かばん「けものフレンズR…?」 (65)

二期のかばんさんを救うために書きました。

時系列は二期の後、背景設定は色々とアレってます。

サーバル『ねぇ、かばんちゃん』

かばん『…………』

サーバル『一時だけ、えへへ、寂しいけどお別れだね』

かばん『……』

サーバル『…でも、安心して!私、また新しいサーバルキャットのサーバルになっても』サラサラサラ…

ボス«…サーバルの、サンドスター濃度低下、消滅現象を確認»

サーバル『きっと、またかばんちゃんの事を追いかけるから…』サラサラ…

サーバル『それまで、ずっとかばんちゃんを狩りごっこで追いかけるから……だから』サラサラサラ…

かばん『…っ』ポロポロ

サーバル『また、ね。かばんちゃん』サラ……

============================


ガサガサ…ゴロ

ガチャ……

ギィイイイ……

コノハ博士「着きましたのです。ここが、”けんきゅうじょ”という場所なのです」

ミミ助手「本当に、探索をするのですか?かばん」

かばん「はい。ここに、ヒトが…ここの、じゃぱりパークの研究員さんが残した記録がある筈ですから」

コノハ博士「なるほどなのです。でも、あまり推奨はしないのですよ。我々はかしこいので」

ミミ助手「まともな感性の持ち主なら、ここを探ろうとはしないのです。我々はかしこいので」

かばん「あはは…そんなに怖い所なんですか?ここ」

コノハ博士「私達は怖くはないのですが、長なので怖くはないのですが、本で読んでも、ここはあまり良い噂を聞かなかったのです」

ミミ助手「そうです。博士は分かりませんが、私は怖くありませんが、ここに来たフレンズは姿を消して二度と出てこられないという噂もあるのです」

コノハ博士「私も怖くありませんが、その通りなのです!ここに来て帰って来れなくなったフレンズの事は私と助手も認識しているのです!」ガタガタ

ミミ助手「そうなのです。なので、とっととこの”けんきゅうじょ”とやらは早く出るのです。何が居るのか分からないのですから」ガタガタガタ

ミミ助手「それに、ここに来てももう”あのサーバル”は、かばんを思い出す事も無いのですよ」

かばん「………」

かばん「…それは、承知の上ですよ助手さん。もう、サーバルちゃんの事は良いんです」ニコッ

かばん「僕がここで調べたいのは、フレンズの神隠しについての情報です。こんな物騒な事件は、このパークには無い方が良いですから」

ミミ助手「…十中八九、セルリアンの仕業だと推理できるじゃないですか。それに、博士が怖くて震えてるので、少し心の準備をしてからの方が…」ガタガタ

コノハ博士「こ、怖がってるのは助手の方です!私は怖くありませんよ!く、黒セルリアンなら、ワンパンで倒せますからね!」ガタガタガタガ

かばん「あはは…」

かばん「それじゃぁ僕は、探索してみますね。きっと、大丈夫だとは思うんですが」ガサガサ

コノハ博士「わ、私達も行くのです!置いていくな!です!」

→場面転換


ミミ助手「しかし…”けんきゅうじょ”とは、本の写真と見比べると全然違いますね、博士」

コノハ博士「そうですね助手…。もっと、本とかいっぱいある所だと思っていたのです」

かばん「確かに張り紙はいっぱいありますけど、本とか紙の資料とかは殆ど残ってませんね…あっ!」

コノハ博士「なっ何かに見つかったのですか!?かばん!?」ビクゥッ!

かばん「い、いえ。見つかったというより、見つけたですが…」

かばん「あれ…なんでしょうか。大きな輪っかのような…輪っかの中が、光っていて波をうっていて…」

コノハ博士「あれは……」

ミミ助手「知っているのですか?博士?」

コノハ博士「……も、勿論です。あれは、”きかい”という奴ですよ」

かばん「機械?ええ、それは見れば分かりますけど…」

ミミ助手「……博士?」

コノハ博士「き、きかいはきかいなのです!大体、助手もアレがなんなのか分からないでしょう!?」

ミミ助手「はい。なので博士に聞いているのですが」

コノハ博士「ウッ……」

かばん「はは…」

かばん「…でも、この光る輪っかこそが、フレンズ神隠しに何か関係しているかもしれませんね」スタスタスタ

コノハ博士「かばん!?う、迂闊に近づいちゃ駄目なのです!」

かばん「大丈夫ですよ、きっと……わ、わわわ…!?」グググ……

ミミ助手「かばん…?どうしたのですか?」

かばん「な…何か、僕…この輪っかに、吸い込まれ……!」ズザ…ザ…


ガタッ

かばん「うわぁああああああああ!!!」ピュウウウ…

コノハ博士「!」

コノハ博士「助手!かばんを捕まえるのです!!」バサァッ

ミミ助手「ええ、承知しているのです」バササッ

ヒュンッ!

コノハ博士「捕まえたのです!かばん!」

かばん「は…博士さん!助手さん!」

ミミ助手「早く引っ張り上げ…げ…」グググ…

コノハ博士「だ、駄目です…!!引っ張る力が強すぎて……私達も……!!」

ゴウゥッ!!

「うわぁあああああああああ!!!!!」



オオオオオ

オオオ……

オ………


===============================


===============================


バッコォオオオオオン!!!!


アルマジロ「きゃぁああああ!?」グルンッ! コロコロコロコロ


ミナミコアリクイ「なぁああああ!?」ガバッ!!

バタバタバタバタ……

ガタンッ!!

???「な…何なのだ!?この部屋から大きな音がしたのだ!」

?????「アライさーん、ほら、あの機械の事だよー。また違う世界からフレンズが来たんだよー」

???「あ…そうだったのだ。また新しいフレンズがここに来たのだ!!」



かばん「痛たたたたた……」

コノハ博士「な…何が起こったんですか…?」

ミミ助手「分かりません…ですが、その前に…」

ミミ助手「ここは…どこなんでしょうか…?」

タヌキ「」下敷き


バッターン!!


アライグマ「ようこそなのだ!!新しいフレンズ!お客さんなのだー!!」

かばん「え?あ…アライグマ、さん?」

カラカル「…ん?アナタ、アライグマの事、知ってるの?」

かばん「あれ…カラカルさん?」

アライグマ「はっはっはー!アライさんも有名になったのだー!!」アハハハハ!

フェネック「良かったねー。アライさーん」


→場面転換


かばん「ええと……つまり、この機械からたまに新しいフレンズさんが来て、それでここでおもてなしをしている…って、事で良いんでしょうか?」

アライグマ「そうなのだ!一番最初にここをアライさんが見つけたのだ!」フンス

コノハ博士「…この自信に満ち溢れた口調は、あのアライグマに間違いないのです」

ミミ助手「しかし、このアライグマとフェネックは、かばんの事を知らないようなのです」

フェネック「そうなんだよねー。別に珍しくはないんだけどさー」

アライグマ「アライさんの知らないフレンズが、アライさんの事を知ってるのはよくある事なのだ!気にしないのだ!」

アライグマ「それで、かばんさんは何のフレンズなのだ?」

かばん「ああ、僕はヒトの……」

コノハ博士「かばん、もういいのです」

ミミ助手「そうなのです。賢い我々は、このフレンズ神隠しについて、おおまかに分かったのです」

ミミ助手「それをかばんも分からない筈ないのです。帰るですよかばん」

アライグマ「え!?も、もう帰るのか!?」ガーン

コノハ博士「ここは、フレンズ神隠しに連れてこられた後の場所のようなのです。確かに不可解な事ではありますが…」

コノハ博士「神隠しの真相がわかったところで、もうここに用は無いのです」

かばん「ええ…でも……」


アライグマ「ま、待つのだ!アライさんは、ここのけんきゅーじょの凄さと”ともえさん”の凄い所を教えたいのだ!!」

アライグマ「どれだけ凄いのか、まだかばんさん達は知らないのだ!」

かばん「…そういえば、僕達が居た研究所はボロボロで薄暗かったけど」

かばん「ここは…電気がついてて掃除が行き届いてるみたいですね」

アライグマ「当然なのだ!ここでは”ルンバさん”ってボスが毎日掃除をしてくれてるからなのだ!」フフン

ミミ助手「ルンバ…?」

コノハ博士「聞いた事が無いのです」

フェネック「ああ、あの廊下の隅っこを走ってるのがそうだよー」

ススーー…

ルンバ1«掃除ハ、マカセテ»

