【ミリマス】横山奈緒「にらめっこで瑞希に勝つで」 (37)

ミリオンスターズの17歳組が登場するSS

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高山紗代子「あ、奈緒ちゃんから電話だ。もしもし?」

横山奈緒『なぁ紗代子、私はどうしたらええと思う?』

紗代子「え!? な、何か悩み事……?」

奈緒『もう自分に自信が持てないんや……。私、アイドル向いてへんかも……』

紗代子(奈緒ちゃん、すごく落ち込んでるみたい……。話を聞いて、励ましてあげないと!)

紗代子「奈緒ちゃん、どうしちゃったの? 何があったのか聞かせてくれる?」

奈緒『うん。実は昨日な……』

昨日

奈緒「瑞希、にらめっこで勝負や!」

真壁瑞希「受けて立ちます。ルールはどうしますか?」

奈緒「目ぇ瞑るのと手ぇ使うのはナシ、でどうや!」

瑞希「異論はありません。……いざ、勝負」 

奈緒(ふふふ……。まんまと勝負に乗ってきたな瑞希! そのポーカーフェイスとも今日でおさらばや! )

奈緒「にらめっこしましょ!」

瑞希「笑うと負けよ」

奈緒「あっ」

瑞希「ぷっ」

2人「ぷ!」

奈緒→それはもうエグい変顔

瑞希→真顔

奈緒→それはもうエグい変顔

瑞希→真顔

奈緒→それはもうエグい変顔

瑞希→真顔

瑞希→真顔

瑞希→真顔

瑞希→真顔




奈緒「恥ずかしっ!!!」


奈緒「本気で勝ちにいったのに! アイドルどころか女の矜持まで捨てたのに! ニコリともせぇへんやん! 私、めちゃくちゃスベってるやん!」

瑞希「いえ、横山さんの変顔はとても面白いです。これまで戦ってきた相手とは比べ物になりません」

奈緒「それを表情に出してもらわんと説得力がないやん! コアラが“ユーカリは美味しくない”って言うくらい説得力ないで」

瑞希「……?」

奈緒「またスベった! ……まあ、今のは自分でも何言うてるかわからんかったわ」

奈緒「ぐぬぬ……これならどうや! あっぷっぷ!(かなりエグい変顔)」

瑞希→真顔

奈緒「あっぷっぷ!(とてもエグい変顔)」

瑞希→真顔

奈緒「あっぷっぷ!(本格的にエグい変顔)」

瑞希→真顔

奈緒「あっぷっぷ!(尋常でなくエグい変顔)」

瑞希→真顔

奈緒「……もう嫌や!」

奈緒『てな感じで、為すすべもなく瑞希にボロ負けしてもうた。私は大阪の人間として、人を笑わせることにプライドがある。それを粉々にされて……私、どうすればええんや』

紗代子「奈緒ちゃんってそんなに変顔に自信あったの?」

奈緒『あったで。そう、あったんや。昨日までは、ちゃんと……』

紗代子「じゃ、じゃあ試しにちょっと見せてよ」

奈緒『わかった。ビデオ通話にするからいくらでも見てええよ。瑞希1人笑顔にできないようなしょうもない変顔でええんやったら、な……』

紗代子(そこまで卑下しなくても……)

奈緒『ほな行くで? あっぷっぷ(とんでもなくエグい変顔)』

紗代子「ぶふっ!」

奈緒『……紗代子、気持ちは嬉しいけど無理しなくてええで。今はそういうのが1番キツいねん……』

紗代子「ふふっ……! そ、その顔で……喋らないで……!」

奈緒『……えっホンマにウケてる?』

紗代子「ふ、ふふふ……あははははは!!」

奈緒『ホンマにウケてる! なんやなんや? どうやら私の変顔も、まだまだ捨てたもんやなかったみたいやな!』

紗代子「あっ、あはははは!! ご、ごめん奈緒ちゃん。ちょっと、ふふっ、これ以上は、話せない……」

奈緒『あ、そう? ほな切るわ。話聞いてくれてありがとうな。バイバーイ!』

紗代子「う、うん、また後で……ふふっ! ふふふふふふっ!」


紗代子「はあ……はあ……はあ……。奈緒ちゃんの変顔、すごかった……」

紗代子(あんなに面白いなら自信もあっただろうし、瑞希ちゃんを笑わせられなかったのはショックだよね……)

紗代子(なんとか自信を取り戻してもらわないと……!)

