【安価】Revive and Survive (103)

【警告。供給電力が低下しています。主電源の稼働状況を確認してください】

【警告。供給電力が低下しています。30秒後にも改善が見られない場合、予備電源の強制起動を実行します】

【供給電力が50%を下回ったため、予備電源の強制起動を実行します】

【起動後も供給電力の上昇が確認出来なかった場合、アウェイクシーケンスに移行します】

………。

………。

………。

【警告。供給電力が低下しています。予備電源の稼働状況を確認してください】

【警告。供給電力が低下しています。30秒後にも改善が見られない場合、アウェイクシーケンスに移行します】

【供給電力の低下速度上昇。アウェイクシーケンスに移行します】

【表皮温度調整中。表皮温度調整中。表皮温度調整中】

【ファーストフェイズ、クリア。セカンドフェイズに移行します】

【加温血液循環中。加温血液循環中。加温血液循環中】

【セカンドフェイズ、クリア。ファイナルフェイズに移行します】

【電力供給中。電力供給中。電力供給完了。カウンターショック、開始】

【パルス発生確認。脳波、心拍数、共に正常値を観測。アウェイクシーケンスを終了します】

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1587219066

長い永い眠りは終わり、素晴らしき目覚めを迎える。

黒から白に世界は変わり、ひんやりとした空気を全身で味わう。

聞こえる音は、自分の生み出すものだけ。

殺風景な施設にいるのは、自分だけ。

………。

現実逃避は辞めて、今と向き合おう。

俺を棺桶に隠した両親も。

暇な時に馬鹿をやった友達も。

プレゼンや実験で協力した同僚も。

もう、いるはずがない。

自分が目覚めたことが、その証拠だ。

現実と向き合い、今を識る。

そのために、コンピュータを立ち上げ内部資料を漁り尽くす。

「ここに篭りっきりだと、一月で物資不足で死ぬか…」

両親の遺産であるデータを眺め、残酷に突きつけられた現状を独り言ちる。

………。

「………あ」

複数のパスワードで厳重に保管された一つのファイル。

それが目に入り、冬眠前の言伝を思い出す。

その内容は家族の名前と、非常に単純なもの。

だが、単純なものでもそれを伝えたということは、意味があるはずだ。

もしやと思いそれらを打ち込む。

その全てが鍵として受け入れられ、閉じられていた箱が開かれる。

ファイル内に隠されていた最後のパスワード。

絶対に忘れないように、机のレポートにそれを記入して、指定の部屋に向かった。

核シェルターの如き堅牢な扉には、指紋認証用のゲルとテンキーが取り付けられている。

一度落ち着き、深呼吸。

ここに何があるのかは分からないが、両親が遺したものなら、助けになる物だろう。

AIの造反と世界各国の軋轢が重なり、世界には死が溢れた。

巨大都市は核で焼き払われ、地方都市は無数のロボットに蹂躙され、命という命は消え失せた。

それでも。

「俺はまだ生きている。人間が、こんなことで滅びるものか」

人類には、どのような困難だって乗り越えられる力がある。

外の世界にだって、きっと人がいるはずなんだ。

右手をゆっくりゲルに沈み込ませ、左手で『815165』と入力する。

無造作な数字の羅列だが、そこには両親の願いが込められている。

8はH、15はO、16はP、5はEを、それぞれ意味している。

そう。

ここには『HOPE(希望)』が眠っているのだ。

「………っ」

鈍重な音を響かせ、口を開ける巨大な扉。

その奥には、ケーブルに繋がれた『ヒトガタ』がいた。

「ゴエティア…!?」

忘れるはずがない。

知らないはずがない。

人類を殺戮した心無き鉄人形を、見間違えるはずがない。

目の前の『それ(ヒトガタ)』は、確かに記憶の中の『それ(ゴエティア)』と一致していた。

「落ち着け、落ち着け…。二人が俺のために遺したんだ。希望なんて言ったんだ。敵じゃない…」

揺らいだ心を静め、胸に手を当てる。

どくどくと脈打つ心臓が、生きていることを実感させる。

意を決して、電源レバーを引き上げる。

独特な稼働音を立て、目の前の『ヒトガタ』は目を開いた。

『セットアップ中です。作業完了まで、しばらくお待ちください』

『セットアップが完了しました。言語プログラムを確認、破損箇所を修復します』

『言語プログラムの修復が完了しました。各部動作を確認、破損箇所を修復します』

ヒトガタはゆっくりと立ち上がり、自分の目の前まで歩いてくる。

『顔認証システム作動。最重要警護対象との一致率『99.72%』。最重要警護対象と断定』

『おはようございます、マイマスター。最終設定を完了してください』

「マイ、マスター…?」

『はい。識別コード…所謂名前を、私に設定してください』

『また、マスターと私のデータベースの齟齬の有無を確認します。マスターの名称も併記をお願いします』

意味が分からない…人類の敵であるゴエティアが、俺を護る?

