【かぐや様は告らせたい】かぐや「会長が拉致監禁されたですって!?」 (260)



それはある晴れた日の事…

四宮かぐやはいつものように車での送迎による登校の最中であった


かぐや(はあ~…早く会長に会いたいわ。そして会長との幸せな時間を早坂にもお裾分けしてあげた~い!)ウズウズ

早坂「…」

ピロンッ

早坂(あ、書記ちゃんから…)

かぐや「早坂、あなた今日は朝からスマホばっかり見てるわね。誰と話してるのよ?」

早坂「それは言えません」

かぐや「え~、何でよー。あ、わかった♪もしかして彼氏かしら♪」

早坂「はあ~………この人ほんと恋愛脳になった……」

かぐや「ん?なに?」

早坂「何でもないですよ」ツーン

早坂「では、私はこの辺りから降りて学校まで行くので」

かぐや「ええ。気を付けてね早坂」

早坂「かぐや様も………あ、そうそう」




早坂「会長さん、今朝拉致・監禁されたらしいですよ」

早坂「ではまた」バタンッ

かぐや「ええ、わかったわ。会長が拉致・かんき………」



かぐや「えええええええええーーーっ!!?」

かぐや「ちょっと待って、それどういうこと!?拉致・監禁!?何で!?」

かぐや「早坂!!ねえ!!早坂あぁぁっ!!!」

運転手「かぐや様、窓から顔を出さないでください」


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ーーー秀知院校門前

バタンッ

ブオォォン………

かぐや「…」

かぐや(会長からラインの返事も無ければ電話にも出ない………付き合い始めてからはすぐに返してくれるようになったのに)

かぐや(まさか、早坂が言っていた事は…真実だとでもいうの!?)

かぐや(だとしたら何故早坂はあんな「今日の帰りカラオケ行きましょ」くらいのノリで言ったの!?)


石上「あ、四宮先輩。おはようございます」

かぐや「あら、おはよう石上くん………」

石上「どうしたんすか?顔青いですよ」

かぐや「友達から聞いた話なんだけどね?その…か、会長が………会長が…………!」


かぐや「何者かに拉致され泣き崩れる会長を監禁し更には有られもない姿にされたりいやらしいことされたりしてるかも知れないのよ!!!」(そこまでは言ってない)

石上「あっはっはっは、そんなことあるわけないじゃないですか。落ち着いてくださいよ四宮先輩」

石上「生徒の拉致とかあったら普通に事件ですよ。ましてや成績トップで更に生徒会トップでもある人にですよ?そんな事あったらとっくにニュースなってますよ。もっと騒がれてますって」

かぐや「そ、それもそうよね………いけないわ、私としたことが……」

かぐや(てことは何!?早坂の嫌がらせ!?何故!?毎日私の幸せをお裾分けしてあげてるのに!)

石上「でも確かに会長にライン送っても既読すらつきませんね」

かぐや「そうよね、やっぱり気になるわよね!?」

ザッザッザッ!

小野寺「石上!」

石上「おう、小野寺」

小野寺「つばめ先輩が…」

石上「ん?」



小野寺「つばめ先輩が何者かに拉致・監禁されたんだ!!」

石上「 な ん で ! ? 」


小野寺「ごめん…つばめ先輩は私を庇って、奴等に…!」

石上「なに!?何なの!?」

???「ふははははは!役者は揃ったようね!!」

かぐや「この声は…!?」



???「学園トップの生徒会を支配し、更にリア充トップの巣窟である応援団をも滅ぼした上………白銀御行と子安つばめを拉致し、生徒の8割は我々の部下においた」


???「ここ秀知院は今日より頂く!!」




槇原「このTG部がねっ!!!」バーンっ



石上「お前らかよ!!」

かぐや「………あー………」



メガ子「小野寺さん、手伝ってくれてありがとう」

小野寺「いえ…何だか愉快なことやろうとしてるんすね」

石上「え、小野寺協力者だったの!?」

小野寺「いや、ついさっきいきなり頼まれたんだけど…メガ子先輩が卒業前にデカイ遊びをして思い出に残したいとか言ってたから………何だかそういう理由だと断りづらくて」

かぐや「優しい子ね…」

石上「そうだ、TG部といえば藤原先輩の姿が見えないけど」

槇原「彼女はTG部より生徒会を選んだ。そして四宮かぐやを身を呈して逃がしそのまま藤原千花は我々に捕らえられたのだ…」

石上「あー、そういう設定」

メガ子「ちなみに石上君が無事な理由は生徒会襲撃時がちょうど新作ゲームの発売日で生徒会室に居なかったからです」

石上「ひっでえ理由だなオイ!!!」

かぐや「やってられないわ、帰るわね…」

???「あらあら本当にいいのですか?白銀会長が今囚われの身なのは本当ですよ?TG部に会長の身体を好きにされていいんですか?」ボソボソッ

かぐや「!!」バッ

早坂「貴女はこのゲームから逃げられません」

かぐや「早坂!?」

早坂「そう…私は早坂愛。TG魔王軍四天王の一人です」バーンっ

かぐや「な……何を言っているの………?だいたい皆の前でそのしゃべり方しちゃ…」

早坂「あ、私は今魔王に洗脳された忠実な僕で敬語キャラという設定ですので」

かぐや「…」

槇原「早坂!ルールを説明してあげなさい!」バッ

早坂「御意」

かぐや(御意?)


早坂「まず、このゲームの内容は秀知院を支配するTG魔王軍を倒すため勇者かぐや様とその僕(しもべ)石上の旅を描いた王道バトルRPGです」

かぐや「早坂は何を言っているの…?」

石上「つまりTG部を潰せってことですよ」

早坂「そうです」

小野寺「そうなんだ」


早坂「で、魔王は生徒会室で待ち構えているのですが、その扉を開けるには四つの鍵が必要です」

かぐや「え?あの扉の鍵四つも無いわよね?そもそも今私が持ってるし」

早坂「いいから黙って聞いててください。そういうルールなんです!会長を助けたくないんですか!?」

かぐや「まあ会長のためなら…」ボソッ

早坂「そして、その鍵を手にいれるには、四天王を倒さなくてはなりません」

かぐや「四天王…」

槇原「我々TG魔王軍支配下でも特に高い実力を持つ戦士達のこと………紹介してあげなさい早坂」

早坂「御意。まず一人目…笑うサタン、柏木渚」

石上「二つ名ひでえ…」


早坂「二人目…傷ついた天使、四条眞妃」

石上「二つ名ちょっと笑えない!」


早坂「そして三人目が私…忠実なる地獄の番人、早坂愛」

石上「…」


早坂「そして最後の一人………すべてが謎に包まれた正体不明のメンバー」


早坂「不治ワラ」

石上「何が正体不明だよ。どう考えたって藤原先輩じゃねえかそれ」

かぐや「…つまり、その人達から鍵を貰えばいいのね」

早坂「そうです。私達は今から敵同士なのです」

かぐや「…敵…」

かぐや(え、敵…?早坂も?皆も?)

早坂「…?」


かぐや(恋の相談を通して仲良くなった柏木さん…)

かぐや(やっと最近、素直に仲良くなれた眞妃さん…)

かぐや(私と長い間友達でいてくれる藤原さん…)

かぐや(そして、ずっと側に居てくれた早坂…)


やっと出来た、暖かな繋り………

皆が………敵………




かぐや「そんな………そんなぁ………!」ガクッ

早坂「いや、そんな絶望に満ちた顔しなくても………これゲームですからね?元気出してください。ほら、こっそり撮った会長の写メですよー」チラッチラッ

石上「あれ、四宮先輩どうしました?」

早坂「ああ、大丈夫です。この子トイレ我慢してるだけです」

かぐや「違うわよ!!」ガバッ

槇原「さて、ルールは分かったね。地図を渡すからそれの通りに進みなさい」

石上「律儀な魔王だな」


小野寺「…じゃ、私そろそろ帰るんで…」

槇原「は?だめだから。あんたもちょっと参加したんだから最後まで居なさい」

小野寺「…え……?」

石上「諦めろ小野寺。TG部からは逃げられない」

槇原「さて我々は戻るとしよう。行くぞ早坂!」

早坂「御意」シュタッ

かぐや「ノリノリね、早坂…」

槇原「秀知院内には四天王以外にも私の部下達がうようよしている………さあ、来てみなさい、生徒会室まで!!!」

アハハハハハハッ………


秀知院を舞台にした、勇者かぐやと仲間達の大冒険

開幕!!!

かぐや「まったく…くだらないお遊びに付き合わされたものね」ハーッ

かぐや(会長をかっこよく助けてイチャイチャするチャンス!!)ニヤッ

『勇者 四宮かぐや』





石上「まったくですね…やってられませんよ、こんなの」フッ

石上(ここで上手くやればつばめ先輩との距離をもっと縮められるのでは!?)グッ

『下僕 石上優』





小野寺「…」

小野寺(なんか巻き込まれた………)

『通行人A 小野寺麗』

石上「なんかごめんな…」

小野寺「まあまあ、石上が気にすんなし」





かぐや「さあ、行きましょうか…」ザッ

石上「てか先生方に許可取ってんですかね?これ」

石上「俺が前を行きます。先輩は後ろに居てください。小野寺も」

小野寺「ん」

かぐや「ふふ…逞しくなったわね、石上くん」

石上「TG部はあの藤原先輩の仲間ですからね…何を仕掛けてくるか」

かぐや「待って石上くん、何か看板が見えるわ」

石上「え?」ピタッ


『この先、番犬ケルベロスに注意』

かぐや「番犬…ケルベロス?」

石上「はあ、何がケルベロスですか…どうせ居るのは可愛いチワワか何かでしょうよ」

小野寺「へー、私チワワ好き」

石上「いや本当にチワワかは分からないけど…」

かぐや「この先を通るための何か暗号の類…という可能性もありますよ」

小野寺「なるほど」

石上「確かにその線もあり得ますね…藤原先輩そういうの好きそうですし」

石上「…まあ、この先をちょっと覗いてみましょう」

かぐや「そうね」

石上「何か罠があるかも知れないからゆっくり行きましょう」

小野寺「かなり警戒してるね石上」


チラッ…

かぐや、石上、小野寺の三人は見た…見てしまったのだ

そこに待ち受けていたものを………

かぐや「あーっ!?」
石上「あーっ!?」






番犬 ケルベロス


ミコ(+犬耳)「うーっ、がうがうっ!!」

伊井野ミコ !!!


石上「おい伊井野。お前本当にそれでいいのか?」

小野寺「わー…」

ミコ「だ、だって…こうしたら可愛いよって藤原先輩達が…っ!//」

石上「あー、奴等の甘い言葉にまんまと騙されてしまったのか…」

石上「もうわかってんだろ、お前。藤原先輩達に遊ばれてるだけだって」

ミコ「で、でもでも!」

石上「でもじゃない」

かぐや「伊井野さん、怪しい人にはついて行ってはダメだと教わりませんでしたか?」

石上「怪しい人て…」

小野寺「ねえ伊井野、今のがうがう言ってた自分を想像してみ?」

ミコ「麗ちゃんまで意地悪言わないで!!」


ザザ…ッ

???「ふふふ…ごきげんようみなさん、彼女は番犬のミコちゃん。ちっちゃいけれど狂暴ですよ」

かぐや「校内放送…何者!?」

???「ふふ…まだ名前は言えません。が」

???「不治ワラ、とでも名乗っておきましょうか」

ミコ「あ、先輩!」

石上「なるほど、藤原先輩ですか」

不治ワラ「違います、不治ワラです!!」


不治ワラ「彼女を倒すことができればそこを通れます。さあどうしますか?」

不治ワラ「ミコちゃん、侵入者を追っ払っておしまい!」

ミコ「が…がうっ!//」

石上「がうっ」

伊井野「何よ石上、バカにしてんの!?//」

石上「どうします四宮先輩、いきなりめんどくさいのが相手ですけど」

かぐや「そうね…伊井野さんに勝つ方法、それはただひとつ……あなたももうわかっているのでしょう?」

石上「ふっ…」

ミコ「?」



かぐや「ほら、伊井野さん。食べ物ですよ」スッ
(弁当)

石上「ほれ伊井野。食え食え」ガサッ
(ポテチ)

ミコ「二人とも私を何だと思ってるの!?」

ミコ「バカにしないでください!私はそんな与えられたものをホイホイ食べる愚か者ではありません!」

かぐや「え…そんな、バカにしているつもりなんか……伊井野さん食べること好きですし。あっ、ほら、お肉もありますよ…?」(悪気は全くない)

ミコ「そういう問題ではありません!まあいただきはしますが!」パクッ

ミコ「わたひはそんなものれはたおへまへんよ!」モグモグ

石上「美味そうに頬張りながら言う台詞じゃないぞ」

ミコ「石上、ポテチ」モグモグ

石上「食べるんだ」スッ

ミコ「絶対にここは通さないんだから…特に石上!」ポリポリ
ジロッ!

石上「小型犬みたいに睨み付けやがって…」

伊井野ミコは無自覚ながら内心『もっと石上と近くに居たい』と思っていた。
このゲームへの参加を了承したのも藤原先輩からの頼みという理由があるが、実は石上への隠れた好意も要因の1つである!

そしてそんな伊井野自身も自覚がない気持ちに気付いている者がここに一人!

小野寺「…」

小野寺「石上、伊井野の頭撫でてやりなよ」

石上「は?なんで?」

ミコ「麗ちゃん!?」


小野寺「えーと…それは…」

かぐや「なるほど、今の伊井野さんは言うならば狂暴な小型犬…つまりそんな彼女を愛を持ってなつかせる事が勝利条件、という事ですか?」

小野寺「はい。まあそんなところです…」

ミコ「いっ、石上からそんなことされたって嬉しくないしっ!//」

石上「ほら見ろよ、伊井野は俺を生理的に嫌ってるのは知ってるだろ?」

小野寺「いいや、石上だからこそ意味があるの。あの子はあんたに特別な怒りを抱いてるなればこそ石上がやらなきゃダメ!」

かぐや「そうね…石上くん。任せたわ」

石上「え、なんか僕がやる流れになってる?」

ミコ「二人とも、な、なに変なこと言って…」オロオロ

石上「仕方ない………伊井野、暴れんなよ」スッ

ミコ「ひっ!//」ビクッ

石上「逃げんなよ、仕方ないだろ!んな嫌がんなよ!」

伊井野ミコは嫌がっているのではない。
恥ずかしがっているのである!

かぐや「暴れないで、伊井野さん!」ガシッ

ミコ「は、離してください!!」

石上「よし、そのままじっとしてろよ伊井野…」

かぐや「すぐに終わりますからね?」

ミコ「ひ…ひぃ…っ」ハッハッ
ガタガタ

小野寺「うーん、なんか絵面がヤバイな…」



石上「…」ポンポン

ミコ「ひょえ!//」ビクッ

石上「…」ナデナデ

ミコ「う…あ…っ///」プルプル

石上「…そろそろやめていい?」

小野寺「いや、もうちょい」←少し楽しんでいる

石上「おい、伊井野…もう少し我慢しろよ」

ミコ「ひっ…ひっ…///」




ミコ「ひゃああぁ!!」
ゲシイッ!!!

石上「いっだあぁぁ!」

かぐや「伊井野さん、蹴ってはいけません!」

小野寺「あちゃー…」

石上「おまっ、蹴ることないだろ!!」

ミコ「あっ、ごめ、つい…っ」

石上「がうがう吠えて飯はガツガツ食って撫でたら蹴るとかとんだ小型狂犬だよ!」

ミコ「な、小型狂犬!?」

石上「つーかもう外せよその犬耳!見てて恥ずかしいんだよ!」

ミコ「く、うぅ…っ!//」

ミコ「わーん、麗ちゃん!石上が意地悪言う!!」ガシッ

小野寺「はいはい、そーだね。でもその犬耳は外そうね、真面目に恥ずいから」
カポッ



不治ワラ「ピンポンピンポーン!大正解~☆」


かぐや「え!?」

不治ワラ「ミコちゃんへの勝利条件…それはちょっと痛い犬耳姿を指摘してやめさせてあげることでした~!」

ミコ「え、痛い!?」

石上「藤原先輩…」

不治ワラ「よく気付きましたね、流石は1年の中でも成績上位な小野寺さんです!」

小野寺「いや、そんなのが勝利条件だったなんて全く気づきませんでしたけど…」

不治ワラ「ちなみにその犬耳が洗脳装置で、私なしには生きられなくなってしまうという設定で…」

かぐや「えっ、そ…そんな恐ろしい犬耳だったんですかこれ…?怖い…」ガタガタ

石上「んな本気で怯えなくても」

不治ワラ「石上くん付けてみますか?」

石上「嫌ですよこんなバカだと思われる呪いのアイテム」

ミコ「何それ石上、付けてた私がバカみたいじゃない!」

石上「心配すんな、バカにはしてない…今回はお前も被害者だ」


不治ワラ「と、いう訳で~洗脳の解けたミコちゃんがめでたく仲間入り可能です!!」

石上「そういうシステムなんだ」

不治ワラ「ミコちゃんが仲間になりたそうに見ていますよ~。仲間にしますか?」

かぐや「私は構いませんよ」ニコッ

ミコ「えー、石上とぉ…?別に仲間になんか……」

石上「嫌なら置いてくぞ、じゃあな」ザッザッ

ミコ「え、待って!私も行く!」

小野寺「…」


伊井野ミコが仲間に加わった!!


その頃…

ー生徒会室ー

メガ子「かぐやちゃんパーティーに伊井野さんも加わって盛り上がってきたね!」

槇原「ふふふ…伊井野ミコは幹部の中でも最弱……ここから先の難関を乗り越えられるかしら?」

白銀「おい、待てお前ら」

藤原「あら、どうしました?会長。逃がしはしませんよ?」ニコー

白銀「いや、この際お前らのお遊びに付き合わされるのはいいんだ…たまにはこうやってハメを外すのも悪くない」

白銀(それに怪しまれず四宮とイチャイチャするチャンスかもしれないし)←こっちが本心

白銀「だが校内に多数仕掛けられた隠しカメラはなんだ!?いつの間にそんなものを!?」

槇原「学校全体を使った遊びは半年くらい前から考えてたからぁ…その時くらいからかな」

藤原「マッキーセンハイはお茶目なんだから~」

メガ子「うふふふ」

槇原「うししし」


白銀「それをお茶目で済ませるのはどうなの!?」

早坂「会長さん、私のコーヒーを飲んで落ち着いてください」コトッ

白銀「なあ、君…何か凄く見覚えがあるんだが…」

早坂「はい?何のことですー?」ピューピュー

藤原「あはは、会長ってば、半年前からだなんて冗談ですよ!仕掛けたのは昨日です!」アハハ

白銀「どっちにしろどうかと思うがな…」

つばめ「ねえ藤原ちゃん。面白そうだからついてきたけど、私達はずっとここに居ればいいの?」

藤原「お二人にも出番はありますよ!しばしお待ちを!」

つばめ「楽しみに待ってるよ!」

白銀「…」


白銀「ん?」


藤原「アハハ~ダカラ~」チラッ チラッ

白銀(なんだ?藤原のやつ…やけに本棚の方を気にしているな)

早坂「…」


この時はまだ誰も気付いていなかった…
そう、それはTG部の仲間達ですらも。

藤原千花の「企み」を

だがそれは、まだまだ後の話である…

次からミコの名前表記を伊井野に変更します

視点はかぐや達に戻る…


ザッ ザッ ザッ


かぐや「次はこの上の部屋のようね」

石上「そのようですね。次はツンデレ先輩あたりでも送り込んでくるかも…」

小野寺「ねえ、石上。伊井野階段登りづらそうだよ」

伊井野「!」

石上「ああ、すまん、まだちゃんと腕治ってないんだよな。ほら、掴まれ」

伊井野「…ん…//」

かぐや(はあ~…私も会長に手をギュッてされたいわ~~っ)


石上「四宮先輩、何ボーとしてんすか。この扉の先ですよ」

かぐや(はっ!しまった!会長とのあれやこれやを想像していたわ!)

かぐや「…いえ、TG部を潰す算段を立てていたのよ」キリッ

嘘である

石上「あはは、さすが先輩ですねー」

かぐや「ふふふ…」


ガチャッ


「お待ちしていましたよ、かぐや様…」

かぐや「!あなた達は…」




カレン「私達マスメディア部がお相手ですわ!」

エリカ「敬愛するかぐや様だとて手加減はしません!」

伊井野「マスメディア部!厄介そうな人達ですね…」

かぐや「ええ…」


エリカ「さあ」

カレン「勝負開始ですわ!」


かぐや「エリカさん、カレンさん………」

かぐや「秀知院、生徒会…そして会長を助けるため」


かぐや「そこをどいてもらいます!!」



エリカ「ごはあああっ!かぐやしゃまあぁぁ!」ドザザーッ

カレン「尊みが深くてヤバイイイ!!!」バターンッ

小野寺「!?」ビクッ

伊井野「ひいっ!?」ビクッ

かぐや「え、何!?何ですか!?」


エリカ「もうむりぃ…キリッとした目つきかっこよしゅぎる……」プルプル

カレン「会長を…助けるため……尊みが………もう耐えられない……」ガクガク


マスメディア部、撃沈


石上「え、何だったんすかこの人達……伊井野よりザコでしたよ…」

かぐや「石上くん、言い方…」

伊井野「…どうしようこの人達…麗ちゃん仲間にしたいと思う?」

小野寺「うーん、でも二人とも気絶してるし…」

かぐや「何だか凄く幸せそうな顔しているのでこのままでもいいのでは無いでしょうか?」

石上「放置でいいんじゃないですか、仲間にしたところで先輩の一挙一動にいちいち大袈裟なリアクションしてうるさそうですし」

伊井野「言い方…」

石上「まあ、ここで寝てたら寒そうなので僕の上着でも被せといてやりますよ」スッ

伊井野「…」ジッ

小野寺「ああいうとこがいいやつだよね?伊井野」ボソッ

伊井野「え、何!?」



「毒舌の後に見せる優しさ…流石ね、優」

石上「!」

ポンポン
「もんだーい、私はだーれだ?」


石上「…ツンデレ先輩ですか?」


眞妃「ぶっぶー、眞妃ちゃん先輩でーす!」

石上「ツンデレ先輩ですね」

かぐや「眞妃さん!」


眞妃「ちょっと、そんな友達みたいな目を向けないでちょうだい?今の私達は敵…てき……」

眞妃「まあ、友達だけども!」プイッ

石上「何か一人で勝手にツンデレやってる」

四天王、四条眞妃が現れた!!

眞妃「見てたわよ、マスメディア部を秒[ピーーー]るとは…」

伊井野「いくらなんでもやられ方が酷すぎたと思いますけどね……二人とも何の為に出てきたんでしょうか…」

眞妃「あんたも割りと発言が容赦ないよね」

かぐや「そうそう、眞妃さん。昨日借りた映画面白かったですよ」

眞妃「あらそう?じゃあ~、他のも貸したげる!」ニカッ

キャッキャ ウフフ

石上「いつの間にかDVDを貸し借りする仲に」



かぐや「そういえば眞妃さん 。お聞きしたい事が」

眞妃「ん?」

かぐや「眞妃さんへの勝利条件を教えてもらえないかしら?」ニコッ

眞妃「あはは、そんなの教えるわけないじゃーん!」

かぐや「それはそうですよね」フフフ

眞妃「だいたい私、勝利条件とか全く知らないしね!」キリッ

石上「何で誇らしげな顔で言ってんですか」


そんな質問をしたところで勝利条件を教えてくれるはずはない…
勿論そんなことは四宮かぐやは分かっている。
彼女の真意は別のところにあった!

かぐや(伊井野さんの時から思っていましたが…先程の眞妃さんの発言で確信しました)

かぐや(送られてくる刺客は『勝利条件』を教えれていない!!)

かぐや(そして伊井野さんの時の勝利条件の内容から察するに恐らく……TG部は遊び半分くらいの気持ちで考えている)

かぐや(TG部が……藤原さんが眞妃さんへの勝利条件を遊び半分で考えた場合、どのような条件を設定するのか………!)

今、かぐやの脳内でその結論が導き出されようとしていたーーーーー!!!



ブッ…ザザッ…

不治ワラ『はーい!それでは皆さん聞いてくださ~い!今から私が四条眞妃さんへの勝利条件を説明しますよー!☆』

かぐや「え!説明しちゃうの!?」

天才の頭脳戦は終わった

眞妃「見てたわよ、マスメディア部を秒殺するとは…」

伊井野「いくらなんでもやられ方が酷すぎたと思いますけどね……二人とも何の為に出てきたんでしょうか…」

眞妃「あんたも割りと発言が容赦ないよね」

かぐや「そうそう、眞妃さん。昨日借りた映画面白かったですよ」

眞妃「あらそう?じゃあ~、他のも貸したげる!」ニカッ

キャッキャ ウフフ

石上「いつの間にかDVDを貸し借りする仲に」



かぐや「そういえば眞妃さん 。お聞きしたい事が」

眞妃「ん?」

かぐや「眞妃さんへの勝利条件を教えてもらえないかしら?」ニコッ

眞妃「あはは、そんなの教えるわけないじゃーん!」

かぐや「それはそうですよね」フフフ

眞妃「だいたい私、勝利条件とか全く知らないしね!」キリッ

石上「何で誇らしげな顔で言ってんですか」


そんな質問をしたところで勝利条件を教えてくれるはずはない…
勿論そんなことは四宮かぐやは分かっている。
彼女の真意は別のところにあった!

かぐや(伊井野さんの時から思っていましたが…先程の眞妃さんの発言で確信しました)

かぐや(送られてくる刺客は『勝利条件』を教えれていない!!)

かぐや(そして伊井野さんの時の勝利条件の内容から察するに恐らく……TG部は遊び半分くらいの気持ちで考えている)

かぐや(TG部が……藤原さんが眞妃さんへの勝利条件を遊び半分で考えた場合、どのような条件を設定するのか………!)

今、かぐやの脳内でその結論が導き出されようとしていたーーーーー!!!



ブッ…ザザッ…

不治ワラ『はーい!それでは皆さん聞いてくださ~い!今から私が四条眞妃さんへの勝利条件を説明しますよー!☆』

かぐや「え!説明しちゃうの!?」

天才の頭脳戦は終わった

すみません、脱字

教えれていない ×

教えられていない ○

かぐや「待って藤原さん、伊井野さんの時は勝利条件言わなかったじゃない!」

不治ワラ『誰も勝利条件は教えないルールがあるとは言ってませんよ~!ミコちゃんの時は教えたら簡単すぎるから言わなかっただけでーす』

かぐや「~~~っ!!!」ガーンッ

かぐやは負けた気分になった


不治ワラ『それでは説明しますね!四条眞妃さんへの勝利条件は~』



不治ワラ『2回泣かせて3回デレさせる事です!!』


眞妃「何それなめてんの?」

石上「あんたらツンデレ先輩を何だと思ってるんだ」

かぐや「ふ…ふふ……そういう勝利条件ですか、まあ私の予想していたものと近いですね、あー、楽勝だわー」

藤原への謎の対抗心


眞妃「ふう…っ、文句言っても仕方ないわね。始めましょうか」

眞妃「ま、私は泣きもデレもしないけど!」ファサッ


バトル、スタート!!


かぐや(眞妃さんを泣かせつつデレさせる手段…)

伊井野「えーと、四条先輩は優しくて可愛くて話しやすくて良い先輩だと思います」

石上「おいおい、伊井野…確かにその通りだけどそんな単純な褒め言葉並べたくらいで……」

眞妃「全くよ、私をなめないでよねっ!そんな言葉くらいで嬉しい訳ないでしょっ!」テレッ テレッ

石上「結構効いてた!」

眞妃「さあ、どうしたの?もっと来てみなさいよ!」キリッ

石上「もっと褒めてみなさいって聞こえる」

眞妃「私を倒さないとここから先に居る渚のところへは行けないわよ!」

石上「へー、次は柏木先輩が居るんですか」

眞妃「そうよ…翼くんと共に待機しているわ」

かぐや「次の刺客とかばらしちゃっていいんですか?」

眞妃「別にいいでしょ、知らないけど」

眞妃「とにかく、親友の元へは行かせないわよ!」

石上「…」

石上「あのー、藤原先輩」

不治ワラ『はい、なんですか~?』

かぐや「もう正体を隠す気はないんですね、藤原さん」

石上「柏木先輩と翼先輩二人きりなんですよね?」

不治ワラ『そうですよ~』

石上「次に指定されている場所は体育館の倉庫になっていますね…」

かぐや「それがどうかしたの?」

石上「あの二人をですよ?そんなとこに二人きりにしてて大丈夫ですか?」

伊井野「…あ…」

石上「ちょっと前に聞いたんですけど、学園祭の時…お化け屋敷のロッカーの中でイチャついてたらしいじゃないですか」

かぐや「あ…」

石上「更に今、時間帯的に体育館なんて誰も使っていません」

石上「そんな場所に二人きりにさせるのはまずくないですか!?」

不治ワラ『……………………』


不治ワラ『そうですねー……確かに石上くんの指摘通りです。そこは私達の管理不足でした』

石上「そうでしょう!?今すぐ場所を変えさせましょう!」

不治ワラ『…石上くーん?気付いてないんですかー?前見てください前ー』

石上「…え?」チラッ



眞妃「…」プルプルプルプル



石上「はっ!しまっ…た!」

眞妃「何で、ぞんなごど言うの……っ」ガタガタ
グスッ グスッ

眞妃「ぎづがない振りじでだのに…!」ブワッ

石上「わあああああ!ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」

かぐや「い、石上くん…?いくら『泣かせる』ことが目的でもそれはあまりに酷いと思うわ……」

伊井野「最低。見損なった…」

小野寺「石上、流石にそのやり方は引く」


石上「だ、だから、僕が悪かったけど!そういうつもりはなかったんだって!わざとじゃないんだってー!」


不治ワラ『まあとりあえず「泣き」が一点入りましたね、やり方は最っ悪でしたが!更に女性陣にはドン引きされてますが!』

石上「わー!!ごめんなさーい!!」

眞妃「もう知らない…優なんかその長い前髪全部抜け落ちればいいんだ」グスッ

石上「なんすか、その罵倒!?いや本当すみませんでした!!」



眞妃「なーんてねっ☆優が悪気はなかったなんて事はちゃんと分かってるんだから!」キラーンッ

眞妃「私は怒ってないよ、元気出しな優」ポンポン

石上「せ……先輩………っ!」ブワッ


不治ワラ『はい、眞妃さんの「デレ」も一点入りましたー』

眞妃「え、今のもカウントされるの!?」

不治ワラ『されます!』


かぐや「え…許されることまで見越して…!?」ガタガタ

石上「違いますよ、これ以上話をややこしくしないでください!」

かぐや「ふふ、悪気がなかった事は初めから分かっていますよ。からかっていただけです」

石上「な、なんですかもう…マジでドン引きされたのかとビックリしましたよ……」

かぐや「うふふふ」

石上「あはは」

小野寺「はははは」

眞妃「あははは♪」

伊井野「えっ、ここ私も一緒に笑わなきゃいけないとこ?」

眞妃「ふう……笑うのはやっぱり良いわね。嫌な事を忘れられるわ…あんなこととか……」

眞妃「こんな、こと……とか…………忘れ………」

眞妃「忘……忘………っ!」ガタガタ ウルウル


石上「明らかに忘れられてない!やっぱ無理してたんだ!!」

伊井野「あんたが余計なこと言ったからでしょ。何のんきにツッコミ入れてるの」

石上「何も言い返せないよ、ごめんなさい!」


眞妃「あーもう、気にすること無いわよ、ゲーム続けるわよ!私は渚と翼くんが何してようと平気だから!」

眞妃「二人が今、何してようと……本当…ヘーキダカラ、マジヘーキダカラ……」プルプル

石上「自滅してるじゃないですか!もういいです!もう休みましょう!」

かぐや「そうよ、明らかに平気じゃないわ!無理はやめて眞妃さん!」

眞妃「…ふふ…おば様が私をそんな心配するなんて、ちょっと前までは考えられなかった……」

かぐや「無理する必要はないんです、もう、ゲームはやめましょう…」

眞妃「ふっ…優しいのね…ま、あんたが本当は優しいってことくらい……前から知ってたけど…」

かぐや「眞妃さん!」

眞妃「優…あんたはさ…私みたいに、後悔しちゃいけないよ………」

石上「ツンデレ……先輩…!」グッ

眞妃「私の屍を乗り越えて、子安、つばめを……手に入れなさい…!」

石上「先輩、わかりました!絶対に僕やりますから!!」

眞妃「ふふ、あんたなら行けるよ…」

眞妃「行きな……優………」ガクッ


石上「ツンデレ先ぱあああぁぁぁい!!」

かぐや「眞妃さああぁん!」

伊井野「四条先輩!四条先輩っ!」ワアァン



小野寺「なんか…シリアスになってる……?」

カレン「眞妃さん!まだ、まだ諦めてはいけません!」

エリカ「ダメよ、立って!立って!」

小野寺「あ、目覚めてたんですか…」


かぐや「眞妃さん、私がついていますから!」

石上「僕も、あなたの味方ですから!」

伊井野「まだ、まだ絶望に落ちてはダメです!」

不治ワラ『眞妃さん!私も居ますから!!』ブワッ


眞妃「………ふふ、なんだ……」


眞妃(渚と翼くんの事ばかり気にして…私は、大事なものを見落としていたのね…)


眞妃(友達………可愛い後輩………)


眞妃(そして、本当は小さい頃からずっと仲良くなりたかった人……)


眞妃(あのたまに憎たらしい親友の渚だって…)


眞妃(皆が私を愛してくれている………私も皆を愛している…)

眞妃(失恋がなんだ……それでいいじゃない)



眞妃「もう……大丈夫………皆のお陰で、私気付いたよ」

かぐや「!」


眞妃「私には皆がいる……私は一人じゃないんだって…」ポロッ ポロッ

眞妃「私は充分に幸せなんだって!」ニコッ

かぐや「そうです…あなたは、一人ではありません…」

石上「辛いときは、仲間と支え合えばいいんす!」

眞妃「…皆……ありがとう」テレッ

カレン「眞妃さあああん!」

エリカ「私達も一緒だよおお!」

ギュウウゥッ

眞妃「あはは、もー皆くすぐったいって!」ニコニコ


不治ワラ『良かったですね……本当に…立ち直れて……』グスッグスッ

不治ワラ『それと……さっきのやりとりで「泣き」と「デレ」の回数も、上限に達しました……』グスッ


不治ワラ『眞妃さんを立ち直らせつつポイントも稼ぐなんて、まさに天才達の頭脳戦ですね……!二重に感動しました!』ズビッ


石上「あの、藤原先輩?僕ら純粋にツンデレ先輩を思っての行動だったんですけど?」

かぐや「そうですよ、そういう計算でやったみたいな言い方やめてくれませんか?」

不治ワラ『それでは気を取り直してー!かぐやさん達は四条眞妃さんを仲間にすることが、可能になりました~!☆』

不治ワラ『眞妃さんが仲間になりたそーに見ていますよ~?仲間にしますか!?』

眞妃「べ、別に仲間になりたそうになんかしてないけどっ!」プイッ
チラッ チラッ

石上「なりたそうっすね」

かぐや「眞妃さん…一緒に行きますか?」

眞妃「仕方ないわね、一緒に行ってあげようじゃないの!」


四条眞妃が仲間に加わった!!


不治ワラ『それでは、眞妃さんの専用装備が贈呈されます!ロッカーにあるので受け取ってください!』

眞妃「え、そんなものあるの!?」

石上「一体なんなんすかねー…やな予感しかしませんが」

伊井野(専用装備かあ…いいなぁ、いいなぁ)

小野寺「…」

かぐや「センヨーソービとは?」

石上「ゲームで言うならそのキャラ専用のアイテム的な……まあ、藤原先輩の額のリボン的な事です」

眞妃「一体なんだろなー」ワクワク

ガチャッ!






眞妃「……………え?」



四条眞妃専用装備

アイマスク
耳栓




眞妃「なにこれ、なめてんの!!?」

石上「おい藤原先輩、いくらなんでもふざけすぎじゃないっすか?」

かぐや「石上くん落ち着いて、敬語がなくなってきてるわよ…?」


不治ワラ『ちっ、違いますよ!それは決しておふざけなんかではありません、私だって考えなしにそんなの送りませんよ!」

かぐや「では、どういう考えがあったのですか?」


不治ワラ『考えてもみてくださいよ………次の相手………』


不治ワラ『柏木カップルですよ?』


眞妃「!!!」


不治ワラ『だからまあそれはむしろ………見たくないもの聞きたくないものをシャットダウンしてもらおうと思っての………』

石上「…そうだったんすか…」

かぐや「藤原さん、シャットダウンではなくシャットアウトでは?」

不治ワラ『今いいじゃないですかそこは!』

石上「先輩……これを付けて行きましょう。専用装備として許可されてるんです。丸腰では危険です!」

眞妃「………」


眞妃「お気遣いありがとう、けど……私行くわ。このままで!」

石上「!」

かぐや「本当に…行くんですね?」

眞妃「いつまでも…目をそらす訳には行かないもの」


眞妃「私はちゃんと見なければいけない!そんな気がするの!」

伊井野「いや、見ない方がいいってものもありますよ」

眞妃「そうだけども!」

かぐや「…貴女の覚悟はわかりました。その目、意志を曲げるつもりはないように見えます」

眞妃「当たり前よ、まあ一応貰いはしておくけど!」

かぐや「あ、はい」

石上「それがいいっすよ、ヤバイと思ったら無理矢理にでも装備させるんで」

カレン・エリカ「皆さん頑張って~~!」

そうして、四条眞妃を新たに仲間に加えた勇者かぐや一行はマスメディア部に見送られながら『体育館倉庫』に向けて出発した。


石上「ここから体育館までは少しあります」

かぐや「ええ…その間に何かを仕掛けてくるでしょうね。TG部は」

かぐや「皆さん気を抜かないように」


彼女らの予想は当たっている。遊び大好きな奴等が長い歩き道に何も用意していないはずはない。


かぐや(今のTG部の仲間には早坂も居る…このメンバーで一番柏木さんに対抗出来そうな私(自分ではそう思っている)を真っ先に潰すため何か仕掛けてくる可能性がある…)

かぐや(となれば、早坂の案で会長を餌に私を惑わす作戦にでるかもしれませんね…ふふ、でもあらかじめそれを警戒していれば怖くないわ)

かぐや(全く早坂ったら……お可愛いこと)クスッ←勝手に早坂が何か仕掛けてくる事になっている


しかし、かぐやの予想は………



「お、君可愛いねー」
「ねーねーデートしようよ」
「ほんと可愛いよ世界一可愛い」
伊井野「えっ!?えっ!?」



小野寺「わっ!知らないうちに伊井野が男子に囲まれてる!!」

かぐや「え!そう来るの!?」バッ

見事に外れていた!!!

「ほんと可愛いよ…」
「君は世界一優しくていいこだ」
「ほら、僕たちとたのしもうよ、可愛い伊井野ちゃん」

伊井野「え、えー……まあ………」

伊井野「ちょっとなら………いいけど」

石上「いいわけないだろ」バシンッ


伊井野「いたい!麗ちゃん、石上がぶったよ!」

小野寺「わかったからこっち来な!」グイッ

かぐや「な、なに…?TG部は何を考えているの?まさか何も考えていないの…?」


眞妃「キャー!みんな、前見て前ー!」

かぐや「え!?」

ゾロゾロ…

伊井野… 伊井野…
可愛いよ… 君は本当に可愛い…

伊井野… 可愛い… 伊井野…

伊井野… 伊井野… 伊井野…
可愛い… 可愛い… 可愛い…


眞妃「男子が廊下の向こう側まで大量に並んでる上にみんな『伊井野』か『可愛い』ばっかり言ってるぅ…!」ガタガタ

かぐや「何あれ怖い…」ガタガタ

伊井野「ひえぇ…っ」ガタガタ

石上「あ、あんな量相手じゃ伊井野を守りきれない…!」

小野寺「…」

小野寺「だめっ!あんなとこに行かせたら伊井野が伊井野じゃなくなっちゃう!」

伊井野「麗ちゃんは何を言ってるの!?」

かぐや(藤原さん達は何を考えているの…!?伊井野さん一人のためにあんな大量な人員を用意するなんて有り得ないわ!)

眞妃「ど、どうしよう…普通にあんなとこ通りたくないんだけど…」

石上「…仕方ない、伊井野。お前は俺達が柏木先輩の所から帰ってくるまで別の場所で待機していろ」

小野寺「それがいいね、さすがに伊井野をあそこに通すのは危ないよ」

伊井野「えっ、でもそれじゃあ私一人だけ仲間はずれみたいな…」

小野寺「仕方ないな、私も一緒に居てやるよ」

伊井野「麗ちゃん!」


かぐや「…っ!!!」


かぐや(ま…まさか……TG部の真の狙いは!!)


小野寺「私が居なくたって石上や先輩達なら大丈夫でしょ」

かぐや(小野寺さん…!?)






かぐや(た、確かにそうだわ…頭良くてしっかり者で優しい子だから忘れていたけど)

かぐや(あの子、ギャル系ウェーイ族のリア充だったわ!!)

かぐや(よくよく考えてみれば、あの子なら目の前で柏木さん達がイチャつきだしても澄ました顔で立っていそうだもの!)


石上「じゃあ先輩方、そういう訳で、小野寺と伊井野はいったん休み…」

かぐや「いや、だめよ石上くん!」

石上「え!?」

かぐや「TG部の真の狙いは小野寺さん…あなたをこのメンバーから引き離すことよ!!」

小野寺「え、私をっすか!?」

眞妃「な、なんであの子を!?」

かぐや「TG部の事よ…柏木さん達とのバトルになればまずイチャイチャを見せつけさせてくるであろうことは明白。そうなった時、皆さんは冷静で居られる自信がありますか?」

眞妃「…」プルプル

石上「たぶんシネシネビームを撃つと思います」

伊井野「取り締まります」


小野寺「まあ、カップルなら好きにしたら良いんじゃないすか?」

かぐや「ほら見て!この冷静な答え!」

眞妃「おお…」

石上「なるほど…」

伊井野「さすが麗ちゃん…」

かぐや「TG部にとってこういう『派手なリアクション取って欲しいのに冷静な反応する人』は邪魔なのよ!」

小野寺「そうなんすか」

かぐや「だから、ここで小野寺さんを離れさせてしまったら…それこそ相手の思うつぼです」

石上「それはわかりましたが…けど伊井野はどうするんですか?」

かぐや「大丈夫よ、策はあるわ」

かぐや「眞妃さん、あなたいいものを持っているでしょう?」


眞妃「え?………あぁ!」

眞妃「耳栓とアイマスク!」

不治ワラ『ちっ……バレた上に手に入ったアイテムを有効活用とはやりますね』

石上「ちって………てか先輩、ここでも見てたんすね」



かぐや「では伊井野さん、耳栓を付けましょうね?」スッ

伊井野「は、はい…」

石上「これなら伊井野が声かけられても安心です」

眞妃「さて、アイマスクも付けよっか」

伊井野「え、アイマスクもつけるんですか?わっ!」

眞妃「目でナンパされちゃいけないからね!これで大丈夫よ!」

伊井野「み、見えないし何も聞こえないよ!」

小野寺「大丈夫大丈夫」ポンポン

かぐや「あとは…男の人から手を引っ張られる可能性がありますね」

石上「僕と小野寺で伊井野の横に付きますよ」

眞妃「それだけじゃ心配ね……そうだ、ついでに手も動かせないように縛っておきましょう!」

かぐや「ナイスアイデアよ、眞妃さん」

シュル、シュル

伊井野「え!腕縛られてる!?なに!?なんですか!?何をする気ですか!?」

かぐや「大丈夫、これは貴女のためなのよ!」

眞妃「私達を信じて!」

石上「伊井野、耳栓してるから聞こえてませんよ」


伊井野「なに!?なに!?こわい!ひゃああぁっ!!」


こうして、TG部の目的を打ち破り『伊井野可愛い』を繰り返す男の群れを強行突破したかぐや達一行は…

いよいよ二人目の四天王、柏木渚の待ち受ける体育館まで到着した。


かぐや「…何とか着けましたね…」

石上「一時はどうなるかと思いましたが」

眞妃「この先に…居るのね…」

小野寺「…」

伊井野「…あの…そろそろ私に付けてるもの外してもらいたいのだけど…」

かぐや「あ、ごめんなさい!」

小野寺「今外すね」



不治ワラ『…皆さん、覚悟はいいですか?この先はの戦いは……』

不治ワラ『今までとはレベルが違いますよ』

勇者達は柏木の待つ倉庫の前へ辿り着いた…


神ップルへの警戒を最大まで高めている石上

中でナニが繰り広げられていたのかの想像を必死に抑える眞妃

よくわかっていない小野寺

お腹が空いてきた伊井野

会長に早く会いたいかぐや

そして実は今、生徒会室で会長とオセロを打ちながらこっちを監視している藤原…

彼女達の思いが交錯する中、次なる戦いが幕を開ける。


ギシッ ギシッ


ギシッ ギシッ ギシッ



石上「あの、なんか…倉庫の中からギシギシ聞こえるんですけど」

伊井野「!!?」

かぐや「えぇ!?そ、それってもしかして……!?」ドキーンッ

眞妃「ち、違うわ、そんなの……何かの間違いよ!そう、跳び箱でも動かしてるのよっ!」(涙目)

石上「ツンデレ先輩、例の装備をしといてください!ちょっと扉に耳当ててみます…!」


ギシッ、ギシッ、ギシッ

はあっ…はあっ…はあっ…


石上「なんかハアハア聞こえるんすけど!?」

伊井野「きゃあああ!破廉恥!///」パシンッ!

石上「いてえ!俺を叩くなっ!」


かぐや「そ、そんな……セッ……………を、こんな場所で…!?」カタカタ

眞妃「あーーーあーーー!聞こえなーーイ!何も聞こえなーーイ!」(耳栓装備)


小野寺「いや別に開けたらいいじゃないっすか扉」

かぐや「ナニを言っているの、小野寺さん!?そんなことしたら二人のあられもない姿が露に…!!」

伊井野「そうだよ、覗きはダメだよ麗ちゃん!」

石上「小野寺、お前は信じてないかも知れないがあの神ップルは隙さえあればどこででも神るんだよ!!」

小野寺「石上は何を言っているの?」


小野寺「えーと、藤原先輩。次の戦いはこの倉庫の中なんですよね」

不治ワラ『はい、そうですねー』

小野寺「戦いの場所には監視カメラが仕掛けてあるんですよね」

不治ワラ『…ソウデスネー』

小野寺「じゃあ、そんなとこでイチャイチャする訳ないじゃないっすか。見られてるのに」

かぐや「………」

かぐや「眞妃さん、耳栓外しても大丈夫ですよ」

眞妃「え?」

伊井野「…エッチな事にはなってないの?」

不治ワラ『………』

不治ワラ『はははっ』

石上「あんた分かっててわざと黙ってたのか!!?騒いでる僕達を見て楽しんでいたのか!?」

不治ワラ『あーあー聞こえなーーイ』

かぐや「…藤原さん、後で覚悟しておいてね?」

不治ワラ『…だけど、これだけは信じてください。その聞こえてくるギシギシハアハアは私の指示ではありません…』

石上「だからなんなんすか。何も起きる心配は無いなら初めから教えといてくださいよ」

眞妃「そうよ、それなら私も心配する必要なかったじゃない!」

不治ワラ『…』

カメラの映らない場所に何度か移動していたのでそこでキスくらいは何度もしてたと思う、と言おうとしたが藤原はその言葉を飲み込んだ。

不治ワラ『はい、すみませんでした…』

不治ワラ『でも、かぐやさんか石上くん辺りが言われなくても気付くと思ったんですけどね……ちょっと考えれば凄く分かりやすい事なので』

かぐや・石上「………」

神ッた想像ばかりしていてテンパッていた二人は何も言い返せなかった。


不治ワラ『さ、それでは気を取り直して!扉をオープンしちゃいましょう!☆』


石上「開けますよ!」

かぐや「ええ」

ガラガラガラッ



ギシ…ギシ…

翼「はあっ、はあっ…よっし。全部運び終わったぁ」フーッ

柏木「これで最初より広くなったね、戦いやすくなったよ」


眞妃(やったあああっ!本当に跳び箱動かしてただけだったあああぁぁぁ!)ピョーンッ

眞妃ちゃんは心の中で喜びの叫びをあげた


柏木「あ、皆やっと来たんだね」

かぐや「柏木さん…」

翼「マ~ジ待ちくたびれたっすよー」アハハハ

眞妃「二人して仲良く倉庫のお片付けしてたのね。笑っちゃうわ」フフン
(翼くんと一緒に片付けとかうらやましいいい!)

眞妃は自分で言ってダメージを受けた

柏木「うん。でも眞妃ちゃんとも会いたくてずっと待ってたよ」

眞妃「え、あ……ああそう?」プイッ

デレた

柏木「かぐやさん、友達同士だけど真剣勝負で行くからね」

かぐや「ふふ、私はそんな簡単に負けるほど甘くありませんよ?」

なんかカッコつけているかぐやだが『友達』と呼ばれたことを内心喜んでいた


不治ワラ『それでは、二人目の四天王戦の内容は~!』


不治ワラ『赤面させゲームです!!」


石上「なんすかそれ」


不治ワラ『ルールはとても簡単!お互いに相手を恥ずかしくさせ赤面させるゲームです!赤面した人から脱落し柏木戦終了まではゲームへの復帰ができません!』

不治ワラ『柏木さん側はかぐやさんパーティー全員を赤面させる、かぐやさんパーティーは柏木さんを赤面させれば勝利です!』

石上「翼先輩は?」

不治ワラ『彼は柏木さんの召喚獣として扱われますので含みません!』

翼「え、そうなの?」

伊井野「あの…そのルールで5対1は不公平ではないでしょうか?」


不治ワラ『いえ、問題ありません。むしろパワーバランス的にはそれでやっとどっこいどっこいと言ったところではないでしょうかね?』

かぐや(確かに…柏木さんはどういったものに赤面するのかよく分からないわ。その点このメンバーは私以外は(自分ではそう思っている)とても分かりやすいのに…)

かぐや(伊井野さんと石上くんが特に心配ね)

眞妃「ふん、私を赤面なんてやれるものならやってみなさいよ!」

かぐや(眞妃さんも不安…)

柏木「ふふ、面白そうなゲームね…」


不治ワラ『ではっ、始めてくださーい!』

かぐや(柏木さんの恥ずかしがるもの…一体なにかしら)

柏木(白銀会長が居なくて良かった…たぶんここに居たらかぐやさんとの微笑ましい姿に一瞬で恥ずかしくなって赤面していた…)

かぐや(子供騙しなやり方は恐らく通じない…!どこから攻める…!?)

柏木(とりあえず一人以外皆チョロそうだけど…策を練られる前に一番頭のいいかぐやさんから攻めておこうか)


不治ワラ『あ、あとちなみにー!酷い下ネタとか一線を越えるような発言・行動は禁止ですよ!失格にしますからね~っ!』


かぐや(下ネタは使えない…!?いや、使うつもりはなかったけれど!)

柏木(なるほど…つまり、遠回しに意味を察しさせるような発言ならいいのね)


かぐや・柏木両名の頭脳戦が今、繰り広げられようとしていた………
そして、先に動いたのは


伊井野「か、柏木先輩は
可愛いです!!」

柏木「!?」

かぐや「!?」


伊井野ミコだった!



眞妃「あなた…それ私の時と同じような発言…」

伊井野「す、すみません…」

眞妃「あ、いいのよいいのよ!でもね~…」

石上「言葉選び他に無いのかよ伊井野」

伊井野「何よ石上、文句あるの?」

柏木「…ふふ」クスッ

柏木「ありがとう。でも貴女の方が可愛いわよ?」

伊井野「はひいっ!?」

チョロかった


不治ワラ『う~ん…まあギリギリセーフですかね。赤面までは行っていないので』

かぐや「自分から突っ込んでいって負けそうになってどうするんですか…」

伊井野「すみません…」シュンッ


小野寺「危ないなぁ、もう…」

翼「ん~っ、でも伊井野ちゃんマジで可愛いよね!」

石上「オメエ余計なこと言ってんじゃねえよ!!」

かぐや「石上くん落ち着いて、あと彼上級生ですからね!?」

伊井野「え、そんな…可愛いかな…」モジモジ

小野寺「おい」




翼「あははは~」

柏木「…」ジロッ


眞妃(わあ、渚マジギレしそうな目してる…)

かぐや(計画してやったわけではないのね…)


翼「でも渚が一番かわいーよ☆」

柏木「もー、翼くんったら♪」ギュウッ


石上「四宮先輩…あのカップルほっときゃいつか勝手に赤面しだして自滅するんじゃないですかね」

かぐや「それはダメよ…そんなにイチャイチャさせたら私達が持たないわ」

翼「渚…愛してるよ」ジッ
柏木「翼くん…」ジッ


かぐや「だ、だめ…やっぱり恥ずかしいわ…まともに見られない…」

伊井野「ひゃあぁ…」ドキドキ

小野寺「…」


眞妃「ははっ」

石上「あの、真顔でこっち見るのやめてください」

かぐや(ならば…私の恥ずかしい話を聞かせるなんてどうかしら)

かぐや(人の恥ずかしい話は聞いている方も恥ずかしいもの……恐らく多くの人に効く方法。彼女も例外ではないはず。例えば恋の病で倒れたこととか…)

かぐや(ってそれ私自身も死ぬほど恥ずかしいじゃない!!)

当たり前である


柏木「あ、そうだ。かぐやさん」

かぐや「はい、何でしょう?」

柏木「この前貸した(エッチな)DVDどうだった?感想を聞きたいな♪」

かぐや「…っ!!?」ドキッ

かぐや(か、柏木さん…何て質問をするのぉ!?)

柏木「…」フッ

勿論、柏木は本当にDVDの感想を聞こうなどとは思っていない…
狙いはかぐやの思考回路を崩し、その後更に追い討ちをかけるためである。

そんな狙いはかぐやも瞬時に理解していた。
しかし…

かぐや(ああっ、だめ!この前のDVDのいかがわしい映像が頭にこびりついて離れない……!考えがまとまりません!!どうすれば!!)

理解してはいてもやっぱり、初めて見たエッチな映像の記憶が頭に浮かべば非常に恥ずかしい!!

石上「四宮先輩?どうしたんすか?」

眞妃「あうあぁ…」プルプル

石上「ツンデレ先輩までどうしたんすか!?」

眞妃にも飛び火していた


かぐや(早く、ルーティーンを使わなければ!!)

柏木(かぐやさんは思考が混乱している…追い討ちをかけるなら今っ!)

柏木「そういえばかぐやさん…聞いてください。この前…」

かぐや「待ってください」

柏木「!」

かぐや「感想…お聞かせしましょう」

柏木(あれ、急に落ち着いた!?)

かぐやはギリギリのところでルーティーン発動に間に合った!

かぐや「そうですね…この前貸していただいたDVD」

かぐや「非常に面白く感銘を受けました。まるで私の人生観を変える、素晴らしいものでした。また見せていただきたいものです」

かぐやは単に冷静アピールをしたつもりだが、よくよく考えてみると変態っぽいことを言っていた。

柏木(かぐやさん…!?クールな顔して何を言っているの!?恥ずかしくないの!?)

柏木(いや先に質問したの確かに私ですけれど!!)

はからずも柏木に『恥ずかしダメージ』をだいぶ与えていた

柏木(だめ、すぐさま反撃しないとまずい…放置してたらあの子更に恥ずかしい台詞吐きそう!)

柏木「それでね、聞いてよかぐやさん。この前ね…」

かぐや「はい。何でしょう」

石上「えっ、そんなあっさり聞いて大丈夫なんですか?」

柏木「デート中に彼ったら人がいる前で私に突然キスしてきたの……クリスマスだったからってはしゃぎすぎよね♪」テヘッ

柏木「…再現してみよっか?」フフ

翼「いいの?皆見てるよ?」

柏木「大丈夫、誰も気にしてないよ♪」

ギュウッ

伊井野「え?えっ?本当に…しちゃうの?」アワワワ

石上「ちょっ、待って、それはだめっしょ、え…」

かぐや「…」
心の中のかぐや(え!?うそ!?うそ!?しちゃうの!?ここで!?えぇ!?)

伊井野「ひあぁ、顔が近い、近いですよぉ!」ドキドキ

石上「…シネシネビーム…シネシネビーム…」ボソボソ

小野寺「…」

眞妃「クリスマス……デート………キス………ははは、あー……今日もいーい天気ねー………」ボーッ

かぐや(あああぁぁぁ!?唇が、唇がくっつこうとして!!)

驚きのあまりかぐやは右手を頬から離してしまった!



柏木「なーんてね!すると思った」クスッ



眞妃「」カチーン

柏木(だめ、すぐさま反撃しないとまずい…放置してたらあの子更に恥ずかしい台詞吐きそう!)

柏木「それでね、聞いてよかぐやさん。この前ね…」

かぐや「はい。何でしょう」

石上「えっ、そんなあっさり聞いて大丈夫なんですか?」

柏木「デート中に彼ったら人がいる前で私に突然キスしてきたの……クリスマスだったからってはしゃぎすぎよね♪」テヘッ

柏木「…再現してみよっか?」フフ

翼「いいの?皆見てるよ?」

柏木「大丈夫、誰も気にしてないよ♪」

ギュウッ

伊井野「え?えっ?本当に…しちゃうの?」アワワワ

石上「ちょっ、待って、それはだめっしょ、え…」

かぐや「…」
心の中のかぐや(え!?うそ!?うそ!?しちゃうの!?ここで!?えぇ!?)

伊井野「ひあぁ、顔が近い、近いですよぉ!」ドキドキ

石上「…シネシネビーム…シネシネビーム…」ボソボソ

小野寺「…」

眞妃「クリスマス……デート………キス………ははは、あー……今日もいーい天気ねー………」ボーッ

かぐや(あああぁぁぁ!?唇が、唇がくっつこうとしている!!)

驚きのあまりかぐやは右手を頬から離してしまった!



柏木「なーんてね♪本当にすると思った?」クスッ



眞妃「」カチーン

かぐや「はっ……はっ……本当に、するかと…」ドキドキ

石上「ナンナンスカ…ジマンスカ…シアワセジマンスカ…」ボソボソ

伊井野「あわわわわわ…」ヘナヘナ

柏木(ふふ、かぐやさんも彼氏が出来てキッスも済ませたとはいえ、精神的にはまだまだお子様……そして石上くんと伊井野ちゃんにもあと一押しでトドメを刺せそうね)

柏木(でも…)


石上「…大丈夫すか、ツンデレ先輩……真顔のまま硬直しちゃってますよ…」

かぐや「もう耳栓とアイマスクしてあげた方がいいのでは?」

眞妃「」カチーン


柏木(眞妃ちゃん…翼くんに全く興味ないと言っていたとはいえ、真顔の無言かつ無反応で立ち尽くすほど興味ないとは…想定外の強敵ね…)

柏木(もっとドギツイので行った方が良かったかしら)

柏木は鬼のようなことを考えていた

柏木(そして…もう一人の強敵)

小野寺「…」


かぐや「ところで小野寺さん…何故あなたはそんな平然としていられるの…?」プルプル

石上「目の前でキスしかけてたのに…」

小野寺「いや、カップルならキスくらいするっしょ。まあ目の前でするとか恥ずかしくないのかなぁ、とは思いますけど」

かぐや「そうですけれども!」

伊井野「わ…私、もうダメかも……」

眞妃「」カチーン


小野寺「皆、変な風に捉えすぎなんじゃないすか?付き合えば皆いずれ通る道なんす」

小野寺「世界中にあるありふれたこととして考えれば、そうでもないんじゃないですか?むしろ仲いいカップルを見守っているくらいの気分でいましょうよ」

小野寺「それに、恋人が居ないからって劣等感を感じる必要もないと思うし…この世は恋愛が全てではないし」

かぐや(こ、この子…なんて心の広い考え方なの…!)

石上(…小野寺の言うことも最もだ。確かに僕は…あのカップルに変に劣等感を抱いていたかもしれない)

伊井野(麗ちゃん…)

眞妃「レンアイガ…スベテジャナイ……」

かぐや「ありがとう、小野寺さん…少し勇気が出たわ」

柏木「…っ!」

柏木(皆の目に力が戻ってきた……やはり、最初に潰すべきは)


小野寺「…」

柏木(小野寺さん…あなたね)

かぐや(けど恐らくこのままだと柏木さんに押し負ける……逆転の方法を考えないと)

柏木「あ、ねえねえ。小野寺さんと二人で話したいんだけどいいかな?」

小野寺「え?まあ…いいすけど」

かぐや「!」

かぐや(小野寺さんに狙いを定めた?けど…その子は手強いわよ)

石上「小野寺…無事でな」

伊井野「気を付けてね」

小野寺「うん」

眞妃「そうよね……恋愛が……全てではないよね…」ウルウル


ザッザッザッ…

柏木「…」

小野寺「…」

柏木(小野寺さんはギャル系リア充…それでいてしっかり者な優しい子。あのチョロい子達とは違って人の軽いイチャイチャくらいなら大して気にはしない)

柏木(この子の欠点と言えば、ネーミングセンスの酷さくらいなものだけれど…本人は真面目だからそこをついても効果は恐らく望めない)

柏木(ならば……その『真面目』な部分をつくしかないわね)

柏木(小野寺さん…少し卑怯な手を使うけれど、許してね)

「…」

柏木「ねえ…小野寺さん。私、君に聞いてみたいことがあったんだ』

小野寺「なんですか?」

柏木「小野寺さんてさ………」



柏木「ゴムありとゴムなし、どっちが好き?」


小野寺「………」



小野寺「はい?」

柏木「だから~、ゴムありとゴムなしどっちが好きなの?」


小野寺「………何の話か分かりません」


柏木「え~、本当にわからないの?」

柏木「私の彼氏はね、ゴムなしが好きなんだって」

小野寺「………………」

柏木「私もそうなの、ゴムなしが好きだな」

小野寺「…私戻りますよ」

柏木「え~、なんで?もっと話そうよ」ガシッ

小野寺「…」

柏木「あー、でもさぁ…初めて見た時からそうだと思ってたんだけど」



柏木「小野寺さんってゴムなしが好きなんでしょ?」

柏木「ねえ、教えてよ」


小野寺「な………な………っ」プルプル



小野寺「なんなんですかさっきから、流石に見過ごせないっすよ!いい加減にしてください、ありだのなしだの!」

小野寺「私そんな考えなしのアホじゃないし!」

小野寺「藤原先輩言ってましたよね、行き過ぎた発言は失格だと!柏木先輩の発言は行き過ぎたものではないですか!?一線は越えない人だと思ってたのに…」

柏木「えっ、あ…ご、ごめんね、気分悪くさせるつもりはなかったの…っ!だって、私……」

柏木「小野寺さん、髪をゴムで結んだら似合うんじゃないかな…って、思ったから……」


小野寺「………………」



小野寺「え?」


柏木「だから、小野寺さん初めて見た時から長いままだったけど…可愛いから髪結んでも似合うだろうなって思ってて。でも結んだりしないからゴムつけない方が好きなのかなって…気になったんだけど」


柏木「…あれ、小野寺さん……もしかして」


柏木「『ゴム』を…何か別のものと勘違いしちゃった?」




小野寺「~~~~~っ!!?」カアアッ


小野寺「うわあああああっ!!///」ガクッ

柏木(この手の勘違いは、根が真面目な子であるほど恥ずかしい…)

柏木「…ごめんね、小野寺さん…」ポンッ


小野寺麗 撃沈

ザッザッザッ…

翼「あ、渚おかえり~っ♪何話してたの?」

柏木「内緒♪」シーッ

かぐや「戻ってきた…!」


小野寺「はっ……はっ……」←恥ずかしさのあまり動揺が隠せない

石上「小野寺!?どうした!?」

かぐや「大丈夫ですか!?」

小野寺「ごめんなさい……私、負けました…」ガクンッ

かぐや「そんな…貴女が…!?」

伊井野「麗ちゃんどうしたの!?何があったの!?」

小野寺「…言えない…」

小野寺「もうやだ…超恥ずかしい……帰りたい……」

石上「小野寺がこんな弱ってるの初めて見たよ…やべぇよ……」ブルブル


柏木(力技を使わなければ小野寺さんには勝てなかった……)

柏木(でも、これで、あの子達の精神的支柱は脱落したのね)

柏木(さて、ここから一気に片を付けようかしら)ニッ

続きはまた明日に更新します

伊井野「柏木先輩…一体何をしたんですか!麗ちゃんの仇は私が射ちます!」キリッ

かぐや「伊井野さん!?やめて!」

眞妃「だめよ、止まりなさい!」

石上「分かりやすいフラグ立てんな!!」

小野寺「…だめ…伊井野、あんたじゃ勝てない…」プルプル

伊井野「大丈夫、私頑張るから!」

(ダメだこの子、今無駄な正義感に燃えている!)


柏木「ふふ、友達思いなのね…伊井野さん」ザッ

柏木「優しくて友達思いで、しかも可愛い……やっぱりモテるんでしょうね」

伊井野「そっ、そっ!そんな手には乗りませんよ!」ドキッ

柏木「私が男だったら、あなたを食べちゃうかも」クスッ

伊井野「な……なにを………!」ドキドキ

柏木「私ね…彼と付き合ったきっかけは突然壁ダァン!で迫られてドキッとしたからなの…」

柏木「あなたもあんまりチョロいと私みたいにちょっとしたことで男に引っ掛かっちゃうよ?」

伊井野「チョ……チョロくなんか…!」

柏木「初めてのキッスも突然強引にだったわ……伊井野さんもそういうの好きそうよね?」クスッ

伊井野「そんな……こと……っ!//」ハッ ハッ

翼「あはは、何ならもっかいしてみるー?(笑)」

柏木「もう、翼くんったら♪」



石上「ダメだ伊井野!早く下がれえ!」

かぐや「石上くん!眞妃さんが!」

眞妃「壁ダァンとか初キッスとか誰が聞きたいなんて言ったよ……恥ずかしげもなくあの女はペラペラと………」ブツブツ

石上「わああ!ツンデレ先輩もヤバイ!!」

かぐや「もうこれ付けましょう!ほら!」

眞妃(アイマスク+耳栓)「わー、何も見えない…何も聞こえなーい…」



柏木「伊井野さん…簡単に引っ掛かるとどれだけ危ないか、私が教えてあげましょっか?」フフ

伊井野「ひっ、ひっ、ひえ…!?///」

柏木「ほら、目を瞑って?」(壁に追い込みめちゃくちゃ顔を近づける)

伊井野「ひゃあぁ!もういいです!///やめてえぇぇっ!///」カアアッ


石上「伊井野ぉぉっ!!」



不治ワラ『はい、ミコちゃんアウトーッ♪』



伊井野「あ…あ…っ」ペタンッ

柏木(チョロいわね…)フフ


伊井野ミコ 撃沈


伊井野「ごめんなさい……私………っ」プルプル


石上「…もういいよ、気にすんな…やっちまったもんは仕方ない…」

かぐや「ええ…むしろ一発でKOされなかっただけ大したものよ……」


眞妃(アイマスク+耳栓)「とても静か…悟りが開けそうな気がする…」


柏木「あれ、眞妃ちゃんその格好どうしたの?」

石上「ええ、彼女は何も悪いことをしていないのに神の裁きを受け…その傷を癒している最中なのです」

柏木「え、なにそれ?」

かぐや「…」


石上(しかし、まずいな…伊井野も小野寺も敗れ……ツンデレ先輩はたぶん戦闘続行は不可能)

かぐや(実質、残されたのは私と石上くんとの二人だけ…!)

かぐや(もう悠長にやってはいられないわ…!私の恥ずかしい話を、するべきかしら!)

石上(僕程度にはいい方法は思い付かない!だが…自分の恥ずかしい思い出を語り相手も恥ずかしくさせることは可能なはずだ!四の五の言ってはいられない!)


二人の考えは一致した!!

石上「…先輩、次は僕が行きますよ…」

かぐや「!」

石上「自分自身の恥ずかしい話を、語ります…!」

かぐや「…石上くん…!」

かぐや「ふふ、私と…考えは一緒だったようね」

石上「え?」

かぐや「私も援護してあげます、まずは石上くんから語ってやりなさい!」

石上「はい!」

正直かぐやには「自分が最初に話すのは恥ずかしいけど人の後なら」という考えもあったが、援護してあげるというのは本当の純粋な優しさである!

石上「柏木先輩…皆の仇は僕が射ちますよ」ザッ

柏木「あら、次は石上くん?」

柏木(この子は女慣れしていないのがよく分かる…可愛いくらいに)

柏木(伊井野ちゃんに対してよく何だかんだ言ってるけど、石上くんもちょっと優しめに攻めれば簡単に落ちそうね)フッ

かぐや「…!!」ピクッ


かぐやは即座に柏木の攻撃態勢を察知した!
危険を感じた彼女はすかさず石上を援護する!

かぐや「石上くん!聞きなさい!恋愛相談があるの!」

石上「え、なんすか!?このタイミングで!?」

柏木「!?」

柏木(う…突然の乱入に思考が乱された、何が目的!?)


石上「先輩…援護するって…!」

かぐや「これが私の援護よ。いいから聞きなさい」

石上「はあ…」

かぐや「あ、その前に…伊井野さん今疲れてるわよね?好きなの聞いてて良いわよ」

伊井野「え、でも…」

かぐや「いいですから」ニコッ

伊井野「それなら…」スッ

かぐや(よし、伊井野さんは恥ずかしい癒し音声を聞き始めた…翼さんもこの距離なら私達の会話はよく聞こえないでしょう……)

かぐや(眞妃さん、柏木さんと小野寺さんになら聞かれても問題はない。これなら話しても大丈夫ね)

かぐや「石上くん…以前お察しの通り私には愛する殿方が居るのだけれど」

石上「はい」

かぐや「実はね、プロポーズの台詞を考えていて………」

石上「え、早くないすか?」

かぐや「石上くん、あなたのアイディアが聞きたいのよ」

柏木(え、なに!?プロポーズ!?何を言ってるのあの子!?)

かぐやはまたしても意図せず柏木にダメージを与えた


柏木「…翼くん!ちょっと好きな音楽聞いてて!」

翼「え?」

柏木はとりあえず翼の耳を塞ぐことを選んだ

柏木「ちょっ、ちょっと、プロポーズって何?」ドキドキ

興味津々で来た

不治ワラ『んん?待ってください…何やらかぐやさん達絶妙に小さい声で話していてよく聞き取れませんが…さっきプロポーズだか聞こえましたよ?』

かぐや「!」

不治ワラ『しかも最初に恋愛相談だか叫んでましたよね?…え、まさか、かぐやさん…』


かぐや(やはり反応したわね…けれど想定内よ、藤原さん)

かぐや(ここではあくまでも「作戦の為の演技」といった感じをアピールする。そうすれば、今後私がヘマをしても向こうは勝手に「あれは作戦の為の演技だ」と解釈してくれるようになる……いちいち言い訳を考える必要もなくなるわ)ニヤッ


石上「…違いますよ、藤原先輩」

かぐや「!」

不治ワラ『え?』

石上「相談したいのは僕の方なんです。最近、四宮先輩にはよく恋愛相談に乗ってもらっていたんです。今日も先輩から話を聞きに来てくれただけですよ」

石上「それで今はプロポーズのやり方について話し合っていたんです」

不治ワラ『あ、あれれ…そうなんですか?』

かぐや(石上くん……まさか私を庇ってるの………!?)

石上(先輩…安心してください!)ニッ

かぐや(うーん、狙いがあってわざと漏らしたんですけど)ニコッ

柏木(今この二人考えが噛み合ってないな)


かぐや「…あのですね、藤原さん…どちらにしろ、普通に考えて。ゲーム中にいきなり真面目な恋愛相談をやりだすと思いますか?いちいちつっかからないでください」

不治ワラ『あ…はい…そうですよね、すみません…』

不治ワラ(確かにそれもそっか~。じゃああれは真面目な恋愛相談でなく演技なのか)

かぐや(よし、ギリギリ私の目的も達成したわ)

不治ワラ『え、待ってください石上くん…』

石上「今度はなんですか藤原先輩」

不治ワラ『あの人とはまだ付き合えてないんですよね?なのにいきなりプロポーズという発想が出るのは流石にキモいですよ…?例え演技だとしても』ガタガタ

石上「ぐううぅっ!!」ギリギリ

石上はかぐやの為に、藤原への反論を抑えた

かぐや(…ごめんね、石上くん…あとでジュースおごってあげるわ…)

柏木(人の為なら自分の痛みを我慢できるとこはカッコいいと思うよ…石上くん)

かぐや「ま、まあ話を戻しましょう。プロポーズの台詞の話ね」

石上「はい…」

柏木「…」ドキドキ

かぐや「それでね、石上くんにはどんなアイディアがあるのかを聞かせて欲しいわ」

かぐや「やっぱりロマンチックで素敵なものがいいわね」

柏木「へ、へー…ロマンチックで素敵な……ほー」ドキドキ

石上「…どういうシチュエーションですか?」

かぐや「そうね、光輝く満月と綺麗な夜景の見える場所で…ロマンチックに」

石上「………」






石上「…思い付きましたよ、我ながら自信作です」

柏木「…」

かぐや「あらまあ、さっそく聞かせてもらおうかしら」ニコッ

石上「…凄すぎてビックリしないでくださいね?行きますよ」


柏木(………あれ?これもしかして……)



石上は澄ました顔して喋りだした!

石上「…見てください、あの街の灯りを……まるで貴女の美しさを映しているようだ」

石上「見てください、あの満月の輝きを………あれは僕達の進む未来の光です」

石上「僕と一緒に………光輝く未来を歩みましょう」

石上「結婚してください」



かぐや「…」

不治ワラ『………』

柏木「………」

柏木(え、なに今の、無理無理無理無理無理!普通に気持ち悪い!それなら最後の結婚してくださいだけでいいじゃない!?)

柏木(そして、その後に訪れる強烈な………)


柏木(恥ずかしさ!!)ブルルッ

柏木(私は甘かった………油断していた!もっと警戒するべきだった!)

柏木(こんな最終兵器が潜んでいたなんて!!)


かぐや「…」ニヤッ


石上「ど…どうでした?」

不治ワラ『ええ…なんというか、お疲れ様です……あ、さっきのつばめ先輩は聞いてなかったので安心してください』グスッ

石上「えっ!?」

小野寺「…」(こいつ正気かという目)

石上「なんか小野寺が懐かしい目で見てる!!」

石上「あの、四宮先輩…!」

かぐや「ええ、よくやったわ石上くん……私の期待以上よ」



かぐや「相変わらず発想が気持ち悪くて恥ずかしいわね!」

石上「酷くないっすか!?」

かぐや「私は褒めてるわ石上くん………今はあなたのその壊滅的なセンスが強力な武器なのよ」

石上「全然褒められてる気がしない…」

かぐや「それにあなたは誓ったのでしょう?恥ずかしい事を話すって、なら覚悟を決めなさい」

石上「!!」


かぐや「そしてそんな恥ずかしさを更にパワーアップさせるため私が全力でサポートしてあげてるのよ!」(100%優しさ)

石上「なんか喜べないっす…」

石上「わかりました、その代わり先輩もちゃんと後で恥ずかしい話してくださいね」

かぐや「わ、わかってるわよ…私だけ何もしないじゃ筋が通らないものね」

柏木(え…まだ続くの?いや、ちょっと無理!)

かぐや「では次は初デートへの誘い方とデートプランを考えてみましょうか?」ニコッ

柏木(相談の順序がおかしい!?いや、そこは問題じゃない…!)

柏木(そんなの石上くんに考えさせたら絶対ヤバイ事なるじゃない!!)ハラハラ

柏木(まずい、早く止めないと………もう私が持たない!)

不治ワラ『面白い事なってきましたね~、立場逆転してますよ』アハハハ

柏木(く…っ!高見の見物だからって気楽にワラってくれてあの子は…!!)


石上「そうですね…まず朝は8時半から集合でどうですかね」

柏木(8時半からとか早すぎるし!!学校か!!)

石上「とりあえず、誘い方は…下駄箱に手紙を置いて…」

かぐや「いや普通に口で誘いなさいよ」

石上「あ、はい」

柏木(普通に突っ込まれてるし…)

かぐや「…」チラッ

柏木(かぐやさんが私を見た………!あのプラン作成中の会話から既に作戦の内なんだ!)