翌日


紗代子「瑞希ちゃんににらめっこで勝ちたい奈緒ちゃんを応援する三銃士を連れて来たよ」

奈緒「瑞希ちゃんににらめっこで勝ちたい奈緒ちゃんを応援する三銃士?」

紗代子「勝負事の専門家、美也ちゃん」

宮尾美也「燃えてきましたな〜」

紗代子「笑顔の専門家、エレナちゃん」

島原エレナ「がんばるヨー!」

紗代子「瑞希ちゃんの専門家、紬ちゃん」

白石紬「真壁さんとは親しくさせていただいておりますが、専門家というほどでは……」

奈緒「えっと……みんな、どうしたん?」

エレナ「サヨコから聞いたヨ? ナオがミズキに勝てなくて落ち込んでるって!」

紬「アイドルとしての自信を失ってしまったと、そう伺っております」

美也「奈緒ちゃんのために一肌脱ぎますよ〜」

奈緒「あ、いや……昨日紗代子を笑かしたから、結構自信は取り戻してんねんけど……」

紗代子「奈緒ちゃん、それでいいの!?」

奈緒「えっ?」

紗代子「奈緒ちゃんの変顔は本当に面白かった。でも、今のままじゃ瑞希ちゃんに勝てない! それで満足なの!? そんなのだめだよ! もっと上を目指さないと! 奈緒ちゃんならきっとトップ変顔アイドルになれるよ!」

奈緒(あかん、スイッチ入れてもうた……。これは、変なときの紗代子や。この分だといくら言っても聞かへんな。……しゃあない、腹括るか!)

奈緒「せやな! やられっぱなしは性に合わへんもん! 瑞希に勝つためや、頼むでみんな!」

紗代子「じゃあ作戦会議だね。目的は、にらめっこで瑞希ちゃんに勝つこと」

美也「勝負に勝つには、まず相手を分析するのが重要ですね〜。瑞希ちゃんはどんなときに笑うのか、考えてみましょ〜」

エレナ「うーん……ステージに出たとき?」

奈緒「そらそうやけど、公演のMCでにらめっこやるのもなぁ……」

紗代子「紬ちゃん、瑞希ちゃんの専門家として何か意見はある?」

紬「ですから、専門家というほどでは……。ええっと、真壁さんでしたら、コーヒーゼリーを召し上がっているときなどは特に嬉しそうにしていらっしゃいます」

美也「なるほど、好物で釣る作戦ですね〜」

エレナ「美味しいものがあったらハッピーだもんネ!」

紗代子「コーヒーゼリー……盲点だった! 早速買ってくる!」

紬「え? も、もっと作戦を精査した方がよいのでは……」

奈緒「もう行ってもうたで」

紗代子「買ってきたよ!」

奈緒「うわ、これエラい高いやつやん。普通のでよかったんちゃう?」

紬「ろ、600円……。高山さん、後ほど必ずお支払いします」

紗代子「勝ちたいなら妥協しちゃだめだよ!」

エレナ「これならミズキも笑ってくれるよネ」

美也「では奈緒ちゃん、がんばってきてくださいね〜」

奈緒「……えっ、今?」

紗代子「うん。瑞希ちゃんには別室で待機してもらってるから」

奈緒「いや瑞希も巻き込んでんのかい!」

奈緒(これは、いよいよ後に退けんくなったで……)

奈緒「瑞希、おるな!?」

瑞希「横山さん、おはようございます。高山さんから事情は聞いています」

奈緒「なら話は早い! あっぷっぷ!」

奈緒→非常にエグい変顔

瑞希→真顔

奈緒(くっ、やっぱり笑わんか……。でも、本番はここからやで!)

っ【高級コーヒーゼリー】

瑞希「……!」

奈緒(さあ、どうや!)

瑞希「…………」




瑞希「…………?」

奈緒「撤収!」



紬「申し訳ありません。私の作戦が的外れだったせいで……」

奈緒「いいや、紬は悪くない。全部私の変顔がおもろないのが悪いんや」

紗代子「いけない! また奈緒ちゃんが自信を……エレナちゃん!」

エレナ「任せて! ナオ、にらめっこしヨ?」

奈緒「え? まぁ、別にええけど……」

エレナ「にらめっこしまショ♪ 笑うと負けヨ♪ あっぷっぷ!」

奈緒→とてもエグい変顔

エレナ「アハハハハハハハ!!!!!」

奈緒「うわっ、すごい笑うやん。なんや、ここまで笑ってもらえると嬉しいなぁ」

紗代子「よし、奈緒ちゃんは自信を取り戻せたみたい」

紬「あの、まさか島原さんはこのためだけに……?」

美也「コーヒーゼリー作戦で瑞希ちゃんのポーカーフェイスを崩すことができました〜。この調子ですよ〜」

奈緒「困惑してただけやと思うけど……確かに真顔ではなくなったか」

紬「方向性は間違っていないということですね」

紗代子「じゃあ、瑞希ちゃんが好きなものを片っ端から試してみよう!」

紬(その後、真壁さんの好みを思いつく限り挙げ、それらを全て試しました)