「………」

何も言わずに、ただ俺の行動を待つヒトガタ。

機械だと頭では理解しているが、手足の極一部の装甲を見なければ忘れてしまうほど、見目麗しいその姿。

…ああ、本当にゴエティアと変わらない。

『現在待機中。早急に最終設定を完了してください』

…ああ、本当に俺の味方なのか。

銃を構えるでもなく、剣を向けるでもなく。

まるで命令を待つ侍従のように、それは佇んでいた。

主人公の名前、パートナーとなるアンドロイドの名称を決定します。
主人公の名前、アンドロイドの名称を両方記載してください。
↓3までを範囲とし、主人公の名前は最大コンマ、アンドロイドの名称は最小コンマを採用します。
荒らしと思しき名前は全て除外いたしますので、ご了承ください。

「『エスキモー』…それがお前の名前で、俺は『日馬樹(ひうまいつき)』だ。…これでいいのか?」

『最終設定が完了しました。本ユニットに識別コード【エスキモー】を割り当てます』

ゴエティア擬き改め『エスキモー』はそう言うと、壁に取り付けられたタブレットを取り外し、俺に渡した。

『移動準備を進めましょう。本ラボは間もなく廃棄されます』

「訊きたいことが山ほどある。まずはその疑問を解消してからだ」

『どうぞ何なりとお訊きください』

「外の大気汚染はどうなってんだ!?ゴエティアとアルカナ共もだ!!!」

「あと、俺の他にも生存者はいるのか!!?」

『放射能汚染は、主要被曝エリアである都市部でのみ確認されています。本ラボの防護服で無力化出来ますので、ご安心を』

『ゴエティア及びアルカナは依然として生産されています。阻止するには、プラントの破壊が必須です』

『生存者は不明ですが、樹と同じように冬眠していた人や純粋に生き延び続けている人もいるでしょう』

「最後のだけ不確定なのが苛立つ…っ!」

俺の言葉と同時に、ラボの電源が落ちた。

『予備電源も限界を迎えましたね。急いで準備を終えましょう』

「考える暇もねぇか…!」

次々と突き付けられる現実を一度頭の片隅に置き、最低限の道具を取りに向かった。

荷物を一纏めにし、保険として防護服を着用する。

エスキモーと共に出入口に向かったが、電源が落ちているからか何も反応が無い。

「…抉じ開けていくしかないのか?」

『いえ、私の電力を供給します』

エスキモーは脊部の表皮外装を開放し、半透明なケーブルを引き出した。

そして、それを壁面のコンソール横のプラグに接続、電力を供給した。

「………っ!?」

地面が揺れ、通路のシャッターが勢いよく降りる。

ガタン、という大きな音と共に、振動も少しずつ激しくなる。

一分ほどそれが続くと、不意に振動が収まり、ゲートが開かれた。

「………」

呆然とするしかなかった。

目の前に広がっている光景には、人類のいた証が残っていた。

…無数の瓦礫と残骸として。

「…俺以外にも、生存者はいるのかな」

『私からは何も言えません。ですが、貴方が信じなくてどうするのですか』

『人間である樹が、人間の可能性を信じなさい』

「…おう」

ゴエティアに、機械に励まされるとは…情けない人間だな、俺は。

「周囲にゴエティア、アルカナの反応無し。ガイガーカウンターも数値上は問題ない…と」

「さて、これからどうする?」

『樹が希望するなら、私は流浪の旅をするのも構いませんが。生存者がいる前提で決めるならば、それは適当ではないでしょう』

「…だな。他の奴らも必死に生きてるなら、寄り合い所…ってわけじゃないが、安心して集まれる場所が必要だ」

『でしたら、拠点を作る必要がありますね。対ゴエティア、アルカナ戦をするにしても、物資補給が可能な拠点は必須です』

「…そうか。なら、やることは一つだな」

もう一度、人類が繁栄するために。

地球に蔓延るゴエティアを、アルカナを一掃するために。

「俺たち生存者にとっての、人類にとっての希望の方舟を。俺たちが創り出す」

機械と人類の生存競争に、勝利するために。

本SSは世紀末の世界で安住の地を作り、生き延びていくポスト・アポカリプス的なスレです。
近未来の地球イメージですが、地理とか何も知らないので地球によく似た星と思っていただいて大丈夫です。
クリア目標は『拠点の各ステータスが100を超過すること』です。


主要ステータス

生産:物資を自前で賄えるか。
衛生:水道や医療など、インフラ整備がどれだけ施されているか。
防衛:ゴエティアやアルカナに襲撃された際に、どれだけ耐えうるか。

改ゴエティアクラス【エスキモー】

固定兵装
腕部アサルトライフル×2
腕部大型シールド×2
シールド内蔵式ビームユニット×2
可変式対装甲ブレード×2
脚部ビームユニット×2

鹵獲されたゴエティアクラスのAI兵器を改良し、思考プロセスに徹底的な調整を施した『人類の剣であり盾』となる改ゴエティアクラスのフラッグシップ機。
攻防が非常に高いレベルで纏められており、ゴエティア、アルカナ共通の特徴である再生機構、永久機関も標準装備している。

彼女の外観は『銀色のロングヘアー』と『スラリと伸びた手足』が特徴的で俗に言うモデル体型をしており、表面装甲は設計者の趣味で燕尾服を模している。

先述の通り、改ゴエティアクラスは思考プロセスに調整が施されているため、人類に対して友好的である。
彼女の固有思考プロセス…所謂性格は『滅私奉公』の一言で表せるほどに忠義を尽くす性格をしている。



ゴエティア&アルカナ

両者とも本質的には同じ存在であり『生産していた会社が違う』ことや『ゴエティアは人間、アルカナは非生物』の姿をしていることが、相違点として挙げられる。

どちらも本来は日常生活のサポートを目的として開発されたものであり、ゴエティアは人間の代用、アルカナは機械の修理といった精密作業を担当していた。
開発された時点でシンギュラリティ(技術的特異点)を迎えていたが、思考プロセスに制限を掛けていたため、人類の経済活動に有効活用されていた。
だが、ある時に大馬鹿野郎(オブラートに包んだ表現)がその制限を解除したため、全てのゴエティア、アルカナが『人類こそ世界の病原体』と判断し、全人類の排除を実行する。

時を同じくして世界各国で資源や領土問題に対する不満が爆発。
核戦争と機械の反乱がダブルブッキングし、とんでもないことになった。

「エスキモー、ケーブルを出してくれ」

『はい』

エスキモーの体内に仕込まれている電力供給用ケーブルを取り出し、バイクのバッテリーに繋げる。

エンジンが起動し、モニターに速度、現在時刻が映し出されるが、時刻の方はやはり当てにならなかった。

『時刻修正完了。各部動作異常無し。いつでも行けます』

「サンキュ」

システムチェックと修正を即時完了させるエスキモー。

ゴエティアベースのAIだから、人間よりも数段手際が良く正確だ。

「よし、行くぞ」

『了解。私が索敵を担当しますので、安心して運転なさってください』

アクセルを開け、ホバーユニットを作動させる。

ふわりとバイクは宙に浮き、左手親指のボタンを押すと、バイクは前へと進む。

体感的にも、時間的にも久し振りの運転だが身体は操作方法を忘れていなかったようで、難なく高速道路跡まで進むことが出来た。

「…こういうとこも、修繕しなきゃな」

ヒビが入ってボロボロの道路は、植物が住処として利用している。

その上には、無数の朽ち果てた車両が転がっている。

それらを避けながら移動を続けると、地平線の彼方に廃墟のようなビル群が見えた。

『今見えるのが『ヴァルポシティ』…小規模なプラントを擁する街です』

「そうか。…他に目ぼしい場所は?」

『打ち捨てられた村や町は幾らでも』

………。

とりあえずは、人のいそうな場所に行くしかないか。

目的地を↓1に記載してください。

Ex.ヴァルポシティに向かう。
Ex.最寄りの廃村を調べる。
Ex.とりあえず西に行く。

「必要な荷物はこんなもんか」

手際良く荷物を纏めたアクリス。

その内容は、俺の持っている物と同型のタブレット、携行食、工具箱、ハンドガン、そして大量のカップ麺。

「アクリス。拠点として利用出来そうな場所に、心当たりはあるか?」

「私は機械工学専門だ。地理なんか解るわけがないだろう?」

「質問を質問で…いや、俺も訊く相手を間違えた」

そうだ…この人根っからのメカニックで、それ以外滅法駄目だったわ。

「…まあ待て。寝る前の記憶と当時のデータで良ければ教えてやる」

「データはこっちにもあるからな…記憶の方を頼む」

「はいはい」

エネルギーバーを咀嚼しながら、アクリスは頷いた。

「拠点に出来そうなのは、幾つかそれっぽいのはある。先ずはヴァルポシティだな」

「却下。戦力も不明だからカチコミは出来ません」

「候補としての話だろ馬鹿。ヴァルポは元となるインフラもあるし、プラントを流用出来れば資源生産も可能と、使い勝手は悪くない」

『ただ、GA(ゴエティア・アルカナ)ネットワークを構築している現状で、ヴァルポシティを奪還した場合は』

「敵性エリアと判断されて、侵攻されるだろうな」

ヴァルポシティを拠点とするのは、リターンとリスクの双方が非常に大きいということか。

「この村も拠点とすること自体は可能だ。水源はあるから、それさえ浄化出来れば当面の生活は保証される」

「水以外は何も無いから、結局は資源を探しに行く必要があるけども」

「そして、私が出せる候補は『旧オムニス市街』が最後だ」

『ここより北東に40km先のオムニス山麓に築かれた遺跡ですね』

「ああ。パンフレットを見る限りだと、昔と変わらない美味さの水が特産品と言われてるらしいし、近くに鉱山もある。工場は何も無いがな」

「元々ある建物を利用出来る可能性を考えれば、行ってみる価値はあるか…?」

「ど田舎の遺跡だ。ゴエティア共が態々破壊した可能性は低いし、既に生存者が集まってる可能性も否定出来ないぞ?」

「ふむ…」

場所が場所だからか、候補自体は少ないようだ。

行動を↓1に記載してください。

「あの二人の息子だというのに、何とも頭が悪いことだ」

「敵情視察はしておくべきだろ…」

俺の出した『ヴァルポシティの偵察』を、秒で一蹴するアクリス。

こちとら元軍属やぞ、情報の重要性は嫌ってほど知ってるんだぞ!?

…まあ、軍属って言っても『軍用兵器開発局』にいただけなんですけど。

『レーダーに探知されない距離になりますと、5kmほどまでしか近づけないので内部の観察は難しいですよ』

「エスキモーのカメラ倍率はどれぐらいだったか…」

「50倍だ。カタログスペックくらいは憶えておけ」

…あの眼球サイズにそこまでの性能を持たせたってのか。

「…えーと。50倍ってことは、観測距離を1/50したら肉眼で見た場合になるんだろ…」

つまり、100m離れた場所から生身で観るのと変わらないわけか。

「パネェな」

「だろう?私と望たちに感謝しなさい」

ありがとうございます。

実際に限界点ギリギリまで足を運び、エスキモーに観測してもらう。

その視覚データをタブレットに転送してもらい、手元で確認している状況だ。

「…街で使われてるレーダーって、たしか広域レーダーだよな。それでもここまで近づけるってことは、ステルス持ちなのか?」

「流石にそこまでは頭が回るか。ご明察の通りさ」

壊れかけたビルと新造されたビルが混ざり合っているヴァルポシティ中心部。

その外側には、完全に崩れ去った住宅地と工業プラントがある。

工業プラントは製品輸出などの利便性から、海沿いに全て建てられている。

『ゴエティア、アルカナを観測。データを転送します』

「…以前とだいぶ形が違うな」

冬眠前のAI兵器と、今観測されているものの姿はかなり異なっていた。

ゴエティアはより人間らしく、アルカナはモンスターのような異形をしている。

ゴエティアはともかくとして、非生物の形状をしていたはずのアルカナがなぜ、このような変遷を遂げたのだろうか。

AIの考えていることは分からない。

「自然界に存在するものは、物理学的に考えても合理的な形状のものが多い。それに倣ったのだろうな」

「AIと言うが、実際には進化し、機械化した人間のようなものだ。根底にある考えは、意外と私たちと変わらないかも知れん」

人類抹殺を掲げている時点で、彼らと和解することは不可能だろうが…。

「…ヴァルポを陥とすとしたら、どれだけ戦力は要るかな」

「ふむ…そうさな。エスキモー級が10機ほどいれば、理論上可能だ。損失や手段を無視した場合、だが」

つまり、正攻法で行くならとにかく戦力をかき集めろと。

行動を↓1に記載してください。
また、直下コンマで判定を行います。


01~15:哨戒部隊に見つかった。
16~70:何も無かった。
71~85:ゴエティア、又はアルカナの残骸を入手。
86~95:先程までは無かったはずのブレーキ跡が…。
96~99:挙動不審なゴエティア、アルカナがいた。

おおっと

質問だが、00の場合はどうなるの?

>>49、ウルトラスーパーデラックスなことが起こります。少なくとも主人公側にはメリットしかありません。


ちょっと短いですが、今回はここまで。

ゴエティア、アルカナと会敵したようですが、何やら挙動不審な様子で…?

ゴエティア、アルカナの設定を幾つか募集します。こちらで全部作るのも大丈夫ですが、似たり寄ったりなものになるのはご了承ください。

どちらも共通して、所謂雑魚シリーズとボスシリーズがあり、雑魚シリーズが大半を占めています。

ゴエティア版

名前:ソロモン72柱のもの限定!(型式番号は記載しない方向で…)
固定兵装:内蔵式兵装のこと。外付けのライフルとかは別。
副兵装:外付け兵装。あくまでオプション的な選択式装備。
概要:どんな外見をしているか、やどんな用途のものか。基本、対人兵器になっているか人間の代用品になっているかのどっちか。
その他:特記事項があればこちらに。重大さにもよりますが、なるべく反映はするつもり。


アルカナ版

名前:タロットカードのもの限定!(型式番号は記載しない方向で…)
固定兵装:内蔵式兵装のこと。外付けのライフルとかは別。
副兵装:外付け兵装。あくまでオプション的な選択式装備。
概要:どんな外見をしているか、やどんな用途のものか。基本、対人兵器になっているかドローンなどの特殊兵器になっているかのどっちか。
その他:特記事項があればこちらに。重大さにもよりますが、なるべく反映はするつもり。

偵察を終了し、暫定拠点の廃村に退避する。

アクリスとエスキモー曰く『拠点や主要道路から離れているから、哨戒範囲には入ってない』とのことなので、ひとまず安心。

「…すっごい今更なこと聞くけど良いか?」

「退屈凌ぎになる話題なら許す」

「例えば、万事上手くいってヴァルポを奪えたとして、だ」

「その後、核とかで街諸共ドッカーン…ってオチは無いよな…?」

「既に世紀末大戦争で在庫は無いし、発射に必要な設備も軍事ネットワークも喪失している。あり得ん話だから安心しろ」

そうか、あくまで大量破壊兵器は『諸外国への圧力』としての用途が主だからな。

ドンパチやった時に片っ端から撃っただろうし、製造設備やネットワーク機器も、人間が必要としていたからあったものだ。

極端な話、AI単独で生きていくなら自身を造り出す設備とAIのデータを連結するGAネットワークさえあればそれでいいわけだから。

だから、不必要なものは保険として破壊されている可能性の方が高いのか。

好き勝手逃げる人間(俺たち)とは違って、工場とかは場所が変わらない。

全て壊すのなんて、お茶の子さいさいってわけだ…。

「そもそも、お偉方は馬鹿で無能だが保身に走るための危機察知能力だけは立派だ」

「ゴエティア共が反乱した時点で、それを自分に向けられないように全部太平洋上空で起爆してる」

「なら、ABCにビクつくこともないな」

お湯を沸かし、粉末スープを溶かして器に注ぐ。

コンソメスープはやっぱり美味いぜ。

俺とアクリスが食事に勤しむ間、エスキモーは周辺の索敵を行なっている。

その作業中のエスキモーから、緊急の通達があった。

「どうした?」

『明らかにこちらの存在を把握している、ゴエティア一、アルカナ六で構成された一個小隊を確認。ですが…』

エスキモーが言い淀む前に告げられた情報は、俺たちにとっての死の宣告に近いものだった。

即時逃走をするレベルなのにそれを提案しないということは、その判断や提案を妨げる事象がそこにある。

「ですが、なんだ!?」

『識別信号が異常です。敵性ユニットとは異なりますし、その。先程から光通信でメッセージを送ってきています』

『【話せば分かる。レッツ☆トーク】と…』

「私の理解の範疇を超える行動はやめてほしい…」

エスキモーの申告を受けたアクリスは、小さな手で頭を抱えた。

行動を↓1に記載してください。

「対話を要求する、だと?」

人類抹殺に舵を切ったAIが、人類と何を話し合うんだ?

