高森藍子「誰かの幸せのために祈る」 (8)

アイドルマスターシンデレラガールズ

高森藍子、道明寺歌鈴のユニット「インディゴ・ベル」の小説です。
イベント「ほほえみDialy」で言われてた「誰かのために祈る」とは、を自分なりに解釈してみました。
解釈違いはご容赦ください。



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歌鈴「いい天気ですねー」

藍子「はい、とっても。あ、歌鈴ちゃん、足元、気を付けてくださいね」

歌鈴「はいっ!」

うららかな午後、たまたま歌鈴ちゃんと空き時間が重なった私は、二人で
お散歩に出かけようと誘い出しました。

いい天気につられてふらふらと歩いているうちに、川沿いの土手道に出てしまいました。

踏み固められているとはいえ、凸凹してる道であることに変わりはなくて……


歌鈴「あいたっ!」


どさりと音がするとともに、歌鈴ちゃんが転んでいました。


藍子「だ、大丈夫ですか?」

歌鈴「あうぅ……藍子ちゃんに気を付けるよう言われたばかりなのに……お恥ずかしい」

藍子「ほんとにですよ?さぁ」


うずくまる歌鈴ちゃんが立ち上がるのを助けようと手を差し伸べると、
小さな影がテトテトと近寄ってきました

女の子「おねえちゃん、だいじょうぶ?」


まだ4~5歳ぐらいの小さな子が、歌鈴ちゃんの横にかがんで、
心配そうに声をかけてきました


歌鈴「あ、はいっ!大丈夫ですよっ!こう見えて、こけるのは慣れてるんで、
全然平気……あいたっ!」

どうやら転んだ時に膝頭を強く打ってしまったらしく、平気とはいかなかったようです。
とっさに抑えた膝頭に、女の子の小さな手が重なります。


女の子「いたいのーいたいのーとんでけーーーーー!」


女の子はそう言って、膝頭に重ねた手を精一杯上に持ち上げます。


女の子「あのね、わたしがころんであしがいたいとき、ママがね、こうしてくれるの!
そしたらね、いたいの、ほんとうにとんでっちゃうの!」

歌鈴「ほ、本当です!今、痛いの、飛んでっちゃいました!すごい!すごいです!!ありがとう!!!」

そう言って歌鈴ちゃんはシャキッと立ち上がります。本当に痛くないのでしょうか……?
しかし、歌鈴ちゃんの笑顔とシャキッと立ち上がった事に安心したのか、女の子は笑顔になると、
そのままテトテトと去っていきました。向かう先に、きっとお母さんなのでしょう、女性の人がいました。
女の子が今しがた歌鈴ちゃんにしてきたことを、一生懸命伝えてる様子がうかがえます。

お母さんは、こちらを見て、軽く会釈をします。私たちも、そのまま会釈で返します。
お母さんはそのまま女の子と手をつないで歩き始めました。少し離れてますが、
お母さんも、優しい笑顔になってるのがなんとなくわかりました。

女の子「おねえちゃん、だいじょうぶ?」


まだ4~5歳ぐらいの小さな子が、歌鈴ちゃんの横にかがんで、
心配そうに声をかけてきました


歌鈴「あ、はいっ!大丈夫ですよっ!こう見えて、こけるのは慣れてるんで、
全然平気……あいたっ!」

どうやら転んだ時に膝頭を強く打ってしまったらしく、平気とはいかなかったようです。
とっさに抑えた膝頭に、女の子の小さな手が重なります。


女の子「いたいのーいたいのーとんでけーーーーー!」


女の子はそう言って、膝頭に重ねた手を精一杯上に持ち上げます。


女の子「あのね、わたしがころんであしがいたいとき、ママがね、こうしてくれるの!
そしたらね、いたいの、ほんとうにとんでっちゃうの!」

歌鈴「ほ、本当です!今、痛いの、飛んでっちゃいました!すごい!すごいです!!ありがとう!!!」

そう言って歌鈴ちゃんはシャキッと立ち上がります。本当に痛くないのでしょうか……?
しかし、歌鈴ちゃんの笑顔とシャキッと立ち上がった事に安心したのか、女の子は笑顔になると、
そのままテトテトと去っていきました。向かう先に、きっとお母さんなのでしょう、女性の人がいました。
女の子が今しがた歌鈴ちゃんにしてきたことを、一生懸命伝えてる様子がうかがえます。