紬(クロスワードパズル)

瑞希「これは……少し時間をいただいてもいいでしょうか?」

奈緒「いやにらめっこしてんねんから私のこと見てや!」




紬(手品)

奈緒「えー、あなたが選んだカードは……いや変顔キープしながらマジックは無理やって!」






紬(ボルシチ)

奈緒「あつあつあつあつあつあっつ!!!!!」






紬(その他にもバトン、P、制服など……。しかし、どれも横山さんを勝利へ導くことはできなかったのです)



美也「む〜ん、万策尽きましたな〜」

紬「申し訳ありません。私もこれ以上は……」

紗代子「そんなことないよ! まだ、まだ何かあるはず……!」

※奈緒のテンションキープのために何度もにらめっこをしたエレナは笑い疲れたため休んでいます※

奈緒「……みんな、ありがとな。でももうええよ」

紗代子「奈緒ちゃん、そんな……!」

奈緒「悔しいけど、やっぱり私の変顔じゃ瑞希を笑わせるには力不足っちゅうことや」

???「いいえ、そんなことはありません」

奈緒「え……?」

紬「この声は……」

紗代子「瑞希ちゃん!? こっちに来ちゃだめって言ったのに……」

瑞希「すみません。ですが、横山さんにどうしても伝えたいことがあるのです」

奈緒「伝えたいこと?」

瑞希「はい。以前も言ったとおり、横山さんの変顔は本当に面白いです。それが伝わらないのは私の責任です」

瑞希「なので私は考えました。どうすれば伝えられるか。その答えが……これです。どん」

奈緒「なんやこれ。フリップ?」

美也「『笑いました』と書いてありますね〜」

紬「これは一体……?」

瑞希「横山さん、にらめっこをしましょう」

奈緒「え?」

瑞希「このフリップが出れば私が笑ったことに、つまり横山さんの勝ちになります」

奈緒「……なるほど。それが瑞希の第ニの顔ってわけやな?」

瑞希「はい。それで、どうしますか?」

奈緒「もちろん、受けて立つで! 手伝ってくれたみんなのためにも勝たせてもらうわ!」

瑞希「では、始めましょう」

紗代子「奈緒ちゃん、頑張って!」

美也「ファイトですよ〜」

紬「…………」ギュッ

瑞希「にらめっこしましょ」

奈緒「笑うと負けよ!」

瑞希「あっ」

奈緒「ぷっ!」

2人「ぷ!」




奈緒→これ以上なくエグい変顔

瑞希→真顔



奈緒「…………」

瑞希「…………」

紗代子「…………」

美也「…………」

紬「…………」




瑞希「…………」

瑞希「『笑いました』」スッ



紗代子「!! フリップが出た!」

紬「と、いうことは……」

美也「奈緒ちゃんの勝利ですね〜」

奈緒「私、勝ったん……?」

瑞希「はい。さすがは横山さん、完敗です」

奈緒「そうか、勝ったんか……」

紗代子「奈緒ちゃん、おめでとう!」

美也「これで、トップ変顔アイドルに一歩近付きましたな〜」

紬「本当に……本当に、おめでとうございます……!」

奈緒「ありがとうみんな。ホンマにありがとう。……でもな」




奈緒「こんな虚しい勝利はいらん!!!」


おしまい
関西弁の粗は見逃して
「あっぷっぷ」って言ってほしかったのと、変顔してほしかっただけのSS
可愛い子の可愛くない表情っていいよね

そうそう。SSといえば、ミリマスSS交流会とかいう企画をやってるそうですよ。
wikiのリンク貼っておくので作品を投稿したり感想を書いたりしてね。
https://w.atwiki.jp/millionss2nd2020/sp/

確かにその勝利は虚しい...
乙です

>>2
横山奈緒(17) Da/Pr
http://i.imgur.com/4hFIOoy.png
http://i.imgur.com/w8WBkxh.jpg

高山紗代子(17) Vo/Pr
http://i.imgur.com/N2a9e5q.jpg
http://i.imgur.com/Upbc83p.png

>>3
真壁瑞希(17) Da/Fa
http://i.imgur.com/HUp8fv1.jpg
http://i.imgur.com/YYXqjRw.png

宮尾美也(17) Vi/An
http://i.imgur.com/aopijsM.jpg
http://i.imgur.com/roD1T7G.jpg

島原エレナ(17) Da/An
http://i.imgur.com/rJAb1J4.png
http://i.imgur.com/NJfWLh6.png

>>10
白石紬(17) Fa
http://i.imgur.com/8jTfNea.png
http://i.imgur.com/gwy6on6.png

テスト

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