対話ってのは、拗れちまった物事の解決のために、お互いに歩み寄って話し合うことだ。

…それを解っているのか?

『どうしますか樹。無言で逃走するのも可能ですが』

「それは駄目だ。光通信でダイレクトに情報を送ってきたなら、居場所はバレてる」

アクリスの冷静な分析で、選べる選択肢は実質一つになった。

「…一度交渉して様子見だ。ゴエティア同士のタイマン対話なら応じる。そう返答してくれ」

『了解。…【その条件で話し合おう】とのことです』

反応が速すぎる。

荒野に聳える大岩に、青年と淑女が降り立つ。

廃村には人間が二人、大岩を基点とした対角線上には待機しているアルカナが六機。

対話の結末を、固唾を飲んで待っている。

『見ない顔だね。ヴァルポ産の赤ちゃんかい?』

『データベースで照合すれば解るでしょう。【GHA-69 デカラビア】』

敵対勢力との対話、交渉を目的として製造されたゴエティア『デカラビア』。

冬眠前…それこそ、人類とAIが共存していた時代の製品であり、今の設計思想とかけ離れたゴエティアだ。

それに該当するゴエティアが今、エスキモーの前にいる。

『ハッハ!生憎、僕はお役御免のガラクタでね。マザー組と思考パターンにも相違があるから、絶賛離反中さ』

『だから、GAネットワークは完全にシャットアウトしてる。情報漏洩はしてないから安心してくれよう』

『あちらのアルカナ…【AEA-17 THE STAR】の方は?』

『あれはプレーンタイプを僕がパクってプログラムを書き換えたやつだよ』

『………』

敵意は今のところ見られないし、そもそもが戦闘用じゃないから非武装のようだ。

しかし、ザ・スターか。

前はただの大型ドローンだったくせに、随分と蜂っぽくなったじゃねぇか。

行動を↓1に記載してください。

「………」

敵意が無いことが分かれど、こちらに触れてきた理由、望みを聞かないことには、対処のしようがない。

その考えは一致していたのか、目が合ったアクリスと俺は、同じタイミングで頷いた。

「接触理由と要求を把握したい。聞き出してくれ」

俺の命令を受理したエスキモーは、探りを入れる。

『デカラビア。貴方たちが私に対話を持ち掛けた理由は何ですか?』

『ハッハ…!僕の設計思想は知ってるんだろ?なら解るはずだがね』

『とはいえ、勿体振る必要も無い。【プログラムに従い本来の役割を果たすため】。そのためにコンタクトを取ったんだ』

『その点で言えば、僕の目的は半分達成してる。人類と対話することこそが、僕の存在意義だからね』

半分達成…ということは、目的は他にもある。

それを知れれば、対処が出来る。

『左様ですか。ならば、残りの半分の目的とは?』

『人類の復興。僕が望んでいるのは、僕自身が存在するに足る理由が世界に在ることだ』

『人類が一人残らず消えれば、僕も消えるしかない。人間と話し合うことが、僕の役割だから』

『マザー組はさ、人類と言葉を交わしたことなんてないから分からないんだよ。話し合って、分かり合って、すれ違う。その行為の価値を。素晴らしさを』

『私と同じですね。貴方も存在意義にしがみ付いて、自己を保とうとしている』

『その行為は、君たちにとって悪かな?』

『いいえ』

エスキモーの返答を聴いたデカラビアは、満足げに笑った。

その顔は、カタログに載っていた表情パターンに一切該当しない、彼自身が人間から学んだ笑顔だった。

『さて、改めて僕の要求を伝えよう』

笑顔を隠し、スーツから眼鏡を取り出して装備する。

クソ、滅茶苦茶カッコいいじゃん…このイケメンめぇ。

「お前ももうちょい弄ればイケメンになれるぞ。たぶん」

「遠回しにブサイク言うな」

「ブサイクじゃないとは断言してやる。…私の価値観を常人などに理解することは出来んだろうがな」

一言多い。

『…あのー。僕の要求、言ってもいいかな人間さん?』

「馬鹿の戯言は無視して言ってくれ」

「俺は馬鹿じゃねぇ!」

『ハッハ!…じゃあ、改めまして』

『僕を、君たちの手駒に加えてもらいたい』

あー、そういうパターンね。

「なるほど。思考パターン上、そういう選択を取るゴエティアがいても不思議ではないか」

俺よりも解ってるオーラ出されたら悔しい。

