TV局・ロビー
榊夏来
http://i.imgur.com/25TGoYv.jpg
佐城雪美
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夏来「はぐれたの……どんな猫……?」
雪美「黒くて…ちっちゃい…………ペロってゆうの…………番組、いっしょに出た………………でも目を離したすきに……」
夏来「いなくなったの……大変だ……」
雪美「どうしよう……出入り口近くにあったから……もしかしたら…………外にでちゃったのかも……!」
夏来「ごめん……俺、見てない。でも見つけたら……保護するよ」
雪美「うん……おねがい…………お願いします」
夏来「探すの手伝うよ…………俺達、仕事終わったから」
雪美「あ、ありがとう……!」
夏来(……妹を思いだすな……)
夏来「今日、雪降るらしいから……外に出ちゃってるなら早く見つけてあげないと……」
雪美「うん……心配……」
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――
――――
TV局内カフェテリア
神谷奈緒
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奈緒(お……メール。そっか、凛達も仕事終わったか……ちょっと押したな)
奈緒(うぅ~~早く合流してくれよ……この休憩室、あたしとあの男子達しかいなくて居心地ワルいったら……)
若里春名
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伊勢谷四季
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秋山隼人
http://i.imgur.com/mYi4Ya1.jpg
―アハハハハ!!
春名「もー、シキったらウソ言うなよー!」
四季「マジにマジッすよー!! メガサプライズだったすー!!」
隼人「それで? その後どうなったんだ?」
奈緒(バカ話に花を咲かせてるな。あたしはどうしよ。もう一回、寝たフリするか……?)
奈緒(……ってなんでクラスのリア充にビビるぼっちみたいなマネしなきゃいけないんだよ!! くそー男子め……!!)
奈緒(あの年頃の男子ってのは全然ガキんちょだからな……そのくせ、ヘンな知識はつけてきてるからタチがワリぃ)
奈緒(どうせあいつらも男だけになったら、放送コードギリギリなことばっかり話し始めるんだろ……やれ巨乳がいいとか、やれ彼女とこんなプレイをしてみたいとか……)
奈緒(シンデレラはもうベッドに寝る時間に3つ数えて秘密作ろうシート倒してBまでオンザビーチとかそんな助平な話ばっかりするんだろ!)
奈緒(ああ、くそ……許されざるぜ、その下品さ……恥ってもんをもっと持てよな……!)
春名「――」
四季「――」
奈緒(お……? なんだ話のトーンが落ちてる。なに話してんだ)
春名「……ヌード………」
四季「……オレは………ヌード…好き……」
奈緒「~~~っ!!?」
奈緒(ほらな! ほらなっ!! 考えた矢先にこれだよ!! 男子三人寄ればエロ話だよ!!! 盛りがついた犬だよどうしようもないぜあの年頃は!!!)
奈緒(大方ベッドで寝そべってる姿がいいとか、グラビアっぽい方がそそるとかそんな話してんだろ! ってかこの空間あたしがいるだろーが! デリカシーってもんがなさすぎだろっ!)
奈緒(さっきまで話しかけられないように寝たフリしてたから、聞こえてないって思ってんのか……音、立ててやろうか)
奈緒(よし、椅子をガッとやって、音出すか)
奈緒(武士の情けだ。直接声かけて注意はしないでおいてやる。男子にもプライドってもんがあるだろうからな)
奈緒(よーし、1、2の……!)
隼人「――俺はカレー“ヌード”ルのが好きだけどなー」
春名「でも、一回食べてみたらハマるって!! チーズポタージュ意外といけるから!」
四季「つーかカップヌードルの話してたら食べたくなってくるっすねー!」
春名「売店で売ってないかな?」
奈緒「…………カップヌードルの話かよォッ!!!!」
隼人「うぇっ!?」ビクッ!!
四季「な、なんすか!?」
奈緒「あ…………」
奈緒「おほん……あー、なんかイヤな夢みちゃって飛び起きちゃったぜー……あーすげえナイトメアだったー……寝なおすかー」
隼人「……」
四季「……」
春名「……」
ビ、ビックリシタナー オ、オウ
ナンノ ハナシ ダッタッケ……
奈緒(あぶねー、ヘンな目で見られるとこだった……)
奈緒(今のは、アタシが先走っちまったんだな。反省だ)
奈緒(…………そうだよな、男子だからってみんながみんな下ネタばっかりいうわけじゃねーよな)
奈緒(あいつらもアイドルだ。イメージ戦略上特にそういうのには気をつけてるだろ)
奈緒(ある意味、禁欲的なんだな……そう思うとちょっとだけかわいそうだと思わなくもないな……ずっとドロドロのリビドー抱え込んだままその獣欲を抑え続けなきゃいけないんだもんな)
奈緒(わかってるぜ。ホントはあたし達が漫画を貸し借りするみたいに、エロ本を貸し借りしあいたいんだろ……でもそんなことできなくて悶々としてんだよな)
奈緒(ふっ……大変だよな、男子ってのは)
四季「いやマジそのAV、メガグレートなんすよ!!!」
春名「そんなにいいのか? ちょっと見てみたいかも」
四季「すげーっすよ! 声がもう響いて! 感度もめっちゃよくてちょっと押しただけでもーすげー盛大に!! いやーあれは一度触れてみるべきっすよー!」
奈緒(前言撤回だオラアアアアァァッッ!!! やっぱエロいコトしか考えてねーじゃねーかァァッッ!!)
隼人「へえー、そんなにか」
四季「ただちょっと気になったのが……抜かないように注意しないといけないんすよね。ちょっとあの抜きやすさはヤバ気なカンジがしたっす。そこだけ注意っすね!」
隼人「よしっ! 部費で買えるか相談してみるよ!」
奈緒(買えるかァァーッ!!! 部費で買った極上AVで部室観賞会かコラァァッ!!! 爛れすぎだろーが!! ってかそーゆーブツのは18禁だろ!! 年齢規制守れや!!)
奈緒(腹立ってきた……ダメだ。これは看過しちゃダメだ)
奈緒(こんな公共の場所で臆面もなくあんな会話を展開して……遵法精神がうかがえない企みを堂々としゃべって……!)
奈緒(止めてやろう)
奈緒(……でも、アレだな。流石に男三人相手にケンカ売るのは危ないな。あいつら獣欲に支配された十代男子だし……)
奈緒(ここは、そうだな。ケータイで会話を録音しよう。それで『聞かせてもらったぜその会話。おっと手を出すなよ。さっきの話の録音データはすでに仲間にも渡してある』ってな感じでいくか)
奈緒(それで、『これに懲りたらもうそんな企みはやめるこったな……、あたしだってアンタらのファンを悲しませたくない』って言ってクールに去る……おお、かっこいい! これでいこう!)
奈緒(よし……録音スタート!)ピッ!
春名「――ってか、そんなにコードの抜けやすさは気にしなくても大丈夫だろ。丁寧に使えばいいんだし」
隼人「そうだな、今まで使ってきたアンプも抜けたことないもんな」
四季「じゃあ、決まりっすか?」
隼人「あ、でも一応貰ってきたカタログ見せて。他の AV(オーディオビジュアル) 機器にもちょっと興味あるからさ」
四季「いっすよー! どーぞ!」
…ピッ
奈緒「……」ガタッ
奈緒「 ま ッ ッ ぎ ら わ し い ん だ よ ォ ォ ッ ッ ! ! ! ! 」
春名「うわっ!?」ビクッ
隼人「また寝言!!?」
奈緒「あ……」
四季「大丈夫っすか……?」
奈緒「お、おー。だいじょぶ。…………あーすごいまぎらわしいユメ見たな……紛らわしいよなーほんと。似てるもんなー。三船美優と新田美波どっちですかって言われてもぱっとでてこなかったぜーあははー……」
奈緒「もう一回寝なおすかーははは……」
奈緒(オーディオビジュアルね。はいはい――――AVだもんな、それも)
奈緒(……もうこいつらには関わらねえ。関わってやるか!!)
奈緒(凛達が来るまでもう机に突っ伏しとこう。そうしよう)
隼人「~~」
春名「……ww」
四季「!、~……!」
奈緒(もうどんな話をしても聞き流してやる)
隼人「……が……で……」
四季「……っすね」
春名「でも…………だろ……」
奈緒(聞こえない聞こえない。興味ない。つーか、なんであたしが男子のコトここまで考えなきゃいけないんだよ、アホらし)
隼人「――」
奈緒(あー早く来てくれよー…………ん? 薄目開けてみたら……あいつら、こっち見てる?)
四季「なお……」
春名「…………パンチラ………」
奈緒「っ!!!???」
奈緒(え、あたしの話!? ぱ、パンチラってなんだ!?)
奈緒(あ……もしかしてさっき立ち上がって、慌てて座ったから……スカート引っ掛かって下着が見えてんのか!?)
奈緒(あ、あ、あ…………)
奈緒(死ねる)
奈緒(ど、ど、どうしよどうしよどうしよ。そうだっ!! 報復だ!! なに勝手に見てんだよ!!)
奈緒(立ち上がって、文句言ってビンタの一つでも食らわせてやんなきゃ――――)
奈緒(うっ……でも、なんか怖い…………!! な、なんでだよぉ……!! 怖気づくなよぉ……!!!)
奈緒(く、くそぉ……!! あいつら……見んなよ、滅ぼすぞぉ……!! 見ないでくれぇ……恥ずかしすぎて動けねぇんだよぉ…………)
――ガタッ
奈緒「ひっ」
四季「――」ツカツカ
奈緒(こっち来てるっ!!?)
奈緒(あ、やべぇ…………これ、あれだ。『さっきから下着見せて誘ってんだろ』って言われるルートだ)
奈緒(く、くそぉ……なめやがってぇぇ~……!! あたしだって、いざというときゃ……そう、悲鳴あげるぞ!!)
奈緒(アイドルの声量、甘くみんなよっ)
奈緒「お、おまえらっ!!! オトコとして恥ずかしくねえのかっ!!!!」ガタッ
四季「わっ!?」
奈緒「く、く、く、来るんじゃねえぞ……!! 今ならまだ引き返せるぞ考えろコラ親が泣くぞ勘当だぞ刑務所だぞあ違う少年院かとにかく獣欲抑えろこのやろうども……!!」
隼人「え、え? いきなり立ち上がったと思ったらなに言って」
奈緒「ぱ、パンチラ……の件はこの際だ、流してやる…………そう、許してやるから、さっさとあたしの目の前から……」
春名「えっパンチラ?」
奈緒「み、見たんだろが!! さっき言ってたの聞いてたんだよ!! あたしのパンチラがどうのこうのって」
隼人「いいっ!? そ、そんな話してないしてない!! 落ち着いてっ」
奈緒「う、うるせー! 落ち着いたところで襲うつもりだろーがっ!!」
四季「何の話……あ、もしかして勘違いしたんじゃないっすか」
奈緒「あん?」
春名「もしかしてさ。この【パンチラムネ】の話を勘違いしてない?」
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奈緒「……え?」
奈緒「なんだその菓子」
春名「オレのおやつだよー」
隼人「君、ジーッとこっちすごいマナザシで見てたから……それで、もしかしてパンチラムネ凄い好きな子なのかなって思って……良かったら食べる?って声かけようとしたんだけど……」
奈緒「え」
四季「食べます? シュワっとしてていけるっすよー」
奈緒「…………いや! 騙されるか! おまえらアタシの名前出したじゃねーか! 奈緒って」
春名「なお? あっ! おい、もしかして」ヒソヒソ
隼人「あ、あー……そっか。タイミング悪かったな」ヒソヒソ
奈緒「な、なんだ」
隼人「あー、それも勘違い……だと思う……」
奈緒「なにがだよ!!」
隼人「俺達の事務所に岡村直央って子がいて……その子、あんまり駄菓子とか食べたことないって言ってたって話をしてたんだよ」
四季「子どもの時お菓子食えないなんて人生のソンシツっすよね! あむっ、んーうまい!」
奈緒「え……え……?」
春名「そういうことなんだけど」
奈緒「……………」
春名「で、奈緒ちゃんパンチラムネ食べる?」
隼人(めちゃくちゃ顔真っ赤だ)
奈緒「……イクを」
隼人「え、なに?」
奈緒「フェイクを仕掛けてんじゃねぞォォー――――ッッ!!!」グワッ!!
隼人「うわー!? キレた!?」
四季「ゲキリンスタンプやっちゃった!?」
奈緒「おまえら、あたしをからかってんだろ!? おもしれーかオイ!!」
春名「静まれ、静まりたまえ~~! さぞかし名のあるアイドルともあろう御方が、なぜこのようにあらぶるのか~~!」
奈緒「あたしはタタリ神か!?」
隼人「落ち着いてっ!」
奈緒「汚らわしい男子どもめ。わが苦しみと憎しみを知るがいい!!」
ワー!! ギャー!! ウワー!!
卯月「な、奈緒ちゃん……?」
凛「……なにやってるのさ」
島村卯月
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渋谷凛
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――
――――
凛「本当に奈緒をいじめたわけじゃないんだね?」
隼人「違う違う!」
凛「ならいいけど」
奈緒「おいっ、凛! だからいじめられてなんかねーって!!」
凛「私、奈緒のこと心配だから」
奈緒「うあー!! やめてくれってば、そーいう保護者みたいな目は!!」
春名「あー、なんかゴメンな」
奈緒「うっ……さっきのことは速やかに忘れてくれ。もうあたしが望むのはそれだけだ」
隼人「う、うん。忘れるよ」
卯月「じゃあ、私たちはこれで失礼しますね!」
――ガチャ、バタン
隼人「……女の子ってよくわかんないな」
四季「恥じらいっつーのが高まるとああなるんすよ、きっと」
春名「お、旬からメールだ。オレらもそろそろ帰るか」
四季「おっと! あれを帰りに忘れずに買って帰らなきゃダメっすね!」
……ガチャ
夏来「みんな…………」
隼人「お、ナツキ。お帰りー。ジュンといっしょじゃなかったっけ?」
夏来「ジュンは……今、猫を探してくれてる…………」
四季「ネコっち? 何のことっすか?」
夏来「実は……TV局に連れてきた猫とはぐれたって女の子がいて……みんなは見てない? 黒猫なんだけど……」
隼人「えっ」
春名「猫ねぇ。うーん――――」
・・・
未央「――――見てないなぁー」
雪美「そう……」
加蓮「局にいるのか、それとも外に出ちゃったか……外なら早く見つけてあげないといけないね。雪降るって言ってるし」
本田未央
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北条加蓮
http://i.imgur.com/1m4Gi5p.jpg
雪美「どうしよ……わたしが目をはなしちゃったから……」オロオロ
未央「だ、だいじょーぶだって!! 私たちもペロちゃんいっしょに探してあげるからっ!」
加蓮「そうだよ。アタシたちに任せて」
雪美「ありがとう……うれしい……」
加蓮「……お姉さんらしいとこみせないとね」
未央「しぶりんたちにも協力してもらえばすぐだって! ほらしぶりんってば目ざといし!」
加蓮「目ざとい……あはっ、確かに」
春名「んー旬どこにいったかなー」
夏来「ジュンも……猫好きだから」
隼人「熱心に探してるのかな」
春名「おっ、あそこのロビーにいるのはさっきの……」
未央「とゆーわけで!! 私たちはペロちゃん捜索隊を結成しちゃいまーす!!」
卯月「わーぱちぱちー!」
加蓮「ぱちぱちー」
雪美「ぱちぱち……?」
奈緒「……でもさ、ここらへんはもう探しつくしたんだろ?」
雪美「うん……」
凛「TV局っていりくんだ構造してるから、迷子になってるのかもね」
奈緒「ってことはTV局全体を探さなきゃいけないワケだろ? 担当のエリア決めてシラミツブシして探すのか?」
未央「おおっ、方針を決定してくれたね! ありがとー! よし、捜索隊の隊長を任せるよ!!」
奈緒「うぇっ!? な、なんであたしが隊長なんだっ!?」
卯月「わー! 奈緒隊長!! がんばりましょう!」
雪美「奈緒隊長……おねがいします。ペロを見つけてください……」
奈緒「ちょっと待てって! まず隊長って呼ぶのやめてくれ! ハズいだろ!」
加蓮「奈緒隊長、我ら隊員に指示を」
凛「奈緒はしっかりしてるから隊長向きだよ……ふふっ」
奈緒「やめろぉ!」
加蓮「まぁ、ジョーダンは置いといてさ、どうやって探せばいいのかな」
奈緒「え? ああ、そうだな。TV局全部を探すとなると……やっぱ人手が要るよ。346プロのアイドル他にも何人か局に来てるはずだから手伝ってもらうか?」
雪美「……探してくれるってお兄ちゃんもいたけど……」
未央「ふぅん。お兄ちゃんか……よし! 道行く人に片っぱしから協力を頼んじゃおう!!」
卯月「ええっ!」
奈緒「おいおい、確かに人手が必要って言ったけどそれは頼むのちょっと恥ずかしいだろ……迷惑だし……」
未央「CD手売りする要領でお願いしまーっすってカンジで行けばいいよ!! じゃっ、早速ゴー!!」ダダダッ
凛「未央ったらもう。気合い入れちゃって」
加蓮「ああいうコミュ力、うらやましいよね」
未央「はろーはろー! そこのお兄さん達ちょっと時間いーかなっ?」
隼人「えっ、なにかな? ――って、本田未央ちゃん!?」
未央「ああっ!! キミ達は……High×Jokerのはるなん、なつきん、あきやん!」
春名「おっ、なになに? アイドルが血相変えてどーしたの?」
未央「いやー、あのさ。アイドルのキミ達に頼むのもちょーっと気が引けるんだけどさー、私たちの猫探し協力してくれないかなー!」
夏来「え……猫探し……? もしかしてペロっていう黒猫のこと……?」
未央「えっ!? なんで知ってんの!?」
夏来「さっき、女の子が探してたから…………」
未央「あーあー、もしかして雪美ちゃんが言ってた猫探してくれてるお兄ちゃんってなつきんのコトだったの?」
夏来「それと……ジュン……」
未央「そんなら話が速いね! 協力してよー!!」
春名「え、でも。俺らもジュンと合流して帰らなきゃなって話してたとこで」
未央「お願いっ!! オトコでしょ! ギを見てセザルはユーナキなりっていうでしょ! 男子力みせてよ男子力!!」
隼人「男子力……!?」
未央「帰るとこってことはもう予定ないんでしょ? あったとしてもどうせあれでしょ!? ジャンプ読んで、感想言い合うとかそんなんでしょ!」
春名「おいおい~!! それはあなどり過ぎってモンだぜ!? 男子をバカにし過ぎだ!! オレはバカだけど!!」
未央「じゃあなにするのさー」
春名「そりゃあ色々あるよな!」
隼人「う、うん! 色々あるよ! 忙しいし!」
未央「そうなの?」
春名「ジャンプの感想会だけが予定なわけないだろーわかるだろ、普通?」
未央「ふぅ~ん」
四季「おまたせー! 売店で今週号買ってきたっすよー!! 早く回し読み始めるっすー!!!」
春名「…………ヤンマガの感想も言い合うって普通わかるだろ」
隼人「…………」
四季「あれ? どーしたの?」
未央「……協力者リストに入れていーね?」
春名「…………うん」
夏来「……オレも気になってたから、協力する……」
四季「今週はカイジに逆転の兆しっすよ!」
春名「シキ、後で後で」
――……
未央「仲間が増えたよー!」
卯月「やったね奈緒ちゃん!」
奈緒「おいやめろ」
凛「あ、さっきの……」
春名「んーまぁ、手伝うことになったからよろしくー」
隼人「よよよ、よろしく、ね! あーでも大変だよねー!! あー大変だこりゃあ!! 大変大変!」
加蓮「なんでそんなテンパッてるの?」
四季「ハヤトッちー、女子がいっぱいだからって焦りすぎっす」
夏来「手伝うから……捜索、がんばろ?」
雪美「うん……がんばる」
卯月「あっ!! みんな待って!!」
凛「えっ、なに?」
卯月「私すごいこと気づいちゃいました!!」
奈緒「な、何だ」
卯月「夏来くんと雪美ちゃん……兄妹みたい!!」
夏来「え……」
雪美「え……」
凛「あ、ホントだ似てるね」
隼人「もしかしてほんとに妹?」
春名「生き別れた感じ!?」
雪美「え、……え……」
夏来「あの……違うから……」
卯月「二人とも猫が好きなんだよね? ってことは本当に兄妹って可能性がありますよ!」
奈緒「いや、ゴーインすぎだろ」
加蓮「ふふっ、いいじゃない。雪美ちゃんと夏来くんかー……」
未央「感動の再会してもいいよ!」
四季「さ、どうぞっす!!」
雪美「……」
夏来「……」
雪美「…………?」チラ
夏来「…………」コクリ
雪美「……おにいちゃん」ヒシッ
夏来「……いもうと」ヒシッ
未央「うわぁあああっ!! 良かったねぇええ!!」
四季「メガカンドーっす!!」
春名「よっし! 気合入った!! さぁいこうぜ!!!」
奈緒「……なんだこのくだり! ノリか、ノリなのか!? 高校生特有の勢いなのか!?」
雪美「……なんかごめん…………流れで……」
夏来「ううん。妹で慣れてるから……いい……」
――
――――
冬美旬
http://i.imgur.com/3YAXmim.jpg
旬「猫ちゃーん、でておいでー……怖くないからねー。ミルクあげるよー」
旬「ここかな? どこに隠れたのかな? 出てこないとあげないよー……おーい」
旬「ペロちゃーん。ミルクペロペロしにおいでよー。あまくておいしいよー?」
隼人「じゅ、ジュン」
旬「……なっ!!? ハヤト!? それにみんな……!!」
春名「ごめんな、力入れて探してたもんだから、声かけづらくてなー」ナハハ
旬「っ! 聞いたんですか! 今の!!?」
隼人「あー……ちょっとだけ……」
四季「ジュンっちマジでネコっち好きなんすね!! オレも見習うっすー!! ネコちゃーんおいでおいで~!!!」
旬「……!!!」
隼人「お、おいシキってば」
旬「四季君」
四季「はぇ? なんすかー?」
旬「あまり僕を怒らせないでください。理不尽にハードレッスンを指示してしまうかもしれませんので」
四季「ええっ!!? なんか怒らせちゃった!?」
夏来「ジュン…………」
卯月「うー……見つかりませんね」
加蓮「こっちにもいなかった。男子ー、そっちはどうだった?」
四季「空振りっすー。何の成果も得られませんでしたッッ!」
隼人「色んな人に聞いてみたけど目撃情報もなかったや。ごめん」
未央「あー、謝らなくていーよっ! 私たちだって収穫ゼロだしね!」
奈緒「んじゃ、次のエリアに移るか……と、加蓮大丈夫か? あれだったら休んでていいんだぞ」
加蓮「だからさ、奈緒。そういう気は使わないで。全然平気だから」
卯月「気分が悪くなったら、おんぶしますから大丈夫ですよっ! 男の子もいますし!」
加蓮「……あー、じゃあ、いざという時はお願いしようかな」
隼人「えっ? おんぶ!! う、うん! その時は任せてよ!! だ、男子力みせるから!! そう男子力!!」
未央「あきやん、力入り過ぎー」
春名「もーちっと、自然体で接しよーぜー」
隼人「え!? 今のオレダメ!?」
夏来「……ハヤト、ちょっとずつがんばろう……」
四季「ハヤトッちーつかれたっすー!! おんぶプリーズ!!」ガバーッ !
隼人「うわっ! なんでシキが飛びついてくるんだよ!?」
旬「なにをふざけあっているんです……」
凛「これまで手がかりもなにも見つけられてないんだから、真面目にいこうよ」
春名「そだな。しっかし、ここまで情報がないってなると、TV局の中にはいないってことじゃないか?」
雪美「ペロ…………」
未央「みんな! ここはネコの気持ちになるのだー!!」
旬「ああ、猫ちゃ……猫の視点に立つのはいいかもしれない」
未央「よーしみくにゃんの生霊をヒョーイさせるよ!!」
凛「え、みく?」
未央「むむむー……みくはしってるにゃ……ネコの気持ちが分かるにゃー……!」
卯月「わっ、すごい未央ちゃん! 感じ出てる!!」
隼人「これモノマネ?」
雪美「あの……ペロどこにいますか?」
未央「えっ!? えっと……うーんとねー………………」
奈緒(こんなんでわかったら世話ないだろ……)
未央「うーんうーん……ごめんにゃ。みくでは力不足で分からにゃいにゃ……ゆるして、ねっ?」
雪美「そう……残念」
卯月「ああー、みくちゃんじゃダメだったみたいですね……」
四季「失望したっす。みくにゃんのソンケーポイント下げます」
みく「――――なんでにゃっ!!!」
前川みく
http://i.imgur.com/5rmw17j.jpg
加蓮「あ、本物」
未央「うわっ、みくにゃん!? ウワサをすれば影だねぇ」
みく「理不尽なディスの気配を感じて駆けつけたの!! 未央チャンひどいにゃー!!」
未央「あ、聞いてたの……ゴメン」
卯月「でもみくちゃんぽかったですよ!」
みく「にゃっ!? みくはあんな無能じゃないよっ!?」
夏来「あ……じゃあ、猫の居場所……わかる?」
みく「…………え?」
みく「ちょ、ちょっとこれはどーゆうジョータイにゃ? なぜ男子とパーティー組んでるの?」
未央「ペロちゃん捜索隊であるチーム・ナオの協力者だよっ! ヒマしてるみたいだから私がスカウトしたのさ!」
奈緒「部隊名にあたしの名前を冠するな!」
みく「男子といっしょなんて……フケツにゃ!! アイドルとしてあるまじき行為にゃ!」
加蓮「うーん、やっぱそうかな。でも、探すの手伝ってくれてるんだし、そこまで毛嫌いするのもかわいそうじゃない?」
みく「ダメにゃ! 危ないにゃ! あの年頃の男子っていうのはねー!! ドロドロとしたリビドーってのをもれなく抱えてる狼なの!!」
奈緒「…………っ!」
奈緒(あたしと同じこと言ってる……)
卯月「奈緒ちゃん? どうして頭を抱えてるの?」
凛「じゃあさ、早いトコ見つけて解散しようよ。……猫探し、みくも手伝ってくれる?」
みく「猫探し?」
卯月「みくちゃんに協力してもらえればきっとすぐ見つかりますね!!」
みく「そ、そりゃあみくは猫とガフの部屋がいっしょだったけど……」
加蓮「猫キャラだからってムリすることないよ」
みく「ムリじゃないにゃ! 協力してあげる!!」
加蓮「でもムリだったらいいからね。ムリっぽかったら遠慮なく言ってね」
みく「な、なんでムリムリゆーの……」
凛(加蓮……心配する側に立ってるのがうれしいのかな)
――
――――
みく「た、多分こっちにゃ!!」
ゾロゾロ
雪美「ペロー……ペロー……」
旬「でておいでー」
未央「おとなしくトーコーしたまえーっ」
20分後
みく「今度は……みくのセンサーによれば、あっち……多分」
隼人「あ、あのさ。TV局の中だけじゃなくて外も探してみた方がいいんじゃないかな」
四季「そっすねー。ずっとあちこち探してるけど、みくにゃんはどういうトコに当たりつけてるの?」
みく「えっ? あ、あー隠れ場所は多分……物陰か高い所。でも低い所に入り込んでるかもしれなくて、TV局の中にいるだろうけど外だという可能性も捨てきれないって感じかな……」
凛「結局どこなの、それ……」
旬「範囲がまるで絞れてないですね」
みく「うっ! 女子に行き先を決定させてる草食系男子にそんなん言われるスジアイはないにゃ! なら、男子がリードするといいにゃ! ちょっとは猫キャラの苦悩を知るといいよ!!」
旬「え、ここにおいては猫キャラうんぬんは関係ない気が……」
未央「たいちょー、男子に行き場所任せてみてよろしいでしょうかー」
奈緒「あ、ああ、いいんじゃないか――ってだから隊長じゃないって!」
春名「隊長! んじゃ、オレ達が先導するよ!」
奈緒「おまえらまで呼ぶなー!」
加蓮「……ふふっ」
雪美「見つかるかな……」
夏来「見つかるよ……絶対……安心して……」
四季「どこ行きます? またみんなで散らばって探した方がいい気もするんすけど」
隼人「うーん。でもそれやっても見つからなかったしなー」
春名「ここはみくちゃんの精神受け継いで、おれ達なりに猫の気持ちになって考えてみよーぜ」
夏来「猫の気持ち……」
四季「メンタルチェンジネコっちモード! ――――よしネコっちの気持ちになったにゃん!」
隼人「にゃ、にゃん?」
加蓮「うわぁ、男がやると……なんかあれだね」
四季「ほら! みんなもネコっちの気持ちになるにゃん!! レッツ語尾ににゃんをジョイント!!」
春名「了解にゃん!」
夏来「わかった……なんでもやってみなくちゃわからないよね……にゃん……」
旬「僕はやらないからな! そんなことしても捜索のプラスにならないし! 大体語尾ににゃんをつけたぐらいで猫って安易すぎだろ! バカですか!?」
みく「に″ゃっ!?」
未央「ああっ、みくにゃんにダメージが! ふゆみん! その安易なキャラを貫き通している女の子もいるんだよ!?」
四季「こういうのはノリっすよー……あーっ! そうだ! 猫キャラで思い出した!! 315にもキリオっちがいるっすよ!」
凛「キリオ……?」
四季「キョーリョクを要請するっすー!!」
――
――――
猫柳キリオ
http://i.imgur.com/I3yDpgX.jpg
キリオ「――あいわかったでにゃんす! ワガハイ、恐れ多くも猫様の名をもらい受けた身分っ! そりゃもう強力にキョーリョクするでにゃんすよ~~!」
四季「よろしく頼むっすー!! いやー、TV局にたまたまにいて良かった良かった!」
キリオ「猫柳亭きりのじ辣腕! お目にかけるでにゃんす~~!!」
みく「にゃ、にゃんす……!!」
加蓮「あは、テンション高いね」
隼人「……猫の場所心当たりある?」
キリオ「しばし、おまちあれ~~……猫様をおろすでにゃんす」
凛「おろす?」
キリオ「~~フゴ、フゴゴ キシャー!!!!!」
旬「わっ!?」
未央「猫の鳴き声!?」
キリオ「ンンンンニャー ンニャ~~オォ~~~プシッ!! ニャウウゥゥン…」
旬「リアル過ぎて不気味なんですが」
未央「おぉぉ! 芸達者だねぇ」
みく「にゃにゃにゃ……まずいにゃ、みくのアイデンティティがクライシスにゃぁ……!!!」
キリオ「フニャ!!」ピクッ!!
春名「あ、いきなりなにもない空間を見つめたぞ」
凛「ああ、猫ってなんかいきなりそれやるよね……」
みく「あ、あれはフェレンゲルシュターデン現象にゃ!! 幽霊を見つめているのにゃ!!」
旬「……それ、ウソですよ。現象の名前も」
キリオ「――――うにゃにゃにゃにゃー!! びびっときたでにゃんす!! 猫は彼方へあり~~!!」ダダダッ
隼人「えっ、走りだして……! わかったの!?」
キリオ「宇宙のぱわーを感じたでにゃんす!! 皆の衆続けー!!」ダダダダダッ
卯月「つ、ついていきましょう!」
奈緒「ホントかよ、もう……」
キリオ「外へとぱぱっと躍り出るっ!!」
凛「え、TV局の外にいるの?」
未央「うひゃっ、さむっ!! 海が近いから風もすごいよ~! 粉雪舞ってるし!」
春名「で、どこにいるんだよ~」
隼人「隠れる場所なんてある?」
ニャー、ニャー
加蓮「待ってみんな……鳴き声聞こえない?」
旬「え?」
雪美「あっ……いた!」
ペロ「ニャー……」
卯月「あ、ホントだ!! いた!!」
未央「おおおっ!! 見つかったー!! ねこのじくんスゴい!!」
キリオ「にょーほっほっ! これしきのことお茶の子さいさいでござ!」
みく「ちょ、チョーシにのらないでよね! 猫キャラの道は長く険しいんだから!!」
四季「まぁ、なんにせよ見つかって良かったす~~!!」
隼人「……でもさ。ペロちゃん、このめっちゃ高いオブジェから降りられなくなってるみたいなんだけど」
凛「どうやってこの塔みたいな所から下ろすの……」
ペロ「ニャー」
キリオ「そこは宇宙のぱわーも預かり知らぬところでにゃんす」
春名「この塔のオブジェ、電信柱と同じくらいだなー。肩車したぐらいじゃ全然届きそうにないぜ」
夏来「どうやって昇ったんだろう……」
旬「あ、この塔のオブジェの下だけ粉雪のあとができてない。……推理するなら、ここにトラックが止まっていて……」
加蓮「積み上げられた機材やら、トラックの屋根を伝ってあんなとこまでいっちゃったってことかな?」
四季「おおっ!! 名推理!!」
奈緒「でも、そんなのわかったところで、下ろせないぜ。トラックなんて呼べないし……」
雪美「ペロー、ペロー……!」
ペロ「ニャー…ニャー…」
未央「引き裂かれた二人……いや、一人と一匹を見てらんないね」
凛「どうするの?」
未央「よしっ!! 男子! 台になろうか!!」
隼人「ええっ!?」
今回の投下は終わりです
高校生達のドタバタが好きです
旬「台ってなんですか」
未央「高さを稼ぐための台だよっ! ほら、よく見て! この塔のオブジェ、上に掴まれそうなトコあるじゃない?」
春名「まぁ、あるなー。ペロちゃんもそこ辿っていったのかな?」
未央「せめてあのとっかかりまで手が届けば、上に昇ってペロちゃん回収できると思うんだよねー! だから台になってよ~」
隼人「え、肩車しても届かないのに、台になっても意味ないんじゃ」
未央「ちっちっち! 普通の台じゃないよ~!」
卯月「高い台……あっ、わかった! ――人間ピラミッドですね!!」
隼人「え」
奈緒「ちょっ、おい。そこまで求めるのはいくらなんでも」
四季「オッケー!! 了解したよん! みんなで組体操できるなんてシンセンっすー! さぁやるっすよ!」
キリオ「ワガハイ歴史的建築物のマネはいまだやったことないでにゃんす~。ここでみんなでますたぁできるなんて嬉しぃでにゃんすねぇ~!」
加蓮「意外にもノリノリ」
隼人「え、え!? ちょっと待てってば! いろいろチュウチョしなきゃいけないハズだろ!」
旬「そうだよ……! なにが悲しくてこんな雪が降ってる往来で体育祭みたいなことをしなきゃいけないんだよ。手でも汚したら一大事で」
卯月「――男子ってすごいね! 猫ちゃんを助けるために迷いなく身体を張っちゃうなんて! かっこいいなぁ~!」
隼人「うっ! か、かっこいい……!?」
旬「うっ……ね、猫ちゃん……っ!?」
未央「やってくれるかな?」
隼人「……もちろんだよ。女子は下がってて。危ないからさ」
旬「速やかに猫ちゃ……おほん、彼女の猫を救出しましょう」
未央「やったぁ! さっすがだね!」
みく「……しょせん男子の構造ってのはシンプルにゃ」
加蓮「でもアタシはああいうの嫌いじゃないかな。ほら、なんか和まない?」
奈緒「和むって……卯月、せめて応援してあげろよ」
卯月「うん、がんばれっがんばれっ♪」
春名「ほんじゃいっくかー! High×Jokerの、いや315プロのコンビネーションってのを見せてやろうぜー」
雪美「ごめん……ありがとう……」
夏来「申し訳なさそうにしないで……俺達が勝手にやるだけだから……」
旬「それじゃ、体格的にナツキと春名さんと四季君が一番下の土台ですね。ハヤト、僕たちは二段目です」
隼人「おうわかった」
四季「一番上はキリオっちっすね! バランス感覚よさそうっすもんね!」
キリオ「猫の手をお貸しするでにゃんす~!」
――
キリオ「完成完成! 歓声万雷~っ! にゃふふふふっ! 絶景かな絶景かな! やぁやぁ我こそは~はいじょぉかぁの登頂者でござ~いっ!」
旬「くっ……あまり、はしゃがないでください……」
隼人「で、できたぞ! 大丈夫か、ハルナ、ナツキ、シキ?」
春名「オレは、まあヘーキ。鍛えてますから」
四季「よゆうの……っよっちゃんす……っ!」プルプル
隼人「シキ! 辛いんだろ!? もー、もっと食って外で遊ばないからもやしみたいになるんだよ」
夏来「ジュンの手を……背中に感じる」
旬「あ、重い? 大丈夫?」
【キリオ】
【隼人】【 旬 】
【四季】【春名】【夏来】
卯月「すごいすごい! ピラミッド完成ですっ」
凛「ホントによくやるね。素直にすごいとは思うよ」
雪美「ペロ……待っててね。もう少しだから……」
ペロ「ニャゥゥン…」
未央「これなら届くかな。よしっ、しきわんから昇らせてもらうね! 一応靴脱いでっと……山頂あたーっくっ!」
未央「だん、だん、だん!」
四季「うわっ!?」ダン
隼人「ぬぐっ!?」ダン
キリオ「にゃんす!」ダンッ
加蓮「……ん、よし。とりあえず女子一人てっぺんに登っただけじゃくずれなかった」
みく「未央チャン、男子のピラミッドを駆け昇るなんて……思いきりがいいにゃあ。いろいろと」
旬「昇るんならもう少し覚悟の時間を下さいよ……」
未央「あははゴメンゴメン! そこに山があるから昇る……そういう気分でさ。って……おお、これは……」
奈緒「おい?」
卯月「未央ちゃん私達を見下ろしてどうしたの?」
未央「なんかね、男子の土台に乗って地上を見下ろしてると……生物界のヒエラルキーの頂点にいる感じがする。パンサー的っていうかキング的っていうか」
奈緒「なんだそりゃ礼子さんのことか?」
卯月「未央ちゃん男の子の上に乗って、女王様な気分なの?」
みく「にゃっ!? キワドイ台詞はやめるにゃ!」
未央「でもしまむーの言ってるのちょっと当たってるかも。お~ほっほー!! この世のすべてのオトコは私のミリョクにひれ伏すのだ~~!!」
隼人「あ、あの……!! できれば早く……!!」
キリオ「ひれ伏すでにゃんす~! にゃーはっは!」
旬「キリオさんもノらないでください……!! あなたが背に乗られてるんですよ!」
キリオ「むむっ、いま言葉を掛けたでにゃんすね!?」
凛「未央、目的忘れないで! 男子達に悪いよ。ほら、奈緒も言ってやって」
奈緒「え、おう。早くオブジェに昇れそうか確認してくれ! 隊長命令だっ!」
未央「あ、うん! ごめん! ふざけてる場合じゃなかったね! 男子諸君もゴメンね! 今確認する!」
奈緒「ったく……!」
凛「今隊長命令って言ったね」
加蓮「うん、自分の事隊長って認めた。私この耳で聞いちゃった」
凛「うっかり自分から言っちゃってたね。奈緒ってこういうとこがカワイイよね」
加蓮「そうだね~、私も奈緒のそーゆーとこホント好き」
奈緒「うわぁああっ凛、加蓮やめろぉ! 私はリーダーじゃないんだぁぁ~っ!!」
雪美「どう……? ペロ……助けられる……?」
未央「むっ、くっ……! くそぅ、とっかかりに手が届けば何とかなりそうなんだけど…………届かない……あと、ちょっとなのに……!!」
隼人「がんばって! ……シキ大丈夫か」
四季「よゆ、す」
隼人「その台詞の短さからは、余裕が微塵も感じられないんだけどっ!?」
未央「届かないっ! ああ、もう! きらりんぐらい背があれば!! むむむぅ~~!!」
凛「ギリギリ無理か……」
未央「――――えい」ピョン
奈緒「ちょっ、跳ぶなっ!?」
――「ぎゃっ!?」「ぐっ!」「うぉう!」「……っ!」
未央「おっとっとっとととと……あちゃ! 届かなかった。ごめんね。着地の、ていうか着背中のショーゲキきつかったよね!」
四季「…ヘキス」
隼人「シキ! 平気っすって言えてないから!」
未央「一旦下りるよー。未央隊員では厳しいステージであった」タン、タン、タン
旬(……やれやれ)
卯月「じゃあ私が試してみますね! 島村卯月がんばります!」ダンダンダン!!
旬「!?」
春名「ちょっとほっとしたら卯月ちゃんが間髪いれずに昇ってきたよ!」
卯月「ん~~~っ!! ん~~っ!! ダメですぅ、私でもとっかかりに届きませぇ~ん!」
隼人「そ、そう。卯月ちゃん、あのさ、一旦下りて別の方法考えない?」
卯月「大丈夫です! 島村卯月がんばります! えいっ! えいっ!」
旬「ぐ……うっ……!」
凛「卯月! そこでの粘りはむごいよ!」
加蓮「もう一旦どいて男子達休ませてあげようよっ!?」
みく「ナチュラルSが多いにゃあ……」
ペロ「ニャー?」
――
――――
――【直面した課題】
隼人「高さが足りない……!!」
四季「そういえばハヤトッちって渋谷凛ちゃんより背が低いんすね」
隼人「それは今関係無いっ!!」
――【刻一刻と悪化していく状況】
春名「うわ!? 雪の勢いが凄くなってきたな!!」
加蓮「カイロいっぱい貼ってきてるから分けてあげよっか? 凛と加蓮が事務所でる前にムリヤリ貼り付けてきたやつだから遠慮しなくていいよ」
奈緒「悪かったよ……」
凛「心配だったんだってば」
春名「サンキュな! よしじゃあオレはみんなに缶コーヒー買ってくるよ!」
――【希望は、育まれていく絆】
未央「へー寒いのには慣れてるんだ!」
夏来「北海道出身だから……」
凛「ふぅん、雪祭りでライブしたんだ。いいじゃない。私そういうの好きかも」
四季「盛り上がったすよーっ! オレ達のライブの熱で雪めちゃくちゃ溶けたっす!」
奈緒「私らが客船貸し切ってパーティーしてた時期と近いな」
四季「え」
旬(差をつけられましたね)
――【そして、少年少女は最後の作戦に移る】
卯月「さぁ! ちょっと休憩しましたから、また救出作戦を始めましょう!」
キリオ「ほっとこぉひぃじんわりぽかぽか~、まだ五臓六腑で八面六臂に活躍ちゅうでにゃんす~!」
雪美「お願いします……」
春名「兄ちゃんちゃん達に任せとけー。絶対助けるから」
奈緒「アイディアがあるそうだけど、なんだ?」
春名「うん。オレ達今こーゆー感じじゃん?」
【キリオ】
【隼人】【 旬 】
【四季】【春名】【夏来】
凛「そうだね。でもこれじゃギリギリとっかかりに届かなかった」
隼人「うん。だからさ、提案なんだけど……」
春名「ここから、オレら男子の隣に君達女子も加わってもらって、三段から四段にあげればいいんじゃね?」
【女子】
【キリオ】【女子】
【隼人】【 旬 】【女子】
【四季】【春名】【夏来】【女子】
未央「え。私らもやるの!?」
――【心を一つにした彼らは決死の覚悟を持って作戦を開始した……!!】
みく「危ないにゃ! っていうかどーして女子までこんなことしなきゃいけないの!」
凛「ちょっと、みく……その台詞は理不尽だよ」
四季「男女平等ー! 男女平等ー!!」
春名「女子力見せろよ! 女子力! ……ってか、高さが欲しかったらこれしか方法ないと思うぜ」
未央「女子力……」
奈緒「女子力と言ったかおまえら……! くそっ、なめるなよ、女子力ぐらい持ってるわ!」
雪美「だいじょうぶ……?」
卯月「大丈夫ですっ! 346プロのみんなでがんばります!!」
みく「卯月チャン!?」
隼人「じゃあ、誰がどの段にするかは気をつけて考えてね。基本重い人が下の段にやった方がいいから。この中で一番重いのって誰かな?」
春名「ちょっ……!」
「ば、バカッ! んなもん教えられるか!!」「あきやんサイテーッ!」「体重聞くなんてデレカシーないにゃ!!」「ちょっと失礼だよ……っ!!」」
隼人「え、なに!? なんでこんな怒られるの!? アイドルだからプロフィールは公開してるんじゃないの!?」
旬「ハヤト……」
春名「そういうとこ、ちょっとずつ直していこうなハヤト」
隼人「なんでーっ!?」
また書きためます
――……
【奈緒】
【キリオ】【凛】
【隼人】【 旬 】【みく】
【四季】【春名】【夏来】【未央】
奈緒「おしっ! 完成したぞ!」
凛「みく、それと未央、大丈夫?」
みく「ダイジョブだけど、ちょっちキツイかも……」
未央「むぐぐぅ……!! 私は平気さ~!! や、やったね! 私らめっちゃ息ぴったりじゃーん!」
隼人(あ、ジュンの位置にいれば女の子が隣と上に来てたのに……)
旬「ハヤト、なに考えてるか知らないけど、この位置キツいからな」
春名「デリカシーもてよ~ナハハ」
キリオ「持つでにゃんす~!」
隼人「えっ!? 横と下と上からツッコまないでくれよー……!」
加蓮「……記念に撮っとこうかな」パシャ
卯月「あ、いいかも! えへへ、運動会でのパパみたいですね!」
奈緒「と、撮るなよ加蓮っ!!」
みく「即刻デリートにゃ! 流出したらどうするのにゃ!! アイドル生命の危険が危ないにゃ!」
加蓮「え、あぁゴメン。やっぱナシだよね?」
凛(雪が降る中、オブジェの前で人間ピラミッドって……カテゴリは何になるんだろ……)
ペロ「ニャー、ニャァ」ブルブル
雪美「ペロ……寒そう。あの……」
卯月「う、うん! 早く助けなきゃね!! じゃあ島村卯月、登ります! ――えいやっ!」ダンッ
未央「かほっ!? ちょっ、しまむー! ガールの方から登らないで!! あっちサイドから! しきわんから登ってっ!」
卯月「ご、ゴメン未央ちゃん!」
凛「ピラミッド作ってから言うのもなんだけど、卯月よりも私や未央が登る役やった方が良かったんじゃ……」
卯月「だん、だん、だん……だんっ! よし、奈緒ちゃんの上まで来たよっ!」
奈緒「よ、よし! 早いとこペロちゃんを助けてやってくれ!」
卯月「よし、このとっかかりから登って……!!」ヨジヨジ
隼人「行けそう?」
奈緒「あ、おいっ!!! 男子上見るなっての!! 卯月スカートだからっ!!」
卯月「あぅぅ……スカートですみません」
隼人「えっ!? あ、うん!! ごめんっ!!」
四季「も~ハヤトッち……は~!!」プルプル
隼人「今のは悪気があったワケじゃないって! ってか四季はふんばるのに集中してたほうがいいぞ!?」
凛「私ががんばります! って言ったから任せちゃったけど……卯月やっぱ向いてないよ……」
卯月「んしょんしょ」ヨジヨジ
加蓮「卯月いいよっ。もうちょっともうちょっと」
雪美「がんばって……!」
卯月「ちょっとキツいけど……ここまでくればっ……!」
ペロ「ニャー」
卯月「手が届きますっ! ペロちゃんおいで! 迎えに来たよ!」
凛「やったね。ついにここまできたよ」
みく「よ、ようやくにゃ……」
ペロ「フシャー!!」
卯月「えっ? どうしたのかな? 怖がらなくていいんだよ、おいでおいで~♪」
ペロ「ニャッ!」ピョン
卯月「えっ!?」
加蓮「あっ! さらに上に逃げちゃったよ!?」
未央「ええぇー!! なんでさー!!」
雪美「……ペロ……怯えてるのかも……」
奈緒「お、おいおい! どうするんだよ!? 卯月、もっと登れないか?」
卯月「がんば……ううぅ~~ごめんなさい! ちょっと私じゃあ……!」
四季「……!」
夏来「シキ……顔が青くなってきてない……?」
みく「みくも……ちょっとキツ……! バランス取りながら上の人支えるのってタイヘン……!!」
加蓮「ど、どうしよ。猶予ない感じだよ。粘るか、一旦下りるかどっちか判断しないと」
未央「うおおおー!! 燃やせー!! 友情パッションー!!」
凛「み、未央どうしたの!?」
未央「ここが勝負どころだよ! みんな! もうちょっとだけがんばろうっ!!」
卯月「未央ちゃん……っ」
春名「おうっ!! がんばるぜー! で、どうすんの!! なんか策あるの隊長っ!?」
奈緒「あたしにフるのかよっ!?」
旬「なんでもいいからお願いします……! 限界が……」
奈緒「う、うっ!」
雪美「わたし……行く……!!」ザッ
加蓮「えっ」
卯月「雪美ちゃんっ」
雪美「わたし軽いし……ペロも怖がらない……」
みく「でも危にゃいにゃっ!」
雪美「あぶないのは……みんなもいっしょ。それに……わたしのペロなのに……みんなばっかりがんばるのは……違うと思うから……!」
凛「私たちに負い目を感じることないよっ」
キリオ「でもあっぱれな心意気でにゃんす~! たいちょうさん、御判断を~!!」
奈緒「えっ……」
奈緒(なんであたしが……いや!! 小さい子が怖いの我慢して進み出てくれてるのに、お姉ちゃん分の私がいつまでも迷っててどうする!)
奈緒「よ、よし! 来い雪美!! 卯月、上まで行くの手伝ってやって!!」
卯月「う、うん! がんばります!」
雪美「まってて……ペロ……!」タン、タン、タン
旬(……女の子一人分の重さが追加された)
隼人「みんなっ! 絶対耐えようなっ!! 耐えて、後でみんなで笑おうぜっ! なっ!!」
旬「え……ハヤト!」
四季「モチのロンっすーっ!! キビしい状況、乗り越えるのはここにいるみんな慣れてるっすから!!」
春名「おっけ~! これが終わったらあれだもう、祝勝会やろう! ドーナツ食いに行こう!!」
未央「あ、あはっ!! いいねそれっ! やる気でてきたぁ~!!」
みく「その……時は……オゴってよね……!!!」
奈緒「あ、あはは、そうだぞ! 男子力見せろよー……!?」
隼人「うんいいよ!! みんなにオゴっちゃうよ!! だからここは耐えきろう!!」
凛「うん……っ!! きっと、耐えきろう……!」
夏来「ハヤトは流石だね……」
加蓮(みんな持ち直したみたい……隼人くん、か。すごい……リーダーなのかな)
隼人「あ、でも、ドーナツって大丈夫なの!? みんな太るだろ!?」
奈緒「おまっ……!! ハヤトォ!!」
未央「だからそういうこというんじゃなーいっ!!」
隼人「え、これもダメなの!? 気を遣って言ったのにっ!」
キリオ「天丼をよくわかってるでにゃんすねぇ」
加蓮「でも、デリカシーはやっぱないね」フフッ
加蓮(なんか……楽し)
卯月「ゆ、雪美ちゃんちょっと抱きあげますから……! このとっかかりに掴まってくださいね……ふぬぬ~っ!」グググッ
雪美「つ……つかまったよ……? もうだいじょうぶ。ペローおいでー……!」
ペロ「ニャー」
雪美「迎えに来たよ……ごめんね……さむかったよね…………」
ペロ「ニャー」
雪美「雪が降ってるけど……こんどは雪美がきたよ……わたしはあったかいよ……おいで……」
ペロ「ニャー」
雪美「目をはなしてごめんね…………それとお仕事をやらせてごめんね……アイドルのわたしの仕事なのに…………」
ペロ「ニャー」
雪美「ほら、帰ろう? …………おいで……」
ペロ「ニャー」
雪美「おいで………………おいで…………こわくなーい、よ?」
ペロ「ニャー」
雪美「ペロー……ペロー……おいで……帰ったらいっしょにおふろはいろうね…………だから、ほら…………帰ってきて……」
ペロ「ニャー」
加蓮「あんなに喋るのって珍しいけどすごい口調がゆっくり」
みく(で、できれば……!!)
旬(早くしてほしい……!)
奈緒「もう少しだ……もう少しだ……!」
卯月「がんばって、みんな……!」
雪美「ペロ……ほらっ」
ペロ「ニャッ」ピョーン
雪美「ペロっ!」ガシッ!
加蓮「あ、やった! 戻ってきた!」
雪美「えっ……!」ズルッ
雪美(両手はなしちゃったから……バランス……くずれて……)
雪美「あぅ」ドン!
卯月「へっ?」ズルッ、グラッ
奈緒「は? おい……やめろよ……!?」
加蓮「わわっ! 卯月が押されてピラミッドに落ちて……っ!?」
四季「え?」
みく「にゃ?」
旬「はっ?」
奈緒「そ、総員衝撃準備ー――――っ!?」
――――!!
――
――――
雪美「ペロ……もう離さないからね……!」
ペロ「ニャウウン」スリスリ
雪美「カラダ冷えちゃってる……あっためる……!! よかった……ほんとによかった……」ギュッ
加蓮「おお、感動の再会だね」
加蓮「……まぁ、でもそこまで良かったって状況じゃないんだけど」
ワー! ギャー!
奈緒「お、お、おいっ!!? どこ触ってんだぁ!? 離れろォ!」
隼人「いたっ! いたいって!!」
凛「いたた……っ、奈緒、これは事故だよ。責めても仕方ないよ」
春名「あー、凛ちゃんもさ、夏来をお尻の下に敷いちゃってるから早くどいてあげてー」
凛「へっ? あっ、ご、ゴメン!」バッ
夏来「…………うん、平気」
未央「うあー、私もみくにゃんで押し花ジョータイだよー」
みく「フカコーリョクにゃ~……!」
キリオ「にゃーはっはっはっ! 傾城は猫とはよくいったものでにゃんすなぁ~! 傾きくずれて落ちたでにゃんす! オチがついたオチがついた!」
旬「笑える状況じゃないですよ!! ……全員、ケガはない?」
卯月「なんとか大丈夫ですっ! うぅ~、みんなごめんなさい」
四季「や、ウヅキっち責めてもショーガナイっすよ」
雪美「ペロー……」
ペロ「ンニャゥン…」
奈緒「お、おほん! まぁ、でも……あれだな」
春名「ああ、とりあえずは……なんだ、最初の目的は達成できた感じだな」
卯月「はいっ! 雪美ちゃんとペロちゃんを再会させることができましたーっ!」
未央「おお~!! ぱちぱちー!!」
四季「イェーッ!! やったっすー!!」
凛「――――で、『上に取り残された雪美』をどうやって助けるの?」
旬「救出対象が増えただけじゃないか」
雪美「ペロ、ここ高いね……」
隼人「あれ? あそこにいるのって神速一魂の……」
朱雀「お、オオッ!? なんだお前ら! こんな雪降ってんのになにしてんだあっ!?」
旬「紅井朱雀さんですね」
紅井朱雀
http://i.imgur.com/QsY5rLj.jpg
奈緒「いっ、ふ、不良……!?」
みく「こんなステレオタイプでコテコテな不良いるもんなのっ?」
旬「コテコテの猫キャラやってるあなたが言うのもどうかと思いますよ……」
四季「スザクっちー! そっちこそなにやってんすか? シゴト入ってたんじゃなかった?」
朱雀「オウよ!! けんさんに言いつけられて野外ライブ会場の設営ってのをやってたんだ! まぁ、この大雪で中止になっちまったがよ!!」
旬「会場の設営って……」
隼人(山村さん、またどさくさに紛れてこんな仕事頼んだな)
四季「ふぅ~ん! だからロープとか工具とかいろいろ持ってんすね!」
朱雀「オウ! あらかた撤収は終ったからこれから事務所に凱旋しようと思ってんだっ。あー! 早く玄武のヤツにオレのバーニンぶりを聞かせてやりてぇぜ!!」
春名「そっかー、まぁライブ会場の停電トラブル解決した神速一魂ならこれぐらいの仕事なんてことないよなー」
朱雀「お、オゥ……でも、あれは玄武とJupiterが気張った結果だぜ? そこんとこ履き違えんなよ、オォン?」
未央「あははっ! 停電修理って、アイドルがなにやってるのさー!」
卯月「アイドルの仕事って幅広いんですねー!」
朱雀「っ!!? なっ!! じょ、女子!? お、オオォウ! なんだぁお前ら!? あれか? 女子アイドル相手に抗争中だったのかァ!?」
隼人「そ、そんなわけないって!」
みく「いきなりしどろもどろになったにゃ」
加蓮「ふふっ、女子に耐性ないんだね……奈緒、私の後ろから出てきなって。ほら、恐くないよ?」
奈緒「こ、恐いわけじゃねえよ! ちょっと距離掴みにくかっただけだっての!」
旬「僕たちがここにいるのはですね……」
――……
朱雀「分かったぜェェ!! あの嬢ちゃんと黒にゃこを助けてぇんだな!! ウオオオオッ!! オレも力を貸すぜェェーッ!!」
キリオ「にゃふふふっ! 熱気がぐわわっと全開でにゃんす~!」
未央「この勢いとノリは、茜ちんを思いだすね!! 頼りになりそう!」
凛「協力してくれるなら助かるけど……大丈夫なの?」
朱雀「う…ぁ……アッったり前だコラァ!! 舐めんじゃねぇよぉ!?」
春名「おいおい、女の子相手にスゴむのなしだって!」
朱雀「あ、すまねぇ!! ……くそぉ、カンペ持ってくりゃよかったぜ」
卯月「この猫ちゃんかわいいですねーよしよし♪」
にゃん喜威「にゃー」
朱雀「にゃ、にゃこ、お前はすげえなぁ……女子相手に臆さずによぉ」
奈緒(なんか、微妙に親近感湧くなコイツ)
加蓮「で、助けるのってどうするの?」
朱雀「……を使うんだよ」
キリオ「このロープを使うとおっしゃってるでにゃんす♪」
未央「ロープ?」
朱雀「……で、……引っ掛けんだよ」
キリオ「ふむふむ。まずろぉぷをこのおぶじぇの上のとっかかりに引っ掛けるとおっしゃっているでにゃんす!」
みく「ちょっと! 伝令通さずに面と向かって喋るにゃ! 時間かかるデショー!?」
あ、抜けがあった。>>67の前に↓を入れてください
みく「もーっグダグダすぎるにゃ!」
加蓮「これ、本当にレスキュー呼ばないといけないんじゃない?」
奈緒「アイドルなのに悪目立ちしちまうのはよくないけどなぁ……そんなコトも言ってられないか。雪勢い増してきてるし」
旬「もう一度ピラミッド作るのは危険ですしね。また崩れたら今度こそケガ人が出ますよ」
春名「レスキューかー。FRAMEの人たちがいたらなぁ~、こんなのカンタンに解決しちゃうんだろうけどなー」
隼人「FRAMEはあいにく今日仕事入ってたからなー」
未央「それはザンネンだー……って、いい加減雪に当たり過ぎてさむっ!!」
凛「早くなんとかしないと風邪ひいちゃうよ……」
夏来「寒いよね……? すぐ、助けるから……」
雪美「うん……」
卯月「プロデューサーさんに連絡してみましょうか?」
春名「そだなー、このまま雪が激しくなったら、歩いてじゃ帰れなくなるし。雪美ちゃんの件じゃなくても一度連絡しといたほうが――――」
――「ありがとねぇ。もうタクシー来たから大丈夫だよ。荷物持ってくれて助かったよぉ」
――「おうっ!! これぐらいなんてことねぇさ!! じゃあな、ばあちゃん! 暖かくして帰れよ!!」
――
――――
春名「なるほどね。ロープをオブジェのとっかかりに回して、その端を救出者が命綱みたいに結ぶと」
隼人「それでもう一方の端をオレ達が綱引きみたいに引っぱって、救出者を上まで昇らせるんだな」
凛「危なくないかな? 救出者になる人、なにかの手違いで落ちたりしたら……揺れるし、カラダに結んだロープ食いこむだろうし」
朱雀「そこは、気合いで乗り越えるしかねぇな」
夏来「……オレ、やるよ」
旬「え、ナツキ」
卯月「夏来くん、恐くないのっ?」
夏来「上で震えてるあの子の方が降りられないかもしれないって思ってこわいはず……寒い中での作業は苦手じゃないし……もやい結びできるし……」
奈緒「そうか。よしっ! じゃあ、頼む!」
隼人「ナツキ勇気あるな……オレ達絶対ロープ離さないからっ! 落ちる心配は無いからな!」
夏来「うん、信じてるよ……」
旬「ナツキ……」
加蓮(ああ、なんか、いいなぁ)
凛「ほら、加蓮! いっしょにロープ引っ張るよっ」
加蓮「あ、うんっ」
隼人「みんな持った!?」
四季「おーっ!」
卯月「はいっ!」
みく「にゃっ!」
キリオ「にゃんす!」
