怜「宮永照から猛虎魂を感じるやって」泉「デイリーですか?」 (46)

全国大会が終わって


千里山の部室

浩子「今日は園城寺先輩が来て下さるそうや。みんな失礼のないように」

一年生・泉「「「はい!」」」


コンコン

怜「どうも、こんばんわ~」

浩子「泉、一年全員集めて来て。挨拶せな」

怜「あーええ、ええ。そんなはええで。セーラや竜華ならともかくうちにはそんなんいらんて」

浩子「そうですか?」

怜「うん。みんな普段通りに練習して。今日は調子いいし、うちも打つわ」

浩子「助かります。千里山の元エースの園城寺先輩が相手して貰えると色々といいデータが取れます」

泉「私、コンビニ行って来ますよ。園城寺先輩、何か欲しい物はありますか?」

怜「いつものカフェオレとデイリー」

コンビニ

泉(園城寺先輩のお気に入りのカフェオレってどれやっけ?)

泉(この小倉コーヒーだったような)

泉「すいません。デイリー麻雀一部下さい」

店員「はいよ」

泉(相変わらず三宮タイガースの事しか書いてない新聞やで……)

泉(星監督の不倫騒動とかどうでもええちゅうねん。うち、佐久ファンやし)

泉「お待たせしました。小倉コーヒーとデイリーです」

怜「おおきに」チャリン

泉(おっ500円も多い。やったー得したでー)

怜「ふむふむ」ペラッ

浩子「園城寺先輩と打って貰う子どうしよかな…、一年のあの子と二年のあの子と…」ブツブツ



怜「げっ!?スパイチュ、来年も続投やて!?」

泉「あぁ、来年も監督続けはるんですね」

怜「あかんあかん。あの人はあかんって!これじゃ、三宮の暗黒期突入あるで」ズズズ

泉「園城寺先輩って生粋の三宮ファンですよね?」

怜「当たり前や。生まれた時から虎やで」

泉「ふーん。そう言えば清水谷先輩と江口先輩って元気ですか?」

怜「二人とも全日本U18かなんかの強化合宿に行ってるで。うちは入院してたから辞退したんや」

泉「で、暇してると…あっ」

怜「……」ジトー

怜「暇なんは確かやな。千里山女子麻雀部に恩返しも兼ねて部室に顔出してるんや」

怜「まー、うちに勝てんようじゃ大星さんや宮永さんに勝てんと思うでー」

泉「それは…、いつか私が二人とも倒しますけど…」

怜「目標は大きい方がええねん。よっしゃ、じゃあ泉といっぱい打ってあげるわ」ニコッ

泉「」ブルッ


浩子「そーいえば今年のドラフトは荒れるでしょうね」

怜「当たり年やからな。まぁ、一個下も二個下も魔物がゴロゴロしてるけど」

泉「なんと言っても宮永照ですね!」

怜「まぁ目玉やろな。あの人、多分高卒即戦力になれると思うで」

浩子「高卒即戦力って最近だと戒能プロと藤白先輩くらいしか居ませんね」

怜「うん、まぁ藤白先輩は千里山の誇る化け物やからね」

泉「江口先輩は藤白先輩と同じチーム希望なんですよね?」

怜「せやね。セーラは藤白さんに可愛がって貰ってたから。まぁセーラもドラ1素材やからね」

浩子「清水谷先輩はどうですか?」

怜「もちろんドラ1素材やと思うで。ただなー」



竜華『うち、怜と離れるとか考えられへん。大学や大学。怜と同じ大学』

怜『えープロ行った方がええのに……』

怜「そんなわけやね。うちが専門学校行くって言ったら専門学校まで着いて来るんちゃうかな」

泉「相変わらず熱いですねぇ」

浩子「園城寺先輩と清水谷先輩が同じチームに指名されるといいんですけどね」

怜「はははー、ないない。うちの活躍大した事あらへんもん」

怜「全国大会でぶっ倒れたんも全国中継されたしな」

怜「竜華なんか中学の頃からスカウトの人達に注目されとったで」

怜「後、うち、プロ麻雀は三宮タイガースにしか興味ないねん」

浩子「三宮以外に指名されても行かないんですか?」

怜「ありえへんと思うけど…。まぁ考えてない」

怜「プロでやって行くための体力ないし。まぁトリプル使えば多少は通用するかもしれんけど、もう竜華にトリプル禁止って言われてるし」

怜「うち異能無しやと千里山の二軍クラスの雀力やもん。無理無理」

浩子「勿体無いと思うんですけどねぇ……」

怜「うちの事はええねんって。今日のデイリーに虎の一位指名の記事が…」パララッ



怜「当然、地元民としては竜華、セーラ、監督の娘さんあたり取らないと暴動が起きるレベルで……」パサッ

怜「って何やこれえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!??!?!?!?!?!?」

デイリー

『宮永照はチーム虎姫のエースだった。虎の新恋人待った無し!』

『~~猛虎魂を感じる』

『また妹の宮永咲選手も~~』



浩子「流石に三宮も宮永照一位指名ですかね?」

泉「三宮の監督、くじ運いいって有名ですからね。引き当てる自信あるんちゃいますか」

怜「あっああああああっっっああああ、ありえへん!ありえん!!ありえん!!!」ブチッッッ

怜「いや…フロントの気持ちはわかる…わかるんやけど…。宮永照の強さは私がよーーーく知ってるから…」

泉「まぁ高校生最強ですからねぇ」

怜「でもあかんねんって。今の三宮には地元民のエースが必要なんやって」

浩子「三宮って先鋒と次鋒が外人で、他はメジャー帰りの人ですよね?」

怜「せや。育成がプロ麻雀界で一番下手くそって言われてる。うちもそこは否定出来へん」

浩子「他は育ってますよね。大宮の瑞原プロとか横浜の三尋木プロなんかですね」

怜「小鍛治プロかて結局地元のチームに帰ったわけやし、せっかく関西に恵まれた逸材が三人も居るんやから誰か取って欲しいで」

浩子「松実宥なんかもかなりいい逸材やと思うんですけども」

怜「あの人はドラフト3位くらいで取れる。知名度が低いからな。まぁ、三宮に来て貰おう」

怜「とにかく、三宮タイガースはセーラか竜華か愛宕さんを指名しなあかん!全員囲い込みや囲い込み」バンバン

浩子(雀卓叩かないで欲しいです)

泉(やっぱり珍宮ファン荒っぽいわー)


怜「ちょっと抗議して来る。三宮タイガース本社に乗り込んでくるわ、1ファンとして」

泉「は?」

怜「ほなまた、違う日に来る」タッタッタ

別の日、清澄高校

美穂子「あのー、最近上埜さんの姿がまーーーーーたく見えないんですけど、どうしたんですか?」

まこ「ん?久か。あいつなら今は広島に居るぞ」

美穂子「ひ、広島!?」

まこ「久はアイドルオタクちゅーやつなんじゃ」

美穂子「あ、アイドルオタクですか?」

まこ「あぁ。特にちゃちゃのんの大ファンらしくてな。ほもクロとかiPS48も好きなようじゃが」

美穂子「知らなかったッッ!」

まこ「で、コンサートが抽選で当たったはいいが広島だったんじゃ」

美穂子「はぁ……」

まこ「コンサート見るために広島に行ってるってわけじゃ。まぁ、もう引退した身じゃし止める理由なんかなーんもありゃせん」

美穂子「私、聞いて無いですよ……」シュン

まこ「メール送ってるはずじゃが……」

美穂子「携帯電話の使い方わからなくて……」

まこ「貸してみ」



パカッ

久『ちゃちゃのんのコンサート当たっちゃった(*≧∀≦*) 』

久『広島に行って来ます?ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ 』

久『お土産何がいいのかしら?』


美穂子「……」

まこ「ほら届いとる」

美穂子「……」

美穂子「……」

美穂子「あぁ~~~~~~!もう!知ってたら着いて行ったのにぃぃぃぃぃぃ!」

美穂子「ううっ…、機械に弱い自分が情けないです」ポロポロ

まこ「ま、まぁ、誰にだって欠点はあるもんじゃ」

美穂子「ところで上埜さんってそんなにアイドル好きなんですか?」

まこ「好きじゃよ。小学生の卒業文集でアイドルのお嫁さんになりたいって書いてたらしいぞ」

美穂子「お嫁さん!?」

まこ「久の進路は就職なんじゃが、小さいアイドル事務所とか受けてたぞ。事務員で」

美穂子「そんなに!?」


美穂子「……っと言う事は」ブツブツ

美穂子「……こうなって」ブツブツ

美穂子「あぁなります」ブツブツ

美穂子「そして最終的に…」ブツブツ

風越

スカウト「では福路さんはすぐ戻って来られるのですか?」

貴子「はい、もう来る頃だと思います」

池田「池田華菜、風越麻雀部二年生キャプテンだし、火力に自信ありです。逆境にも負けないタフな精神力がプロに入って大きな武器になると思うし」ババーン

スカウト「は、はぁ……」






美穂子「すいません。お待たせしました」

貴子「おおっ福路。こちら松山フロティーラの……」


美穂子「すいません!」ペコペコ

美穂子「私!」

美穂子「アイドルを目指したいと思います!」

ハートビーツ大宮

監督「福路美穂子さんがドラフト希望を引き下げたそうだ」

はやり「は~ん?なんでぇ?」

監督「他にやりたい事が出来たそうだ。誰が説得しても頑なに聞き入れないとか」

はやり「ふ~ん、意外。麻雀以外にやりたい事?そんなのあるんだ」

監督「何でもアイドルとか…、本人は大真面目だそうで」

はやり「アイドルうぅぅぅぅ!?」

監督「ははは、流石にアイドルとプロ雀士の両立は無理だからって事らしい」



はやり「無理なわけないじゃん。コホン、無理なわけないですよ☆」

はやり「監督。福路美穂子さんの説得、私に任せて下さい☆」

はやり「私ならきっと説得できます☆」

後日風越

はやり「二刀流やれるよ☆アイドルとプロ雀士」

美穂子「しかしそこまでプロは甘くないかと」


~~説得中~~

はやり(って言うか福路さんの両親はもう味方につけたんだよねぇ)

はやり(両親が落ちたら高校生なんて脆い脆い)


はやり「私が育ててあげる!超一流のアイドル☆そして日本を代表する雀士に☆」

美穂子「!?」

ドラフトの日

佐久フェレッターズ 一位宮永照

横浜ロードスターズ 一位宮永照

松山フロティーラ 一位宮永照

延岡スパングールズ 一位宮永照



はやり(ふふふっ計画通り)

靖子「やっぱり宮永照だよなぁ」

良子「オフコース。監督もくじ引くためにお祓いをして来たそうです」

咏「横浜来てくれーーーー!!!!!」

靖子「そう言えば大宮がまだですね」

咏「どーせ宮永照っしょ。辻垣内も捨てがたいけど」

良子(石戸霞。家の縛りがなければ取りたかったです)



ハートビーツ大宮 一位福路美穂子

靖子「お?」

咏「ん?」

良子「Oh」



はやり(よっしゃーーーーー、二代目牌のお姉さんの卵ゲットだぜーーーーー!)

はやり(理想は福路さんを二年で育てて、牌のお姉さん二代目を任せて、私は30歳で牌のお姉さんを引退しよう。)

はやり(すこやんより絶対早く結婚してやる!)



結局、一年目から福路美穂子の二刀流は通用したらしい。


終わり

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