玄「これって拳銃だよね…?」(197)

――――――――――

照「ツモ、2000、4000」

怜「くっ…」

煌「すばらっ…」

玄(ど、どうしよう…、まだ一回もあがれてないよ……)
カチャ…

玄(こんなんじゃまたみんなに迷惑かけちゃう……)
カチャ…

照「ロン、12000」

玄(どうしよう…どうしよう……)
カチャカチャ…

照「ツモ、6100オール」

玄(う…うぅ……っ!!)
カチャカチャ…

怜「チー」

照「ツモ、8200オール」

怜「やっぱツモ順変えても無駄なんか…」

煌「すばら…」

玄「……」

チャカッ…

照「!?」

怜「な、何してんねん!?あんた」

玄「い、いくらなんでもあがりすぎです…チャンピオンは……」

照「……」

煌「銃……!?す、すばらららっ……」

玄「も、もしチャンピオンがこれ以上あがり続けるというのなら、私……!!」
カチャ…

怜「獲物しまい…」

玄「え!?」

怜「はよ獲物しまい言うてんねん」

玄「で、でも…このままじゃ……」
カチャ…

怜「カタギの嬢ちゃんが振り回してええもんちゃうで、それは」

玄「うっ…うぅ……」

チャカッ…

怜「なんや?打てるもんなら打ってみ、あんたにその覚悟あるんやったらな」

玄「う…打ちます!!次の局、私以外があがったら……」

照「そんな脅しに屈するものか」

玄「わ、私は本気です!!」

玄「こんな点数じゃ…送り出してくれたみんなに合わす顔がないから…!!」
カチャ…

怜「……」

照「……」
パシッ

煌「……」
パシッ

玄「……っ」
カチャカチャ…パシッ

怜「リーチや」

玄「!?」
カチャカチャ

怜「聞こえへんかったか?リーチや言うてんねん」

玄「お…園城寺さん……」

照「……」
パシッ

煌「すばら……」
パシッ

玄「……」
パシッ

怜「一発ツモや」

パンッ…!!

怜「あぐっ…!!」

玄「園城寺さんが…園城寺さんが悪いんですよ……!!」

怜「痛っ…はぁ…、はぁ……!!」

玄「私…ちゃんと言ったのに、あがったら打つって…それなのに……」

怜「はぁ…はぁ…っ、12000は…12900や、はよ払い」

玄「くっ…ど、どうして…!?」

怜「あぁ…もうこの右手使いもんにならんな、まぁ…左手一本あれば十分や……、続けるで」

玄「どうして…、どうしてそこまでして……!?」

怜「あんたもさっき言っとったやろ…?仲間の為や…」

すばら先輩が「銃」と「すばら」以外の単語を発してないんですがそれは大丈夫なんですかね…

怜「この園城寺怜がチャカなんかにビビる思うたら大間違いやで…、げほっ…げほっ…」

怜「リーチや…!!」
パシッ…

照「ツモ」

玄「!?」
カチャ

パーンッ!!!!

照「ぐっ…!!あ…、300…500」

玄「何で…何でみんな私の言うこと聞いてくれないんですか!?」

照「黙れ」

玄「ひっ…!!」

照「これ以上、麻雀を愚弄するな」

玄「し、知りませんよ…本当に…!!」

照「麻雀で死ねるなら本望だ」

怜「うちもや」

玄(この人たち…壊れてるの…!?)

怜「はぁ…っ、はぁ…っ…」
パシッ

照「……」
パシッ

煌「すばらっ!!リーチ!!」
パシッ

パーンッ!!!!

煌「すばらッ!?ひぎっ…が…あ……ぁ……――――」
バタッ

玄「こ、これでわかってもらえましたか…?私は本気です…」

怜「次局からは三麻やな…慣れへんから気つけな……」

玄「お、園城寺さん、チャンピオン……、お願いですからこれ以上私を困らせないで……」

照「ふん…」

玄「こ、これは注意じゃなくて警告です!!」

玄「……っ!!」
パシッ

怜「ロンや…、はぁ…はぁ……」

パーンッ!!!!

怜「ぎゃああああああッッ…!!!!あ…くっ…目…目が…ッ、はぁっ…はぁっ…!!」

玄「もう…もうやめて……」

怜「う、うちは…片目だけでも…一巡先が……見える…で、げほっ…げほっ…!!」

照「ロン…」

パーンッ!!!!

照「ぐ…、つ…ツモ……!!」

パーンッ!!!!

照「はぁ…はぁ…ぐっ、ろ…ロン!!」

パーンッ!!!!

玄「死んで…はやく死んでよぉ!!!!」

レジェンド「対局者を殺害すれば我が阿知賀の勝利は明白…玄の先鋒起用は大成功だ(ガッツポ」

玄「もう…もう嫌ぁぁぁぁ!!!!!!!!」

ズダダダダダダダダッッ!!!!

照「うあああああああぁぁぁぁ!!!!!!!!」

照「わ…私は、ま、まだ……ッ…う…打て……る――――」
バタッ…

玄「はぁ…はぁ……っ……!!」

怜「卑怯もんが」

玄「あ…あぅ……」

怜「そんな手使うて勝って嬉しいんか?」

玄「わ、私は…みんなのために……」

怜「最低やな」

玄「……」

「試合終了ーっ!!白糸台と新道寺女子が続行不可能となり、阿知賀女子、千里山が決勝へと駒を進めました!!!!」

―――――――――

怜「はぁ…っ、はぁ…っ…げほっ…げほっ…!!」
フラフラ…

龍華「怜!!」

セーラ「あんな相手に無理しすぎやで、怜は」

泉「ホンマですよ」

怜「げほっ…げほっ……、大丈夫やで…龍華」

龍華「大丈夫なわけあらへんやん!!片目と片腕潰されとるやん!!」

怜「はぁ……はぁ……、ごめんな、ちょっと休むわ……」


船久保「阿知賀の先鋒…、実に興味深いデータが取れましたわ」

―――――――――

玄「……」
フラフラ…

灼「玄…」

穏乃「さ、さすが玄さん!!まさか先鋒戦だけで終わらせちゃうなんて…」

憧「ちょっとしず!!」

穏乃「ご、ごめん…」

宥「玄ちゃん、大丈夫?相当疲れてるみたいだけど……」

玄「……うん、ごめん…少し一人にさせて……」
フラフラ…

赤土「く、玄…その…手に持ってるものなんだが……」

チャカッ…

玄「……なんですか?」

赤土「……な、なんでもない」

―――――――――

優希「決勝の相手が決まったじぇー!!」

和「もう終わったんですか?」

咲「お姉ちゃんが先鋒戦で他校とばして終わっちゃったのかな?」

優希「んー、でも白糸台は負けたみたいだじょ…」

咲「え…?」

和「どういうことですか!?優希」

優希「私も詳しいことは知らないじょ」

咲「お姉ちゃんが負けた……?」

ガチャ

京太郎「……ただいま」

優希「犬!!遅いじぇ!!ちゃんと準決勝の試合、ビデオに録ってきたんだろーな!?」

京太郎「まぁ……一応……」

優希「さっそく見てみるじぇ」

京太郎「ま、待て!!見ない方が……」

『パーンッ!!!!ズダダダダダダダダ!!!!』

『ぎゃああああああ!!!!!!!』


咲「なに……これ……?」

優希「まさに死闘だじょ……」

和「こんな麻雀ありえません!!」

京太郎「俺もこんな試合初めてみたぜ…」

咲「お姉ちゃんが……お姉ちゃんが……っ!!」

和「阿知賀の先鋒…、狂っているとしか……」

優希「私あんなのとやるのかよ…」

咲「うぅ…うぇっ…、お姉ちゃん…ひっく……」

和「宮永さん…、許せませんね…優希、任せましたよ」

優希「うぇ…」

決勝――――

玄「じゃあ行ってくるね…」

宥「玄ちゃん…えっと、その……」

玄「大丈夫だよ、お姉ちゃん…もう使わないから」

穏乃「がんばれ玄さーん!!」

憧「玄、しっかりね」

灼「平常心を忘れずに…」

玄「みんな、私…がんばるね!!」

玄「お任せあれ!!」
カチャ…

優希「タコスも食べたしパワー全快だじょー!!」

神代「ふわぁ…」
ウトウト…

怜「げほっ…げほっ……!!」

優希「お姉さん大丈夫か?包帯だらけだじょ」

怜「だ…大丈夫やで、うぐっ…はぁ…はぁ…っ!!」

玄「す、すいません、遅くなりました」

怜「今日も卑怯な手で勝つつもりなん?」

玄「……っ」

怜「ええ加減やめとき、地元の恥さらしになるだけやで」

玄「……」

優希「なんだか怖いじょ…」

優希「きたじぇ!!リーチ一発ツモ、三色ドラドラ」

優希「6000オールだじぇ!!」

怜「は、早いなぁ…」

神代「……」

玄(いきなりこんなにとられちゃったよ…)

玄「……」
パシッ

優希「ローン!!」

優希「12000は12300」

玄「あわわ…」
カチャ…

優希「ツモ!!4200オール!!」

玄「……」
カチャ

優希「ローンッ!!」

玄「……」
カチャカチャ

優希「ダブリーだじぇ!!」

玄「……」
カチャカチャ…

怜(あ、あかん…!!このままやと清澄が次でツモって阿知賀に打たれる…)

優希「またしても一発の予感!!」

怜(あかんねん…ツモったら、もううちは誰の傷つく姿も見とうない)

神代「……」
パシッ

怜(傷つくのはうち一人で十分や!!)

怜「ろ、ロン!!」

優希「……?お姉さんの手牌バラバラだじょ」

玄「……?」

怜「間違えてしもうた、うちのチョンボやな」

優希「うぅ…、ひどいじょ…」

怜「ごめんな、うち病弱やから」

優希「でも流れは切れてないみたいだから許してやるじぇ、リーチ!!」

怜(な、なんやと!?あかん…またツモってしまう……)

神代「……」
パシッ

怜「ロンや!!それロンや!!」

優希「じぇ!?」

怜「あかん!!また間違えてしもーた!!」

優希「うぅ……!!」

怜「かんにんな…、はぁ…はぁ…っ…」

玄「……」
カチャ

玄「園城寺さん、ここは決勝戦ですよ、そんなふざけた麻雀打つなら」
カチャ

怜(お前にだけは言われとーないわ!!)

優希「そうだじぇ!!何度も私のあがりを邪魔して」

怜(うち一人悪者か…、まぁしゃーないな…)

怜(とは言ってもこの点数やとみんなに申し訳ないわ…ここは多少無理してでも稼いどかな)

怜「リーチや!!」

玄「……」
カチャ

怜「一発ツモ」

パーンッ!!!!

神代さんが出ているということは姫松はすでに…

怜「ぐがッ…!!が…ッ…ぁ…ごほっ!!ごほっ…!!!!」

怜「い…12000や…、げほっ…!!げほっ…!!!!」

優希「い…痛そうだじょ……」

神代「……」

怜「だ、大丈夫…や、続けられる…で」

怜(あ、あかん…目が霞んできた…、先鋒戦さえ乗りきれば……)

玄「園城寺さん…準決勝の時に警告しましたよね?」

怜「ぜぇ…ぜぇ……、え…?」

パーンッ!!パーンッ!!パーンッ!!

怜「ぎゃああああああぁぁぁぁ!!!!!!!!」

玄「……」
カチャ

チャカッ…

怜「ひっ…はっ…はぁ…ッ…!!!!」

怜(あかん…私ここで殺されるんか……、ごめんな龍華……)

玄「園城寺さん……ごめんなさい、私……」
カチャ

神代「……」
カチャ

玄「!?」

バンッ!!!!

玄「うくっ…!?あ…痛い……痛いよぉ……ッ!!」

怜「あれ……うち生きとる……?」

玄「うぅ…っ、痛いよぉ…血が、血が……」

神代「銃を納めてください、阿知賀の方」

玄「邪魔を…しないでください!!」
カチャ

バンッ!!

玄「ああああぁぁぁぁ!!!!」

神代「残念ながら速さでは貴女は私に敵いません」

玄「あ…うぅ…、うぇ…ひぐっ…」

怜(二丁拳銃やと……?永水てまさか、九州のトゥーハンドか?)

優希「じょ……」

玄「うぅ…ああぁぁぁぁ!!!!」
カチャカチャ

怜「あかん!!そいつには――」

神代「ふぅ…」
カチャカチャ…

バンッ!!バンッ!!バンッ!!

玄「うあああああぁぁぁぁッッ!!!!!!!!」
バタッ…

怜「そ、そこまでせんでもええやろ……」

神代「貴女は何故やられるがまま…、刃を抜こうとしないのですか?」

怜「な…!?」

神代「園城寺組の娘さん…、私が知らないとでも?」

怜「うちは…、うちはもう人を斬りとうないんや……!!」

龍華「怜ー!!怜ーっ!!」

怜「龍華!?」

警備員「先鋒の選手以外は入ってはいけません!!」

龍華「やかましいわ!!怜、これ使い!!」
ポイッ

怜「龍華…、なんで……?」

龍華「怜の愛刀、“百鬼夜行”や!!それ振るっとる怜、うちめっちゃ好きやで」

警備員「はやく下がりなさい!!」

怜「龍華……、懐かしい感触や」

バンッ!!バンッ!!!!

優希「じょっ!?――――」
バタッ…

怜「!?」

神代「優勝は永水です」

怜「外道が…っ!!」

玄「うっ…ぁ……はぁ…はぁ……」

神代「まだ息がありましたか」
カチャ

バンッ!!――キィンッ!!!!

怜「これ以上…殺らせはせんよ…、げほっ…げほっ…!!」

神代「……その満身創痍の身体で私に敵いますか?」

怜「うちは…あんたを止める!!力貸してや、百鬼夜行……」
シャキーンッ

優希「」

神代「……」
カチャカチャ…

怜「はああああぁぁぁぁ!!!!」

神代「秘技、大車輪!!」

ズダダダダダダダダッッ!!!!!!!!

怜(く…、超高速で動き回りながら全方向から発砲!?)

怜「甘いわぁ!!園城寺流、紅孔雀!!!!」

キィン!!キィン!!キィン!!キィンッッ!!!!

怜「はぁ…っ、はぁ…、どうや…!!」

神代「流石ですね…」

怜「ぜぇ…ぜぇ…っ、今度は…こっちからや!!」
タタタタッ…

神代「……」
カチャ

怜「園城寺流、一気通貫!!!!串刺しにしたるわー!!!!」

神代「遅いです、秘技、七対子」

ガキーンッ!!!!

怜(2つの銃口で刀を止めたやと……!?こいつ、ほんまに人間か…)

怜「くっ…!!ま、まだや…負けへんで」

神代「……」
カチャカチャ

バンッ!!バンッ!!バンッ!!

キィン!!キィン!!キィン!!

ヒュー……ッッ

怜「な、なんや!?」

神代「くっ…」

ドッカーン!!!!

怜「はぁ…っ、はぁ……今の爆発…、まさか大三元爆弾か?そんな物騒なもん誰が……」

神代「恐らく清澄の部長の仕業かと」


久「ちぇ…避けられちゃったわ」

京太郎「部長、あそこには優希だっているんですよ!?」

まこ「もう死んどるじゃろうが」

久「そういうこと、なんとかこの決勝をノーゲームにしたかったんだけど、うまくいかないわね」

和「こ、こんな麻雀…絶対ありえません!!!!」

怜「ほなこれ以上、横槍入らんうちに…」

神代「決着を着けましょう…」
カチャ…

怜「……」
ゴクッ…

神代「ふぅ…」

怜(トゥーハンドの動きは尋常じゃなく早い……うちが一巡先を視ても追い付かん程に…)

怜(二巡先…いや、三巡先まで視んことには追い付けへん…)

怜(できるか…?いや…やるんや、できんかったら殺られる…)

怜(でも、もし勝ったとしても…そん時うちの身体はどないなってんねやろな…、まぁそんなことは後回しや)

怜「行くで…」

神代「どうぞ…」
カチャ

もう大会会場はボロボロ

怜(三巡先……フルバーストや!!!!)
シュイーン!!!!

怜(視えた…、うっ…意識が…ッ!!ダメや…持ちこたえな……)

神代「九神よ…我に力を与えたもう……、秘技、百万石!!!!」

ズダダダダダダダダッッ!!!!ズダダダダダダダダッッ!!!!ズダダダダダダダダッッッッ!!!!!!!!

怜(2つの銃口から一気に百発も…!?避けられるか…?うちならやれる!!何とか間合いに入り込んで……)

ズダダダダダダダダッッ!!!!ズダダダダダダダダッッ!!!!

怜(ぐっ…今や!!)

怜「園城寺流、奥義、花鳥風月!!!!」

シュバッ…!!!!

神代「な…!?がはっ……!!!!」

神代「あ…く、は…ッ、お…見事……です……っ」
バタッ…

怜「げほっ…げほっ……!!はぁ…っ…はぁ……!!!!」

怜「やった…、うち…勝ったんや……」

怜「あかん…疲れてしもうたな……、これでやっと休め――」

「嶺上開花…」

リンシャン畜生の時間だああああああああああ!!!

怜「なんや…!?この殺気……」

咲「嶺上開花…」

怜「ぎゃああああああぁぁぁぁ………!!!!!!!!!」

玄「う…うぅ……?」

咲「あれ?阿知賀の子もまだ生きてたんだ」

咲「カン」
ドカッ

玄「げほっ…!?」

咲「もう一個、カン」
ドカッ

玄「ぐほっ…がっ……!!」

咲「嶺上開花」

玄「きゃあああああああああああああ……!!!!!!!!」


咲「麻雀って楽しいよね」

――おわりっす――

ファッキューサッキ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom