【鬼滅の刃】カナヲ「しのぶ姉さんが屁をこいた。」 (11)




カナヲ(――ごめんなさい姉さん)

カナヲ(ごめんなさい)

カナヲ(私あの時、笑えなくてごめんなさい)


 
カナヲ(しのぶ姉さんがオナラをした時――)

カナヲ(笑えなくてごめんなさい)




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    ――ぶびっ!!


しのぶ『ひぅっ!!??』



    あの時――――――



産屋敷『おや……?』

実弥『ちょ、オイオイしのぶさんよォ!? 柱合会議中だぜェ! はしたないんじゃねぇのかィ!』

天元『ド派手にかましやがる』

杏寿郎『うむ……天晴!』

蜜璃(ええ~~! しのぶちゃん、ええ~~~!?)



   時透様も、悲鳴嶼様も、伊黒様も、富岡様までも……みんな、笑っていたのに――


   ――私だけ笑えなかった





   とても、動揺していたけど





しのぶ『ちがっ! 違うの! 今日は朝からお腹の調子が悪くてっ、だからっ……!! ねぇ、カナヲは知っていたわよね!?』

カナヲ『……っ』


   私は体中、汗をかくばかりで――


悲鳴嶼『あぁ……今朝から腹の調子が悪かったのか。だからつい屁が出てしまったのだ。可哀想だ』

時透『……。でも、親方様のお話を遮ったら、駄目だよ』

しのぶ『ちがっ、ちがっ、あああ、ちがうの……』

伊黒『何が違うんだ。腹が痛かった。だから屁がでた。今自分でそう言ったろう。ではいったい何が違うのだ。俺には理解できないんだが?』

富岡『もういいやめろ』



しのぶ『~~~~~~~~ッ!!!』









 ――――――みんな、笑っていたのに





産屋敷『ふふふ』










 体中、汗をかくばかりで

 私は笑う事ができなかった

 だけど姉さんは――



しのぶ『ああ、みんなを、切り殺してやりたい』

しのぶ『ハァ』

しのぶ『……。』

しのぶ『ねぇ、カナヲ』

カナヲ『?』



 だけど姉さんは、私を責めなかった



しのぶ『――笑っていいのよ。貴方もおかしければ、笑って、いいのだから』



カナヲ『っ…………。』






 姉さんは優しかった

 だからいっぱい

 心の中で言い訳してた



 笑うと蹴飛ばされるの
 
 噛まれるの

 引き摺り回されて水に浸けられるの

 動きをよくみてないと、悪いところに当たって――

 ――……。 
 
 ずっとそうしてきたから


 笑わないようにしてきたから

 急に笑えなかったの

 ごめんなさい――







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しのぶ「――だから、今度こそ笑ってみせるから、もう一度私に、その」

しほぶ「してほしい、と?」

カナヲ「はい、師範」



しのぶ「……。」

カナヲ「……。」




しのぶ「変ったわねカナヲ。――姉さんもきっと、喜んでる」

カナヲ「……! では……!」

しのぶ「でも、だめよ」

カナヲ「え……。」





しのぶ「現在私の体は、血液・内臓・爪の先に至るまで、高濃度の藤の花の毒が回っている状態です」

カナヲ「……!!」






カナヲ(――ごめんなさい姉さん)

カナヲ(ごめんなさい)

カナヲ(私あの時、笑えなくてごめんなさい)


 
カナヲ(しのぶ姉さんがオナラをした時)

カナヲ(笑えなくてごめんなさい――――――――――)





 全集中・屁の呼吸 ~完~




未熟者の書く推敲不足なSSです。
そんなものをお読みくださった方、本当にありがとうございました。

19巻、本当に泣けました……。

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