18禁「ダメだダメだダメだ！！ そんなのは私達が許さん！！」

ひめ「な、なんの話ですか！？」

運子「ひめくん声変わりしちゃダメ！！」

ベル「ここは怪しい薬を買って幼児化を図るというのは……」

ひめ「いやですよ！！」

18禁「おひめちゃんがこんなに女装が似合うのは声も関係あるのに……」

運子「その重要な要素が欠けたら終わりだよ！！」

ひめ「そんな事言われても……成長には逆らえませんよ」

家

ひめ「……って話になったんだよ」

かぐや「……」

ひめ「……かぐや？」

かぐや「……やだ」

ひめ「へ？」

かぐや「かぐやもひめにぃに声変わりしてほしくないよ！！」

ひめ「お前もか……」

かぐや「！！ ねぇ……てことはかぐやも声変わりしちゃうの？」

ひめ「！ 確かにそうだな……」

かぐや「！！！」

ひめ「……もしかして声変わりしたくないとか？」

かぐや「当たり前だよ！！ だってそんな事になったら……かぐやがかぐやじゃなくなっちゃう！！」

かぐや「可愛くなくなっちゃうよ！！」

ひめ「俺に言われてもな……」

かぐや「やだやだやだ！！ かぐやいやだ！！」

ひめ「駄々っ子か……」

次の日

かぐや「……」ムスッ

1号「……っていう話を昨日して機嫌が悪いらしいです」

光永「声変わり、か……」

ヒロ「他人事ではありませんね、光永様」

光永「そうだな……」

かぐや「……いいんちょ達はしたい？」

光永「声変わりか？」

かぐや「うん」

光永「そうだな……まぁした所でこの女装が解けるわけでもないしなぁ」

ヒロ「私も一緒に声変わりします、光永様」

光永「いや、いつ変わるかなんて自分では選べないだろ……」

かぐや「……」

1号「か、かぐやは声変わりしても可愛いと思うよ」

かぐや「！」

1号「だ、だからその……そんな気にする必要はないんじゃないかな」

かぐや「……」

1号「むしろ男装してる身としては嬉しいかなぁ……なんて……」

かぐや「……あっそ」

かぐや「……りがと」

1号「？ 今なんて？」

かぐや「なんも言ってない！！」

ひめ「かぐやはもう学校行ったのか……」

かぐや「昨日の話をしてから機嫌が悪そうだったな……」

かぐや「……んん！！」

かぐや「……！！」

かぐや「あれ……この声……」

18禁「おひめちゃんはー？」

ベル「まだ来てないですわ」

ガラガラ……

ひめ「……」

運子「あ！！ 来た！！」

ひめ「……」

18禁「遅いなおひめちゃん。 さ、朝礼まで時間あるし私らと一緒に遊びを……」

ひめ「……はようございます」

三人「！！？」

18禁「ちょっ……なんだそのガラガラ声！！？」

ベル「風邪でも引きましたの？」

ひめ「いや……全然フラフラとかはないです」

運子「あっ！！！」

18禁「どうした運子」

運子「もしかして昨日言ってたあれじゃない！？」

ベル「『アレ』……？」

18禁「！！ もしかして……今のおひめちゃんは……変声期！！？」

ひめ「……かもです」

運子「やっぱり！！」

18禁「そんな……昨日言ってたことが……もう実現するなんて……」

ひめ「まさか俺も今日なるとは思わなかったです」

18禁「わわわわ！！ ちょ、ちょっと！！」

ひめ「な、なんですか？」

18禁「声と顔が合ってない！！」

ベル「同意見ですわ」

ひめ「そんなこと言われても……」

ベル「かくなる上は……」

18禁「……」バッ

ひめ「……っへ？ なんですかそのバツ印の入ったマスク」

18禁「はぁっ！！」

ひめ「ちょ、ちょっと！！？ うわあっ！！」

18禁「おひめちゃん暫く喋るの禁止！！」

運子「ドンマイひめくん！！」

ひめ「！！？」

18禁「黙ってれば可愛いとはこの事だな」

運子「でもさー……これってずっとこのままじゃない？」

18禁「？」

運子「だって声変わりしたらもう戻らないよ？」

18禁「あっ」

ベル「どうしますの18禁」

18禁「……参った」

ひめ「あの……喋ってもいいですか？」

18禁「うわああ！？ 喋るな喋るな！！」

ひめ「！！！」

ベル「こうなったらヘリウスガスでも吸わせて……」

ひめ「……」

運子「……ひめくん？」

ひめ「……もういいです」

18禁「へ？」

ひめ「なんで……声変わりしただけでこんなに扱いが変わるんですか！！？」

ひめ「たったそれだけで……なんでこんなに言われなきゃいけないんですか！！」

ひめ「なんなんですかこの疎外感……寂しいじゃないですか……」

18禁「お、おひめちゃん。 すまん、私が悪かった……」

ひめ「先輩達なんて大嫌いです！！」ダッ

18禁「あっ！！ ちょ……」

ベル「ひめ！！ 待ちなさい！！」

ひめ「うっ……ううっ……」タッタッタッ……

ひめ「なんでみんな……なんでみんな……」タッタッタッ……

ガン！！

ひめ「いたっ！！」

田所「……っと、わりい。 ぶつかった」

ひめ「！ 田所……」

田所「おっ、有川か。 怪我はねぇか？」

ひめ「お、おう……」

田所「！！！ お前、風邪か？ 声変だぞ？」

ひめ「……変声期」

田所「マジ？」

ひめ「うん」

田所「……そっか」

田所「そんで……それは今お前が泣いてるのと関係あんのか？」

ひめ「！」

田所「そっか、生徒会の人達が……」

ひめ「……なぁ田所」

田所「なんだよ？」

ひめ「……今の俺、嫌い？」

田所「！！///」ドキッ

田所（そ、そんな目で見るなよ有川……破壊力ぱねぇよ……）

田所「……嫌いなわけないだろ！！/// なんで声変わりしただけで嫌いにならなきゃいけねぇんだよ！！」

ひめ「！！」

田所「お前がどんな風になっても有川ひめなのは変わりねぇだろ！！」

ひめ「田所……」

田所「だから……嫌いじゃねえ！！ 好きだ！！」

ひめ「……ありがとう」

田所「……」

チュッ

ひめ「！！！？」

田所「可愛かったらなんでもありなの、俺」

ひめ「ばっ……いきなりキスするんじゃねえよ！！」

18禁「……おひめちゃん」

ひめ「！！ 18禁さん……」

運子「……」

ベル「……」

ひめ「二人とも……」

田所「生徒会の皆さん……事情は有川から聞きました」

18禁「！！」

田所「なんでそんな事を……」

18禁「いや……それは……本当に私が悪かった……」

18禁「おひめちゃん……その……ごめんな……」

運子「ごめんねひめくん……」

ベル「……ごめんなさい」

ひめ「そ、そんな……三人とも、そんな頭を下げないでください」

18禁「いや、でも……」

ひめ「だ、だって……いきなりの変化に対応しろって言われても難しいじゃないですか」

ひめ「だから皆さんがそうなるのも無理はないですよ」

ひめ「俺の方こそ……大嫌いなんて言って……ごめんなさい」

運子「ひ、ひめくんが謝る必要はないよ！！？」

ベル「人が良すぎますわひめ、今回ばかりは貴方は何も……」

18禁「……分かった！！ 終わり！！」

ひめ「へ？」