ何ですかこの……何？」

大淀「ですから、『キリン改二丙』と『ボクカワウソ』です」

無良提督「ものすごい圧を感じるんですけど」

Toshl提督「見ようによっては結構かわいいですね、彼らはどういう役柄なんですか？」

無良提督「……かわ、いい……？」

大淀「要所要所でステージに出るマスコットみたいな感じですね。あとは今回サンリオピューロランドとのコラボも発表されるので、その宣伝にも」

無良提督「……サン、リオ……？」

大淀「ええ、以前サンリオさんとコラボグッズも出させていただいたんですが、今回はイベントコラボを企画しています」

無良提督「……誰か止める人いなかったんですか？」

Toshl提督「すごいねぇ」

大淀「それから、呉市公式マスコットキャラクターの『呉氏』」

呉氏「……」ｼｭﾊﾞｯｼｭﾊﾞｯ

無良提督「動きのキレがすごい」

Toshl提督「呉市とはどういうつながりがあるんですか？」

大和「呉はかつて軍港都市として発展してきた歴史があるんです。鎮守府開庁130周年を記念したコラボのご縁もあって、今回特別にご出演いただけることになりまして」

大淀「呉市公式オリジナルソング『君くれハート』を1MYBの演奏で踊っていただきたいたいんですが、ご出演いただけますか？」

呉氏「……」ｼｭﾝｼｭﾝ

大淀「そうですか、ありがとうございます」

無良提督「あなたたちの人脈構築術が恐ろしくなってきたんですが」

Toshl提督「いやぁ、今までの出会いを大切にすると大きいことができるんですね」

無良提督「スケールが異常すぎませんか」

大淀「それと、ゲストギタリストとして出演交渉を行っている方もいるんですが……」

高崎晃「おっ、Toshlも参加するんか」

Toshl提督「高崎さん！？」

無良提督「あなたが動揺するんですか」

Toshl提督「いえ、高校の学園祭でLOUDNESSをコピーしてたりしたので、感動でつい」

大淀「どうでしょう高崎さん、先日オファーした件については」

高崎晃「うん、Toshlの歌が聞けるのも楽しそうやし、篠笛と一緒にやるっていうのも面白いし、やりましょう」

大淀「ありがとうございます！」

無良提督「……さらっと篠笛とか出ましたけど、またとんでもない人を呼ぶんでしょうね」

Toshl提督「いいじゃないですか。豪華で困ることはないですし、僕も篠笛は好きですし」

無良提督「そういうものでもない気はしますけど」

大淀「それでは、無良提督の出演部分についてですけれど」

無良提督「はい」

大淀「まずは翔鶴さんの歌う『二羽鶴』に合わせて踊っていただく所は決まっているんですが……」

無良提督「はい」

大淀「イベントと言えば欠かせない曲がありますよね？」

無良提督「……艦娘音頭、ですか」

大淀「流石、分かってますね提督……でしたら踊りましょう」

無良提督「はい？」

大淀「ですから、艦娘音頭、踊りましょう」

無良提督「……ええ、分かりました。ここまで来たら覚悟を決めます」

大淀「それからToshl提督に歌っていただく曲なんですが、一曲は『モドレナイノ』として」

Toshl提督「去年も盛り上がりましたからね、今年も歌いましょうか」

大淀「もう一曲、『華の二水戦』なんてどうでしょうか？」

Toshl提督「うーん……確かにいい曲だとは思うんですが、ちょっと音域が合わないんですよね……こっちの『鉄底夜歌』はどうです？」

大淀「『鉄底夜歌』は激しい曲でシャウトも多くなりますし、結構負担も大きいと思いますけど……」

Toshl提督「激しい、シャウト……やりましょう！　是非そっちでお願いします！」

無良提督「今、入れちゃいけないスイッチ入れませんでした？」

大淀「奇遇ですね、私もそう思います」

【ライブ当日】

無良提督「Toshlさん、どうしました？」

Toshl提督「いえ、昼に歌った感触なんですけど……今回のステージ、お客さんが立てるようにすればもっと盛り上がると思うんですよ。大淀さん、ダメですか？」

大淀「そればかりは私の一存では何とも……少し確認してきます」

無良提督「現場の責任者って誰なんですかね……」

Toshl提督「さあ……」

大淀「すみません、お待たせしました。お客様に周囲の方が立ち上がって見えづらくなってしまうかもしれない、とお伝えしたのですが、問題ないと承諾いただきました。スタンディング、OKです」

無良提督「それじゃ、確認って……」

大淀「お客様のご都合の確認ですけど、他に必要ですか？」

Toshl提督「……ありがとうございます。全員が最高に盛り上がるステージにしますよ」

大淀「そこは大丈夫ですよ、提督の腕は分かってますから」

無良提督「これは負けてられないですね、僕も全力で行きます」

大淀「はい、よろしくお願いします！」

Toshl提督『会いたかったぜぇぇぇぇぇ！！！！』

＼ｳﾜｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ／

Toshl提督『お前たちの声聞かせてくれぇぇぇ！！！』

＼ｳﾜｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ／


・・・

【終演後】

大淀「お疲れ様です。お二人ともすばらしいステージでした！」

無良提督「ありがとうございます。結弦とのコラボでも思いましたけど、Toshlさんのパフォーマンスは生で聞くと圧巻ですね」

Toshl提督「いえ、無良さんの踊りも格好良かったですよ。ああいう舞に近い演技は普段のフィギュアとは違っていて新鮮でした」

呉氏「……」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

無良提督「呉氏もさすがでしたね。ちょっと引くくらい踊りにキレがあって」

Toshl提督「せっかくですし、三人で記念写真撮りましょうか」

Toshl提督「いい写真になりましたね、後でブログにあげてもいいですか？」

呉氏「……」ｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝ

無良提督「いえ、まぁ、構いませんけど……」

大淀「申し訳ありません提督、展開中の店舗の開店準備がありますので、お先に失礼いたします」

無良提督「グッズショップか何かやってるんですか？」

大淀「いえ、神田のカレー屋です」

無良提督「えぇ……」

Toshl提督「すごいねぇ」