ルンバ2«掃除ハ、マカセテ≫

かばん「ラ、ラッキービーストさん!?」

コノハ博士「ラッキービーストにしては、足が変なのです。円柱なのです」

フェネック「お掃除専門のボスって所かねー。床に落としたゴミを食べて生きてるみたいなんだー」

アライグマ「ルンバさんお疲れ様なのだ!ご褒美にじゃぱりまんを上げるのだ!」ブチッ パラパラ…

ルンバ1«ゴミヲ、探知。ゴミヲ、探知»ススー

ルンバ2«掃除ハ、マカセテ、掃除ハ、マカセテ»ススー

アライグマ「フェネック!今日はいつもよりルンバさんがじゃぱりまんを食べてくれるのだ!」

フェネック「良かったねーアライさーん」

アライグマ「うん!!」

ミミ助手「これは便利ですね…」

コノハ博士「一体、持って帰るのです」ガバッ

ルンバ1«アワワワワワワ……»ガタガタガタ

コノハ博士「むっ…暴れるな…です…!」

アライグマ「オオコノハズク!止めるのだ!ルンバさんが嫌がってるのだ!!」


→場面転換



コノハ博士「取り上げられてしまったのです…」ムスッ

ミミ助手「我々あんなラッキービーストは見た事ありません。何故こんな所に居るのでしょうか」

かばん「さぁ…ちょっと興味深いですね」

フェネック「みーんな、あのボスにもビックリするんだよねー」

アライグマ「ボスじゃないのだ!ルンバさんなのだ!」

フェネック「うんその通りだよー、アライさーん」

アライグマ「分かれば良いのだ!」

コノハ博士「…そんな事より、お腹が空いたのです。ここには、料理できる場所はあるのですか?」

アライグマ「りょー…り?なんなのだ?それは」

コノハ博士「かばん、帰るのです」

かばん「ええ!?」

アライグマ「ま、待つのだ!お腹が空いたんだろ!?なら、ちゃんと食べる者はいっぱいあるのだ!」アセアセ

ミミ助手「じゃぱりまんはもう食べ飽きてるのですよ。我々は賢いので」

コノハ博士「我々は賢いので、じゃぱりまんは食べないですよ」

アライグマ「アライさんだって!じゃぱりまんはもう半年は食べてないのだ!!」

コノハ博士「……ん?」


かばん「え?あの…大丈夫、なんですか?」

アライグマ「何がなのだ?」

ミミ助手「じゃぱりまんを、半年も食べなかったら…既に飢えで死んでる筈なのです」

フェネック「えー?別に食べ物はじゃぱりまんだけじゃないじゃん?」

かばん「…どういう事ですか?」

フェネック「あー、実はこのドアの向こうの部屋にねー…」

ガタンッ……

かばん「!!?」

コノハ博士「!?」

ミミ助手「…!?」

フェネック「食物生成機って、言ってたんだっけ?アライさん?」

アライグマ「そうなのだ!”ともえさん”が見つけてくれた、”ヒト”ってフレンズが残した”たべものせーせーき”なのだ!」

ワーワー…ピポパポ

アライグマ「電気と水を用意して、あのガメンっていう所に出てくる写真をポチっとすれば、写真通りの食べ物が出てくる凄い機械なのだ!」

コノハ博士「た…食べ物、”料理された食べ物”が出てくるのですか!?」

アライグマ「そのりょーりって言うのが良く分からないのだ…でも、色んな食べ物が出てくるのだ!」

フェネック「食物生成機の本には、ヒトが餓死っていうのにならない為に作ったみたいで…」

コノハ博士「じょ、助手!早く行くのです!もう既にあんなに並んでいるのです!」ダッ

ミミ助手「言われなくても向かうのです。我々は長なので並ぶなんて事はしないのです」バサッ

アライグマ「あ!待つのだ!まだ話は終わって――」

オイ!ソコノオマエ!ヨコハイリダゾ!  ヨコハイリハダメナンダゾー!

ダマルノデス!ワレワレハココノオサナノデサキニイタダクノデス!   エー!?ソウナノ!?  デモ、ココノオサハアライグマサンダゾ!

エッ!?アノアライグマガナンデココノオサナンデスカァ!!

アライグマ「よ、横入りしたのだ!?駄目なのだー!!そんな事しちゃ駄目なのだー!!」

フェネック「あーやってしまったねー」

かばん「あははは……」


→場面転換



コノハ博士「…とりあえずめぼしい物からポチポチ押してきたのです」ガタンッ

かばん「うわぁ!?」

フェネック「わぁー、凄い量だねー」

かばん「こ…こんなに食べられないですよぉ。…これ、一体どんな料理なんですか?」

ミミ助手「知らんのです」モグモグ

コノハ博士「見た事無いものをとりあえずポチポチと…じょ、助手!この料理凄く美味しいのです!!」モグモグ

ミミ助手「本当ですか博士。これは一体何ですか?茶色くて丸くて…」

アライグマ「あ、それはハンバーグなのだ。お肉を丸めたものなのだ」

コノハ博士「えっ……」ポロッ

かばん「お、お肉が出てくるんですか!?」

フェネック「と言っても本物じゃないけどねー、電気と水で出来てるから、何の肉とかは無いと思うよー」モグモグ

かばん「そ…そうですか…」モグ

ミミ助手「美味、美味なのです」モグモグモグモグ

コノハ博士「そ、そうですよね、本物じゃないなら、問題ないのです…こ、これも美味しいのです!!」モグモグ

アライグマ「あ!それは鶏肉の唐翌揚げなのだ」

コノハ博士「」ポロッ…

かばん「と、鶏肉!?」

フェネック「本物じゃないから大丈夫だよー」モグモグ

アライグマ「その通りなのだ!美味しいから問題無いのだ!」モグモグ

ミミ助手「そうですね」モグモグ

コノハ博士「助手!助手はもうちょっと抵抗を示すのです!怖いのです!!」

ミミ助手「しかし、私もフレンズになる前は食べていたのですよ。鶏肉」

コノハ博士「」シュッ

かばん「お、お肉は…僕は、遠慮しますね……」スッ


ミミ助手「それで、さっきから度々名前が挙がってくるのですが…」モグモグ

ミミ助手「”ともえさん”って、誰なのですか?」

アライグマ「!!」

アライグマ「よくぞ聞いてくれたのだ!ともえさんは――」

フェネック「イエイヌさんと一緒に旅してるヒトのフレンズで、この研究所を再稼働させたフレンズなんだよー」

アライグマ「フェネックゥ!?」

フェネック「だよね?アライさーん」

アライグマ「……その通りなのだ!!ともえさんは凄いのだ!」フンス

かばん「再稼働させた…って?」カチャッ…

アライグマ「そうなのだ!最初はこの研究所は真っ暗で、薄暗くて怖かったのだ!」

かばん「へぇ…」モグッ

かばん「!」

アライグマ「アライさんが最初に見つけた、あの”しょくもつせーせーき”も、光が弱くてガメンも暗かったのだ!」

かばん「―――」ニヘラァ

アライグマ「黒い画面を押せば食べ物が出てくるって分かったアライさんは、そこをナワバリに決めて…って、どうしたのだかばんさん?!その顔!」

かばん「――え?あ、すいません。これ…すっごく甘くて美味しくて…」ニヘラァ

フェネック「あーそれ、チョコバナナパフェねー。私もよく食べるんだよーそれー」

ミミ助手「…そんなに美味しいのですか?かばん、それを私に寄越すのです」ズイッ

コノハ博士「待つのです!その前に助手より偉い私に渡すのです!かばん!」グググ…

かばん「え……嫌」クイッ

フェネック「そんなに食べたかったら、また持って来れば良いんじゃないかなー。食べ物は無くならないからさー」

アライグマ「その前にアライさんのお話をちゃんと聞くのだー!」


コノハ博士「こうしてはいられません…また並びますよ、助手!」ダッ

ミミ助手「待つのです…!今度こそ、博士の前に並ぶのです…!」バッ

アライグマ「アライさんの話を聞くのだぁあ――――!!!!」


アライグマ「………」シューン…

フェネック「落ち込む事ないよアライさーん。今までもまともに聞いてくれたフレンズは居ないんだからさー」

アライグマ「のだっ!」プイッ

フェネック「それに、皆がお腹いっぱい食べて幸せになってくれた方が、ともえさんも喜ぶと思うよー」

アライグマ「のだっ!」プイッ

かばん「あはは…」

かばん「…僕は、アライグマさんの話、気になるからもっと聞きたいですけどね。ともえさんとイエイヌさんの話」

アライグマ「…………」

アライグマ「……かばんさん、ありがとうなのだ…」グスッ

ガタンッ

アライグマ「それじゃぁ続きを話すのだ!最初はボタンを押す事にしょくもつせーせーきの光が弱くなっていってな!誰もここに入れないようにフェネックと二人で威嚇していたのだ!」

????「なになに!?また、ともえちゃんの話!?」ガタッ

かばん「―――――!!」


アライグマ「サーバル!今、アライさんがお話してるから横入りしちゃ駄目なのだ!」

サーバル「あ、ごめんね!ねーねー君は、見かけないフレンズだね!新しく入った子かな?」

サーバル「君は、何のフレンズなの!?」

アライグマ「――そんな時に、ともえさんとイエイヌさんがアライさんのナワバリに入って来てな!最初はフェネックと二人で追い出そうとしたんだけどな!」

かばん「……僕、は」

アライグマ「そんな時に、ともえさんはこのしょくもつせーせーきが電気と水で動くって文字を読んで教えてくれて――」

かばん「…ヒト、です。ヒトの、フレンズ。……かばん、って名前です……」

サーバル「かばん…かばん……」

サーバル「じゃぁ、かばんちゃんだね!!」ニコッ

かばん「………っ」

アライグマ「それで水はいっぱいあったんだけど、電気が無いから、”はんえーきゅーきかんはつでんき”っていうエンジンルームが、あっちに…って、話を聞いているのだ!?」

サーバル「あ、お話し中だったね。ごめんね!じゃぁ、私行くから!」ダッ

かばん「あっ………」

かばん「………」

アライグマ「あれ、かばんさんはサーバルの知り合いなのか?まぁいいのだ。それでともえさんは”はんえーきゅーきかんはつでんき”を起動させるためにでっかいエンジンの中にアライさん達と探検して……」

フェネック「かばんさん、サーバルの知り合い?」

かばん「……うん。あ、ううん」

かばん「…あのサーバルちゃんとは、初対面かな」

アライグマ「その中にはエンジンを止めていた液体型セルリアンがひしめき合って…って、やっぱり聞いてないのだ!!」ガガーン


かばん「…あの、サーバルさんは、いつぐらいからここに居るんですか…?」

アライグマ「うん?…よく知らないのだ。気づいたら居たのだ」

フェネック「まぁー気づけば居た、なんてのもここじゃ珍しくないからねー」

フェネック「もしかして、あのゲートの奥の世界では、知り合いだったとか?」

かばん「え?」

かばん「あの…やっぱり輪っかの奥の世界と、この世界とは、違う世界…なんですか?」

フェネック「まぁ、そうなんじゃないかな」

かばん「そうなんじゃないかなって…」

フェネック「向こうから来た人が、ここに居る人の事知ってるって事は、さっきも言ったけど珍しくない話で」

フェネック「現に私もアライさんも、かばんさんの事は知らないけど、かばんさんは私達の事を知ってるでしょ?」

かばん「はぁ……」

アライグマ「だから!アライさんがこの世界の事を来る者来る者に教えているのだ!」フフン!

フェネック「えらいねーアライさーん」

アライグマ「えへへぇ…」

かばん「……そう、ですよね」

かばん「…僕の都合なんかで、この世界のサーバルさんを巻き込む訳には…やっぱり…」ブツブツ…

アライグマ「どうしたのだ?何だか悲しそうな顔をしてるのだ」

かばん「あっ!いえ…なんでもありません」

コノハ博士「かばん、更に沢山の料理を持って来たのです」ガタンッ!!

ミミ助手「取り放題というのは、素晴らしいものですね」ガタンッ!!!

かばん「うわぁあああああ!!?!」ビクゥッ!!

アライグマ「と、取り過ぎなのだぁあああー!!お腹を壊すのだぁああああ!!」ガガーン!

→場面転換



コノハ博士「た…食べ過ぎで気持ちが悪いのです…!」プルプル

ミミ助手「美味しすぎるというのも…考え物…ですね…!!」プルプル

かばん「そんな、一気に食べるから…」スッ

コノハ博士「かばん!触ったら、メッ!なのです!」プルプル

ミミ助手「ただでさえお腹が限界なのです…!今、ここで触られると…大変な事に…!!」プルプル

ルンバ1«掃除ハ、マカセテ»ガタンッ!

ミミ助手「あっ」

アライグマ「次からは、自分のお腹に見合った量にするのだ!」フン!

フェネック「アライさんも、それでともえさんに怒られたもんねぇ」

アライグマ「フェネックゥ!?」

フェネック「でも、ちゃんと学べたアライさんは偉いよねぇ」

アライグマ「…当然なのだ!アライさんは天才なのだ!」フンスッ!

かばん「うーん…やっぱり、僕達の世界のアライさんとフェネックさんと違うかなぁ…」

コノハ博士「ふぅ…歩いてたらちょっと、楽になってきたのです。……ん?」


コノハ博士「…かばん、この扉を見るのです」

かばん「この扉って…あ、ここって…」

かばん「資料室……?」

アライグマ「…ん?しりょーしつ?」

コノハ博士「我々が居た図書館と似た場所なのです。ほら、助手も見てみるのです!」

ミミ助手「…………」

コノハ博士「助手?」

ミミ助手「…はい。大丈夫なのです。我々は賢いので」スッ

ギャー!ウエカラナニカフッテキター!!  クサーイ!  ナニコレナニコレー⁉ クサスギルダロ…!

コノハ博士「それならいいのです。ところで、さっきまであそこの窓、開いてましたか?助手」

ミミ助手「開いてました」

コノハ博士「なら良いのです。それよりこれを見るのです。資料室の扉なのです」

アライグマ「しりょーしつって、なんなのだー?」

かばん「ああ、はい。ここでの研究…それが纏められた資料が、恐らくここに置かれてるんだと思います」

アライグマ「?????」

コノハ博士「それでは分からないのです。かばん、資料室っていうのは…」

コノハ博士「図書館、という場所とよく似た所なのです」

アライグマ「としょかんって、なんなのだ?」

コノハ博士「…………」

ミミ助手「図書館も、知らないのですか貴方は」

かばん「アライグマさんは、この部屋に入った事が無いんですか?」

アライグマ「いや、だってそこは……」

アライグマ「ヤギさんとヒツジさんの、お食事処なのだ」



→場面転換


バターン!

シロイワヤギ「んめぇぇぇ~~~」モシャモシャ

ヒツジ「んめぇぇぇぇ~」モシャモシャ

コノハ博士「なっ何をやっているですか貴方達!!」

ミミ助手「それ以上食べるなです」バッ

シロイワヤギ「あっ!酷い!」

ヒツジ「酷いわ!プリチーな私が認めた、最高級の紙を取りあげるなんて!」

コノハ博士「貴方達が食べてたのは、この研究所の重要な資料文献なのです!本来、絶対に食べてはならないものなのですよ!」

ヒツジ「でも、すっごく美味しいのよその紙!本当よ!?インクも最高級のプリチーなもので紙の味に深みを――」

コノハ博士「食べられないものに興味はないのです!」バサッ

ミミ助手「博士、どの資料も涎と歯形と抜けたページとでボロボロです」

かばん「わぁ…もう、読めそうにないですね」

コノハ博士「なんて事をしてくれたんですかー!どう責任とるつもりですか貴方は!」

シロイワヤギ「そ…そんなに大事なものだったのか…?ご、ごめん…」

ヒツジ「知らなかったとはいえ、それは…ごめんなさい。でも、信じて!」

ヒツジ「本当に!その紙は美味しかったのよ!!今まで食べた中でも――」

コノハ博士「そんな情報はいらないのです!そもそも、紙はパークの中でも貴重なのですよ!?スナック感覚で食べては駄目なのです!!」

かばん「ええと……」パラパラ

かばん「…あ、この資料はまだ、手をつけられてないみたいですよ博士」


コノハ博士「…そうなのですか。まだ無事な資料があるだけ、良かったのです。ほら、早く出ていくのですよ二人とも」

ミミ助手「出ていくのです」

ヒツジ「ちぇー…」トボトボ

シロイワヤギ「貴重なものだったのか…でも、美味しかったんだよなぁ…」トボトボ

バッターン

かばん「…資料を食べられたとは言え、ちょっと可哀想な事しましたね」

コノハ博士「問題ないのです。我々は、この世界をもっと知る必要があるのですから。ええと…」ペラ…ペラ…

コノハ博士「……………」

ミミ助手「……………」

コノハ博士「…もう読んだのです。後は、かばん。お前が読むのですよ」

かばん「え?もう読んだんですか?早いですね」

コノハ博士「当然なのです。我々は賢いので。かばん、ちゃんと声に出して読むのですよ」

ミミ助手「声に出した方が、ちゃんと覚えられるのです。難しい漢字も、声に出して読むのですよ」

コノハ博士「難しい漢字が多いので、読めな――」

コノハ博士「――読みづらい漢字があるかもしれませんが、ちゃんと”声に出して”読むのですよ」

かばん「は、はい。ええと、………人造人間計画…?」

ミミ助手「じんぞーニンゲンケイカク?とは何ですか?かばん」

かばん「え?全部読んだんじゃ…」

ミミ助手「…なんでもないのです。続きを読むのですよ」


かばん「あ、はい。…”この計画は、我々人間が絶滅しフレンズのみになった時に発動され、実行するものである”」

かばん「”試作シリーズ1、成功とは言い難いものとなった。感情の無い、人間の形をしたような何かが産まれた。失敗作だ”」

ミミ助手「…感情の無い、失敗作…ですか?」

コノハ博士「な、なんだか恐ろしいのです。あまり出くわしたくないですね…」

かばん「”試作シリーズ2、成功に限りなく近いものとなった。シリーズ1には無かった、動物を愛する慈愛という感情が芽生え、より人間味のある人間になった”」

かばん「”シリーズ2の個体、T-ME3号はフレンズ前の姿のイエイヌを親愛なる友人のように接している。彼女の慈愛の心は、きっと人間のソレを超えていて…”」

かばん「……あれ」

コノハ博士「どうしたのですか?かばん」

かばん「いえ…ここから先は、違う文字が書かれていて、ちょっと読めなくて…」スッ

コノハ博士「これは……。”英語”ですね」

かばん「英語?」

コノハ博士「はい。今まで我々が読んでいたのは、この日本語と呼ばれる文字です。英語は、それとはまた違う法則を持つ文字なのですよ」

ミミ助手「しかし…何故、ここから先は英語で書かれているのでしょう」

コノハ博士「さぁ…分からないのです」

かばん「……あの、博士は英語?というのは読む事は出来ないんですか?」

コノハ博士「無理なのです。英語とは、我々の馴染みある日本語と比べてクリアするのは難しいと言われています」

かばん「そうですか……」

コノハ博士「しかし、それでも収穫はあったのです」

ミミ助手「この研究所は、人造人間なる物も制作されていたのですね」

コノハ博士「しかし、おかしくはないのです。食物生成機を作るような者達が作っているのですから。あれは良い物です」

かばん「あー…他の資料を探しているんですけど、どれも食べられてますね……」

コノハ博士「…それはもうしょうがないのです。さすがにお腹の中のものを引きずり出す事は出来ないのです」

かばん「そうですよね…じゃぁ、それらはもう諦めた方が良いですよね」

コノハ博士「仕方無いのです。向こうも知らなかったので、これ以上言及も出来ません。さすがに誰も悪く無いのです」

ガチャッ

ユキヒツジ「あーお腹空いた♪」

ホルスタイン「今日も美味しいご飯♪ご飯♪」

かばん「!ま、また入ってきましたよ!?博士さん!」

コノハ博士「助手!今すぐあいつらを追い出すのです!早く!」

ミミ助手「任せ――待ってください、なんか、どんどん入ってくるのです博士!!」


→場面転換


キュゥイイイイイン……ガガガガガガガガ……ゴゴゴゴゴ


アライグマ「ここが、アライさん達の新しい遊び場、ゲームセンターなのだ!!」フンス

かばん「ゲームセンターって、ギンギツネさんやキタキツネさんの居る温泉の……」

コノハ博士「…それとは、色々と違うのです。凄く、うるさいのです」

コツメカワウソ「わぁーい!たーのしー!!」バババババババ

キングコブラ「フハハハ!!蛇の王が、巨大アナコンダ等に負けるものか!」ババババババババ

ミミ助手「トラックが丸ごと、大きな画面の前で動いてるのです」

コノハ博士「あ、あれは本物なのですか!?凄くリアルですよ!?」

画面〈グォオオオオオオオオオオ!!!   コアアアアアアア!!!

かばん「ひぃいいいい!!た、沢山のゾンビが…!!」ガタンッ

コノハ博士「フィッ!?」シュッ

アライグマ「あ!そこはとっても怖いゲームだけど、画面の奥から出てこないから安心していいのだ!」

画面〈ギィシャァァァアアアア!!!!   ブシャァアアアアアア!!!

かばん「あああああああああああ!!!!」ガガーン!!

コノハ博士「ピィイイ!!」シュシュッ

画面〈ガォアオァアアアアアア!!!!   バキバキバキバキバキ!!!

かばん「食べないでくださぁああい!!」ヒシッ

コノハ博士「食べないでくださぁーい!!!」シュッ

アライグマ「画面の奥からは出てこないから安心していいのだ!!」

フェネック「あらー。博士、木の棒みたいになっちゃったねー」

かばん「あれ…この、カプセルみたいなのは、何でしょうか?」

フェネック「それは、全方位に画面がついてるゲームだよー。確か、大きなロボットに乗る奴だったかなー」

かばん「へぇ…ロボット」

コノハ博士「ロ…ロボットですか!?」ガタッ

アライグマ「そうみたいなのだ!アライさんは、そのロボットっていうのは良く分からないけど――」

ミミ助手「…本の中だけの話じゃないのですか?ロボットとは」ズイッ

アライグマ「そ、それは知らないのだ!アライさんは本なんて読めないのだ!」

コノハ博士「どちらでも良いのです。早く、そのロボットに乗せるのです」ズイ

アライグマ「勿論なのだ!今すぐにでも乗せてやりたいのだけど…」

アライグマ「…今、誰かが入ってるから駄目なのだ」

コノハ博士「!?」

かばん「あ…一応、交代制なんですね」

アライグマ「そうなのだ!空いたら入っても良いって決まりなのだ!」

コノハ博士「ぬぐぐ…それは仕方無いのです。それで、いつ頃出てくるのですか?」

フェネック「うーんそうだねー…アライさーん、これ、前の人はどれくらい前から入ってたっけー?」


アライグマ「大丈夫なのだ!タイマーで測ってるから分かるのだ!ええと……」

ミミ助手「タイマーは読めるのですね」

アライグマ「……分かったのだ!中の人は38時間プレイしてるのだ!」

かばん「38時間!?」

コノハ博士「早く出すのです!いくらなんでも、ゲームのやり過ぎなのです!!」

アライグマ「わ、分かったのだ!今すぐ止めさせるのだ!」ガチャ

アライグマ「キタキツネー!キタキツネ次がつかえてるのだ!早く止めるのだー!」

キタキツネ「……………」パチューン パチューン

アライグマ「うわぁあ!!大量のカップ麺が転がってるのだぁ!!」ビクッ

フェネック「電気ポットもある。いつの間に線引いたんだろねー」

コノハ博士「そこのお前!今すぐそこをどくのです!次は私の番なのですよ!」ビシッ

キタキツネ「……ええー、あともう少しだけ~」ピチューン ガガガガガ

コノハ博士「もう38時間もプレイしてるのですよ!!」


~屋内プール~

バンドウイルカ「やっほぉ――――!!」バッシャーン

アシカ「たのしーなぁー!!」バッシャーン

フェネック「ここがプールだねー。流れる奴とかでっかい滑り台とか、色々あるよー」

イワトビペンギン「いやぁー!久々に羽を伸ばして泳ぐのはいいね!」スイィイ――

かばん「わぁ…楽しそう!」キラキラ

アライグマ「おおー、かばんさんの眼が、輝いてるのだ!」

カリフォルニアラッコ「やほぉおー!!」カンカンカンカンカン

アラスカラッコ「おやつだおやつだぁー!」カンカンカンカンカン

コノハ博士「アライグマ、あれは良いのですか?」

アライグマ「こ…コラァー!ここでおやつを食べたら駄目なのだぁー!!」パタパタ

フェネック「アライさーん、ここで走ったら―――」

ツルッ

アライグマ「うぇぇえええええ!?」ツル―――――

かばん「アライグマさん!?」

ジェンツーペンギン「あはは、たまーには芸能活動から羽を伸ばして、泳ぐってのもいいよねー」スタスタ

イワトビペンギン「だな!踊るのもいいけど、やっぱり私達は泳ぐのが、な!」スタスタ

フンボルトペンギン「誰かじゃぱりまん持ってなーい?」キョロキョロ

ロイヤルペンギン「もう、泳ぐのも力をつける為なのよ。あんまり羽を伸ばし過ぎるのも……ん?」

コウテイペンギン「なんだ、アレ―――」

パッカァーン!!!

かばん「アライグマさぁーん!?」ガーン

ミミ助手「ストライクなのです」

フェネック「アライさーん、またやってしまったねー」


~スタジアム~

ヘラジカ「ライオン!今日こそ勝負をつけるぞ!!何して遊ぶ!!」ゴゴゴゴゴ

ライオン「ふっふっふ…そうだな。このボクシング、ていうのはどうだ!?楽しそうだろ!?」ゴゴゴゴゴゴ

オオミチバシリ「へっへーん!!どんな遊びだろうとも、ブロングホーン様には勝てっこないもんねー!」

プロングホーン「ちょっと待って」

ヘラジカ「ほう…それは面白いな…」ゴゴゴゴゴゴ

ライオン「そこまで言われちゃうと、私もやる気でちゃうなぁー」ゴゴゴゴゴゴゴ

オオミチバシリ「言ってれば良いだろ?お前たちなんて、ブロングホーン様にかかれば、一捻りなんだぜ!」

プロングホーン「ねぇちょっと待って」

ヘラジカ「よし、そこまで言うのなら、こっちも全力で行こう」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ライオン「ルールは簡単、気絶するまで殴り合うんだよねー。シンプルで良いよー」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

オオミチバシリ「そんな簡単で良いのかぁー!?試合が3秒で終わっちまうぜ折角の勝負がよぉー!!」

プロングホーン「お願いだからちょっと待って!!ねぇ!!土下座するから!お願い!!!」


アライグマ「ここがスタジアムなのだ!いっぱいのフレンズがここで、色んな遊びをするのだ!」

フェネック「私達の居る所は、観客席って言って、遊びを観るところだけどねー」

かばん「あれ?あの真ん中の大きな台はなんですか?」

アライグマ「あれは……なんなんだ!フェネック!」

フェネック「はいよー、あれはリングって言ってねー、これはボクシングをやるみたいだねー」

コノハ博士「ボクシング…聞いたことがあるのです。…聞いたことあるだけですが」

かばん「ボクシングですか…ボクシングって、三人でやるものでしたっけ?」

フェネック「三人?」

かばん「ほら、ヘラジカさんとライオンさんと、プロングホーンさんがリングに立ってますよ」

ミミ助手「プロングホーンが産まれたての小鹿みたいに脚を震わせているのです」

オオミチバシリ「いけいけプロングホーン様!!そんな奴らなんかやっちゃってくださーい!!」

コノハ博士「ここはあんまり楽しそうではありませんね。食堂に帰るのですよかばん」

アルパカ「チュロスだよぉ。美味しい美味しいチュロスと紅茶があるよぉ」スタスタ

コノハ博士「折角なので見ていくのです。アルパカ、チュロスを6本と紅茶を三つ寄越すのです」スッ

アルパカ「ふぁぁああ!ありがとにぇ、えへへぇ」

ミミ助手「プロングホーンの脚の震えが、全身の汗と涙を振るい落としているのです」

カーン!

かばん「あ、ゴングが鳴りましたよ」


アライグマ「他にもいっぱい紹介したい所があるのだ!あそこも見せたいし、あそこもあそこも…」

かばん「…この世界でもアライグマさんは、変わらないなぁ」クスッ

コノハ博士「…………」ペラ

かばん「あ、博士さんその紙は地図ですか?一体どこの…」

コノハ博士「……ちょっと、違うのです」

かばん「え?」

コノハ博士「認めたくないのですが、ここのじゃぱりパークと私達のじゃぱりパークと、ちょっと地形と、配置が違うのです」

ミミ助手「認めたくないですが、元居た世界よりこっちの方が良さげなのです。料理にも困らなそうで」

かばん「ええ、確かに僕達の居た世界とは違う世界かもしれませんけど…それが、どうかしましたか?」

コノハ博士「…認めたくないのですが、ここはどうやら”へいこうせかい”と呼ばれる場所のようですよかばん、助手」

コノハ博士「そして認めたくないのですが、そうなると我々はここには存在してはいけない者なのです」

かばん「え?」

ミミ助手「最初から居なかった者が、ここに存在するのは認められない事なのです。本来は」

ミミ助手「最悪、もう元の世界に帰れない可能性だってあるのです」

かばん「…そうなのですか?」

コノハ博士「はい。なので、とても名残惜しいのですが、我々は我々の世界に早急に帰る必要が――」

サーバル「かばーんちゃん!」ヒョコ

かばん「……!」ビクッ


サーバル「また会ったね!まだアライグマにここの紹介されてるの?」

かばん「………」

かばん「…う、うん。そうだよ」

サーバル「あ!それじゃぁ私のお気に入りの場所も案内してあげる!ついて来て!」ガシッ

かばん「う、うわぁ!?」

アライグマ「!!」

アライグマ「コラーサーバル!かばんさんは、アライさんが案内してるのだー!!」

サーバル「えー!?私だって案内したい場所があるんだもん!」

アライグマ「アライさんの案内が終わったら、案内させるのだ!」

フェネック「まぁまぁアライさーん、落ち着きなよー」

アライグマ「フェネックまで!?」

フェネック「さすがに私も歩き疲れたよー。それに、まだこの研究所には色んな施設があるんだし、ちょっと休憩にしようよー」

フェネック「今日一日で全部紹介するのも、難しいだろうしさー」

アライグマ「ううぅ…」

コノハ博士「…ちょっと待ってください。どんだけ広いんですか!?この研究所は!」

サーバル「ほら!一緒に行こう!」グイッ

かばん「わわ、わ……」

アライグマ「…だ、大体…マク●ス一機分くらいの大きさだって聞いているのだ…ともえさんから」

ミミ助手「全く想像できません。ふざけてるのですか」

コノハ博士「もっと具体的に話すのです!!」


~転送室~

かばん「…………」

サーバル「ここがね!私のお気に入りの場所なんだよ!」

かばん「……」

かばん「ここって、僕達が入って来た…」

サーバル「うみゃぁ、違うよ!私が好きなのは、ここ!」ガタタ

かばん「…!」

サーバル「ほら見て見て!すっごい綺麗でしょ!」

サーバル「私の、お気に入りの景色、なんだ!」

かばん「…………」

サーバル「ここの窓から、サバンナちほーが一望できて、お気に入りの木があって」

サーバル「サンドスターの火山も、ここからだとよく見えるんだよ!」

かばん「………」

かばん「――っ」ゴシゴシ

サーバル「あれ?どうしたのかばんちゃん。目が痒いの?」

かばん「う、うん。そんな所かな…」

サーバル「そうなんだ。そう言う時は、マスクをつけると良いって言ってたよ!」

サーバル「アライグマが!」

かばん「…………」


=====================

かばん『た…食べないでくださぁーい!』

サーバル『た、食べないよ!!』

=====================


かばん(…あの時)

かばん(サーバルちゃんに初めて出会った時の、あそこに、そっくりだ)

サーバル「ね!すっごく良い景色でしょ!私、ここから眺めるの大好きなんだ!」

サーバル「ここでじゃぱりまんを食べながら眺めると、すっごく美味しいんだよ!」

かばん「………うん。そうなんだ…」

サーバル「うん!」

かばん「サーバルちゃ…サーバルさんは、ここに来るまではどんな生活をしていたんですか?」

サーバル「うーん…それは、ちょっと分からないかなぁ」

サーバル「私、生まれたばっかりだからさ。私がサーバルキャットのサーバルだって知ったのも、ついこないだなの!」

サーバル「それで、美味しいご飯も食べ放題で、遊び放題のここを見つけて、…うん!それだけだね!」

かばん「…そっか。楽しいんだね」

サーバル「えへへ…あ、そうだ!ねぇかばんちゃん!」

サーバル「かばんちゃんも、ここに住もうよ!」

かばん「え、ええ!?」

サーバル「だって、ここに居ればじゃぱりまん以外にも美味しいご飯が食べられて、いーっぱい遊べて、フレンズもいっぱいいるんだよ!」

サーバル「私も、かばんちゃんみたいなお友達、欲しいな!」

かばん「…う、うん…」

サーバル「ねぇねぇ、私達と一緒にここに住もうよ!ねぇ!」

かばん「…………そ、そう…だね」

かばん「それが、出来たら…凄く、楽しそう」

サーバル「楽しそう、じゃないんだよ!楽しいんだよ!だから――」

かばん「……ごめん、ね」


ギュッ

かばん「僕…元の世界に、帰らなきゃ」

サーバル「………」

サーバル「…そっか」

サーバル「じゃぁ、しょうがないね!帰るまで、一緒に遊ぼ!」

サーバル「ね!かばんちゃん!」

かばん「……うん――――」



バリバリバリバリバリバリバリバリ!!


サーバル「!!」

かばん「な…何!?」ガララ




黒セルリアン「………」ドドドドドドドドド


バリバリ!  バリ!!



カラカル「セ、セルリアン!」

プレーリードッグ「セルリアンが、ゲートを通ろうとしてるであります!!」

かばん「えっ…!?セ…セルリアン…!」

ミナミコアリクイ「なぁぁぁああ!!あ、あっち行ってよぉおお!!」キシャァー!

サーバル「な…なんで…?」

サーバル「今まで、フレンズ以外、ゲートを出て来た事が無い筈なのに!!」



バリバリバリバリバリバリバリバリ!!


アルマジロ「きゃぁああああ!!」グルン! コロコロコロ……

カラカル「待ってて!ヘラジカとライオンを呼んでくる!!」ダッ

プレーリードッグ「待つであります!間に合わないであります!!」


バリバリバリバリバリバリバリバリ!!



サーバル「ど…どうしよう!入ってくるよぉ!」

サーバル「あんなに大きいの、初めてみるよぉ!」

ジャイアントペンギン「あんな大きいのが、この中に入ってきたら……」

タヌキ「」バターン

アカキツネ「タヌキ!ここでタヌキ寝入りをしない!」ヒョイ  ズーリズーリ……

かばん「…………!」



=====================

コノハ博士「…認めたくないのですが、ここはどうやら”へいこうせかい”と呼ばれる場所のようですよかばん、助手」

コノハ博士「そして認めたくないのですが、そうなると我々はここには存在してはいけない者なのです」

ミミ助手「最初から居なかった者が、ここに存在するのは認められない事なのです。本来は」

ミミ助手「最悪、もう元の世界に帰れない可能性だってあるのです」

コノハ博士「はい。なので、とても名残惜しいのですが、我々は我々の世界に早急に帰る必要が――」

=====================


かばん「…………」ギュッ

ダッ!!

サーバル「か、かばんちゃん!?」

ガッ

サーバル「かばんちゃん!!」

かばん「サーバルさん!来ては駄目です!!」バンッ

かばん「今から僕は…この機械を、止めます!!」ギギギ…

サーバル「え……?」

かばん「だから、危ないからサーバルちゃんは離れてて!!」ガチガチ…カチ

サーバル「で、でも!そんな事したらかばんちゃん、元の世界に戻れなくなっちゃうよ!?」

サーバル「それでも、良いの!?」

かばん「……例え、そうなったとしても」

ガタンッ!

かばん「皆を見捨ててまで、僕は帰ろうとは思いません!!」ガタンッ!!


バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

黒セルリアン「………!」バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

アカキツネ「セ、セルリアンが苦しそうに悶えている……」

ビキビキ!!  ビキビキ!!

プレーリードッグ「!ゲートが、壊れそうであります!!」

ガタガタガタガタガタ!!  バキバキ  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

ジャイアントペンギン「ねぇ…ヤバくない?爆発するよね?アレ……」

かばん「――――――っ!!」ググググググ

バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

ミナミコアリクイ「に…逃げろぉおお!!」ダッ

「うわぁああああああ!!!」ダダダダダダダ

かばん「―――ッ」

バリバリバリバリバリバリバリバリ!!




――――――サーバルちゃ――――



―――みん――な――――――――



バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

かばん「……………っ」


どうか、末永く、いつまでも元気に―――


かばん「…」



生き―――て――――――――







サーバル「かばんちゃん!!」バッ

かばん「っ!?」



カッ――――――――――


=================================

チュンチュン……テカテカ

サーバル『……………』


サラサラ……バサッ


サーバル『………あれ?』

サーバル『ここ…どこだろう』

サーバル『私は……誰、なんだろう?』






シマウマ『…貴方、新しくサンドスターから産まれた子ね』

サーバル『そうなの?実は、私よく分からなくて…』

シマウマ『私も、貴方の事はよく分からない。力になれそうにはないわ』

サーバル『そっか……』

シマウマ『でも大丈夫よ、そんな貴方の為に、図書館っていう所があるの。そこなら、貴方の名前も教えて貰えるわよ』

サーバル『そうなんだ!ありがとう!それで、図書館って、どこに行けば良いのかな?』




サーバル『ねぇねぇ、私は何の動物なの?教えてよ!』

コノハ博士『良いのです。その代わり、我々に料理をふるまって、満足させられたら…ですが』

サーバル『料理?料理って、何?』

ミミ助手『…博士、コイツはあまり期待できそうにないのです』

コノハ博士『…しょうがないのです。特別に、教えてやるですよ』

サーバル『本当!?ヤッター!』

コノハ博士『貴方は………』

コノハ博士『………』

コノハ博士『…サーバルキャット、です』

サーバル『サーバルキャット……』

サーバル『…サーバルキャット……』

サーバル『……それじゃぁ、サーバルだね!』

コノハ博士『違うのです。お前は、サーバルキャット…』

サーバル『あはは!サーバル!サーバル!』クルクル

コノハ博士『…もういいのです。もう用は済んだのなら、帰るといいです』ヒョイヒョイ

ミミ助手『また、料理というものを食べ損ねましたね。博士』

コノハ博士『はぁ、いつになったら料理を作れる者が現れるのでしょうか。助手』



サーバル『そっかぁー…私、サーバルキャットっていうのか』

サーバル『サーバル…サーバル…えへへ』

サーバル『名前が知れて、良かったなぁ!安心安心!』

サーバル『…………』

サーバル『これから、どうしようかな』



サーバル『日向ぼっこ、たーのしー!』

サーバル『走るの、たーのしー!』サササササササササ

サーバル『飛び回るの、たーのしー!!』ピョーンピョーン

サーバル『あははははははは!!』タッタッタッタッタ

サーバル『……………』タッタッタ…

サーバル『今日もお日様が沈んじゃったなぁ。明日は、もっと楽しいといいなぁ』ゴソゴソ




サーバル『…………』スヤスヤ

サーバル『…………』

サーバル『………』        ガサッ

サーバル『』ピクッ

サーバル『!』ガタッ ピョーン!!

サーバル『あははははははは!!!』ガサガサササササササ

サーバル『うひひひひひひひ!!待て待てー!!』サササササササ

サーバル『分かった!狩りごっこだね!!あはははははは!!!』ササササササササ





かばん『た…食べないでくださぁーい!』

サーバル『た、食べないよ!!』





サーバル『かばんちゃん!こっちに行こうよ!』

サーバル『ねぇねぇ、これ楽しいよ!かばんちゃん!』

サーバル『一緒に食べよう、かばんちゃん!』

サーバル『かばんちゃんこれでいーい!?』

サーバル『かばんちゃんを…かばんちゃんを返してよ!ねぇ!』

サーバル『食べないよ!』




サーバル『えへへ…やっぱり、もうちょっとだけついていこうかなって』



サーバル『ねぇ、かばんちゃん』

かばん『…………』

サーバル『一時だけ、えへへ、寂しいけどお別れだね』

かばん『……』

サーバル『…でも、安心して!私、また新しいサーバルキャットのサーバルになっても』サラサラサラ…

ボス«…サーバルの、サンドスター濃度低下、消滅現象を確認»

サーバル『きっと、またかばんちゃんの事を追いかけるから…』サラサラ…

サーバル『それまで、ずっとかばんちゃんを狩りごっこで追いかけるから……だから』サラサラサラ…

かばん『…っ』ポロポロ

サーバル『また、ね。かばんちゃん』サラ……



サーバル『絶対に、会いにいくからね』


=================================



「電撃を、受けたというのですか?」

「かばんさんを庇う為に、突撃して、あの転送機から出た虹色の雷を……」

「……ちゃん、………ルちゃん!!」

サーバル「…………」

「……バル、ちゃん」

かばん「サーバルちゃん!!」

サーバル「……………」


サーバル「!」パチッ




かばん「サーバル…ちゃん?」

サーバル「………」

かばん「サーバルちゃ…サーバル、さん?」

サーバル「………」

かばん「…大丈、夫…?」

サーバル「……かばんちゃん」

かばん「…え?」

サーバル「かばんちゃん!!」ガバァッ!

かばん「うっうわぁ!?」

サーバル「かばんちゃん!かばんちゃん!かばんちゃん!」ギュゥウウウ…

かばん「く、苦しいですよ!サーバルちゃ―――」

サーバル「やっと、会えた!」

かばん「……え?」

サーバル「やっと、追い付いたよ!」

サーバル「かばんちゃんの元に、追い付いた!」

かばん「…追いついたって…」

かばん「………あ」

コノハ博士「かばん、これはどういう事なのですか?」

ミミ助手「かばんは、何を言っているのですか?」

かばん「……………」


かばん「…サーバルちゃん。覚えてる?」

サーバル「うん」

かばん「最初に出会った時にした、お話、覚えてる?」

サーバル「……うん!」

サーバル「食べないでくださーい!」クワッ

かばん「…………」

サーバル「……あ、逆だったね!これ、かばんちゃんの台詞だったよね!」

かばん「…うん。そうだね」ポロ…

サーバル「そこで私は、こう言ったんだよね!」

サーバル「食べないよ!って!」

かばん「うん…うん……!!」ポロポロ…ポロ……

サーバル「私、ちゃーんと覚えてるよ!」

サーバル「かばんちゃんと旅した事、全部!全部!大事な思い出―――」

ガバァッ!!

サーバル「わぁ!?かばんちゃん!?」

ギュゥゥゥゥゥ……

かばん「………!………!!」ポロポロポロポロポロ…

サーバル「ど、どうしたのかばんちゃん!すっごい泣いてるよ!?」

かばん「…なんでだろうね……」ギュゥゥゥゥウ……

かばん「早起ぎ…じだがら…がな……」ポロポロ…ポロポロポロポロ

サーバル「……そっか」

サーバル「やっぱり早起きすると、涙って出ちゃうんだね」ギュッ

かばん「う”ん…う”ん……!」ポロポロ……

サーバル「……ただいま。かばんちゃん!」

かばん「……おがえり…サーバル…ぢゃん……!」ポロポロポロ…



→場面転換



アライグマ「えっ!!?もうここから出てっちゃうのか!?かばんさん!!?」ガーン

かばん「はい。転送機、壊しちゃいましたし…」

かばん「元の世界に戻れる方法を、探す為に旅に出ようかと…」

フェネック「それで、サーバルもこっから出てっちゃうの?」

サーバル「うん!私、かばんちゃんについていきたいんだ!」

サーバル「かばんちゃんと旅をすると、すっごく楽しいんだよ!!」

アライグマ「で、でも…ここに居れば食べ物だっていっぱいあるのだ!遊び場だっていっぱい…!」オロオロ

コノハ博士「そうなのです。あんな良い物を放ったらかしにして旅に出るなんて、有り得ないのです」モグモグ

ミミ助手「そうです。まだメニューは数えきれないほどあるのですよ。かばん。本当に行くのですか?」モグモグ

サーバル「博士たちは行かないのー?」

コノハ博士「我々はこのメニューを制覇し、何が一番美味しいか食べ比べる必要があります。我々は賢いので」モグモグ

ミミ助手「そう、我々は賢いので」モグモグ

かばん「…あはは」

アライグマ「は、博士や助手は残ってくれて嬉しいけど、でも、かばんさんとサーバルがうううう~…」

フェネック「アライさーん、あんまりかばんさんを困らせちゃ駄目だよー」

アライグマ「……そうなのだ。いくらアライさんが寂しいからって、縛り付けるのも悪いのだ…」

アライグマ「…でも、きっといつか、ここに戻って来て欲しいのだ!アライさん達は、ずっとかばんさんとサーバルを待ってるのだ!」ドンッ

アライグマ「アライさんのナワバリには、いつでも侵入OKなのだ!アハハハハー!!」

かばん「…はい。また、ここに帰って来ます」

サーバル「うん!また、お腹が空いた時にでも、かばんちゃんと一緒にね!」

かばん「それまでに博士さんと助手さん、食べた中で何が一番おいしかったか、教えてくださいね」

コノハ博士「当然なのです。かばんがここに戻ってきた時には、一番美味かった物をふるまってやるのです」モグモグ

ミミ助手「楽しみに、待っているのですよ。そっちも、元の世界に戻れる手がかりを、期待しているのです」モグモグ

かばん「はい。良い結果を、ここに持ち帰ってみせます」

かばん「だって今の僕には、サーバルちゃんが居るんですから」

サーバル「えへへ」

コノハ博士「…我々が、サーバル以下だと言われてるようで、少し癪に障りますが…まぁいいのです」モグモグ

コノハ博士「かばんには、やはりサーバルが隣に居るのが一番活き活きしていますからね」モグモグ



かばん「それじゃぁ皆さん…行ってきます!」

サーバル「うみゃみゃー!それじゃ、行ってくるね!!」

アライグマ「行ってらっしゃいなのだー!また、絶対にここに帰ってくるのだー!」

フェネック「基本的に私達は、ここに居るから気軽にねー。ご飯に困ってる子が居たら、ここに呼んであげなよー」

コノハ博士「ここは我々が居た世界とは違う世界。何が起こるか分かりませんので、気を付けるのですよ」

ミミ助手「頑張るのです。我々は、二人を待っているのですよ」

ヘラジカ「何か知らんが、二人とも良い顔をしているから問題ないな!突撃するように前に進め!」

ライオン「きっと大丈夫さ、頑張れよお二人さーん!!」

オオミチバシリ「プロントボーン様が退院したら、かけっこ勝負だ!ま、絶対にプロントボーン様が勝つがな!」

ロイヤルペンギン「たまにここでライブもするから、気が向いたら見に来てね!」

ジェンツーペンギン「頑張れー!!たまにここでライブもするから、見てね!」

イワトビペンギン「次いつなのか、分からないけどな!」

フンボルトペンギン「珍しいじゃぱりまんとかあったら、お土産にちょうだい」

コウテイペンギン「私達も頑張るから、お前たちも頑張れ!」

プレーリードッグ「我々も、ここの増築頑張るであります!」

コツメカワウソ「ここ以外に楽しい場所があったら、教えてねー!」

アルパカ「崖の上のジャパリカフェでも、わたし居るからぁ、気が向いたら来てにぇ」


サーバル「かばんちゃんの行きたい所で良いよ!……あ、でも」

サーバル「あっちの方角に、”サーカス”っていう大きなテントがあるって聞いたよ!どう?どうかな!」

かばん「サーカス…初めて聞く名前だね」

かばん「じゃぁ、まずはそこに向かおうか」ニコッ

サーバル「うん!行こう行こう!」ササッ


かばん「あっ!待ってよー、サーバルちゃーん」

サーバル「あはは!あはははは!!」




ttps://www.youtube.com/watch?v=xkMdLcB_vNU




ザッザッザッザ……

「クンクン…あ、あっちの方からともえちゃんの匂いがします!」

「え…?でも私、イエイヌちゃんの向いてる方とは違う方に居るよ?」

「でも、ともえちゃんの匂い…あっヒトの匂いです!ヒトの匂いがします!」

「ヒトの…?え、私以外にヒトが、居るの!?」

「はい!それは勿論!ずっと前は大好きなヒトが沢山居て…きっと、お友達になれる筈です!行きましょうともえちゃん!」ダッ

「ま、待ってよぅ!イエイヌちゃーん!」タッタッタッタ


かばん「……わ、うわぁ!」

イエイヌ「ハッハ…!ヒトです!ヒトの匂いがしますです!」グルグルグルグル

サーバル「わぁー!貴方、かばんちゃんの周りをグルグル回るのが大好きなフレンズなんだね!!」

かばん「た…食べないでくださーい!!」

サーバル「よーし、私だって!負けないんだから!」ダッ グルグルグルグルグル

かばん「サ、サーバルちゃんまで……こ、このままじゃ動けないよぉー!」

「イエイヌちゃん!」

イエイヌ「!」ピタッ

イエイヌ「ともえちゃん!見てくださいヒトです!この人が、ともえちゃんと同じヒトの匂いです!」ビシッ

サーバル「え…ヒトって、かばんちゃんの事?」ピタッ

「………」

ともえ「かばん、さんって、言うんですか…?」

かばん「…え、あの…貴方は……」

かばん「……貴方が、ともえさんって、言う……」

サーバル「えー!?この人がともえちゃん!?アライグマの研究所を助けた?」

イエイヌ「あ!はいその人です!間違いありません!アライグマさんの研究所を救った、ともえちゃんです!」ビシッ

イエイヌ「ともえちゃんは、凄いんですよ!他にもトーテムポールを作ったり電気を使って夜でも明るい竹を作ったり、絵だって上手いんです!」

ともえ「イ…イエイヌちゃん…」カァァァ////

サーバル「うみゃぁ!かばんちゃんだって凄いんだよ!橋を作ったり、御家を作ったり!遊びを作ったり!料理だって美味いんだから!」

かばん「サ…サーバルちゃん……」


イエイヌ「むぅ…かばんさんも、中々凄いヒトなんですね!」フリフリ

サーバル「ともえちゃんだって、すっごーい事が出来るんだね!すごいすごーい!」キラキラ

かばん「……………」

かばん「えっと、初めまして。僕の名前は、かばんと申します。貴方と同じ…ヒトの」

ともえ「あ、はい!私の名前は、ともえって言います。スケッチブックに名前が書かれてるので、多分そうだと…思うんです」

かばん「…あの、良かったら。一緒に旅をしませんか?同じヒト同士、もっと沢山のフレンズさんの助けになれると思うんです」

ともえ「あ…はい!あ、あの…でも私、記憶がなくて…」

サーバル「記憶が無いの!?私もついこないだまで無かったんだ!お揃いだねー!」

ともえ「え?…え?」

かばん「…ふふ、僕も大分前までは記憶がありませんでしたから」

かばん「貴方の助けにも、なれると思うのですが、……どうでしょうか」

ともえ「……そ、それじゃぁ」

ともえ「お願いしちゃっても、良いですか?」ニコッ

かばん「はい。是非」ニコッ




「それじゃぁ出発だね!4人でなんて、大所帯だなぁ!」

「そうですね。ともえちゃんも、嬉しそうです!」

「へへ、同じヒトに会うなんて、初めてだから……」

「僕も、初めて会うヒトが貴方で良かったです……あ!こんにちは」




「貴方は、何のフレンズさんですか?」





―――終―――

お終いです。かばんさんを救いたい為だけに勢いで書いたので色々とアレな所がありますが、

楽しんで頂けたら、幸いです。まる

>>57 台詞が一部抜けていました。すみません



かばん「…さて、初めて立つ新しい世界」

かばん「まずはどこから行こうか。サーバルちゃん」

サーバル「かばんちゃんの行きたい所で良いよ!……あ、でも」

サーバル「あっちの方角に、”サーカス”っていう大きなテントがあるって聞いたよ!どう?どうかな!」

かばん「サーカス…初めて聞く名前だね」

かばん「じゃぁ、そこに行こうか」

サーバル「行こう行こう!」ササッ


かばん「あっ!待ってよー、サーバルちゃーん」



ttps://www.youtube.com/watch?v=xkMdLcB_vNU


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