武内P「もしも歴代シンデレラの皆さんがレベル5(超能力者)だったら」 (56)


【路地裏】

スキルアウトA「ねぇねぇ彼女、俺たちと遊ばない?絶対後悔させないからさー」

スキルアウトB「まさか拒否なんてしないっしょ?こんな時間に一人でうろついてるわけだし」

凛「…」

スキルアウトC「つか、マジ可愛いねぇ…クールな感じもいいわー」

スキルアウトD「まぁこれからキャラ崩壊しちゃうわけですが…ぐふw」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1582471267


武内P「…あの」

スキルアウトA「あ?誰だよおっさん」

スキルアウトB「もしかしてアンチスキル(警備員)か?」

武内P「…少し、彼女の話を聞いてみては」

スキルアウトC「…は?何言ってんだおめー?」


スキルアウトA「あーまぁいいや、とっと失せろや」カチカチ

スキルアウトD「で、でた~あっくんの【氷結操作】!空気中の水分を凍らせて相手に突き刺す無慈悲の刃!!」

スキルアウトE「…終わったな」

武内P「…」

凛「どいて」

武内P「…?」

凛「邪魔だから」


<ギャアアアアアアアアアアアア

スキルアウト’S「」チーン

武内P「…」

凛「…まだいたの?」

武内P「申し訳ありません、余計なことをしてしまったようで」

凛「…別に」

武内P「…あの」

凛「?」


武内P「私、こういう者ですが…」つ名刺

武内P「…【アイドル】に、興味はありませんか?」

凛「…」

凛「ない」

武内P「…」

凛「なんだ、勧誘の人だったんだ…最初からそれが目的だったわけ?」

武内P「…いえ、そういう訳では」

凛「…悪いけど、アイドルなんてわけわからないもの、興味ないから」

武内P「…」


超電磁砲T 面白いですね

もしも学園都市のレベル5(超能力者)が歴代シンデレラだったら…?という妄想

アイドルのレベルの高さは総選挙の過去最高順位に(だいたい)依存


【女子寮】

凛「…」

<ガチャッ

乃々「お、お姉様…おかえりなさい」

凛「…乃々、まだ起きてたの?」

乃々「は、はい…お姉様のことが、し、心配で」

凛「…ふーん、乃々は私が心配なんだ」

乃々「あ、いえ!その…あの…もりくぼは…あぅ」


凛「…ごめんごめん、いじわるだったね」

乃々「うぅ…」

凛「でも、本当に大丈夫だから…私のこと、乃々が一番知ってるでしょ?」

凛「皆の憧れの、学園都市に7人しかいないレベル5の一人…」

凛「渋谷凛、なんだからさ」

乃々「は、はい…!」

凛「…」


凛(…学園都市)


あらゆる教育機関・研究組織の集合体であり、学生が町の人口(230万人)の8割を占める学生の街にして、

外部より数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている科学の街

また、人為的な超能力開発が実用化され、学生全員に実施されている(参考:wikipedia)


凛(それが、私の住むこの町の概要…)

凛(最先端の技術で豊かな生活を送れて、普通の人には出来ない能力まで使えるようになる)

凛(そんな、夢のような場所に見えるけど…)

凛(その実態は、【レベル】という明確な数字で区別される、超学歴社会に近い場所だ)

凛(…そして私は、そんな学園都市の頂点に位置するレベル5、その第三位…ということになっている)


乃々「えっと…寮長には、能力検査の件で遅くなるって…伝えたので」

凛(先ほどからおどおどしていて頼りないように見えるこの子も、【レベル4】の一人…)

凛(なぜか私のことを『お姉様』と呼んで慕っているけど…とても良い子だ)

凛「ありがとう、今度何かおごるよ」

乃々「い、いえ!お姉様のためなら…もりくぼは、何でもしますから…」

凛(…うん、まぁ…悪くはないかな)


【翌日/通学路】

「おはようございます、凛ちゃん!」

凛「…」

凛「おはよう、卯月」

卯月「今日もいい天気ですね、なんだかいいことがありそう」

凛「…そうだね」

凛(…この子は島村卯月、私と同じ学校に通う学生で、仲の良い友人…なんだけど)

卯月「ところで、あの話…考えてくれましたか?」


凛「…また派閥の話?」

卯月「はい!やっぱり凛ちゃんには私の派閥に入ってほしいんですけど…ダメですか?」

凛「…昨日も言ったけど、私は派閥なんて入るつもりはないし、作るつもりもないから」

卯月「……うーん、そうですか」

<ワイワイガヤガヤ

凛「…?」

卯月「…」


「あちらをご覧になって、島村さんと渋谷さんよ」

「わぁ、今日もお二人ともお美しい…」

卯月「…」ニコッ

「「はう!?」」ズキューン

凛「っ!!」ズキッ

凛「…卯月」

卯月「えへへ、ちょっと気になっちゃって」

「「…」」ポー


凛「…戻してあげなよ」

卯月「はーい、それにしても…」

卯月「どうして凛ちゃんには効かないんでしょうね」

卯月「私の改竄力」

凛「…」

凛(一見、どこにでもいる普通の女の子に見えるけど、実際は大きく違う)

凛(卯月もまた、私と同じレベル5の第五位…友達だからといって、油断しちゃいけない相手だ)

卯月「…」ニコッ


【夕方/通学路】

凛「…」

凛「あのさ、どうしてここにいるの?」

武内P「…」

凛「もしかして、ずっと待ってたとか」

武内P「…いえ、そういうわけでは」

凛「…」

武内P「…【アイドル】に、興味を持って貰えましたか?」

凛「…昨日も言ったけど、アイドルなんて興味ないから」


武内P「…では、せめて…名刺だけでも」

凛「…」

武内P「…」

凛「…」スタスタ

武内P「…」


【数日後】

「「…」」ヒソヒソ

凛「………」

武内P「…」

凛「…ねぇ、学校でも噂になってるんだけど」

武内P「…せめて、名刺だけでも」

凛「だから…」

アンチスキル「ちょっと君!何をしてるんだ!!」


武内P「…」

アンチスキル「あ、怪しいやつめ…ちょっと来てもらおうか!」

凛「え、ちょ…」

武内P「…」

凛「ま、待ってください!この人は…」


【喫茶店】

凛「…」

武内P「…申し訳、ありません」

凛「…もういいよ、これで懲りたでしょ?」

武内P「…」

凛「だいたい、なんでそんなに私にこだわるわけ?」

武内P「…」

武内P「…笑顔です」

凛「…は?」

前スレ捨てて武Pでやり直すの?

>>21
別枠と思って頂ければ、大本は同じです。


凛「笑顔って…私、アンタの前で笑ったことあったっけ?」

武内P「…」

凛(【笑顔】なら適任がいるけど、なぜか嫌な予感がする)

凛「…とにかく、もうこれ以上は」

武内P「…渋谷凛さん」

凛「…え?あぁ…さっきの」

武内P「学園都市に7人しかいないレベル5の一人…」

武内P「…とても強い力をお持ちだと、聞いています」


凛「…そこまで知ったなら分かるでしょ?」

武内P「…」

凛「私はアイドルなんてものになる時間はないし、他にやるべきことが沢山…」

武内P「…渋谷さんは、今の生活に満足されていますか?」

凛「…?」

武内P「以前、街であなたを見かけた時…寂しそうに見えました」

凛「…」

武内P「…もしも、今とは違う…新しい何かを求めているのなら」

武内P「一歩、踏み出してみませんか?」


武内P『お気持ちが変われば、連絡をください』

武内P『…それでは』



凛「…」

凛(…寂しそう、か)

凛(そんなわけない、って否定したかったけど…傍から見ればそう見えるのかな)

凛「…」

凛(…名刺、結局受け取っちゃったな)

乃々「…」

凛「…?」

凛「って乃々!?いつからそこ(机の下)に…」


乃々「……ちょっと前からですけど」

凛「そ、そう…座ったら?」

乃々「………いえ、私は用事が出来たので、すぐに出ます」

凛「…乃々?」

乃々「…フフ」シュンッ

凛「あ、乃々!…いない」

凛(…あの顔、まさかあいつを追ったんじゃ…)

凛「…探すしかないか」


【何かの物陰】

乃々「……!」

乃々(あの凶悪そうな顔…見つけました、お姉様と一緒にいた男の人)

乃々(どんな経緯でお姉様とお近づきになったのか知りませんが、許せないんですけど…)

乃々(…まずは、ちょっとだけ尾行してあの人の情報を集めてみましょう)


武内P「…」


【2時間後】

乃々(…な、なんなんですか…あの人…)


アンチスキルA「ほら、こっちに来なさい!」

武内P「…」

アンチスキルA「先輩!町で見つけた怪しいやつを連れてきました!」

アンチスキルA「さっき声掛け事案とか発生したんですよね?一応話を聞いておこうかと思いまして」

アンチスキルB「…また君かぁ」

武内P「…すみません」


乃々(2時間で3回も任意同行させられているんですけど!?)


アンチスキルB「まぁ、なんだ…もう来ないように気を付けて下さいね」

武内P「…はい」


乃々「…」

乃々(一度目は、迷子の女の子に声かけて悲鳴を上げられ…)

乃々(二度目は、喧嘩をしていた能力者同士の争いを止めようとして…)

乃々(三度目は、ただ見た目が怪しいというだけで…)


乃々(…ちょっと、可哀そうになってきました)


武内P「…」スタスタ


乃々(…そもそもあの人は、どうして何度も捕まってるのに街中を徘徊しているんでしょうか…)

乃々(ここが学園都市でなくても、普通に不審者扱いされてもおかしくないような…)

乃々(…誰かを、探している?)


武内P「…!」


<バァッァァァァァァァァァァァァァァンン


乃々「!?」


乃々(お店から爆発!?煙でよく見えませんけど…と、とにかくアンチスキルに連絡を…)


武内P「…!」ダッ


乃々「…え?」

乃々(…まさか!?)


乃々「ま、待ってください…!」

武内P「…」

乃々「…な、何をするつもりですか?危ないから…離れて、ください」

武内P「あなたは、風紀委員(ジャッジメント)の方ですか?」

乃々「…一応、そうですけど」


武内P「…爆発の瞬間、瓦礫の下敷きになる学生を数名見ました」

乃々「!?」

武内P「急がなければ、手遅れになります」

乃々「…で、でも」

武内P「あなたは、周囲の方々の避難と救助の誘導をお願いします」

乃々「…っ!」


現実的に考えれば、彼の行動は間違いだ

安全の確保が十分に出来ていない場所に、一般人が救助へ向かうべきではない

自身に危険が及ぶのはもちろん、周りの被害を増やす可能性も十分にある


乃々(止めないと…止めないと、いけないのに…)


ましてや、火の手が上がり建物の崩壊もあり得る今回の状況など以ての外だ

そしてそれは、風紀委員である彼女も同じである

風紀委員の仕事は校内のみであり、校外の活動はせいぜい見回りくらいだ

例え彼女がどのような能力を持っていたとしても、この場で出来ることは…


『乃々は、どうして風紀委員になったの?』


乃々「…!」


乃々「…あの!!」シュンッ

武内P「…!」

乃々「………ここに、いてください」

乃々「…私が、いきます…だから」

乃々「……待っていて、下さい」

武内P「………」

武内P「…」

武内P「分かりました」

武内P「…お願いします」


【数十分後】

<ワイワイガヤガヤ

凛(…この騒ぎ、近くで爆発事故があったって聞いたけど…)

アンチスキルA「これで全員か?中に負傷者は」

アンチスキルB「先ほど爆発前の防犯カメラのデータを確認しましたが、中にいた学生と店員は全員救出出来ました!」

アンチスキルA「そうか、それで…誰が彼らを外に?」

アンチスキルB「それが…中学生くらいの少女と男性が救助をしていたとのことですが…詳細は不明です」

凛(…中学生くらいの少女、それに…)

凛「…」


乃々「…」

乃々(…あれ、ここは…どこ…?)

乃々(…どうしてもりくぼは、誰かに背負われているのでしょうか?)

乃々「…」

乃々「…!?」

武内P「…気が付かれましたか?」


乃々「ど、どど…どうして…?」

乃々(と、とにかくどこでもいいから転移を…!?)フラッ

乃々(あ、あれ…演算が…うまく…)

武内P「…その、あの場から離れたがっている様子だったので、勝手ながらお連れしました」

武内P「ご迷惑だったのであれば、すみません」

武内P「…大丈夫ですか?」

乃々「……はい」

乃々(…そういえば、皆さんを助けた後、そんなことを呟いたような)

乃々「…あ、あの…とりあえず、降ろしてもらえませんか?」


【公園:ベンチ】

乃々「…」グデー

武内P「…どうぞ、お茶です」

乃々「…すみません、ありがとう…ございます」

武内P「調子は…良く無さそうですね、やはり病院へ行った方が良いと思いますが…」

乃々「…大丈夫です」

乃々(…うぅ、本当はあちこち痛いですけど、これ以上心配かけたくないですし…)


乃々「…あ、あの…今日のことは、その…」

武内P「はい、わかっています」

乃々(…気が引けますけど、八神先輩にばれたら大変ですし…)

乃々「…すみません、手伝ってもらったのに」

武内P「私は何も、あなたがいなければ…全員を助けることは出来なかったかもしれません」

武内P「ありがとうございます」

乃々「…」

乃々(…あぁ、この人はやっぱり…)


武内P「…空間転移能力者、だったのですね」

乃々「…へ?あ、はい…」

武内P「それも、自身を移動できる程の能力…素晴らしい力です」

乃々「……いえ、それは違います」

武内P「…?」

乃々「…私は、暗い所にしか…移動できないんです」


武内P「…しかし、先ほどは明るい場所にも転移していたように見えましたが…」

乃々「…それが、不思議なんです」

武内P「…?」

乃々「今まで何回やっても…自分の転移は暗い場所にしか出来なかったのに、今日は…うまくいったんです」

乃々(…もし、何か要因があるとすれば…きっと)

武内P「…それは」


凛「見つけた、ここにいたんだ」


乃々「お、お姉様…!?」

武内P「…」

凛「…その様子だと、やっぱりそうだったんだね」

乃々「…え?」

凛「さっきの爆発事故、二人の救助者がいたって話だったけど…」

乃々「うっ…その、あの…」


凛「いいよ、大体事情は察したから肯定も否定もしなくて」

乃々「…すみません」

凛(…でも、そっか…乃々が皆を…)

凛「…頑張ったね、乃々」

乃々「お、お姉様…(泣」


凛「…アンタも、乃々と一緒に助けてくれたんでしょ?」

武内P「いえ、私は何も…彼女の側にいただけです」

凛「…そっか」

武内P「では、私はこれで」

乃々「…あ、あの!」

武内P「…?」

乃々「…ありがとう、ございました」

武内P「…こちらこそ、ありがとうございました」


【帰り道】

凛「ところでさ、一つ聞いておきたいんだけど」

凛「…あいつから、何か勧誘されなかった?」

乃々「…?いえ、特には何も…」

凛「……ふーん」

凛「ならいいんだけど」

乃々「………」ジー


乃々「…」

『以前、街であなたを見かけた時…寂しそうに見えました』

乃々(やっぱり、油断出来そうにないんですけど…)

凛「…どうしたの?」

乃々「いえ、別に…」


【???】

プルルルルルルル

武内P「はい」

「お疲れ様です。順調ですか?」

武内P「…申し訳ありません。進捗はまだ…」

「大丈夫ですよ、焦らずにゆっくりと進めていきましょう」


「それより、プロデューサーさんに一つお仕事をお願いしたいのですが…宜しいですか?」

武内P「はい、何でしょうか」

「実は、とある暗部組織に、下部組織構成員として働いて貰いたいんです」

「お仕事については、組織のメンバーにお聞きください」

武内P「…承知致しました」

「では、指定した場所へ向かってください」

「メンバーの写真も一緒に添付しますので、見ておいてください」

「あぁ、それと組織名は…」



「アイテム」


第一章完

続きは未定

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