かぐや「ご飯はどこで食べます?」ニコッ

石上「…色々な種類の食べ物がある方がいいですよね。ファミレスなんてどうでしょう」

かぐや「それはオススメしないわ石上くん」


柏木(…くっ…ダメだ、このまま実行されたら確実に私が負ける!反撃を!)ザッ


柏木(石上くんを………潰す!)ギラッ

柏木(石上くん……私を本気にさせたこと、後悔なさい…)ザッザッザッ

かぐや(一度私達から距離を離した柏木さんが再び来た!勝負をかける気ね)

かぐや「石上くん、今出来上がったプランを朗読なさい。柏木さんに聞かせるように」

石上「え、でもまだ途中…」

かぐや「いいから早く!」

石上「えー…デートプラン!まずは朝8時半にファミレスでモーニングを…」

柏木(朝食は家で済ませます!!)ズンッズンッ


柏木「い~しがっみくん!私もアドバイスしてあげるー!」←大声

かぐや(大声で石上くんの朗読を掻き消した!!)

石上「!!」

柏木「もー、石上くんったらダメだよ?そんなのじゃ…私にもプランの紙見せてみて?」フフ

石上「あ…」

柏木「あはは、これじゃ女の子は喜ばないよー♪朝早くからとかほとんどお店も開いてないし行く場所に困るでしょ?」

石上「うう…っ」

かぐや「石上くんは、何も分からないなりに考えてるんです!」←一応フォローのつもり

柏木「…でもさ、つまり朝早くから会いたいってことだよね?」

石上「…え?」

柏木「朝早くから会いたいくらい大好きなんだ?」




柏木「子安つばめさんのこと…」ボソッ

石上「そっ、そっ、それは!!」ビクッ

柏木「うふふ、焦っちゃって可愛い♪」クスッ

石上「…っ!!」プルプル


かぐや「…!!!」

かぐや(危ない、石上くんがやられてしまう!援護を…!)


かぐや「柏木さん、朝早くからデートとは果たしておかしいことでしょうか!?例えば住んでいる場所が遠く離れていて、彼氏が彼女の住んでいる場所に夜行バスで行き到着時間が朝早くとかであれば…!」

柏木「え?石上くんと子安さん同じ学校でしょ?」

かぐや(その通りです…!)プルプル

柏木「じゃ、他のところも私と一緒に手直ししよっか?石上くん」ニコッ

かぐや(ああ、このままでは石上くんが…何か、何か助ける策は!)

石上(ダメだ…もうなんかめちゃくちゃ恥ずかしくなってきた…すいません、先輩…もう限界……)



??「待ちなさい、渚!」


かぐや「!?」


石上「…え?」

柏木「!!」





眞妃「私がお相手するわよ!!」バーンっ


石上「ツンデレ先輩っ!!」

かぐや「復活したんですか!?」

柏木「このタイミングで…!」


四条眞妃 戦線復帰!!

眞妃(渚…翼くんを戦いからいったん外したのは失敗だったわね)

眞妃(あなた一人なら、怖くないわ!)

柏木(石上くんの意識が眞妃ちゃんにそれた…!)

眞妃「渚…こっち見なさい」

柏木「眞妃ちゃん、いつか目覚めるとは思っていたけど…」


かぐや「石上くん、今のうちに早くこっち来なさい!」

石上「はい、面目ないっす!」タタッ

かぐや「いえ、よく頑張ったわ!」

柏木(逃がした…!仕切り直しか!)

眞妃「私と貴女は幼少からの親友……つまり、貴女の恥ずかしい思い出だって知っているわ!」

柏木「…いいよ、まずは聞いてあげる」

眞妃「ふふ、小学生の頃…貴女は私と同じ服を買っていたわね?」

柏木「あー、うん」

眞妃「そしてお揃いの服で一緒に遊んでいたところを鼻水垂らした男子からからかわれた事があったでしょ!」

眞妃「『やーい、お揃いお揃い、こいつら結婚だー』と冷やかされたのを覚えてるでしょう!?」

柏木「あはは、そんなことあったね」

眞妃「どう!?恥ずかしいでしょう!?」

柏木「え?私別にそれ恥ずかしいと思ってなかったけど」

眞妃「え」


柏木(さて…そろそろまた石上くんの攻撃が来るかしら、けどもう私も眞妃ちゃんと話したおかげで冷静になれたわ…!)クルッ



石上「えー…では選手を交代して、次は四宮先輩の番です」

かぐや「仕方ないわねえ、貴方も頑張ってくれた事ですし…私の恥ずかしい話の番ですね」

柏木「交代するの!?」


かぐや「えー…これはその~、か………じゃなくて、『友達』にですね、私がやってしまったことなのですが…」テレテレ

柏木(え…その『友達』ってもしかして会長の事では?やめてください、なんか導入から恥ずかしいです…)ドキドキ

かぐや「その~、『友達』の誕生日にですね…私ついはしゃぎすぎまして……」

かぐや「…ウェディングケーキクラスのものを、用意してしまったのですよ…」

柏木「」ブーッ!!!

眞妃「きゃあっ!?」ビクッ

柏木(かぐやさん!?貴女なにやってるんですか!?誕生日プレゼントになんてもの送ろうとしていたんですか!流石の会長もドン引きでしょう!!)

かぐや「ま、まあ…途中で正気になってデカイ本体は隠して、ケーキ一切れだけを他のプレゼントと一緒に渡したんですが!」

柏木(良かった、会長はそれ見てないのね…)ハッハッ

柏木(ヤバイ、いきなりなんてエピソードを…もう聞いてる私が痛いですよ、なにかがとても痛い)ドキドキドキドキ

石上「ちなみに残りのケーキは?」

かぐや「使用人と一緒に食べました…」

柏木(可哀想な使用人さん…)

不治ワラ『えっ、その友達ってもしかして………』

不治ワラ『私!?私のことですか!?かぐやさんそんなデカイケーキ用意するくらい私が好きなんですか!?//」ヒャーッ

柏木「………」

石上「四宮先輩、まだ他にも恥ずかしいエピソードあります?」

かぐや「ちょっと貴方楽しんでない?石上くん。まあ聞かせてあげてもいいですが」

柏木「いいんだ!?」

かぐや「あれはですねー…ちょっと『友達』の事を考えていたらですね……倒れてしまった事があるんです」

石上「倒れた、というのは何かの比喩ではなく?」

かぐや「はい、文字通り倒れて病院へ行きました」

柏木「………」ハッハッハッ←聞いてて凄い恥ずかしい


かぐや「そして診察してもらったのですが………その………」

かぐや「診断結果は…」カタカタ←恥ずかしいのを必死に堪えている



かぐや「友情の病、と…診断されまして」


柏木(………それ、本当のところは『恋の病』ですよね………そんな診断結果聞いたことないですよ………)カタカタプルプル

柏木(会長のことを、考えていて…倒れてしまったと…?)

不治ワラ『か、かぐやさん…友情の病になってしまうくらい私の事を親友だと思って……!』ウルウル

かぐや(柏木さん、もうすぐ行ける……このままいきましょう!私もキッツイですけれど!)プルプル

かぐや「更に続きがありまして!」

柏木(え…続き?もう無理……)プルプル


柏木「翼くううぅん!助けてえええぇぇ!!」

翼「なーんだああぁい!☆」ダダダッ


眞妃「…ひえっ!!」

石上(ダメだ、二人が揃ったらヤバイ!!)

石上「翼先輩!ズボンずれてます!!」


翼「え?」ピタッ

柏木「いや、ずれてないから!」

石上(今です、四宮先輩!)

かぐや「更に~そのあと私は心配で色々な検査をしてもらいまして、でも凄く健康な身体でして………私は恥ずかしくなって必死にその友達を好きではないとか言ってしまい……」ダラダラダラダラ
ハアッ ハアッ ハアッ

かぐやも恥ずかしさのあまり息が荒くなっていた


柏木(聞い……ちゃった………もう無理い…っ///)カアアッ

柏木「アホーー!!かぐやさんのアホーーー!!///」カアアアッ

かぐや「アホっ!?」

不治ワラ『わ…私も、嬉しくて赤くなってしまいました…かぐやさん…』

かぐや「え?」

翼「渚!?渚あぁ!?」


柏木「もういや…本当恥ずかし過ぎる……」プルプル


不治ワラ『…勝者はあ…っ!』



不治ワラ『かぐやさんです!!』パチパチパチ

かぐや「はあ、はあ……良かった、もう…私も限界……」ガクガク

石上「激戦でしたね…ギリギリの勝負でした」

柏木「かぐやさん……後で他にも色々聞かせてもらいますよ……」ハアッハアッ

かぐや「もう勘弁してください…」カアッ

眞妃「みんな…お疲れ様…」

石上「自分が一番辛かったでしょうに……」

不治ワラ『えー、それでは!脱落した伊井野さん、小野寺さんも再びパーティーに加わり!』

不治ワラ『柏木さんの仲間入りが可能になりましたよーっ!☆』

柏木「仲間に入れて欲しいなっ」

不治ワラ『柏木さんが仲間になりたそうに見つめちゃってます!仲間にしますか?』

かぐや「勿論です、一緒に行きましょう」

眞妃「ま、親友を仲間に入れない理由はないわよね!」フフン

柏木「ありがとう、眞妃ちゃんにかぐやさんと一緒に居られてうれしい」

不治ワラ『おめでとうございます!ちなみに翼くんは召喚獣なので、スマホで呼ぶことで現れます!』

翼「あはは、なんすかその俺の扱い~」


柏木「皆も、よろしくね!」

石上「は、はい。どうも…」

伊井野「よろしく…お願い、します」オドオド

小野寺「…うす…」


柏木「あ、そっか、三人には酷いことしちゃったもんね、うん。ごめんね、ゲームとはいえ…もう警戒しなくていいからね!」アセアセ


こうして、かぐやパーティーに新たに柏木渚(+召喚獣 翼)が加わった!

ーーー
一方、その頃…生徒会室

槇原「柏木も打ち倒すとはね…」

メガ子「でもまだまだ戦いは終わらない…先も楽しみだね」

藤原「さて、次は早坂さんの番ですよー」

早坂「了解、まっかせてよ書記ちゃん!☆」キャピッ

槇原「さ、行ってきなさい、早坂!」

早坂「はい、魔王様…では行って参ります」ガチャッ


藤原「…会長、つばめ先輩、二人にもそろそろ準備をしてもらいましょうか」

つばめ「!」

白銀「ほう…」









スタッ スタッ スタッ…

早坂「…」

早坂「ごめんね書記ちゃん…TG部の人達」

早坂「私の戦場は私の好きにやらせてもらう」




早坂「…かぐや様…」



早坂「日頃の鬱憤………晴らさせてもらいますよ」

今日はここまで

激戦の末、柏木渚を仲間に入れた勇者達は次なる戦いの場へと赴く………

ザッ ザッ ザッ


果たして次には何が待っているのかを、勇者かぐや達はまだ

不治ワラ『知るよしもない………』


伊井野「あのー、藤原先輩。私お腹が空いてきました……」

不治ワラ『もう少し我慢してくださいね、ミコちゃん。次の戦いが終わればいったん休憩で……更になんと!』

不治ワラ『TG部からごちそうが振る舞われまーす!!』パチパチパチ

伊井野「ごちそう!?やったー♪」

石上「子供か」

かぐや「休憩に食事を用意してくれるだなんて気が利いていますね」

不治ワラ『はい、そうでしょう!昨日TG部でやった面白お菓子作りゲームの余り物です!』

石上「余り物かよ」

眞妃「あんた達が作ったお菓子とか心配だわ」

かぐや「そもそも本当に休憩させてくれるかも不安になってきました。何か仕掛けてくるのではないですか?」

不治ワラ『流石にそこまで鬼ではありませんよ……普通に休憩させてあげますし普通に美味しいですよ。たぶん』

かぐや「今たぶんと言いませんでしたか?」

柏木「まあ何にしてもまずは…次の戦いのを終えてからか」

眞妃「そうね」

不治ワラ『そうですよ!ちなみにゲームオーバーになったら玄関の犬ミコちゃんからやり直しですからね!現実にはセーブポイントなんてありませんから!」

伊井野「え!?」

石上「それは本当にめんどくさいっすよ、何でそこだけシビアなんですか」

小野寺「そもそもそれ言い出したら『最初からやり直し』自体ないですよ現実は…」

かぐや「ええ…次は地図に書いてある事によると、一階の半分の範囲を使ってのゲームみたいですね」

柏木「そのなかで最初に向かうのは校長室…」

石上「思ったんですがそれってつまり校長には話を通してあるんすよね、このゲーム」

かぐや「ええ、でしょうね。それくらいでなければこんなゲームできませんから」

眞妃「次の相手はたぶん早坂愛よ」

柏木「あの子ちょっと得体が知れないのよね…裏がありそうというか何というか」

かぐや「…」

かぐや(早坂…一筋縄ではいかないでしょうね)

いきなり台詞ミス

かぐや「ええ… ←×

かぐや「ええと… ←○

不治ワラ『さて、校長室へ行く前に今から対戦内容を説明しておきますね。次は入った瞬間からゲームスタートですので』

かぐや「入った瞬間から!?」


不治ワラ『次の対戦内容は~~~!』

不治ワラ『NGアクションゲーム!!』


眞妃「NGアクションゲーム!?」

柏木「あ、わかった。一人一人にやっちゃいけない行動が決まっている…みたいな感じ?」

不治ワラ『そうです!まあ詳しいことはまた校長室の中で言いますが…』

不治ワラ『部屋に入る瞬間の行動からカウントされるので、今から伝えておきました』

石上「なるほど…入るだけでも緊張感がありますね」

不治ワラ『はい、そして「やっちゃいけない行動」が書かれたNGアクションカードが各自に配られますが、自分のカードに何が書かれているのかを確認してはいけません!自分に何が書かれているかは自分で考えてください!』

不治ワラ『そして人のカードを確認するのはOKですが、何が書かれているのかを本人に伝えることはNGです!』

かぐや「そのカードはどこに?」

不治ワラ『はい、もうすぐそこに来ていますので彼女から受け取ってください!』

石上「え?」

ザッザッザッ…

大仏「どうも大仏です」

伊井野「こばちゃん!」

大仏「NGアクションカードは私が各自の背中に貼り付けますので動かないでくださいね」

小野寺「あなたも参加してたんだ…」

大仏「うん、これは書かれているNGアクションは私と早坂先輩の二人で考えました」

かぐや「凄い組み合わせね…」

伊井野「こばちゃんは仲間にならないの?」

大仏「うーん、残念だけど私は仲間モンスターではないから…」

石上「モンスターって…」

大仏「でも、今はまだだけど、いずれ私も敵で出てきて戦うことになるから…その時に遊ぼう!」

伊井野「うん!」

小野寺「端から聞いてると凄い会話…」

ーーーーー

生徒会室


メガ子「動かないでね、会長さん」

白銀「これを頭に付ければいいんですか…?」

メガ子「そうそう」

槇原「うんうん、いいよいいよ会長くん」

白銀「俺のが上級生なんだがな…槇原」

藤原「あれれ?おかしいですね……」

つばめ「藤原ちゃん?どうしたの?」

藤原「校長室を含む一階の様々な箇所にに仕掛けたはずのカメラや盗聴器が作動しないんです…これじゃ次のゲームの様子がわからないですよ」ウーン

槇原「あー、やった犯人は早坂でしょ。なんか地図にも手ぇ加えてたし」

藤原「え、早坂さんが!?なんで!?」

槇原「何でかは知らない」

メガ子「なんで分かってて放置してたの!?」

槇原「だって………」



槇原「忠実な部下だと思っていた人間が実は別の企みを持っていて無断行動を始めた……それはそれで、面白い展開でしょう!!」

藤原・メガ子「この子は!!」

槇原「まあいいわ、早坂戦の次の準備で忙しいからちょうど良かった。不治ワラちゃんも準備の方に加わりなさい!」

藤原「ラジャー!」


ーーーーー
ーーー

大仏「それでは皆さん、頑張って~」

伊井野「またね~」

小野寺「じゃね」



石上「さて、では校長室へ向かいましょうか」

かぐや「そうですね」

眞妃「人のNGを確認するのはOKってことは…本人には伝わらない程度になら手助けしてもいいってことよね?」

かぐや「そういう事ですね、まあ…私は自分のNGアクションは何となく分かっていますが」フッ

かぐや(早坂のことよ…どうせルーティーンでも封じているに違いないわ)

眞妃「…へ、へー…」

柏木(いやあ…たぶん、かぐやさんの考えてることは違うんだろうなあ……)

かぐやのNGアクション
『謝る』

柏木(謝るて…これ早坂さんか大仏さんのどちらかが考えたのよね?一体何を思ってこんなのをNGに…)

眞妃「…」チラッ

柏木のNGアクション
『ロッカーに入る』

眞妃(なにこれ、私はこれを見てどう感じ取ればいいの?遠回しに私を攻めているの?)

かぐや「…」チラッ
柏木「…」チラッ

石上「…」チラッ

眞妃のNGアクション
『ドアを開ける』

かぐや(先に眞妃さんを校長室に入らせてはいけませんね)

柏木(私が先に入ろう)

石上(開けそうになったら止めよう)

石上のNGアクション
『女子と手を繋ぐ』

伊井野(何これ、石上が女子と手を繋ぐとかあり得ないでしょ普通に考えて)

伊井野のNGアクション
『食べ物を口に入れる』

小野寺(うわあ……お腹すいてたとか言ってたしヤバそう…)

小野寺のNGアクション
『ツッコミ』

校長室前廊下



石上「…そういえばこの校舎の一階に入ってから藤原先輩の声が聞こえませんね」

かぐや「確かにそうね、あの人ならそろそろ喋り出しそうなものですが…」

石上「藤原先ぱーーい!藤原先ぱーーーいっ!!」

シーーーン…


石上「ゴリラゴリラ藤原氏ーーー!!!」


シーーーン………


石上「返事がない…」

かぐや「一体どうしたのでしょうか…」

伊井野「まさか、誘拐っ!?」

かぐや「それは無いでしょう、仲間達と居るでしょうし」

眞妃「あの子の事だしまたなんか企んでるのよ、きっと!」

柏木「それはあるかもね…わざと返事してないのかも。わからないけど」

かぐや「まあ考えていても仕方ありません、校長室に入りましょう」ザッ

柏木「そうですね」

眞妃「…この中に入った瞬間からゲームスタート…という事は何があるかわからない…」

かぐや「!」


眞妃「仕方ないわね、何が起きてもいいように私が囮になって先に入ってあげるわよっ!」

石上(今このタイミングで優しさを発揮するのはやめてくださいっ!!)

かぐや(囮にもなれずに終わりますよっ!!)

柏木「私が先入る!先に入るから!!」

眞妃「え、でも…」

柏木「眞妃ちゃん…私は、大事な友達に何かが起きたら、とても悲しいの…!」ウルウル

眞妃「そ、そんなの……そんなの私だって同じよ!」ウルウル


眞妃「だから、私がっ!」ブワッ

柏木「うん、じゃあ私が開けるね」ガラガラガラ

眞妃「ありゃっ!」

かぐや(良かった…ギリギリセーフ…)

石上(いきなりツンデレ先輩の悲惨な姿を見るところだった…)

ガッ!


伊井野「あっ!」グラッ

石上「伊井野!?」バッ

ガシッ!

小野寺「ふー…」

伊井野「ごめん、ありがとう麗ちゃん…つまずいちゃった」

石上「良かった、小野寺が間に合ったか…気を付けろよ、ったく」

小野寺「石上…」

石上「ん?」

小野寺「伊井野に…近付かないでっ」ジロッ

石上「何だその警戒したような目つき!?」

かぐや「一年組の皆さん、早く入りますよ」

校長室

ザッザッザッ…

眞妃「と、特に仕掛けとかは無さそうね…」

柏木「うん、普通の校長室」

ツカ ツカ …

かぐや「…!」

早坂「お待ちしていましたよ、皆さん。私は魔王の忠実なる僕…早坂です」ザッ

眞妃「あー、居るのやっぱりあんただった!」

かぐや「ねえ、早坂…さん。藤原さんは『校長室に入ったら詳しい話をする』と言っていたのですが、藤原さんの声が全くしないんです」

早坂「ああ…それは」

早坂「書記ちゃんは風邪を引いて休んでいます」

石上「さっきまで元気に喋ってたのに!?」


早坂「安心してください、私が代わりに説明します。NGアクションについてはもう聞きましたね?」

早坂「最初に考えられていたものは、単純に私との『相手にNGアクション取らせる勝負』だったのですが…」

早坂「それじゃあ柏木さんのときとあまり代わり映えも無いでしょう?」

柏木「…」

早坂「だから私が勝手にルールをちょっと変えます」

眞妃「え、そんなのいいの!?」

早坂「いいんですよ、書記ちゃん見てないし」

かぐや(…まさか…藤原さんが喋らないのは、早坂の仕業?)

かぐや「わかりました、早坂…さん。ではあなたが考えた対戦ルールを教えてください」

早坂「この私達四天王が持たされている鍵がありますね?これが私の鍵です」チャリッ

柏木(あ、そういえばそんなの持たされてたな)

眞妃(すっかり忘れてた)

早坂「これを私の服に引っ掛けておきます」

早坂「自分のNGアクションに注意しながら…逃げ回る私のこの鍵にタッチ出来れば勝利です」

早坂「ステージは地図に指定してある一階の範囲内。私もあなた方も、ステージから出ても負けです」

石上「NGアクションに気を付けろながら追い掛ける…難しそうですね…」

かぐや(…早坂、何故わざわざ藤原さんの目を止めてまで勝手なルール変更を?何が目的なの!?)

なんか誤字が多くて申し訳ないです

早坂「NGアクションを取ってしまいアウトになった人は校長室に戻って待機しておいてください、質問はありますか?」

伊井野「ありません!」

早坂「いいお返事です」

眞妃「いつもとキャラ違いすぎじゃない?」

早坂「え?そんなことないしー!眞妃ちゃんマジウケる!」

石上「キャラの振れ幅すげえ!」

早坂「…では私は今から逃げてきますので、3分後に探し始めてください」


四天王 早坂愛

バトル開始!!


かぐや「…では、待ち時間3分の間に作戦を立てましょう」

柏木「やっぱり分かれて行動するのがいいよね」

眞妃「ステージ広いもんね…」

伊井野「じゃあ、一人ずつに分担して?」

小野寺「いや、それじゃダメっしょ」

石上「NGアクションを注意しながらなら、一人行動は危険だ」

伊井野「あ…そっか」

かぐや「望ましいのは二人一組、三つのペアに分かれて行動しましょう」

眞妃「じゃあどういう組み合わせで分けるかもすぐ決めないと」

かぐや「ええ」



ーーーーー
別の部屋


早坂「…かぐや様達は二人一組、3チームくらいに分かれて来るでしょうね…」

早坂「…私の目的は、かぐや様との一対一…なので」



早坂「まずは他の皆さんに退場してもらいましょうか」


3分経過………


石上・小野寺ペア


石上「さっきこっちに早坂先輩が歩いていくの見えたんだけどな…」

小野寺「今度見つけたら走って追い掛けなよ、速いでしょ石上」

スタッ スタッ スタッ…

石上「…!一人の足音だ」

小野寺「そこの角の向こうから聞こえるね」

石上「ちょっと覗いてみる」チラッ


早坂「…」


石上「向こうでこっちに背え向けながら立ち止まってるぞ」

小野寺「どれどれ…あ、マジだ」

チョンッ(手がつかえた)

小野寺「うわ!ちょっと離れて!」バッ

石上「え………そこまで嫌がらなくても………普通に傷ついたぞ」

小野寺「…マジごめ、嫌がってるわけじゃないから。後で説明するよ」

石上のNGアクション
『女子と手を繋ぐ』


石上「…まあそれはいったん置いておいて。罠だよな、たぶん」

小野寺「だろうね、でも近付かないと鍵にタッチも出来ない」

石上「ああ、行くしかない……と、早坂先輩と接触する前に言っておく」

小野寺「ん?」

石上「俺の真似はすんなよ」

小野寺「………」

小野寺「何それ?意味不なんだけど。新手のナンパ?」

石上「ちげえよ!」

小野寺のNGアクション
『ツッコミ』


早坂(…石上くんに小野寺さん…私が後ろ向いて待ち構えているのが罠であることには恐らく気が付いているでしょう。そして精神的に真剣になる…)



石上「一気に行くぞ、何かをされる前に急いで近付き鍵にタッチする」

小野寺「強行突破だね」



ダダダダダダダッ!!!



早坂(走ってきましたか、一気に勝負をかけるつもりですね)

早坂(…人というものはね……真剣になっていればなっているほど………目の前でズレた事が起きたとき)


早坂(ツッコミたくなるものなのですよ!!)キリッ



早坂「あっ、すみません、鍵無くしました」クルッ


石上「!?!?!?」ズザザザッ

小野寺「えっ、無くしちゃっ」
石上「えっ、無くしちゃったんですか!?」

石上は小野寺より先にツッコミを入れ、彼女のツッコミを止めた

早坂(ちっ、流石は石上くん…ツッコミに関してはプロですね。プランBに変更です)


石上「無くしたってどこにですか!?教えてください!!」

早坂「んー…どこだろっ!☆」テヘッ

石上「急にキャラ変えるのやめてください!」

早坂「あと廊下走るの禁止だぞっ!☆」コラッ

小野寺「今それい」
石上「今それいいでしょ!!」


早坂(石上くんを先に倒した方がいいですね)

早坂「あっ、ちょい待って、鍵ん場所思い出したし~っ!」タタタッ!

石上「あっ、隣の部屋の中に!」ダッ

小野寺「待って石上、考えがある」

石上「!」





早坂「ん…しょ、よし装備完了!」チャリッ

石上「早坂先輩、逃がしませんよ!」

小野寺「外には出しませんからね」

早坂「あ、石上くん小野寺さん、何しに来たし~?」

小野寺「鍵と」
石上「鍵とりに来たんですよ!!!」

早坂(出口二つそれぞれに立ち塞がりましたか…シンプルですがいい作戦ですね。でも…)

早坂「わー、どうしよっ!」タッタッ

ガッ!
グランッ…

早坂「きゃっ!!」ドサアッ!

早坂「あ…足くじいたしい…っ」

小野寺「…!?」

石上「早坂先輩!大丈夫ですか!?」ダッ


早坂「…」ニヤッ


もちろん転けたのは演技である!
だが、中身は紳士な石上…純粋に早坂を心配してしまっていた!


石上「立てますか!?掴まって…」ザッ

小野寺「石上ダメ!今なら鍵にタッチできる、そっち先にして!」ダッ

石上「そんな卑怯な真似出来るか!早坂さんを助けてからだ!」

小野寺「いいから言うこと聞いて!」

ガシイッ!
ギュッ


小野寺「………っ!!!」

早坂「ありがと、石上くん…助かったし…」

石上「はい…」

小野寺「あ…あ…っ」

早坂「アウトだけどっ!☆」ビシッ

石上「…」

石上「えっ?」

早坂「君のNGアクション…女子と手を繋ぐ!!」

石上「ええええええ!!?ウソ、お、小野寺…」

小野寺「石上…っ」

小野寺「だから止めたじゃん!?」(ツッコミ)

早坂「君もアウトじゃん!?☆」ビシッ



小野寺「…」

小野寺「…え?」

石上「…ツッコミが…小野寺のNGアクションだ…」

小野寺「…」

石上「…」

早坂「…」


石上優
小野寺麗

撃沈

今日はここまでです



眞妃・柏木ペア


柏木「それでねー、翼くんったらまた私に照れるようなこと言ってきて~っ!//」ニコニコ

眞妃「へーそーなんだー良かったじゃーん、ははー」(真顔)プイッ

柏木「眞妃ちゃん、後ろ見てどうしたの?」

眞妃「え?あー別にー、早坂っぽい人見つけただけ…」



早坂「!」
早坂(見つかった…!?)



眞妃「本当に居たし!」

柏木「凄い、よく見つけたね!」



早坂(今見つかるのは想定外…!ゆっくり近付いていたつもりでしたが)

早坂(流石は学年成績順位3位の実力者です…!)



眞妃(な、なんか無駄に持ち上げられてる気がする!)




早坂(いったん退避!新しい作戦は逃げながら考えましょう!)タタッ



柏木「よし、追い掛けよう眞妃ちゃん!」

眞妃「うん!」

柏木「そうだ、(召喚獣)翼くんも呼んで…!」スッ

眞妃「いや、それはまだ早い早い、召喚獣は時間制限あるっしょ?」ガシイッ(真顔)

柏木「そっか…ここぞというときにね」

眞妃「そ、そ、ここぞというときに」(真顔)

タタタッ…

ササッ

図書室 本棚の陰

早坂(眞妃さんの『ドアを開ける』は何とかなりますが、問題は柏木さんの『ロッカーに入る』……最初は後ろからゆっくり近づいてロッカーにでも押し込もうかと思っていたんですが)

早坂(柏木さんのNGを考えたのは大仏さんでしたか。なんて面倒くさいものを…)



柏木「この辺りに来たんだけど…逃げ込むとしたら」

眞妃「図書室でしょ、本棚たくさん並んでて隠れやすいし…」

柏木「私達の様子を隠れて見ながら撒いて逃げやすい」

眞妃「よし、図書室に…!」バッ

柏木「あっ、私が開けるから。眞妃ちゃんは触らないでね?」ニコニコ

眞妃「え、う、うん?」



早坂(厄介ですね…こっちの行動が完全に読まれてる)

早坂「…私も負ける覚悟で挑むくらいでないと、ダメそうか…」ザッ

柏木「よし、ここで翼くんを呼ぼう!」

眞妃「え!で、でもー、召喚獣の制限時間は到着してから3分だけでしょ!?もうちょい慎重に…」

柏木「いや、ここで決着をつけた方がいいと思う」



早坂「…っ!」ピタッ



柏木「翼くんには到着したらこの図書室の出入口を塞いでいて貰おう。それから私達二人で3分以内に早坂さんを捕まえて鍵をタッチする」

柏木「翼くんが到着するまでは私達はここで待機していればいい。そうしていれば早坂さんも私達を警戒して動けないはずだから」

柏木 「とにかく早坂さんを図書室から出してはいけない」

眞妃「そっか…まあ、そうだね。そういう作戦なら」

眞妃「わかった、それで行こう!翼くんを呼んで!」

柏木「うん!」



早坂(状況判断も的確…!翼さんまで呼ばれたらヤバイ、3分も狭い図書室の中であの二人から逃げるなんて不可能だ!)

早坂「…」フーッ

早坂(わかりました、捨て身の作戦ですが…翼さんが来るまでに終わらせる!)


早坂(柏木さん、眞妃さんはドアの前で待機中……出入口近くには掃除用のロッカー)

早坂(行きますか)チャリッ

バッ!!

早坂「…」ダダダッ!!!


眞妃「早坂っ!?強行突破して逃げる気かも!!」

柏木「…!」

柏木(鍵を服に引っかけてない…別の場所に隠した!?それとも手の中かポケットかどこかに…!?どこ!?)

柏木(…いや待って、そもそもどこにあるのかを迷わせること自体が目的だとしたら)

柏木(それを考えるのは後でいい。どちらにしろ、あの子を捕らえるのが先決)

柏木「私がドアの前を塞いでるから、眞妃ちゃんは早坂さんを!」

眞妃「ラジャッ!」

早坂(鍵を隠しても惑わされない、逃げるのは不可能…となれば)

早坂「…」ガチャッ!

柏木(ロッカーを開けた、何で!?)

眞妃「まさか…!」ダッ

眞妃「待ちなさーい!」ガシイッ!

早坂(そして…あえて眞妃さんにつかまる!)

グイッ!グイッ!

眞妃「ちょっ、引っ張るなぁ!結構しぶとい!」ズルズルズル

早坂「あんたこそ服から手え離して!服破けるし!」グイッ!

眞妃「離さないし!」ズルズル


早坂(よし。これで柏木さんと眞妃さんは離れた、あとは)チャリッ

早坂「ふっ!!」ブンッ!

眞妃「え、何か投げた!?」

柏木「…!!」

チャリンッ!

眞妃(ロッカーの中に投げ入れた…っ!)

柏木(鍵!?それとも別の何か!?)

早坂(…ここで想定通りに動いてくれなかったら…私が負ける)


柏木(普通に考えればこれは…別の金属のものを投げ、私達がロッカーを気にしている間に逃げるための作戦…?)

柏木(でも裏を読んで、実は本当に鍵で…私達が逃げる早坂さんを追い掛け図書室から出たあとまた戻り回収する、という考えかもしれない)

柏木(いや……どちらにしろ早坂さんは眞妃ちゃんが抑えてくれている、逃げられない。ならば気にせずロッカーを調べればいい)ザッ

早坂(よし…!)

眞妃「渚ダメ!ロッカーは私が見るから!」

柏木「ダメ、眞妃ちゃんはそのままで!離したら早坂さんが逃げる!」

眞妃(……確かに手を離せば早坂が逃げるかも、でも貴女のNGアクションはロッカーに入ること。手を入れるだけなら大丈夫でしょうけど、探してるうちに身体も入ってしまったら…!)

眞妃(早坂は逃げられても渚と二人ならまた追い込めるかもしれない、でも渚が居なくなれば…!そして何より親友のピンチを見過ごせない)

眞妃(私は、渚を助けることを選ぶ!!)バッ

早坂(やっぱり私から手を離して柏木さんのところへ行きましたね……後は)ザッ



早坂(私の方が先に柏木さんのところへ辿り着く!)ダダダッ!!

眞妃(この子まさか…っ!やらせない!私が先に!!)ダダダッ!!

ダダダダダダッ!!!

柏木がロッカーの中を探るため掃除道具を外に出していた最中、彼女の後ろでは激しいレースが行われていた。


そして、先に柏木のもとへ辿り着いた勝者は…


グイッ!!
柏木「え…っ!?」
ムギュッ!



早坂「…これで、貴女の身体はロッカーの中に入りました」ハアッ ハアッ

眞妃「…っ!!」

早坂「柏木さんのNGアクションはこれです。アウトですよ」ペラッ

柏木「そ…そんな…!」

柏木「ごめん、眞妃ちゃん…」


眞妃「くうっ!!」グッ

早坂「ちなみに…」ガサゴソ

早坂「投げ入れたものは本物の鍵です、誤魔化せる金属のものは持っていなかったので…。最初に鍵を隠したのはこの時貴女を迷わせるため」チャリッ

早坂「それにもし柏木さんがロッカーを調べるでなく『早坂さんが本物を持っている』と判断し私のところへ来て眞妃さんと協力した場合も、実際は私は本物の鍵を持っていないので保険にはなる訳です。まあその場合は逃げるしかなくなりますし私が負ける可能性が高かったですが」

早坂「賭けでしたよ。こうでもしなければ私が詰んでいました」

柏木「…なるほど…初めから図書室の外に出るんでなくて私をアウトにさせるのが目的だったんだね。あなたが逃げるかもしれない前提で考えてた」

眞妃「じゃ、じゃあ私が離さなかったら、私達が勝ててたの…!?」

早坂「そうなりますね、だから捨て身の作戦でした…」

柏木「眞妃ちゃん、気にしなくていいから…」

眞妃「いいや、私の責任なら…残った私がやらなきゃ!」

早坂「気にしすぎですよ…私の作戦を知らなかったんだから、眞妃さんの判断だって正しいですよ」

眞妃「私が気にするのー!捕まえてやるっ!」ダダッ

柏木「眞妃ちゃん!気を付けてよ!ほんと!」

早坂(さて、残るは眞妃さん…図書室から出てドアさえ閉めれば…)

ガシイッ!!

早坂「!!」

眞妃「捕まえた、鍵持ってる腕こっちに近づけなさい!」グググ…

早坂「やですよー!」グググ

早坂(せっかく出れたのに眞妃さんがくっついててドアが閉めれない…何とか振りほどいて別の場所へ)チラッ

早坂「あ、翼くん」

眞妃「え?」チラッ


早坂「ふんっ!!」ブンッ

眞妃「きゃー!あんた嘘ついたわねーっ!」

早坂「バイビ~っ☆」ピューンッ

眞妃「急にいつものキャラに戻るな、待ちなさーい!」ダダダッ

早坂(二人とも予想以上に手強かった…マジで疲れましたよ。もう終わらせます)ダダッ

ヒュッ!
バタンッ!

眞妃「別の部屋に逃げ込んだ、逃がさないわよ!!」ダダダッ


眞妃「観念しなさーい!!」ガラガラガラッ!


早坂「はいっ!眞妃ちゃんアウト~っ!☆」ビシッ

眞妃「…」

眞妃「え?」

早坂「眞妃ちゃんのNGアクションはドアを開ける!」ペラッ

眞妃「なんじゃそりゃーーっ!?」



ツカ ツカ ツカ …


眞妃「はあ~~…もうちょいで行けそうだったのになぁ……」

眞妃「そうだ、まだ渚は図書室かな?ちょっと見てこよ」タタタッ






眞妃「お~い、渚ーっ」
ガラガラガラッ!



柏木「あっ」←ロッカーの前で座り込んでる
翼「あっ」←渚にキスしようとしてる



眞妃「………」



眞妃「………………………」

柏木「…」

翼「…」



四条眞妃
柏木渚

撃沈






かぐや・伊井野ペア


かぐや「…伊井野さん、私はこの部屋の中を調べてみます。あなたはドアの前に立って周りを見張ってください」

伊井野「わかりました!」

かぐや「では、お願いしますね」ニコッ

伊井野「あの、四宮先輩…気付いたことが」

かぐや「どうしました?」

伊井野「2階辺りからカレーの匂いがしませんか?」

かぐや「あなた嗅覚はいいのね、その話は後でいいかしら。じゃあこっちをお願いしますね」

ガラガラガラッ

伊井野「…」

ぐう~~~…っ

伊井野「!!」

伊井野(うう~…鳴っちゃった。お腹空いたなぁ……)


バッバッ!
ガシイッ!!

伊井野「んむぐっ!?」←口も塞がれた

早坂「やっほ~、伊井野ちゃん。大きい声出しちゃダメだよ?」フリフリ

伊井野「…!?」

伊井野(早坂先輩を見つけたら、四宮先輩を大声で呼ぶのが私の仕事なのに…これじゃ声が!)ジタバタ

早坂「ねえ、伊井野ちゃん…お腹空いてるでしょ?さっき鳴ってるの聞こえたよ?」

伊井野「…!!//」

早坂「実はね、飴玉1個あるんだよー♪」

伊井野「!?」

早坂「大丈夫、今ならかぐやさん見てないし、飴玉1個くらい…ね?裏切れって言ってるわけじゃないの、食べた後は私に何したっていいから」

早坂「…我慢はお腹に毒だよ?」

伊井野「…」ぐう~~~っ

早坂「食べる?かぐやさんに内緒で」

伊井野「…」



伊井野「…」コクッ

早坂(ふっ…)

早坂「じゃ、私が開けてア~ンさせたげるね伊井野ちゃん!はい、ア~ンっ♪」

伊井野「…」アーンッ

ぱくっ!

早坂「はい、アウ…」
ペタッ

早坂「ん?ペタッ?」ドキッ



伊井野「…私を舐めないでください」コロコロ



早坂「…!!?」



伊井野「ただお菓子貰うだけでは終わりませんよ!」

なんと、早坂がア~ンをしている最中に伊井野は早坂の鍵に手を伸ばしタッチしていたのだ!!

早坂「ふ…ふふ……」

伊井野「…」

早坂「でもね…残念でした~…伊井野ちゃんのNGアクションは…」

早坂「食べ物を口に入れること!!」

伊井野「え、嘘!あっ、本当だ!!」

伊井野「なんで!?私そんなよく食べる子だと思われてるんですか!?」

早坂「え、自覚なかったの?」

伊井野「じゃ、じゃあ…私がタッチしたの、少し遅かった……」

早坂「うん、残念ながらそうなんだよ~~…チョー惜しかったんだけどね~」アハハ

伊井野「ああぁ、そんな…」ガクッ

早坂「………」


早坂(あっぶなああぁぁ!!私、伊井野ちゃんに負けるところだったああぁぁあっ!!!)ダラダラダラ

早坂は今日一番焦った

早坂(始める前『最初に皆さんに退場してもらう』とか言っておきながら何これ、私が苦戦しまくってるじゃん!!//)

伊井野「かぐやさーん!早坂さん来ましたーっ!!」

早坂「あ、今呼ぶんだ」

ダダダッ!

かぐや「何ですって!?早坂さ…あ、本当だわ!」ダダッ

かぐや「って伊井野さん!?口に何を入れてるの!?」

伊井野「あ…飴玉です…//」コロコロ

かぐや「負けてるじゃないですか!!」

かぐや「あのね、知らない人からもらったもの簡単に口に入れちゃダメでしょう!」

早坂「お母さんですか。てか何すか知らない人て同じ学校の生徒ですよ」

早坂「まあ…その子、食べながらタッチというなかなかカッコいい技をしてきたので、褒めてあげてください」

かぐや「あ、あらそうなの…ちゃんと反撃もしてるじゃない、偉いわよ」

伊井野「え…へへ…///」テレテレ

早坂(褒められたらすぐ喜ぶ…分かりやすい…)

かぐや「でも、アウトですからね、校長室に戻りましょうね?」

伊井野「はい、わかりました…面目ありません」シュン

伊井野「では頑張ってください」

かぐや「はい、後は私にお任せを」

ツカ ツカ ツカ ………



早坂「…」

かぐや「では…早坂…さん、始めましょうか」

早坂「あー、もういいですよ、かぐや様。いつもの感じで」

かぐや「え?」

早坂「この辺りのカメラや盗聴器は全て機能しないようにしておきました」

かぐや「!!やっぱり早坂が…」

早坂「そうですよ、そして他のメンバーは皆校長室送りにしました。残りは貴女一人です」

かぐや「何ですって!?」

早坂「私は1週間前に書記ちゃんからゲームの話を聞いたときから、この時を待っていました」

早坂「かぐや様…このゲーム内での私の設定、覚えていますか?」

かぐや「…ええ…洗脳を受け、今は魔王の忠実な部下になった存在…でしたか…」

早坂「そうです、つまりですねかぐや様…このゲーム内、この勝負の間は」

早坂「私達の間に主従関係は無いのです」ニコッ

かぐや「…え?何を……?」

早坂「あなたも勇者という設定で遊びに加わっている。だから私も、魔王の僕……そういう設定で遊びをやっているだけですから」フッ

かぐや「何が言いたいの!?」


早坂「まあ、まあ落ち着いてください。かぐや様…学校の中で普通に話すなどなかなか無い機会です」ポンッポンッ

早坂「ちょっと雑談でもしませんか?」

かぐや「えっ、まあ…確かに、じゃあ…」

かぐや「昨日はね、会長と学校の中で二人きりになって…」

イチャラブ話5分経過………


かぐや「でね、会長ったらまたキスを…!///」


早坂「はああ~あっ、ず~と話そればっかりなんすね~~~っ」


かぐや「…っ!?」ビクッ

早坂「惚気話ばっっっか話されたってええ、毎回毎回聞かされてる方ほんっとしんどくなってくんすよ、わかってんですかああ?」

かぐや「え…え……っ?」オロオロ

早坂「ただ自分が一方的に喋りたいだけならあああ、壁にでも話し掛けてたらどうなんですかああ?」

かぐや「なに!?早坂!?え…!?早坂っ!?」ビクビク


そう…彼女は毎日毎日主人から同じような惚気話を一方的に聞かされ、立場上無視や拒否は不可能。そんなストレスが溜まりに溜まっていた。
途中までは妹の可愛らしい惚気話的に聞いてあげていたし、かぐやの幸せそうにしている姿は自分にとっても喜ばしいことである。
ラブラブなのはいいのだ。
だが聞かされる方にも限度というものがある!

もちろん本気でかぐやの話を否定するつもりは無い…だがたまには自分の感情だってぶつけたい!

そこで彼女の取った行動が
ゲームに乗じて主人に対し本音と生意気な口をきく!!

だがそんな早坂の様子はまるで

反抗期の中学生のようであった!!

早坂「キス?何それ?魚っすか?」

だが、それだけではない

彼女には…四宮家の監視下では叶わない、もう1つの純粋な主人に対しての想いがあった。


かぐや「…は、早坂…どうしたの?いつもそんなこと言わないじゃない…っ」

早坂「…」フーッ

早坂「ふふ、怒るんじゃなくて焦るんですね…」

かぐや「え?」

早坂「さっ、ゲームを続けましょうかぐや様。逃げちゃいますよ」タッ

タッタッタッ

かぐや「あ!しまった忘れてた!」

かぐや「待ちなさい、鍵は貰うわよ!」



早坂「ほらこっちですよー」ヒョイッ



かぐや「くっ、すばしっこい!」


美術室前

タッタッタッタッタッ…

早坂「美術室といえば、御行くんの描いたかぐや様超上手かったですよね、愛を感じましたよ」

かぐや「何よいきなり、私を惑わす作戦?」

早坂「普通に会話です」

早坂「書記ちゃんが描いた私とかもヤバかったですよ、悪い意味で」

かぐや「私も見たわ、あの日は早坂を見るたび藤原さんの絵を思い出して笑いを堪えるのが大変でした」クスッ

早坂「初めて聞きましたよそれ、今叩いていいですか?」

かぐや「あら怒るなら藤原さんにお願いね」

早坂「まったく…」

早坂「そうそう、かぐや様の描いた御行くんが一番凄かったです」

かぐや「それはやめてちょうだい………冷静になったら物凄く恥ずかしいの」

早坂「ふふ」

かぐや「…」


かぐや「何だか楽しそうね、早坂」

早坂「!」

早坂「な、なに言ってるんですか!あなたから逃げるのが精一杯で楽しむ暇はありません!」プイッ

かぐや「割りとまだ余裕そうですけど」


タッタッタッタッタッ…

タッタッタッタッタッ…


早坂「そういえばかぐや様…」

かぐや「今度は何?」

早坂「あなたのNGアクションはルーティーンです」

かぐや「あらあらやっぱりそうなのね」

早坂「いや違いますけどね」

かぐや「違うの!?」

早坂「合ってるような違うような…」

かぐや「どっちよ!?」

早坂「言いませんよ、そういうルールですから」

かぐや「そうですけども!」

ザッ!

かぐや「隙ができたわよ、早坂!」バッ

早坂「おっと、ギリギリセーフです」サッ

かぐや「本当すばしっこいわね!」バッ バッ!

早坂「まだまだ私は捕まえられないですね」サッ サッ

早坂「こっちですよー」タッタッタッ!

かぐや「あ、また逃がした!」



タッタッタッタッタッ…


かぐや「はっ…はっ…」ザッ


かぐや「早坂…あなたずっと逃げて避けてばかりじゃない」

早坂「逃げないとタッチされるじゃないですか」ピタッ

かぐや「…あなたが勝つには、私にNGアクションを取らせる必要があるでしょう。逃げてるだけじゃそれは出来ないのでは無いですか?」

早坂「………」


早坂「かぐや様…私はね……」

かぐや「!」

早坂「初めから、勝つ気なんか無いんですよ」クルッ


かぐや「どういう事…?」


早坂「…私は…」



早坂「演技とか無しで、一度でいいからこうやって…」



早坂「普通の友達っぽく、かぐや様と学校で遊んでみたかっただけです…」


かぐや「…!」

かぐや「早坂…」



早坂「…あー、恥ずかしいこと言っちゃった…」

早坂「…あの、ちょっと前、かぐや様に生意気な口をきいてすみませんでした。あれは本心…も無いわけでは無いですが、たまには文句の1つも吐きたくなっただけですので」

かぐや「…いえ、確かにあなたは立場的にも色々我慢していたことが、日頃からあったのでしょうね…」

早坂「!」

かぐや「私こそたまにはもっと目を向けるべきだったんだわ、あなたの事にも…」


かぐや「…自分勝手な主人でごめんね、早坂」



早坂「………はあ……もう、あなたって人は」

早坂「『別に謝らなくてもいい』って思いでそのNGアクションを考えたのに…」

かぐや「え?」

早坂「あなたのNGアクション、『謝る』ですよ」

かぐや「…えっ!?あれ、本当!!」

早坂「全滅してゲームオーバーなっちゃいましたよ?」

かぐや「うそ!?うそ!?」

早坂「犬ミコちゃんからやっりなっおし~~~」

かぐや「うそおぉぉ!?」

かぐや「そ…そんな……皆に申し訳ないわ……」ガタガタ



早坂「…なーんて、冗談ですよ」

かぐや「…え?」

早坂「あなたの勝ちでいいです。私は満足しましたから」

かぐや「…本当にいいの?」

早坂「だから言ったじゃないですか、初めから勝つ気はなかったんです」

かぐや「…ありがとう、早坂」

早坂「いえ、こちらこそ自分のワガママに付き合ってもらって、ありがとうございます。あと、今後とも気にせず会長の話してくれていいですからね」

かぐや「ふふ、そうさせてもらうわ…」

早坂「そろそろ校長室に行きましょう、かぐや様」

かぐや「そうね…皆が待ってるわ」ザッ

早坂「…かぐや様、聞き忘れていました」

かぐや「なに?」

早坂「私を、仲間に加えてくれますか?」

かぐや「当たり前でしょう…」

かぐや「今まで通り、私の側に居なさい」



早坂愛が仲間に加わった

今日はここまで

もうすぐ後半です

校長室

早坂「…と、言うわけで皆さん。私は今から勇者様に仕えることになったのでよろしくお願いします」

かぐや「ちょ…早坂…まだその喋り方なの…」ボソッ

早坂「いいじゃないですか、そういう設定なので」ボソッ

かぐや「…好きにしなさい」


眞妃「でもやっぱいつもと違うと慣れないわよ」

早坂「もう~っ、んじゃ眞妃ちゃん達にはいつも通り話したげるし♪」キャハッ

柏木「一瞬ですごい変わりようね!」



石上「…さて、ここの戦いも終わったんで、次ですね」

伊井野「藤原先輩、次は休憩でごちそうだって言ってたよね麗ちゃん!」

小野寺「今日で一番嬉しそうな顔してるね」

石上「…次の場所はTG部部室です…」

かぐや「え?大丈夫なのそれ?」

眞妃「お菓子という名のヤバイ物体出されないでしょうね」

柏木「ま、まあ…あそこの子達変だけどヤバい物を食べ物として出すことはしないと思うから…たぶん」

ーーーーーー

廊下

ツカ ツカ ツカ …

そして、「戦士の休息場TG部部室」へ向かう勇者パーティー一行…

不治ワラ『次なる舞台で戦士達に一時の休息が与えられる…そこで何が待ち受けているのかはまだ』

石上「ちょっと待ってください、何か待ち受けてるんすか次」

眞妃「突然復活したわね!」

不治ワラ『はい、私に会えなくて寂しかったですか~っ?不治ワラちゃん復活ですよ!!』

かぐや「で、次のTG部部室では何のゲームをする気ですか?藤原さん」

不治ワラ『いやなんか皆さん疑ってますけどほんと普通に休憩してもらうだけですからね?あまり疑われると私も悲しくなりますよ』

かぐや「それはすみません…」

不治ワラ『そもそも休憩時間用意しないとこちらの準備も間に合わないんですよ』

不治ワラ『皆さんが場所移動するたびゲームのステージも変わるでしょう?その都度関係者以外の先生・生徒が立ち入らないよう注意呼び掛けたりとか先生に時間割調整してもらったりとか、ゲーム終わった後のステージの見回りに先生・生徒の呼び戻し…他にも魔王軍メンバーの弁当の買い出しとか色々大変なんですからね。今もこうやって喋りながら連絡メール打ってるんですよ?』

柏木「いきなりそんな裏話暴露されても」

伊井野「激務だったんですね…」

眞妃「私達はそういう指示受けてなかったから知らなかったよ」

早坂(私は色々手伝わされましたよ…)


かぐや「まあ裏で色々してくれてるのは分かりましたよ…お疲れ様です」

早坂「つまり勇者パーティーは裏で魔王軍に支えられてたって事だね、書記ちゃん!☆」

不治ワラ『そうです!☆』

石上「それツッコんだ方がいいところですか?」

TG部部室

不治ワラ『到着で~すっ!では皆さん食べるなり寝るなり騒ぐなり好きに休憩してください!!』

伊井野「カレーの匂いがする!」

小野寺「下の階に居る時から言ってたね」


不治ワラ『…あ、私もそろそろ休憩ですか?わかりましたー!じゃあマッキーセンハイお弁当くださーい………会長、すみません私の代わりに先生への連絡お願いしまーす!』


石上「ついに楽屋ネタ的な話も隠さなくなりましたね」

かぐや(そっちには会長が居るのね、うらやましい…)

早坂「そこにカレーと炊きたてご飯がありますよ、好きにとって食べてください」

かぐや「あら、本当ね。皆さんいただきましょうか」

柏木「良かった、出てくるのお菓子だけかと思ったよ」

早坂「ちなみにお米は戦いの前に私が炊きました」

かぐや「そうなの!?」

眞妃「ちょうどお腹空いてたのよね…わざわざあなた達が作ってくれたの?」


不治ワラ『それはですね、昨日の面白お菓子作りパーティーでメガ子先輩が作ったお菓子です!』

眞妃「え、お菓子!?」

石上「いやカレーじゃないすか」

不治ワラ『お菓子かと思ったらカレーだった!!ビックリー!!みたいな?面白いでしょう』

石上「いやだからただのカレーじゃないすか」


伊井野「でも美味しいですよこのカレー」モグモグ

石上「もう食べてる!」

小野寺「うん、確かに普通にうまいっすねこれ」モグモグ

かぐや「本当だわ…なんか悔しい…」モグモグ

石上「ツッコミどころだらけなのにツッコめない味だ…くそ…」プルプル

小野寺「そんなにツッコミたかったの?」

早坂「あと、この段ボールにお茶とかジュース入ってるので」ドサッ

石上「結構気が利いてますね、藤原先輩達も」

柏木「わざわざ買ってきてくれて…」

早坂「いえ、昨日の面白お菓子作りパーティーの余り物だと聞きました」

眞妃「また余り物!?」


不治ワラ『安心してください、どれも未開封なので!ちょっと昨日買いすぎてしまいまして~』タハハ

かぐや「どれだけ飲んで遊ぶ気だったんですか?」



小野寺「石上、そろそろ伊井野に食べさせるの代わってもらっていい?」

石上「ん、おお」

伊井野「はやく」

石上「急かすなよ、どんだけ食いたいんだよ!」



柏木「何あれ、兄姉と甘えん坊な妹?」

眞妃「あー、そういう風に見えなくもないか」



早坂「…あれだけ分かりやすくなってるのに気付かない石上くんもなかなかのものですね」

かぐや「…気付かないでいいですよ、気付くと彼は変に迷いが出るかもしれません……私がした彼との約束は子安つばめを手に入れる事です」

早坂「…そうですか」

こうして、休憩時間は過ぎ………


伊井野「あー、お腹いっぱい!」

小野寺「なんて嬉しそうな顔」

石上(こいつ皆が食べ終わったあともまだガツガツ食ってやがった…)



不治ワラ『では皆さん、休憩時間は終了でーす!』

柏木「食器はどうすればいいの?」

不治ワラ『とりあえず置いておいてください、あとでマスメディア部が回収に来るので』

眞妃「ああ、カレン達が…」

石上「ごちそうさまでした先輩」

不治ワラ『いつもそうやって礼儀正しくしてくれたらいいんですがね、石上くんは!』

石上「それは普段のあんたが悪いです」

不治ワラ『酷いですねー』アハハハ

かぐや「いや石上くんの言う通りですよ、もう少し普段の言動には気を付けた方がいいです」

不治ワラ『かぐやさんまで!?』

早坂(かぐや様石上くんには優しいなぁ)

不治ワラ『うー…まあいいです。ゲームに戻りましょう。次で会えますしね』

かぐや「そうですか、ついに藤原さんも来るんですね』

不治ワラ『私だけではありません』フフフ

石上「次のステージは二階から屋上まで全体を使って…ですか」

眞妃「今までで一番規模がでかいじゃない」


不治ワラ『そう、ついにあなた達と我々TG魔王軍の総力戦!!』

不治ワラ『その名も、最後の戦い!生徒会・応援団を解放し会長と藤原を仲間に加え捕らわれたつばめ姫を助けろ鬼ごっこゲームです!!』


かぐや「長いです」

早坂「長いですね」

石上「もうちょい名前分かりやすくしてくださいよ」

不治ワラ『もっと盛り上がる反応してくださいよ!最後ですよ!!』

眞妃「なによ、ただの鬼ごっこなら簡単そうじゃない」

不治ワラ『ノンノン、違うんですねーそれが』

不治ワラ『名前を短くするために鬼ごっこと言いましたが、正確には普通の鬼ごっこではありません』

石上「あれで短くしてたんですか…」

不治ワラ『まあ実際に会って説明した方がいいでしょう。まず指定の場所へ集合してください』

不治ワラ『他のメンバーや会長も待っていますよ』

石上「ついに会長とも会えるか」

かぐや「会長……やっと、うれしい………っ!///」

柏木「かぐやさん声に出てます周りにバレていいんですか」

早坂(私以外にもつっこんでくれる人が増えてくれて良かった)

眞妃「さ、長い道のりだったけどいよいよね…力を合わせて頑張りましょう皆!」

伊井野「はい!」

石上「ツンデレ先輩がリーダーっぽいこと言ってる」

柏木「一人で惚気てないで、かぐやさんがリーダーなんですからこれ」

かぐや「そ、そうでしたねっ」

かぐや「行きましょうか、皆さん…最後の戦いへ」


早坂「…かぐや様」ボソッ

かぐや「どうしたの?」

早坂「最後の戦いが終わって解散した後も…油断しないでください。私の杞憂ならいいのですが、生徒会室で1名挙動不審な動きをしていた子がいたんで」

かぐや「…?」

早坂「ま、今はゲームに集中しましょう。終わった後にでも思い出してください」ポンッ

かぐや「ええ、分かったわ」


そして、いよいよ決戦の地へーーー

ザッザッザッザッザッザッザッ…

石上「ここっすね」ピタッ

かぐや「ええ」

眞妃「前から誰か来るわよ!」

柏木「あれは…」


ザッザッザッ…


??「ふっふっふっ…待っていましたよ皆さん…」ザッ


伊井野「あ、藤…」
??「まだ言わないでください!」
伊井野「はいっ!」ビクッ


??「ずっとあなた達を導いてきた天の声……四天王・不治ワラ、その正体は………」ザッ



藤原「なんと私、藤原千花だったのです!!」ババーンっ


伊井野「ふ、藤原先輩だー」←言われた通り後から言った

小野寺「…」

石上「ええ、知ってました」

かぐや「むしろ藤原さんでなかったら誰なんですか」

藤原「演技でもビックリしてくださいよ!」

早坂「マジびっくりしたしー!☆」

かぐや「ガチ演技ね…」

眞妃「で、対戦ルールの説明をするんじゃないの?」

藤原「そうです、なので皆さんいい子に聞いていてくださいね!」

藤原「ルール説明の前にまずはこちらの数々のメンバーの紹介から!」


藤原「まずは私、藤原千花!!そしてー…っ」

側近メガ子!!
メガ子「やっと出番来たー」

魔王マッキーセンハイ!!
槇原「覚悟なさい、勇者達!」


囚われの騎士 白銀御行!!
白銀「ふっ、覚悟しろお前達!」←洗脳受けてる設定

石上「会長も敵なのか…」

かぐや「騎士……会長………私の騎士(ナイト)………///」プルプル

眞妃「おいっ」ペシッ
柏木「落ち着きなさい」ペシッ

早坂「いい連携です」ペシッ

リア充集団応援団団長 風野さん!!
風野「よっ、石上、小野寺!!」ビシッ←洗脳受けてる設定

石上「団長まで!?」

小野寺「うっす、団長」

1年影の支配者 大仏こばち!!
大仏「やっほー、ミコちゃん」

伊井野「こばちゃん!」

藤原「他にもゲーム中色々な人が現れますが、主なメンバーはこの辺りで!まあ自分達以外はだいたい敵だと思ってください!」


石上「自分達以外敵ですか。修羅の世界っすね」


槇原「次はルールの説明ね、教えてあげなさいあんた達!」

藤原「まず基本的な形は鬼ごっこです。私達が追いかけ、かぐやさん達
が逃げる………しかーし」

藤原「逃げるだけじゃクリアは出来ませんよ!皆さんは3つの勝利条件を満たさなくてはなりません!!」ビシッ

かぐや「3つの勝利条件…」

白銀「俺が説明しよう」ザッ

白銀「まず①…俺、藤原、風野先輩の洗脳を解くこと」

石上「あ、説明会長に変わった」

白銀「②…魔王の撃破」

白銀「そして③!!」

藤原「つばめ姫の救出です!!」

白銀「あれ、台詞取られた!」

かぐや「それらの勝利条件はどのようにすれば『達成』となるのですか?会長」

早坂(この人、質問に乗じて会長に話し掛けた)

白銀「うむ、順番に説明していくから聞いてくれ四宮」

この時、白銀はかぐやとやっと話せる喜びから心の中でシャドーボクシングをかましていた

白銀「このゲームは鬼ごっこと言っても、俺達からタッチされたら一発退場というわけではない」

藤原「そうで…むぐっ!?」
柏木「今、会長さんが話しているでしょう?」ニコッ

かぐやに気を使って藤原を止めた

白銀「四宮達にはそれぞれ『ライフ』がある」

石上「ライフ…ゲームのHP的な奴ですか?」

白銀「そうだ。一人ライフを5ずつ持っている…一度タッチされたらこれを1消費する。0になればアウト…TG部部室送りだ」

眞妃「でもそれ覚えとくのが面倒じゃない?」

白銀「その通り、だが大丈夫だ」

メガ子「皆にはこの『ライフボール』を5個ずつ渡します。これで計算してください。タッチされたら1つ相手にこれを渡してくださいね」

藤原「そしてー…」バッ



藤原「ドーンだYO♪」


メガ子「ドーンだYO♪」


槇原「ドーンだYO♪」


かぐや「え、なにっ!?」ビクッ

藤原「私達TG部から『ドーンだYO♪』を食らうとライフを3消費します!」

石上「え、なにそれこわっ!?」

眞妃「二発喰らったらアウトじゃないの!」

藤原「そうです、ただし当たり判定は指先のみなので避けやすいとは思います!」

かぐや「どちらにしろ怖いわね…」

石上「質問いいっすか?魔王軍側の人達にもライフはあるんですか?」

藤原「いい質問です。先程紹介したメンバーにはありますよ!魔王はライフ5、その他の人達は3です」

藤原「ただし…普通にタッチするだけでは我々魔王軍に攻撃を加えることはできません!」

伊井野「えっと…じゃあ攻撃する手段は無いんですか?」

小野寺「そんなはずはないっしょ。勝利条件に魔王の撃破があるし」

藤原「そう、魔王軍にダメージを与える手段は3つだけあります!」

藤原「まず①、私の使うドーンだYO♪(ただしダメージは1)」

白銀「②自分のライフボールを投げ当てる!ただし当たっても外れて奪われてもライフは減る!」

メガ子「これは私達も出来るから注意してね」

白銀「そして③、勇者のハリセンを使う!!」

かぐや「勇者のハリセン…!?」

早坂「酷いネーミング…」

藤原「勇者のハリセンはステージのどこかに3つ隠されている最強のアイテムです!これを探しだせば攻略はうんと楽になるでしょう!」

藤原「その他にも役立つアイテムをいくつか隠しています…探してみるといいかもしれませんね」


槇原「あーそれと伊井野ちゃん。君には特別ハンデルールがあるわ」

伊井野「え?」

藤原「ミコちゃんが階段を上っている時のみ、魔王軍のメンバーは階段に入れません」

伊井野「い…いいんですか?そんなの…」

槇原「いいのよ、腕を怪我してるんだから」

石上「三人の洗脳はどうやったら解けるんですか?自分達で考えろ方式ですか?」

白銀「うむ、分かった説明しよう」

藤原「ではまずこの会長ですが!」
白銀(また説明役取られた…)

藤原「会長は魔王軍に拉致・監禁された後、私によってみっちりと洗脳教育が施されてしまいました」

かぐや(…は?私の会長を勝手に誘拐した挙げ句みっちりと洗脳教育ですって?何を言ってるの、この性悪ヘンテコリボン女…他人の男に平然と手を出すほど落ちぶれた人だとは思わなかった…)

早坂(またこの人は…)

かぐや(覚悟しなさい、私の彼氏に手を出したこと、後悔させてやるわ)

藤原「そして、この洗脳を受けた会長は勇者かぐやさんのみを狙います!」

かぐや「え?」

藤原「会長はひたすらかぐやさんのみを狙うんです!覚悟していてくださいね!」

かぐや(私…だけを?それってつまり……)

ーーー
妄想

ザザアァァーン…
ザザアァァーン…

白銀「ほ~ら、まてよ四宮~~~っ」アハハハハハ

かぐや「会長ー、私はこっちですよ~~~っ」ウフフフフフ

タッタッタッ…

ーーー

かぐや(やだ、素敵…ロマンティック…!//)キュンッ

かぐや(藤原さん…あなたよくわかってるじゃない、もう本当気遣い上手のいい子なんだから。一生大親友よ!)

早坂「かぐや様、あなたの考えてる内容は知りませんが表情の移り変わりでなんとなく分かるので言っておきます。アホですか?」

白銀(ふ…俺がこのゲームへの参加を了承したのもこれを聞いていたからだ。これなら…)

白銀(四宮とあんな風に(かぐやの妄想参照)イチャイチャラブラブできる!周りから怪しまれずに!!)グッ

二人は同じような思考をしていた

藤原「で、会長のおでこに『魔』シールを貼っておきます」ペタッ

かぐや(えっ、ちょっとやめなさいそんなの貼るの!せっかくの会長が台無しじゃない!)

柏木(こんなコロコロ表情変わるのによく周りにバレないよな本当…)

藤原「これを風野先輩と、私のおでこにも貼りつけておきます』ペタッ ペタッ

眞妃「あんたが付けたとこおでこというかリボンよね」

小野寺「わっ、シール付けた団長可愛い!」

石上「え、可愛いのあれ?」

小野寺「可愛いっしょ」

伊井野「ちょっとよくわからない」


かぐや(可愛い…?あんなヘンテコシールを付けた人が?小野寺さんいい子なのだけれどちょっとセンスがずれてるのよね)

小野寺「シール付けた会長さんも可愛いくない?」


かぐや(え、会長も…?)

かぐや(そ、そう言われてみれば、おかしなシールを貼り付けたヤンチャな男の子って感じで可愛いかも…っ)

かぐやはだいぶ思考が変になっていた

藤原「彼等と私の洗脳を解く方法は、普通にライフを0にするか………勇者のハリセンをこの『魔』シールに一発食らわせる事です!」

早坂「なるほど、つまりアホなシール付けた人達をツッコミで元に戻せって事だね、書記ちゃん!」

かぐや「アホなシールて!」

藤原「そして最後の条件…つばめ姫の救出ですが」

藤原「これは一切ノーヒント!つばめ先輩がどこでどう待っているのかは自分達で考えてくださいね!」

石上「…!」

槇原「そろそろ説明はいいわね」

藤原「はい、後は最後に特別ゲストのご紹介!」

白銀「特別ゲスト?」


藤原「中等部から来ていただいた白銀圭ちゃんです」


圭「あ…どうも、皆さんよろしくお願いします」ペコッ


白銀「圭ちゃん!?」

圭「なんだ、お兄もいたのか…」(小声)

白銀「え、なにその反応」


柏木「白銀って…白銀会長の妹さん?」

眞妃「うわ、可愛い」


藤原「圭ちゃんも魔王軍のメンバーとして参加し皆さんを狙いますが、あなた達が圭ちゃんへ攻撃することは許されません!」

石上「なるほど、中等部の子だからハンデですか」


藤原「違います、理由は可愛いからです!!!」


石上(くっ、何か言い返せない)

柏木「…あの子にならタッチされてもいいかも」

眞妃「渚?」

かぐや(え、圭まで?圭まで来たの?なにそれ最高じゃない!)ガタガタ

かぐや(会長と圭から挟み撃ちにされたい!)

早坂「かぐや様…」


メガ子「…というわけで、長くなったけどこれにて説明とメンバー紹介はおしまいです」

槇原「最初に5分あげる、その間に作戦でも立てて逃げたり隠れたり待ち伏せたり、好きにするといいわ」

藤原「さあ…いよいよ始めますよ、最終決戦!!」


石上(つばめ先輩は僕が見つける…!)

かぐや(会長とは私がイチャイチャ遊ぶ!)

かぐや「皆さん、気を引きしめて行きますよ」キリッ


最終決戦、スタート!!

スタート地点(2階1ーB教室)

かぐや「では、5分の間に作戦会議をしてしまいますね」ザッ

石上「この教室がちょうど2階の真ん中辺りですが…」

ガラガラガラッ!!

藤原「ごめんなさーい!1つガチで言い忘れてることがありました!」ダダッ

伊井野「藤原先輩!」

石上「大変っすよ、皆さんいきなり四天王来ましたよ」

藤原「ちょっと真面目に聞いて、時間ないでしょ石上くん」

石上「…はい、すみません」

藤原「スマホの使用はOKですので!仲間との連絡手段として活用してください!それでは!」ダダッ

ガラガラガラッ

石上「藤原先輩も忙しそうっすね」


かぐや「では話を続けましょう…さっき石上くんも言った通り、スタート地点であるここは2階の真ん中辺り。左右両方から挟み撃ちするように来る可能性があるので、注意した方がいいでしょう」

早坂「私は集団で行動するよりはいくつかの役割に分かれた方がいいと思います。せっかく連絡手段としてのスマホも許されていますし」

柏木「勝利条件も複数あるし…探した方がいいものもある。ステージも広いもんね…忙しいよ」

眞妃「まず最優先にやるべきことを決めて、役割ごとにチーム分けするのが良くない?どれもこれも手えつけようとしたらめちゃくちゃになると思うし」

伊井野「あの…最初は勇者のハリセンを探すのを目的とした方がいいと思います。ライフボールしか武器が無いのは心もとないです」

石上「俺も伊井野に賛成だ、先輩達の洗脳も解かなきゃいけない」

小野寺「そだね。ボールほいほい投げるのも危険だし…それまでは逃げに徹した方がいいかも」

かぐや「わかりました、まず1つ目に一年の子達の案を採用しましょう。最初にハリセンを2つは集めておきたいですね」

早坂「ただ、アイテムの場所もどこに敵が潜んでいるのかもこちらには分かりません。探すだけでも困難でしょう」

眞妃「そうよね、闇雲に動き回るだけじゃ危ないかも」

かぐや「それについては私に考えが…」スッ

かぐや「会長は私のみを狙ってくる設定と聞きました。なので会長が私を狙って追い掛けている間、他の魔王軍メンバーは私を狙いはしないかもしれません…ノーマークなその他の私の仲間の方を警戒するでしょう」

かぐや「それに遊び好きな人達です、その光景を楽しみたくて設定したのでしょうから安易に私がアウトになることはしないと思います」

眞妃「ああ…確かにそういう考え方も…」

かぐや「なので、私がいったん偵察として会長に追い掛けられながらステージ全体を見て回りましょう。何かあればその都度ラインで伝えます」

石上「四宮先輩が囮になるってことですか!?」

かぐや「心配しないで石上くん…私はそんな簡単にヘマしないから」

柏木「あの…かぐやさん?もしかしてそれただ会長さんと追いかけっこしたいだけじゃ…」ボソッ

早坂「………」ジーッ

かぐや「ちっ、違うわよ!いや、それもあるけれど!ちゃんと皆さんのためにという気持ちもあります!」(小声)

柏木「…まあいいです。かぐやさんの案も採用で」

その後も会議は続き…

早坂「だいたいまとまりましたね、そろそろいいでしょう」

柏木「まず、最初にかぐやさんが偵察した箇所から先発隊…私と早坂さんが見て回ります。私達は潜んでいる敵を引き付けます」

眞妃「その後に、私と一年組で部屋を回っていくからね。何か発見したら私に報告すること。探索と敵への警戒も必要だから人数を多めにしたわ」

柏木「あとは状況に応じて組み合わせや役割の変更もあると思います」

かぐや「何かあれば必ず連絡をとること。では…そろそろ行きましょうか」

石上「はい」

小野寺「うっす」

伊井野「あの…1ついいですか?」

かぐや「はい、何でしょう?」

伊井野「入り口のとこに…」



白銀「…」(中を覗いてる)


かぐや「きゃーーっ!?会長!?何を覗いてるんですか破廉恥!//」

柏木「破廉恥?」

石上「何をしてんすか!?」ガラッ

白銀「す、すまん…俺は四宮だけを狙う設定だからこの辺で待ってろと言われてて……けど皆楽しそうに話してたから何か寂しくてつい…」

石上「まあ分かりますけど…」

白銀「もう出るのか?じゃあ俺はちょっと離れておく」



かぐや「さて、気を取り直して……ここで待機しておく事は禁止されていませんので少し待っていてください。私が先に偵察しますので、後は各自作戦通りに…いいですね?」

「はい!!」

偵察
四宮かぐや

ガラガラガラッ!

かぐや「さて…まずは私の仕事ですね」

ザッ

白銀「四宮…」バサッ

かぐや(きゃっ!会長の騎士姿イケメン過ぎる!//)キュンッ

※制服の上からマントっぽい布を被っているだけである

かぐや「…ふふ、会長…私を捕まえてみてください」ニコッ

白銀「俺にすぐ捕まって後悔するなよ?」ニヤッ

ダダッ!!

遠回しなイチャイチャ会話をした後、二人は走り出した!

かぐや(さて、この状況を楽し……ではなく、周りを見渡しながら逃げなくてはなりません。大変な仕事ですが、リーダーである私が皆を導かなければ)

白銀(うお、四宮早い!!マントで動きにくいし!これ普通に苦戦するやつだ!!)

ダダダッ!!

かぐや(…!1ーC教室に待ち伏せ… 大仏さんの姿が見えましたね。私のことは無視しましたか)


かぐや(1ーD教室は…誰も居ないですね、いったんここに退避して連絡しましょう)


白銀「…!D組の教室に逃げ込んだ!?」

白銀「まて四宮!」バッ!

かぐや(ふふ、会長ったらそんな必死に私を…//)

かぐや(おっといけないわ、会長のタッチを避けながらラインしないと)サッ サッ






ピロンッ

柏木「!さっそく連絡きた!」

早坂「隣のC教室に大仏さん待ち伏せ…ですか」

伊井野「こばちゃんが…」


柏木「さて、次は私達の番だよ早坂さん」

早坂「そだねー☆がんばろっ!」ビッ

眞妃「気を付けなさいよ、あんた達の仕事が一番危ないんだから」

柏木「心配しなくても大丈夫だよ、眞妃ちゃん。いざとなったら翼くん呼ぶし」

眞妃「…そだねー」

早坂「余裕のよっちゃんだし!」

眞妃「何オッサンみたいなこと言ってるの?」



先発隊(敵の引き付け)
柏木渚
早坂愛

ザッザッザッ…

柏木「早坂さんは何でこの役割に志願したの?」

早坂「まーこのゲーム内じゃ、かぐやさんの前では忠実な部下って設定だしー?やっぱちゃんと後ろ付かないとね!」キャハッ

早坂(まあ心配だからなんですけどね…色々と、会長と遊びすぎてヘマしないかとか)

柏木「私はね、かぐやさんが心配だからだよ…色々と、詳しくは言えないけど」

早坂(ああ、私と同じ理由か)

柏木「あとは一年の子達に危ない仕事回すわけにもいかないし、一年組に付いてあげる先輩なら眞妃ちゃんが向いてると思うしね」

早坂「あはは、確かにーっ。後輩ちゃん達もあの子相手なら喋りやすいだろうね!」

柏木(…と、雑談しながら警戒してない風を見せて)

早坂(C組教室の前へ…さあ来ていいですよ大仏さん)



大仏「…」

大仏(他の人達の姿はまだ見えない…分かれて行動してる?それとも…)

大仏(まあいい、私はあの人達を狙おう。ゆっくり近付いて…本当はミコちゃんと遊びたかったけど)ソー


柏木「あっ、ヤッバーイ、忘れ物してたー!」クルッ(演技)

大仏「…!」ビクッ
大仏(見られた…!)

早坂「わっ、大仏さんが居た!マジ気付かなかったしー!」(演技)

柏木「逃げよう!」

早坂「うん!」

ダダダッ!!

大仏「逃げられた、追い掛けないと!」

探索隊
四条眞妃
石上優
伊井野ミコ
小野寺麗


眞妃「渚から連絡来たわ、大仏さんの引き付けに成功。さあ、私達も行くわよ!」ザッ

石上「はい!」

伊井野「まずはC組教室の探索、ですよね」キョロキョロ

小野寺「教室入ったらすぐ扉は閉めときますよ。開いた音や気配がしたらすぐ逃げる準備しましょう」

眞妃「そうそう、その通りよ小野寺さん」


そしてC組教室へ…



石上「んー…特に何かある気配はありませんね」ガサゴソ

眞妃「ひゃあっ!?」

石上「どうしました!?」ザッ

眞妃「誰かのラブレター見つけちゃった…何か恥ずかしい…」

石上「よし、別のとこに隠してやりましょう」

眞妃「嫉妬はいけないわ、優!」

伊井野「ひゃあっ!?」

小野寺「伊井野はどした?」

伊井野「ヘビっ!!」ザッ

小野寺「ひゃあっ!?」ビクッ

石上「おいお前ら落ち着け、全然動いてないしこんなとこに居るわけないだろ!」

石上「ほら人形だ…やけにリアリティー高い人形だな」

眞妃「誰よこんなの学校に持ってきたの…」

伊井野「あれ、何か紙落ちてる」ガサ

小野寺「マジだ」チラッ

『アイテム TG部作リアルヘビ人形
効果 相手をびびらせる』

石上「TG部かよっ!!!」

眞妃「私持ちたくないわ、人形でも」

伊井野「絶対やだ」

小野寺「私もやだよ…」

石上「必然的に僕…?こんなの女子に見せたり投げたりしたら嫌われない?」




眞妃「…他には特に何もなかったわね」

伊井野「チョコレートが1つありました」

小野寺「取っていいやつなの?それ。戻してきな」

石上「先輩達に頑張って貰って最初に見つけたのがヘビだけって………」

眞妃「まあまあ、まだまだ先は長いんだし、元気出しなって」ポンッ


ガララッ!!


槇原「あれ、もうそろそろ皆三階に行ったかと思って見回ってたらあんた達まだいたの?」ザッ




石上「………っ!!?」ビクッ

伊井野「ひえ…っ!?」

小野寺「マジで…!?」

眞妃「いきなり魔王来ちゃった…!?」


槇原「まあまあ落ち着きなって。ちょっと最初に言っておきたいことがあるんだ」

伊井野「…な、なに?」



槇原「女魔王っぽい口調の演技疲れてきたからそろそろ素で行ってもいい?」


石上「どうせならもうちょい頑張れよ!!」

眞妃「なに言ってんのこの子!?」


槇原「まだ出る予定じゃなかったんだけど、仕方ないなぁ…」

槇原「ドーンと行っちゃうとするか!!」



伊井野「どうしよう…!?」

小野寺「逃げるしかないっしょ!」


槇原「ま、特別に…三階まで行けたら見逃してあげる」ニヤニヤ


石上「ツンデレ先輩、とにかく階段まで逃げましょう!」

眞妃「そうね、行くわよ皆!」

ー偵察 かぐやー

タッタッタッタッタッタッ‼

かぐや(二階は封鎖されているところもあって狭いし、大仏さん以外の敵も見当たらない)

かぐや(警戒していましたが、この階は大したことないみたいですね。三階へ向かいますか…皆にも報告しておきましょう)スッ

タッ!タッ!(階段を上る音)

白銀「おい四宮!待て!」

かぐや「待ちませ~んよ♪」フフ

白銀「真面目に聞けっ!!」

かぐや「ええっ!?」ビクッ

白銀「スマホ見ながら階段を上がるとか危ないだろがぁっ!!」ビシイッ

かぐや「えっ、で、でも…スマホ見ながらでないと逃げられません…急いでますし……」

白銀「いいよ、それくらい待っとくよ!だから四宮も階段でくらい止まってスマホ触れ!怪我でもしたらどうすんだ!!」

かぐや「会長……私を心配して…っ!//」キュンッ

幸いこの時の会話を聞いている者は周りに居なかった

かぐや(待っててくれている会長のためにも早く連絡を………ん?眞妃さんからライン?」
ピロンッ

『魔王と遭遇。でも逃げるから気にせず作戦続行で』

かぐや(え!?魔王と!?いきなり!?私は見かけなかったのにいつのまに…!)

かぐや(とても心配だわ…けれど、気にせず続行というのなら……)

かぐや(私も偵察を続けましょう!)

かぐや「では会長、私は行きますよ!」バッ

白銀「よし、俺も追い掛け再開だ、四宮!」ダッ

三階


かぐや(さて…恐らく三階からが本番。しっかりと見て回りましょうか)

タッタッタッタッタッ!

白銀「うおおお、はええ!」ダダダッ


かぐや(2ーB教室…)チラッ

かぐや「!」

その時、かぐやの目には見覚えのあるリボンが映った!

かぐや(藤原さん…貴女も居るのね、報告をしておきましょう)スッ

ダダダッ!

ザッザッザッ…

ガララッ!

かぐや(音楽室、ピアノの下に怪しい影を確認…)チラッ

白銀「よーし隙ありだ、四宮!」バッ

かぐや「まだまだ捕まりませんよ♪」サッ

ダダダッ!

かぐや(さて、さっきの音楽室の怪しい影も報告のラインを…)


?「待ってください」ザッ


かぐや「!!」ハッ

白銀「あ…!」ザッ


圭「かぐやさん…あなたは私が捕まえます」

圭(かぐやさんと遊びたい!)

兄妹揃って似たような思考をしていた


かぐや「け、圭…!」

かぐや(二人に囲まれちゃったわ、幸せっ!!…ではなく逃げないと!!)ダダダッ!


圭「きゃっ、早い!抜かれた!?」バッ

圭「待ってくださいよ!」ダッ

白銀「よし、共同戦線だ圭ちゃん!」

圭「…」

白銀「無視!?返事は!?」

圭「仕方ないなぁ」

白銀「仕方ない!?」


かぐや(わざと捕まってもいいところだけどそれでは皆に申し訳ない。さて、逃げながら報告の連絡を………あ、間違えて幸せと打ってしまったわ。落ち着きなさい私)

ー先発隊 柏木・早坂ー

柏木「眞妃ちゃんからライン!魔王と遭遇だって!」

早坂「うん…心配だけどっ」


大仏「えいっ!」ブンッ


早坂「おっと!」サッ
早坂「こっちも他を気にする余裕はあんまないし!」

柏木「だね…かぐやさんからの報告じゃ二階にはもう特に何もない。眞妃ちゃん達を信じて私達は先に上へ行こう!」

早坂「OK!」ビッ

ダッ!ダッ!ダッ!

大仏「階段を上るのも早い……!」ダッ


柏木「階段を上って…三階に着いたらいったん大仏さんを撒こう」

早坂「任せて柏木ちゃん!」

ダッ!ダッ!

…ザザッ!!

早坂「三階到着!」クルッ


大仏「え、振り向いた…」


早坂「大仏ちゃん、投げるよー!」ググッ

柏木「私も」ググッ


大仏(上からライフボールを投げつけて一気に私を削るつもりか!?まずい、いったん下に…!」

ダッダッ!


大仏「………」


大仏「…あれ?何も来ない…」チラッ


彼女がもう一度見た時、そこにいた二人は既に居なかった

大仏(居ない、あれはフェイント!?私を撒くための!)

大仏「あんな単純な手に…!くそ!」ダダッ

三階


柏木「さっきかぐやさんから来たライン…藤原さんも居るって」

早坂「うん、後は音楽室に…」

??「ババババーーンっ!」ザッ


柏木「…!」ピタッ

早坂「うわ、早速来たよ!」


藤原「みーつけちゃいましたよ二人とも!!」ビシイッ

柏木「かぐやさんからの連絡じゃ、居るのは2ーB組教室だったはず…」

藤原「最初にかぐやさんが私を見たのは気付いていました…そして皆さんに報告するかと思ってましたが、ビンゴだったようですね!」フフフ

早坂「流石は書記ちゃん…何か久しぶりに天才っぽいよ」

藤原「それ褒めてますか?」


タッタッタッ…


柏木(後ろから足音、大仏さんが近付いてる!?)

早坂(こっちの攻撃手段はライフボールのみ…自分のライフも削るからあまり使いたくはないな)


早坂「こっちに逃げよう、柏木ちゃん!」

柏木「そうだね!」ザッ


藤原「逃がしはしませんよ!」クルッ

藤原「ドーンだYO♪してあげます!!」ダッ

ー探索隊 眞妃・1年組ー


槇原「ほらほら、早く行かないと追い付いちゃうよお!」ダダダッ

眞妃「わあ怖い!あの子指がめっちゃ『ドーン』の構えしてるじゃないの!」ダダッ

石上「もうすぐ階段に行けます!大丈夫か?伊井野」

伊井野「う、うん…!」

小野寺「伊井野の後ろには私が付いてるから…」

伊井野(…私が遅いから、皆が気を使ってくれてる…)


槇原「へーい、ドーンだYO♪ライフルだよ!バッキューンッ」


眞妃「は!?なにそれ!?」ピタッ

槇原「指の射線上にいる人間にライフ3ダメージの技だよ!」

石上「なんだそれ初めて聞いたぞ!?ありかよ!!」クルッ

槇原「まあ嘘だけどね!!」ハハッ

伊井野「嘘なの!?」

石上「くっそ、あいつ…!」

槇原「ほら足止まってるっ!」ダダダッ

小野寺「ヤバイ、追い付かれる!」

石上「くっそ…女子相手にあまり使いたくなかったけど」バッ

石上「おら、ヘビだぞっ!」ブンッ!

リアルヘビ人形

槇原「こんな玩具が私に効くとでも思った?」
バシイッ!←掴んだ

石上「ですよねーっ!?」

槇原「へい、お返し!」ブンッ


ベタアッ!

伊井野「ひゃあああぁぁあっ!!?」ガタガタガタ

首に引っ掛かった

小野寺「落ち着きなって伊井野!取ってやるから……うわやっぱこれ無理っ!」ヒョイッ

小野寺「石上ごめん、投げるから受け取って!」ブンッ

石上「結局俺のとこに来るんだ!?」パシッ

槇原「さーて、どの子から餌食にしよっかな♪」

石上「くそ、ツンデレ先輩!俺が囮になります、二人を階段のとこまで連れてってください!」

眞妃「優!?そんなこと…」

石上「俺は後でダッシュで行きますから!」ザッ

眞妃「…っ!わかったわ、絶対来るのよ!」

伊井野「石上…!」

小野寺「気を付けろよ!」

槇原「台詞は立派だけど、戦う手段はあんの?」ザッ

石上「ああ。あんたらTG部から貰ったこいつだ」ブンッ

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!

槇原「アハハハハハハ!!ヘビ振り回してる!!」ケラケラ

石上「笑うなよ、俺は真面目だ!!」ヒュンヒュン!

槇原「…へー」

槇原(確かに、ヒュンヒュン回ってるヘビが邪魔で近づきづらい…けど)

槇原「いくらでも避けながら通れるんだねこれが!」ザッ

シャシャッ!

石上「…!」ビクッ

石上(早い、方向転換が間に合わなかった…!?)

槇原「ほーら!」ブンッ

石上「うお!」シャッ

槇原「隙あり」ニヤッ

石上「…っ!!」


槇原「ドーンだYO♪」ビュッ!!


石上「しま…った…!!」

石上【残りライフ2】

槇原「ヘビ邪魔!」パシーンッ

石上「わっ、飛ばされた…!?」

槇原「ま、あの子達は逃げちゃったみたいだし…君の行動は無駄じゃないよ石上くん」ザッザッ

石上(ダメだ、逃げないと!)


槇原「トドメのもう一発!」ビュッ


槇原「ドーンだYO♪」


ドンッ!!


槇原「…な!」

石上「えっ…」

ドサッ

伊井野「はあ、はあ…石上、危なっかしいわよ…」

石上「伊井野、俺を…庇って…」

槇原「…まさか、庇いに来るとはね。まあ安心しなよ、上手く当たらなかったから今のは普通のタッチ判定だよ伊井野ちゃん」

伊井野「…」

伊井野【残りライフ4】

槇原「もう一発…」スッ


伊井野「逃げるよ!」

石上「伊井野、何で戻ってきてんだよ!」ザッ

伊井野「…私が遅いからでしょ?」

石上「!」

伊井野「そのせいで…皆も遅れて…そのために石上が囮になるはめになって…」

石上「気にしすぎだ、伊井野。誰にだって苦手なものはある…ツンデレ先輩も小野寺もそんなこと気にしてなんかないだろ」ダッ

伊井野「…」ダッ


槇原「よくやったけど、さあ行くよ!」ザッ


小野寺「二人から離れな!」ブンッ

槇原「…!」ピクッ

ベタッ!(ヘビ人形)

槇原「うひゃっ!顔に引っ付いた!?邪魔っ!!」ポイッ

眞妃「えーいっ!」ブンッ

槇原「うっ!?」

ポンッ!

槇原「…!しまった、ライフボールを当てられた…!」ギリッ

槇原【残りライフ4】

眞妃【残りライフ4】


眞妃「早くこっち来なさい!」

小野寺「二人とも…来れて良かった」

石上「すんません、早く三階へ行きましょう!」

小野寺「突然石上のとこに戻ってくからビックリしたよ…」

伊井野「ん…ごめんね」





槇原「…ふー…結構やるじゃん…逃がしちゃったか」ザッ

槇原「ま、次会ったときが本番だよ…」

今日はいったんここまで

階段

伊井野「…さっきはごめんなさい、一回逃げれたのにまた突っ込んで行って…」

眞妃「本当にね、勝手な行動するからハラハラしたわよもう!もう少し落ち着きを持ちなさい!」

眞妃「……でも、優のピンチを見過ごせなかったんでしょ?それに、逃げ遅れたのは自分のせいだなんて…思わなくていいからね」ポンッ

伊井野「はい…」

石上(ツンデレ先輩…)

小野寺(いい人だ…)


眞妃「さて、三階へ着いたら早速部屋を探索して回るわよ!」


ーーーーーーー

三階



ダダダダダダッ!!

藤原「待ってくださいよ~~っ!♪」ニパアーッ


早坂「めっちゃ楽しそうな顔して追い掛けてくるし!」

柏木「キスを迫り追い掛ける早坂さんから逃げるときの藤原さんより早いかも…」

早坂「その話はやめて!?あとキスしようとして追い掛けた訳じゃないし!」

柏木「冗談は置いておいて、眞妃ちゃん達が探索しやすくなるためにも藤原さんの相手を暫くした方がいいよね」

早坂「うん、ドーンに注意」


藤原「ドーンじゃなくて…」


藤原「ドーンだYO♪」ビュッ

柏木「うわ、あぶないっ!」サッ


藤原「ですよ♪」ニッコォー

早坂「怖い!早く勇者のハリセン見つけて!」

柏木「ニコニコ笑顔なのが余計に怖い!」

藤原「失礼ですねー、楽しんでるだけなのに」


ダダダッ!!

白銀(そろそろ四宮にタッチしたい…!)
ハアッ ハアッ

圭(かぐやさんにタッチしたい!)
ハアッ ハアッ


かぐや(私もそろそろ疲れてきましたね…さすがに走り続けは辛い)
ハアッ ハアッ

かぐや(どっちにタッチされようか迷うわ…)チラッ

かぐや(でなくて!いったん休憩したい…数秒だけでも)


白銀「四宮の動きが遅くなった…もう少しだぞ圭ちゃん。俺がタッチするから隙を…」

圭「私がタッチするからお兄が隙を作って」

白銀「え!?」


かぐや(最初は嬉しかったけど二人がかりはやっぱり厳しいわ……皆の為にも捕まるわけには)


ダッダッダッ!


かぐや「足音…!?」ピクッ


柏木「あ、かぐやさん!」

早坂「そっちは二人から追い掛けられてるんだ!」

かぐや「柏木さん、早坂っ…さん!」


藤原「おっ、かぐやさんも発見しちゃいました~~っ!♪」ニコニコー

ダッダッダッ!

かぐや「藤原さん…!?」

柏木「まずい、三人から囲まれる!」

早坂「…っ!!」


白銀「藤原書記、そっちから逃がすなよ!」ザッ

藤原「はいは~いっ!」

圭「はあ…はあ…っ」ザッ

柏木(かぐやさんは少し疲れてる様子……彼女だけでもここから離れさせたら会長は追い掛けに行くから残るは二人…二人なら私達でまだなんとかなるかもだけど)

柏木(あまりかぐやさんに負担をかけ続けさせるのも)

早坂(かぐや様もだけど私達も走り続けて体力が減り続けている…それは御行くんに妹ちゃんも同じっぽいですが、一番の問題は…)


藤原「あははー、どう攻めちゃいましょうね♪」ニパアーッ


早坂(明らかに元気たっぷりなのが一人!)

柏木(どうする!?)

かぐや「…少し時間をよろしいでしょうか?」スッ

柏木「!」


白銀「なに?」ピタッ

藤原「なんですか?作戦タイムは与えませんよ?」

かぐや「いえ、ゲームのルールについていくつか質問が…気になることがありまして」

藤原「ん…まあそういう事なら。答えられる範囲で答えましょう。会長も圭ちゃんもいったんストップで…柏木さんと早坂さんもストップですよ」

かぐや「二階に封鎖されている場所がありましたが、ああいう場所は進入禁止なんですか?」

藤原「そうですよ、ピンチでも逃げ込んではいけません」

かぐや「スマホの機能はどこまで使用OKなのでしょう」

藤原「連絡手段のみに使うなら構いません」

早坂(まさか、かぐや様…時間を稼いで少しでも体力の回復を)

柏木(私達も助かった…けど、回復するのは相手も同じ。気は抜けない)

かぐや「洗脳されている方達は仲間にできるのですか?」

藤原「それくらいなら答えましょう。私と会長は洗脳を解けば仲間になります。風野先輩はなりません」

かぐや(会長、良かった!!)

かぐやの体力はかなり回復した

藤原「あっ、圭ちゃんもできますよ。条件は教えませんが」

かぐや(え!できるの!?)

かぐやの体力はかなり回復した

藤原「…さて、質問タイムはそろそろよろし」

かぐや「はいありがとうございました!」(超早口)
ダダダッ!!

藤原「ふわああっ!?」ビクッ

ダダダダダッ…

藤原「あ~…油断してました~…行かれちゃった…」

柏木「すごい、もうあんな回復したんだ…」

早坂(相当嬉しかったんですね…仲間になるの)


白銀「しまった、急に走り出して反応が遅れた…俺は四宮を追う!」ダッ

藤原「はい!!」

圭「よし、私も一緒にかぐやさん追いかけよ」ダッ!

藤原「あ、コラ圭ちゃん!もう…お兄ちゃん大好きなのはわかるけど!」

圭「!?」


早坂「書記ちゃん、無駄話してる暇ないっしょ」ダダダッ

藤原「しまっ…!?またやっちゃった!」ハウアッ



早坂(さすがに二人相手はかぐや様もつらいでしょう、私が引き離してあげますよ)ダッ!


柏木「藤原さん、私と遊ぼ私と!」ニコッ

藤原「…そうですね、向こうには会長居ますし…」

藤原「柏木さん…私と遊んだこと!後悔してもしりませんよ!」ニヤリッ

柏木「あんまかっこよくないね、その台詞」

かぐや「はあ、はあ…、そろそろ階段ね。四階に上がらなければ…」

白銀(このままでは四宮に追い付けん、何か無いか………力を引き出せる方法…)

白銀は四宮の弱点を探そうと記憶を掘り下げ始めた………そして………

白銀は1つの記憶に辿り着く
それは………


学校の屋上で生徒会で月を見に来た際、変なテンションになってしまい四宮に対しかっこつけた様な台詞をかましまくっていた記憶だった!!


白銀(何故俺はあの時あんな恥ずかしい言動をーーーーーっ!!?)


人は過去の恥ずかしい記憶を思い出した時…
めちゃくちゃ走りたい衝動に駆られる!
そして無駄にいつもより身体に力が入ったりするのだ!!


白銀「うおおおおおおっ!!!」
(何故俺は恥ずかしい事をベラベラとーーっ!!)

シュダダダダダッ!!

かぐや「ひっ!?急に速いっ!?」ビクッ

さすがのかぐやも鬼気迫る白銀の走りに戸惑いを隠せない!!

白銀「四宮あっ!」バッ

かぐや「会長、ちょっと走り方怖いです!!」シュタッ!

寸でのところでかわすかぐや…
しかしっ!


ペチッ!


かぐや「…!」ピタッ

圭「やった、タッチできた!」


かぐや(圭さんにタッチされちゃった!)

かぐや【残りライフ4】


白銀「さすがだ圭ちゃん、俺も気を取り直して…」ザッ

かぐや(さすがに浮かれてる暇はないわね、早く二人から離れないと!)ダッダッ!


圭(よし、もう一回…)

ザザザッ!!

圭「っ!!」ピタッ

早坂「おっと…これ以上は進ませませんよ。かぐや様、先に行ってください」(かぐやの前では忠実な部下になる設定)


かぐや「…」←早坂が助けに来てくれたのは嬉しいけどまだ圭と遊びたかったのに!という顔


早坂「いや何ですかその嬉しいような悲しいような表情は、いいから早く行ってください」

圭「そこを避けてください!」 バッ

早坂「おっと、当たりませんよ~」サッ

圭「…ん?」

早坂「どうしました?」

圭「…お兄の友達のハーサカさん?」

早坂「えーー?誰それ~?知らな~~い」(すっとぼけ)

ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!


四階


かぐや(ついに来たわね、四階まで…早く見て回って早坂と柏木さんの応援に行きましょう)

タッタッタッタッタッ

白銀(やっとまた二人きり…そして静かだ…)

かぐや(ふふ、まるで会長とデートをしているみたい…)



かぐや「…!!」ピクッ

ダダダッ!

メガ子「あ、かぐやちゃんだ…まぁいっか。でね、話の続きだけれど」

かぐや(TG部のメガ子先輩…!誰かと電話を)


メガ子「うん、君はいったん四階に上がってきて、そこで待機ね」


かぐや(誰かが四階に呼ばれたのね…ということは三階に居る敵は一人減る。これも皆に伝えておきましょう)



ーーーーー

三階


石上「とりあえず部屋を三つくらい調べましたが…」

眞妃「見つかったのはたまごボーロ3粒」

伊井野「あとは消しゴム…」

小野寺「それたぶん普通に落とし物だと思う」


石上「たまごボーロて…」

眞妃「でも貴重な回復アイテムよ。一粒でライフ1回復、ご丁寧に替え用ライフボールも一緒に置いてあるわ」

眞妃「使う?」

石上「いえ、まだやめておきます」

眞妃「さて、とりあえず報告にあった音楽室を目指してみましょうか」

伊井野「はい」

石上「ではさっそく次…」ガラッ

石上「…」バタンッ


伊井野「え、なんで開けてすぐ閉めんの?」

石上「…大変す、先輩」

眞妃「どうしたん?」

石上「そこの音楽室までの廊下に………風野団長居ました」

小野寺「え、団長が!?」

眞妃「風野先輩って…洗脳設定受けてるあの人?」

石上「はい。ヤバイっすよ、あの人運動神経凄くいいから…」

小野寺「まともに挑めば最悪団長一人に私らボロボロにされるかもしれないです」

眞妃「うーん、あの人筋肉も凄かったもんね……身体から心まで健全な感じ」

伊井野「趣味はスポーツとか言いそうですよね」

石上「…」

風野がアイドルにハマっている事を石上は黙っておいた

石上「まあ、とにかく。まずは別の場所まで風野団長を動かさないといけない…先輩、たまごボーロ1つください」

眞妃「優…あんたもしかして」

石上「はい、俺が風野団長を引き付けます」ポリッ

伊井野「…」ジーッ

石上「何俺がたまごボーロ食ってるとこ物欲しそうに見てんだ」

伊井野「そ、そんなことないもん!」ギクッ

たまごボーロを食べてライフ回復
石上【残りライフ3】

小野寺「…いいよ石上、私がやるよ。まだライフ全部残ってるし」

石上「小野寺…!」

小野寺「私だって結構運動には自信あるから。あんたはハリセン探してなよ」

眞妃「…そうね、小野寺に任せた方がいいかも。優はライフを温存してなさい」

石上「…はい…」

石上「小野寺、すぐハリセン見つけるから」

伊井野「気を付けてね、麗ちゃん」

小野寺「ありがと。じゃ、先輩…私が行ってくるんで」

眞妃「健闘を祈るわ!」


ガラッ!…バタンッ


ザッザッザッ…

小野寺「…」ザッザッ


風野「ん?」チラッ


風野「小野寺か!?」バッ

小野寺「ちわっす、先輩…」

風野「ふっ…小野寺、後輩だろうが手加減はしないからな」ザッ!


風野「全力で行くぞ!マジ卍!!」バッ

小野寺「それもうオッサンしか使ってないっすよ」

風野「え、マジ!?」

小野寺(全力で逃げよう!!)ダダダッ!!


風野「小野寺、もっと速く走らないとすぐ追い付いちゃうぞ!!」シュダダダッ!

小野寺「やっぱ団長マジ速い……皆、なるべく早く見つけてよ!」ハアッ ハアッ

眞妃「…よし、行ったわね。急いで音楽室まで行くわよ」チラッ

石上「はい!」

伊井野「周りにはもう誰も…」チラッチラッ

タッタッタッタッタッ!!

石上「え!?誰か向かい側から…!」ピクッ

伊井野「あの声は…!?」



藤原「柏木さ~ん、追い付いちゃいますよ~~!♪」ダッ!ダッ!ダッ!

柏木「はあっ、はあっ………あ!眞妃ちゃん達!」

藤原「おっ、残りの人達発見です!」ニコーッ

石上「や、ヤバイ!藤原先輩が来た!!」

眞妃「渚!大丈夫!?」

柏木「ちょっとヤバイかも…!」ゼエッ ゼエッ


藤原「へい、石上くんに、ドーンだYO♪!」ビシュッ

石上「うわ、こっち来た!!」サッ!


ポンッ!!

藤原「あひゃ、背中に何か当たっ……」

コロコロ…

藤原「ライフボール!!」

柏木「貴女の相手は私でしょう、石上くんじゃなくて」ハアッ ハアッ

柏木【残りライフ4】
藤原【残りライフ2】

藤原「次はもう当たりませんよ…柏木さん」クルッ

ダッ!!

眞妃「優、伊井野!早く音楽室行きなさい!」

伊井野「え!」
石上「ツンデレ先輩は!?」

眞妃「私は…!」



藤原「もう疲れてますね?私はまだ行けますよ!」ザッ!

柏木(ダメ、早く避けなきゃ…っ!!)


藤原「ドーンだYO♪!」ビシュッ

トンッ…

柏木「くうっ!!」
柏木【残りライフ1】

柏木(まずい、もう…!)

藤原「トドメです!」


バッ!!


藤原「え!?」ビクッ


ザザザッ!!
柏木「う……」

眞妃「はあ、はあ、危なかったわね……感謝しなさいよ」

柏木「眞妃ちゃん!!」

藤原「む、眞妃さん加勢ですか…」

眞妃「私の体力はまだある…、渚にはこれ以上手出しさせないわ!」

ーーーーーー
四階

タッタッタッタッタッ!!


白銀(四宮…いつまで走るつもりだ!?)
ゼエッ ゼエッ

かぐや(だいたい見て回ったわね…メガ子先輩以外の敵勢力は見当たらなかった……)

かぐや(後は屋上ね……あれ?)チラッ


『立ち入り禁止区域』


かぐや(封鎖されている?でも、ルール説明の時……屋上までと)

ガヤガヤガヤ


かぐや「!!」ハッ

かぐや(屋上への階段の上から人の声…?しかも結構な数に感じた)


かぐや「………まさか……」

ピタリッ

かぐや「…会長、お互い疲れたでしょう……一時休戦と行きませんか?誰も見ていません、少し休みましょう」

白銀「ん?お、おう…そうだな、四宮…」ピタッ


かぐや「………」


かぐや(そう……考えてみれば魔王軍のメンバーは約半数が私達側にいずれ寝返る人間…そうなった時、魔王軍の戦力はTG部の二人と大仏さんのみになる…そうなれば私達の圧勝は目に見えている)

かぐや(そんな一方的なバランスのゲームにするとは思えない………)




かぐや「…なるほど……分かりました」

白銀「え?」

かぐや「いえ」

かぐや(これを伝えるのはまた後でいいでしょう、余計な情報を与えすぎるのも良くない)ザッ

かぐや「では会長、私は仲間達のところへ行きます」ニコッ

白銀「お、もう行くのか!」ザッ



かぐや(今はまだゲームの前半戦、という事ですか……)

かぐや(そして会長や藤原さんら残りの仲間を全て引き入れた時、TG部は本格的に私達を潰しに来るつもり…なのでしょうね)

早坂「ふう……」ダダダッ

圭「はっ、はっ!」ザッザッザッ

圭(ハーサカさんなのか違うのか聞き出す)ギラッ

早坂(色々質問攻めされたらめんどくさいから逃げる!)ギラッ

タッタッタッタッタッ…

早坂「っ!」ハッ


柏木「早坂さん!」ザッザッ

眞妃「うわ、向こうにも追っ手がいるじゃない!」


藤原「また会いましたね早坂さ~ん!」ブンブン


早坂「…また囲まれちゃったしー…どうしよね?」フーッ

柏木(もう私のライフは1……ヘタなことはできない)ゼエッ ゼエッ

眞妃「圭ちゃん側の方が無理矢理突破すれば行けそうだけど…」ハアッ ハアッ

早坂「どうだろね…」


藤原「圭ちゃん…協力プレイと行きましょうか」

圭「うん、千花姉」ザッ


ーーーーーー

風野「ほーら、またタッチだ!」パシッ

小野寺「はあ………はあ………っ」フラッ

小野寺【残りライフ3】


風野「まだまだ俺は行けるぞ、どうする小野寺」


小野寺(このまま逃げ続けても勝てない………逃げきれない…)フーッ


小野寺(何とかして時間を稼ぐ方法を………)

音楽室

ガラッ!

ザッザッ…

石上「四宮先輩がラインで言ってたのは…」チラッ

伊井野「あれじゃないの?」

石上「おう…ピアノの下……」スッ

石上「なんかデカイ箱あった!!」

伊井野「これ、数字合わせて開ける鍵だ…」

石上「実はこの鍵には何の意味もない…なんてことはなかったな」グッ グッ

石上(どうする…番号なんか分からないぞ、早く開けなきゃいけないのに……今までにヒントはあったか!?)

伊井野「石上…ピアノの上に紙がある」スッ

石上「えっ、本当だ…どうも見せてくれ」ピラッ


『最初書いた暗号を間違えて消してしまった。なのでまた間違えて消さないように、それそのものに暗号を書いた。しかし暗号はどこかに落とした。大事な暗号が落とし物になってしまった。暗号は分からなくなってしまった』

伊井野「な、なにこれ…?さっぱり意味が…」

石上(意味もない紙ではないだろう……何かのヒント………)

石上「あ!」

石上「おい、伊井野!」

伊井野「え!?なに?」ドキッ

石上「お前が拾った消しゴム見せてくれ!」

伊井野「え、これ…ただの落とし物じゃ」

石上「ああ、そういうことだよ。スリーブを外してみてくれ」

伊井野「うん…?」スポッ

伊井野「…あっ!」

石上「当たってた……」

石上「この消しゴムに暗号が書かれていたんだ!」


石上「開けるぞ…」


ガチャンッ!


伊井野「…これは…!」

石上「ついに見つけた」グッ


石上と伊井野は勇者のハリセンを手に入れた!!

ーーーーーーー

風野「ほーれっ!」ブンッ

小野寺「うっ!」サッ

風野「ギリギリ避けたな、でももうキツイだろう」ザッ

小野寺「はあ…はあ……本当、キツイですよ……」

小野寺「!」ハッ

バッ!

風野「教室に逃げ込んだな!」

ガラッ


小野寺「はあ、はあっ…」サッ
小野寺(石上からハリセン手に入ったってライン来た…急いで今の居場所を教えよう)

風野「教室に隠れたって無駄だぞ小野寺っ!」ダッ!


風野「…ほらな、すぐ見つかった…そこの机の下だ」

小野寺「…!」

小野寺(こうなったら、伏せたまま教室中の机の下を移動し続ける!)

サッ!ザザッ!

風野「…!」

風野(なるほどな、大柄な俺では追いづらい……身体が細いから出来る小回りのきく動きだ)

風野「だがそれも大した時間稼ぎにはならないぞ、すぐ捕まえる!」

小野寺(その通り…早く来て石上!)

風野「ほら、次はこっちに来るんだろ?」バッ!

小野寺「!」ピタッ

ガバッ!

小野寺「はあっ!はあっ!」

ダッ!ダッ!ダッ!

風野「立ち上がってまた逃げるか、ほーら!もう一回タッチだ!」バッ


「小野寺伏せろ!!」

小野寺「…!」ピクッ

風野「この声は!?」ハッ


小野寺は後ろから聞こえた言葉通り身体を伏せた…

その時、風野が小野寺の背後に見たのはハリセンを構えた石上の姿だった!

石上「行きますよ、先輩!」

パシイイインッ!!


風野「うおっ………やるじゃないか、石上!」ニヤッ

風野「だがシールはもう少し横だ、惜しかったな」

石上「風野団長…」ハアッ ハアッ

小野寺「ありがとう、石上…助かった」

伊井野「麗ちゃん!」ザッザッ

小野寺「伊井野…」

風野「ふっ、燃えるな…石上!小野寺!応援団の先輩後輩対決だ!!」


風野【残りライフ2】

石上【残りライフ3】
小野寺【残りライフ3】

伊井野【残りライフ4】


風野「そーれ!」ブンッ

石上(やっぱり僕を狙うか…ハリセンを持ってるからな、くそ!攻撃する隙がない!)サッ サッ

石上(ん?)


小野寺「…」チョイチョイ

石上「…!」


石上「ほらっ!」ブンッ

風野「ハリセンを後ろに投げた!?」クルッ

パシッ!

小野寺「ナイスパス石上!」ダッ!

風野「ははは、面白いことやるな!」

小野寺「えい!」ブンッ

風野「おっと、あぶなっ」サッ

ヒュッ!

石上「よしっ!」パシッ

風野「!!?」ハッ

風野(攻撃と同時に石上へパスした、俺の真後ろに居たのか石上!)

石上「そこだあ!」ビュッ

パシイイインッ!!

小野寺「はあ…はあ…」ザッ


風野「あいったあっ!!」ガクッ

石上「わっ、すんません!」ビクッ

風野「い、いや…気にするな。よくやった後輩達…」

風野「シールに直撃した」

石上「!!」

小野寺「やった!」


石上「…マトモに正面からやりあっても勝てる自信はありませんでした…」

小野寺「外れたあと石上が受け取ってくれたのは私も想定外だったですけど」

風野「そうか…本当、二人でよくやった。お前達の勝ちだ」

風野「石上も…強い男になったな!」ビッ

石上「先輩!」ビッ

風野「小野寺も、お疲れ。二人とも頑張れよ」ニッ


伊井野「やったね麗ちゃん!」

小野寺「うん、マジやったよ!マジ卍だよ!」


石上「それもうオッサンしか使ってないとか言ってなかった?小野寺」

風野「残念ながら俺は仲間にはなれないが…これを渡そう」

石上「これは…!?」

風野「応援団ハチマキだ!!」

石上「ありがとうございます!マジ卍っす!!」

アイテム 『応援団ハチマキ』
効果 一度だけ相手の攻撃を無効化できる

とりあえず今日はここまで

階段

かぐや「はっ、はっ!」ダダダッ!

白銀「はあ…はあ…!」ゼエッ ゼエッ

かぐや(会長…悲しいですが、あなたとの海デートはここまでです…)ホロリ

かぐやの脳内では海デートしていることになっていた

白銀(四宮…俺も一回くらいタッチしたかったが仕方ないか…)

ダダダッ!

かぐや「!」


石上「あ、四宮先輩!」

かぐや「石上くん、それハリセンね!渡しなさい!」

石上「あ、はい!」


パシッ!


かぐや「会長…!」クルッ

白銀「…うおっ!?」ピタッ


かぐや「ごめんなさいっ!!」
パシイイインッ!!!

白銀「痛い!結構な力入ってなかった!?」

かぐや「あ、すみません、つい…」


石上「おお、さすが先輩…一発で」



かぐや(…会長とのお遊びに終止符を自ら打つ……なんと辛い現実でしょうか)

かぐや(さようなら…私だけを狙い追ってくる洗脳騎士会長…)ポロッ

白銀「お、おい、涙なんか流してどうした四宮……ちょっと痛かったけどそこまで気にするなって…」オロオロ

ーーーーーー


藤原「圭ちゃん、手を広げて待ち受けて、ガードしててください!」

圭「うん!」バッ


柏木(か、可愛い……自ら飛び込みたい)

柏木(とか考えてる場合じゃない!)ハッ

眞妃「渚、たまごボーロ食べて!回復するのよ!」

柏木「…いや、まだ気になることもあるし。私はいいよ。取っておいて眞妃ちゃん」

眞妃「でも…!」

柏木「大丈夫、私は上手く避けるから気にしないで!集中して!」

眞妃「う、うん!」

早坂「石上くんからハリセン入手のラインが来たから…少し時間を稼げば」


藤原「さてー、三人まとめて覚悟してくださいねー!」ニコオーッ


藤原「ドーンだYO♪」ビュッ

眞妃「こわっ!」サッ

藤原「へい、タッチタッチタッチ!」ブンッブンッブンッ!

早坂「なにこれ、書記ちゃんタッチ乱舞!?」ザザッ

柏木「変な名前つけないでいいから!」


藤原「今です、圭ちゃん!後ろからダッシュで来て、その体勢のまま一気にタッチしちゃってください!」

圭「よし!」ダダダッ!


「待ちなさい!!」


圭「え、この声!」ピタッ

藤原「!!」

シュダダダッ!!


かぐや「受け取りなさい、早坂!!」

藤原「圭ちゃん、手を上に上げてガードして!ハリセン投げる気です!」

圭「…!!」バッ


かぐや「ふん!」ブンッ

シュルシュルシュルシュルシュル!!


藤原「違った、廊下を滑らせて!?」


早坂「キャッチしました」パシイッ!

藤原「う…!」


藤原「ドーンだ…」

眞妃「無駄な動きしたらボール投げるわよ」スッ
藤原「え、脅し!?」

早坂「書記ちゃん覚悟っ!☆」ブンッ

パシイイインッ!!!