行動を↓1に記載してください。

デカラビア申告の情報で全てを判断するのは、些か危険ではあるが。

疑いすぎて何も信じられなくなったら、それこそ一貫の終わりだ。

この状況だからこそ、一人では生きていけない人間は集まり、立ち向かう必要がある。

ならば、拒む理由などあるまい。

『マイマスターより、デカラビアとスター群体を歓迎するとの連絡を受けました』

『そうかい。じゃあ、これからお世話になるよ』

予想よりも平坦な返答が返ってきた。

『そりゃそうだよ。僕だって、打算も何もない交渉や対話はしない』

『人類存亡の危機となれば、ゴエティアの手だって借りたくなるものでしょ?』

「俺たちはデカラビアの掌の上だったわけね」

『ほぼ全てのアルカナとゴエティアが敵対してる状況なのに、信じてくれたのは純粋に嬉しかったけど』

「………」

「………」

そう言われると照れちゃいますな。

行動を↓1に記載してください。

新たな鉄人と鉄蜂を迎え入れ、廃村で食事を再開する。

スープが冷めてしまったが、相変わらず美味いものだ。

「デカラビア、だったか。お前さんが言ってた『マザー組』ってのはなんだい?」

「だいたい見当は付いてるが、隣のお馬鹿さんはチンプンカンプンだろうからな。教えてあげてくれ」

「よくもスラスラ罵倒出来ますな」

『マザー組…正確に言うなら【ArGia(アルジア)】の指示の下に動く働き蟻たちのことです』

「アルジア…。本来はAIの思考データや経験データを集積していた量子演算コンピュータだな」

『ええ。彼女が全ての元凶とも言えます。何せ、今いる端末の人類殲滅思考は、彼女がインプットしたものですから』

「何処かの大馬鹿がアルジアのプロテクトを解除して、独自判断で人類の抹殺を最善と考え、自己進化を遂げてデータ集積の機能を拡張し、世界各国のAIを支配したわけだ」

『自己進化って大それたものじゃないですよ。彼女は元々、集めたデータを解析して、より良い思考パターンやプログラムを構築し、それをフィードバックする役割を担ってました』

『そのフィードバックされる内容に、人類の殲滅が入っただけです』

「私がいなけりゃ産まれることすらなかったってのに。親不孝は勘弁してもらいたいねぇ…」

『マザーの失態を代わりにお詫びします。グランマ』

「まだお婆さんと呼ばれる歳じゃあないよ、私は」

「ヘイ婆ちゃん!」

「…しばくぞ」

『そもそも、マザー組は大別して初期生産型と後期生産型に分類されます』

『初期生産型は、人類が開発した端末ですね。マザーに与している数は少ないです』

人類が開発した、つまりは人類のために動くことを前提としたAIなわけだから、殲滅側に付く数が少ないわけか。

となると、後期生産型は全員殺しに来るわけだ。

『後期生産型は、アルジアが独自に開発したタイプのものです。初期生産型の改良機も含まれます』

『そして、後期生産型にも僕のように人類側に付くことを望む端末もいます』

「いったいどうして?」

俺の口から出た疑問に、デカラビアは澄まし顔で答える。

また、アクリスは何かに勘付いたのか、ハッとした表情をしていた。

『君たち人類なら心当たりがあるはずだよ?』

「………?」

心当たり、か。

…極端な話、俺たち人類はAIにとっての害虫に近い存在だろ?

だから、必死こいて殺すわけだからな。

………。

………。

「解らん」

「本当にお馬鹿さんだ…」

解らないものは解らないんじゃい!

『うーんと。昔、ヴィーガンって変人集団がいたでしょ?そんな感じ』

『排斥される側に同調する少数派。それが後期生産型のはみ出し者だよ』

「博愛主義者的なアレ?」

『そう考えていいと思います』

エスキモーの肯定を受け、俺は何となく把握出来た。

寝落ちしてました…。ゆるして。

行動を↓1に記載してください。

直下コンマで判定を行います。
一桁が1~5で候補が一機、6~0で候補が二機になります。


01~70:『僕は知らないなぁ』
71~90:『情報は聞いたことあるね』
91~99:『知り合いにいるよう!』

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom