市原仁奈「新しいステージ」 (19)

P「では……そういうことで。しばらく電話での連絡になると思います」

P「すみません。色々とご不便をかけるかと思いますが」

楓「いえ。そんな」

P「ただ、俺とちひろさんは事務所に出ることもあります。なにか直接相談したいことがあったら、遠慮なく連絡ください」

楓「分かりました」

楓「あの……プロデューサー」

P「はい」

楓「仁奈ちゃんのこと、よろしくお願いします」

P「……はい」

P「安心してください。俺から、ちゃんと伝えますから」

楓「……」コク

楓「それと、プロデューサーも。無理しないでくださいね」

P「ありがとうございます。楓さんも。じゃあ、また」

楓「はい。また」


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ガチャ

仁奈「おはよーごぜーます!」

P「おう。おはよう」

仁奈「おはよーです!」

仁奈「あれ……。今日はPだけでごぜーますか」

P「うん」

P「なあ仁奈。来てくれたところ、すぐで悪いんだけど」

P「ちょっと話があるんだ」

仁奈「?はい」

仁奈「…………」

仁奈「お仕事、なくなっちまったんでごぜーますか……?」

P「うん」

P「それで、しばらくは仁奈も楓さんたちも、みんな、自宅待機してもらう」

仁奈「じたくたいき……」

P「そう」

仁奈「…………」

仁奈「わ、わかり」

P「それから、はい」

仁奈「?」

P「会社支給のスマホ。それと明日、比奈が仁奈の家に行って、パソコンの設置とかしてくれる予定になってる」

仁奈「???」

P「それでいつでもみんなと顔を合わせて連絡できるし、仕事も新しい方法をいま考えてる」

仁奈「あたらしい方法で、やがりますか」

P「そう」

P「いままでみたいな仕事は、またすぐにとはいかないかもしれないけど」

仁奈「……」

仁奈「これで、いつでもPに、連絡していいですか?」

P「うん。いいよ」

P「事務所に来れなくなるの、やっぱり、いやか?」

仁奈「……それは……うん」

P「そっか」

P「そうだよな。……実は俺も」

仁奈「え?」

P「仁奈たちと毎日みたいに当たり前に会ってたからなあ。さみしいよ」

仁奈「……Pもさみしいでごぜーますか」

P「もちろん」

P「でも、俺もみんなも、仁奈はもちろん、みんなのことが大事なんだ」

P「ファンのみんなのことも。だから、いまは少し我慢することが、大事な仕事なんだ」

仁奈「……」

仁奈「……分かります。分かりやがりました」

P「うん」

P「あ、だけど今日はまだ大丈夫だからな」

仁奈「え?」

P「俺はまだ明日からの準備もあるから、しばらくいるし。ちょっと残っていってもいいよ」

P「ほら。俺も明日から仁奈と会えなくなるの、さみしいから。言っただろ?」

仁奈「……じゃあ」

仁奈「えへへ。ちょっとだけ、そこにいてもいいですか?きょりをとるですよ!」

P「お、えらいな。いいよ」

仁奈「えへへー」

P「……」

仁奈「……」

P「……」

仁奈「……」

仁奈「あの、P」

P「うん?」

仁奈「明日から、仁奈はちゃんとじたくたいきしやがるです」

仁奈「だから、さみしくなったら、電話してもいいですか?」

P「うん、いいよ」

仁奈「いつでも、いいですか?」

P「うん、いいよ」

P「俺は仁奈のプロデューサーだからな」

仁奈「……そっか」

仁奈「えへへ」

仁奈「ねえ、P」

P「うん」

仁奈「どうしてPは、仁奈のプロデューサーでやがりますか?」

P「……」

P「それは、俺が、仁奈のファンだからだ」

仁奈「ファンですか」

P「そう」

P「仁奈の一番近い、一番のファン」

P「仁奈ってこんなに可愛くて、こんなに素敵なアイドルなんだよって、みんなに知ってほしいから、俺は仁奈のプロデューサーなんだよ」

仁奈「……」

仁奈「えへへ。そうですか。そうでやがりますか」

P「うん」

・・・・・


比奈「や。仁奈ちゃん」

仁奈「おはよーごぜーます、比奈おねーさん!」

仁奈「今日はよろしくお願いするですよ!」

比奈「うん。いえいえ」

比奈「こんなもんでどうでしょ」

仁奈「おお〜」

仁奈「なんだかよくわからねーですが、これでみんなとおしゃべりできるでやがりますか……!」

比奈「うん」

比奈「あ、ここ、あんまきぐるみが近くならないようにするっスよ。ほこ……もふもふが入ると」

仁奈「は、はいると?」

比奈「爆発するっス」ニヘヘ

仁奈「ぎゃー」

比奈「冗談っス」

仁奈「ではさっそく比奈おねーさんと!」

比奈「や、アタシここにいるし。柚と楓さんにかけてみましょうか」

仁奈「なるほど!」

比奈「そだ。仁奈ちゃん仁奈ちゃん、ここがカメラなんスけどね」

仁奈「はい」

柚『どーん!柚だよ!』

仁奈・比奈「がおー」

柚『ぎゃー』ペタン

比奈「おっ。いいリアクション。さすが柚っス」

柚『もー。その声は比奈サンだなーっ。やったなー』

比奈「やったったっス。げらげら」

仁奈「あははは。比奈おねーさん、すげーです!いまのどうやったでごぜーますか!」

柚『もうっ。アタシが室内でもヨージンブカクフードをしてなかったらだいさんじだったよ!』

比奈「ごめんごめん」

楓『もしもーし』

仁奈「あっ。楓おねーさんでやがります。おーい。がおー」

楓『がお。ふふ。仁奈ちゃん、比奈ちゃん、こんにちは』

比奈「どもっス」

仁奈「どもっす」

柚『わーい。みんなそろったねー』

仁奈「わあ。ほんとだーっ」

仁奈「すげー。比奈おねーさんはまほうつかいですか!」

比奈「まあドリーミィ・ヒナにかかればちょちょいのもふっス」

仁奈「わあー」

楓『よっ。ドリーミィ・ヒナ☆』

柚『よっ。魔法少女☆』

比奈「え?もっかい大音量で仁奈ちゃんとアタシのがおーが聞きたいって?しょうがないっスねー」

楓『すみませんでした』

柚『まじかるてへぺろ☆』

比奈「えっとね仁奈ちゃん、柚だけにどーんをするときはっスね」

柚『あっほんとごめんなさいゆるしてください』

仁奈「一応聞いておくでごぜーます」

柚『わあーん仁奈ちゃんもいじわるだー』

仁奈「冗談でごぜーます」

比奈「あははは」

比奈「まあ、こんな感じでスかね」

比奈「仁奈ちゃん。いつでもかけていいっスからね」

仁奈「やったー」

仁奈「……えへへ。あと、Pが言ってやがりました。これで新しいお仕事も、みんなとできるかもって」

比奈「ん」

比奈「そっスね。うん」

比奈「ここが、仁奈ちゃんの新しいアイドルのステージになるかも、っス」

仁奈「……ここが、仁奈のあたらしいステージ……」

仁奈「……」エヘヘ

仁奈「そっか」

仁奈「仁奈、そいつが一番うれしーです」

比奈「そっか。なら、よかったっス」

仁奈「はい!」

楓『いまの比奈ちゃんの台詞、とっても素敵ね』

比奈「いやそんな」

仁奈「ファンのみんなにきっとまた仁奈をおとどけるですよ」フンス

柚『おー。仁奈チャン気合い入ってるナー』

仁奈「入ってるです!」

仁奈「ファンが、Pが、仁奈を待ってやがりますから!」ニパー

比奈「……」

比奈「楓さん。仁奈ちゃん、大丈夫そうっスね」コソ

楓『うん。そうね。よかった』

比奈「よかったっス」

柚『アタシもまけないぞー』

仁奈「えへへっ」

仁奈「仁奈こそ負けねーですよー!」


・・・・・おしまい

おわりん

コロナにめげても頑張る系アイドル
お読みいただきありがとうございましたー

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