藤原「リボン直撃いいぃっ!!!」ワーンッ

圭「の…残りは私だけ…?」

かぐや(さて、あとは圭を仲間にする方法ですが…)

藤原「ふー…シール外して…」ペリッ

藤原「あ、そうだ圭ちゃん」

圭「なに?」



藤原「こんにち殺法!」シュバッ

圭「こんにち殺法返し!」シュバッ



柏木「え、なに、可愛い」

白銀「おい突然どうしたお前ら」


藤原「はい、圭ちゃんアウトで仲間入りー♪」

圭「あちゃ~、いつもの癖で釣られちゃった」アハハ


藤原「圭ちゃんを仲間にする方法…それは、こんにち殺法返しさせることです!☆」ニパーッ

眞妃「そんなの分かんないわよ!?」

かぐや(あの女……自分だけにしか分からないような条件を設定して、そこまでして圭を一人占めにしたいの?なんて強欲な…)

早坂「かぐや様、顔凄いことなってますよ」

藤原「やりましたね、仲間が増えましたよかぐやさん!」ビッ

かぐや(え、藤原さん…まさか私のために…!?)

早坂「もういいですその流れ」


藤原「あと、もうひとつのハリセン分かりましたか?この階にもう一個あるんですが」

石上「え、そうなんですか?」

伊井野「気付かなかったです」

藤原「はー…結構わかりやすくしたつもりなんですけどね」

藤原「廊下に展示物と一緒に白紙の紙が貼り付けてありませんでしたか?」

かぐや「ええ…気にはなりましたが、意味のあるものなのかどうかは分からなかったので」

藤原「それと2ーB教室にガムテープあったでしょう」

眞妃「え、もしかしてあれもアイテムかなんかなの?」


藤原「そうですよ!もう分かったでしょう?白紙とガムテープ使って自分でハリセン作るやつですよ!!」

石上「それヒントくらい出しといてくれません?」

かぐや「まあ…今からそれを急ぎで取りに行きます……移動しながら私の話を聞いてください」

白銀「なんだ?四宮」

かぐや「…藤原さん、この後来るんでしょう?」

かぐや「敵の大軍が」

白銀「大軍?どういうことだ?俺は自分の役以外のことはよく知らない…」

かぐや「今のハリセンを手に入れ会長と藤原さんを仲間に入れるまでが前半戦……」

かぐや「そして、この後TG部は本格的に攻撃をしてくる流れ…違いますか?」

柏木「私も気になってた。残りの相手は槇原さん、メガ子さん、大仏さんだけになる…このままだと相手側のが圧倒的に不利」

かぐや「封鎖されていた屋上の方から人の声が結構な人数で聞こえました。そして、二階にもあった封鎖された場所…」

かぐや「屋上と二階…それぞれに新しい敵が潜んでいるのではないですか?」

白銀「…!!」

藤原「…ふ…見事ですよ、かぐやさん。それなら最初の予定よりは早く逃げられそうですね」

石上「え、当たってるんすか?」

藤原「急いで白紙とガムテープを回収しましょう!もうすぐ始まりますよ!」

かぐや「白紙はこれね」ペリッ

藤原「あ、はい!それです!」


ブッ…ザザッ…!

かぐや「!」

白銀「校内放送か!?」


槇原『聞こえるかな?勇者パーティー諸君…私は魔王の槇原こずえ』

メガ子『側近のメガ子で~す』


藤原「ついに来ましたね…」

眞妃「な…なに?」

早坂「…」

槇原『白銀、藤原、風野の洗脳は解け圭を仲間に引き入れたみたいだね…』

槇原『けど本番はここからだよ!』


槇原『今から5分後…二階の封鎖区域から30人のTG兵が押し寄せる…』

槇原『更に10分後には屋上から20人のTG兵』

かぐや「やはり敵が潜んでいましたか…」

白銀「TG兵ってなんだ、初めて聞いたぞ」

藤原「TG部に洗脳され手先とされた元秀知院戦士達です…」

石上「つまり普通に秀知院の生徒ですね」

藤原「彼等彼女等は一回の攻撃でアウトですが…さすがに数が多すぎます」

伊井野「どうすればいいんですか…?」

早坂「5分ってもうすぐだし!」

藤原「ガムテープを回収したらすぐ生徒会室へ向かい開放しましょう。もう鍵は揃っています」

かぐや「生徒会室に何かあるのですか?」

藤原「一度開放された生徒会室とそこまでの廊下はTG魔王軍の立ち入れない聖域!まずはそこに逃げ込むのです!」

白銀「なるほど、まずはそこで作戦会議だな」

石上「ハリセンも作らなきゃいけないですしね」

柏木(あと5分…もうすぐ二階から大軍が追い掛けてくる…)

柏木「…」

柏木「かぐやさん」

かぐや「はい?どうしました?」

柏木「…勇者のハリセン、私に貸してくれないかな?」

槇原『さ~て、逃げられるかなぁ?』アッハッハッハッ

メガ子『またね~』

ブツンッ…


かぐや「…柏木さん?何故ハリセンを」ボソッ

柏木「あ、今でなくていいんですけど……もしもの時は…私を真っ先に………」

かぐや「!?」
かぐや「そんなこと…!」

柏木「逃げられたらそれでいいんです、でも本当に全員で逃げられるとは限らないん…それに私はもう……」

柏木「このこと、皆にはまだ内緒で」

かぐや「…」

かぐや「…わかった、わ…」

柏木「ごめんね」


眞妃「あれ?二人して何コソコソ内緒話してんの?」

柏木「あ、なんでもないよ!」

かぐや「ええ、気になさらないでください」


早坂「…」


かぐや(昔の私なら、こんな後ろめたいような気持ちにはならなかったでしょうね…)


白銀「恐らく残りのTG部メンバー達も俺達を邪魔しに来るだろう」

石上「はい、何もなけりゃ楽なもんですけど、何か仕掛けてくるのは間違いないから5分ってのは厳しいですよ」

伊井野「こばちゃんも来るのかな…」

小野寺「うん、たぶんね」

小野寺(…石上はつばめ先輩助けたいだろうし、伊井野はまだ石上と一緒に居させてあげたい…もしもの時は私が守ってあげよう)

小野寺(両方の気を使うとか……これは優しさっていえるのかな)

ガシッ

眞妃「よし、ガムテープゲット!」パシッ

藤原「もう忘れ物はありませんね!?」

白銀「早く行こう、これだけでも時間のロスだ」

かぐや「無駄な時間を省くためにも集団行動で、迅速に生徒会室まで行きますよ!」


ーーーーーーー
四階

3ーA教室(階段目の前)


槇原「さぁて、もちろん私達が控えて居るわけだけれども」

メガ子「この近い方の道でなくて、遠回りして来るかもしれないよ?マッキー先ハイ」

槇原「それは無いね。あっちは二階の封鎖区域の近くの階段……『もしもTG部があっちに居たら、邪魔されて5分経ち敵の大軍がすぐ現れあっという間に全滅』…と奴等は考えるはず。わざわざ危険な道を選ぶ自殺行為はしないよ」

槇原「だから、かぐやパーティーはここを通る。私達はここに居ればいいわけ」

メガ子「ふーん」

槇原「それに生徒会室前にも仕掛けはしてある。ゲームは、ピンチが連続で起きてこそだよ」

大仏「…ねえ、槇原さん。私はミコちゃんと遊びたくて参加したんだけど、あと人を追い掛けるの楽しそうだからだけど」

槇原「わかってるよ、好きに狙いなよ伊井野ちゃんでも誰でも。あんたの自由な感じが好きだから幹部にした…好きにしな」

大仏「イエッサー」

大仏「ところで魔王役の口調やめたんだね」

槇原「うん、飽きた」


タッタッタッタッタ…

槇原「足音…来ーた来た~。行くよ、メガ子と大仏」ザッ!

メガ子「マッキー先ハイはまだやられちゃダメだからあまり突っ込まないでね?」

槇原「わかってるよ」

メガ子「次は私が思いっきり遊んじゃおうかな~」

階段

藤原「必ず彼女達は待ち構えています…」

白銀「四階に着いたらすぐ、作戦通りに」

かぐや「皆さん、大丈夫ですね?」

石上「はい!」



藤原「では、私から行きますね」ソー…

ダッ!


槇原「ははは、ノコノコとやっぱり来たねえ!」
バッ!


藤原「ドーン!ドーン!ドーン!ドーン!ドーン!」ビシュッビシュッビシュッビシュッビシュッ

槇原「うあ!普通にびびった!」ザザッ!

藤原「ドーンだYO♪」



槇原「…ふふ、私達を裏切るんだね、不治ワラちゃん…そして魔王の私に刃を向ける訳だ」

大仏「ドーン、なのに刃なの?」



藤原「私は…生徒会に見も心と捧げると誓ったのよ……魔王!」キラキラ

白銀「なにその口調」
石上「普段の態度からはとてもそうは見えないっすけどね」

藤原「そして、私が身を捧げて守ったかぐやさんの為にも…!!」キラキラ

かぐや「そういえばそんな設定でしたね…」
眞妃「そのキラキラなんなのよ」



柏木「ちょっと皆待ちなさーい!」

かぐや「え?」

早坂「は~…」

圭「あの…皆さん、今…急いでるのでは?」


かぐや「…」
白銀「…」
藤原「…」
石上「…」


かぐや「はっ、本当だわ!つい無駄話してた!」
白銀「このメンバーで揃うとついいつもの癖で!」
石上「僕としたことが!」

眞妃「私まで混じっちゃったじゃない!!」

藤原「くっ……こうなることが分かった上での無駄話作戦だったんですか!」

槇原「もちろんだよ、まだまだ甘いね!お見通しなんだよ」アハハハハ


早坂「1年にいいように動かされてどうするのこの生徒会」

柏木「普段から無駄話して遊んでるからだよ…」

伊井野(止めてくれなかったら私も混ざりかけた…)

メガ子「はいはい、マッキー先ハイ言ったでしょ?あまり前出ちゃダメって…魔王なんだから」

槇原「だって遊びたかった!」

メガ子「まずはこの側近にお任せあれ」ザッ


かぐや「あの人がメガ子さん…」

藤原「そうです、気を付けてください」

藤原「持ちライフは3ですが、同じく『ドーンだYO♪』を使う上に回復アイテムたまごボーロを二つ所持しています」

白銀「そして、横に広がる大仏、槇原…」

石上「時間もない、行くしかありませんよ。伊井野…行けるな?無理そうならすぐ言え、手掴んでてやるから」

伊井野「…うん」

小野寺「横には私も付いてるよ」


大仏「…」ジッ

小野寺「!」


眞妃「渚、隣にいてね…もうライフ無いんだから」

柏木「うん、ありがとう」

かぐや「私も近くに居ましょう」


メガ子「ほら、早く通らないと大軍来るよ!」


白銀(自分達からは来ず待ち構えている…当たり前か、向こうは時間を稼げさえすればいい)

早坂「そろそろ行きましょう」

かぐや「圭、まずはお願いします」

圭「はい!」ダダダッ

白銀圭
攻撃能力をもたないが、相手からも攻撃されない

メガ子「!」

ダダッ! ダダッ!


メガ子「うひゃっ!」グラッ

大仏「私達の周りを走り回ってる!」ザザッ

槇原「こっち陣形を崩すってつもりだね…!」


白銀「今だ!全員走れ!」

藤原「ドーンだYO♪!ドーンだYO♪!」

ダダダダダダッ!!

メガ子「先頭に攻撃を繰り返す不治ワラちゃんを配置か…でもね」

槇原「何あの光景面白すぎんでしょ」

メガ子「不治ワラちゃん、ドーンだYO♪返し!」ビシュッ

ビュンっ!!

メガ子「!」ハッ

メガ子「あぶない、当たるとこだった!」サッ

かぐや「攻撃はさせません…またハリセンを振るいますよ」(勇者のハリセン装備)

メガ子(攻撃の不治ワラちゃんに防御のかぐやさんか…)

槇原「いい。もう行かせよう」ピタリ

メガ子「え?」ピタッ


白銀「…動きを止めた!?」

かぐや「いいです、このまま行きましょう!」

ダダダダダッ!!

槇原「前からがダメなら、後ろから追いかければいいの」ニヤ

メガ子「確かに!」


ダダダダダダッ!!


小野寺「…あれ?」

石上「どうした?」チラッ

小野寺「伊井野が居ない!」

石上「え!?」バッ

かぐや「なんですって!?」

白銀「マジか…!」


小野寺「私が行ってみます!石上は先輩達と行ってて!」

石上「…!ヤバかったらすぐ呼べよ!」

小野寺「大丈夫!」

ダダダッ

小野寺(…まさか…大仏さん?)

大仏「ね、ほら、この教室で二人で遊ぼう?」

伊井野「こばちゃん!?わ、私だって遊びたいけど…今は無理だよ!」

伊井野「急に私だけを捕まえてどういうつもりなの!?今はあっち行かなきゃいけないの、離して!」

大仏「…私と遊んで勝てたら、行かせてあげるよ」

伊井野「え…!?」



ガラッ!

小野寺「大仏さん!」


伊井野「麗ちゃん!」

大仏「小野寺さん…一緒に遊びたいの?」

小野寺「…どういうつもり?」ザッ

大仏「…ただミコちゃんと遊びたいだけだよ、これは嘘偽りの無い本心」

小野寺「…そうだね…それも本心なんだろうけど…」

小野寺「…まあいいや…」

伊井野「…?」

小野寺「片手しか使えない伊井野と戦っても勝負は見えてるでしょ、私も混ざるよ」

大仏「うん、いいよ」

伊井野「い、急いでるのに…?」

小野寺「仕方ないよ、早く終わらせて行こう」

小野寺「心配しないで、あんただけでも皆のとこには送り届けてあげるから」

伊井野「…え?」


大仏(小野寺さん…感づいたかな)


小野寺(大仏さん…伊井野をここで負けさせるつもりだ。その理由はきっと…)

小野寺(石上がつばめ先輩の為に必死になるとこを目の前で見て………伊井野が自分の気持ちに気付いてしまう事がないようにするため)

小野寺(それも大仏さんの優しさなのは分かる…けど…)

廊下


ダダダダダッ!

白銀「…!皆止まれ!」


ーーー封鎖区城ーーー

かぐや「封鎖区域のテープが!通れないの!?」

藤原「なんで!?聞いてませんよ!?」

石上「しかも大量に付けてある!」

眞妃「どういうこと?勝手に封鎖区域に設定したの?」

柏木「けどそんなことやりだしたら何でもやり放題になっちゃうんじゃ…」

藤原「もう二人ともすぐ後ろまで来てますよ!!」


早坂「…いや、違うよこれ。よく見て!」

藤原「え?」チラッ

白銀「…おい!よく見たらこれ!」

ーーー封鎖区城ーーー

かぐや「『域』じゃなくて『城』になってるじゃないの!」

石上「引っ掛け…!?」

白銀「くっ、急いで邪魔なテープを外すぞ!」


メガ子「うふふ、私の考えた作戦に引っ掛かった~」ダダッ

槇原「気付いても遅いね!」ダダッ

メガ子「追い付いたの」
メガ子「ドーンだYO♪」バシュッ

かぐや「やらせません」ブオンッ!

ピシイインッ!

メガ子「あ、カウンターされちゃった!」

かぐや(指先は当たらなかったけど手がかすった…!私も食らったか!)

メガ子【残りライフ2】
かぐや【残りライフ3】

白銀「四宮、そろそろハリセン俺に代われ!」

かぐや「いえ、私はまだ大丈夫です。会長は皆への指示を」


藤原「ドーンだYO♪」ビュッ

槇原「ドー…」シャッ
槇原「と見せ掛けて普通タッチ!」
パシッ!

藤原「ふぎゃあっ!」

藤原【残りライフ4】

白銀「テープは全て外した、生徒会室まで全員走れ!」

石上「四宮先輩、藤原先輩、行きますよ!」


藤原「ラジャー!」ダッ

かぐや「早く行きましょう」ダッ
グイッ!

メガ子「もっと遊ぼうよ!」

かぐや「う…っ!服引っ張らないでください!」


白銀「四宮!」

早坂「あ!メガ子先輩、あなたが服引っ張るせいで前が破れて見えちゃってますよ!」バッ

かぐや「!?」

白銀「え!?」(服を凝視)

メガ子「うそ!?ごめんなさ…!」パッ


かぐや「破れてませんけどね!」ダダダッ


メガ子「うそぉ!?」

槇原「あんなのに引っ掛かってちゃダメでしょうメガ子!」


かぐや「助かったわ、早坂…ありがとう」

早坂「いえいえ」

白銀「すまん、四宮…」

かぐや「え、なにがですか?」

ダダダッ!!

白銀「生徒会室への廊下に入った!」

かぐや「残り時間は?」

柏木「あと1分半といったところですね…」

石上「もう行けるでしょう!」

藤原「ただし、鍵を使って生徒会室を開放するまでは魔王軍も普通に立ち入りできるので気を付けてください!」

ダダダッ!

眞妃「…!ねえ、生徒会室の前に何か紙が置いてあるわよ!」ピタッ

かぐや「え?」

白銀「おい、見ろ!生徒会室の扉…!」ピタッ

藤原「また私も知らない仕掛け……チェーン巻かれて錠前が取り付けられちゃってますよ!」

かぐや「一度偵察で見たときはなかったのに…なんて仕事の早い!」

柏木「この紙に問題が書いてある…4択問題がいくつか」

石上「それの答えの番号を合わせればいい、って訳ですか」


ザッ…ザッ…

早坂「…!みんな、あの人が来たよ!」



メガ子「ふふ、早くしないと私が来ちゃうよー」ザッザッ



白銀「…仕方ない、四宮、ハリセンを俺に」

かぐや「え?」
石上「会長!」

白銀「俺が時間を稼ぐ、その問題を皆で解いていてくれ!」

白銀「行くぞ!」ダッ


メガ子「じゃあ私もそろそろ本気で行こっと」スラッ

メガ子「このTGハリセンで!」シャキーンッ


かぐや「TGハリセン!?」

藤原「ついに出ましたね……勇者のハリセンを元に複製された、魔王軍の最終兵器!!」

石上「つまりただのハリセンっすね!」



『残り40秒』

眞妃「もう!何これ、めんどくさいナゾナゾばっかりじゃない!」

早坂「落ち着いて、眞妃ちゃん!」

柏木「…」

柏木(そろそろ翼くんを呼んでおこう…)



パシイ!パシインッ!

白銀「はあ、はあ!」ザッ

メガ子「会長くん…もっと本気で来ないとダメだよ。私、こう見えて…」

メガ子「この1週間、一日10回ハリセンの素振りしてきたんだから!」ドンッ!

白銀「すいませんそれ何の自慢ですか?」

ーーーーーーーー

大仏「はいタッチ!」ペシッ
伊井野「わっ!」

伊井野「えーいっ!」ブンッ

ヒョロッ…コロコロ…

大仏「そんな投げ方じゃ当たらないよミコちゃん、ライフ-1」


ポンッ!

大仏「あ!当たっちゃった…小野寺さんか」

小野寺「はあ、はあ…余所見してちゃダメだよ…」ザッ


大仏「けど小野寺さん…最初に一回ミコちゃん庇ってタッチされちゃったから残り1だよ」

小野寺「…そうだね…」


伊井野【残りライフ2】
小野寺【残りライフ1】
大仏【残りライフ2】

小野寺(どうする?このままじゃ…)


大仏「小野寺さんはもう何も出来ない、行くよミコちゃん!」ダッ

小野寺「…っ!」ダダッ

伊井野「麗ちゃん来なくていい!」

小野寺「え?」

大仏「はい、タッチ~」

伊井野「うっ!」サッ

大仏「あ、避け…」


ポンッ…


大仏「…!」ハッ

伊井野「…投げるのは下手くそだけど、手に持ったまま当てるくらいは出来るよ」

大仏「…やるじゃん、ミコちゃん」

伊井野【残りライフ1】
大仏【残りライフ1】

小野寺「…」

大仏「…そんなに、まだ負けたくないの?」

伊井野「え?…うん…」

伊井野「まだ負けたくない…皆のところに行きたい…」

大仏「…」

伊井野「もう、ライフも1しか無いし、時間もないし、無理かも知れないけど…」

大仏「…そっか…」ポリポリ


…ザザッ!

槇原『はーい、校内放送から槇原だよ!』

槇原『5分経ちましたー!来るよー!いっぱい来ちゃうよー!』


小野寺「…!しまった、時間かけすぎた!早く戻らないと大軍が」

小野寺「大仏さん、悪いけど伊井野ムリヤリにでも連れてくから!」グイッ

伊井野「わっ!」

大仏「あのね…私、槇原さんから好きにしていいって言われてたんだ」

小野寺「え?」

大仏「どうせもう私もライフ1しか無いし、残りは好きに使うよ」ザッ

大仏「生徒会室までミコちゃん誘拐する」

伊井野「え!?」

小野寺「大仏さん……ありがと」

伊井野「え?急に何でこばちゃん!?もう少しで勝てたよ!?なんで!?」

大仏「んー、何かね。たかがお遊びにそんなムキにならなくていいかなあって…ミコちゃん居なくなって私だけ残ってもつまんないし」

大仏「なので今からミコちゃんと敵対はやめました」ビッ

伊井野「そんな理由でいいの!?私けっこう楽しんでたからガックリ来たよ!」

大仏「うん、楽しんでたのにごめんね途中やめで。まあ今はそれどころじゃないよミコちゃん」

小野寺「そうだよ伊井野。大軍が来るんだからいったん避難しなきゃ。まあ、たぶん遠い方の階段から来るとは思うけど…」


大仏「…まあ、皆とゲーム楽しみたい子を無理矢理負かすのはやっぱさすがに可哀想だよね…泣かせたい訳じゃないし」ボソッ

小野寺「…ん、そりゃそうだよ」ボソッ


伊井野「ねえ、何かそこの階段から足音がするよ」

大仏「え?」

小野寺「うそ、あっちの方が封鎖区域から近いから、遠い方の階段から来るはずじゃ…」チラッ


ダダダッ!!


TG兵「おおっ、勇者パーティー発見!」ダッ!


小野寺「うそ、こっちの階段から!?」

伊井野「想定と違うよ!」

大仏「槇原さんが両方の階段から行くよう指示したのかも…!」

ーーーーーーー
生徒会室前


メガ子「それじゃ私はいったん帰るから、頑張って~」ザッザッ

白銀「はあ…帰って行ったか」


白銀「俺も手伝うぞ!」ダダッ

藤原「ありがとうございます会長!早く解かないと、もう来ちゃいますよ大軍が!」

早坂「あと二問なんだけど…」

石上(伊井野と小野寺は無事なのか!?くそ!)

眞妃「あの二人も心配よ…色々重なって思考もまとまりづらいわ」

ガヤガヤガヤ…

早坂「…複数の声が微かに聞こえてきました…」

かぐや「ええ…」

柏木「………」ガバッ


柏木「とりあえず伊井野さんと小野寺さんのことは翼くんに伝えておいたよ」

眞妃「え?」

石上「翼先輩っすか…なるほど!」

柏木「後は私の仕事…ハリセン使わせて貰います、会長」パシッ

白銀「え?」

眞妃「…待って渚。何するつもり?」

柏木「もう少しかかりそうなんでしょ?私が止めてくるよ眞妃ちゃん」

眞妃「…!?」

藤原「柏木さん!?危ないですよ!」

石上「そんな…マジですか!?」ガバッ

眞妃「私が代わりにやるわよ!」ザッ

白銀「いや、まだライフのある俺がやる!」


柏木「ありがとう。でももう決めたことだから…ごめんね」

ダッダッ!

眞妃「あ…っ!」

早坂「…行かせてあげてよう…」

眞妃「!」

かぐや「話は私が最初に聞いていました…彼女は自分から進んでその役目を志願した」

かぐや「まだ体力のある皆さんを余裕のあるまま、後半戦に向かわせるために、いざというときは自分が盾になると…」

眞妃「渚…!」

かぐや「柏木さんの気持ちを無駄にしてはいけません…」

かぐや「早く生徒会室を開放させましょう!」


ザッザッザッ

ザッザッ…



柏木「わー、すごい数…」ピタッ


ゾロゾロゾロ…
ゾロゾロゾロ…



柏木「ま…いけるとこまで、頑張ろうか」



柏木「あとは任せたよ、みんな」

ーーーーーーー

小野寺「はあっ!はあっ!」
ザッザッザッ!

伊井野「どうしよう、追い付かれちゃう!」

大仏「ミコちゃん後ろ見る暇ないよ、走って!」


TG兵「俺あの子タッチする!」

TG兵「俺だ、俺だ!」

TG兵(女)「あ、小野寺さーん」

ダッダッダッ!!

小野寺(あの人達、運動部で見覚えのある人達だ…足の速い人達を封鎖区域からは遠いこっち側の階段に来させたのか……あ、あの中に友達も居た。終わったあとラインしとこ…じゃなくて今は兎に角逃げなきゃ!)

小野寺「速い、このままじゃ…!」

伊井野「追い付かれちゃう!」

ザザザッ!
「話は渚から聞いたよ!!」

大仏「…!」

小野寺「え!?」

翼「俺は3分しか動けないけど、無敵なんだ!ここは任せてくれよっ!!」バンッ

伊井野「柏木先輩の彼氏さん!?」


翼「通さないっすよ、TG兵の皆さん!!」


大仏「ちょっとカッコいいよ?」

伊井野「ありがとうございます!」

小野寺「すいません、行かせてもらいますよ!」ダダッ


翼「任せなって!」ビシッ

翼「って、どわああ、やっぱこの数はキツい!!」

ザッザッザッザッザッ!

小野寺「あそこを曲がればっ…て、うわ!?」

伊井野「もう人がいっぱい居る!」

大仏「ここにももうTG兵…」

小野寺「せめて伊井野だけでも戻さないと…」

大仏「…小野寺さん、腕掴むよ。ミコちゃんも」グイッ

小野寺「え?」

大仏「走るよ!」ダッ

伊井野「なにっ!?」

ダッダッダッダッダッダッ!!

大仏「はいはーい、この二人、幹部の私が捕らえた子達だからどけてねー」

TG兵「え!?」
TG兵「なに、なに!?」ビクッ

伊井野「なんて無理矢理!?」

小野寺「でも悪くはない…」

伊井野「あ、あれ!見て!列の先っ」

小野寺「え?」



パシッ!パシンッ!

TG兵「いたぁい!」


柏木「一人だって通さないですよ!」ブンッ

TG兵「あの人もうライフ1なのに…!」

TG兵「もう5人やられちまった!」

柏木「はあ、はあ……もう少し耐える!」





小野寺「柏木先輩が一人で!?」

大仏「走り抜けるよ!」
グイッ

伊井野「わ!」

ダダダッ!!

TG兵「ちょっと待ちなさい…その二人捕まえたとか嘘じゃないのか?二人ともライフボール残ってるぞ」

小野寺「…!」ビクッ

大仏「ちっ…」

TG兵「裏切りは天誅!三人仲良くタッチしてやる!」バッ!

伊井野「ひゃっ!?」ビクッ

小野寺「伊井野!」ブンッ

ビシッ!

TG兵「うあ、ボールが…っ!」

伊井野「…っ!!」

小野寺【残りライフ0】

伊井野「麗ちゃんっ!!」

小野寺「いいから行って!早くっ!!」

大仏「ミコちゃん!」グイッ

伊井野「…!」ダダッ


パシインッ!!

TG兵「あうっ!」グラッ

柏木「…なんで大仏さんまで居るのかはいいや、早く行きなさい、伊井野ちゃん」フラッ

伊井野「柏木先輩…!」

柏木「走って!」


ダダダダダダッ!!

柏木「!」

翼「渚!皆は行けた!?」ザッ

柏木「うん、伊井野さんは…」


小野寺「私はアウトなりました…すんません」ザッ

柏木「いいのよ、お疲れ」


柏木「…翼くん、ちょっと私もう無理っぽいから…皆のとこにハリセン届けて、お願いね」

翼「渚…わかったよ」

ダダダッ!


TG兵「そこをどきなさーい!」バッ

柏木「…最後の一発」スッ

ブンッ!

ビシイィッ!


柏木【残りライフ0】

ーーーーーーー
生徒会室前


藤原「開放っ…成功しました!」

かぐや「やりました!」

藤原「さあ、あとは生徒会室にある『開放』看板を廊下に出してください!そうすればもう魔王軍は近寄れません!」

白銀「わかった、さっそく運ぶぞ石上!」

石上「了解です!」




ダッダッダッダッダッダッ!!

大仏「はあ…はあ……ここまででいいね、ミコちゃん…」

伊井野「こばちゃん…」

ザッザッザッ!

石上「あ、伊井野!」

白銀「無事だったのか!」

伊井野「石上、会長!」

眞妃「こっちも何とか開放成功したわ…これが看板よ、これでもう大丈夫…」

かぐや「…柏木さんと小野寺さんは…?」

伊井野「…麗ちゃんは、私を助けて…」

石上「…そうか…」

ザッ、ザッ…

翼「渚も…さっきアウトになりました」

かぐや「え!」

かぐや「そう、ですか…」グッ

眞妃「そんな…!」


翼「…これ、ハリセンです。渚が返してきてくれって」スッ

白銀「そうか…すまない、ありがとう」

大仏「…じゃあ私は魔王軍だから入れないし、ミコちゃん」

大仏「あのハリセンで私にトドメさしてよ」

伊井野「えっ」


大仏「まあまあそんな顔しない、落ち着いて?これゲームだから。アウトになるだけで終わったら普通にまた会えるから」

伊井野「あ、うん。そうだよね」


大仏「無理矢理教室に引っ張りこんでごめんね」

伊井野「ううん…」


石上「…よく分かんないけど、ほらハリセンだ…伊井野」スッ

伊井野「ん…」パシッ


伊井野「…助けてくれてありがとう、こばちゃん」

大仏「うん。ゲーム頑張ってね」


ポンッ………





勇者パーティー
柏木渚
小野寺麗
脱落

TG魔王軍幹部
大仏こばち
脱落

ーーーーーーー

生徒会室


藤原「っふ~~~…これでひと息つけますねぇ、皆さん」


どよ~~ん

眞妃「渚あ…」ウッウッ

かぐや「柏木さん…」シュンッ

石上「はあ…」

伊井野「麗ちゃん…」


藤原「え、なんですかこの空気」

白銀「こうなるのも当然だ…仲間が二人も脱落してしまったんだ」

藤原「いや、そりゃ寂しい気持ちは私も分かりますけど、さすがにリアクションがオーバーな気も…」

早坂「もう二度と会えないみたいな悲しみ方だよね…」


眞妃「なによ、あんた達は悲しくないの!?渚は身を挺して私達を守ったのよ!」ブワッ

かぐや「そうです…柏木さんは私達の恩人なんです…」グスッ

伊井野「麗ちゃん…こばちゃん…うう…」シュンッ


藤原「いやだから皆さんの気持ちは分かりますが…」


プルルル…

ピロンッ

眞妃「あ、渚から電話だ」パシッ

伊井野「こばちゃんと麗ちゃんからライン来た」

石上「小野寺から変なスタンプ送られてきた」


早坂「…」


1分後…


眞妃「え、マジで?渚10人くらい倒しちゃったの!?凄いじゃん!」アハハ

かぐや「あ、あとで私も少し話していいでしょうか?」


伊井野「あはは、こばちゃんまた面白いこと言ってる!」


早坂「見なよ、最初のお通夜みたいな空気が一瞬で消えたよ」

藤原「まあ実際TG部の部室にいるだけですからね、脱落した皆さん」

藤原「しかしまあ、二人抜けたのは確かに痛いですよね」

かぐや「そうなんです……さあ皆さん、そろそろ会議と行きましょうか」キリリッ

早坂「キリリッて…まあ調子が戻ったみたいで良かったです」


ガチャッ

圭「戻りました」タッタッ


藤原「あら、圭ちゃんおかえりなさい」

白銀「お、そういえば途中から居なかったけどどこに行ってたんだ?」

藤原「圭ちゃんには、大量のTG兵がどういう感じに校舎内に広がっているのかを軽く見てきてもらいました」

かぐや「そうなんですか…お疲れ様です」ニコッ

圭「いえ」

白銀「圭ちゃん、怪我はなかったか!?」

圭「あるわけないじゃん…何言ってんの」ボソッ

藤原「あ、ちなみにー…圭ちゃんはあくまでサポートキャラ的なポジションなので、主なメンバーである私達が全滅しちゃったらゲームオーバーですからね!」



白銀「じゃあ、まずはメンバーの現在の状態と残りの勝利条件の確認を行おう…」

眞妃「…」

白銀「っておい、四条どうした?なんか複雑そうな顔して…」

眞妃「えー、なんでもないよー?ははーっ」

石上「柏木先輩と電話してる途中から翼先輩がいかにカッコ良かったかどれだけ翼先輩を愛してるかの話になってたらしいです」ボソッ

白銀「あー…」

かぐや「ではまずは皆さん手持ちの残りライフとアイテムを見せてください」

白銀【残りライフ5】
早坂【残りライフ5】
藤原【残りライフ4】
眞妃【残りライフ4】
かぐや【残りライフ3】
石上【残りライフ3】
伊井野【残りライフ1】

アイテム
勇者のハリセン
白紙とガムテープ(勇者のハリセン)
応援団ハチマキ
たまごボーロ(二粒)
消しゴム
アイマスク・耳栓


早坂「こうして見るとアイテムの内容シュールですね」

かぐや「今その話はいいわ」

眞妃「とりあえず、まずはこのたまごボーロで誰かのライフ回復しとかない?こっから食べる余裕あるか分からないし」スッ

かぐや「そうですね」

藤原「たまごボーロが回復アイテムとか笑えますよね!」アハハ

石上「考えたのあんたらでしょうが」

白銀「まあ…回復した方がいいのはやはり伊井野じゃないか?」

伊井野「え?」

石上「まあ、そうっすよね」

伊井野「いえ、私はいいです!他の人にあげてください!」

石上「遠慮するこた無いだろ」

伊井野「別に遠慮なんかしてないわよ!」

伊井野「四宮先輩が食べた方がいいです!」

かぐや「うーん、でも伊井野さん残り1でしょう…本当にいいの?」

白銀「せめて1個でも…」

伊井野「いえ…他の人が使った方が!」

石上「あーもう…なに頑固になってんだこいつは…ほら」ポンッ

伊井野「え?」

石上「風野団長からもらった応援団ハチマキ…攻撃一回だけ防げるってものらしい。せめてこれ付けとけよ」

石上「それなら文句はないだろ?」

伊井野「…うん…」

かぐや「…では決まりね」

白銀「じゃあ、四宮…」

かぐや「はい。私が1つ貰います。あと1個は石上くんに」

石上「え、いいんですか?」

かぐや「いいですよ、食べてください」

圭「あ、伊井野さん…ですよね?」

伊井野「うん。どうしたの?」

圭「さっき偵察しに出た時、大仏さんと小野寺さんに会って…大仏さんからこれを渡しといて欲しいと」

伊井野「これは…?」

藤原「おお、それは風紀委員タスキ!」

石上「それもアイテムなんすか?」

藤原「はい、大仏さんを倒した後に貰えるボーナスアイテムだったんですよ。予定と違う行動取ったんで渡す暇がなかったんでしょうね」

藤原「攻撃手段を持てないミコちゃん専用に考えられた装備で、それを付けていればゲーム中だろうが風紀委員の権限を行使できます!」

伊井野「え…」

藤原「校則違反、またはゲームルールに違反する行為をしている生徒には無敵になり問答無用でアウトにさせることができるんです!」

伊井野「そんなものが用意されてたんだ…」

藤原「ああ、でも学校使ってゲームしてること自体は違反にはならないからね?校長からも許可貰ってるからね?」

伊井野「あ、はい…気を付けます」

石上「線引きはちゃんとしろよ本当」

伊井野「あんたに言われなくても分かってるし」


石上「…よし。会長、ハリセン作っときました」

白銀「おう、サンキューな石上」

眞妃「ハリセンは誰が持つ?」

早坂「会長とかぐやさんでいいんじゃないかな?」

藤原「そうですね、やはりリーダーたる人物が持つべきです!」

白銀「ふ…わかった。俺に任せろ」

藤原「…ねえ会長、さすがにハリセンの振り方が分からないなんてことは無いですね?」

白銀「さすがにねえよ!さっきちゃんと使ってただろ!」

かぐや「ではもう1本は私が貰いますね」


かぐや(会長とお揃い…嬉しい…//)

白銀(ふふ…四宮とお揃いか…)

藤原「それとね、ミコちゃん。実はTG兵志願生徒用にもルールマニュアルがあって……違反行為や、やっちゃいけないことも書いてあるの。見せたげるから覚えとくといいよ」

伊井野「ありがとうございます藤原先輩!」

白銀「珍しくちゃんと先輩っぽい」

藤原「ゲームに乗じて気が緩んだりやりたい放題になる人も居るだろうから結構取り締まり対象は出ると思うよ。遊びとはいえ最低限のモラルは…」

石上「じゃあまずはTG部を取り締まりましょうか」

藤原「…」

石上「冗談ですよ、真顔で見ないでください」

かぐや「まあそれは置いといて、会議を続けましょう」

白銀「残りの勝利条件…魔王の撃破と、子安つばめ先輩の救出か」

眞妃「ねえ、最初にステージ走って偵察しに回った時は小安先輩の手掛かりはなかったの?」

かぐや「ええ、残念ながらそれらしいものは」

早坂「まあ、とりあえず開放された元封鎖区域に調べに行ってみるのがいいでしょうね」

かぐや「ですね、屋上も怪しいです…」

石上「いや、こんな季節で寒い外の屋上に何時間も放置させる事はしないと思いますよ。TG部は何考えてるか分からない変人の集まりですがそこまで人の道を外れては居ないでしょう」

藤原「石上くん、もうちょい優しい言い方できないの?」

かぐや「そうですね…確かに石上くんの言う通りです。まあ一応確認はしてみますが」

藤原「ま、私は子安つばめ先輩の事については一切ヒント出しませんので。土下座されたって出しませんよ!」

石上「わかってますよ、そういうゲームですからね。あと土下座なんかしないっす」

白銀「そういえば、ハリセンもあと1つどこかにあるんだよな…」

藤原「それも私は教えませんよ!」

かぐや「まあ、ハリセンは余裕があれば探す方向で行きましょう」


かぐや「…では、圭がこの地図にTG兵の見張り場所を記してくれました」

圭「全部は覚えきれませんでしたが…」

かぐや「いいんですよ、ありがとうございます」

白銀「お手柄だぞ圭ちゃん」

早坂「まあ、もちろんTG兵も移動はするでしょうが…だいたいの目安にはなりますよね。ありがたいです」

眞妃「それで、どういう風に攻略していくの?」

かぐや「二手に分かれましょう」


かぐや「TG兵を一人一人全て相手にしている暇はありません。二手に分かれ勝利条件の達成のみを目指します」

白銀「なるほど、魔王撃破組と子安つばめ救出組に分かれるのか」

かぐや「はい、私は子安つばめ救出を担当しようと思います。あとは石上くんも…」

白銀「ん、そうか…なら俺が魔王撃破組だな」

かぐや「はい、お願いします」

かぐや(本当は会長と一緒が良かったですが仕方ありませんね……石上くんの面倒も見てやらなければなりませんし)

白銀「…ということは、ノーリスクで攻撃ができる藤原も俺の方に来た方がいいのか」

かぐや「…」スッ


かぐや「はい、もちろんです。魔王の撃破が目的ですからね。頼みましたよ藤原さん」

早坂(ルーティーンしながら答えた…心の中じゃ『私が一緒に行きたかったー!!』とか言ってるんだろうな)

かぐや「あとは…」

伊井野「あ、私はつばめ先輩救出の方でお願いします」

かぐや「え!?」

藤原「…」

眞妃「ちょっ、あんた…本当にそっちでいいの?」

伊井野「はい。私には魔王撃破に必要な力が無いので…効率的に考えれば私はつばめ先輩救出の方がいいと思います」

かぐや「まあ…そうなんですけどね」

石上「伊井野の言う通りですよ先輩。風紀委員の権限を行使させるなら、魔王撃破に向かわせるよりは別のことやらせた方がいいです」

眞妃(優の奴は…いい加減伊井野ちゃんの気持ちに気付けばいいのに…)

かぐや「…貴女が自ら志願するなら、つばめ先輩救出組に入れますよ。いいですね?」

伊井野「はい」

会議は進み…

かぐや「では、決まりましたね」

『魔王撃破組』
白銀御行【残りライフ5】
装備:勇者のハリセン

藤原千花【残りライフ4】
必殺技:ドーンだYO♪

早坂愛【残りライフ5】

白銀圭【サポート】


『つばめ姫救出組』
四宮かぐや【残りライフ4】
装備:勇者のハリセン

石上優【残りライフ4】

四条眞妃【残りライフ4】

伊井野ミコ【残りライフ1】
装備:応援団ハチマキ、風紀委員タスキ



白銀「俺たち魔王撃破組は…まず圭ちゃんが偵察し、なるべく無駄な戦闘を避けライフを温存しながら魔王のみを目指す」

藤原「早坂さんは援護をお願いします!圭ちゃんも頑張ってね!」

圭「うん」

早坂「了解ー」ビッ


かぐや「私達子安つばめ救出組は二階の元封鎖区域だった場所へ入り、そこから手掛かりを探します。TG兵との戦闘が多くなるかもしれません、周りにしっかり気を配るように」

石上「はい!」

伊井野「はい!」

眞妃「あと何かあるごとに連絡もちゃんとするように!」

藤原「さあ、次が本当に最後の戦いですよ」

白銀「そうだな………ところで藤原」

白銀「このマントもう外してもいい?動きづらいんだよね」

藤原「ああ、それもう外しちゃっていいですよ?てかまだ付けてたんですね」


伊井野「…石上、ハチマキ付けて」

石上「はいはい、ジッとしてろよ」




白銀「よし、皆…準備はいいか?」

圭「ん」

眞妃「OKよ、御行!」

早坂「いつでも行けるよ」



かぐや「では、それぞれのチームに分かれ………行きますよ」

藤原「いざ、出陣!」


ガチャッ…

『つばめ姫救出組』

ザッ… ザッ…


かぐや「あそこの階段までに見張りのTG兵が二人居ます」

眞妃「あとは圭ちゃんの報告によるとそこの教室の中に一人居るらしいわね…伊井野は私と一緒に走るわよ」

伊井野「はい」

石上「では、僕から行きますんで」ザッ!

かぐや「任せたわよ、石上くん」


石上(まずは僕が全力で階段まで走り抜ける!)ダンッ!


シュダダダダダッ!!


TG兵「おい、誰か走ってきた!」バッ

TG兵「捕まえるわよ!」ダッ


石上(無理矢理突破する!)ダダダッ!!

TG兵「きゃっ!?」

TG兵「くそ、速い…追うよ!」



ダダッ!

かぐや(そして見張り二人が石上くんに気をとられている隙に後ろから近付き)シュタッ!


TG兵「え?」バッ


かぐや(一気に倒す!)

パシンッ! パシイッ!

TG兵「きゃあ!」

TG兵「後ろから!?」


眞妃「行くわよ!」グイッ

伊井野「はい!」

ザッザッザッ!

眞妃「教室の中を警戒…」チラッ

伊井野「あ!」


教室内

TG兵「~♪」ピコピコ


伊井野「携帯ゲーム禁止っ!」ガララッ!

TG兵「はうあっ!」ビクッ

ザッザッザッザッザッ!!

TG兵「あそこ、勇者パーティーだよ!」
TG兵「追えー!」

ザッザッザッ!


眞妃「やば、もう他の奴等が来た!」

石上「大丈夫です、階段まで来れば…!」

伊井野「うん。私が階段に居れば相手は手が出せない」

ザッザッ……

かぐや「揃いましたね。さ…二階を目指しましょう」


TG兵「くそ、伊井野さん居るから階段に行けない!」

カツッ…カツッ…

眞妃「二階に着いたらすぐに元封鎖区域まで…あなたが場所はよく知ってるわよね?」

かぐや「ええ、案内は任せてください」

石上「そこにヒントでもあればいいんですけどね」

伊井野「…」


眞妃「よし、二階に到着!」ザッ

かぐや「まずは廊下の様子を……」チラッ

石上「TG兵が二人居ますね」

伊井野「何か食べてる」


パクッ パクッ

TG兵「勉強サボれて遊べるとかマジ最高だよなー」バリッ

TG兵「休憩名義の食事ならOKだから好きなときに菓子食っても怒られないし…あー美味かった」ポイッ

TG兵「えー、廊下にゴミ捨てんの?」

TG兵「TG部や関係者が後で見回りや掃除すんだからいいだろ」

TG兵「あははー確かに」


かぐや「…ええ…」

眞妃「さすがに無いわあれ」

石上「…」イラッ


伊井野「コラー!ポイ捨ては禁止です!人が後で掃除するなら何しても良いんですか!?」
ザッザッザッ!

TG兵「あ?なんだよこのチビ」

TG兵「いいだろ今は遊びなんだからー、細かいこと言うなよ」

伊井野「風紀委員の権限で二人は退場です」

TG兵「は?ざっけんな」ギロッ
TG兵「マジざっけんな」ドンッ!(壁パン)

伊井野「うっ」ビクッ



石上「お前らがざっけんな」ブンッ!

パシインッ!!
パシインッ!!

「あいたーっ!!」

かぐや「私からハリセン借りてどうすらかと思えばやっぱりね…あの子」

眞妃「まったく、本当に居るのねこういうの」ザッザッ

伊井野「…石上、藤原先輩に連絡お願い」

石上「ん?いいけどなんだ」

伊井野「先輩から見せてもらったルールマニュアルに度の過ぎる違反者は見つけ次第報告して魔王送りと書かれてたから」

かぐや「魔王送り!?」

伊井野「槇原さん直々に後で罰を与えるの」フフ…

石上「え、なにそれ怖い…」


TG兵「ひえ~、そ、それだけは勘弁してくれえ~」
TG兵「魔王送りだけは嫌だアァ……」


眞妃「怖がられ過ぎでしょ槇原…」

石上「いったい何されちゃうんでしょうね…」

伊井野「…石上、さっきは、ありがとう…」

石上「ん?おう…まあ今のは完全にあいつらが悪いしな」

石上「しかし風紀委員モードのお前は敵だと厄介だが味方だと頼りになるな」

伊井野「何それ、じゃあ普段からちゃんとしなよ石上も」

石上「俺は俺の好きに生きる」

伊井野「それでゲームとか別にかっこよくないから」

眞妃「はいはい、そろそろストップ。あんま喋ってると他の敵にバレちゃうから」

かぐや「もうすぐ封鎖区域ですよ。周りに気を付けて進みましょうね」ザッ

ザッザッザッ…

石上「お、これは……こんなとこにあったのか」

眞妃「ん?どうしたの優」

石上「いえ、何でも」サッ

伊井野「…?」


かぐや「そこの封鎖区域までの廊下に三人の見張り…さてどうしましょうか」

眞妃「私に任せなさいよ…これを使うわ」スッ

かぐや「…み、耳栓…?」

石上「ツンデレ…先輩…?」

伊井野「……え?」

眞妃「何その、この人なに言ってんだろうみたいな顔は!ちゃんと考えあるんだから見てなさい!」


眞妃「ほいっ」ポイッ

コロコロ………


TG兵「ん?」

TG兵「なんだ?」

TG兵「警戒しながら行ってみよう」

ザッザッザッ…

かぐや「なるほど、敵を引き寄せるため…!」

伊井野「そういう使い方が!」

石上「さすがです、成績3位は伊達じゃないっすね!」

眞妃「べっ、別に褒めたって何も出ないんだからね!」テレッ


TG兵「…なんだこれ」スッ

TG兵「耳栓?」


かぐや(今!)シュタッ

TG兵「え?」

パアンッ!
パシインッ!!

かぐや(よし、二人はやった…)


TG兵「やっぱり陰に隠れてたね!」ダダッ

かぐや(あとは残る一人!)ビュンッ!!

TG兵「おっと!」サッ

かぐや(避けられた!?やはりTG兵にも強い人が混じっている…)


石上「四宮先輩、援護します!」ザザッ!

かぐや「え?」

石上「ほら、これやるよ!」ブンッ


ベタアッ!!

TG兵「…へ?」

リアルヘビ人形、再びっ!


TG兵「ぎゃあああ!ヘビいっ!?」


伊井野「あれは!?石上が拾ってたのはあれ!?」

眞妃「あのヘビ人形まだ二階にあったんだ!」


石上「どうだ!」

かぐや「きゃあああああっ!?!?!?」

石上「いや、四宮先輩までビビらないでください!あれ人形です、今のうちに」

かぐや「あ…人形なの…?」ホッ


かぐや「えいっ!」ペシンッ

TG兵「うあ!」


眞妃「よし、これで先に進めるわね!」ザッ


TG兵「ふっ…負けたぜ、少年……先に進めよ」ニヤッ

石上「あ…はい、どうも。進ませてもらいます」

ザッザッザッ…

かぐや「やはりこの封鎖区域だった場所にも入れるようになっていますね」

眞妃「見た感じ見張りも居なさそうね」

石上「でも、一応警戒して行きましょう」

伊井野「あ、皆さん待ってください」

石上「え?」

かぐや「あれは…!?」




カレン「~~~」
エリカ「~~~」



眞妃「カレンにエリカ!?」

石上「またあの人たちですか…敵、なんすかね?」

かぐや「分からないわね…」

かぐや「とりあえずゆっくり近付いてみるわ、何かあれば援護をお願い」スッ

石上「了解です」

伊井野「気を付けて」

眞妃「しかしあの二人特に周りを警戒してる感じは無いのよね…」


ソロ~………

かぐや「…」ソー


エリカ「でねカレン!昨日もTG部と子供作ってて!」
カレン「その言い方はいかがわしいのでやめて欲しいですわエリカ」



かぐや(二人とも会話に夢中で気付いていませんね…もう少し近付いてみます)スッ


カレン「ん?」ピクッ

かぐや(まずい、気づかれた!?)ピクッ

この時、かぐやは…

かぐや「えーいっ!」パシイッ!!

防衛本能から反射的に攻撃してしまっていた!!

カレン「痛いですわあっ!!」

エリカ「敵襲ーっ!?」

カレン「誰っ!?誰ですの!?」グルンッ

カレン「はうあっ!かぐや様っ!?」

エリカ「えっ、かぐや様からのハリセン攻撃!?ズルいわエリカ!!」



かぐや「あ…すみません、つい反射的に攻撃してしまいましたがもしかして魔王軍側の人では無いですか?」


カレン「魔王軍側です!けど今回は戦いでなく説明役なのです」

石上「へー、説明役…」

眞妃「あんた達も大変ね色々と」

かぐや「それは失礼しました、いきなり叩いてしまい…」

カレン「いえいえお気になさらず。むしろ光栄ですわ」

エリカ「かぐや様、私のことも叩いてくださいまし…」

かぐや「え………遠慮します……」

エリカ「私には叩く価値もないと…!!」ガクッ

かぐや「誰もそんなこと言ってませんよ!?」

石上「先輩、この人達に乗ってたら永遠に脱線し続けそうなんでそろそろストップしましょう」

眞妃「…で、二人は説明役と言っていたけれど、どういうこと?」

カレン「ええ、説明いたしましょう!」

エリカ「実は私達はここの部屋に閉じ込められていた子安つばめ先輩…つばめ姫の監視役を任されていたのよ」

石上「え、つばめ先輩がここに!?」

エリカ「そう…だけどね」

カレン「私達はつばめ姫に倒され、彼女を逃がしてしまった…」

カレン「という設定なのです」

石上「あ、はい」

エリカ「でもさっきまで居たのは本当よ」

カレン「封鎖区域が開放された隙をつき、つばめ姫は外へ逃れたのです」

カレン「彼女は刺客も振り払いひたすら走りました」

カレン「そしてすれ違いに現れる勇者かくや様と仲間達…」

エリカ「巡り合わせてくれないだなんて、神様はなんと意地悪なのか…」

カレン「つばめ姫はただ走るのです………悪の手先から逃げながら」

エリカ「自由を…求めて……」


石上「…」

カレン「説明終わりですわ」

石上「あ!途中の台詞からも全部ですか!?」

カレン「そうですわ」

カレン「ちなみにもう一度最初から説明を聞くことも出来ますが」

かぐや「いえ、充分ですよ。ありがとうございます」

眞妃「うーん、ちょっと待って。てことはさ…」

眞妃「子安つばめ先輩、どっかで逃げたり隠れたりしてるって事だよね?」

伊井野「じゃあ、…逃げて回ってるつばめ先輩を探さなきゃならないってこと?」

石上「…そういうことだよな。これ、もしかして難しいんじゃないか…?どこに居るのか、どう予想してったらいいんだ」

エリカ「それと『助ける』と言ってもただ見つけるだけじゃダメだよ。その後『聖域』に連れていく必要があるの」

エリカ「悪魔を寄せ付けない、聖域……」

石上「聖域…」

カレン「説明②終わりですわ」

眞妃「あ、うん。ありがとう」

かぐや「…石上くん、子安つばめ先輩を助けるには、少し骨が折れそうですよ」

石上「ええ。ですがやりますよ」

石上「必ず僕が見つけ出してみせます」

伊井野「…」

いったん今日はここまで

>>204

訂正

× ズルいわエリカ
○ ズルいわカレン

ーーーーーーー

『魔王撃破組』

ピロンッ

「放送室近くから槇原さんらしき声あり」


白銀「お、妹から連絡来たぞ……放送室近くから槇原らしき声あり、と」

藤原「マッキー先ハイの事ですから、わざとそういう情報を漏らした可能性もあります。慎重に行きましょう」

早坂「そーだね」

ピロンッ

「あと帰りモヤシ買っといて」


白銀「あと帰りにモヤシか…」

早坂「それは今は関係ないね」

藤原「白銀家の食料事情は今は置いといて…さあ行きますよ!」ザッ


ダッダッダッ!!


TG兵「来た、白銀会長と藤原さんだぞ!一緒に遊べて光栄だ!」

TG兵「やだサイン欲しい!」


藤原「サインは後でっ!」ドーンダyo!


白銀「悪いな、あんまり遊んでる余裕ない!」パシンッ!

TG兵「ああっ!」ドサッ

TG兵「後でくださいよっ!」ドサッ


TG兵「タッチ!タッチ!」ブンッブンッ
(可愛い子に触りたい!)

早坂「そんな下心丸出しで来られても困るし~…」サッ サッ

藤原「へい、後ろからドーンッ!!」ビシュッ

TG兵「うあっ!しまった!」


白銀「よし、他のTG兵が来る前に早く行こう!」

藤原「ですね!」

ザッ、ザッ…

早坂「っ!みんなストップ!」ザザッ

白銀「あの人は!」ザッ


メガ子「はい、メガ子でーす。圭ちゃんは抑えたよー」フリフリ

白銀「なんだと!?」

藤原「え?ルール上圭ちゃんへの攻撃行動は禁止されているはず!?」

メガ子「さて、どうやったのでしょうか?」

早坂「嘘をついてるという可能性は?」

藤原「あり得る!」

メガ子「それが嘘じゃないんだよね。待っててあげるから電話してみなよ」


白銀「…繋がらない、圭ちゃん!」

藤原「ええ!?」

早坂「くっ、誘拐は犯罪ですよ!」


メガ子「誘拐はしてないよ!」ガビーン


藤原「しかし、マッキー先ハイとメガ子がルールを破るとは思えません…」

白銀「…」

白銀(実力行使以外で圭ちゃんを捕らえる方法……考えろ、圭ちゃん自らが閉じ込められにでも行ったというのか…?)

白銀(…ん…圭ちゃんから、閉じ込められに…?)ハッ

白銀「…そういうことか、分かったぞ」

メガ子「さすがは会長くん。助けに行きたいなら通ってみなよ」スチャッ(ハリセン)

白銀「ああ、妹は俺が助ける!」ダダッ


藤原「会長の邪魔はさせません!ドーンだYO♪!」ビシュッ

メガ子「わわっ」サッ

早坂「私も助太刀するよ、書記ちゃん」ザッ

藤原「はい!」


白銀「ありがとう二人とも!俺は妹のところへ行く!!」
ザッザッザッ!

メガ子「あ~、逃がしちゃったあ」

メガ子(…計画通りだけど)フフ

白銀「はあ、はあ……む、あのスマホは!?」

ザザッ!

白銀「化学室の前に…圭ちゃんのスマホ…この中か」

ガッ!ガッ!

白銀「くそっ、やっぱり鍵が閉まっている、開かない!」

ガチャッ、ガラッ!!
??「ウルサーイですヨ」

白銀「え?」

グイッ!

白銀「おわっ!?」

バタンッ!ガチャッ!

白銀「化学室の中に…連れ込まれちまった…」ハアッハアッ

圭「お兄っ!」ザッザッ

白銀「圭ちゃん!?やっぱり居た…」

??「ふふふ、ココは私専用のバトルフィールド…私にカツまでは逃げられマセン!!」ザッ

白銀「…もう、俺は…どうツッこんでいいのか分からないですよ……」



白銀「なんで校長が居るんですか!?」ガバッ

校長「私ガTG兵リーダーだカラです。生徒とゲームをエンジョイする…それも学園の長トシテ必要なことではナイデショウカ」

白銀「ええぇ!?」

校長「ココは一度入レバ私をタオスマデ逃げられナイ……白銀圭さんも先程ココへ侵入シテシマイ、戦えるパワーもナッシングな為に出られなくなってシマッタノデス」

校長「ここへ誘導シタノハ槇原こずえサンでしたガ…」

圭「…ごめん、槇原さん見つけたから追い掛けてたら…」

白銀「いや、気にするな、仕方ない…」

白銀(なるほど、校長の専用ルールを利用したのか)

白銀「妹のスマホを奪い化学室の前に置いたのは…連絡を取らせないため…」

校長「ノーです。ソレハ他の方ガ助けに来ルとき分カリヤスイヨウニという配慮デス」

白銀「あ、単純に優しさですか」

校長「サア、圭サンを助け仲間タチノ元へ行きたけレバ…貴方は私を越えルしかナイ…」ザッ

校長「来なサイ、生徒会長としてコノ学園の長デアル私を…超えてミナサイ!」ドンッ

白銀「…!やるしかないようですね」

圭「でも目上な立場の校長を叩くとかやりにくくない?」

白銀「それ言わないでくれ!」

白銀(圭ちゃんの言う通りだ…校長相手にビシバシ叩くのはやりづらい)

白銀(まあ、手足でも狙うか、まだ叩きやすいとこ…)

校長「チナミニ私は他のTG兵と同じく一度のダメージでアウトですが…1つダケ違うトコロがアリマス」

白銀「え?」



校長「私にダメージを与エルにはハリセンで頭を叩く必要がアリマスっ!!」バアーンっ!


白銀(一番狙いにくいところをををーーっ!!?)


廊下


藤原「ドーンッ!」ビシュッ

メガ子「えいっ!」


パシンッ!

藤原「あう、当たっちゃった…!」

早坂「ふっ!!」ブンッ

(早坂のライフボール)
ポコンッ!

メガ子「しまった、ガードが遅れちゃった!」ザッ


藤原【残りライフ3】
早坂【残りライフ4】

メガ子【残りライフ2】
+たまごボーロ一粒

メガ子(う~ん、まだ負けるわけにはいかないしなぁ)

メガ子「もういいかな、撤退!」ダダッ!


藤原「あっ、撤退しちゃうんですか!?」バッ

早坂「書記ちゃん追い掛けてる暇ないよ、TG兵10人くらい来た!!」

藤原「ひえっ!?」

┣¨┣¨┣¨┣¨ドッ!!


藤原「会長と圭ちゃんも心配ですが、仕方ありません!いったん逃げましょう!!」ダダッ

早坂「うん、結構真面目にヤバイ!」ダダダッ






ーーーーーーー

槇原「メガ子から連絡ぅ~。会長くん隔離には成功」

槇原「あと狙うは、四宮かぐや…だね」
ザッザッザッ

『つばめ姫救出組』

二階

ザッザッザッ

眞妃「このまま子安つばめを探すために部屋を一つ一つ確認して回るわけ?そんなことしてたらTG兵に追い回されて私達がいずれピンチになるわよ」

かぐや「そうなんですよね、私達の体力的にも他のやり方を考えた方がいいでしょう」

伊井野「つばめ先輩の逃げたコースを予想するんですか?」

眞妃「うーん」

石上「あの…先輩、1つ気になってることがありまして」

かぐや「石上くん、どうしたの?」

石上「さっきマスメディア部の方々から聞いた説明で……後半の意味無さそうな台詞も含め『説明』と言っていたんですよ」

かぐや「言ってましたね」

石上「その僕が意味の無いと思ってた台詞が…実はつばめ先輩の居場所のヒントだったりしませんかね?」

眞妃「でもさ、つばめ先輩の意思で逃げてるんならカレン達もヒントなんか出しようが無いんじゃ…」

石上「魔王軍側から逃げかたの指示は受けてるかも知れません」

眞妃「ん、まあ確かに」

伊井野「でもヒントと言っても…よくわからないんだけど」

かぐや「…闇雲に歩き回るだけもよくありません。少し考えてみましょうか」

意味無さそうな台詞①
つばめ姫はただ走るのです………悪の手先から逃げながら
自由を…求めて……

かぐや(これは単純に子安つばめ自身のゲーム中に置かれた立場の説明の気がするけれど…)

意味無さそうな台詞②
そしてすれ違いに現れる勇者かぐや様と仲間達…

かぐや(すれ違いに現れる私達、そう…私達が来たときには居なかった)

意味無さそうな台詞③
巡り合わせてくれないだなんて、神様はなんと意地悪なのか…

かぐや(神様の意地悪で巡り会えない……神様………神様って?何かを指している言葉かしら)

かぐや「…ねえ石上くん。このゲームに神様が居るとしたら誰だと思う?」

石上「はい?まあ製作者じゃないですか?神様なら」


かぐや(…ゲームの製作者?)

その時、かぐやは1つの答えを閃いた!

「ゲームの製作者の意地悪で巡り会えない子安つばめと勇者パーティー」

かぐや「…まさか、そういうこと!?」ハッ

かぐや「…大事なことを忘れていた、これはゲームでした。お遊びなんですよね…」

かぐや「つばめ姫が魔王軍に捕まり逃げている、なんていうのはあくまでも設定上の話に過ぎない」

石上「どういうことですか?」

眞妃「何か閃いたのね?」

かぐや「はい。恐らくTG部が子安つばめに対して行っている指示は『魔王軍から逃げること』ではありません」

かぐや「『勇者パーティーから逃げること』です」


石上「え…僕たちから!?」

眞妃「なんで!?」

かぐや「理由は単純ですよ。そちらの方がすぐに見付からないし面白いからです。TG部側からしても、子安つばめにとっても」


伊井野「た、確かに…自分がつばめ先輩の立場だったら、私も…魔王軍から逃げるより自分を必死に探そうとしている勇者パーティーから逃げる方が楽しいかも」

眞妃「まあね、確かにスリルあって面白そう」

石上「…そうか。楽しい事したい人達の集まりだから、つばめ先輩も楽しめるようにしている可能性がありますね」

かぐや「そうですよ…だとしたら厄介です。こちらも考えながら行かなければ」


ーーーーーー

タッタッタッ……

ササッ


つばめ(TG兵役の子から連絡来た……かぐやパーティー二階、白銀パーティーが三階…)

つばめ(ふふ、自分を探そうとしてくれてる子達から逃げるってのも面白いね)

二階 廊下

石上「だとしたら、どうしますか…?」

かぐや「…勇者パーティーから逃げるには全体の状況を知る必要があります。つまり彼女はTG部や、TG兵役の人達から連絡を受けつつ逃げている可能性が高い」

伊井野「そんなのどうしたら…!」

かぐや「だとすれば、今恐らく子安つばめは二階と三階には居ない。二階には私達、三階には会長達が居ます」

石上「…!だとしたら…四階!?」

眞妃「逃げにくい屋上には行かないでしょうからね。その可能性が高いわ」

かぐや「…では、子安つばめを追い掛けてに行きましょうか、石上くん」

石上「はい!」

伊井野「…」

かぐや「私はあっちの階段から四階へ上がります。石上くん達は反対側の階段から上がってください。四階で挟み撃ちにします」

石上「…助ける人を挟み撃ちって変な…」

石上「え、一人で行くつもりですか!?」

伊井野「危ないですよ!」

かぐや「大丈夫よ、ハリセンあるから。私をなめないでちょうだい。それに二階の敵は少なくなったし…一直線に四階を目指せばいいだけ」

眞妃「それでもさあ…充分に危ないでしょ」

石上「…」

かぐや「いざとなれば生徒会室に逃げ込みますよ。心配いりません」ニコ

石上「…四宮先輩、わかりました。そちらは任せます」

伊井野「!」

眞妃「もう、ちゃんと帰ってきなさいよ!」

石上「無事で!」

伊井野「気を付けてください!」


かぐや「ええ…皆さんも無事で」タッ





ザッ…

槇原「ふふ、一人になってくれた。ラッキー♪」

階段

タッタッタッ…

伊井野「何回も階段上り下りしてると疲れてくる…」

石上「大丈夫かよ」グッ

伊井野「…ん、まあ…大丈夫…」



眞妃「とりあえず、つばめ先輩の事は皆にラインで伝えておいたわよ」

石上「ありがとうございます。あとは四階を目指して…」

眞妃「ん、藤原さんからラインが…」

ザザッ!

メガ子『放送室から魔王軍がお伝えしまーす』


眞妃「え!?」バッ

石上「なんだ…?」


メガ子『トラップルームが開放されました~。一度入ったら条件を満たすまでは出られない怖い部屋です。皆さん気を付けてくださいねー』


伊井野「トラップルーム!?」

石上「そんなものまで…」

眞妃「本格的に潰しに掛かってきてるわね」

ーーーーーー
その頃の会長

白銀「え、トラップだったのここ!」

校長「そうデース、バトル・ザ・校長トラップでアリマス」

ーーーーーー
三階

藤原「はあ……何とか、TG兵撒けましたね。とりあえず会長・圭ちゃんとはぐれてしまったことはラインで皆に伝えておきました」

早坂「うん……それにしてもさっきの放送…トラップルームて」

藤原「私も知りませんでした…まあ教えちゃったら私にトラップ効かなくなっちゃいますからね…恐らく圭ちゃんは」

早坂「うん、そこに捕まったのかも…もしかしたら会長さんも」

藤原「困りましたね…」

ーーーーーー

かぐや「…トラップルームですか…面倒な」タッ タッ

かぐや「…ところで後ろの貴女、レディの後をしつこくつけるのは感心しないわね」

ピタッ…
槇原「あちゃ~…バレてたか」

かぐや「何が目的ですか?」

四階
階段前

槇原「バレちゃったら仕方ないな…」スラリ

槇原「私も本気で行っちゃお!」シャキーンッ


かぐや「TGハリセンですか…」スッ

槇原「そう。勇者のハリセンを元に複製された最終へい…」

かぐや「あ、説明は結構です。聞いたので」


槇原「なら始めようかっ♪」タンッ

かぐや「ふっ!」ブンッ

パシイイイッン!!!


かぐや(仕方ありません…子安つばめの方は任せましたよ、石上くん)ザッ


ーーー
四階
反対側の階段前

伊井野「着きましたね…」

眞妃「つばめ先輩を追うわよ!」

石上「はい!」ダッ

石上「教室に待ち伏せが居るかも…」クルッ


イチャイチャ
TG兵「あ、廊下に勇者パーティー居るわよ」ギュッ
TG兵「本当だね、じゃあ続きはまた後で…」チュッ

ガラッ!!
伊井野「不純異性交遊!!」ビシイッ


眞妃「おお、頼りになる…」

石上「よし、このまま行きましょう!」

ダダダッ!!

ーーーーーー

つばめ(えっと、連絡はっと…)ピロンッ

つばめ「え!階段両側から四階に!?」

つばめ「どうしよ、どこに逃げよう…」キョロキョロ

つばめ「あ、槇原さんから…」ピロンッ

つばめ「…『私の居る方に来い』…か」

タッタッタッ…

ダッダッ!
ザッ!

かぐや(ふう…何とか撒いて教室に逃げ込んだわ…槇原さん強かった…)

かぐや(!)ハッ


タッタッタッ…


つばめ「こっちかな…」ザッザッザッ

かぐや(廊下に、子安つばめ…!)ザッ!

かぐや「見つけましたよ、子安先輩!」ガバッ

つばめ「わっ!見つかっちゃった!?かぐやちゃん!」ハッ

つばめ(ごめん槇原さんやっぱ引き返す!)

つばめ「全力っ!!」シュダダダッ

かぐや「う、引き返した!速いわね!」ダッ!

かぐや(でもそっち側には石上くん達が…)

かぐや(約束したものね…私が全力で背後を負い、石上くんに捕まえさせてあげるわ)キリッ

ガシッ!

かぐや「…え?」ピタッ

槇原「子安つばめに集中し過ぎぃ☆隙だらけだったよ♪」

かぐや「くっ…!」ザッ
かぐや(私としたことが…!)

槇原「はい、行ってらっしゃい!」ブンッ

かぐや「ひゃっ!?」ザザッ!

かぐや(近くの部屋に投げ込まれ…)

槇原「ちょい手荒でごめんねー。私楽しみは最後に取っとくタイプなんだ」

ガララッ!ガチャッ!!

かぐや「…!?」

かぐや「ちょっと、出しなさい!」ガッ ガッ

(扉の向こうから)
槇原「残念ながらここもトラップルームだったんだ~。出られないよー」

槇原「出られる条件はお仲間が私から鍵を奪うこと♪手から落とすだけでもOK」チャリッ


かぐや「…っ!!」

槇原「または仲間が全滅でも出てこれるけどね。スマホ使用はOKだよ、じゃ~ね~!」

タッタッタッ…


かぐや(なんてこと…つばめ先輩に気をとられ過ぎた!)グッ

かぐや(早く皆に連絡を!)

四階 反対側廊下

眞妃「えいっ!」ブンッ
石上「おらっ!」ブンッ

ポコンッ!ポコンッ!

TG兵「あう!」
TG兵「負けたあ!」

(二人ともライフボールを投げたため)
眞妃【残りライフ3】
石上【残りライフ3】

眞妃「いったん教室の中に避難しましょう!」

伊井野「はい!」

石上「そうですね、そろそろ四宮先輩から連絡が来る頃……え?」ピクッ


ダッダッダッ!

つばめ「はっ、はっ!」

石上「つばめ先輩!」バッ

つばめ「わ、優くん!?」ビクッ

つばめ「ど、どうしよ…後ろからかぐやちゃ……」チラッ

ダダダダダッ!!

槇原「ざんねーんっ!私っ!☆」

つばめ「え!?」


石上「どういうことだ!?四宮先輩は…」

眞妃「優!いいからまずはつばめ先輩を!」

石上「あ、はい!」バッ


ガシッ!

つばめ「ひゃっ!?」

槇原「残念、私が先だったね♪」


シュダダダッ!!

石上「ああ、つばめ先輩が連れてかれた!」ダッ

伊井野「石上だめ、一人で行っちゃ危ない!」ギュッ

眞妃「…もう仕方ないわ、それより今は…」

石上「…なんで先に槇原が来て、全く四宮先輩が来ないんだ?」

伊井野「まさか…っ!」

ピロンッ ピロンッ

眞妃「ライン!」

石上「四宮先輩から…!藤原先輩からも!?」


この時、残されたメンバー達に衝撃が走る


藤原「え…会長だけでなく、かぐやさんまで!?」

早坂「…かぐや様を助ける方法は…鍵を奪うこと、か…」





石上「そんな……会長も、四宮先輩もトラップルームに捕まって出られないなんて!?」


頼みの戦力である四宮かぐや、白銀御行の両名が居なくなってしまった…


ザッザッザッ…


メガ子「うふふ、もうすぐ終わりも近いね、マッキー先ハイ」

槇原「うん」

槇原「さて、どう来るかな?」

ーーーーーー
化学室

パシッ!パシッ!

圭「ああもう、もう少しなのに!もっと早く振って!さっきから手で防がれてばっかじゃん!」

白銀「そんなこと言われても!」ザザッ

校長「どうしまシタカ白銀会長…もっと本気で来なけレバ私は倒せませんヨ」

白銀(くっ…校長の頭とか叩きづらいよ…その上普通に強い…)

校長「ハイ、ターッチ!」ビュッ

白銀「うおっ!」サッ

ーーーーーー
四階 教室内

石上「…どうしましょう、先輩…」

伊井野「ハリセン持ちの人が居ないのは…」

眞妃「…」

眞妃「藤原と早坂は魔王の鍵を奪うことを目的に動くらしいわ…私達は、最後のハリセンを探しましょう」

伊井野「!」

石上「…だとしたら、可能性があるのは屋上でしょうか」

眞妃「ええ。前半戦の時は見かけなかったからね」

伊井野「じゃあ、私達はまず屋上に…」

眞妃「うん、そうなるわ。なるべく見張りを回避しながら屋上を目指すわよ、いいわね二人とも」

石上「はい!」

伊井野「わかりました」

眞妃「…そして見つけたらすぐ、私達も魔王の元へ向かうとしようかしら」

ザッザッザッ…


眞妃「…あれ?何だか見張りが見当たらないわね…」

石上「まあ以外と倒しましたし…」

眞妃「それにしたって見当たらな過ぎな気もするけどね」チラッ

伊井野「どちらにしろ、通れるときに早く通るのが良いと思います」

石上「まあそうだな」

眞妃「よし、屋上までの階段に着いたわ。登るわよ」

石上「はい!伊井野、大丈夫だな?」

伊井野「…うん」

カツッ…カツッ…カツ…


ザザッ!
槇原『はいはい、それでは皆さん聞こえますかー?放送室より魔王軍から最後のお知らせがありまーす』

伊井野「!」

石上「槇原か…!」


槇原『つばめ姫の事だけれど…彼女の身柄は私が確保したー!』

眞妃「え!?」

石上「つばめ先輩は魔王軍から情報を貰いながら、僕らから逃げていたはずでは!?」


槇原『四宮かぐやパーティーのみんな、君達の予想は正解だよ。つばめ姫は魔王軍からでなく、勇者パーティーから逃げていた…その理由は単純、楽しいから!』

槇原『でも実は君達は1つ…大事なところを見落としていたんだなぁ』

石上「え…?」

伊井野「なに?」

槇原『子安つばめを楽しませるため、色々な情報を与え勇者パーティーから逃げさせていたのはあくまでも、製作者としての私…槇原こずえの視点…!しかーし!』

槇原『つばめ姫の誘拐を目論む魔王マッキー先ハイ視点の私になれば、設定の方を重視する!すなわち、つばめ姫を見つけたら誘拐し捕らえるのは至極当然!!』

眞妃「な、なんてめんどくさい考え方!らしいけど!」

槇原『ついでにTG兵の配置も変えましたっ!☆』

槇原『助けたければ、どこに捕まっているのかを考えてごらんなー。では、また会おう』

ブツンッ…

石上「くっ…、つばめ先輩を助けに行きたいけど仕方ない…か。まあどちらにしろ行かないとダメか。屋上に」ザッ

眞妃「ええそうよ。今の丸腰な状態で行ったって何もできないし…先にハリセン探しが優先だよ」


伊井野「…また捕まってるとしたら、二階の封鎖区域の場所?」

眞妃「いや、私達の目の前でつばめ先輩が槇原に連れてかれてからそんなに経ってない…二階の封鎖区域まで連れてった後で三階の放送室に行ったにしては早すぎる」

石上「…つまり、直で放送室まで行って、そこに捕まっているかもしれない…」

伊井野「そっか…」

ザッザッザッ…

屋上

ガチャッ

ザッ、ザッ…

石上「うー寒っ。ここにも見張りは見当たらないですね…」

伊井野「あ、あれ見てください!」

眞妃「む、あからさまに貼り紙ね……なになに?『勇者のハリセン、それは確かにここにある。しかし無いとも言える。彼は屋上と四階の狭間にて…景色を眺めながら勇者を待つ……』なにこれ」

石上「ヒントか何かでしょうね…」

伊井野「勇者のハリセンが孤独にも、それでいて凛々しく私達を待っているのが伝わる詩良いですね…」

眞妃「…ん?」

石上「悪い伊井野、今はツッコミ入れてる余裕がないんだ」

伊井野「別にツッコミ待ちじゃないけど!」

眞妃「まあ屋上のどこかにあるとは思うんだけど…」

伊井野「景色を眺めながら…とありましたから外側かもしれません」

眞妃「そうね」ザッザッ

石上「…景色を眺めながら……屋上と四階の狭間………ん?この引っ掛かってる紐なんだ?」チラッ

石上は紐を追い掛け、それは真下に向かっていた…彼は覗いてみる。すると…

石上「うわあ、あったっ!!」

伊井野「え、あったの!?」


石上「紐で外側にぶら下げられてた!ハリセン!」

眞妃「わ、本当だ!屋上と四階の狭間ってこういうこと!」

石上「紐引っ張ってハリセン引き上げます!」グイッ

伊井野「一人でずっと…高く寂しい場所に待ってたんだね……ハリセン……」

眞妃「創造力豊かな子ね…」

石上「よし、ハリセンはこれでOK…」


ガチャッ!!