「んじゃ、引っぱるぞー! タイミング合わせろよー!」
「「「オー、エス!」」」
「「「オー、エス!」」」
加蓮「お、おー、えすっ」
加蓮(この男子達といたらなんか思い出しちゃった)
加蓮(体育の授業は見学してサボってて……だから当然運動会でクラスが一丸になっている時も、私は熱くなることができなかった)
加蓮(それどころか、病弱だった自分に拗ねて、周りをどこか冷たく見てた)
加蓮(リレーで最後ギリギリで負けて泣いてた男子に……『子どもだなぁ』なんて、そんなコトを思って……)
加蓮(本当は、うらやましかったくせに。あのひたむきさが、熱血が、想いをかけられるのが――うらやましくて、憧れてたくせに)
加蓮「ごめんね……ようやく、追いついたよ」
隼人「えっ、なんか言った!?」
加蓮「ふふふっ! なんでもないよ秋山くん」
オブジェの柱を脚で捉え、揺れる身体を慎重にコントロールしながら、榊夏来は少女と猫に近づいていく。
夏来「迎えに、来たよ……ユキミ」
雪美「あ、えっと…………ありがとう……!」
夏来「うん。先にユキミから俺に掴まって……そうっとね」
雪美「う、うん……!」
夏来「怖がらないで。下を見ないで……そう、俺の目だけ見てればいい……」
雪美「……わかった」
ぎゅっ
夏来「よくできました。首に手を回して離さないで……」
雪美「うん……落ちないようにする……! ペロをおねがい……」
夏来「うん。ペロ……おいで」
卯月(あ、ペロちゃん、私の時みたいに逃げるんじゃ……)
卯月の脳裏に一瞬不安がよぎる。
しかし――果たして。
ペロ「ニャー」
雪が風に吹き散らされる、白い世界で。
その黒猫は、なんとも軽やかに暖かき夏の雪へと飛び込んでいった。
オブジェの柱を脚で捉えながら、揺れる身体を慎重にコントロールしながら、榊夏来は少女と猫に近づいていく。
夏来「迎えに、来たよ……ユキミ」
雪美「あ、えっと…………ありがとう……!」
夏来「うん。先にユキミから俺に掴まって……そうっとね」
雪美「う、うん……!」
夏来「怖がらないで。下を見ないで……そう、俺の目だけ見てればいい……」
雪美「……わかった」
ぎゅっ
夏来「よくできました。首に手を回して離さないで……」
雪美「うん……落ちないようにする……! ペロをおねがい……」
夏来「うん。ペロ……おいで」
卯月(あ、ペロちゃん、私の時みたいに逃げるんじゃ……)
卯月の脳裏に一瞬不安がよぎる。
しかし――果たして。
ペロ「ニャー」
雪が風に吹き散らされる、白い世界で。
その黒猫は、なんとも軽やかに暖かき夏の雪へと飛び込んでいった。
―――― 一件落着
――
――――
――――――
TV局 Music room
~~♪ ♪
♪ ♪
未央「 ミツボシ☆☆★→ パッて弾けて 飛び乗って りゅーせーっ!!!!! ♪ 」
春名・四季・隼人「「「 りゅーせー!! 」」」
未央「 君と夢と愛を目指し行くよ 今すぐ! ♪ 」
奈緒「おいおい! はしゃぎすぎだろ……カラオケじゃないんだぞ!」
未央「えー、雪を浴び続けて冷えちゃったからさー盛り上がってあったまろうって作戦だよー!!」
奈緒「だからって……」
卯月「えへへ! 祝勝会ですよ! 盛り上がりましょう! はい奈緒ちゃん、ドーナツなに食べる?」
春名「コンビニドーナツだけど、特にうまいトコでチョイスしたから満足できると思うぜー!」
奈緒「お前ら……もう」
凛「じゃ、私はカスタードもらおうかな」
加蓮「それじゃ、アタシは正統派にオールドファッションで攻めてみよっと。奈緒はいらないんだよね?」
奈緒「い、いらないって言ってないだろ!?」
みく「コンビニドーナツかぁ。もうちょっとグレードあげられなかったのかにゃ」
春名「雪の中コンビニに行くのもけっこー大変だったんだぜ? ほとんど吹雪だったし!」
凛「あ、そうだね……」
未央「雪だよねぇ。はぁ~」
未央「――――私らいつ帰れるんだろうね」
卯月「プロデューサーさん雪で徒歩で帰るのは危ないからTV局に待機していてくださいって言ってたけど……迎えにこれるのかな」
旬「この吹雪じゃ、交通機関がマヒするのも時間の問題ですもんね……」
朱雀「チッ! なっさけねえぜェ! どーしてこうこっちは雪に弱ぇんだ!! 北海道はこんなもんじゃねえぞ!?」
加蓮「あはは、全然一件落着してないね」
みく「笑い事じゃないにゃ」
隼人「ま、まぁまぁ、少なくとも翌朝には止んでるらしいし」
朱雀「それに外に出るときゃ、オレが雪かきしてやるよ!! 任せとけ!!」
凛「あ、ありがと」
朱雀(うっし! 自然に話せたぜ!)
旬「でもこんなエアポケットな時間も有効活用しないとダメですよ。僕たちは自由時間があまり無いんですから……ということで春名さん、四季君。こっちへ」
春名「えっ、なにジュン」
四季「なんかメガ嫌なカンジがするんすけど!」
旬「宿題と授業のおさらいをやってしまいましょう。良かったですね学校からそのまま来ていて。勉強ができますよ。めんどくさいけど見てあげますよ」
春名「も、もーちょっと後でもいいっつーかなー……な、シキ?」
四季「そっすね! もーちょっと体力が回復してから」
旬「もうちょっともうちょっとって、そうやって、いつもやらないでしょう。いつまで試験前に詰め込むギリギリな勉強法をやるつもりですか。さぁ、宿題出して!」
春名「うっ、はい」
朱雀「お、オレは玄武に……玄武とやるぜ」
旬「……ついでです。朱雀さんも御一緒にどうぞ」
朱雀「お、おおう!? なんだとぉ!? オマエ度胸あるじゃねェかァ!!?」
旬「すごんだってだめだよ」
卯月「宿題かぁ……私もがんばらなきゃ」
加蓮「私らもやろっか」
にゃん喜威「んにゃー」
ペロ「ニャウーン」
みく「ネコはかわいいにゃあ」
四季「そういや、子猫ちゃん達の方はベンキョーどんなカンジ!?」
凛「私たち? え、えっと……まぁまぁかな」
みく「みくは優等生にゃ」
未央「私、成績いーよーっ。宿題見たげよっか~?」
卯月「私は……えへへっ、普通ですね!」
旬「四季君、この期に及んで逃げない。宿題出そう」
奈緒「成績かぁ、あたしは」
隼人「そうだぞ四季ー! 女の子に対してなんて失礼なこと聞くんだっ!! 人は言いたくないことだってあるんだからなー! もっと察するようにしろよー!? ごめんなウチのシキが失礼なこと聞いちゃって。喋りたくないよねー!?」
奈緒「おぉい!! そんな言い方されたら、あたしが人に言えないほど悪い成績取ってるみたいじゃねえか!!」
隼人「え、これでも怒るの!?」
四季「タイミングと言い方ってもんがあるっすよ、ハヤトッち」
春名「ナハハ、ハヤトも勉強しよーぜー! おもに女子とのコミュニケーションについて!」
キリオ「諸君らは見てて飽きないでにゃんすね~! はっ! ぴかぴかっと閃きが! これを新作落語の題材にしてみるでにゃんす!」
にゃん喜威「にゃー」
ペロ「ニャー」
夏来「――あのみんな、ちょっとだけ静かにして……」
凛「え?」
夏来「ユキミ、寝たところだから……」
雪美「すー……」
卯月「あ、雪美ちゃん、夏来くんに膝枕されて……ふふふっ! 本当に兄妹みたいですね!」
未央「雪美ちゃん疲れてたんだねぇ。そりゃそうだよねぇ。色々あったもんね」
旬「では、静かに勉強を始めましょう」
春名「ほーい」
奈緒「なんか、やれやれだな」
雪は、まだ窓の外に映っている。
白い結晶はしんしんと降りつもり、音を吸い込み、喧騒に彩られた高校生たちの一日に静寂をもたらしていった。
そしてそれは、静かな雪美の眠りをより安らかに深めていくのだった。
夏来「よしよし」ナデナデ
雪美「…………ん、おにいちゃん…………」
夏来(アイドルを続けて……これからどんな楽しいことがあるんだろう。……期待してよう)
完!
終わりです
書いてる途中楽しすぎて際限なく掛け合いさせてしまうところだった
高校生のドタバタ青春が大好きです。同年代の絡みはほんとにおもしろい
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