お母さんは、こちらを見て、軽く会釈をします。私たちも、そのまま会釈で返します。
お母さんはそのまま女の子と手をつないで歩き始めました。少し離れてますが、
お母さんも、優しい笑顔になってるのがなんとなくわかりました。

藍子「優しい女の子でしたね……」

歌鈴「はい。とっても」


歩き去った親子を見送って、さて歩き出そうとしたとき、歌鈴ちゃんが、どこか遠く、
空を見上げていました。その瞳は、いつもより神秘的で、きらきらとしていました。


藍子「どうか、しました?」

歌鈴「あ、ええっと、今ね、神様にお祈り……というかお願いをしてたんです」

藍子「お願い?ですか?」

歌鈴「はいっ!あの女の子が、これからもずっと、あの優しさを忘れないように、見守ってください、って」

歌鈴「あの優しさを、これからもずっと持っていていたら、きっとあの女の子の周りに、
これからもたくさんお幸せが訪れるんじゃないかな、って、そう思えるからっ!」


普段よりずっとずっと優しい笑顔で、歌鈴ちゃんは答えます。


(すごいなぁ……)


そんな歌鈴ちゃんが、私にはとても眩しく見えます。

私は、あの女の子の優しさに幸せを感じました。きっと忘れないと思います。
この幸せを思い出して、きっとまた、誰かに優しくできるって思ってます。
そうやって、優しさを広げていければいいな、って考えてました。

でも、歌鈴ちゃんは、あの女の子の将来に幸せが来るように祈ってました。

のんびりな私には、そんな先の事なんて、考えもつかなかったんです。
今という時間を、精一杯、大切に、しっかりと足元を見ながら歩くしかできない私に、
遠くの未来の、誰かの事まで考えている歌鈴ちゃんが、とってもすごい存在に見えました。


藍子「歌鈴ちゃんって……本当に素敵ですね」

歌鈴「ひゃい?ななななななんですか急に?」

藍子「うふふふ、私、本当にそう思ってるんですよ?」

歌鈴「そそそそんにゃことないですよ!!私なんて、ドジでのろまでカミカミで」

藍子「でもとっても大きな優しさを持ってるじゃないですか」

歌鈴「そんな、優しさなら私より藍子ちゃんの方がもっともーっと大きいですよ!」

藍子「ううん、私なんかじゃ届かない優しさを、歌鈴ちゃんは持ってるの。それは」

歌鈴「それは」

藍子「誰かの幸せのために祈ること」

歌鈴「ええっと……」

藍子「祈るって、未来まで含めて幸せであってほしい、っていう歌鈴ちゃんの優しさそのものだなぁ、って」

歌鈴「はうぅ……でも、そんなふうに藍子ちゃんに言われると、それは、とっても嬉しいです!!」


歌鈴ちゃんは顔を真っ赤にして照れてます。

藍子「歌鈴ちゃんのその優しさ、私、とっても尊敬してます」

歌鈴「私には祈るぐらいしかできませんから。それに、藍子ちゃんだってすごい優しさを持ってるじゃないですか」

藍子「そうかなぁ」

歌鈴「藍子ちゃんの優しさは、地に足の着いたというか、とっても安心させてくれる優しさです。
私のぼんやりとした祈りなんかより、きっと幸せを届けられてます!私も、どれだけ助けられたか」


そういって、歌鈴ちゃんは私の手を握ってきました。
暖かいぬくもりが、私の心を穏やかにしていきます。


歌鈴「そんな藍子ちゃんの優しさ、私、とっても尊敬してます」


しばらく見つめあってましたが、どちらからともなく、笑顔に変わっていきました


藍子「さぁ、そろそろ帰りましょう」

歌鈴「そうですね。ってああっ!もうこんな時間!!ちょっと急がないと!!」

藍子「あ、本当ですね。でも大丈夫、きっと間に合いますから、慌てずに、ね」

歌鈴「だといいんですけど……」


私としてはいつもより早いペースのつもりで歩き始めます。
歌鈴ちゃんは、私に合わせて歩いていきます。
ずっと、手をつなぎながら。

すごく短いですが。以上。投稿ミス失礼しました
HTML化依頼してきます

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