石上「!」
眞妃「え…!」


「やっぱここに居た」
ザッ、ザッ…

龍珠「私の指示で兵を動かしといて良かったよ」

眞妃「龍珠!?あなたもTG兵だったの!?」

龍珠「いや、一人風邪で休んだとかで代わりに出てほしいとかめんどくさい勢いで頼まれて…」

眞妃「ああ…そうなの、大変ね…」

石上「6、7……8人居ますよ、TG兵」

伊井野「どうしよう……」


眞妃「…ハリセン、私にちょうだい。石上と伊井野は来ちゃダメよ、魔王戦に備えて」

眞妃「ここを突破しなければ校舎内に戻れない、私に任せなさい!」

石上「ツンデレ先輩!」

伊井野「一人で8人と!?」

眞妃「渚だってやった…私にできないはずがない」ザッ

台詞ミス
× あからさまに貼り紙
○ あからさまに怪しい貼り紙


× 創造力
○ 想像力

ーーーーーーー
三階

タッタッタッ…

藤原「私達の目標は最初と代わりません、魔王のみ!」

早坂「持ってる鍵を奪うっ!」


ザッ!

槇原「やっぱり来たね…奪い返しに。待ってたよ」

藤原「…!マッキー先ハイ!」ザッ

早坂「自分から来た…!?」


槇原「もうゲームも終盤…そろそろ私だって本気で楽しみたいしっ」


スタッ

メガ子「だから、TG兵は私達の戦いの邪魔にならないよう別の場所に配置したよ」

藤原「後ろからメガ子も…!」


槇原「鍵は左手に持ってる…かぐやちゃん助けたかったらこれを奪ってみることだね」スッ

早坂「…」

メガ子「あ、そうだ、マッキー先ハイ!これ!」ポイッ

槇原「ん?たまごボーロ?」パシッ

メガ子「最後の1個…それあげる。魔王なんだから最後はライフも全快で行こうよ」

槇原「ふふ、ありがとう…メガ子」パクッ


早坂「…書記ちゃん、廊下で囲まれた状態で戦うのは良くない…いったん分かれよう」

藤原「…そうですね…」

早坂「私は槇原さんから鍵を奪う…書記ちゃんはメガ子先輩を頼むよ!」

藤原「!」

藤原「…わかりました、早坂さん。魔王は任せましたよ!」

早坂「うん、書記ちゃんもそっちはお願い!」ザッ



藤原【残りライフ3】
早坂【残りライフ4】


槇原【残りライフ5】
メガ子【残りライフ2】

藤原(しかし、どうやって分かれましょうか…よし。交渉しながら考えましょう!)キリッ

藤原「メガ子先輩…提案があります。ここで二対二ではちょっと狭いですよね…私達は四階でやりませんか?」

メガ子「うん、いいよー」ウフフ

藤原「あれ、あっさりOK!?」





槇原「…早坂、忠実な部下だったあんたが何故四天王戦のとき私の命令を無視し勝手な無断行動に出たのか……今はもういいよ。まあ初めから理由なんかどうでもいいんだけど」

早坂「…」

槇原「ただ私は、この時をずっと待ちわびていたよ…」フフッ

早坂「ほう…」

槇原「『かつて忠実な部下だった裏切り者との一騎討ち』というこの熱く燃えるシチュエーションをね!!」バーンッッ

早坂「さすがです魔王様」パチパチ


早坂「では私も…本気で鍵を奪わせて貰うので」ザッ

槇原「OK☆さあ、始めようじゃん!」シャキーンッ

早坂(TGハリセン…迂闊には近付けない…!)

槇原「それい!」
ビュッ!ビュンッ!

早坂(回避して…!)シャッ


早坂(ライフボールを投げる!)ブンッ


槇原「惜しい!」パシンッ!

早坂「ハリセンで跳ね返された!?」


槇原「ほらほら~、もっと来てみなよ!」チョイチョイ

早坂(魔王を語るだけはある……強い)

早坂【残りライフ3】

ーーーーーー
四階

藤原「ドーンだYO♪」

メガ子「ドーンだYO♪」



TG兵「え、なにあの光景…」

TG兵「知らん、見て見ぬふりしておけ…邪魔するなって言われてるし」



メガ子「はい、ハリセン攻撃ぃっ」バシュッ

藤原「うひゃあっ、ギリギリセーフッ!」シャッ

メガ子「んー、もう少し」


藤原(ハリセンと私の攻撃ではやはりリーチが違う……これは苦戦しちゃいそうですね…!)フーッ

メガ子「もう私は残りライフ2だよ…さあ、私を倒してみなよ不治ワラちゃん」

藤原「!」


メガ子「次のTG部3年は不治ワラちゃんだよ…私を越えて、3年に誇れるTG部にならなきゃだめだよ!」

メガ子「そして私に…ゲームの楽しい思い出と……後輩の成長を見せて欲しいの」

藤原「先…輩……っ!!」ブワッ


藤原「わかりました!私は…あなたを越えます!」グスッ ズビッ


メガ子「その意気だよ、私の自慢の後輩…不治ワラちゃん!」





TG兵「なんか繰り広げられてるけどあれ感動シーンなんですか?」

TG兵「知らん、俺に聞くな」

屋上

パシンッ!パシンッ!

TG兵「うあっ!」ドサッ


眞妃「はあ、はあっ!」ザッ

TG兵「タッチです!」ペチッ

眞妃「う…!」
眞妃「ええいっ!」ペシンッ!

TG兵「きゃあ、やられましたぁ!」

眞妃(まずい、もう2回タッチされた……あとライフ1しか……けど…)


石上「く…助けに行きたい、けど…」
伊井野「…」ギュッ

石上「頑張れ先輩!あと3人っす!!」

伊井野「あともう少しです!」


眞妃「可愛い後輩達の為にも負けられないわね…!」


龍珠「もう5人やられたか…!」

眞妃(一人は私達を出さないよう扉の前で待機している。実質あと二人!)

眞妃「ええい!」パシンッ!

TG兵「うっ!」ドサッ

ザッザッザッ!

龍珠「ここまでやるとは思わなかったよ!」ダッ

眞妃「やっ!」ビュッ

龍珠「めんどくさいけど……やるって約束しちゃったしな。私も本気で行くぞ」シャッ

龍珠「ふっ!」ブンッ

眞妃「あうっ!」サッ


石上「行けっ!!」
伊井野「負けないでっ!」


眞妃「隙ありい!」

パシンッ!

龍珠「…!!」ピタッ


伊井野「やった!」

石上「ツンデレ先輩っっ!!」


龍珠「ち…参ったよ」ガクッ

眞妃「はあ、はあ……やった…」フラッ

ペチンッ

眞妃「…えっ」

TG兵「…」ザッ

眞妃(扉の見張りに居たやつ…しまった…!)

眞妃【残りライフ0】


四条眞妃
脱落

石上「…っ!」

伊井野「そんな…!」


龍珠「…おいテメェ、それは卑怯じゃねえか?後ろからとかよ」

TG兵「え、し、しかし…」


眞妃「…いいのよ、卑怯もくそもないって…油断した私が悪い」ガクッ

眞妃「あんたがTG兵の人達に後ろからの攻撃を禁止にしてくれてなかったら私、勝てなかったよ…」

龍珠「ふん」


石上「先輩!ハリセンを僕にっ!」ザッ

眞妃「…ええ、後は任せたわよ、優。伊井野」

伊井野「…はい」


TG兵「…!」ピクッ

龍珠「待ってろ、渡す間くらい待ってやれ」


眞妃「こいつで…子安つばめを助けてきなよ」スッ
石上「わかりました………必ず!」

パシッ!!

ザッ!

石上「…さあ来てくださいよ。いつでもやれます」


TG兵「うおお!」ダダダッ

石上「おらああっ!」
パシーンッ!

TG兵「うわああ!」ドサッ


眞妃「ふっ…優、今のあんたかっこ良かったわよ」

伊井野「石上…」

石上「…行くぞ、伊井野」ザッ


ちなみにこの時、石上は残りのTG兵の人がめちゃくちゃガタイの良い体育会系だったのでチビりそうなくらい怖かったが、叫びながら攻撃することで誤魔化していた。

ーーーーーー
三階


槇原「魔王ハリセン連打!」
ビュンッビュンッビュンッ!

早坂「当たりません!」ザッ!

ダダダッ!

槇原「…!」ピクッ

早坂(ハリセンで腕を伸ばした隙に懐へっ!)バッ


槇原「うひゃっ、あぶなっ!」ササッ!

早坂「ち…」ダッ
早坂「ふっ!」ブンッ

ポコンッ!

槇原「うわ、返してきたし!しまった!」

早坂【残りライフ2】
(ライフボール当たり)
槇原【残りライフ4】


槇原「ハリセン攻撃で腕を伸ばした隙に懐に飛び込むか、惜しかったね~」ハアッハアッ

早坂(相手も疲れてきている……大丈夫、行ける…!)フーッ


早坂「ふっ」
ダッダッダッダッダッ!


槇原(直進…また私がハリセン伸ばした隙に懐に来るか、違う手があるのか……まあいいや)

槇原(乗ってあげよう!)

槇原こずえは好奇心を選んだ


槇原「はい、ハリセンドーン!」ブオッ

早坂「…!」シュッ


槇原(やっぱ下に避けた)

槇原「お見通しだよ、そーれ軌道修正、下向き攻撃!」

横に振ったハリセンを軌道修正させ下向きに、しゃがんだ早坂を狙う槇原…

しかし

早坂「やはりそう来ましたね」

槇原「!?」ピクッ

トンッ!!


早坂「これで魔王様にも1ダメージ入りました」

槇原「ライフボールを持った手で、右腕ごと止めた!?」

早坂「今っ!!」シュタッ

槇原「さすがだよ、早坂。けどね!」

パシンッ!!

チャリンッ!

早坂「はあ……はあ……っ」フラッ

早坂(最後に一発もらってしまった…)ザッ

早坂【残りライフ0】


槇原「…」ハアッハアッ



早坂(…ですが)チャリッ

早坂「最後の一発を食らう前に…鍵は貰いました」

槇原「……ふっ」

槇原「よくやった。仲間でも呼んで鍵取りに来て貰いなよ」

早坂「ええ、そうさせてもらいます」ガクッ

槇原「んじゃ、私は失礼……楽しかったよー」ピース


早坂「…ふー…すみませんかぐや様…後は任せましたよ」

早坂「さて、誰に来て貰いましょうか……書記ちゃんはたぶんまだ戦っている」スッ

ピロンッ

早坂「ん、御行くん……会長さんからの連絡ライン?」



早坂愛
脱落

ーーーーーー
時間は数分前に戻り
化学室

パシンッ!

校長「惜しいデスヨ、さあコノ校長を越エテみせナサイ!」ザッ

圭「いけ、もう少しだから!早く!早くやれ!」

白銀「どんどん言い方キツくなってるのやめてくれない!?」

圭「千花姉やみんな、そしてかぐやさんを助けたいでしょーー!!」

白銀「…!」ハッ

白銀(そうだこんな場所で…校長の頭叩くことを躊躇している場合じゃない。俺は圭ちゃんを…皆を、愛するかぐやを、助けに行かなければならないんだ!!)

校長「サア!来なサーイ!!」ザッ

白銀「ええ、行きますよ!もう本気です!!」ダダダッ

校長「ヘッドガード!」バッ!

白銀「ふうっ!」ブンッ

校長「オーウ!腕をハリセンで弾いタ!!」

白銀「トドメぇ!!」パシンッ!

校長「アウトッ!!」



圭「やっと終わった…変な光景だった」

校長「…それでは鍵をオープンしまショウ。ドウゾ先へ」

校長「頑張ってクダサイ、ファイトです白銀会長」

白銀「はい、ありがとうございました校長…頭叩いてすみませんでした」

校長「気にする必要はアリマセン、楽しかったデスヨ」ホッホッホッ

圭「…さて、まずは皆に連絡だよお兄、出てきたこと伝えなきゃ」

白銀「ああ、わかってるよ」スッ


圭「…わ、ライン結構来てた……かぐやさんも捕まって……四条さんと早坂さんからアウトになったって連絡が」

白銀「ああ。自体は一刻を争うぞ…む、脱出の連絡したら早坂さんから返事が…」

圭「え?」


『早坂です。かぐやさんを助けるための鍵は魔王から奪いました。場所を教えますので取りに来てください』

白銀「…!早坂が鍵を手にいれたらしい!」

圭「良かった、じゃああとは…!」

ザッザッザッ!


圭「…あそこに見張り3人居た…行ける?」タッタッ

白銀「ああ」ザッ!


ダダダッ!

TG兵「居た!」バッ

白銀「ふんっ!」ビシイッ

白銀「もう一人っ!」バシッ!

TG兵「ぐあ!」ドサッ


TG兵(女子)「隙ありですよ会長さん!」ペチンッ

白銀(くっ、タッチされた……!あ、この子ちょっと可愛い)

白銀(じゃねえよ俺!)ペシッ

TG兵(女子)「きゃっ」


白銀(ふう……俺は四宮一筋、早く助けに行かなければな)

圭「お兄、向こうに早坂さん居た。見張りはもう居なかったよ」

白銀「おう、ありがとう圭ちゃん」ザッ


タッタッタッタッタッ…


白銀「早坂さん!」

早坂「みゆ……会長さん。これが鍵だよ、どうぞ」

白銀「ああ。ありがとう…大事に貰っていく」

早坂「…かぐやさんは任せたよ」

白銀「もちろんだ、俺が必ず助ける!」

ザッ!!

白銀(今行くぞ…四宮!!)

ーーーーーーー
四階 廊下

ダッダッダッダッダッダッ!!

TG兵「追って早く!階段に行かれちゃう!」

TG兵「待てえっ!」



石上「はあっ、はあっ、もう少しで階段だ!頑張れよ伊井野!」

伊井野「うん!」


ザザッ!


石上「よし……階段着いた…」ハアッハアッ

伊井野「つ、疲れた…」



TG兵「あー、行かれちゃった…」

TG兵「あとで俺達も降りるぞ、一気に追い詰める!」


石上「ゆっくり降りよう、お前がいる間はあいつらは階段に近付けないんだ…あまり無理はするな、ほら手ぇ出せ」

伊井野「…ん」

カツッ…カツッ…


石上「ツンデレ先輩だけでなく早坂先輩までアウト…だけど会長はトラップルームから出てこられたらしい。そして早坂先輩が奪った鍵を貰い四宮先輩のとこに行くみたいだ」

石上「もうすぐでクリアも見えてきそうだな」

伊井野「うん…そだね」


石上「たぶんつばめ先輩と槇原は三階…四宮先輩と会長もすぐそこへ行くだろうな……俺も早く行きたいけど伊井野もほっとけないからな」

伊井野「…」

伊井野「…石上」

石上「ん?」

伊井野「早く行きなよ…私が階段降りてる間に」

石上「お前…一人じゃ危ないだろ!」

伊井野「ゆっくりなら一人でも大丈夫………それに」

伊井野「その間は四階に居るTG兵の足止めもできる」

石上「…!お前……足止め終わったあと伊井野が一気に後ろから来た集団にやられるぞ!」

伊井野「上に居るTG兵と槇原さんに挟み撃ちにされたらそれこそ危ない…ちょっとでも時間稼いだ方がいいよ」

伊井野「いいから早く行って………」

石上「お前…」

石上「…」グッ


石上「…わかった。槇原倒したらまずはお前を助けに来る。つばめ先輩はそのあとだ」

伊井野「えっ…」

石上「ありがとうな、伊井野。すぐに終わらせてくる!」

伊井野「…うん…」

ダッダッダッダッダッダッ………


伊井野「…」


伊井野「………」


伊井野「ほんと……石上はさ………」

ーーーーーーー
四階 教室内

ビュンッ!
ビシュッ!

パシインッ!

藤原「きゃっ!」

メガ子「うふふ、いいよ不治ワラちゃん…ハラハラする」ザッ

藤原「はあっ、はあ……ふふ、私も面白いです!」

藤原【残りライフ2】

メガ子【残りライフ1】


メガ子「そろそろ終わらせよう…マッキー先ハイも一人じゃ心配だし」ザッ

藤原「私も仲間の元へ行かねばなりません……次で終わらせますよメガ子先輩」ザッ



ヒュオオオォォォ………
(※風の音はイメージです。実際に聞こえているものではありません)



メガ子「…」シャキーンッ


藤原「…」スッ



いざ勝負っ!!


タンッ!!!



メガ子「ハリセン斬りっ!!」バッ

藤原「ドーンだYO♪!!」ビュッ


ザザッ!!

ザザザッ!!!



藤原「…」フラッ

ハリセン直撃
藤原【残りライフ1】

メガ子「…」ガクッ

メガ子「がはあっ」ドサッ

ドーンだYO♪直撃
メガ子【残りライフ0】



藤原「先輩……私、やりました!」ボロッ


メガ子「ふふ、貴女は誇るべき………三年代表のTG部になれるよ!」フフ


ガシイッ!!(握手)


魔王軍幹部
メガ子
脱落

ーーーーーー
ダッダッダッダッ!!

圭「ここだよ!」ザッ

白銀「ああ!」スッ

ドンッドンッ

白銀「聞こえるか、四宮!鍵を持ってきた!今開けるぞ!」

ー扉の向こうー

かぐや「…!」ハッ

かぐや「会長!会長ですか!?私はここに居ます!」バッ


白銀「あれ、この鍵…どうやって開けるんだ!?まさか偽物!?」

圭「あーもう、何やってんの!回す方向逆っ!!」


かぐや「会長!?しっかりしてください!」

かぐや(けどそんなドジっ子なところも可愛いですよ//)

かぐやはこんな時でも惚気ていた

ガララッ!!

白銀「四宮、助けに来たぞ」ザッ

かぐや「会長!お待ちしておりました!」

かぐや「はっ、圭も!ありがとうございます!」

圭「いえそんな…」テレッ

白銀「鍵は早坂が手にいれてくれていたんだ…」

かぐや「…!そうですか、後でお礼を言っておかないとね…」

かぐや「そうだわ、石上くんは…」ハッ

白銀「たぶんまだ大丈夫だ。あと残っているのは俺達と…藤原、石上、伊井野」

白銀「行こう、終わらせるぞ」

かぐや「ええ!」ザッ

石上「ここじゃないだって!?」バッ

槇原「階段近くのパソコン室だったんだなこれがあ」

石上「…っ!わざわざ教えるなんて罠としか思えないぞ!」

槇原「本当だよ。今更嘘つく必要ないし…助けたきゃ、私を倒して行けって事だよ!」シャキーンッ

石上「そうかよ、なら行くぞ…!」ダッ

ブオンッ!!

パシンッ!
パシインッ!!

槇原「はは、さすが運動神経は悪くないね!♪」ザザッ

石上(くそ、強い!どう攻める…)ザッ

槇原「ハリセン突き魔王連打!!」
シュシュシュシュシュ!!

石上「なんだその技っ!」ササッ

ダッ!

石上「このっ!」ブオンッ

槇原「ガード!」パシンッ

槇原「からのカウンター!」パアンッ!

石上「う…っ!!」ザッ

石上【残りライフ1】

石上「く…そ…っ」グッ

槇原「石上は頑張ったよ。そろそろトドメと行こっか」ザッ

石上(くそっ、どうする!どうする!?)ガクッ

槇原「…ちょっと。下向いてないで前向きなよ、ちゃんと正面からやり合いたいんだけど?」

石上(くそっ、僕は、もう……)

石上(勝てない………つばめ先輩のところへも、行けない………のか……)








「まだ諦めては行けませんよ、石上くん」


「ふ…世話の焼ける後輩だな。下向いてないでちゃんと前を向け」


石上「…」


石上「…え?」バッ





かぐや「あなたはよく頑張りました…子安つばめのところへ行ってきなさい」ザッ


白銀「あとは俺達に任せろ、石上」ザッ



石上「四宮先輩!会長!」


槇原「ついに来たね…二人とも……いいよ、石上は行かせてあげる」


石上「…!」


白銀「さあ行けっ!」

かぐや「走って!」

石上「はい!!」ダダダッ





槇原「…さて、決着を付けよっか。お二人さん」ザッ


白銀「ここでゲームを終わらせる」

かぐや「行きますよ、槇原さん」



槇原「燃えてきたぁっ!!」バーンッ


白銀・かぐや(ほんと変な子だなこの人…)


白銀【残りライフ4】
かぐや【残りライフ3】

槇原【残りライフ3】

三階 階段近く廊下

伊井野「はあ、はあっ!」
ザッザッザッ

TG兵「よし、追い付いた、伊井野さんを先にやるぞ!」

TG兵「ラジャー!」


伊井野(やっぱり私一人じゃすぐに追い付かれる!だめ…!)フラッ

ガクンッ

伊井野(もう無理…逃げ切れない……TG兵がすぐ近くまで来てる)

ダッダッダッダッダッ!!


伊井野(…ごめん、私はここまで…)


パシインッ!!

TG兵「うあっ!」ドサッ

伊井野「…!」ハッ


石上「よし、大丈夫だな、伊井野」ザッ

伊井野「石上!?なんで…」

石上「最初はお前を助けるって言っただろ」

伊井野「…!」

石上「この!」パアンッ

TG兵「ひゃあ!」ドサッ


石上(くそ…残りライフ1でこの数はキツイ…けど)

石上「まだ負けるかよ!」パシインッ

TG兵「ああ!」ドサッ


TG兵「今だ、タッチ!」バッ

石上(くうっ!避けきれな…!)

ペチンッ!

伊井野「う…!」
石上「伊井野!?お前、また俺を庇って…」

伊井野「いいから早く!」

石上「くっ!」パシイッ!

TG兵「ぎゃっ」ドサッ


伊井野「私はハチマキがあったから大丈夫…まだライフ1残ってる…」

石上「ああ。けど…」

ゾロゾロゾロ…

石上「まだ数が居る、さすがに…」


「私も助太刀しましょう!」

石上「はっ!そのリボンは…っ!!」



藤原「私がっ!」バーンっ

石上・伊井野「藤原先輩!」

藤原「三人揃ってライフ1の大ピンチですが…力を合わせて頑張りましょう!」

放送室前


パシインッ!!
パシインッ!!!

槇原「魔王激烈オールレンジ連打!!!」
ブオンッ!ブオンッ!ブオンッ!ブオンッ!ブオンッ!

かぐや「きゃっ!?」ザザッ

白銀「くそ、めちゃくちゃな技を使う…!怖いな!」ザザザッ

白銀「だが背中が空いている!」ダンッ

ペシッ!


槇原「…カウンター」

白銀「っ!」ハッ



槇原「ドーンだYO♪!」ビシュッ!


白銀「しまった!」ダンッ

かぐや「会長っ!!」


槇原「人の心配してる暇ぁありますか!?」ビュンッ

かぐや「うっ!」

パシイッ!

かぐや(かすってしまった!くそ…っ)


白銀【残りライフ1】
かぐや【残りライフ2】

槇原【残りライフ2】


白銀「はあ、はあ…」

かぐや「ふう…っ」


槇原「いいね。二人とも強いよ…こりゃ満足出来そうだ」ザッ


タンッ!!


パシインッ!!!

階段近く廊下

石上「うおお!」パシインッ

藤原「ドーンだYO♪!」ビシュッ

伊井野「髪染めすぎです、退場!」ビシッ


TG兵「くそ…あと少しなのに!」
TG兵「強い……これが!」

藤原「ふふ、そう…絆の力ですよ!」

藤原「そして可愛い後輩達への愛で私は強くなるのですっ!!」

伊井野「藤原先輩っ!」キュンッ

石上(この人はまた調子いいこと言ってんな…)
と言おうとしたが助太刀してもらい助かってるのは事実なので言えなかった。

藤原「残り3人!行けますよ!」

石上「はい!」タンッ

藤原「はい、ドーン!」ビシュッ

ペシッ

藤原「は…っ!」ビクッ

TG兵「やった!」

伊井野「藤原先輩っ!」

藤原【残りライフ0】

藤原「すみません、あとは…っ」ガクッ


石上「わかってます、あとは任せてください!」ザッ

石上「藤原先輩の仇だっ!」パシンッ!

TG兵「ぐあっ!」ドサッ

石上(あと一人…)

伊井野「石上、後ろ!」ザッ

石上「!!」クルッ

TG兵「遅い!」パシンッ

石上(ハリセンが弾かれた、まずい…落とした!)

TG兵「ふん!」ブンッ

石上「うおっ!」サッ


パシッ!


伊井野「やーっ!」ペシンッ!

TG兵「うっ!?」ドサッ


石上「伊井野!?」

藤原「ナイスですよ、ミコちゃん!」

伊井野「はあ、はあ…私がハリセン拾って倒してあげたわよ…感謝しなさい。ほら返す」スッ

石上「…あぁ、助かったよ」パシッ

伊井野「…ん」


伊井野「…つばめ先輩のとこ…行くんでしょ?早く行きなよ」

石上「おう、行ってくる。ありがとうな」

伊井野「うん」

石上「藤原先輩もありがとうございました!」

藤原「いえいえ、さあ行ってください!」


タッタッタッタッタッ………



伊井野「………」

ダッダッダッダッダッ!!


石上(ここだ!)


ガチャ!!

石上「つばめ先輩!」


つばめ「ん?わっ、優くん!」ハッ


石上「助けに来ました…!」ハアッハアッ


つばめ「そ、そんな…本気で私が捕らえられてるみたいな雰囲気で…これゲームだよ?」アハハ

石上「は…はは、まあそうなんすけどね」ハハ

つばめ「待って、出されたコーヒー飲み干してから行くよ」

石上「あ、はい」
(お菓子まで用意されてる…)

つばめ「…さて、それで私をどこに連れていってくれるのかな?」

石上「…」

一瞬石上は何かを勘違いしたがすぐ「ゲームの事」だと思い至った

石上「つばめ先輩を連れていかなきゃならない場所…生徒会室ですね?」

つばめ「正解!それじゃ行こっか?」



つばめ「それとね、実は私前半戦の頃から封鎖区域の出入り許可されてて逃げ回ってたんだよ」

石上「え、そうだったんすか!?」

ザッザッ…

圭「あ、石上さんですね…兄とかぐやさんから頼まれて来ました」


つばめ「え、誰?可愛い」

石上「会長の妹さんです」

つばめ「へー」

圭「TG兵が残っていないか私が確認します。二人はついてきてください」

石上「うん、了解」

つばめ「OK、ありがとね!」


ーーーーーーー
放送室前

パアンッ!パシンッ!

パシインッ!!

パシインッ!!

槇原「わた!食らった!」ザザッ

かぐや「く…っ!残り1…」

白銀「大丈夫か、四宮」ハアッハアッ

かぐや「はい」フーッ


白銀、かぐや、槇原…全員のライフが残り1に
果して勝者は……

槇原「誰なのかっ!!」


白銀「ナレーションする余裕あるんだな」

かぐや「ツッコミいいですから会長」

槇原「一気にトドメを刺す!」タンッ

槇原「魔王ハリセン連打」
シュシュシュシュシュ!!

白銀「うっ!」サッ

かぐや「もうその動きは慣れました…当たりませ」

槇原「と見せかけてこっち狙い!」ダンッ

かぐや「うっ!」

パシンッ!!

かぐや「ギリギリガードは間に合いましたが…」プルプル

槇原「もう一発いくよっ!」ビュンッ

白銀「四宮っ!!」ダダダッ

槇原「はい来た、会長狙いに変更!」ビュンッ

パシインッ!!

白銀「ぐあ!」ガクッ

白銀【残りライフ0】

白銀「…ふっ」

槇原「ん?」

かぐや「やはり会長に変えましたね」ヒュンッ

槇原「…!」ハッ


パシイイィンッ!!!


槇原「………」


槇原【残りライフ0】


かぐや「何度も戦えばあなたの思考や行動は何となく読めます…こちらの予想外の動きを取ろうとする」

かぐや「なら自分にとって予想外の行動が何なのか、あらかじめ数パターン考えておけばいい」

白銀「お前の負けだ…槇原」

かぐや「危なかったですが、私達の勝ちです」


槇原「…ふふふ、負け、たよ………」


槇原「ガハアッ!!」ドサッ


かぐや「え、ガハアッ!?ちょっと大丈夫ですか!?」

白銀「落ち着け四宮、やられた用の芝居だろそれ…いちいち面白いことしなきゃ気がすまないのかこいつらは」

ーーーーーーー
タッタッタッタッタッ!

圭「こっちです!」

石上「もう少しですよ、つばめ先輩!」

つばめ「うん!」

ダッダッダッ!


石上「よし、ここまで来れば!」

つばめ「そこ曲がればいいんだね!」

石上「はい!」


ザッザッザッ!


早坂「あ、来たよー」

眞妃「お、優」

石上「早坂先輩とツンデレ先輩!?」

早坂「つい数秒前、魔王も撃破成功だって」


眞妃「ほら行きな、皆待ってるよ」ポンッ

石上「え…?」

つばめ「とにかく生徒会室入ってみよう!」

石上「そうですね」


ザッザッザッ………

ガチャッ

石上「…!」

パチパチパチパチ!


メガ子「はいっ、到着で~すっ!ゲームクリアッ、おめでとうございます♪」パチパチ

石上「えっ、え!?」

カレン「お待ちしていましたわ!」
エリカ「おめでとう!」

柏木「石上くん、お疲れ様です」

小野寺「よっ、石上。お疲れ」

風野「頑張ったな!」

大仏「他の人達もたぶんもうすぐ来ると思うよ」

石上「…な、なんか嬉しいっすね、こうやって迎えられるの」

つばめ「先に脱落した人達が来てたんだね…」

ザッザッザッ!

石上「!」

つばめ「あ、来たよ」



白銀「お、なんだこれ!人いっぱい居る!なんか嬉しい!」

かぐや「わ、みなさん…私達を待っててくれたんですか?」

石上「はい、そうみたいっす」

カレン「ぐふっ…お二人の華麗な姿…」プルプル
エリカ「カレン落ち着いてえ!」

柏木「お疲れ様でした!」
翼「皆さんマジ凄いっすよ!」アハハ


槇原「これ提案したのは不治ワラちゃんなんだよ」フフフ

石上「しれっと魔王も居る…」

藤原「そうです!提案した私に感謝するべきですよ!」ピョコッ

石上「あ、藤原先輩…そういう最後の余計な一言がいけないんすよ」


伊井野「わ!こんないっぱい…」タッ

大仏「やー、おかえりミコちゃん。最後まで残ったってね」

小野寺「やるじゃん。おっつー」

伊井野「こばちゃん、麗ちゃん!」

眞妃「これで皆揃ったね」


かぐや「…早坂、私のために頑張ってくれたんですって?ありがとね」

早坂「えっ、はい…どうも」(恥ずかしがってる)


藤原「ではでは、全員揃ったところでーっ!」ザッ

藤原「まずは最後まで残ったかぐやさん、石上くん、ミコちゃんの3人に特別賞品!」

かぐや「特別賞品…!?」

伊井野「なんだろ…」ドキドキ


藤原「手作りTG部メダルをプレゼントしまーすっ!!♪」


石上「あー…やっぱそういうのなんすね」

かぐや(そんなとこだろうとは思っていました…)

伊井野「わー、凄い!」


藤原「どうぞ、受け取ってください。裏側には私達TG部三人の顔が描かれています」スッ

石上「無駄にクオリティーは高い仕上がりだ!!」


白銀「…だが、楽しかったな」

かぐや「…ふふ、そうですね」

藤原「では他の参加者全員にも最後に参加賞が配られますが…その前に」

石上「まだなんかあるんすか?」



藤原「はい!体育館貸しきってるので、TG兵役をしてくれた方々も集めて全員で打ち上げをしましょう!!」

伊井野「打ち上げ!」

かぐや「まあ、それはいいですねっ」

槇原「これは私の提案だよっ☆」ビッ

白銀「お、おう、そうなのか」


藤原「では皆さん、体育館に集まってくださーい!!」





タッタッタッタッタッタッ………








ーーーーーー

ーーー

そして、体育館で打ち上げをする全参加者達……

皆で食べ、喋り、楽しんだ後、笑顔で解散した………






放課後の生徒会室


白銀「ふー…今日は走り回ったから疲れたな」

かぐや「そうですね、もう足が痛いですよ私。頭もいつもより使いましたし」

藤原「でも面白かったでしょ~?」

かぐや「まあ、たまにはああいうのも…いいかもしれませんね」

白銀「だな」

石上「確かに、TG部に腹立つときもありましたが………まあ楽しかったですよ」

伊井野「怖いときもありましたが…私も面白かったです」

藤原「皆さんに楽しんで貰えて私は幸せですよ!」バッ

藤原「では私はお先に!お疲れ様でしたーっ」タタッ

石上・伊井野「お疲れ様です」
白銀・かぐや「お疲れ」

伊井野「あ、私もそろそろ帰らなきゃ…お疲れ様でした」ペコッ

石上「僕も仕事はだいぶ終わったんで、失礼しますね。お疲れ様です」


白銀「ああ、お疲れ」

かぐや「お疲れ様でした」


バタンッ………


白銀「…」

かぐや「…」


ペタッ…

かぐや「二人きりになりましたね、こうしててもいいですか?」

白銀「ああ…もちろんだ。仕事の邪魔にならない程度にな」

かぐや「ふふ…」ギュッ


このままイチャイチャを続けようとしたその時、白銀はある光景を思い出していた

それは………



本棚をやけに気にしていた藤原千花

白銀「………」



白銀「四宮、ちょっと小声で話せ」


かぐや「?なんです?」

白銀「…TG部は、監視カメラや盗聴器を学校中に仕掛けていた…それはゲームが終わったあと全て回収した」

かぐや「ええ…そうですね。それがどうかしましたか?」

白銀「四宮…1つ聞きたいことがある」

白銀「今日何か気になることはあったか?」

かぐや「気になること…ですか?えーと、特には……あっ」

その時、かぐやは早坂の一言を思い出した

かぐや「…友達が……何か挙動不審な子が居たと言っていました」

白銀「…こういうことは考えられないか?」

白銀「俺と四宮の雰囲気が前と変わった事を察知し…」

白銀「それを確かめるためゲームに乗じて生徒会室にこっそり1つ盗聴器を仕掛け……その真実を暴こうとしている者が居たとしたら!!」

かぐや「……え…」

白銀「…」



白銀「藤原千花とかな…!」



かぐや「………っ!!?」


ーーーーーーー
TG部部室

藤原(…お二人の雰囲気が何か変わってる様な感じが少し前からしていました)

藤原(二人はそういう仲なのかどうか、私はどうしても知りたい!だから盗聴器を1つだけ仕掛けさせて貰いました!)

藤原(安心してください、もしそうだったとしてもこの藤原千花…絶対他人には漏らさないしばらしません!盗聴器も処分します!二人の関係は秘密にします!ですから!!)

藤原(教えてください!二人は付き合っているのかどうかを………この私にっ!!)ハアッハアッ


隠しボス戦

白銀・かぐやVSラブ探偵チカ

かぐや「…藤原さんが…!?」

白銀「まあ、あいつはバカだが人の秘密をベラベラ喋るようなやつではない…俺達の関係が他人に漏れるという事は無いだろうが」

白銀「俺と四宮、藤原の三人で居るときとかに絶対弄られる…!」

かぐや「…ですね、それはそれで面倒ですよ…」

白銀「…最初の会話は恐らく聞かれた。反撃だな」

かぐや「ええ、悪い子にはお仕置きが必要です」


時間はちょっと戻りTG部部室


藤原(さあ、聞かせてください…お二人の関係はいかに!?)ハアッハアッ


『二人きりになりましたね、こうしててもいいですか?』

『ああ…もちろんだ。仕事の邪魔にならない程度にな』

『ふふ…』

藤原「え!?今のは会話はまさか!そうなんですか!?お二人ともそうなんですかあっ!?//」ヒャーッ


『…』


藤原「…あれ?急に静かになりましたね…何かボソボソ喋っているような…?」

『あ、ダメです会長…それを取っちゃ』

『いいんだ、悪い子にはお仕置きだろ?』

『もう…』

藤原「!?」

藤原「え、取るってナニを!?お仕置き!?もしかしてヤバイ奴ですか!?聞いちゃったらヤバイ奴ですかあっ!?///」

藤原「き、切る準備を…」


『お仕置きはお前にだぞ、藤原』

藤原「…」


藤原「………」



藤原「え?」


『あーあ、会長が本棚にあった盗聴器取っちゃいましたよ』

藤原「…え!?」


『お前、本棚をやけに気にしていたよな?盗聴器仕掛けてたことくらい最初から分かってたんだよ』
(本当はさっき気付いた)

藤原「え!?」ビクッ

『どうせあなたの事ですから私達が付き合っているのかどうかとか…そういうくだらないことでも気になったのでしょう?』ハアッ

藤原「え?…えっ?」カタカタ

『最初の会話はお前を騙すための演技だよ』
(嘘である)

『全く…柏木さんとの戦いのときも言いましたよね?人の演技にすぐ引っ掛かるなと……恋愛話になるとあなたは本当にいけませんね』

『神聖な生徒会室に盗聴器なんてものを仕掛けるだなんて…お仕置きが必要ですね?』

藤原「ひっ…ひぐっ…」グスッ

藤原「だってぇ…気になったからぁ…」プルプル

『今からそっち行くからな、どうせTG部部室だろ』

『ちゃんと待っていてくださいね?逃げてたら罰が増えますので』

藤原「ひええぇっ!?」

藤原「ごめんなさいいいい!すみませんでしたあああぁぁっ!!」ウワーンッ


この後、藤原は白銀、かぐやからみっちりと叱られ
3日間お遊び禁止の罰を下された。

白銀とかぐやの関係はなんとかバレずにすんだ。





本日の敗者

藤原千花

おしまい

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