凪「凪です」ズイッ!
颯「はーだよ!」ズズイッ!
モバP(以下、P)「どっちだよ・・・」
・書き溜めをどんどん投下していきます
・誤字脱字がありましたらすみません
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凪「凪ははーちゃんより三分も早く産まれたのでもちろん凪という事になります。略して三分モチ凪」
P「なんか美味しそうな響きだな」
颯「三分くらい誤差の範囲だもん!」
凪「昔の偉い人もこう言いました。『三分間は人生にとって短い時間だが、双子の上下を決めるには十分な時間である』、と」
P「初耳だなぁ」
颯「ウソに決まってるじゃん!」
凪「ならば空腹時のカップラーメンの待ち時間と考えても良きです」
P「あー、それは確かに長いかも」
颯「『空腹』を付けるとかズルい! じゃあじゃあ、三分間しかゲームができないって言ったらPちゃんはどう思う!?」
P「短すぎるな~」
颯「でしょー? それに昔は後から産まれた方がお姉さんって言われてたんだよ?」
P「へぇ、そうなのか?」
颯「先にお母さんの中にいた子は後から出てきた二番目の子に押されて奥にいっちゃうから最後に出てきた赤ちゃんこそ本当のお姉さんなんだって」フフーン!
P「なるほど」
P(きっと以前から調べていたんだろうなぁ)
P「で、昔ってどれくらいなんだ?」
颯「へ?・・・えっと確か・・・・江戸時代くらい?」
P「古ッ!!!」
颯「で、でも昔の人がそう言ってたのは事実だし!」
P「まぁそうなのかもしれないが・・・」
凪「異議あり」ピシィッ!
颯「な、なに・・・?」
凪「凪とはーちゃんは一卵性双生児。同じ受精卵にいるのに先にできた子が奥に行ってしまうなんて事はあるのでしょうか? それは二卵性双生児の話では?」
颯「うぐっ・・・!」
凪「以上です裁判長。お納めください」
P「取りあえずアイドルが受精卵って言うのはあまり感心しないな」
P「それじゃあ戸籍上は凪が姉って事でいいわけか」
凪「イグザクトリー」
颯「戸籍上はね! 戸籍上ではね!?」
P「・・・どうも颯は納得してないようだけど」
颯「当たり前だよ! だってなーってば全然お姉さんらしい事したことないんだもん!」
P「お姉さんといっても双子なんだからそれは仕方ないんじゃないか?」
颯「だとしてもお姉さんを名乗るならそれなりの意識を持つべきなのに、なーは何でも全部はーにばっか押し付けるんだよ!?」
P「そうなのか?」
凪「イグザクトリー」キリッ
P「そんなキメ顔で言うことじゃないぞ」
颯「この前、新しく通う学校の通学路をなーと確認しに行ったときなんてね―――」
― 数週間前 ―
~ 駅前 ~
颯『建物キレイ! 人もいっぱい! やっぱ東京ってスゴイね~!』キラキラ
凪『コンクリートジャングルと言われるだけありますね。本物のジャングルを見た事はありませんが』
颯『はー達はこれから通学で毎日この駅を使う事になるんだよ! ワクワクするな~♪』
凪『はーちゃんと凪の東京生活が今始まる。チャンネルはそのまま』
颯『それじゃあ早速電車に乗ろうか!』
凪『りょ』
颯『電車に乗るのに必要な~・・・じゃーん! ICカード~♪』フフーン!
颯『なんかこーいうのって大人に一歩近づいたってカンジがするよねー』ドヤァ!
凪『む・・・』
颯『なーどうしたの?』
凪『ICカードがない』
颯『えぇ!? 失くしたって事!?』
凪『今朝ちゃんとカバンに入れたはず・・・あいつめ、凪に利用されるのが嫌で逃げ出したな』
颯『失くしたんだよね!? いいよそんなト○・ストーリーみたいな言い訳! どうせ昨日観てたから影響受けたんでしょ!?』
凪『やはりトイ・○トーリーは1が至高ですね。はーちゃんもそう思うでしょう?』
颯『え~、はー的には3の方が良いと思うけどなぁ・・・って、今そんな話どうでもいいから! 出かける前の行動を思い返してみなよ』
凪『おーけー、思考巡らせるぜ執行』アーイ!
颯『真面目に探して!』
― 数分後 ―
颯『~~~ッ! 後ろポケットに入ってるんじゃん!』
凪『これは灯台もと暗し。これじゃ不安だ東京暮らし』チェケッ!
颯『はぁ・・・もういいから中に入ろー? これじゃあ学校着くのどんどん遅くなっちゃうよ』
凪『申し訳ない』
ピッ!
颯『わっ、スゴイ! 本当にかざしただけで開いたぁ! 都会っぽーい♪』
颯『スゴイね! なー・・・』
凪『なんだお前・・・凪とやる気か?』 ピンポーン! ピンポーン!
颯『引っかかってるーー!?』
凪『どうやら凪はここまでのようです。さぁ凪に構わずはーちゃんは先に行ってください』
颯『そんな小芝居はいいから! ほら後ろがどんどん混んできちゃって・・・す、すみませーん!』
― また数分後 ―
颯『なんでお金チャージしてないの!?』
凪『てっきり口座から引き落とされるものかと』
颯『そんなわけないじゃん! そもそもはー達まだ銀行口座持ってないし!』
凪『いや、Pの』
颯『なんで!? そんなの使続けたらPちゃん破産しちゃうよ!』
颯『ともかく、通学用の定期にするまでは最低賃金分はチャージしておかないと・・・って、あれ? なー?』キョロキョロ
スタスタ・・・ガヤガヤ・・・
凪『わーお、これが都会の人波というやつか・・・なら乗るしかないな。このビッグウェーブに』
颯『なーーーー!!!!!』
―――――――――――――
―――――――――
―――――
颯「そのまま反対のホームまで流されて行っちゃったんだから」
P「それは酷いな」
颯「そう考えるとはーの方がしっかりしてるし、お姉さんっぽいと思わない?」
P「まぁ今の話を聞くと確かに颯の方がお姉さんっぽいな」
颯「でしょー? だからお姉さんはやっぱはーって事になるよね~♪」フフーン
凪「仕方ない、こうなったらアレを話すか」
P・颯「アレ?」
凪「はい。はーちゃんのためを思って言うのを躊躇っていましたが」
颯「ちょっと待って、何それ!? 何の話!?」
凪「あれは大体10年くらい前のお話―――」
― 10年前 ―
~病院~
医者『はい、お母さんは終り』
久川母(以下、母)『ありがとうございました』
医者『じゃあ次は二人だね』
凪・颯『!』ビクッ! サササッ・・・
母『こーらっ、ママの後ろに隠れないの』グイーッ
医者『大丈夫だよ。一瞬チクッとするだけだから』
颯『やだよぉ・・・』ビクビク
凪『今回はご縁が無かったという事で』ピシッ!
医者『そういうわけにはいかないかなー』アハハ・・・
母『ほら、先生を困らせないの~』
医者『どっちが最初にやる?』
颯『なーからやります!』グイッ
凪『・・・・何・・・だと・・・?』
凪『はーちゃん凪を売るのか』
颯『だってだって・・・あっ! だって、なーの方がお姉ちゃんだから!』
凪『お姉ちゃん・・・凪が?』チラッ
母『三分だけねー』
凪『衝撃の新事実・・・!』
母『あれ、凪には話した事なかったっけ?』
凪『まさかこの状況で聞かされるとは。凪はお姉さんだったのか』
母『はいはい、そんなのはどうでもいいから。もう凪から打っちゃいなさい』
颯『お願い、なーお姉ちゃん!』
凪『!』
凪『なーお姉ちゃん、か・・・』
颯『うん、なーお姉ちゃん!』
凪『・・・悪い気はしないな』ムフー!
颯『なーお姉ちゃん!』パァー!
医者『お、凪ちゃん偉い! さすがお姉ちゃんだね!』
凪『今の凪に怖いものはありません。さぁどうぞ』
医者『ちょっとチクッとするだけで全然痛くないから安心してね~』スッ
凪『痛くないなんて事ありますかね。針が刺さるんだから多少なりとも痛みはあると思いますが―――』ペラペラ
医者『』チラッ
母『緊張して口数が多くなってるだけなので構わず打っちゃってください』
医者『』プスー
凪『――そもそも凪は健康なのd・・いたたたたたた』
―――――――――――
――――――――
――――
颯「そ、そんなの昔の話だしっ!/// それにあの後なーだって泣いてたじゃん!」
凪「泣きますよそりゃ。痛かったんですから」ドドンッ!
颯「開き直った!?」
凪「とにかくあの時お姉ちゃんと言っていたのは事実。これは勝ったな」ピース
颯「まだ負けてない!」
P「はいストップ。これじゃ埒が明かないな」
颯「ならPちゃんが決めてよ!」
P「え、俺?」
凪「そうですね。ここまでの話を聞いてどちらが姉にふさわしいのかPに決めてもらおう」
P「はぁ・・・」
P「もういいじゃないか。どっちが姉だとかそんな事は」
颯・凪「え?」
P「二人には二人の・・・双子の良さがあるんだからさ」ニコッ
颯・凪「」ジーッ
P「・・・な、なんだよ?」
颯「Pちゃん、面倒くさいから早く話を切り上げようとしてない?」ジトー・・・
P「・・・」
P「そんな事ないよ?」
颯「やっぱし! もう絶対に面倒くさいと思ってるじゃん!」
P「ここまで話が広がるとは思ってなかったから! 俺だって軽い気持ちで聞いただけだったのに!」
颯「Pちゃんには責任取ってもらわないとね」
P「えぇー・・・」
凪「その通りですね。凪たちを弄んだ責任を取ってもらわなければ」
P「誤解されるような言い方やめろ!」
P「あー、もう分かったよ! じゃあ今からその道の有識者を連れてくるからその人に決めてもらおう!」
凪・颯「有識者?」
――――――――――――――――
―――――――――――
――――――
美嘉「―――で、アタシが呼ばれたんだ」
P「お姉さんと言ったら美嘉だからな!」
美嘉「確かに姉ではあるけど、そんな有識者とか・・・そもそもうち双子じゃないからあまり力になれないと思うんだけど」
P「そんな深く考えなくてもいいんだよ。美嘉の思うお姉さん像を教えてやって欲しいんだ」
颯「お願いしまーす♪」
凪「しくよろです」
美嘉「お姉さんらしいことか~。そんなの考えたこともなかったからな~」
P「そこを何とか頼みますよ」
美嘉「うーん・・・そうなると、やっぱ一番は『しっかりしている』事じゃない?」
P「やっぱそこか」
美嘉「うん、お姉さんは妹のお手本にならないとだからね。日頃からお姉さんはしっかりしていないと★」
颯「しっかり者と言ったらはーの事になるよね♪ なーは目を離すとすぐどこか行っちゃうし」ニヤニヤ
凪「むぅ・・・」
P「他には何かあるか?」
美嘉「ほか~?・・・・あとは『我慢』ができる事とか?」
P「なるほど、我慢ね」
美嘉「妹がどんな理不尽な事とか我儘を言ってきてもお姉さんは我慢しないといけないからね。『美嘉はお姉ちゃんなんだから我慢しなさい!』とかよく言われたな~★」アハハ
凪「・・・注射」
颯「!」ギクッ
美嘉「え、注射?」
凪「これに関しては凪の方がお姉さん。いわゆる姉みが深いというやつでしょうか」
P「そんな言葉あるんだ」
颯「むむむ・・・!」
美嘉「・・・」
美嘉「あのさ、二人はどうしてそんなにお姉さんにこだわっているの?」
凪・颯「え?」
颯「どうしてって、それは・・・・・・・あれ、どうしてだろ?」
凪「はて、言われてみれば・・・別にはーちゃんの上に立ちたいというわけでもないですし」
颯「はーも。なーより偉くなりたいってわけでもないなー」
P「おいおい、今までの話は何だったんだよ」
美嘉「要は二人とも『お姉さん』っていう言葉に憧れていただけなんじゃない?」
颯「あ、そうかも! お姉さんの方が大人っぽくてカッコいいって思ったもん!」
凪「そこまで凪達の心を読みとれるとは。メンタリストも商売あがったりだな」
美嘉「二人はせっかくの双子なんだから姉妹の関係にとらわれない今のスタイルが一番魅力的だとアタシは思うけどな★」ニコッ
P(あちゃー、美嘉もそれ言っちゃったか~)ペチン!
颯・凪「・・・」
颯「はい!」キラキラ
凪「これは刺ささる」
P「あれぇ?」
美嘉「どうかした?」
P「え、いや・・・俺も言ったんだけどな」
美嘉「何を?」
P「二人はそのままが良いよ。的なの」
美嘉「あ、そうなの?」
颯「だって美嘉さんは本物のお姉さんだもん。Pちゃんは違うでしょ?」
P「まぁ確かに俺は男だし、妹もいないけど」
凪「それに加え、あの『城ヶ崎莉嘉』がお手本と崇めるような完璧な姉。同じ言葉でも重みが全く違いますので」
P「ど正論じゃないか」
美嘉「っていうか、そもそもプロデューサーもどうしてどっちがお姉さんかなんて聞いたの?」
P「え? まぁ、単純にどっちだったかなっていう確認もあるんだけど―――」ガサガサ
凪・颯「?」
P「さっき営業先でこのクマのぬいぐるみ貰ってさ」スッ
凪「おぉ・・・」キラキラ
颯「わぁ、可愛い♪」
美嘉「それって確か今流行りのゆるキャラだっけ?」
P「そうそう、しかも限定品らしい」
美嘉「へぇ~」
P「二人ともこういうの好きだったよな?」
颯「流行り物とか可愛いのは全部好きー!」
凪「この前ゲームセンターで取ったクマのぬいぐるみの弟分として迎え入れよう」
P「でもコレ一つしかないんだよ」
凪・颯「!」
P「だから申し訳ないけど、お姉さんの方に我慢してもらおうかなと思ったわけだ」
凪・颯「・・・」
凪・颯「 凪(はー)の方が妹です(だよ!) 」ズイッ!
P「調子いいなお前ら」
以上になります
最後までご覧いただきましてありがとうございました!
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