【ガルパン】愛里寿「名も無き操縦手の回顧録」 (2)

ガルパンSS

オリキャラあり

劇場版のセンチュリオンの凄まじい動きを見て妄想したSSです。






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操縦手(小さな頃から、戦車が好きだった)

操縦手(巨大なキャタピラでどんな悪路でも走破して、味方の歩兵を守る盾となり、戦線を切り開く矛となる)

操縦手(敵からの攻撃を一身に受け尚も進み続ける、その姿に憧れのような感情を持っていた)

操縦手(だから、だろうか)

操縦手(高校に進学をした事を期に、私は戦車道の門を叩いた)

操縦手(万年一回戦敗退の弱小校ではあったが、そんな事は関係なかった)

操縦手(ただ戦車に触れて、乗る事ができたならそれだけで満足だった)

操縦手(……初めて、戦車に乗った時の感動は今でも覚えている)

操縦手(薄い座席から全身に伝わる戦車の鼓動……側にいる人の声すら聞こえない駆動音……)

操縦手(一緒に戦車道を始めた同級生の殆どが辟易していたそれ等が、)

操縦手(私には、とてもとても……心地いいものに感じた)

操縦手(乗り始めて分かった事だが、私は戦車の操縦に少しばかりの才能があるようだった)

操縦手(元々の戦車好きだった事も、功を奏したのだろう)

操縦手(私は見る見るうちに戦車の操縦を覚えていき、弱小校ながら一年でレギュラーの座を獲得していた)

操縦手(戦車に乗れるだけで満足だったけれど、試合というものに興味があった事も事実だ)

操縦手(小さい頃に憧れた、戦車の姿)

操縦手(最強の矛となり、盾ともなるその姿を体現できるのなら、)

操縦手(それは、とても幸せな事のように思えた)

操縦手(模擬弾を使用した練習試合を何回もこなした)

操縦手(チームの皆が音をあげる程に、練習を繰り返した)

操縦手(何度も、何度も……憧れの戦車の姿に近付けるように、)

操縦手(私は、自分にできる精一杯をしたつもりだった)

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