曜「内浦がゾンビだらけに...」 (267)
前作
果南「内浦がゾンビだらけに・・・」
前々作
千歌「内浦がゾンビだらけに・・・」
関連
真姫「音ノ木がゾンビだらけに・・・」
ことり「音ノ木がゾンビだらけに・・・」
真姫「この荒廃した世界で」
ことり「この荒廃した世界で」
真姫「音ノ木がゾンビだらけに・・・」 Another Episode
特別編3
ダイヤ「・・・・・・」
『ダイヤ「貴方が、悪の道に進むというのならば、私は止めなければなりません」』
ダイヤ「すぅぅーーー・・・」
『ダイヤ「貴方が、悪の手を借りて平和を手に入れるというのならば、私は正義の名の元に平和を勝ち取って見せます」』
ダイヤ「はぁぁーーー・・・」
『ダイヤ「いずれ貴方と敵対し、憎しみながら殺し合うのならば、今、楽にしてあげます」』
ダイヤ「ええ。そう」
ダイヤ「全てわたくしが終わらせます」
ダイヤ「鞠莉さん、また後で。落ち着いたときに埋葬いたします」
ダイヤ「・・・っ!」
ガンッ!!
ゾンビ「アッ!?」
ゾンビ「グゥゥ・・・」
ダイヤ「右に3、左に1・・・!」
ダイヤ「・・・っ!」タッタッタッ 左へ
ゾンビ「グアウ!」ゾンビ「アアア!!」
ダイヤ「っっ!!?」
ゾンビ「ウウウ!」
ゾンビ「グワアアア!!」
ダイヤ「・・・っ!・・・っ!」
ダイヤ(右へ・・・!3体なら・・・やるしかない!!)
ダイヤ「はああぁぁ!!」
理事長室から持ち出した椅子を武器にタックルをかます!
ゴスゴスダンッ!!
ゾンビ「ウワァウ!?」
ダイヤ「あっぅ!」倒れたゾンビを飛び越える!
ズダッ!ザッ!
ダイヤ「はぁ!はぁ!はぁ!」
タッタッタッ
浦女校舎
ゾンビ「アァァ」ゾンビ「カアア」
ダイヤ(密度はさっきよりも少ない・・・諦めてくれたんですわね・・・)
ダイヤ「・・・!」タッタッタッ
ゾンビ「アアア!!」
ダイヤ(しかし、さっきよりは少ないとはいえ・・・!)チラッ
ゾンビ「ガア!!!」
ダイヤ「っっぅ!!?」
パァン!!
ゾンビ「ホゲッ!!?」
ダイヤ「はっ!はっ!あぶな・・・!」
ゾンビ「グアア!!」ゾンビ「アァァアア!!」ゾンビ「アアア!!」
ダイヤ「くっ・・・!音に反応する・・・!」
ダダダダ!
ゾンビ「グワアオ!!」
ダイヤ「はぁ!はぁ!」
ダイヤ(まずい・・・数が・・・!)
ゾンビ「ガアアアア!!」
ダイヤ「・・・っっ!」
ダイヤ「ぅっ、どうする!?どうする!?」
ダイヤ(っ!うちの車・・・!)
ダイヤ(運転の仕方は・・・わからない、いや、鞠莉さんの運転を見たから何となく・・・!)
ガチャ! バタン!
ゾンビ「グアアア!!」ゾンビ「グアアア!!」
ガンガン!
ダイヤ「きゃっ!邪魔をしないで・・・!」
クンッ!クンッ!アクセル!
ダイヤ「あれ・・・!?なんで走らないんですの・・・!?」
ダイヤ「思い出して!鞠莉さんは最初に何をした!?」
ダイヤ「黒服さんたちはどうやって運転してた!?」
ゴンゴン!ガンガン!
ダイヤ「急いで!急いで!!」
ガチャ
ゾンビ「グワアア!!」
ダイヤ「うぅっ!!?」
パァンパァン!!パァンパァン!!カチッ!
バタン!
ダイヤ「か、鍵を閉めないと!」
ガチャ!
ダイヤ「はぁ!はぁ!はぁ!」
ダイヤ「弾が・・・!」
ゾンビ「アアアアア!!」
ガンガン!
ダイヤ「鍵・・・そうだ鍵!キーを回していましたわ!」
ダイヤ「えっと・・・!えっと・・・!」
キュキュキュキュキュ!キュキュキュキュキュ!
ダイヤ「なんで!?なんでブオオンってならない!?」
ダイヤ「故障なの!?お願い動いて!!」
キュキュキュキュキュ!
ピィィーーー!!
ピィィーーー!!
ダイヤ「・・・!?」
ダイヤ「笛の音・・・?誰かいるんですか!?」
ピィィーーー!!
ゾンビ「アア!?」
ゾンビ「グゥゥ!!?」
ダイヤ「ゾンビが・・・笛に誘われてる・・・」
ダイヤ「救世主・・・なの・・・?」
ピィィーーー!!
ゾンビ「アアアァ!」
操縦士「よし、いい調子」
志満「ありさちゃん、気を付けてね。後で十千万でね」
操縦士「うん。志満姉、美渡姉、必ず助け出してきてね」
美渡「任せな!」
ゾンビ「ゴアアア!」ゾンビ「クワアアア!」
ピィィーーー!!
操縦士「よし。あとは、有酸素運動!」
タッタッタッ
ピッピッピィー!
ゾンビ「グアアア!!!」
志満「・・・!」コクッ
美渡「・・・!」コクッ
ダダダダ!
ダイヤ「あれは・・・志満さん、美渡さん・・・?」
ゾンビ「グアア!!」
ダダッ!
志満と美渡はゾンビを飛び越え、車の上に飛び移る!
ダンッ!
ダイヤ「っっ!?」
車の上の志満と美渡に、ゾンビたちは届かない手で襲い掛かる!
そのゾンビたちに対し、バットで攻撃!
ゴンッ!!ゴンッ!!ガンッ!!
ゾンビ「バッ!!?」ゾンビ「ワッ!!?」
ゴシャ!!
ダイヤ「き、きゃっ・・・」
ゴンッ!!ガンッ!!ガンッ!!
無傷でゾンビを倒し続ける志満と美渡
・・・
志満「ふぅ・・・」
周囲のゾンビを倒し切り、一時の休息を得る
コンコン
ガチャ
志満「! ダイヤちゃんだったんだ、大丈夫、ケガはない?」
ダイヤ「志満さん・・・」
ダイヤ「ありがとうございます・・・助かりました、ありがとう」
志満「ううん、助けられてよかった」
美渡「わっ、珍しい、泣いてんの?」
ダイヤ「美渡さん、ありがとうございます・・・もうダメかと・・・」
美渡「ほら!泣いてる暇なんかないよ!」
ダイヤ「そういえば、もう一人・・・」
志満「ありさちゃんだよ。ゾンビを引き寄せてもらってる。助けに行かないと」
ダイヤ「ありさって・・・Aqoursの?」
志満「うん。この車乗って大丈夫?」
ダイヤ「ええ、でも、故障してて・・・」
志満「故障?」
キュキュキュ ブオオン!
志満「・・・?あー、マニュアルだしね。運転なんかしたことないでしょ?」
ダイヤ「・・・後で教えてください」
ダイヤ「・・・そういえば」
落としたショットガンを回収する
志満「それ・・・」
ダイヤ「・・・少し、訳ありですわ」
ダイヤ「でも不用意に使えないことが分かりました。ゾンビは音に反応する」
ダイヤ「それでは、運転お願いできますか?」
ブウウン!
志満「ダイヤちゃん、一人?」
ダイヤ「・・・ええ。事件後、初めて会った『人』はお二人」
志満「そっか・・・」
美渡「千歌が居ないんだ。家も、学校も、曜ちゃん家もいった」
志満「ありさちゃんと3人で街を探索してたの。一応十千万が私たちの拠点になってる」
志満「ありさちゃんはそこで待ってると思う。とりあえず十千万に向かうね」
ダイヤ「はい・・・」
志満「・・・ルビィちゃんは?」
ダイヤ「・・・・・・」フリフリ
志満「・・・・・・」
美渡「でも、とりあえずダイヤちゃんを助けられてよかった」
美渡「きっとみんなどこかに隠れてる。諦めずにとにかく人を集めよう。ね?」
ダイヤ「はい・・・!」
十千万
ブウウウン キー
志満「門を閉めて」
美渡「おーよ」
ガラガラ ガシャン!
志満「うちの中は安全よ」
美渡「ありさ!」
志満「ありさちゃん!」
志満「うそ・・・戻ってない」
美渡「マジか・・・そんな・・・」
ダイヤ「戻ってない?」
志満「うん・・・ありさちゃん、でも結構な数引き連れてたから、もしかして・・・」
ダイヤ「そんな・・・わたくしが・・・」
志満「ゾンビが海に入れないのは知ってる?」
美渡「もしも、マジでヤバかったときは淡島に逃げるように伝えてあるんだ」
美渡「あそこならそもそも人口が少ないし比較的安全だと思ったから」
ダイヤ「淡島に・・・?」
ダイヤ「・・・私が行きます」
ダイヤ「ちょうど淡島に用があります」
ダイヤ「わたくしのせいでありささんが危険な目に合ってるなんて・・・私が助けに行きます」
志満「大丈夫、ダイヤちゃん?」
ダイヤ「お二人はここで待っていてください。行き違ってしまっては大変ですわ」
志満「それじゃあ・・・任せるよ。絶対に無事で帰ってきてね」
美渡「武器は・・・大丈夫か、それなら」
ダイヤ「ええ。待っていてください」ジャコッ!
ダイヤ(また果南さんのジェットスキーを借りて淡島へ)
ブオオオオ!
ダイヤ「・・・・・・」
ダイヤ(あの時・・・)
『鞠莉「っ・・・だ、、ダイヤ・・・・・・うちに・・・・・・」』
ダイヤ(鞠莉さんはわたくしに何かを伝えようとした)
ダイヤ(それが何なのか・・・)
ダイヤ(きっと、『答え』に近づける・・・)
ブオオオオ!
淡島に着きました。早速ホテルへ向かいます
淡島ホテル エントランス
ダイヤ「・・・っ」
人が・・・
先ほど私たちを襲った黒装束の人造人間たち
鉤爪で裂かれたホテルの従業員さんたちが・・・
ダイヤ「・・・・・・」ポンポン
メイド「」グラッ
ダイヤ「っ!・・・」
ダイヤ「みんな・・・殺されて・・・」
ダイヤ(ありささん・・・ここにいるの・・・?)
ガラガラ!キシャー!
ダイヤ「!!?」
ダイヤ(今、聞き覚えのある・・・)
ダイヤ(地下の方から・・・急がなきゃ!)
ダダダッ!
淡島ホテル 地下
キシャアア!!
ダイヤ(さっきの・・・!黒装束の声・・・!!)
ダダダッ!
ダイヤ(扉の前に!)
ダイヤ「ありささん!!」
操縦士「・・・っ・・・っ」
扉の前に立ち尽くす操縦士!
ダイヤ(扉の奥に!!)
黒装束「キシャアアアア!!!」
ダイヤ(三体!!間に合え!!)
ザッ!!
ダイヤ「っっ!!」
ダァァンン!!!
黒装束「ガバッッ!!」
1体目は5メートル先!
ダイヤ「ぁっっ!!」
1体目の射撃から0.3秒で二体目へ!距離2メートル!
ダァァンン!!!
黒装束「ガバッッ!!」
ダイヤ(あと一体!!)
銃を構える!だが黒装束はすでに目の前、鉤爪を振り上げている!!
ダイヤ(間に合わ・・・!!!)
ガチィン!!
ダイヤ「うぅっっく!!」
なんとか銃で身を守るダイヤ!
黒装束「ガアアア!!!」
ギチギチギチ!! 銃が歪む!!
ダイヤ(なんて・・・力・・・!!)
グググ!!
ダイヤ「うぅぅ!!」
ダイヤ(勝てな・・・!!)
操縦士「・・・ぁああ!!」
ズガン!!
黒装束「ブブッ!!」
ドサッ!ズダッ!
操縦士「はぁ!はぁ!」
ダイヤ「はぁはぁ!ありささん!」
操縦士「ダイヤ・・・!久しぶり・・・!」
ダイヤ「ええ・・・!無事ですわね・・・?」
操縦士「うん・・・!」
黒装束「キシャアア!!」
操縦士「ダイヤは右手を抑えて」
ダイヤ「右手を・・・?わかりましたわ」
操縦士「あっ、違う左手だった」
ダイヤ「えっ」
操縦士「いや、うん右手右手」
ダイヤ「向かって左!?」
黒装束「シャアアアア!!!」
左右の鉤爪で黒装束は襲い掛かる!
ダイヤと操縦士は互いに向かって左の右鉤爪を抑えにかかる!
ガギィン!!衝撃で銃を落とすダイヤ!!
ダイヤ「なっ・・・!うんっ!!」
すかさずダイヤは向かって右の左腕に飛びつき抑えかかる!!
ドサッ!
倒れかかるダイヤと黒装束の左半身!
ダイヤ「ありささん!!」
操縦士「・・・っ!!」
ダイヤの落とした銃を拾い黒装束に構える!!
操縦士「死ね!」
ボガアアン!!
操縦士「あっっ!!?」
黒装束「キーーーー!!!」
ダイヤ「ありさ!!」
銃身が曲がりコンディションが最悪の状態だったショットガン
発砲と同時に爆発が起こる!
操縦士「っって・・・てて・・・」
ダイヤ「ありさ・・・!」
ダイヤ(だけど、右腕を破壊した!)
黒装束「シャアアアアア!!!」
黒装束は決死の抵抗を続ける!
ダイヤ(とはいえ、このまま、でもどうすれば!?)
黒装束「キャアアアアア!!!」
ブンッ!!
ダイヤ「・・・っ!!」
ブンッ!!
ダイヤ「あっ!」
ズサーッ 振りほどかれる
黒装束「シャアアアア!!」
すぐさまダイヤに攻撃を仕掛ける黒装束!
ダイヤ「うっっ!!」
ズザッ!!
ダイヤ「あうぅ!!」
背中を・・・直前に回避行動を取ったため何とか致命傷は免れた
ドサッ!
ダイヤ「あっ!」
黒装束「キシャアアア!!」
ダイヤ(やられる!!)
操縦士「ダイヤあああーーーー!!!」
ブンッ!!
ダイヤ「っ!!」
操縦士が投げたのは・・・刀!!
パシッ!
ダイヤ「っっっ!!!」
ガギィィンン!!
ダイヤ「はああぁぁ!!」
シャキン!!
黒装束「!!!??」
ポロポロポロ カランカラーン 鉤爪を切り落とす!
ダイヤ「覚悟」
ダイヤは黒装束に向かい疾走する
ザッ!!
ダイヤ「っ!!!」
居合術
スパァッッッ!!!
ダイヤ「・・・・・・」
ダイヤ「・・・・・・はぁ」
ダイヤ「はぁ・・・はぁ・・・」
ズルッ
ドシャ!グシャ!
ダイヤ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
ダイヤ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
操縦士「ダイヤ・・・」
ダイヤ「ありさ・・・さん・・・」
操縦士「また、ちょっとおっきくなったね、ダイヤ」
ダイヤ「・・・そうですか?」
操縦士「うん。すごくかっこいい」
ダイヤ「ふふ・・・ありがとう」
ダイヤ「ありささん、腕は?」
操縦士「あー、平気だよ。ちょっとヤケドしちゃっただけ」
操縦士「それよりダイヤ!背中、これ大変だって!」
ダイヤ「いえ、なんとかかすり傷で済みましたから」
操縦士「いやいや大変だよ!」
操縦士「ちょっとばんそーこー持ってくるからここで待ってて!」
タタタタッ
ダイヤ「あっ、ありささん!」
ダイヤ「行っちゃった」
ダイヤ「・・・ふふ、かわいいですわ」
トコ・・・トコ・・・
ダイヤ「ふぅ・・・ふぅ・・・」
ダイヤ「これ・・・」
ダイヤ「もう・・・修復不可能ですわね・・・」
ダイヤ(おそらく、これが鞠莉さんが親鳥製薬から盗み出した人造人間技術)
ダイヤ(黒装束の者達はこれと、鞠莉さんの命を狙っていたんでしょうね)
ダイヤ(鞠莉さんがわたくしに託そうとしたのは、この技術・・・?)
ダイヤ「・・・・・・ふぅ・・・・・・」
ダイヤ(先ほどの三体とはまた別の三体・・・)
ダイヤ(わたくしとありささんも、親鳥製薬の標的になってしまったそうですわね)
操縦士「ダイヤ」
ダイヤ「・・・!」
操縦士「ねぇ・・・来て、ダイヤ」
ホテルオハラの倉庫
そこには想像を絶する量の銃火器が保管されていました
鞠莉さんは混乱を予想していたんでしょうね
ダイヤ「これなら町を・・・みんなを救える・・・」
ホテルオハラは壊滅しています
グループの残した戦力を我々はお借りすることにしました
ダイヤ「あ、ありささん・・・!あなた、ヘリコプターの操縦なんて・・・!」
操縦士「ちょっと待って、なんかよくわかんないけど多分出来る」
ダイヤ「ひぅぅ・・・!本気ですの・・・!?」
そして、知りました
親鳥製薬の真実
『鞠莉さんの』辿り着いた真相
ダイヤ「親鳥製薬へ向かいます」
ダイヤ「わたくしはそこで・・・『答え』を伺ってきます」
志満「危険・・・なんじゃないの・・・?」
ダイヤ「きっと・・・でも、止まるわけにはいかないんです」
ダイヤ「お二人とも、お留守番、お願い致します」
バタバタバタバタ!!
ダイヤ「どうですか?大丈夫?」
操縦士「うん、もう慣れた」
ダイヤ「・・・流石ですわ。きっとセンスを持ってるんですわね」
操縦士「ありがと」
操縦士「見えてきたよ」
ダイヤ「ええ」
バタバタバタバタ!!
親鳥製薬
ここに何が待っているでしょう
操縦士「屋上に誰かいるよ。誘導されてるみたい」
操縦士「警戒されてるね。銃を向けられてる」
ダイヤ「・・・」
ダイヤ『私は黒澤ダイヤと申します。お話があって参りました』
『屋上に降りて。不審な動きをしたら・・・こちらには武器がある』
ダイヤ『かしこまりました』
操縦士「・・・」コクッ
バタバタバタバタ!!着陸
ダイヤ「両手を頭の後ろに回して、敵対の意思がないことが伝わるはずですわ」
操縦士「うん」
ガラッ スタッ
ダイヤ「初めまして。私は黒澤ダイヤと申します」
ダイヤ「敵対の意思はありません。親鳥製薬さんとお話がしたく参りました」
ことり「初めまして。親鳥製薬の南ことりです」
操縦士「・・・!」
ことり「小原家のヘリ・・・ですよね?」
ダイヤ「・・・その事情も含めお話をさせて頂きたい」
ことり「ボディチェックをさせてください」
ダイヤ「構いませんわ」
ダイヤ「ヘリコプターの中に武器がありますが、あなた方と戦うために準備したものではありません」
ダイヤ「そちらの方に我々のヘリコプターを監視していただいてもかまいません」
ことり「・・・」コクッ
親鳥製薬兵隊「はっ!」
ことり「じゃあ、失礼します」
ポンポン さわさわ
ダイヤ「ひぅっ」
ことり「?」
ダイヤ「す、すみません・・・」
ダイヤ(そんなところまで触られるのね・・・ボディチェックって・・・)
ことり「うん、平気そう」
ことり「みなさん銃を下ろしてください」
ダイヤ「・・・」ホッ
ことり「では、こちらへどうぞ」
応接室
ことり「どうぞ」
ダイヤ「失礼します」
操縦士「ねぇ」
ダイヤ「んっ?」
操縦士「あの・・・南ことりさんですよね?μ'sの」
ことり「あっ、えへへ・・・一応」
操縦士「すごーい!へー本物初めて見た~。ねぇダイヤ凄いよ」
ダイヤ「えっ、、えっ」
ことり「あはは、恥ずかしいな~・・・」
操縦士「私ぃ、Wonderful Rushが大好きでぇ~、あんちゃんとカラオケ行くと絶対歌うんです」
ことり「そうなの?ありがと~♪私もね、あの曲歌うと元気になれるの」
操縦士「えーすごいサイン貰っていいですか?」
ことり「いいよ♪サイン書くの久しぶり~」
操縦士「ダイヤも書いてもらいなよ」
ダイヤ「いや、あの・・・ありささん・・・!」
ダイヤ「なんて自由なんですのあなた・・・」
操縦士「だってホントに凄いんだよ?まぁまぁ、本題本題」
ダイヤ「貴方が・・・まぁ、本題」
親鳥製薬との対談は、ありささんのおかげで和やかに始めることができました
ダイヤ「単刀直入に」
ダイヤ「このゾンビウイルスが拡散された原因は親鳥製薬だと伺いました」
ダイヤ「真実は?」
ことり「一つ、それは鞠莉ちゃんから聞いた情報かな?」
ダイヤ「・・・ええ」
ことり「わかった。真実を伝えるよ」
ことり「確かに、ウイルスは親鳥製薬内で開発されたもの」
ことり「ただ、開発したのも拡散したのも全て真姫ちゃん、西木野真姫が実行したんだ」
操縦士「μ'sの・・・?」
ことり「うん。私を知ってるならわかるよね」
ことり「真姫ちゃんは高校在学中からすでに親鳥製薬と連携してた」
ことり「親鳥製薬は彼女の天才的な頭脳を買い研究所を与えた。このビルの地下なんだけどね」
ことり「真姫ちゃんが作ろうとしている薬は最初から、ただ一つだけだった」
ことり「それは、このゾンビウイルスの元凶となった『死』を克服できる薬」
ことり「ゾンビ化はこの薬の副作用だったんだ」
ことり「今思えば、真姫ちゃんはゾンビ化のために薬を開発してたんだろうね」
ことり「真姫ちゃんは、人を殺すために薬を開発した」
ダイヤ「なぜ・・・?」
ことり「・・・真姫ちゃんから聞いた話では」
ことり「真姫ちゃんは『死』を知っている」
ことり「『死』こそが救いだと考えている」
ことり「真姫ちゃんにとっては、人殺しのためじゃない」
ことり「人を救うための薬・・・なんだって」
ダイヤ「・・・・・・」
ことり「・・・証拠を見せるよ」
ことり「薬が何者かによってすべて盗み出された映像」
ことり「改竄によりお母さんが開発したことにされたサンプルμ、通称ゾンビウイルス」
ことり「どれも真姫ちゃんの手によって親鳥製薬の責任になるよう不正アクセスされた事実」
ことり「そして、全てを持ち去り真姫ちゃんは超ヤマト戦艦と呼ばれる軍艦に逃げ込んだこと」
ことり「その軍艦でヤマト隊なる組織を指揮し、人を殺すために活動していること」
ダイヤ「ヤマト隊・・・」
ことり「ゾンビは水辺が苦手なの。あの目じゃきっと水を認識できないんだろうね」
ことり「合わせて、ヤマト隊は大量の武器を抱えてる。それこそ、戦争が出来るくらいに」
ことり「行き場をなくした人たちを救い、親鳥製薬に対する嘘の情報を伝え、自らの兵器として扱う」
ことり「ヤマト隊は、そのために組織された」
ことり「結成当初、隊員は真姫ちゃんとあと一人だけだった」
ことり「もう一人は、『南あやり』」
ことり「ダイヤちゃん、鞠莉ちゃんと連携を取ってるのなら、人造人間技術は知ってるかな?」
ダイヤ「・・・ええ・・・」
ことり「その技術で製造された、私のクローン」
ことり「あやりは真姫ちゃんから嘘の情報を教えられて、私と決別して真姫ちゃんに付いて行った・・・」
ことり「以前、真姫ちゃんとあやりがここに襲撃に来たんだ」
ことり「何とか耐えしのいだんだけど・・・もはやヤマト隊の勢力が私たちにはわからないから迂闊に手を出せない」
ことり「きっと今もどこかで力を伸ばしてるんだと思う」
ダイヤ「なんてこと・・・」
ことり「・・・私もね、ヤマト隊に勧誘されたの」
ダイヤ「・・・っ!」
ことり「断ったよ・・・私は、真姫ちゃんの理念を理解できなかった」
ことり「だって、死んじゃったら何もできないんだよ・・・!」
ことり「遊ぶのも、ご飯食べるのも、歌うことだってなんにもできなくなっちゃうんだよ・・・!」
ことり「もうμ'sのみんなは帰ってこないんだよ・・・!」
操縦士「・・・・・・まさか・・・」
ことり「μ'sのメンバーは私以外、全員真姫ちゃんに殺された」
ダイヤ「・・・!!!?」
ことり「悔しかった・・・止めれなかったの・・・私が気付いた時にはもう・・・」
ことり「・・・それから真姫ちゃんとは、一度だけ話した」
ことり「ただ一言・・・『どうして理解してくれないの?』」
ことり「許せなかった・・・私は真姫ちゃんに、私にとっての平和を奪われた」
ことり「真姫ちゃんの独りよがりの平和が許せない」
ことり「自分の欲を人に押し付け、命まで奪う・・・」
ことり「そんな真姫ちゃんの子供じみた『呪い』を、私は必ず終わらせる」
ことり「親鳥製薬は、ヤマト隊と敵対した」
ことり「・・・そんなところかな」
ダイヤ「・・・・・・」
ことり「驚くことばっかりだよね」
ことり「鞠莉ちゃんはこの真実を知らなかった」
ことり「何よりも自警のために、お母さんの人造人間技術をいち早く盗み出した」
ダイヤ「ええ、鞠莉さんは、戦争は避けられないとおっしゃっていました」
ダイヤ「鞠莉さんは・・・今は力をなくしました」
ダイヤ「ホテルオハラの人造人間技術は、あの黒装束の者達によって破壊されました」
ダイヤ「我々が敵対する必要はない。襲撃を止めて頂けませんか?」
ことり「ごめんね、あれはお母さんの独断だったんだ」
ことり「前回送り込んだ分・・・二人が破壊した3体が技術の破壊を確認したからもう襲撃はしない」
ことり「巻き込まれて・・・随分迷惑をかけちゃったみたいだね」
ダイヤ「・・・もう勘弁願いたいですわ・・・」
操縦士「私ダイヤが居なかったら多分死んでた」
ダイヤ「それは・・・お互い様ですわ」
ことり「ふふ・・・不謹慎だけど、少し面白かったのがさ」
ことり「黒装束の標的対象が鞠莉ちゃんとダイヤちゃんの二人だけだったの」
ことり「多分ダイヤちゃんとありさちゃん顔が似てるから、同一人物として機械が処理してたんだと思う」
操縦士「へぇ~やっぱり顔似てるもんね私とダイヤ。ほくろの位置しか違わないもんね」
ダイヤ「いや・・・もうちょっと違うでしょ、鼻とか・・・」
ことり「ふふふ、仲良いんだね二人とも」
操縦士「はい。ふふ」
ダイヤ「な・・・なんか恥ずかしいですわ・・・」
ことり「さて、ダイヤちゃん」
ことり「今までの話は、全部嘘かもしれない」
ことり「これからどうするの?」
ことり「私を信じて協力してくれるのか」
ことり「それとも、元凶の可能性があるお母さんを殺す?」
ダイヤ「わたくしは・・・」
ダイヤ「人を救います。人を殺しません」
ダイヤ「あなた方が戦いで平和を手に入れようと言うのなら・・・」
ダイヤ「わたくしは、誰の血も流さず、平和を取り戻して見せます」
ダイヤ「町のみんなを救い・・・ヤマト隊とは違う、本当の意味での安全を人々に提供します」
ダイヤ「それが・・・鞠莉さんに誓ったことだから・・・」ポロポロ
ことり「・・・!」
操縦士「ダイヤ・・・?」
ダイヤ「・・・グスッ、ふふ・・・」
ダイヤ「なんだか・・・ふぅ、落ち着いて気が緩んでしまったんでしょうか」
ダイヤ「ことりさん、ありささん」
ダイヤ「誰にも話したことのない、私の後悔を聞いていただけませんか?」
私は・・・鞠莉さんを殺したこと
振り返ってみればなぜあんなことをしたのかわからない
時が巻き戻るのなら巻き戻したい
意思の弱い私の、子供じみた後悔を二人に話しました
ことり「・・・・・・」
操縦士「・・・・・・」
ダイヤ「・・・・・・」
ことり「・・・ダイヤちゃん」
ことり「『人は過ちを繰り返す』」
ことり「この言葉を、覚えておいて」
ことり「私たちは、この言葉に答えを出さなければならない」
操縦士「じゃあ私は、ダイヤの過ちをフォローするよ」
操縦士「ダイヤがそれを過ちだと感じているなら、それ以上の事をして返せばいいだけ」
操縦士「みんなを救い出そうよ。そうすれば、鞠莉も許してくれる」
ダイヤ「・・・どうやら私は・・・大人にならなければならないようですわね」
ダイヤ「ことりさん、ありささん・・・わたくしに、少しでも力を分けて頂けませんか?」
こうして、私は親鳥製薬、ことりさんと協定を結びました
そして、ことりさんに誓ったこと、ありささんに誓ったこと、鞠莉さんに誓ったことを貫き通します
ダァンダァン!!パンパンパン!!
ダイヤ「進んで!!絶対に離れないで!!」
鞠莉さんの遺産をお借りして、内浦のゾンビを一掃しました
食料も、寝床もある。我々の浦女を拠点として人命救助に尽力しました
FKT「助けてーー!!」
ダイヤ「走って!!」
ヤマト隊との交流はできませんでしたが、隊員を数名、我々の元に保護しました
世話係「貴方達には、命を救ってもらった・・・」
ダイヤ「真実をお伝えします。私たちは戦う必要なんてない」
ゆっくりだけど、確実に人を増やしていきました
このまま皆が安全に、争わず、平和に生きていけるために
操縦士「ねーねー、なんかグループ名とか欲しくない?」
志満「いいかも!名前が広がればみんなが集まるきっかけにもなるものね!」
美渡「よっしゃ!リーダーのダイヤ!かっこいい名前で頼むよ!」
ダイヤ「え、わたくしが決めるんですの!?」
操縦士「わくわく」
志満「わくわく」
美渡「かっこいいのね」
ダイヤ「え、えぇぇっっと・・・」
ダイヤ「じゃあ、えー、我々は・・・」
黒澤一派と名乗りましょうか
・・・しばらく日が経ちました
ゾンビとなってしまった人たちはみな校庭に埋葬いたしました
みなはそこにお花の種を埋め、芽を出すのを心待ちにしています
お庭では野菜を育て、みな贅沢は出来ませんがしっかり食べ、楽しく生活しています
毎日町を探索し、きっとこの田舎のおかげでしょう、町は安全になったと言えるでしょう
・・・・・・
・・・友人を亡くした人もいます
・・・家族を亡くした人もいます
・・・・・・
ルビィ
ルビィ、貴方はどこにいるの?
会いたい
操縦士「ダイヤ」
ダイヤ「・・・ありささん・・・」
操縦士「なんか、ダイヤ最近泣き虫」
ダイヤ「・・・えぇ・・・」
ダイヤ「きっともう・・・ダメなんですわ、わたくし」
ダイヤ「今は・・・ルビィなんかより、全然泣き虫になってしまったんでしょうね」
F「ねぇダイヤさん!南ことりって人から電話だよ!」
F「言えばわかるって言われたけど・・・」
ダイヤ「・・・!」
F「もしかして南ことりって・・・μ'sの?」
操縦士「そうだよ。あいあい憧れのμ'sさんと会話しちゃったじゃん」
F「えぇーマジーー!?マジーー!!?」
ダイヤ「もしもし?」
ことり『ダイヤちゃん?久しぶり』
ダイヤ「ええ、お久しぶりです、ことりさん」
ことり『ねぇダイヤちゃんってさ、妹さんいる?』
ダイヤ「えっ?ええ、いますが」
ことり『ふふっ・・・まぁそうだよね、黒澤にダイヤとルビィなんて名前ならそりゃそうか』
ダイヤ「ルビィ・・・?どうして・・・ことりさん、どういう・・・」
ことり『ダイヤちゃんお願いがある、聞いてほしい』
ことり『ヤマト隊の生存者を預かってる。黒澤一派でお世話してあげてほしいんだ』
ダイヤ「ヤマト隊の?」
ことり『ヤマト隊にとって親鳥製薬は究極の仇だからさ、それに・・・』
ダイヤ「・・・?」
・・・
ダイヤ「ルビィィィーーー!!!」
ルビィ「お、おお、、」
ルビィ「おねぇぇちゃあああああ!!!!」
ダイヤ「ルビィィ!!!」
ギュッっっ!
ルビィ「ああぁぁぁ!!おぉぉねえちゃああ!!」
ダイヤ「ルビィ・・・!!ルビィ・・・!!」
ルビィ「ひぐっ!えぐっ!お、おねぇ・・・うわああああんんん」
ダイヤ「ルビィ・・・!」
ダイヤ「梨子さん、花丸さん、善子さん」
ダイヤ(見つからない訳ですわね。みんなヤマト隊に匿われていた)
ダイヤ「もう大丈夫です、みんな」
ダイヤ「もう大丈夫」
ルビィを見つけ
ヤマト隊の、西木野真姫の呪いを知り
わたくしは改めて決意します
血は流さない
過ちを繰り返さない
黒澤一派は、どんな事情があれど平和と安全を求め続ける組織です
鞠莉さんへの誓いを、何があっても崩しはしません
・・・・・・
志満「それじゃあみんな、いただきます」
美渡「いただきまーす!」
梨子「いただきます」
ルビィ「すごい!これ全部志満姉さんが作ったの?」
花丸「おいしいね!ほら善子ちゃんも、あーん」
善子「ありがと、あ~ん」
操縦士(・・・ん?校庭の方に・・・)
操縦士「ななか?」
ササッ
操縦士「・・・!」
ダダッ!
ルビィ「ありさちゃん?行っちゃった」
ダダダダッ!
操縦士「はぁ・・・!はぁ・・・!」
ダイヤ「んっ?ありささん?どちらへ・・・」
ダイヤ「・・・・・・?」
ダダダダッ!
操縦士「はぁはぁ!」
操縦士「ねぇ!ななか!ななか!!いるんでしょ!?」
ザザッ!
連絡係「・・・っ!」
操縦士「あっ・・・あんちゃん・・・!」
連絡係「ありさちゃん・・・」
操縦士「・・・久しぶりだね」
連絡係「・・・・・・」
操縦士「よかったよ・・・元気そうで、私も嬉しい」
連絡係「・・・・・・わかってるんでしょ?」
操縦士「・・・・・・なんのこと?」
連絡係「・・・わかってるんでしょ?『黒澤一派』のありさちゃん」
操縦士「・・・・・・あんちゃんが、『ヤマト隊』ってことは知ってるよ」
操縦士「でもそれ以上に、私は『Aqours』のあんちゃんを知ってる」
連絡係「・・・・・・」
連絡係「ありさちゃんは、黒澤ダイヤを信じてるんだ」
操縦士「うん」
連絡係「どうして人殺しを信じられるの?」
操縦士「・・・確かに、ダイヤは罪を犯した」
操縦士「でも、ダイヤはそれが罪だと自覚してる」
操縦士「だからその罪を償おうと、黒澤一派を導いてるの」
操縦士「平和のために」
連絡係「・・・!」
連絡係「人殺しが望む平和って何?」
連絡係「この世界を、地獄に変えた、一端を担っておいてどの口が平和を語るの!?」
連絡係「お前らは人を殺しこの世から平和を奪い去った!この世界を見て、これが平和だっていうの!?」
操縦士「あんちゃん・・・」
操縦士「・・・そっか」
操縦士「それが西木野真姫から教わったこと?」
操縦士「そうやって何の罪もない人を殺し続ける、ヤマト隊の平和ってなに?」
連絡係「真姫さんの悪口を言うな!!」
連絡係「私は真姫さんの理念に感動した!」
連絡係「真姫さんに命を救われた、衣食住を提供してもらった、訓練だってしてもらった!」
連絡係「それは全て!この世に平和を捧げるため!!」
連絡係「私は戦うよ!真姫さんの望む、平和のために!!」
操縦士「・・・西木野真姫のためなら」
操縦士「私に拳を向けるの?あんちゃん」
連絡係「・・・!・・・っ」
操縦士「あんちゃん・・・」
連絡係「・・・当然だよ・・・」
連絡係「黒澤一派は人殺しの組織だ」
連絡係「今回の目的は調査のみだったけど、この状況なら仕方ない」
連絡係「真姫さん誓います、平和のために」
ザンッ!!
両手を前に、前腕部でクロスさせる
連絡係「すーーっ・・・」ユラユラ
操縦士「・・・・・・顔が変わったね・・・」
足を開く
連絡係「・・・・・・」
左足は前に
左手も前に構える
操縦士(すごい気迫・・・)
右手はへその高さに、『突き』を構える
連絡係「・・・・・・」ジリ ジリ
右足は多少遊ばせる
『蹴り』がすぐに発動できるように
操縦士「・・・綺麗な型だね・・・苦手、って言ってなかった?」
連絡係「・・・真姫さんの元で鍛えなおしたの」
操縦士「へぇ・・・」
ビュオオオオォォォ
操縦士「・・・・・・」
連絡係「・・・・・・」
ザッ!!!
連絡係「はぁぁ!!!」
回し蹴りが・・・!!
操縦士「・・・っっ!!!」
ダンッッッ!!!
連絡係「っ!!?」
連絡係の右足の回し蹴りを左足一本で受け止めた操縦士!
操縦士(あんちゃんの空手なら何度か見た・・・!このくらい・・・!)
連絡係「っっぅ!!」
次は左足で蹴りを撃ち込む!
操縦士(見える!!)
受け止めた左足のまま、連絡係の左蹴りを蹴りで返す!!
バキッ!!
連絡係「んっっ!!」
操縦士「あぁあっ!!」
蹴り返した左足のまま、連絡係の左頬にかかと蹴りをかます!!
ゴンッ!!
連絡係「ぶっほっ!!?」
よろけた連絡係の顔面へもう一発、左蹴りを撃ち込む!!
操縦士「はああぁぁ!!」
バギャアア!!!
連絡係「あんっっぐっ!!!」
ドサッ!
勢い余り操縦士に背を向ける形でうつ伏せに倒れる連絡係!
操縦士(行ける・・・!!)
偶然、地面に落ちていた石を右手に持ち倒れた連絡係に殴りかかる!
ブンッ!
連絡係「っっ!!」ギロッ!
ブンッ!!
操縦士「!!??」
連絡係は相手に背を向けた体制から、腕と左足で起き上がる力を使い右足でかかと回し蹴りを繰り出す
操縦士の振りかぶった右腕と持ってる石、狙った顔面、全てまとめて蹴りぬく!!
ボッギャアアアア!!!!
操縦士「ぶあっっっ!!!?」
連絡係「っっっっ!!!」
操縦士「・・・・・・!!!!」
予想以上の動き、予想以上の攻撃力に苦痛の表情を浮かべ、回転しながら倒れる操縦士
ズルッ ドザッ
操縦士「ぶっ・・・!!?ふっ・・・!?!」
血が・・・!
連絡係「・・・!」
操縦士(・・・負けるわけには・・・!)
ゴンッ!!!
連絡係「っっ!!??」
相手の顔面に特技の回し蹴りをかまし、確かに手応えを感じた連絡係
操縦士の戦意喪失を感じた所に、両足の脛(すね)に激痛が走る!
連絡係「うっ!!」
操縦士「・・・っ!」
仰向けに倒れた操縦士、まだ戦意は失っていなかった
人が出せる一番強い力は立ち上がるときの力、操縦士は両足を連絡係の脛に合わせ蹴りを入れていた
連絡係「・・・っ!!」グラッ
脛の痛みに前に倒れかかる連絡係
隙のできた腹に、強力なばねを活かしたボディキックを見舞う!!
操縦士「ああああ!!!!」
ボゴォォォ!!!
連絡係「っっんぶぅぁあ!!?!」
ザザッ! ドサッ!
操縦士「はぁ・・・!はぁ・・・!」
連絡係「うぅ・・・はぁはぁ・・・」
痛みで起き上がれない連絡係
操縦士「やめようよ・・・あんちゃん・・・」
連絡係「・・・!」
操縦士「私は・・・組織なんかどうでもいい・・・」
操縦士「あんちゃんが間違ってたって・・・私が間違ってたって、どうでもいいの・・・」
操縦士「私は・・・Aqoursを続けたい・・・」
操縦士「みんなで歌って、みんなでダンスして、みんなで食べて・・・」
操縦士「それがみんなの平和だった・・・」
連絡係「・・・っ」
操縦士「やり直せるって・・・わかってるから・・・」
スッ
操縦士「あんちゃん。手を取って」
連絡係「・・・・・・」
操縦士「あいあいだって、りかこだってわかってくれた」
操縦士「あんちゃん・・・」
連絡係「・・・・・・っ」
操縦士「好きだよあんちゃん・・・戦いたくなんてないの」
連絡係「・・・っ!・・・っ」
操縦士「ずっと一緒に・・・Aqoursでいようよ」
連絡係「・・・・・・」
スッ
操縦士「・・・!」
差し出された手を握り返そうとする
連絡係「・・・」
ポンッ
操縦士「!」
連絡係は操縦士の手ではなくお腹に右手を添える
連絡係「・・・・・・」
操縦士「あん・・・ちゃん・・・?」
連絡係「ありさちゃん・・・」
操縦士「あんちゃん・・・」
連絡係「・・・ごめん」
操縦士「・・・!?」
それは、一瞬の出来事
操縦士からしても、ただ瞬きをした目が本気になったくらいにしか認識できなかった
第三者目線で見ても、連絡係が少し揺れただけ
ズボオオオアアアアアア!!!!!
操縦士「ぶおあっっっっはっっっ!!!!?!」
油断した操縦士の『真芯』を捉えた連絡係の最終奥義
右手の平に全神経を集中させ相手の臓器の動きを悟る
次に全身の力を右手の平一点に集め、発勁
見た目では右腕が震えただけ
だがその力で瓦10枚を貫通させるほどの威力
連絡係流空手最終奥義、『極・発勁一閃』
操縦士「ごほっ!げほっげほっかほっ!」
操縦士「あっ!・・・あっ・・・ぁ・・・・・・ぁ・・・・・・」
操縦士「あ、あほっ!げほっ!げほっ!」
連絡係「・・・・・・」
ザッ
操縦士「あ、あん・・・!げほっ!あんちゃ・・・!」
連絡係「・・・!」
操縦士「こ・・・ころさないの・・・?」
連絡係「・・・やめてよ・・・」
操縦士「げほっっっげほっ!あ、あぁぁ・・・・・・ぁ・・・・・・」
操縦士「はぁはぁはぁ!・・・あぁぁ・・・くるし・・・・・・」
連絡係「やめてよありさちゃん・・・」
操縦士「はぁ・・・!はぁ・・・!」
連絡係「そんな目されたら・・・」
連絡係「何が正しいのか、わかんなくなっちゃう・・・」
連絡係「・・・っ!」
ダダダダッ!
操縦士「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
操縦士「っっっあぁ、はぁ、はぁ・・・」
ダイヤ「ありささん!」
操縦士「だいや・・・」
ダイヤ「ありささん・・・ありささん大丈夫!?」
操縦士「あぁ・・・くるしい・・・」
操縦士「あぁ、あぁぁぁ・・・・・・ぁ・・・・・・」
ダイヤ「ありささん!」
操縦士「あっ、はぁ・・・はぁ・・・いたい・・・」
ダイヤ「ありささん・・・ごめんなさいありささん・・・」
操縦士「え・・・?」
ダイヤ「彼女を・・・止められなかった・・・」
ダイヤ「彼女が・・・迷ってるように見えたから・・・」
操縦士「うん・・・ごめん・・・ごほっ!」
操縦士「私が説得できなかったから・・・ごめん・・・」
操縦士「・・・肩貸してよダイヤ・・・帰ろう・・・」
ダイヤ「えぇ・・・おんぶしますわ、乗って?」
操縦士「ホント?マジで助かる・・・」
ヨイショ
オモイ? オモクナイデスワ
ネムイ・・・ キットネレバラクニナリマスワ
・・・
医療係「あんじゅ!?どうしたのその怪我!?」
連絡係「ちょっとね、へへ・・・やられちゃった・・・」
医療係「誰にやられたの!?許さない仕返しに行かなきゃ!」
連絡係「いいのしゅか!そんなの・・・」
監視員「とりあえずロケットランチャー持ってきといた」
ジャコッ!
連絡係「いいのいいの!ホントに大丈夫だから・・・」
医療係「・・・・・・あんじゅ?」
監視員「・・・・・・」
連絡係「・・・んっ?なんでもない!」
監視員「・・・・・・」ハグッ
連絡係「ん・・・ななか・・・」
連絡係「んん・・・グスッ・・・ひぐっ・・・」
連絡係「わたし・・・グズッ・・・わたし、どうすればよかったのかな・・・?」
医療係「・・・話して?なんでも聞いてあげるから・・・」
・・・
志満「相当疲れてたんだと思う。ぐっすり眠ってるよ」
ダイヤ「そうですか・・・よかった」
ダイヤ「思えば、あれからずっと動きっぱなしですもんね・・・疲れますわよね」
志満「それはダイヤちゃんも同じでしょ?」
志満「今日はゆっくり寝てていいよ」
ダイヤ「志満さん・・・ありがとう」
ガラッ
ルビィ「お姉ちゃん・・・」
ダイヤ「ルビィ・・・」
操縦士「zz・・・んっ!んん・・・zzz・・・」
ルビィ「かわいそう・・・ずっとうなされてるの・・・」ナデナデ
ダイヤ「・・・・・・」
ルビィ「ルビィ、真姫さんが許せない」
ルビィ「善子ちゃんも、ありさちゃんも大変な目にあって・・・」
ルビィ「人殺しに加担させられそうになって・・・」
ルビィ「みんながこんな大変な思いをしてるのに・・・」
ルビィ「真姫さんは、笑ってるだけなんだ」
ルビィ「人殺しの計画を立てて・・・人を駒に使って・・・」
ルビィ「真姫さんを止めないと・・・また人が死んじゃう・・・!」
ルビィ「真姫さんを殺さなきゃ・・・」
ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「・・・!」
ダイヤ「ルビィ・・・」
ダイヤ「あなたは・・・わたくしのようになってはいけない」
ダイヤ「人は過ちを繰り返す・・・」
ダイヤ「黒澤一派は、私の過ちを繰り返してはいけないの」
ルビィ「でも・・・!」
ダイヤ「わたくしたちは、文明人なんですわよ」
ダイヤ「どんなことにだって、会話で決着を付けられる」
ダイヤ「牙を向けられたからって、牙を向き返してはダメなんです」
ダイヤ「そんなことしたら・・・人の心には、悪魔しか生まれない」
ルビィ「・・・・・・うん」
ダイヤ「・・・・・・」ポンポン
ダイヤ「ルビィはもう頑張った。ゆっくりしてていいの」
ダイヤ「お姉ちゃんが、ルビィを守るから・・・」
ルビィ「うん・・・・・・グスッ・・・」
ソーッ
梨子「・・・・・・」
黒澤一派は、平和を求める組織です
力尽くで勝ち取る平和など、わたくしは信じません
武器を捨て、話し合いましょう
本当に平和を求めているのならわかってくれるはず
私たちは戦いません
特別編3 終わり
本編 第三部
千歌ちゃん
んっ?
私を信じる?
よーちゃん?
私は千歌ちゃんを信じてる
千歌ちゃんを愛すると誓う
千歌ちゃんと生きると誓う
千歌ちゃんを守ると誓う
よーちゃん・・・
千歌も、曜ちゃんを愛する
曜ちゃんと生きる
曜ちゃんを守る
曜ちゃんを信じるよ
うん
それじゃあ・・・
うん
?????????
じゃあ銃で止める!!?
千歌ちゃん!!
曜ちゃん!!
千歌ちゃん!!
曜ちゃん!!
あっ、ああああああ
あぶないあああいたいしぬ
ああああああああ
しぬ
千歌「っ!!?」
水・・・!?
千歌「ご、ゴボゴボ・・・!!ガババ!」
千歌(息が!!できない・・・!あっ!)
いいわ。液を抜いて
はい
千歌(助けて!くるしいくるしい!)
ジャーーー
千歌(しぬ!しぬ!たすけて!)
千歌「ブルルル!!ンンン!!」
・・・開けてあげて
ガチャン
バタッ!
千歌「ぶはぁっ!!はぁはぁ!?」
「千歌?千歌わかる?」
千歌「ひっ、はっ、しぬ、しぬ、はっはっ!」
「千歌落ち着いて?私の言うとおりにして」
「千歌、これみて」
千歌「まひさ・・・ゆひ・・・?」ポケー
真姫「はい、よく見て」
千歌「あーー、、」ジー
真姫「次は、これ何本?」
千歌「さん・・・」
真姫「私が誰かわかる?」
千歌「まひさん・・・」
真姫「・・・記憶はあるみたい、呂律が回ってないけど」
医療係「千歌ちゃん恥ずかしいでしょ?これ羽織って」
千歌「あ、、やっ、はだか・・・」
真姫「ベッドまで移動しましょう。歩ける?」
千歌「はい・・・べっど・・・」
・・・
・・
・
落ち着いて?
落ち着いて
コンコン ガラッ
真姫「千歌?」
千歌「うっ、うむ、くんっ・・・」
千歌「ま、まきさん」
真姫「よくできました」
真姫「千歌、混乱してるわよね」
真姫「私の目を見て?」
千歌「はい・・・」
真姫「・・・」
千歌「・・・・・・」ジー
千歌「・・・んあっ」パチクリ
真姫「いいのよ千歌。落ち着くの」
真姫「いろいろ聞きたいことがあると思う」
真姫「でも、ゆっくり、一つ一つ疑問をなくしていきましょう。それでいい?」
千歌「はい・・・」
真姫「よし、じゃあ記憶を辿っていきましょう」
真姫「果南が帰ってきたのは覚えてる?」
千歌「はい・・・果南ちゃんがヤマトに戻ってきて・・・」
千歌「それで・・・果南ちゃん、果南ちゃん・・・!!」
真姫「千歌!」
千歌「っっ!」
真姫「千歌、順番よ。順番に思い出すの、いい?」
千歌「順番・・・順番・・・」
千歌「果南ちゃんと、曜ちゃんと、ボートでことりさんから逃げて・・・」
真姫「ことり?」
千歌「え・・・?」
真姫「あなたたちを追ったのはあやりよ」
千歌「あやり・・・?あやり・・・」
千歌「曜ちゃんが撃たれて、淡島ホテルまで頑張って逃げたんです」
千歌「それで、曜ちゃんが倒れて、千歌が足を・・・そうだ、二階から飛び降りて足挫いたんです」
千歌「それで、千歌と果南ちゃんで一緒に逃げたんだけど、屋上で戦いに、果南ちゃんが行って」
千歌「千歌なにもできなくて、果南ちゃんが頑張ってあやりさんを倒して」
千歌「そしたら、ピンクのヘリでダイヤさんが来て、志満姉と美渡姉と曜ちゃんが生きてて・・・」
真姫「ヘリでは何があったの?」
千歌「あっ・・・えと・・・あ・・・」
真姫「・・・黒澤ダイヤから言われたことは何となく予想できる。いいのよ、教えて?」
千歌「・・・はい・・・」
千歌「・・・・・・真姫さんが、ウイルスを開発したって」
真姫「やっぱりね」
真姫「親鳥製薬が味方を作るときに必ず使う文句よ。映像も見せられたんじゃない?」
千歌「!、はい。不正アクセスされてたけど、なんとかホントの映像をって・・・」
真姫「それこそ加工された映像よ。奴らが我々を陥れるために用意した」
真姫「梨子たちもそれを見せられて奴らに協力したんでしょうね」
真姫「まぁルビィの影響もあるんでしょうけど・・・効果はてき面ってことね」
千歌「・・・果南ちゃんが・・・美渡姉から銃を奪って・・・」
千歌「それで・・・ダイヤさんが・・・でも、ホントは志満姉が果南ちゃんを撃って・・・」
千歌「でも、でも果南ちゃん凄かったんです・・・!ダイヤさんたちを倒すために、爆弾起動して・・・」
千歌「それで、このままじゃ死んじゃうから・・・曜ちゃんと一緒に・・・」
真姫「・・・なるほどね。流れはわかった」
千歌「それで、ヘリから二人で飛び降りて・・・海に溺れたんです」
千歌「息が出来なくて、苦しくて、でも真姫さんが助けてくれて・・・」
真姫「その辺は落下先での記憶ではないわ。ついさっき、ヤマトでの出来事」
真姫「まぁ流石に・・・落下時の記憶はないでしょうね・・・」
千歌「・・・っ・・・っ」
真姫「聞きたいでしょうね。みんなの事・・・」
千歌「はい・・・!教えてください・・・!」
千歌「みんな・・・果南ちゃんに曜ちゃん・・・二人は無事なんですか!?」
真姫「・・・・・・」
千歌「ぁっ・・・・・・」
真姫「・・・・・・」
真姫「ヘリの爆破を見て、私とことりで確認に向かった」
真姫「・・・残骸の山だった」
真姫「広範囲に散らばってたからね、調べるのは苦労したわ」
千歌「・・・・・・」
真姫「・・・血の跡や、肉片も確認できた」
千歌「っっ!!・・・・・・」
真姫「・・・ふぅ・・・」
真姫「果南のDNAと一致したもの」
真姫「千歌と血の繋がったDNAが二種」
真姫「ルビィと血の繋がったDNA」
真姫「あと一つは判別できなかった」
真姫「果南と、黒澤ダイヤ、千歌の姉の高海志満、高海美渡、あとヘリの操縦士と言ったところかしら」
真姫「・・・・・・」
千歌「・・・・・・」
ボフッ
千歌「んんん・・・っっ!グスッ」ポロポロ
千歌「ぅぅぅ・・・!えぐっ、ひぐっ・・・ぅぅ・・・!」ポロポロ
真姫「・・・・・・」
よーちゃん
千歌「よーちゃんは・・・?」
千歌「千歌が・・・生きてるんだもん・・・!曜ちゃんは!?」
真姫「・・・・・・」
真姫「ねぇ、、千歌」
真姫「千歌、あなたは・・・」
真姫「どんな曜でも愛せる?」
千歌「えっ・・・?」
真姫「・・・曜のところへ行きましょう」
千歌「・・・?・・・?」
カラカラ・・・
真姫「・・・・・・」
千歌「・・・・・・」
医療係「・・・・・・」
だって、千歌が大丈夫なんだもん
曜ちゃんは強いし、かっこいいんだよ。絶対に大丈夫だもん
医療係「・・・曜ちゃん、入るよ」コンコン
「はーい」
千歌「・・・!」
やっぱり、大丈夫なんだよ!よーちゃんは生きてるんだよ!
ガラッ
曜「しゅか・・・千歌ちゃん」
曜「千歌ちゃん・・・!!」
千歌「よーちゃん!!」
タタッ
曜「千歌ちゃん!」
千歌「よーちゃん!!」
ギュッ!
違う
千歌「!!!?!?!?」
ガバッ!
千歌「へっ、、へっ、えぇ・・・!??」
曜「やっ、え、千歌ちゃん・・・?」
千歌「よ・・・よー・・・ちゃん・・・?」
千歌「ちがう・・・ちがう、よーちゃんじゃない・・・」
曜「え・・・・・・」
真姫「すごいわね、千歌」
真姫「その通り、彼女は『本物』の渡辺曜じゃない」
真姫「彼女は親鳥製薬から盗み出した技術で製造した、曜の見た目の借りた人造人間」
真姫「彼女の『渡辺曜』の部分は・・・心臓だけ」
千歌「心臓・・・?」
真姫「墜落現場であなたは意識不明の重体を負いながらも、微かながらに息をしてた、なぜだと思う?」
千歌「・・・よーちゃん・・・?」
真姫「ええ。あなたは曜に・・・曜の肉片に包み込まれるように倒れていた」
真姫「自らがクッションになり、あなたを救おうとしたんでしょうね」
真姫「それでもあなたが死ななかったのは奇跡としか言いようがない。医学誌に投稿もんよ」
千歌「曜ちゃん・・・」
真姫「唯一、彼女の肉片の中に、まだ活動してる魂があった」
真姫「あなたを守りたいっていう、本当に強い意志なんでしょうね」
真姫「『それ』は、曜の記憶に曜の心臓を持った人造人間」
真姫「千歌、彼女を、愛してあげられる?」
千歌「・・・・・・」
曜「あはは・・・ごめん千歌ちゃん・・・」
曜「わ、わたし、なんかずっと寝てたみたいでさ!しばらくお風呂とか入ってなかったみたいだから」
曜「臭かったよね!ごめんね!すぐシャワー浴びてくる」
千歌「曜ちゃん」
曜「千歌ちゃん?」
ハグッ
曜「あっ・・・ち、千歌ちゃん臭いでしょ?臭い移っちゃうよ?」
千歌「よーちゃん・・・!!」
ギュウウウ
曜「あっ・・・えへへ、千歌ちゃん・・・」
千歌「よーちゃん・・・!」
曜「なぁに?千歌ちゃん」
千歌「曜ちゃんを、愛するって」
曜「えっ!?」
千歌「曜ちゃんと生きるって」
千歌「曜ちゃんを守るって・・・誓う」
曜「千歌ちゃん・・・」
曜「うん、私も・・・ずっと親友だよ千歌ちゃん」
千歌「うん・・・!」
真姫「・・・・・・」
jうぇふぉあんpw02gな3w
前日 ヘリの墜落現場
ことり「この辺だね」
真姫「ことり」
ことり「うん」
・・・
ルビィ「・・・・・・」
梨子「ルビィちゃん・・・」
ことり「動くな」
梨子「ひっ!」
梨子「こ、ことりさん・・・!お久し・・・」
ダァン!!
梨子「きゃあ!」
ことり「動くなって」
梨子「ぶ、ぶ武器は持っていません!」
ことり「・・・ルビィちゃん、撃つよ?」
ルビィ「やめようよ」
梨子「ルビィ・・・ちゃん・・・」
ことり「・・・・・・」
ルビィ「今は・・・・・・やめようよ・・・」
真姫「・・・ことり・・・」
ことり「・・・うん・・・」
ルビィ「・・・・・・」
梨子「ルビィちゃん・・・戻ろ・・・?」
ルビィ「・・・・・・」
梨子「ルビィちゃん・・・」
真姫「久しぶりね梨子。元気にしてる?」
梨子「・・・はい、みんな、どうにか・・・」
真姫「・・・・・・」
梨子「・・・・・・」
梨子「私は・・・平和を望んでいます・・・」
真姫「・・・・・・」
梨子「黒澤一派は、平和のために生まれた組織です」
梨子「私たちは、争いを望んでいない」
真姫「・・・・・・」
梨子「りかこさん!かなこさん!」
世話係「はーーい」
T「なんかあった~?ってうわあ!!?」
世話係「ヤバいヤバいヤバい!梨子逃げて!」
真姫「・・・・・・」
梨子「いいの!いいの大丈夫だから・・・」
梨子「千歌ちゃんを・・・」
T「えっ・・・?」
梨子「連れて・・・来てもらえませんか・・・?」
世話係「・・・・・・」
・・・
K「うぃぃぃーー・・・!重たい・・・」
T「もうちょっと・・・!」
梨子「ありがとう・・・」
梨子「真姫さん・・・」
真姫「・・・・・・」
梨子「・・・微かに息はある・・・でも、私たちじゃどうにもできません」
梨子「ヤマトの設備なら・・・彼女を助けられるかもしれません・・・」
真姫「・・・いいの?」
梨子「・・・死んじゃうくらいなら・・・!」
真姫「・・・・・・」
梨子「それと・・・あいさん!」
F「ほいよ~っ!」
F「って、えっ?マジなのこれ大丈夫?」
梨子「うん、大丈夫です」
梨子「ケースを貸して・・・」
F「うん、はい」
梨子「千歌ちゃんの周りには、千歌ちゃんを包み込むようにして肉片が散らばっていました」
梨子「もう何も判別できないくらいだったけど・・・これだけは、魂が宿っていました」
梨子「曜ちゃんの心臓です」
真姫「・・・心臓・・・」
梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんは一緒のほうがいいと思うから・・・」
真姫「・・・そう・・・」
梨子「ルビィちゃん、戻ろっか」
ルビィ「あっ・・・」
梨子「ルビィちゃん?」
ルビィ「これ・・・お姉ちゃんの持ってた銃だ・・・」
梨子「ルビィちゃん・・・」
梨子「ルビィちゃん、行こう」ギュ
ルビィ「りこちゃん・・・」
梨子「ねっ?ルビィちゃん・・・」
ルビィ「・・・うん・・・」
梨子「みんなも、戻りましょう」
「はーい」
梨子「・・・・・・」
梨子「ダイヤさんとの約束、覚えていますか?」
梨子「ダイヤさんは・・・死んじゃったけど、まだ黒澤一派は約束を忘れていません」
梨子「約束の日は明日です。浦女で待っています」
梨子「私たちは・・・平和を望んでます」
真姫「・・・・・・」
ふぃ3Wんヴぉう3QGJ」Q「
超ヤマト戦艦 広間
千歌「高海千歌、戻りました!」
「「おかえりなさい!」」
連絡係「ちか~~よかったよ~~!」
千歌「あんちゃん!ただいま、心配かけちゃってごめんなさい」
監視員「おかえり~」
千歌「ななかちゃん!無事だったんだ・・・!」
監視員「うむ。果南のおかげで」
千歌「あっ・・・うん・・・」
監視員「果南の事は聞いたよ」
監視員「・・・果南は親友だし、命の恩人」
千歌「ななかちゃん・・・」
監視員「医療機器のトラブルで理亞ちゃんは死んじゃったんだ」
千歌「えっ・・・?トラブルって・・・?」
監視員「わからない。点滴が遮断されちゃってたみたいで」
監視員「でも私は無事だった。多分ね、果南が守ってくれたんだと思う」
監視員「・・・果南のために、この身を捧げると誓うよ」
千歌「うん・・・」
曜「私も、戻りました」
「「おかえりなさい!」」
医療係「曜ちゃんもう大丈夫?なんかだるくなったりしてない?」
曜「うん!もうすっかり元気だよ!」
連絡係「曜ちゃんには活躍してもらわないとなんだから~♪」
曜「うん!頑張るであります!ヨーソロー♪」
連絡係「あ、曜ちゃん、謝らないといけないことがあるの」
曜「ん?」
医療係「理亞ちゃん・・・ほら、果南ちゃんが連れてきた」
医療係「原因は分かってないけど、彼女の医療装置の電源がいつの間にか落ちてたみたいで・・・」
医療係「・・・気付いた時には遅かった」
監視員「すぐ隣だった私は、何故か無事だった」
監視員「多分、果南が守ってくれたんだよね」
千歌「・・・みんな、生きてる・・・!今は生きてる!」
曜「もう誰も失わない。みんなで必ず生きて・・・!平和のために」
千歌「うん、平和のために」
「「「平和のために」」」
ことり「真姫ちゃん」
真姫「んっ?」
ことり「みんなには曜ちゃんの事、言ってないの?」
真姫「うん」
真姫「いずれ気付くかもしれないけど、そのことがマイナスになるかもしれないでしょ?」
ことり「そーだね」
監視員「っ!真姫さん!ヘリが向かってきます!小原家・・・黒澤一派のヘリです!」
真姫「!!」
バタバタバタバタ!!
監視員「善子と・・・!マルが乗ってます!」
善子『真姫さん!ダイヤと梨子との約束はどうしたのよ!?』
真姫「ちっ・・・攻めてくるとは・・・」
千歌「真姫さん!約束って前の・・・!?」
真姫「ええ。殺されに来ないから向こうから殺しに来たみたいよ」
千歌「・・・っ」
千歌「・・・でも、マルちゃんと善子ちゃんは・・・」
真姫「敵に寝返った裏切者よ」
真姫「いい千歌?奴らは敵よ。私たちを殺すために来たの」
真姫「戦わなきゃ、死ぬ!いい!?」
千歌「っっ・・・はい・・・」
真姫「奴らはヤマトの構造を知ってる。そのうえで襲撃にきた」
真姫「ななかちゃん!しゅか!動力室を守って!」
真姫「あそこさえ守ればどうにかなる。絶対に守り抜いて!」
監視員・医療係「はい!」
真姫「あんじゅと、ほかのみんなは甲板へ出て、奴らを迎え撃つのよ」
真姫「裏切者を近づけさせるな!」
連絡係・隊員「はい!」
真姫「私とことり、千歌、曜は浦女に攻め込む」
真姫「奴らは総力を出してきた。陣地は手薄になっているはずよ」
真姫「チャンスは・・・今しかない!!」
ことようちか「はい!」
タタタタッ!!
ジャギッ!!ジャギッ!!ジャギッ!!
花丸「っっ!善子ちゃん・・・!」
善子「くそっ・・・あいつら本気で・・・!」
善子『戦う気はない!話し合いをしたいだけなの!』
真姫「裏切者の話なんて興味ないわね!」
善子『裏切りじゃない!私たちは平和のために活動してるの!』
真姫「なにが平和のためよ!あんた達の歪んだ平和に騙されない!」
善子『みんなを騙してるのは真姫さんでしょ!!』
真姫「構わん撃ち殺せ!!!」
ダダダダ!!ダダダダダ!!
善子『きゃああ!!』
真姫「あんじゅ!しゅか!ななかちゃん!ここは任せた!」
連絡係『はい!任せてください!』
医療係「いってらっしゃい!」
監視員「必ず守ります!真姫さんと、果南と、平和のために!」
真姫「ことり、ボートを出して。決着を付けに行くわよ!」
ことり「うん!」
千歌「・・・はい!」
曜「はい!」
・・・
ブォォォォ!
真姫「浦女前まで自動操縦でいいでしょう。設定して」
曜「はい!」
真姫「急だったわね・・・ことり、武器は?」
ことり「安心して。有り余るほど持ってきたよ」
真姫「流石」
千歌「・・・・・・」
曜「千歌ちゃん・・・心配だよね」
真姫「ほら!二人も支度して。着くのはすぐよ」
・・・
ダダダダ!!パンパン!!
花丸「善子ちゃん・・・!もう・・・!」
善子「くぅぅ・・・!!」
パキュン!!
花丸「きゃっ!」
善子「くそ・・・もう・・・!」
善子「ずら丸!!もうやるしかない!!」
花丸「善子ちゃん・・・!」
花丸「うん・・・覚悟はできてるもん!!」
善子「行くわよ!!」
花丸「うん!!」
善子「降臨!!」
ガバッ!
連絡係「落ちてきた!!」
二人は体を合わせ、善子が下、花丸の盾になるように飛び降りる
ダダダダ!! ダダダダダ!! パンパンパン!!
善子「うううぅぅああああああああ!!!!!」
ブスブスブス!!!グスグス!!
花丸「善子ちゃん!!!」
善子「花丸!!!」
ダダダダダ!! ダダダダダ!!
花丸「善子ちゃーん!!!」
善子「ま・・・まる・・・!!!」
花丸「善子ちゃん・・・!!!」
善子ちゃん・・・!!
fwjくぁはwじゃ9@:な
花丸「真姫さんは、絶対に来ない」
善子「来たとしてもうちを壊滅させるため、戦いに来るでしょうね」
梨子「・・・そうだよね」
花丸「どうしよう・・・約束の日、このままだらだら引き延ばしても良い事はないよね」
善子「・・・ダイヤなら、どうしてたのかな?」
「・・・・・・」
ルビィ「・・・・・・」
ルビィ「真姫さんにはもう何を言ってもダメだよ」
ルビィ「真姫さんの呪いを解くためには真姫さんを倒すしかない」
ルビィ「ルビィたちはヤマトの構造を知ってる。このまま待ってても数と武器で勝ち目はない」
ルビィ「攻め込むしかない」
花丸「・・・」
ルビィ「あっ、違うの!ちょっと考えただけっていうか・・・」
梨子「ふふ、それしかないよね」
梨子「ルビィちゃんに一票」
花丸「マルも、ルビィちゃんに一票」
善子「右に同じく、それしかない」
ルビィ「ダメだよ!危険すぎる!」
ルビィ「ルビィたちは、、一度失敗したんだよ!」
花丸「このままじゃあみんな殺されちゃうもん!」
花丸「何もできずに負けるなんてマルやだもん!」
花丸「ルビィちゃんの作戦しかないの・・・勝つには・・・!」
花丸「ダイヤさんのために!美渡姉や志満姉のために!」
花丸「平和のために!!」
ルビィ「マル・・・ちゃん・・・」
善子「でも、全員で行く必要はないわよね。大人数だと逆に行動しずらいかも」
梨子「動力室までたどり着ければいいんだよね・・・」
花丸「そうずらね~・・・上からでは的になるのは確実だし、船で行っても・・・」
ダメ・・・ダメだよ・・・
善子「多分生きては帰れない」
花丸「逆に、犠牲を前提に動力室までの事だけを考えればいいんだよ」
梨子「そうだね。動力室内で自爆をすればヤマトは木端微塵」
絶対に犠牲が出る
花丸「相手に見つかれば、たぶん真姫さんには私たちの意図が分かると思う」
梨子「手薄になった浦女に攻め込んでくる部隊も出てくるかもだね」
善子「でも、それでも真姫さんが倒せれば・・・」
そんなのダメ これ以上みんなが死ぬなんて絶対・・・!
花丸「よし、じゃあもうあみだくじで決めちゃおう!」
花丸「誰がやるなんて考えても決まらないずら。ここは一つ運試しで・・・」
善子「なっ、不利な気がしてきた」
花丸「すらすら~♪よし!マルはここ!」
善子「書いときながら一番乗りってずるいわよ!」
梨子「じゃあ私はここ」
花丸「ルビィちゃん枠なくなっちゃうよ?」
ルビィ「だめ・・・みんな考え直して」
善子「余り物で外れるくらいなら!」
梨子「あっ、じゃあルビィちゃんは余ったここだね」
花丸「さぁ!だ~れに~なる~ずら~」
マル→〇
りこ→×
ヨハネ→×
ルビィちゃん→×
花丸「あっ・・・あっ、ま、マルか・・・」
善子「マル・・・」
花丸「あ、あはは・・・うん、そうだよね。だってマルが言い出しっぺだもん」
花丸「マル・・・出来るよ・・・かくれんぼ、得意だもん」
善子「・・・私も行く」
花丸「善子ちゃん・・・」
善子「しょーじき!ずら丸一人じゃ心配で仕方ないし」
善子「この・・・指が疼いてるの。もう、ね・・・」
梨子「善子ちゃん・・・」
善子「・・・耐えきれない・・・!」
花丸「・・・・・・」ギュッ
善子「マル・・・」
花丸「二人で行くずら。ルビィちゃんと梨子ちゃんはここに残って」
ルビィ「マルちゃん・・・行かないで」
花丸「ルビィちゃん」
花丸「ルビィちゃんには、黒澤一派を導いてほしいずら」
花丸「真姫さんとの戦いは避けられない。鉄砲玉はね、必ず必要なんだ」
花丸「マルは、ルビィちゃんのためにこの身を捧げるよ」
花丸「平和のために」
善子「黒澤一派って言うくらいだしね!しょうがないけどリーダーの座は譲ってあげる」
ルビィ「ルビィには・・・そんな力ないよ」
花丸「ううん。ダイヤさんの意思を一番受け継いでるのは、間違いなくルビィちゃんずら」
梨子「それに、私もついてるよ」
梨子「ダイヤさんみたいにはなれない。でも、ルビィちゃんが望むなら、お姉ちゃんになってあげるよ」
ルビィ「みんな・・・」
花丸「ふふっ・・・いいな~ルビィちゃん、優しいお姉ちゃんが二人も居て」
梨子「うふっ、花丸ちゃんも私に甘えてもいいんだよ?」
梨子「ハグ、しよ?」
花丸「梨子・・・お姉ちゃん!」ハグッ
梨子「よしよし・・・♪」
ルビィ「マルちゃん・・・梨子お姉ちゃぁ!」ハグッ
梨子「みんな、いい子いい子」
善子「な、なな混ぜなさいよ!」ハグッ
梨子「ふふふ、善子ちゃんもよしよし♪」
善子「・・・・・・絶対に」
花丸「成功させるずら」
梨子「ルビィちゃんを守って見せるよ」
ルビィ「・・・お姉ちゃんの名の元に、この戦いを必ず終わらせる」
「「「「平和のために」」」」
えおいわんb@03qvん@0q3
上空
ブオオオオオ!!
パンパン!! ヒュンヒュン!!
花丸「っっ!!っっ!!」
花丸「善子ちゃん!!」
善子「」
花丸「善子ちゃん!!?善子ちゃん!!善子ちゃん!!!」
善子「」
花丸「あああぁぁぅぅ!!ずらぁぁあああ!!」
善子を切り離した花丸。善子は地面に急降下する!
連絡係「避けて!!」
バーーーンンン!!!
モワモワモワ
善子の死体から出た白い煙が周囲に充満する
連絡係「っ!?・・・なに・・・?」
隊員「視界が・・・」
連絡係「マルちゃんは・・・?みんなマルちゃんがどこ行ったか分かる!?」
隊員「いたい・・・痛い痛い痛い!!」
「きゃあああ!!!」「痛い痛い!!」
連絡係「みんな!!?・・・つっ!?」
ドロッ・・・
連絡係「や、、、やっ!爪が・・・!」
連絡係「これ・・・・・・硫酸だ・・・」
あああああああああ!!!!!!!!きゃあああああああああああああ!!!!!!
ツーツー
医療係「あんじゅからだ!」
監視員「・・・!」
ガチャ
医療係「もしもしあんじゅ!?」
連絡係『いたいいたい!!ああああああああ!!!!』
医療係「あんじゅ!!?あんじゅどうしたの!!?」
連絡係『だめ!!ああああきちゃだめしゅか!!!あああああああ!!!』
医療係「あんじゅ!!?あんじゅ!!!」
連絡係『マルちゃんが居ない!!!ううううあああああ!!!!!』
監視員「あんじゅ・・・!?」
連絡係『マルが!!!いない!!!ああぁぁぁ!!!ああぁ!はあぁぁ!』
医療係「あんじゅしっかりして!!何があったの!!?」
連絡係『マルが・・・!!いない・・・!!マル・・・!がっ・・・』ドサッ!
連絡係『マル・・・マル・・・・・・マル・・・・・・』
医療係「あんじゅ!!あんじゅ!!あんじゅぅ!!!」
監視員「しゅか・・・!!」
連絡係『』
医療係「あんじゅ!あんじゅ・・・!!」
監視員「しゅか・・・」
医療係「マル・・・マルちゃんを探さなきゃ・・・!」
監視員「うん・・・!」
動力室周辺
監視員「マルー?」
監視員「マル?どこにいるの?」
監視員「・・・」ドクドク
監視員「戦いたくない・・・」
監視員「マル・・・出てきて?」
・・・
花丸「・・・・・・」
花丸(大丈夫、バレてない)
花丸(真姫さんの呪縛を解き放つんだ)
花丸(出来る・・・マルは出来る)
花丸(ルビィちゃんのため、梨子ちゃんのため、ダイヤさんの、善子ちゃんの、みんなの・・・)
監視員「あっ」
花丸「!!?」
監視員「マル・・・」
花丸「・・・っ!っ!!」
監視員「い、いた
ザンッ!!
監視員「んっ!!?むぐっ!」
花丸「ななかちゃん・・・!」
監視員「ん、ん・・・!んっ!」
花丸「叫ばないで」
花丸「お腹、痛いよね。ごめんねななかちゃん、でも・・・」
花丸「もう、こうするしかないんだ。平和のために」
花丸「ななかちゃんは何も悪くないよ。すぐに楽にしてあげるからね」
グリッ!!
監視員「んんっ!!ん・・・んん・・・!」
ドサッ!
花丸「・・・はぁっ・・・!はぁっ・・・!はぁっ・・・!」
監視員「」
花丸「もう・・・戻れないんだよ・・・そんなことわかってるもん」
医療係「まるー!?マルどこにいるの!?」
医療係「お願い返事して!話し合いたいんだ!」
医療係「戦いたくなんてないんだ!友達だったよね私たち!」
医療係「っ!!?あれ、ななか!!?」
医療係「ななかななか!!」
監視員「」
医療係「お腹・・・酷い、どうしてこんな・・・」
医療係「マル・・・!お願い出てきて!!話し合おうよ!!」
医療係「マルの事信じてるもん!!こんなことする子じゃないって知ってるもん!!」
医療係「もうやだよ!死んじゃうなんて悲しいじゃん!!」
医療係「こんなことやめようよ!!お願い出てきて!!お願い!!」
花丸「・・・・・・」
花丸「しゅかちゃん・・・」
医療係「マル・・・!」
ピー ピー
医療係「なに・・・それ・・・?」
花丸「小型の核弾頭だよ・・・これならヤマトを破壊できるずら」
医療係「マル・・・どうして・・・」
花丸「もうこれしかないんだ」
花丸「血を流したくない」
花丸「だけど何もせず待ってたら、何もせずに殺されちゃう」
花丸「マルも・・・マルの大事なお友達も」
花丸「この戦いを終わらせるために来た。マルの、この手で」
医療係「マル・・・!マルやめて!」
花丸「・・・!!!」
花丸「マルは誓います!!」
花丸「悪の根源を倒し!!この国に平和をもたらすことを!!」
花丸「仲間のために!!ルビィちゃんのためにこの身を捧げつくすことを!!」
花丸「日本と!!世界と!!平和のために!!!!」
医療係「マル!!やめてマルーー!!!!」
花丸「ずらあああああああああああ!!!!!!!
ピ
ズゥゥゥウウウウウアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
ダアアアアアアアアアダアアアダアアアダアアアアアアアア!!!!!!!!
ドッッッッッッガアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!
ダアアアン!!!!キン!キーーーーーーーーー
キーーーーーーーーーーー
・・・
・・
・
バシャン
バシャンカラカラ
メラメラメラメラ
ガン!ガラガラ
・・・・・・
千歌「みんな・・・大丈夫かな・・・?」
真姫「・・・花丸と善子相手なら、あんじゅ一人で勝てるはずよ」
真姫「それに、数はこちらが圧倒的に勝ってる。しくじりさえしなければ・・・」
ことり「大丈夫だよ千歌ちゃん、あんちゃんは私が認める強さだからね♪」
千歌「・・・・・・うん・・・」
曜「・・・!」
曜「・・・やっぱり・・・、戦ってるん・・・ですか・・・?」
真姫「・・・・・・」
ことり「裏切ったのは向こう。ケンカ売ってきたのも向こう」
ことり「もう花丸ちゃんたちは、私たちの知ってる人じゃないんだよ」
千歌「・・・・・・」
千歌「マルちゃんのことは、小さい頃から知っていました」
千歌「引っ込み思案で、だけど友達想いで、ルビィちゃんと・・・」
曜「見て!ヤマトの方!」
千歌「っ!?」
ことり「あれっ・・・」
千歌「うそ・・・爆発して・・・」
真姫「っ!掴まって!みんな掴まれ!!」
ザバアアアアーーーーーー!!!!!
曜「うっ!!」
バシャーーン!!!バシャーーン!!!
ボシャアア!!バシャアアア!!!
・・・
・・
・
・
・・
・・・
曜「千歌ちゃん?」
千歌「んっ・・・?」
曜「平気?千歌ちゃん」
ことり「真姫ちゃん!真姫ちゃん!」
真姫「ぅ~~・・・」
ことり「あ、千歌ちゃん大丈夫?ごめんね頭ぶつかっちゃって」
千歌「あれ・・・ことりさんとぶつかったんだっけ・・・」
真姫「平気・・・千歌・・・?」
ことり「真姫ちゃん!大丈夫?」
真姫「うぅ・・・なんとかね・・・」
真姫「それより、ことりの石頭を喰らった千歌のほうが心配」
ことり「う、うぅぅ・・・大丈夫千歌ちゃん?」
千歌「ちょっと、ボーっと・・・」
千歌「ヤマト・・・」
曜「・・・・・・」
千歌「みんな・・・」
千歌「あんちゃーーーん!!!しゅかちゃーーーん!!!ななかちゃーーーん!!!」
真姫「やられたわね、どんな手を使って・・・」
曜「千歌ちゃん・・・」ギュッ
千歌「よーちゃん・・・みんなは・・・」
ことり「・・・あれじゃあ・・・」
真姫「絶対に許さない」
ことり「真姫ちゃん」
真姫「もう流石に、堪忍袋の緒が切れたわ」
真姫「クソッ・・・また仲間を失ったのよ」
ことり「真姫ちゃん・・・?」
真姫「ことり、約束して」
真姫「奴らを必ず・・・全員殺す」
真姫「千歌曜、いい?必ず奴らを殺す」
真姫「梨子もルビィも関係ない。黒澤ダイヤの息がかかった奴は殺さなきゃならない」
真姫「仲間のために、平和のために」
ことり「うん!約束するよ」
曜「みんなは・・・黒澤一派に殺されたんだよね・・・」
千歌「・・・・・・」
・・・・・・
浦女
梨子「やったんだよ・・・ルビィちゃん・・・」
ルビィ「花丸ちゃん・・・善子ちゃん・・・」
梨子「これでもう平和になるの」
梨子「二人が頑張ってくれたから・・・ありがとう・・・!」
ルビィ「梨子お姉ちゃん・・・」
世話係「あれ見て」
世話係「船が一隻・・・」
F「大変大変!ヤマト隊の船が近づいてきてる!」
K「西木野真姫がいる!」
梨子「そんな・・・!!倒せていなかったの・・・!?」
T「あと南あやりと、千歌ちゃん曜ちゃんもいるみたい!」
梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんも!?」
T「うん!あのあと、ヤマトで助かったんだね・・・」
ルビィ「そっかぁ・・・はぁ」
ルビィ「真姫さん、また仲間を見殺しにして生き残ったんだね」
ルビィ「二人の命を懸けても倒せなかったんだ。卑怯すぎるよ。やっぱり許せない」
ルビィ「戦わなきゃ・・・これが最後の戦い・・・」
ポンッ
ルビィ「・・・!」
梨子「ダイヤさんの約束、忘れちゃったの?」
ルビィ「お姉ちゃん・・・」
梨子「私たちは戦いません」
梨子「ヤマト隊と・・・対話で、決着を付けます」
梨子「きっとわかってくれる・・・だって、互いに平和を望んでいるんだよ?」
梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんもいるんだよ。絶対に分かってくれる」
梨子「ダイヤさんの教えに、血を流すことは含まれてないんだよ」
梨子「ダイヤさんの罪を償うためにも・・・私たちは戦わない」
世話係「梨子ちゃんがそう言うなら・・・」
FKT「従うまでだね!」
ルビィ「梨子お姉ちゃん・・・ありがとう」
梨子「ダイヤさんに言われたこと、しっかり守らなくちゃね」
ルビィ「うん!」
梨子「大丈夫。きっとうまくいく」
・・・・・・
ブオオオオオ
ガチャ! ジャギッ!
ことり「よし、これで万全だよ」
真姫「奴らは所詮素人。爆発物はいくらでも使いなさい」
真姫「声がしたところに人がいる。わかりやすいでしょ?」
ことり「そうだね♪流石真姫ちゃん」
真姫「ことりは正面からとにかく暴れまくって」
真姫「千歌と曜は裏から回って。この辺は詳しいんでしょ?」
曜「はい!」
千歌「・・・・・・」コクッ
真姫「奴ら、よっぽどのアホじゃなければ周囲一帯のゾンビは一掃してるはずだけど、
そっちの警戒も怠らないようにね」
真姫「私はボートで支援するわ。これならゾンビが来てもすぐ逃げられる」
真姫「私の足じゃ・・・みんなの足手まといになるだけ。ごめんね、危険な役を任せるようで」
ことり「いいんだよ真姫ちゃん。むしろ、奴らを殺せる機会を作ってくれたんだから感謝する♪」
真姫「ふふっ、いい意気よ」
真姫「千歌」
千歌「っ!」ビクッ
真姫「・・・・・・」
千歌「・・・はい」
真姫「どうしたの」
千歌「いえ・・・」
真姫「はぁ・・・」
真姫「やめましょうかこの作戦。やっぱり話し合いで片を付けましょう」
千歌「えっ!?ホントですか!!?」
パシーン!!
千歌「うぅっ!」ヘタッ
曜「ま、真姫さん・・・!」
真姫「・・・・・・」
千歌「いた・・・・・・」
真姫「千歌・・・・・・」
真姫「果南が殺されたの」
真姫「あんじゅが殺されたの」
真姫「しゅかもななかちゃんも、みんな殺されたのよ」
真姫「人は変わってしまう」
真姫「だけど、変わらず希望を追いかけられるのが強いということ」
真姫「私は、仲間のためにこの身を捧げつくす」
真姫「平和のために」
真姫「そう・・・誓ってくれたよね、千歌」
千歌「・・・・・・はい」
真姫「・・・・・・」ポンポン
ことり「近づいてきたよ」
真姫「よし、ことり。一発かましてやりなさい」
ことり「ラジャー!」
ことり「君には活躍してもらうよ!ロケットランチャー!」
ことり「ズゴーン!」ズゴーーー!!!
バガーーン!!!
真姫「いい狙い!よし、上陸よ!」
ことようちか「はい!」
タッタッタッタッ!
タッタッタッタッ
真姫『ことりはそのまままっすぐ』
真姫『曜と千歌は裏道を通って』
ことり「りょーかい!じゃあ、後で会おうね」
曜「はい!」
ことり「絶対だよ!」
千歌「あっ・・・!あれ見て!」
曜「白旗だ、真姫さん、敵が白旗を振ってます!」
真姫『良い的じゃない。殺してやりなさい』
ことり「任せて」
ダダダダ!!ダダダダ!!
曜「千歌ちゃん行くよ!」
千歌「・・・うん!」
・・・
F「来た!振るよ!」
K「せーのっ!」
バサバサ!バサバサ!
T「私たちは戦いませーーん!!」
K「降参します!!戦いま・・・」
パンパン!!ヒュンヒュンヒュン!!
ビスビスビス!!!
K「ぐえぇ!!!」
T「きゃあああ!!!」
F「う、嘘!!?うそうそうそ!!!」
ビスビス!!!
F「ああああ・・・ぁ・・・」
ドサッ!
ことり「オッケー。白旗部隊射殺」
真姫『よくやった。そのまま一人も逃すんじゃないわよ』
ことり「う~ん・・・」ゴソゴソ
ことり「あれ・・・ホントに武器持ってない」
F「あ・・・あ、あ・・・」
ことり「あれ、まだ生きてた」
F「うぅぅ・・・!うぅ・・・!」ズリ・・・ズリ・・・
Fは白旗を手に取る
F「わた・・・し、、たちは・・・たたかい、、ません・・・」
ことり「・・・・・・」
ことり「・・・真姫ちゃん?まだみんな白旗を握ってる」
真姫『構わないわ。殺して』
ことり「わかった」
パン!
F「」
ことり「オッケー。進むよ!」
・・・
理事長室
ルビィ「あいちゃぁ・・・」
梨子「そんな・・・ひどい・・・」
ルビィ「こんなの・・・!」
梨子「ルビィちゃん!ルビィちゃんダメ!!」
ルビィ「お姉ちゃん・・・」
梨子「きっと・・・!きっと曜ちゃんと千歌ちゃんならわかってくれる!」
梨子「殺し合いなんて・・・!そんなの絶対にダメだよ!!」
ルビィ「お姉ちゃん・・・」
・・・
浦女裏
曜「千歌ちゃん止まって!」
千歌「・・・!」
曜「真姫さん・・・!女性が一人・・・」
千歌「りかこちゃんだよ・・・!」
世話係「銃声・・・ヤバいよ大丈夫かな・・・」
曜「こっちには気づいていません」
真姫『殺しなさい』
曜「は、はい!」
真姫『落ち着いて。深呼吸しなさい』
真姫『武器を構えて、照準を頭に合わせて。平気よ、何度も練習したこと』
曜「はい・・・!」
千歌「よーちゃん・・・」
曜「・・・狙えました」
真姫『あとは、引き金を引くだけ』
曜「・・・はい!」
千歌「よーちゃん・・・!!」
曜「・・・っ!!」
・・・
千歌「・・・真姫さん。できました」
真姫『よくやった。その調子よ』
千歌「・・・はい・・・」
ブチッ
曜「・・・これで、大丈夫だよ」
世話係「・・・殺さないの・・・?」
曜「私たちは、平和を求めてる」
曜「さぁ、逃げて」
世話係「・・・梨子を・・・」
世話係「理事長室に・・・梨子を・・・助けて・・・」
曜「・・・うん・・・」コクッ
世話係「・・・!」タッタッタッ
千歌「いいんだよ、これで」
曜「うん。さぁ、行こう」
・・・
千歌『いいんだよ、これで』
曜『うん。さぁ、行こう』
真姫「・・・・・・」
真姫「・・・・・・」
真姫「はぁ・・・千歌、曜、まったく・・・」
真姫「もうダメね。あの子達」
真姫「千歌、死んで」
真姫「曜、貴方は黒澤一派に千歌を殺されるの。許せないでしょ」
真姫「あなたは千歌を守るためならなんでもするんでしょ」
真姫「千歌のために黒澤一派を壊滅させるのよ。分かった?」
カタカタ ターンッ!
・・・
ピッピッ プー
千歌「えっ?」
曜「千歌ちゃん!!」
バガーーン!!!
・・・
・・
・
はぁ・・・はぁ・・・
バチバチ・・・
いった・・・いたい・・・
キーン・・キーーン・・・
曜「ゲホッ!ゲホッ!」
何が起こったの・・・?
はぁ・・・はぁ・・・いってて・・・
千歌ちゃん・・・?千歌ちゃんどこ・・・?
耳鳴りが止まない・・・
曜「ふぅっ!」
えっ?
あれ・・・右腕の感覚が・・・
どうした右腕・・・?動いて・・・
・・・
あっ?
うそ
腕がないんだけど・・・
曜「ぅぅ・・・」ウツラウツラ
ダメだ・・・
真姫さん・・・!真姫さん・・・!
曜「まき・・・ま・・・さ・・・」
真姫さん助けて・・・!うごけない・・・
ザザ・・・よう・・・ザザザ・・・
真姫さん・・・なの?
耳がおかしいみたいだ。あと、目がすごく霞んで、腕と、なんか力が入らない・・・
千歌ちゃん・・・千歌ちゃんはどこ・・・?
コツッ
んっ?
千歌「」クタリ
千歌・・・ちゃん!?
曜「ちか、、ち・・・か・・・?」
起きて千歌ちゃん!!目を覚まして!!
曜「ちかち、か・・・ちゃ・・・」
曜!曜聞こえる!?
『曜!!曜!!』
曜!!!
曜「うんっ!!?」
真姫『曜!!曜しっかりしなさい!!』
曜「ま、真姫・・・さん?」
真姫『平気!?あなた大丈夫!?』
曜「真姫さ・・・千歌ちゃんが・・・!」
真姫『地雷を踏んだのよ!奴らこんなことまで・・・!』
曜「千歌ちゃん・・・千歌ちゃん・・・!」
千歌「」
曜「千歌ちゃん・・・!!!」
曜「許さない・・・許さない許さない許さない!!!」
スクッ・・・!ザッ・・・!
真姫『・・・!』
曜「許さない!!許さない!!絶対!!!」
ズダッ!!
曜「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
ダダッ!!
真姫『曜・・・ふふ・・・』
そう。それでいいの、曜
許せないでしょ?憎いでしょ?
そのまま怒りをぶつければいいの。
殺すのよ。みんな
・・・
理事長室
ダァン!!ダァン!! パパパパ!!
きゃあああ!!! うわああああ!!!
ルビィ「みんな・・・」
梨子「このままじゃ・・・」
梨子「神様・・・神様お願いします・・・!どうかやめさせて・・・!」
梨子「曜ちゃんと千歌ちゃんに会わせて・・・!そしたら終わるはずだから・・・!!」
梨子「ダイヤさん・・・!みんな・・・!力を貸して・・・!!」
ガラガラ!!
曜「はぁ!はぁ!」
ルビィ「曜ちゃん・・・!」
梨子「曜ちゃん!!」
梨子よ。奴が千歌を殺したの
曜「!!?!?」
殺して。殺すの!!梨子を殺せ!!
梨子「よかった曜ちゃん!!お願い話を聞いて!!」
ズゴォッ!!
梨子「え・・・・・・よう・・・・・・」
ドサッ!!
梨子「よう・・・ちゃ・・・」
こいつが千歌を殺した!!
曜「お前が千歌ちゃんを殺した!!!」
ボゴッ!!ボゴッ!!
こいつのせいで死んだんだ!!
曜「お前のせいで・・・!!!死んだんだ!!!」
ボゴッ!!グシャ!!
絶対に許すな!!殺せ!!
曜「許さない許さない許さない!!!」
グシャ!!グシャ!!
曜「うぅぅああああああああああ!!!!!!!」
グシャ!!!
梨子「」
曜「はぁ!はぁ!はぁ!」
曜「やった・・・!やったよ千歌ちゃん!!はぁ!はぁ!」
ルビィ「・・・・・・」
ルビィ「・・・・・・」
あいおwfな@03jヴぁ@
ダイヤ「さぁ来なさい!ルビィ!」
ルビィ「えっ!?うっ、う・・・そ、そんな、、無理だよぉ・・・」
ダイヤ「ルビィ!!」
ルビィ「む、無理!ルビィはそんな・・・」
ガシッ!グイッ!
ルビィ「い、いたたたた!」
ダイヤ「ほら!自力で抜けてみなさい!」
ルビィ「痛い!いたいむりむり!」ドサッ
ルビィ「ううう・・・グスッ、ひどいおねえちゃぁ・・・」
ダイヤ「ルビィ、もう・・・」
ルビィ「ルビィはこんなの向いてないもん・・・」
ダイヤ「ルビィ?」
ルビィ「ルビィだったら善子ちゃんやマルちゃんの方が強いもん・・・!」
ダイヤ「ルビィ、あなた」
ルビィ「志満姉さんや美渡姉さんのほうが強いもん!ルビィが頑張っても意味ないもん!」
ダイヤ「ルビィ!」
ルビィ「ルビィはなんにもできないもん!もうルビィに構わないで!」
ダイヤ「ルビィ!!!」サッ!
ルビィ「ひぅっ!」
ギュッ
ルビィ「え・・・おねえちゃぁ・・・?」
ダイヤ「ルビィはそれでいいの?」
ダイヤ「弱くて、泣き虫なままでいいの?」
ルビィ「・・・だって・・・」
ダイヤ「じゃああなたは、友達が苦しんでてもそれでいいの?」
ダイヤ「みんなを・・・助けられない。そんなのでいいの?」
ルビィ「・・・・・・ううん・・・」
ダイヤ「ルビィ、貴方が強くなることは」
ダイヤ「貴方のため」
ダイヤ「友達のため」
ダイヤ「家族のため」
ダイヤ「あなたは一人じゃないの」
ダイヤ「貴方の事を想う人はたくさんいるの」
ダイヤ「あなたは、みんなに守られながら・・・」
ダイヤ「みんなを守らなきゃいけないの」
ダイヤ「そのためには・・・確かに辛いかもしれない」
ダイヤ「あなたは子供のままでいい。だけど・・・」
ダイヤ「自分自身の力を知ってほしい」
ダイヤ「強くなることの意味を、知ってほしい」
ルビィ「意味・・・?」
ダイヤ「うん」
・・・
ルビィ「強くなる・・・」
ルビィ「・・・ルビィなんか・・・」
ルビィ「ん・・・?あれ・・・」
梨子「きゃあっ!」ドサッ!
美渡「ごめん!梨子ちゃん大丈夫?」
梨子「は、はい!平気です!」
志満「梨子ちゃん・・・やっぱり無理しないほうが・・・」
梨子「ううん。いいんです」
梨子「まだまだ・・・もっとお願いします!」
志満「・・・梨子ちゃん」
志満「どうして梨子ちゃんは、強くなりたいの?」
梨子「どうして?」
梨子「・・・あはは、改めて言われると、あまりパッと思い浮かびませんね・・・」
梨子「そんな難しくないですよ」
梨子「守りたい人がいるんです」
美渡「守りたい?」
梨子「うん・・・その人は今、遠くの地できっと頑張ってます」
梨子「私の・・・好きな人・・・」
梨子「あの人に守ってもらったから、今、私は生きてるんです」
梨子「彼女は、かっこよかった。みんなを守ってくれた」
梨子「私は、彼女みたいになりたい」
梨子「彼女に与えてもらったことを、私は、他のみんなにも与えてあげたいんです」
梨子「そのためには、私は今のままじゃいられない」
梨子「少しでも強くなって、誰かを助けてあげたいんです」
志満「・・・うん、わかった」
美渡「私たちも、出来る限り協力するよ」
梨子「ありがとうございます!」
美渡「さぁ・・・行くよ!」
梨子「はい!」
ルビィ「・・・・・・」
お姉ちゃんは、どうして強くなりたいんだろう
梨子ちゃんは、どうして強くなりたいんだろう
みんなの想いを知ると
ルビィも、強くなりたいと思いました
それは、ルビィのためじゃない
ルビィを愛してくれる、みんなのために
ルビィは、強くなりたい
んふぃえ;おあwvんg:いあいn
ルビィ「おねえ・・・」
ルビィ「・・・・・・」プツン
曜「千歌ちゃん・・・!これで・・・!」
ポンポン
曜「・・・ぅん?」
ボギャッ!!
曜「わうっっく!!?」
ドサッ!
ルビィ「・・・・・・」
ルビィも梨子の協力者よ!!殺せ!!
曜「るびぃちゃん・・・」
仰向けに倒れた曜に馬乗りになるルビィ
ズゴッ!!ズギャ!!
曜!!殺すの!!殺すのよ!!
曜「あぐっ!!?ふっ!!?」
ルビィ「またルビィのお姉ちゃんが殺されちゃった。もうルビィ許さないよ」
ゴズッ!!ゴンッ!!
ルビィ「どうしてルビィの大事な人ばっかり殺すの?酷いよ」
ゴスッ!!バギッ!!
ボギャ!!!
ルビィ「あっ・・・いてて・・・」
ルビィ「ああぁ・・・右手、血まみれ・・・今ので骨折れちゃったかも・・・」
曜「・・・っ・・・っ」ピクッ・・・
曜・・・!!立って!!
ルビィ「そうだ、梨子お姉ちゃんに言われたこと忘れちゃってた」
ルビィ「『女の子の大事な手なんだから、綺麗にしないとダメだよ?』だったよね」
ルビィ「ごめんなさい梨子お姉ちゃん。ルビィおバカだからちょっと忘れちゃってた」
スチャ
ルビィ「こうやってガントレットで手を守りながらじゃないと殴っちゃダメなんだよね」
ズゴッ!!バンッ!!ガンッ!!
ゴギッ!!ガンッ!!グシャ!!ゴシャ!!・・・
・・・
・・
・
曜「」プス・・・プス・・・
曜・・・お願い起きて・・・貴方しかルビィを殺せない
ガシャ!!ガシャ!!
曜「」ビクッ!
ガシャ!!ガシャ!!
曜「」プス・・・
曜・・・立ってよ・・・
ルビィ「・・・・・・」
ルビィ「・・・なにこれ・・・ロボットなの?」
ウィーン
ルビィ「腕の断面も機械だ」
ルビィ「・・・人間だったら梨子お姉ちゃんみたいになるはずだもんね・・・」
ルビィ「ん?頭の中に・・・」
曜・・・負けるわけにはいか
プチン
ザザザ・・・
ルビィ「これなんだろう・・・?無線機?」
ルビィ「もしもし?おーい? 違うか」
・・・・・・
ルビィ『もしもし?おーい? 違うか』
真姫「・・・・・・」
真姫「曜・・・」
真姫「ううん。まだ大丈夫。だってことりがいるもん」
真姫「ことりなら多分勝てる。みんな殺してくれる」
真姫「お願いことり。すべてを殺して」
・・・・・・
ガラガラ!
ルビィ「・・・!」
ことり「・・・!」ニヤッ
ルビィ「うぅぅ!!」
ルビィはことりの侵入とともに瞬時に理事長席の裏へ飛び込む
瞬間!!ことりの銃撃が襲う!!
ダダダダダ!!!
ことり「ははっ!ルビィちゃ~ん」
ことり「そんなところに隠れたって無駄だよ!」
ジャギッ!!ダダダダガチッ!!
シーン
ことり「あ・・・あれ・・・?」
ルビィ「っっっぅ!!!」
ことりの左の横膝にルビィの蹴りが飛び込む!!
ゴギャアア!!!
ことり「!!!?!!?」
ことり(ひざ・・・がっ・・・!!)
ルビィ(膝をやる・・・ダイヤお姉ちゃんが教えてくれた!)
倒れかかることりにルビィは追撃を行う!
ルビィ(弾は尽きてる!膝を壊した!あとはルビィの力を・・・!)
ヌッ
ルビィ「・・・!!!?」
手の平が・・・!
バチィーン!!!
ルビィ「うぅぅっっっぶ!!!?」
顔全体で平手打ちを受けるルビィ!!
ルビィ「っ!」ドサッ!!
ルビィ「ふっ!?!ふっ??!」
ルビィ(顔が・・・いたい・・・!!?鼻が・・・!!)
ルビィ「あうっ・・・うっ・・・ゆっ!」
ことり「ふふっ・・・」
ゴギッ!!
ことり「いいぃぃぃっっっ!!!?てぇぇ・・・えへへ・・・」
ルビィ「ふっ、そっか・・・あなたは偽物のあやりさんでしたね・・・」
ルビィ「忌々しい人造人間っていうのは、それだけで膝の負傷を治せるんですか?」
ことり「へへ・・・さすがに・・・っ・・・嵌め切らない部品があるみたいだね・・・」
ことり「いつの間にそんなに強くなったのルビィちゃん」
ことり「ついこの間まではずっとおどおどして、びくびくして・・・怖がりだったのに」
ルビィ「・・・まだ怖がりですよ。おどおどするし、びくびくもするし」
ルビィ「でも・・・」
ルビィ「今はそれどころじゃないから」
ことり「梨子ちゃんの事・・・お姉ちゃんって呼んでるんだ。仲良くなったんだね」
ルビィ「・・・ルビィの事を察して・・・お姉ちゃんになってくれたの」
ルビィ「ダイヤお姉ちゃんがいないと何もできないルビィを、梨子お姉ちゃんが助けてくれたんだ」
ルビィ「梨子お姉ちゃんが・・・バカで、何もできなくて、弱いルビィを守ってくれた」
ルビィ「なのに・・・二人とも死んじゃったんだ・・・」
ルビィ「もう弱いままのルビィでいられないの」
ルビィ「負けちゃうようなルビィじゃ、もうダメなんだよ」
ルビィ「二人が安心して眠れるようにも・・・ルビィは強くなきゃダメなんだよ」
ことり「そっか・・・」
ルビィ「それに、相手は人造人間」
ルビィ「ルビィのお姉ちゃんを殺した種族と同じ」
ルビィ「お姉ちゃんの仇を取るんだ」
ことり「愛は全てに勝つ・・・ルビィちゃんは、家族の愛で強くなったんだ」
ことり「ことりは、真姫ちゃんとの愛で強くなったんだ」
ことり「どっちの愛が強いのか・・・力比べしてみようか?」
ルビィ「・・・はい!」
スッ
スッ
ゴチン!!!
ことり「ぐっ!」
ルビィ「うゅっ!」
頭突きと頭突きの力比べ・・・!!
グググ・・・!ギチギチ!!
ことり「っっ!!やるじゃん・・・!!ことりの石頭を・・・!!」
ルビィ「相手が機械だろうが・・・負けるわけにはいかない・・・!!!」
ギリギリギリギリ!!!
ことり「っ・・・!っ・・・!」
ルビィ「はぁ・・・!はぁ・・・!」
ゴリゴリゴリ!!!
ことり「はぁ・・・!私には・・・!なんとなく・・・!わかる・・・」
ことり「ダイヤちゃんや・・・梨子ちゃんは・・・ずっと抑えてた・・・!」
ことり「こうしてルビィちゃんが・・・本物の悪魔になるのを・・・!!」
ルビィ「・・・!!」
ことり「その封印を解いちゃったんだね・・・!真姫ちゃんの意思は・・・!」
ルビィ「・・・!」
ことり「わかってるだろうね・・・ルビィちゃん・・・!」
ことり「ルビィちゃんはこの一歩を踏み出したら・・・!歯止めが利かなくなっちまう・・・!」
ギチギチギチ!!
ことり「ダイヤちゃんや・・・!梨子ちゃんが止めたその道を・・・!」
ことり「このまま進む覚悟があるんだったら・・・!!」
ルビィ「・・・!!」
ことり「・・・本気で来い!!!!」
グリリ!!!グリリ!!!
ルビィ「負けない・・・!!負けない!!負けない!!!」
ゴチゴチ!!ゴチゴチ!!!
ことり「ほらどうした!!?」
グリグリグリグリ!!!
ルビィ「絶対・・・!!!負けない!!!」
グリグリグリ!!!ギチギチギチ!!!
ことり「うわああああああ!!!!」
ルビィ「はあああああああ!!!!」
グギャァン!!!!
ことり「あんっっぶ・・・!!」
ルビィ「うっうっ!!?」
ドサッ!!
ザッザッガタッ!
ルビィ「あぁっ!はぁ!はぁ!」
ことり「」
ルビィ「なんとか・・・立ってるけど・・・!」
ことり「・・・っ」
ルビィ「ルビィ・・・もう・・・倒れそうだよ・・・」
ことり「くっ・・・・・・そ・・・」
ルビィ「・・・おかしいよ・・・」
ルビィ「なんでまだ立てるの・・・?」
ことり「いて・・・て・・・」
ルビィ「ぅ・・・うっ・・・」ヨタタ・・・
ルビィ「はぁ・・・はぁ・・・きもちわるい・・・」
ことり「わたしより・・・あたま・・・硬いなんてね・・・」
ルビィ「・・・人工の鉄骨格を有機的な皮膚で包んだ戦闘特化型の人造人間」
ルビィ「南あやりの石頭の秘密は、人を殺すために製造された機械だから」
ことり「そんな私と対等にやりあってるんだ。自分を褒めていいよ」
ルビィ「そんなのいりません。貴方を殺せれば、なんでもいい」
ことり「ふふっ・・・ならもう一戦、行くぞ!!!」
ルビィ「ふぅぅっ!!」
ルビィの右ストレート!!
ことり「っっ!!」
それを容易くいなし、ことりは右ストレートをぶち込む!!
ズゴッ!!
ルビィ「っっふ!!」
ゴンッ!! すかさず繰り出たルビィの左カウンターが決まる!!
ことり「・・・っ!!」
ことり「おらあぁ!!」左フック!!
パシッ!!
ルビィ「はぁぁ!!」 右で止めた勢いのまま殴りかかる!!
ガスッ!!
ことり「いっ!!」
ルビィ「やっっ!!」
ボゴッ!! 左ボディー!!
ことり「ぶほっ!!」
ことり「やろおおぉぉ!!!」
ルビィ「甘い!!」
ブンッ!! ことりの右アッパーは空を切る!!
ルビィ「っっっ!!」
ことりの空いたボディーへ右ストレート!!
ボガッ!!
ことり「っっぅ!!」ブンッ!!
瞬間ことりの左フックがルビィの顔面を襲う!!
バギャァ!!
ルビィ「うぅぅああ!!!」
ルビィ「っっ!!つっ!!」ヨタタ・・・
実時間わずか5秒!!
絶対に負けられない女と女の殴り合い!!!
ザッ・・・ザッ・・・
ルビィ「っっ!!・・・!!」
ことり「終わりか・・・?」
ことり「どうしたルビィィィィ!!!!」
渾身の右ストレート!!
ボギャアアア!!!!
ルビィ「っっっ!!!」
ルビィは顔の左半分でもろに受ける!!
ことり「・・・ふっ」
ルビィ「ああぁぁぁ・・・ぁぁ・・・」
ルビィは朦朧とする意識の中、カウンターを繰り出すが空を切る・・・!
ブンッ・・・
ドサッ!!
ことり「はぁ・・・はぁ・・・」
ルビィ「ぅぅ・・・ぁ・・・ぁぅ・・・」
ことり「・・・マジでヤバかった・・・なんて子だよ、ルビィちゃん・・・」
ルビィ「あば・・・ば・・・」
ことり「このままほっといたらきっと・・・どこまでも強くなる・・・」
ことり
ことり「・・・!」
殺して
約束してくれたでしょ?
ルビィを殺して
それで終わるの
ルビィ「ぅぅ・・・ぅぁ・・・」
ことり「・・・うん・・・わかった」
ザッ!
殺して
ことり「バイバイ。ルビィちゃん」
スッ・・・
殺して
ことり「・・・はっ!!」
プツン!
ことり「!!!?!?」
ことり「なっ・・・!!?なっ・・・!!?」
曜「・・・・・・」
ことり「曜・・・ちゃん・・・?」
ルビィ「・・・・・・はっ!」
ルビィ(曜ちゃん・・・!?)
ことり「っっ!!?」
曜「・・・・・・」
ルビィ(曜ちゃんが持ってるやつ・・・さっきの無線機みたいな・・・)
ことり「・・・!!ルビ・・・!!」
ルビィ「っっ!! うらああああ!!!!!」
ルビィは仰向けの体勢から、ことりの顎に向かってミサイルにも等しい頭突きを仕掛ける!!
ボッギャアアアアア!!!!!
ことり「ばがっっっはああああ!!!!」
ドサッ!!
ルビィ「はぁっ!はぁっ!」
ルビィ「それ・・・」
顔の左半分をなくした曜は答える
曜「わからない・・・けど・・・」
曜「多分これのせいで私はおかしくなってた・・・ことりさんも・・・」
ルビィ「・・・!」
・・・・・・
真姫「・・・・・・」
真姫「あ~あ、負けちゃったのね」
真姫「すごいわルビィ、ことりを持ってしても勝てないとは・・・」
真姫「じゃあ、しょうがないわね」
カタカタ カタカタ
真姫「曜の動力は核バッテリー、爆発させればみんな死ぬ」
真姫「これで終わるの。みんな死ぬの」
カタカタ カタカタ
真姫「曜、ことり、今までありがとね」
真姫「最後に私のため、人類のために」
真姫「死んでね」
カタカタ
ジャグッ!!!
真姫「・・・!!!?」
千歌「曜ちゃんを・・・愛するって誓いました」
真姫「千歌・・・」
千歌「曜ちゃんと生きるって・・・曜ちゃんを守るって・・・!」
千歌「爆発の時、曜ちゃんの腕が光って、曜ちゃんの腕が爆発した」
千歌「いくら真姫さんでも・・・曜ちゃんを傷つけるなんて絶対に許さない・・・!」
真姫「千歌・・・やるじゃない・・・」
ドサッ!
曜「千歌ちゃん!」
ルビィ「千歌ちゃん!」
ことり「千歌ちゃん!真姫ちゃん!」
千歌「みんな・・・!」
真姫「ふふ・・・殺されるなら、曜にだと思ってたのにね・・・」
ことり「真姫ちゃん!!」
真姫「いいのよことり・・・当然の報い」
真姫「貴方達にしてきた・・・嘘に対する・・・ね・・・」
千歌「真姫さん・・・」
真姫「」グタッ
ことり「真姫ちゃん!!真姫ちゃーーん!!!」
真姫「このユニットは、死亡が確認されました」
ことり「!!?」
千歌「えっ・・・!?真姫さん・・・!?」
真姫「死亡時の音声データを再生します」
曜「・・・!?」
真姫「死んじゃったみたいね」
真姫「多分この場にいるのはぁ・・・あやりに、曜あたりかしら?」
ルビィ「これ・・・人造人間の・・・」
真姫「真実を知りたいでしょ?」
千歌「・・・!」
真姫「西木野総合病院にきて。そこに・・・」
真姫「答えがある」
千歌「答え・・・」
真姫「・・・再生を終了します。ピピッ」
真姫「」
ことり「真姫・・・ちゃん・・・?」
曜「・・・なんなの・・・?」
曜「ヤマト隊の隊長は・・・人造人間だったの・・・?」
ルビィ「・・・西木野総合病院」
千歌「答えがある・・・て、言ってたよね」
千歌「行こう・・・!私たちの・・・戦いの意味を知るために・・・!!」
バタバタバタバタ!!
ことり「・・・・・・」
ルビィ「・・・・・・」
曜「・・・・・・」
曜「・・・千歌ちゃん?」
千歌「ん?」
曜「・・・痛く、ない?」
千歌「・・・なんとか・・・今は耐えるよ・・・」
千歌「曜ちゃんこそ、その・・・平気なの・・・?」
曜「あぁ、多分痛覚の設定とかが低くされてるんだと思う」
曜「まぁ・・・でもまぁ、痛いよ。はは」
ルビィ「ご・・・ごめんなさい・・・」
曜「いやいや!いいんだっていいんだって!ルビィちゃんが謝るような・・・」
曜「・・・ごめんなさい」
ルビィ「・・・・・・」
千歌「・・・・・・」
ことり「・・・あの」
ことり「あ・・・あと、ね・・・20分くらいで着くかな」
曜「はい」
ことり「・・・・・・ごめんなさい」
ルビィ「・・・『答え』を知るまで・・・」
ルビィ「ううん、なんでもない」
千歌「・・・・・・」
千歌「・・・ダイヤさんはね、あの時、屋上から海にダイブした曜ちゃんを助けてくれた」
ルビィ「・・・・・・」
千歌「ヘリでは、真実を聞かされた」
千歌「今思うと、それは紛れもない・・・真実だったと思う」
千歌「果南ちゃんはね・・・ダイヤさんの事が許せないって言ってた」
千歌「・・・ダイヤさんの事、嫌いだから襲ったんじゃない」
千歌「反省してほしいから抗ったんだ・・・」
ルビィ「・・・・・・お姉ちゃんは、鞠莉さんを殺した」
千歌「・・・!」
曜「・・・・・・」
ルビィ「・・・平和のためと、思いたいって」
ルビィ「お姉ちゃん・・・・・・いつもいつも、怖がってた」
ルビィ「ルビィなんかよりも、ずっと怖がりになってたの」
ルビィ「自分の過ちが、いずれ人を傷つけてしまうと」
ルビィ「どうしてもっと、話をしなかったんだろうって」
ルビィ「もしも時間を戻せるならって・・・何度も神様にお願いしてた」
ルビィ「いずれこの事実によって殺されるって、察してたんだと思う」
千歌「ダイヤさん・・・」
ルビィ「だからルビィに・・・」
ルビィ「グスッ・・・おねえちゃぁ・・・」ポロポロ
バタバタバタバタ!!
西木野総合病院
千歌「・・・・・・」
曜「・・・・・・」
ルビィ「・・・・・・」
ことり「・・・・・・」
曜「行こう・・・千歌ちゃん」
千歌「うん」
ザッザッ
ガチャ
バタン
??「やぁ」
千歌「・・・!?」
曜「・・・!?」
ルビィ「・・・そっか」
ことり「・・・真姫ちゃん」
真姫「初めまして。千歌、曜、ルビィ」
真姫「あぁ・・・貴方達からしたら、初めましてじゃなく感じるわよね」
スクッ
真姫「私は西木野真姫。『本物』のね」
真姫「あやり、元気だった?」
ことり「・・・いつから?」
真姫「そうね、超ヤマト戦艦を手にしたとき辺りかしら」
ストン
真姫「共に親鳥製薬に殴り込みに行ったときには、すでに『私』じゃなかった」
ことり「・・・足の怪我も、偽物が受けた怪我だったわけだね」
真姫「ええ」
真姫「彼女・・・下手したら私より凄かったと思うわ」
真姫「ふふ、客観的に見て、自分にこんなにプロデュース力があったのかと驚いちゃった」
千歌「私たちの事・・・」
真姫「ヤマト隊隊長の、人造人間西木野真姫の行動は全て監視してた」
真姫「貴方達の事も、果南の事ももちろん知ってる」
真姫「ほぼ私のコピー品だった彼女が失敗しちゃったんじゃ、私もきっとうまく出来なかったのよね」
真姫「もう完全に私の負けよ。もう諦めたわ」
千歌「・・・・・・」
真姫「・・・聞きたいことがあるんじゃない?」
千歌「・・・・・・」
真姫「いいのよ。なんでも聞いて」
真姫「そのために来たんでしょ?」
千歌「・・・・・・」
真姫「・・・答えるわよ。なんでも」
千歌「・・・・・・」
曜「・・・・・・」
ルビィ「・・・・・・」
ことり「・・・・・・」
千歌「・・・真姫さんは」
千歌「どうして人を、殺すんですか?」
真姫「・・・・・・」
千歌「・・・・・・」
真姫「ええ。そうねぇ・・・何から話せばいいか・・・」
真姫「・・・千歌」
千歌「・・・・・・」
真姫「あなたは・・・死んだこと、ある?」
千歌「・・・!」
じゃあ、えっと・・・長くなるわよ
20×〇年×〇月×〇日、音ノ木周辺でゾンビウイルスによるアウトブレイクが発生した
私は命からがら生き延び、ゾンビウイルスの開発元が当時から有名な製薬会社、親鳥製薬だと知った
千歌「ちょっと待て」
真姫「ん・・・?」
千歌「・・・20×〇年・・・?」
ルビィ「μ'sが・・・第二回ラブライブ!に優勝した年・・・」
真姫「ええ。何も間違ってない」
真姫「・・・そうね、やっぱみんな座って。コーヒーでも淹れるわ」
真姫「長話になるから・・・覚悟してよね」
私とことりは、親鳥製薬の社長である理事長を殺した
でもまだ終わってなかった
人格を乗っ取るウイルス、人造人間
そのすべてを、衛星による攻撃で消滅させた
それと同時に、衛星攻撃に含まれるウイルスが原因で人類は滅亡した
千歌「・・・っ!?・・・っ!?」
真姫「・・・・・・」
理念の違いでことりと決別し、私はこの世にたった一人、残された
何年もの間、生きてる人は私しかいない・・・孤独を味わった、けど
結果人類はまだ生き残ってた
衛星ウイルスから逃れた人間・・・だけど、死滅した文明の中では争いしか生まれなかった
同時に、オリジナルを私に殺された理事長のクローンも解放された
奴らの私への恨みは・・・ふふっ、今のルビィより大きいかもしれないわね
私は奴らに捕まった
痛かった
苦しかった
辛かった
怖かった
こんな思いをするくらいなら死にたかった
でもそれは、こと・・・
うん、ことりのクローンがね、許してくれなかった
G.E.C.K.
正式名称は、Garden of Eden Creation Kit
エデンの園創造キット
0を1にできるもの。1を0にできるもの
・・・つまりは、神様の真似事ができる機械
戦いに勝った私とことはこれを手に入れた
衛星ウイルスによって死んだ世界
この世界を『0』にして、私たちの理想とする『1』を作り出す
私たちは、G.E.C.K.を起動した
それから・・・ささやかな幸福の中で過ごした
先の戦いで負った怪我に耐えながら、この世に二人きり、誰も邪魔しない、幸せな生活だった
この時間がいつまでも続けばいいのに
・・・と、ことは思ってたかもしれない
だけど私は・・・
真姫「話してあげようか?」
真姫「まず、指と爪の間に針を刺された」
真姫「血のマニュキュアって言ってたわね」
真姫「指10本全てやられたわ」
真姫「次に、有刺鉄線で作られた鞭で叩かれた」
真姫「あれ痛いのよね。一発ごとに体に刺さるから、毎回毎回体を抉られる感じ?」
千歌「・・・っ」
曜「・・・っ」
ルビィ「・・・っ」
真姫「あと・・・あ、乳首を切り取られたわ」
真姫「でもこんなん序の口。次は子宮にダイナマイト突っ込まれた」
真姫「子宮爆発させられて、でもまだ死ななかった。死なないように威力を調整したんだって」
ことり「真姫ちゃん・・・」
真姫「あとね、地雷で右腕をなくした」
真姫「こんな状態で生きてたのよ。そりゃあ長く持たず死ぬわよ」
真姫「・・・・・・」
真姫「・・・痛かったわ」
真姫「・・・死にたくなってきた」
死にたかった
こんなに苦しい思いをするくらいなら
でもね、そんなに長くなかったのよ
ことと二人で幸せを送っていて
ある日突然、体が動かなくなったの
察したわ。死ぬんだって
もう十分生きたわ
やっと迎えに来たんだ
遅いわよことり
そんなこと思ってた
ことが私に向かって叫んで、泣いてた
ごめんね、先に逝くね。なんて思いながら
私は死んだ
死ぬって、どんなことだと思う?
痛い?
苦しい?
辛い?
怖い?
違うわよ
死ぬってね
『救い』だった
死んだ瞬間、全身の痛みがなくなったの
苦しみも、辛さも、怖さも、全部なくなった
地面だって、空気だって、なんだか・・・う~ん・・・
言葉で表現するの難しいわ
気持ちいいとか、眠たいとか、お腹すいたとか、そういうのじゃないの
ただ、こう・・・
そこは無だった
『無』がこんなに楽だなんて、初めて知った
千歌「・・・貴方が人を殺すのは」
真姫「死を体験したことがあるから」
真姫「生き地獄。まさに生きていることは地獄の連続」
真姫「どうして努力してお金を稼がないと生きていけないの?」
真姫「金のためなら、雪が降ってても台風が来ても会社に行かないといけないの?」
真姫「私はただ、人々をこの苦しみから救いたかった」
真姫「強要するしかなかったの」
真姫「口で言って伝わると思う?」
真姫「人類で唯一、死んだことがある私がしなければならないと思ったこと」
真姫「それは、全人類を殺すことだった」
曜「・・・・・・」
真姫「・・・さて、話は後半」
真姫「ふふっ、じゃあ今ここにいる私は何者?幽霊?ふふ、違うわ」
真姫「この世界は全て、あの子のわがまま」
ふぇいあおんら@あ
真姫「んっ!?」ガバッ!
真姫「・・・・・・」
ベッド、私の部屋、眩しい日差し
真姫「は?」
私は死んだ
死んだはず
真姫「・・・・・・」
怪我はない
髪がさらさら
お肌つやつや
傷のない綺麗な手
でもこれは、生きてる感覚
私は死んでない
真姫「・・・何が起こってるの・・・?」
トットッ
真姫ママ「あら真姫ちゃんおはよう。今日はゆっくりだったのね?」
真姫「ママ」
フラッシュバックする
『真姫「可哀想なママ・・・M,ウイルスなんかに・・・」 』
真姫ママ「朝ごはんはなにがいい?」
真姫「・・・・・・パン」
真姫ママ「は~い」
スト
椅子・・・テーブルだ
テレビ「ラブライブ!開催!」
真姫「・・・・・・」
フラッシュバックする
『穂乃果「やった・・・勝ったんだよ穂乃果達・・・!!」』
真姫「・・・・・・」
真姫(なに・・・?断片的に、私じゃない記憶が思い出される)
真姫(まるで、別の世界で実際に体験したことのような・・・夢を見ているような感覚)
真姫ママ「ラブライブねぇ・・・」
真姫「ん?」
真姫ママ「真姫ちゃんがあんなに良い笑顔で舞台に立ってたこと思い出しちゃった」
真姫ママ「ホントに感動しちゃって・・・ふふっ」
真姫ママ「あの頃からパパも真姫ちゃんの事、今までよりもっと大好きになっちゃって・・・」
真姫「・・・・・・」
フラッシュバックする
『真姫「名前で呼んでよ・・・///」』
真姫ママ「そうだ、南さんに電話しなきゃ!」
フラッシュバックする
『真姫「浮いてこないようにね、体にブロック巻き付けたからね」』
真姫「・・・・・・」
ケータイを見る
これはホントに私のケータイ?
こんなに電話番号登録されてるなんて・・・
テレビ「第二回ラブライブ!優勝ユニット、μ's」
テレビ「リーダーを高坂穂乃果を中心とし、絢瀬絵里、南ことり・・・」
テレビ「西木野真姫」
真姫「えっ!!?」
真姫ママ「やってるやってる~、見てるわよ~」
テレビ「高坂穂乃果さんは現在アメリカでダンサーとして活躍」
テレビ「南ことりさんの母親は、なんと親鳥製薬社長の・・・」
真姫「っっっ!!!?」
テレビ「そして、西木野真姫さんはなんと20歳にして親鳥製薬重役に・・・」
真姫「はぁ!!?」
真姫ママ「どうしたのよ真姫ちゃんさっきから? いや、真姫ちゃんがね・・・」
真姫「・・・・・・」
フラッシュバックする
『理事長「うちで働いてくれるの?あなたほど優秀な子なら大歓迎よ♪」』
『真姫「薬だって、人を救うためのものでしょ?パパとは少し違う面で人を助けたいと思っただけ」』
真姫「・・・・・・」
真姫「そうね、整理をしましょう。頭が追いつかない」
真姫「・・・・・・」
私は、衛星攻撃で人類を滅亡させ、G.E.C.K.起動により全てを無に作り変えた
かつ、あのラブライブの第二回優勝ユニットμ'sのメンバー
ん?でも年代で見ると二つを同時に行えてるはずがないのよね
真姫「・・・・・・」
ゾンビウイルス 音ノ木 ゾンビだらけ 世界 荒廃 滅亡
調べても出てこないわね
じゃあ私が体験したあの痛みは?
あの苦しみは?
真姫「・・・・・・」
ピッポッパッ プルルルル
ことり『もしもし真姫ちゃん?珍しいね』
真姫「・・・・・・こと?」
ことり『え?ことりだよ?』
ことり『どうしたの真姫ちゃん・・・珍しく電話なんてと思ったら、急にあだ名で呼んで・・・』
真姫「・・・・・・」
そうか、G.E.C.K.か
G.E.C.K.だ。あぁきっとそうね
あの4年間
ことと暮らしたあの日々
ことはG.E.C.K.によって失われてしまったものを取り戻すために毎日を過ごしていた
それは、死んでいった仲間、人々
G.E.C.K.の高すぎる理想に、ポンコツのあの子は抗っていた
私は色々思い出しちゃうから関わってなかったけど
この世界は、あの子が夢見た世界
あの子なりの『答え』
愛のために、人類を作り直した
・・・
それなら、もう一度
もう一度、やり直せるのかな
あの子のわがままに付き合ってみようかな
記憶の中だけにある幸せだった時間を、もう一度体験してみようかな
そんなことを思ってて、でも『それ』は突然訪れた
ガンッ
真姫「いたっ」
真姫「ぅぅぅ・・・こゆび・・・」
痛い
真姫「・・・っ・・・っっ!!」
『真姫「きゃあああああああああああああ!!!!!!!!!」』
真姫「やっ・・・やっ・・・」
『真姫「あああああああああああああああ!!!!!!!!!!」』
真姫「いやっ!やっ!」
『真姫「ぅぅぅぁぁああああああ!!!!!」』
真姫「やあぁぁぁ!!」
『真姫「!?!?!!!?!?!?!!?」ガタッ!! 』
真姫「んんんんんんんわあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
真姫ママ「真姫ちゃん!!真姫ちゃんどうしたの!!?」
真姫「やっやあああぁぁぁ!!!!!!!きゃああああああああ!!!!!!」
真姫ママ「真姫ちゃん!!パパ!!パパ!!?」
・・・
真姫「すぅ・・・・・・」
真姫ママ「真姫ちゃん・・・」
真姫「zzz・・・」
真姫ママ「ナースセンターにいるわね」
ガラガラ パタン
真姫「・・・・・・」
真姫「・・・ケホッ、ケホッ」
喉が痛い
真姫「・・・あぁ・・・」
現実だ
現実なんだ・・・
この世界はただのおもちゃ箱じゃない
神様により創造された現実
G.E.C.K.ってのは、こんなにも大きな力を持っていたのね・・・
神様の真似事を、あの子はしてしまったのね
なら・・・
痛くなりたくない
苦しみたくない
辛くなりたくない
怖くなりたくない
それならば、どうすればいい?
真姫(死んじゃえば・・・いいのね)
真姫(死んじゃえば・・・辛い事なんて・・・)
コンコン
真姫「・・・! はい」
穂乃果「お邪魔しまーす・・・」ガラガラ
真姫「穂乃果・・・」
穂乃果「真姫ちゃん・・・!よかった大丈夫なの?」
真姫「え・・・えぇ・・・」
フラッシュバックする
『穂乃果「アメリカで・・・ダンスを学びに行くんだ。世界に通用する・・・ダンサーになるって決めたの」』
真姫「・・・あなたアメリカに居たんじゃ・・・」
穂乃果「そんなの・・・!真姫ちゃんが倒れたって聞いたからそれどころじゃないよ!」
穂乃果「よかったよ真姫ちゃん・・・ホントに無事で・・・」ポロポロ
真姫「ほの・・・か・・・」
それから、みんな来た
私にとっては記憶の中でだけで、μ'sとして共に輝いたみんな
彼女たちは9人で一つ
一人でも欠けたらダメなんだって、みんな泣いてた
私だってつられて泣いた
あの世界では親友だったみんな
みんなが生きて、私の事を想ってくれてると知って泣いた
私はこの世界でも
愛によって生きていた
じゃあどうすればいいの?
みんなの愛を感じたい
だけど
痛いのはいや
苦しいのはいや
辛いのはいや
怖いのもいや
う~ん・・・
・・・・・・
・・・
・・
・
そうだ
みんな『救えば』いいんだ
みんな救えば、みんなと一緒に居られて
痛くも苦しくも辛くも怖くもない
ついでにあの子の遊びに付き合わされている、この世界の住民全て
救ってあげればいいんだ
それから私は全人類を滅亡させるために動いた
躊躇いなどなかった
私は死を知っている。死ぬことで人が救われると、今でも思っている
でも一人じゃできない
幸い、元μ'sという肩書のおかげで仲間を作るのは容易だった
『聖良「そんな・・・貴方に従います。協力させてください」』
『千歌「すごいに決まってるよ!だって、あのμ'sにも所属してたんだもん!すごくないわけがない!」』
『「「「日本と!!世界と!!平和のために!!!」」」』
でも、それでも足りない
その時、私の昔の記憶が蘇った
ゾンビ
音ノ木を一瞬にして死の地獄へと導いた存在
あれなら全てを殺せる
親鳥製薬で私は、昔の記憶を頼りにゾンビウイルスを開発した
ゾンビ化ってね、元は治療薬を開発するうえでの副産物だったの
体中の血液がなくなった患者
脳に障害を持って植物状態だった患者
手足がちぎれた患者
そんな状態の患者を、糸一本で生命を維持させる薬
奴らの動きがトロいのも、目が悪いのも、もうホントに死ぬ寸前だからよ
そして、全人類がゾンビ化した後
治療薬を浴びせる
霧吹き一吹きでプツンとその糸を切ることができるの
いずれは空気に治療薬を含ませれば
みんな救われる
そのためとはいえ、ゾンビ状態で人を生かすのは心苦しかった
ゾンビにはなったことがないから、痛いのか、苦しいのかわからない。それを強要するのはね
だけど・・・だけど、それで全てを救えるのなら
手段はこれしかなかった
μ'sのメンバーは、ことり以外みんな私が殺した
みんなは特別、一瞬も苦しまずに救いたかった
だって、前の世界ではみんなあれだけ苦しんだものね
『凛「ま~きちゃん!お話なんて、もしかして凛に相談事?いや~凛も頼られるようになったなぁ~えへへ」』
『絵里「何よ真姫?後ろを向いてだなんて、今日ちょっと変よ?疲れてない?」』
『にこ「や~ん目隠し~!にここれから何されちゃうの~?」』
『希「ん?何の音?」』
『海未「まっ、まきっ・・・!!まっ、・・・!!」』
『花陽「」ドサッ』
ことりは、前の世界では私とことりは愛し合った
彼女はまた、私に付いてきてくれると思った
でも、ウイルスを拡散させ、仲間を殺したことがことりにバレちゃったの
もうことりと敵対するしかない。そんな時、理事長が着手してた人造人間技術の最初の完成品が産まれた
それが貴方だった、あやり
出産と同時に死んでしまった、ことりの姉の名前を預かったあなた
あなたに、嘘を伝え、私と愛し合い、私の武器にした
貴方にことりを名乗らせたのは、μ'sの南ことりを知る人間が多いから
だってそのほうがより、私たちを信用しやすくなるでしょ?
超ヤマト戦艦は、この計画を思いついてすぐに必要だと思った
行き場をなくした人間の希望
パパへの人生最後のわがままとして、第二次世界大戦以降姿を隠した超ヤマト戦艦を探し出してもらったの
ウイルスで世が混乱すると、この戦艦を手に入れることは容易だった
あれなら大丈夫
あれなら生きていける
そして、ヤマト隊という、偽物の正義の味方
人々に希望を与えるのは簡単だった
この武器があれば
私でも家族を守れる
私でも戦える
ヤマト隊が拡大するのは早かった
ホテルオハラグループの援助は莫大だった
そりゃそうよ。もしもホントに成功していたら、人間は死を克服できるかもしれない
でもその実は、あの薬事態G.E.C.K.の作用を働かせて実現しているものだから、所詮神様の真似事
この作られたおもちゃ箱の中で、生命の糸を引いてるだけにすぎない
ゾンビウイルスが外部に拡散した瞬間に、ホテルオハラグループは私たちを切った
どころか、自衛のため理事長の人造人間技術まで盗み出した
親鳥製薬とホテルオハラグループ、いずれ戦争が起き潰し合ってくれれば万々歳だった
でも、いつの間にか小原鞠莉は死に、ホテルオハラグループは消滅した
それならそれでいいと思ったけど、
小原鞠莉を殺した黒澤ダイヤは、黒澤一派として、私が思うよりも早く、正確に真実に辿り着いた
果南が無茶していなければ、隊員は黒澤一派に吸収され平和にケリがついたかもしれないわね
どちらにしても、黒澤一派によってヤマト隊が潰れるなんて、思いもしてなかったわ
曜の事、私は誰より、果南よりも力になると思ってた
あの時・・・貴方達と初めて会ったとき
内浦のゾンビの死体を見てわかった
愛する者のためなら何でもやる。そんな子よ
この子の愛の引き金は間違いなく千歌だった
千歌が傷つけば傷つくほど、彼女は強くなる
まるで・・・昔の私とことりを見ているようだった
彼女に機械骨格を授け、千歌を殺し、彼女を全てを破壊する悪魔に仕立て上げた
これも、黒澤一派によって失敗に終わったわね
私はもう、負けを認めるしかない
ことり「真姫ちゃん・・・」
真姫「あやり・・・」
真姫「ごめんね、あやり」
ことり「・・・グスッ・・・じゃあ・・・」
ことり「私たちの関係は・・・嘘だったの・・・?」
真姫「・・・・・・」
真姫「・・・えぇ、貴方が、強くなるのなら、と・・・」
真姫「私は・・・残念だけど、貴方との愛で、生きることに希望を見出せなかった」
真姫「それは貴方のせいじゃない。・・・ふふっ、私も年を取ったのよ」
真姫「昔の世界の記憶、今の世界の記憶、合わせて私はもう40年以上生きてる」
真姫「愛は全てに勝つ・・・あの頃の私は、もう・・・」
真姫「さて、これで私の話はおしまい」
真姫「どうかしら?・・・驚くことだらけだったよね」
千歌「・・・・・・」
曜「・・・・・・」
ルビィ「・・・・・・」
真姫「・・・千歌」
千歌「・・・はい」
真姫「あなたは今、どう思ってるの?」
真姫「答えを知った貴方の、貴方なりの答えを教えて?」
千歌「・・・・・・」
千歌「今・・・怪我がすごく痛いです」
千歌「こんだけ痛いなら・・・死んじゃったほうがいいのかなって・・・考えもしました」
真姫「・・・・・・」
千歌「痛くなく、苦しくなく、辛くなく、怖くない」
千歌「天国へ・・・行ってみたい・・・」
千歌「私はバカだから、一人じゃ何もできない」
千歌「すぐに、死んじゃうかもしれない」
千歌「でも、曜ちゃんとなら・・・ルビィちゃんとなら・・・」
千歌「抗ってみたいんです。この地獄に」
千歌「痛くてもいい」
千歌「苦しくてもいい」
千歌「辛くてもいい」
千歌「怖くてもいい」
千歌「私はそれ以上に、仲間と一緒に居たい」
千歌「生きていないと成し得ないことを、してみたいんです」
千歌「きっとあなたが、以前したように」
千歌「希望を・・・手にしてやります・・・!」
千歌「・・・人は、過ちを繰り返す」
千歌「私の考えは、過ちでしょうか・・・?」
曜「千歌ちゃんがそう言うなら」
千歌「曜ちゃん・・・」
曜「昔からずっと、千歌ちゃんと何か一緒にやりたいって思ってました」
曜「私は、何があっても千歌ちゃんの味方です」
曜「千歌ちゃんが、諦めて泣いても・・・頬を叩けるのは私だけだから」
曜「千歌ちゃんが、私を愛してくれる限り」
曜「私と生きてくれる限り」
曜「私を守ってくれる限り」
曜「私は千歌ちゃんに、私の全てを捧げると・・・誓ったんです」
曜「・・・えへへ」
ルビィ「お姉ちゃんは、平和を求めていました」
ルビィ「お姉ちゃん亡き今、ルビィがお姉ちゃんの望んだ世界を実現させてみます」
ルビィ「厳しくも優しかったダイヤお姉ちゃん」
ルビィ「優しくて私の心まで守ってくれた梨子お姉ちゃん」
ルビィ「二人の望みは・・・この世が平和であること」
ルビィ「そして、私が・・・生きて、幸せであること」
ルビィ「二人の望みを叶えないと・・・へへ、またダイヤお姉ちゃんに怒られちゃうもん」
ルビィ「生きて、希望を掴み取ってみせるまで」
ルビィ「ルビィは死にません」
真姫「・・・ふふ・・・」
真姫「ええ。貴方達は確かに、今を生きている」
真姫「貴方達の答えを、確かに聞き遂げたわ」
真姫「私とは違う・・・3人もいるんだもんね」
真姫「この地獄を変えられるのは・・・」
真姫「貴方達。そうよね?」
ようちかびぃ「はい!」
ことり「・・・ふふふ、若いっていいね」
千歌「そんな、あやりさんもお若いですよ」
曜「うんうん、同い年って言われても全然違和感ないよね」
真姫「ホント若いわよねこいつは。なんで変わらないのかしら」
ことり「なーに真姫ちゃん?真姫ちゃんも若いよ♪」
ルビィ「でもでも、真姫さんは大人の女性って気がします」
真姫「わっ、私だけおばさんに見られてるじゃない!」
千歌「そんなそんな!真姫さんも若いです!」
真姫「お世辞にしか聞こえない!」
曜「あちゃー、二人とも余計なことを・・・」
あはは♪
あはははは・・・
・・・
真姫「曜」
曜「はい?」
真姫「貴方に謝りたいの」
曜「えっ?」
真姫「貴方の身体を・・・そんな目に合わせたのは私」
曜「あぁ・・・はは」
真姫「ごめんね、大変な思いをさせちゃって」
曜「・・・おかげで、千歌ちゃんが守れたから」
真姫「言葉だけで済ます気はないわ」
真姫「貴方に、新しい・・・普通の身体を授けたい」
真姫「でも、ヤマトの破壊によって私の持ってる人造人間技術は失ってしまった」
真姫「そこでね、こんな提案があるの」
ことり「真姫ちゃん・・・ホントに・・・」
真姫「ええ。彼女たちがここに来た時点で決めてたことだから」
曜「・・・・・・」
真姫「心配しないで。ここの設備とあやりの腕があれば失敗はしない」
真姫「貴方の記憶もそのままよ」
真姫「ただ・・・そうねぇ、ちょっと胸がしぼむわね」
真姫「でも、背も高くなるしお尻は私のほうがでかいからそれで勘弁して」
真姫「顔は貴方の顔のデータがあるから完ぺきに再現できる」
真姫「髪は貴方のを植え付けるけど、いずれ私の色が混じってくるかな、気に入らなかったら染めてね」
曜「私の・・・!」
真姫「・・・・・・」
曜「・・・魂を、真姫さんの身体に預けて・・・」
曜「真姫さんの魂は、どうなるんですか・・・?」
真姫「・・・『救われる』わ」
曜「・・・!」
真姫「もう十分生きたわよ。あの子のわがままにもうんざり」
真姫「私は・・・貴方達が本当に、奇跡を起こせると信じてる」
真姫「もう若い世代にバトンタッチするべきなのよ」
真姫「貴方達に託して、私はゆっくり寝るわ」
ことり「真姫ちゃん・・・!」ギュ
真姫「何よあやり・・・そんな状態じゃ施術できないわよ?」
真姫「南の産まれなら、泣くのは嬉しい時だけにしなさい?」
真姫「・・・あやりさんの言葉よ」
ことり「・・・うん」
真姫「曜」
曜「・・・・・・」
真姫「希望を・・・失うな」
真姫「人は過ちを繰り返す」
真姫「この言葉に・・・答えを出してみなさい」
曜「・・・はい!」
真姫「じゃあ・・・よろしくね、あやり」
ことり「うん・・・」
ことり「・・・安らかに」
真姫「ありがと、ふふ」
真姫「今・・・少し・・・」
幸せよ、私
ねぇ
ねぇ、こと
聞こえてるんでしょ?
きっとあなたは、私が生きて、幸せになる世界を望んだ
スクールアイドルの頂点
良好な家族関係
親友たち
前とは違う・・・私への幸福を与えようとしてくれただけなのよね
でもごめんね
私はもうそんなに若くないの
年を取り過ぎたのよ
『死』を知ってしまった私には、それ以外の選択肢は最初からなかった
私にはもう手の届かない『生』は・・・
私に勝ったあの子たちに任せる
ねぇ・・・こと
これでよかったのよね
これでやっと
私の平穏が訪れる
・・・・・・
・・・
・・
・
・・
・・・
・・・・・・
ガタガタ ガチャン
千歌「・・・!」
オットト・・ ヘイキ?
千歌「曜ちゃん・・・」
ガラッ
曜「・・・・・・おまたせ」
曜「千歌ちゃん、ルビィちゃん」
千歌「よう・・・ちゃん・・・」
ルビィ「曜ちゃん・・・大丈夫?」
曜「うん、まだちょっと違和感あるけど・・・ロボよりは動きやすいかな」
千歌「曜ちゃん!」ギュッ
曜「わっと!もう・・・」
千歌「平気?どこも痛くない?」
曜「うん・・・」
曜「ただいま、千歌ちゃん」
千歌「グズッ・・・ぅよーちゃぁ~~!!」
曜「もう、泣き虫千歌ちゃんだ」
曜「ねぇ、ルビィちゃん」
ルビィ「ん?」
曜「お見舞い・・・・・・行かせてほしいんだ、いいかな?」
ルビィ「・・・うん」
・・・
千歌(あんちゃん、ななかちゃん、美渡姉、志満姉)
曜(しゅか、ヤマト隊のみんな)
ルビィ(ありさちゃん、あいちゃん、あいかちゃん、かなこちゃん、黒澤一派のみんな)
(安らかに)
松浦果南の墓
千歌(果南ちゃん)
千歌(果南ちゃんは、私をいつも守ってくれたね)
千歌(一つしか変わらないのに、私の憧れのお姉ちゃんだった)
千歌(果南ちゃんの、平和を求める姿を見て、私は生きることを誓ったんだよ)
千歌(果南ちゃんに守られた命を、決して無駄にはしない)
千歌(それが、果南ちゃんの背中を見て、私が学んだこと)
千歌(あなたのように、強くなります)
千歌(あなたのように、優しくなります)
千歌(あなたのように、おおらかであります)
千歌(あなたのように、親友に本気で怒れる人間になります)
千歌(果南ちゃんの意思を、千歌は、必ず守り続けます)
千歌(ありがとう果南ちゃん。安らかに)
小原鞠莉の墓
曜(鞠莉ちゃん)
曜(鞠莉ちゃんの活躍は聞いたよ)
曜(きっと鞠莉ちゃんが居なかったら、内浦は一瞬にして死の地獄になってた)
曜(内浦の被害を抑えたのも、間接的にでも真姫さんの呪いを弱らせたのも、鞠莉ちゃんのおかげ)
曜(地元民として、感謝をしないといけないね)
曜(ダイヤさんとはケンカ別れになっちゃったって聞いたけど・・・)
曜(きっとみんな、天国で仲良くしてるよね)
曜(仲良かったもん。3人で散歩してる姿が憧れちゃうくらいだった)
曜(ありがとう鞠莉ちゃん。安らかに)
黒澤ダイヤの墓
ルビィ(ダイヤお姉ちゃん)
ルビィ(お姉ちゃんには・・・何度ありがとうって言わないとだろう)
ルビィ(ルビィを守ってくれてありがとう)
ルビィ(ルビィを抱きしめてくれてありがとう)
ルビィ(今思うとお姉ちゃんがしてくれたことは、全部お姉ちゃんが優しかったからだと思います)
ルビィ(ルビィを、辛い運命から遠ざけてくれてたんだよね)
ルビィ(お姉ちゃんが全てを終わらせる。お姉ちゃんになんでも任せる)
ルビィ(そんなお姉ちゃんのやさしさに、ルビィはずっと甘えてきました)
ルビィ(お姉ちゃん亡き今、ルビィは強くなることを誓います)
ルビィ(お姉ちゃんが止めたその道を、ルビィは歩き続けることを誓います)
ルビィ(そしたらお姉ちゃんは・・・ルビィの事、認めてくれるよね?)
ルビィ(ううん、認めてもらいます。ルビィは強いんだよ、お姉ちゃんの意思を継げるんだよ)
ルビィ(見ててねお姉ちゃん。ルビィがこの世を平和にします)
ルビィ(ありがとうお姉ちゃん。安らかに)
国木田花丸の墓
千歌(花丸ちゃん)
千歌(優しい優しい花丸ちゃん)
千歌(ありんこも、蚊も殺せないような花丸ちゃんが超ヤマト戦艦を爆破したこと)
千歌(友達想いなんだよね)
千歌(ルビィちゃんを守るために、その身を犠牲にして任務を成し遂げた)
千歌(仲間のためなら我が身も厭わない)
千歌(私も、そんなかっこいい女になりたいな)
千歌(花丸ちゃんは年下だけど、いろんなことを教えてもらったよ)
千歌(花丸ちゃんのような強い意志を、私は持ち続けます)
千歌(ありがとう花丸ちゃん。安らかに)
津島善子の墓
曜(善子ちゃん)
曜(いっつも私の無理に付き合わせてごめんね)
曜(どんな無理にも付き合ってくれる善子ちゃんが大好きだよ)
曜(私が勝手に善子ちゃんの事を気に入って、いろいろちょっかいかけて)
曜(嫌そうな顔もするけど、最後は笑ってくれたよね)
曜(手を取り合ったあの日々を、ずっと忘れないよ)
曜(ありがとう善子ちゃん。安らかに)
桜内梨子の墓
ルビィ(梨子お姉ちゃん)
ルビィ(ルビィは、みんなの前で強くあろうとする梨子お姉ちゃんの背中を見ました)
ルビィ(潜入作戦に失敗した時、みんなを庇って助けてくれようとしたよね)
ルビィ(その後、ダイヤお姉ちゃんが死んじゃった後も・・・)
ルビィ(みんなを・・・何よりルビィのために、ルビィのお姉ちゃんになってくれた)
ルビィ(ダイヤお姉ちゃんと同じように、ルビィを優しく守ってくれた)
ルビィ(結果ルビィは戦いの道を選んでしまったけど)
ルビィ(梨子お姉ちゃんの優しさを決して忘れません)
ルビィ(今度はルビィが、誰かのために、お姉ちゃんの優しさを振りまきます)
ルビィ(それほどの優しさと愛を、梨子お姉ちゃんは教えてくれた)
ルビィ(梨子お姉ちゃんの優しさを、ルビィは人に教えていきます)
ルビィ(ありがとう梨子お姉ちゃん。安らかに)
西木野真姫の墓
ことり(真姫ちゃん)
ことり(真姫ちゃんは、どれほど痛かったの?)
ことり(どれほど苦しかったの?)
ことり(どれほど辛かったの?)
ことり(どれほど怖かったの?)
ことり(ずっとそばに居ながら、私はなんにも気付けなかった)
ことり(貴方を愛で救いたかったのに)
ことり(悔しいよ)
ことり(悔やみきれないよ・・・!)
ことり(死を知らない私は、やっぱり死ぬことが怖いの)
ことり(もう、何が正解かを考えることも、諦めたよ・・・)
ことり(だから真姫ちゃんが希望を託したあの子たちを、私は一生守り抜く)
ことり(真姫ちゃんは彼女たちに、『生』の意味を見出した)
ことり(真姫ちゃんが最後に見つけた希望を・・・大事にしてみせるからね)
ことり(ありがとう真姫ちゃん。安らかに)
千歌(あやりさん・・・)
曜(あやりさんはきっと、伝えたいことが山ほどあるんだ)
ルビィ(・・・真姫さん)
千歌(生きることを諦めないでほしかった)
曜(私たちの選択が間違えではないと、証明して見せます)
ルビィ(ありがとうございました。真姫さん)
ことり「・・・さて」
ことり「・・・ふふ、みんな泣き疲れちゃったんじゃない?」
曜「あやりさんこそ」
ことり「ふふっ、そうだね」
ことり「・・・もう、やることは決まってるの?」
千歌「はい」
ルビィ「・・・親鳥製薬に行きます」
ルビィ「理事長と・・・話し合いをします」
千歌「それで世界が変わるなら」
千歌「希望の欠片を逃しません」
曜「そうだね」
ルビィ「・・・チャンスの前髪をはなさないから」
千歌「もって?」
曜「ぎゅっと?」
ルビィ「うん!」
ことり「じゃあ、行こっか」
・・・
親鳥製薬 社長室
理事長「・・・・・・」
理事長「う~ん・・・ヤマト隊と黒澤一派が手を組んだのはわかったけど・・・」
理事長「本当に武器を持ってないのね?靴や、下着の中まで調べた?ほかに人は?」
理事長「・・・うん、通していいわ」
ポーン ウィーン
ことり「お母さん・・・」
千歌「・・・・・・」
曜「・・・・・・」
ルビィ「お久しぶりです。理事長さん」
理事長「久しぶり。元気にしてた?」
ルビィ「おかげさまで」
理事長「そっちの二人はヤマト隊の高海千歌と渡辺曜ね」
千歌「初めまして」
曜「・・・(似てる)」
理事長「A0-01 001・・・動作異常はないみたいね。完成度の高さを自負できるわ」
ことり「あやりって呼んでよ。みんなにはそれで通してもらってるんだ」
理事長「それで?」
理事長「ヤマト隊と、黒澤一派が共謀して、素手で殴り込みに来たの?西木野真姫の意思で」
千歌「違います」
千歌「話をしに来ました」
曜「武器を持ってこなかったのは、争う気はないからです」
理事長「ほぅ・・・」
理事長「貴方達は、ゾンビウイルスを世にばら撒いて」
理事長「自爆シーケンスを起動させようとして」
理事長「最愛の娘であることりを殺して」
理事長「今度は私から何を奪おうとしているの?」
千歌「真姫さんは死にました」
理事長「・・・!?」
千歌「西木野真姫は・・・もうこの世界にはいません」
千歌「彼女から、彼女のしてきたことを全て聞きました」
千歌「その上で、ヤマト隊としてではなく・・・」
千歌「答えを知った・・・一人の人間として、貴方とお話をさせていただきたい」
千歌「3人も一緒です。どうか、対話で、ケリを付けさせて頂けませんか?」
理事長「・・・・・・」
理事長「西木野真姫は、貴方達が殺したの?」
千歌「・・・直接手を下してはいませんが、私たちに影響されて、真姫さんは自ら死を選んだことは事実です」
理事長「貴方達に真実を告げて死んだと」
理事長「それなら貴方達は、西木野真姫の意思を引き継ぎ、世界を破滅させるためにここに来た。違う?」
千歌「私たちは、平和を求めています」
理事長「・・・渡辺曜さん。貴方の身体の事、詳しく教えてくれない?」
曜「この身体は・・・」
千歌「私たちは!」
千歌「平和のために・・・ここまで来ました」
千歌「だからどうか、今は昔のことを忘れ」
千歌「ただ・・・話し合いをさせてもらいたいだけなんです」
千歌「私たちに、その強い意志があることを貴方に理解してほしい」
理事長「・・・わかったわ。何言ってもその一点張りね。いじわるが過ぎた」
千歌「・・・ありがとうございます」
千歌「私たちは、平和のために・・・」
バリーン!!
突然、修復中の社長室の窓が割れる
千歌「!!?」
曜「!!?」
ビュオオオ!!
ズダッ!
降り立ったのは・・・
理事長「・・・・・・」
ルビィ「かなん・・・ちゃん・・・?」
果南「リコールコードA0-01 001。強制シャットダウン開始」
ことり「リコールコード、承認、シャットダウンします」
ことり「」プーン・・
千歌「果南ちゃん!!?」
曜「果南ちゃんなの・・・!!?」
果南「全員、動くな。動いたら撃つよ」
千歌「果南ちゃん・・・なの・・・?」
果南「千歌!」
千歌「!!」ビクッ
果南「動くなよ」
果南「・・・ルビィちゃん」
ルビィ「っ!」
果南「下手な真似はやめて。別に、私だって争いに来たわけじゃない」
曜「なにが・・・どうなってるの・・・?」
ことり「」
曜「あやりさんに何をしたの!?」
果南「あんたにも用があるんだよ。曜」
果南「いや、あんたの中に潜んでる、真姫さんの意思にね」
千歌「・・・まってよ・・・」
千歌「意味が分からないよ・・・果南ちゃん!どうして・・・」
千歌「なにがどうなってるのか千歌わかんないよ!」
千歌「あなたはホントに果南ちゃんなの・・・?どうして果南ちゃんが生きてるの・・・?」
果南「・・・簡単だよ」
果南「『あれ』は私じゃなかった。それだけのこと」
ふぃえんw@gqんj02q^おf-l
果南「んっ・・・」
果南「んんんーーー~~、よく寝た・・・」
果南「・・・ん?ここどこ?」
果南「鞠莉の部屋・・・じゃない、ダイヤの家でもない、千歌も違うな・・・」
果南「あ、あれ?もしもーし!」
果南「・・・・・・」
果南「昨日・・・普通に家で寝たよね・・・」
果南「・・・・・・」ゾワッ
果南「や、やば・・・こわいんですけど・・・」
果南「逃げよう」
寝室から出て、廊下を走る
恐らく玄関と思われる扉は開かなかった。タックルしてもダメだった
他に逃げ道がないか探してみると、どうやらここは地下のようだった
綺麗な部屋にリビングキッチン、お風呂トイレ、寝室、不自由は何もなさそうだった
屋内だけどプールにトレーニングルームもあったよ。正直ここでなら一生暮らしていけると思った
だけどそんなことしてるわけにはいかないもん。おじいが待ってる家に帰らなきゃ
ガンッ!!ガンッ!!ガンッ!!
果南「はぁ!はぁ!・・・嘘でしょ・・・!」
バーベルで殴ってもドアは壊れなかった。ついでに壁も殴ったけど傷一つ付かない
相当頑丈に作られてるみたい
どうやら私は監禁されてしまったらしい
でも犯人は私の事をよく知ってるらしい
プールはこれ海水だ。結構深いし、ダイビングスーツまで準備されてる
ランニングマシーンは走ると目の前の映像が流れて本当に外を走ってるみたいになる
さざえ♪わかめ料理~♪一生食べてもなくならなそう♪
テレビは~ばっちり付くし、ゲームだ!暇ならやってみようかな~
っとと、その前に脱出の方法を考えないと
そしてなにより
このモニター映し出されてる映像
私のよく知る内浦の海を自由に泳いでいる、人の視界と思われる映像
ここ、千歌の家の近くだよ。何度も見たことある
テレビ「あ、千歌だ」
果南「千歌?千歌だ!」
テレビ「おーい千歌ー!」
果南「千歌!!千歌聞こえる!!?」
テレビ「あ、果南ちゃーん!」
テレビ「千歌ー!」
果南「千歌!良かった聞こえてるんだね!なんか、私よくわかんないけどヤバいかもしれないの!」
テレビ「よく私が海にいるってわかったね」
果南「なんか、鞠莉のドッキリとかなのかな!?なんか聞いてる?」
テレビ「なんとなくわかったんだ~。千歌の果南ちゃんセンサーは鋭いんだよ!」
果南「えっ? ・・・千歌?千歌?」
テレビ「今日も海気持ちいいよ」
テレビ「もぉ~ホント果南ちゃんはずっと海入ってても飽きないよね」
果南「千歌?何言ってるの・・・?私は海になんか入ってない」
テレビ「そうだ!果南ちゃん今日お昼食べてく?今日は蟹だって!」
テレビ「いいの?やり~」
果南「千歌?違うよ・・・!それは私じゃない!私はここだよ!千歌!!」
テレビ「果南ちゃん目赤いよ?もう花粉の時期か・・・」
テレビ「うん、やだよね~、ずっと海に入ってよ」
果南「騙されないで千歌!それは私じゃない!!お願い気付いて!!」
テレビ「ほら鏡見て!こんなに真っ赤だよ?」
果南「千歌!ちが・・・」
テレビ「わっ、やばーい」
果南「えっ!!!?」
それは・・・私だった
テレビ「うち目薬とかあったっけな~?貸してあげるよ」
テレビ「助かる~」
テレビ「あ、なんかいい匂い!」
テレビ「聞いて驚かないでね果南ちゃん!なんと今日は蟹のほかに・・・!」
テレビ「なになに~!?」
果南「・・・・・・」
果南「・・・・・・」
果南「・・・・・・」
それは、紛れもなく私だった
ど・・・・・・どういう・・・・・・
なに・・・何が起こってるの?
この、映像は・・・私の視界、私の顔で
それで、私はこの部屋に監禁されている
果南「千歌・・・」
果南「千歌、千歌助けて!!私はここにいるんだ!!外に出れない!!助けて!!!」
ケータイがない、電話もない。外と連絡が取れない
いったい何なの!?
誰かが私に成り替わろうとしている?ドッペルゲンガー?
分からないよ!!一体なにがどうしてこんなことになってるんだ!?
あああああああああ!!!!!
ガンッ!!ガンッ!!ガンッ!!
果南「くっそ!!!」
果南「くそくそ!!!壊れてよ!!!」
果南「くぅぅぅ!!!あああああ!!!!」
果南「はぁ・・・!はぁ・・・!」
果南「はぁ・・・はぁ・・・」
グゥゥ・・・
果南「・・・・・・あっ」
果南「疲れたな・・・お腹なっちゃったよ・・・」
果南「・・・・・・」モグモグモグ
果南「・・・・・・」ガツガツ!
果南「美味い!」
果南「・・・・・・」
テレビ「ニュース見た?ニュース!」
果南「千歌・・・」
テレビ「果南ちゃんみたいなのんきな人は気づかぬ間に感染しちゃうかもよ?」
果南「あ、今バカにしたな?」
テレビ「あ、今バカにしたでしょー!」
果南「・・・・・・」
テレビ「ねぇおじさん!」
果南「千歌・・・?千歌危ない・・・!」
テレビ「おじさん!冗談じゃすまないよ!」
果南「よ、よし!」
テレビ「ぅわああ!!」ブンッ!
果南「やった・・・!」
果南「・・・・・・」
テレビ「みんな・・・目が真っ赤だよ」
果南「なにこれ・・・これは本当の映像なの・・・?」
曜に、善子、花丸、ルビィ、梨子ちゃん
偽物の私は面識のあるみんなに気付かれることなく仲間を集めて行った
次第に私は、この偽物の私を応援するようになっていた
みんなを守れるのは、私じゃない。この、偽物の私なんだって、そんな状況だったから
果南「何やってるんだよ!変にためらうからそんな怪我するんじゃん!」
果南「ダメだよ!行かせちゃダメ!どうして止めないの!?」
果南「曜!!曜良かった・・・!信じてた・・・!」
果南「みんな訓練してるんじゃ私も身体が熱くなってきたよ」
果南「梨子・・・大丈夫。梨子は優しいもん。みんなを守ってあげられるはずだよ」
果南「バカ!!真姫さんの指示に従えよ!!だから・・・クソ!!」
果南「理亞・・・!!殺すなよ・・・生きて反省してもらうんだ!!」
果南「ななかちゃん!!なんでもいいななかちゃんを助けて!!頼む果南!!」
果南「あやりさん・・・!果南、絶対に油断するな!二度も負けるんじゃない!」
果南「ずるいよことりさん!!そんなんじゃなにもわからない!!」
果南「ダイヤ・・・!!」
いつの間にか、映像の果南が、本物の果南だって、私だって思い込んでいた
そして、あの瞬間
果南「果南!!果南危ない!!!」
テレビ「だいやああーーーー!!!」
テレビ「ダアァァァンン!!!!」
果南「果南!!!」
果南「果南・・・!!果南嘘・・・そんな・・・!!」
テレビ 予備バッテリー作動 シャットダウンまで00:02:47
果南「果南・・・?果南生きてるの!!?」
テレビ「ぁ・・・ぅぁぁ・・・・・・ぁ・・・」
果南「曜・・・千歌!逃げて!!」
果南「逃げるんだ!!早く!!二人は生き残るんだ!!!」
テレビ「みんなで・・・そちらに逝きますわ」
果南「ダイヤ・・・」
果南「反省しなよ。またいつか会おうよ。ね?」
テレビ「ズウウウウウアアアアアアアアア!!!!!!!」
果南「ありがとう果南。よくみんなを守った」
ガチャリ
果南「・・・・・・」
ようやく、ドアが開いた
果南「・・・・・・」
そこは、淡島ホテルだった
やっぱりね。人造人間の私を製造したのも、私を守るためにここに幽閉したのも鞠莉だった
果南「私の事を知り尽くしてる部屋だったもん」
果南「・・・・・・」
それから・・・
自分でも驚くほどに冷静だった
あの果南の記憶と共に、鞠莉のデスクを調べ、理事長と接触し事件の真相に辿り着いた
超ヤマト戦艦が爆破したのも見た
だけど、考えたの
ことりさんに言われたこと
人は過ちを繰り返す
今の私が手を出しても、もう一人の私と同じようになるだけ
だから、考えるのが苦手な私が、どうにか頭を回転させて
答えを出した
ふぉえgんmくぉ3いん:お;
千歌「・・・あの果南ちゃんは・・・」
果南「そもそもあの時・・・丸腰だった私はどうしてヘリを爆発させられたと思う?」
果南「それは、千歌が覚えてないだけ。あのショックで忘れちゃってるだけ」
果南「人造人間は、腹の中にある核バッテリーが動力なんだ」
果南「それを蒸発させて爆薬に変えただけ・・・ヘリの爆発の正体はこれだよ」
果南「私だって・・・だんだん自分が偽物なのかとも思い込んできたくらいだし、気付かなくてもしょうがない」
曜「・・・鞠莉ちゃんは、どうしてこんなことを・・・?」
果南「私に・・・生きてほしかったんだよ」
果南「ゾンビウイルスで平和は崩される。それをわかってた鞠莉は・・・こんなことを」
果南「鞠莉に感謝しないとね。おかげで私は生きて、真実に辿り着いた」
果南「そして、私なりの答えを導きだした」
果南「人が、過ちを繰り返すと言うのなら・・・」
果南「過去の過ちを学び、少しずつでも修正していく」
果南「そして、人は変わっていく」
果南「これが私の答えだよ。千歌」
果南「・・・頭空っぽの私が、一生懸命考えたんだ」
千歌「過ち・・・」
果南「この世界の過ち。それは、間違いなく真姫さんの意思・・・」
果南「世界中の人間を殺そうとした真姫さんの呪縛だ」
果南「私はそれを葬り去る。そのためにここに来たんだよ」
曜「・・・!」
千歌「それじゃ・・・!」
果南「わかってるね・・・」
果南「曜。あんたは・・・今は、渡辺曜かもしれない」
果南「だけど、ふとした瞬間に、真姫さんの魂が曜の魂を乗っ取るかもしれない」
果南「あんたは、気付かず、人を殺す」
果南「そんなことは絶対にないと、言い切れないはずだ」
果南「あんたの中にある真姫さんの意思を・・・」
果南「葬り去る。これが私の答えだ」
曜「・・・・・・」
果南「あやりさんはリコールコードを理事長から聞いた」
果南「あやりさんの存在は互いにとって害になるからね」
果南「曜、あんたのリコールコードは?」
果南「それを教えてくれれば、千歌の前であんたを撃たずに済むんだ」
曜「リコール・・・そんなの分からないよ・・・」
果南「なら、力尽くで機能を停止させるまで」
千歌「・・・っ、・・・っ!」
果南「千歌・・・」
果南「・・・どいてよ千歌。当たっちゃうよ」
千歌「だ・・・ダメだよ・・・!」
果南「どうして?真姫さんが正しいって言うの?」
千歌「違う!違う・・・そうじゃない・・・けど・・・」
果南「千歌」
果南「・・・『それ』は、渡辺曜なの?」
果南「曜はね、あのヘリの爆破の時、死んだんだよ」
果南「あの時、曜は自分の身を代えて千歌を守り切ったんだ」
果南「残ったのは心臓だけ」
果南「ロボの曜も、今の曜も、確かに本物の曜の心臓が入ってるかもしれない」
果南「その心臓に、魂は入っているの?」
果南「理事長の人造人間技術の成功で、記憶、感情、容姿のコピーは取れるんだ」
果南「何万もの知能を持ったロボの中で、ただ一人オリジナルの心臓を持っただけのロボ」
果南「それを、あんたは本物の曜だって認識が出来るの?」
果南「設備と材料さえあれば、それと同じ記憶を持ち、同じ容姿を持つロボットをいくらでも作り出せるんだよ?」
果南「千歌は、曜が死んだこと、受け入れられないだけなんだよ・・・!」
果南「死んだ光を無理矢理輝かせようとしているだけなんだよ・・・!」
果南「・・・千歌を守る。そのためだけに生きてきた曜の意思を、真姫さんが乗っ取ろうとしているんだ」
果南「もう・・・終わらせてあげようよ」
果南「千歌」
千歌「・・・・・・」
果南「千歌は、どう思うの?」
果南「真姫さんの意思を、根絶やしにする?」
果南「それとも、それでも曜を守りたい?」
千歌「・・・・・・」
果南「・・・いいよ、ゆっくり考えて」
果南「頑張って考えて、千歌なりの答えを教えて」
果南「みんなの意見を聞いたっていい」
果南「千歌が正しいと思った選択を教えて」
千歌「・・・ルビィちゃんはどう思う?」
ルビィ「・・・ルビィは・・・」
ルビィ「ルビィのお姉ちゃんは、二人とも人造人間に殺されました」
ルビィ「ルビィはやっぱり、人造人間が許せません」
ルビィ「二人が死んでしまったのも、真姫さんの意思が原因」
ルビィ「果南さんと同意見です」
ルビィ「人造人間を・・・」
ルビィ「真姫さんの意思を、生かしてはおけない」
千歌「・・・理事長はどう思いますか?」
理事長「・・・そうねぇ」
理事長「人造人間技術は鞠莉ちゃんに盗まれて手元にはないの」
理事長「鞠莉ちゃんは用心深いからきっと技術を本人しか分からない場所に隠してるはず」
理事長「人造人間技術自体、西木野真姫の才能を大いに利用して完成したものなの」
理事長「つまり、私一人の力じゃもう人造人間を製造できない」
理事長「そこで、曜ちゃん」
理事長「彼女の中の西木野真姫の記憶を掘り出せれば」
理事長「彼女の身体を、有効に活用すればまた技術を取り戻せるかもしれない」
ルビィ「人造人間をまた作るんですか・・・?」
理事長「私がこんなに人造人間に拘るのはね・・・」
理事長「・・・今や一部の地域や離島を除き全国に広がったゾンビウイルス」
理事長「なんとか頑張って研究を続けてるんだけどね・・・」
理事長「ゾンビ化を治すのは、不可能と断言するしかなさそうなの」
理事長「ゾンビウイルスはウイルス保持者に噛まれることで傷口に唾液や血液が混ざり感染する」
理事長「感染者はね、傷が修復しないの」
理事長「噛まれたところから体中の血液がなくなるまで永遠と血を流し続ける」
理事長「もう最初の感染からどのくらい時間が経ったでしょうね」
理事長「感染者はみな、もう体内の血液をなくしミイラ化している」
理事長「そんな状況で、たとえ治療剤が完成したとしても・・・」
理事長「理性が戻った瞬間に失血死してしまう」
理事長「糸一本で繋がっている生命を断ち切ってしまうだけなの」
理事長「そもそもね、ウイルス自体西木野真姫の手により完成されたもの」
理事長「開発データをヤマトに隠し、そのヤマトは爆破してしまった」
理事長「私にはどうすればあのウイルスを作れるのか、治療薬を作れるのかがわからない」
理事長「私はもうゾンビは治せないと思っているの」
千歌「そんな・・・」
理事長「・・・今後、日本で人類はどうやって発展していくか」
理事長「私は、人造人間技術だと考えている」
理事長「人造人間ならば、噛まれても感染しない、ゾンビを一掃するには何よりも向いている」
理事長「先の見えないゾンビの治療薬を開発するよりは、そのほうがいいとは思わない?」
千歌「・・・果南ちゃんはどう思う?」
果南「・・・私に聞く・・・?」
果南「・・・仮に、人造人間技術で日本が潤ったとしても」
果南「それが、生きているとは私は思わない」
果南「そこのあやりさんのように、例えば日常の会話で偶然リコールコードが認識されたら?」
果南「自分が機械だと知らなかった・・・そんな人造人間が自分の正体を知ってしまったら?」
果南「人造人間が、・・・生きてる私たちに対して抱く感情は?」
果南「人造人間技術は消滅させるべきだよ」
果南「モノと対等になることを考えるのは怖い」
果南「確かに、あの果南はみんなを守ってくれた」
果南「私は彼女に・・・命を見出した・・・・・・それは認めるよ」
果南「でも、ダメなんだよ」
果南「操り人形同士の幸福には価値はないんだ」
果南「真姫さんは、この世界自体がおもちゃ箱と言っていたね」
果南「でも、私たちにとってはこの世界は全てのはずだ」
果南「・・・なにより、真姫さんの意思がまだ、そこに残ってるんだ」
果南「ウイルスをばら撒いた、殺人組織を指揮した、・・・梨子を殺した意思がね」
果南「いろんな経験をして、私は真姫さんが悪だと認識した」
果南「私は自分の正義を貫くよ」
千歌「・・・曜ちゃんはどう思う?」
曜「私は、千歌ちゃんに従うよ。そう決めたんだ」
曜「千歌ちゃんが生きろって言えば生きる。死ねって言えば死ぬ」
曜「私自身、私の知らないところで真姫さんの魂が残っているのか、わからない」
曜「でも、確かに梨子ちゃんを殴った感覚を、この手は覚えてる」
曜「自分で自分がよくわからないんだ。もし千歌ちゃんに何かあったら、私は本当に殺戮マシーンになるかもしれない」
曜「ルビィちゃんの望む通り、果南ちゃんの正義に従い、私は死んだほうがいいかもしれない」
曜「・・・だけどね」
曜「これだけは・・・これだけは、絶対に、嘘じゃない」
曜「それは・・・」
曜「千歌ちゃんを愛してること」
曜「千歌ちゃんが、本当の私が死んで、作り物のロボになった私に言ってくれたこと、全て覚えてる」
曜「千歌ちゃんが私を突き放したとしても、私は千歌ちゃんを裏切らない」
曜「千歌ちゃんへの愛は、たとえ千歌ちゃんがどんな選択をしようと」
曜「絶対になくならないからね」
果南「さぁ千歌。もういいでしょ」
果南「決めるんだ。曜を殺すか、曜を守るか」
果南「よく考えて」
果南「急がなくていい」
果南「ゆっくり、ゆっくり考えて」
果南「自分のわがままでいい」
果南「誰も口出ししない」
果南「難しいと思う」
果南「だけど、選んでみて」
果南「自分の未来を決めるんだよ」
果南「じっくり考えて、答えを出してみて」
千歌「私は・・・」
千歌「私は・・・」
私は・・・
1.曜を殺す
2.曜を守る
以下多数決、レスお願いします
エンディングは2パターン考えてあります
過去作にあやかって多数決をさせていただいておりますが、最後には2パターン両方載せます
あなたは夢物語と謂われるゾンビ治療の研究を続けますか?
あなたは人造人間に生を見出しましたか?
みなさんの考えを教えてください
1
まさかのストーリー繋がってたwwwwww
完全に別物だと思ってたわ
2.曜を守る
千歌「曜ちゃん・・・」
曜「千歌ちゃん・・・?」
千歌「言ったよね、私・・・」
千歌「曜ちゃんを愛するって」
千歌「曜ちゃんと生きるって」
千歌「曜ちゃんを守るって」
曜「千歌ちゃん・・・」
千歌「それは、曜ちゃんがどんな姿になろうと、どんな道に進んだとしても」
千歌「決して変わらない・・・私の、誓いだから」
曜「・・・うん、千歌ちゃん」
果南「千歌・・・」
果南「わかってるよね、千歌・・・」
果南「その選択が・・・何を意味するのか・・・」
千歌「うん・・・もう・・・」
千歌「子供じゃないから」
果南「・・・・・・」
千歌「・・・・・・怖いな・・・」
千歌「果南ちゃんのその顔を、私は何度も見たことがある」
千歌「だけど・・・私に向けられるのは、初めて」
果南「うん・・・・・・そうだね」
千歌「ルビィちゃん・・・手を出さないで」
ルビィ「・・・!」
千歌「これを乗り切らないと、私に曜ちゃんを守る資格なんてないんだ」
ルビィ「・・・・・・」
千歌「曜ちゃん・・・」
千歌「待っててね」
曜「・・・うん・・・」
果南「・・・っ」シュ
千歌「・・・!」パシッ
果南「長引かせる気はない。一瞬で終わらせよう」
果南「総弾数8発、安全装置は外してある。確認していいよ」
千歌「・・・・・・」チャカ、ジャギ
ドク ドク
果南「・・・・・・」
千歌「・・・・・・」トコ・・・トコ・・・
果南「そうだね、流れ弾が当たらないようにしないと」
千歌「・・・・・・」ザッ!
ドク ドク
果南「覚悟はいい?」
千歌「・・・うん!」
ドク
ドク
ドク
ガバッ!!
千歌が右に飛び込む
果南「っっ!!」
千歌「っっ!!」
ドクドクドク
ダァンダァン!!!
ダァンダァン!!!
ドクドク
ダァン ダァン ダァンダァンダァンダァン!!!
千歌「っ!」ズサッ!
千歌「はっ・・・!はっ・・・!」
果南「・・・ふふっ・・・」
ズッ!
果南「ぅぅ・・・」
千歌「果南ちゃん!」
ガバッ 倒れる果南を千歌は抱きとめる
千歌「どうして・・・!?なんで当てなかったの!?」
果南「違うよ千歌・・・当てなかったんじゃない・・・」
千歌「千歌が果南ちゃんに勝てるわけがないじゃん!!なんで・・・!」
果南「うん・・・今ならわかる・・・」
果南「千歌・・・」
果南「私は・・・みんなを守りたかった・・・」
果南「ううん・・・そんなのただの強がり」
果南「ホントは・・・千歌を守りたかった、それだけなの・・・」
果南「人造人間の私が千歌を守って・・・」
果南「曜が千歌を守って・・・」
果南「今度は私が守らなきゃって思ったのに・・・」
果南「なぜか私は、千歌に銃を向けていた・・・」
果南「そしたらね・・・なんだか自分が客観的に見えたの」
果南「またどこかにいる、本物の果南が私の事を見ているような、そんな感覚・・・」
果南「なんで私は千歌を守れないんだろうって・・・そう思ったら・・・」
果南「涙で何も見えなくなった・・・」
ツー
千歌「果南ちゃん・・・!!」
果南「曜・・・」
曜「果南ちゃん・・・」
果南「千歌を・・・守ってよね・・・?」
果南「千歌を泣かせたら・・・許さないからね・・・?」
曜「果南ちゃん・・・」
果南「キミは、『渡辺曜』なんでしょ・・・?」
曜「果南ちゃん・・・!必ず・・・!必ず守る・・・!」
果南「ぅ・・・いて、て・・・」
ルビィ「果南さん・・・!」
果南「ルビィ・・・」
果南「ちょっと・・・大きくなったね・・・」
ルビィ「・・・っ」
果南「ダイヤと・・・梨子と・・・」
果南「一緒に見てるからね・・・ルビィの事・・・」
ルビィ「・・・はい」
ルビィ「ルビィが、世界を救います」
ルビィ「お姉ちゃんに・・・果南ちゃんに、見ててもらうから」
果南「うん・・・」ニコッ
果南「あ・・・・・・は・・・・・・」
千歌「果南ちゃん!」
果南「ふふ・・・・・・千歌・・・・・・」
果南「つよく・・・なったね・・・・・・」
千歌「うぅ・・・!大好きだよ・・・!」ポロポロ
果南「ありが・・・・・・と・・・・・・」ニコッ・・・
千歌「果南ちゃん・・・!!」ギュゥゥ
果南「ち、・・・か・・・」
千歌「果南ちゃん・・・!果南ちゃん・・・!」
果南「ぃ・・・・・・かっ・・・・・・」
千歌「果南ちゃん・・・!!」
果南「」
果南「っ・・・ち、か・・・・・・」
果南「ち・・・・・・」
果南「か・・・、、」
果南「」
千歌「果南ちゃん・・・?」
果南「」
千歌「果南ちゃん・・・!果南ちゃん!!!」
果南「」
果南「」・・・ニコッ・・・
千歌「果南ちゃん!!果南ちゃん果南ちゃん!!」
千歌「かなんちゃあああーーーーんんん!!!!」
・・・・・・
・・・
・
・
・・・
・・・・・・
あれから・・・
ザパーン ザパーン
ミーンミンミン
千歌「んん・・・むにゃ・・・」ウトウト
千歌「あ・・・あちぃ~~・・・」
バシャン!!
曜「ぷはっ!」
曜「おーーい千歌ちゃーーーん!!」
千歌「ふあぁ・・・?」
曜「今日も大漁!!」
千歌「えっ!!?うわっ、すごーい何それ!!?」
曜「よーちゃんの目の前に現れたが運の尽き!今日はこやつをいただくとしよう!!」
曜「ごちそうじゃーー!!」
千歌「ぃぃやったーー!!」
私と曜ちゃんは、世界から逃げました
たった二人っきりで、世界の喧騒が一切ない場所でただ生きていたい
そんな私の希望を、ルビィちゃんが認め、曜ちゃんが叶えてくれました
私は、この島が有人島なのか無人島なのか、日本かどうかすら知りません
きっとルビィちゃんは親鳥製薬で、世界のために戦っているんだと思います
果南ちゃん・・・ごめんね
こんな私の子供じみたわがままを、きっと果南ちゃんなら許してくれるよね
もう失うことも・・・思い出すことも怖いんだ
曜ちゃんとただただ生きていく。幸せに
ただそれだけでいい
千歌「よーちゃん随分焼けたね~」
曜「千歌ちゃんこそ、はじめは真っ赤だったけど、今じゃもう真っ黒」
千歌「あの頃は痛くて痛くて辛かったなぁ・・・」
曜「あっはは、慣れるもんだよね」
千歌「曜ちゃん」
曜「千歌ちゃん・・・おいしい?」
千歌「うん・・・おいしい・・・」
千歌「大好き」
曜「きっ・・・そ、そんな急に・・・照れるな~・・・」ポリポリ
千歌「よーちゃんは?」
曜「私も千歌ちゃんの事、だーい好き!」
千歌「ふふ、ありがと!」
千歌「千歌はだーーーい好き!」
曜「じゃあ私はもっともっとだーーーーーーーーーい好き!!」
千歌「あははは!」
曜「えっへへ!」
大好き!
私は今、幸せです
THE END
もう一つのエンディング行きます
1.曜を殺す
千歌「曜ちゃん・・・」
曜「千歌ちゃん・・・?」
千歌「よーちゃん・・・わたしは・・・」
千歌「曜ちゃんを愛すると誓った」
千歌「曜ちゃんと生きると誓った」
千歌「曜ちゃんを守ると誓った」
千歌「それなのに・・・それなのに・・・!」
千歌「私は・・・果南ちゃんの言葉に納得してしまった・・・!」
千歌「果南ちゃんの『答え』に感動してしまった・・・!」
千歌「曜ちゃんを守るはずなのに・・・」
千歌「曜ちゃんを殺すことが正しいと思ってしまった・・・!!」
曜「千歌ちゃん・・・そっか」
曜「その選択に、後悔はしない?」
千歌「・・・・・・うん」
曜「ちゃんとちゃんと考えたんだよね?」
千歌「・・・うん」
曜「覚悟はできてる?」
千歌「うん・・・!」
曜「千歌ちゃん・・・」
曜「希望を・・・失うな」
曜「真姫さんの言葉だよ」
曜「人は過ちを繰り返す」
曜「千歌ちゃんは、この言葉に抗い続けるんだよ?」
曜「そう、誓ったよね?」
千歌「うん・・・!」
曜「果南ちゃん、お願いがある」
果南「・・・?」
曜「私は、千歌ちゃんに殺してほしい」
曜「この世で一番愛する人に・・・」
果南「・・・千歌?」
曜「おねがい」
千歌「ぐすっ・・・うん」
千歌「曜ちゃんはいっぱいいっぱい頑張った」
千歌「私が・・・終わらせてあげる!」
果南「千歌」ヒョイ
千歌「っ」パシッ
千歌「曜ちゃん・・・」
曜「・・・・・・」ニコッ
千歌は、曜の頭に銃を向ける
曜「違うよ千歌ちゃん。そこじゃない」グイッ
曜「私が生きてる部分は・・・ここだけだよ」
千歌「曜ちゃん・・・!よーちゃん・・・!!」
曜「果南ちゃん」
曜「千歌ちゃんを・・・お願いね」
曜「千歌ちゃんを守ってあげられるのは、果南ちゃんしかいないんだからね?」
果南「・・・うん」
果南「千歌を・・・愛すると、千歌と生きると、守ると」
果南「『曜』の意思は、受け取ったよ」
曜「・・・ありがとう」
曜「ルビィちゃん」
曜「頑張ってね。ルビィちゃんが希望になるんだよ」
ルビィ「・・・向こうでもちゃんと見ててね」
ルビィ「ルビィが世界を救うから」
曜「うん・・・!」
曜「千歌ちゃん」
千歌「曜ちゃん・・・」
千歌「痛くないようにしてあげるからね」
曜「ありがとう」
千歌「辛くないようにしてあげるからね・・・!」
曜「ありがとう」
千歌「苦しくないようにしてあげるからね・・・!」
曜「ありがとう」
千歌「怖くないように・・・グズッ、してあげるからね・・・!!」
曜「ありがとう・・・!」
千歌「大好き・・・!」
曜「私も・・・!グズッ、大好きだよ、千歌ちゃん!」
千歌「さようなら・・・!!」
曜「ふふっ、また会おうね!」
ダァン!!!
・・・・・・
・・・
・
・
・・・
・・・・・・
あれから・・・
千歌「果南ちゃーん、そろそろ起きたほうがいいよー」
果南「ううん・・・あと5分・・・」
千歌「またルビィちゃんに怒られちゃうよ?」
果南「んーー?ルビー?むにゃ・・・」
千歌「まったく・・・」
千歌「おはよ、曜ちゃん」
果南「ちか・・・早起きだね~・・・」
千歌「ふつーだよ。果南ちゃんが遅いだけ」
千歌「早く起きないと・・・」
ダンダンダンダンダン!!
千歌「き、来た!」
バンッ!!!
果南「ひぅっ!!」
ルビィ「もぉー!いつまで寝てるのーー!!」
千歌「ごめんなさい!すぐ行きます!」
ルビィ「千歌ちゃんは果南ちゃんを起こしてあげてっていっつも言ってるのにー!!」
千歌「だってぇ、果南ちゃんが自分で起きないのが悪いんだもん!」
ルビィ「言い訳です!」
千歌「ご、ごべんなさぃ」
ルビィ「果南ちゃん!!」
果南「ルビィうるさーい」
ルビィ「こちょこちょこちょこちょ!!!」
果南「きゃーー!!」
ルビィ「よし起きた!早く支度して!」
果南「悪魔だよ・・・悪魔ルビィだ」
ルビィ「ルビィは悪魔じゃありません!」
ルビィ「もぉ!果南ちゃん任務の時はちゃんとしてるのに普段がこんなだからルビィ心配だよ!!」
果南「あっ、今の・・・!」
ルビィ「え、えっ?」
果南「今のセリフ、ダイヤに言われたことがある・・・」
ルビィ「えぇ・・・?」
果南「え、えへへ・・・ねねルビィちゃん・・・今の、もう一回言ってみて?」
ルビィ「っっっ!!もーーー!!」
ルビィ「いいから支度して!!」
果南「はひぃ・・・!」
千歌「ルビィちゃん怖い・・・」
果南「あっ、曜」
千歌「曜ちゃん」
ルビィ「曜ちゃん、みんな」
「「「行ってきます!」」」
あれから、私たちは親鳥製薬で働いています
ルビィちゃんと理事長は薬の開発を
私と千歌は、人命救助を
どちらも先が全く見えないし、無謀な戦いかもしれない
だけど、みんなに誓ったことを
志半ばで絶えてしまった意思を引き継げるのは私たちしかいないから
歩み続けるしかないよね
私と千歌は相変わらずです
千歌はおっちょこちょいだし、私はよくルビィちゃんに心配されちゃうし
あーでも、最近海には入れてないから海が恋しいかな~
でも今は人助けが優先だからね、そんなこと言ったらまたルビィちゃんに怒られちゃう
あっ、ルビィちゃんは変わったよ。なんかすごいダイヤっぽくなった
まぁしっかりしてる人が居てくれると助かるし、あっ、でも起床時間はもっと遅くてもいいんじゃないかな?
しっかり寝ないと力入らないのに
お昼寝しなきゃいいんじゃないの?
夜ちゃんと寝れないのにお昼寝しないなんて無理だよ~
お昼寝しすぎで夜寝れないんじゃん
こんなのルビィちゃんに見つかったら怒られちゃう
果南ちゃんの日記だし
ずるーい卑怯だ
ルビィ「発煙筒は持った?」
果南「はい!」
ルビィ「物資はちゃんとケースに詰めた?」
果南「はい!ルビィちゃん隊長!」
ルビィ「・・・なにそれ」
千歌「はい!果南ちゃんがちゃんとしっかりしてるところをルビィちゃんに見せたいとのことであります!」
ルビィ「むむ・・・ルビィの事バカにしてるでしょ」
果南「いいえ!バカにしていません!ルビィちゃん隊長!」
ルビィ「もぉまた変なこと・・・あーー!!」
果南「えっ?」
ルビィ「果南ちゃんアーマーが着崩れてる!ベルトもちゃんとしてない!」
果南「えっ、だって、今日の任務はそんなに・・・」
ルビィ「今日は何をするのかわかってるの!?」
果南「はい!お台場方面の居住地に物資を届けに行きます!」
ルビィ「外に出るから危険なのわかってるのにどうしてちゃんとできないの!!?もぉー!」
果南「あっ、今の・・・!」
ルビィ「えっ?」
果南「今のセリフダイヤに・・・ねねルビィちゃん・・・今の、もう一回・・・」
ルビィ「むむむむむ・・・!!」
ルビィ「それはもういいです!!」
バタバタバタバタ!!
千歌「それじゃあ、行ってくるね!」
ルビィ「待って!」
ルビィ「えっと、アーマーに、武器に・・・」
千歌「もう大丈夫だってルビィちゃん」
果南「心配性だな~ルビィは」
ルビィ「だって心配だもん!もし、また・・・」
千歌「あっ・・・」
果南(そっか、ルビィちゃん・・・千歌も・・・)
果南「・・・大丈夫」
果南「絶対に死なない。何があっても、私が必ず守るから」
ルビィ「果南ちゃん」ギュッ
果南「お、おぉう・・・」
ルビィ「千歌ちゃん」ギュッ
千歌「えへへ・・・あったかい」
ルビィ「必ず、元気で帰ってきてね」
果南「うん!」
「「行ってきます!」」
希望なんてないかもしれない
平和なんてもう掴めないかもしれない
でも私たちは諦めない
茨の道をいつまでも歩き続けるって誓ったから
ねっ?
うん
忘れてないよ
この世界の
平和のために
果南「こんにちは!皆さんご無事ですか?」
果南「希望を持ちましょう!平和のために!」
THE END
以上で本編全て終了です
見た頂いた皆さんありがとうございました。
コメントいただいた方みんなありがとうございました。めっちゃ嬉しかったです。
個人的には曜を殺すエンドのほうが好きです
過去作でもそうだけど今作でもやっぱり生きる道を選択する人が多いんだなと思いました
真姫ちゃんを通してなるべくなるべく死の選択肢を選ばせたいと頑張ったけどやっぱそうなのかぁってなりました
まぁこんなSSなんかでそんなに考えてないんでしょうけど
最初に全部考えてから書くといったが、特別編3だけは全編書ききった後に書いた
鞠莉の活躍とかなりこ要素と最近キャストSSをたくさん見るからキャスト対決が書きたかった
結局回収したのはキャスト対決だけだったけど
そもそもこの特別編っての事態、第1部で千歌たちパートとダイマリパートの時系列の書き方がめんどくさいからこうしただけ
2,3は過去作と比べるとボリューム不足だから尺稼ぎのためにも作ったって側面もあります
この特別編で尺稼ぎは漫画の今際の国のアリスを見習いました。もちろんいい意味です
過去作では空気なキャラがいっぱいいたため、今作では全員に一度は活躍する機会を与えようと考えました
過去作でことまきなんてマイナーかぷだったのは単純に好きなキャラランキング1.2位だっただけ
サンシャインは果南とか千歌とかダイヤとかが好きです
かなりこ要素を入れたかったのは漫画版の梨子ちゃんがめっちゃ好きだから
3つの組織の対立はFALLOUT4より
人造人間の命だとかはDetroit Become Humanより
セリフ回しは今際の国のアリスっぽく
バトルシーンは龍が如く
この辺の作品をものすごく参考させていただいてます
あなたを・・愛する、生きる、守るってよくでますが、Acid Black Cherry の Prologue End の歌詞を頂きました
千歌ちゃんが誓い誓い言ってたのはプロローグエンドの歌詞の影響ですが、、、从/*>ヮ<§从クスッ
人生が・・痛い、苦しい、辛い、怖いは過去作で真姫ちゃんがよく使ってたやつです
真姫「金のためなら、雪が降ってても台風が来ても会社に行かないといけないの?」・・ワイの愚痴です
・序盤の電波障害は完全にご都合主義です
・梨子ちゃんの言動の矛盾
真姫ちゃんを殺せば終わる→殺せなかったからやっぱり交渉する!
ここはちょっとうまくできなかったと思います
あんだけ平和主義だった梨子が無関係なヤマト隊全員を殺す計画に賛成したこと
・ダイヤの後悔に関して
物語の肝となる行動ですが、やりすぎでしょ!って突っ込まれたらそうですよねとしか言い返せない
鞠莉は内浦の人間や盗んだ人造人間技術を使ってそれこそヤマト隊以上の特攻部隊を指揮しようとしていたので殺して止めた
ダイヤが絶対に交戦しない教えを説いていたのはこれがきっかけですが、説明不足感あったと思う
・特別編3に関して
時系列的にはダイヤが親鳥製薬に交渉に行ってから戻ってゾンビを一掃するまでの間にヤマト戦艦が内浦の港に到着している
学校の屋上からも聞こえる音で果南たちに存在を示したヤマト戦艦を、十千万でお留守番してた志満姉美渡姉共に気付いていない
ボートから梨子ちゃんが逃げているのを見つけ助けた果南たちだがダイヤ、鞠莉を偶然見つけることができず
世話係からヤマト隊の情報をなんも聞けてない
→操縦士たちキャスト陣は内浦の地元アイドルのAqoursって設定(操縦士VS連絡係のシーンより)だから地元の名家の
ダイヤの事やルビィの事操縦士は知ってたし、世話係も顔くらいは見たことあるはず
「平和のために」はヤマト隊の敬礼や掛け声として使われる隊の心中を支える言葉として登場させましたが、
全ては花丸の自爆テロ時のセリフのために用意しました
「平和のために」を支えにして活動していたはずのヤマト隊が「平和のために」という言葉で壊滅する、これをめっちゃ書きたかった
この作品よく、大人になる、とのセリフがありますが、何を基準に大人になることとするのか特に考えてないです
何かをつかむことで何かを諦めるときとか、そんなときによく使ってたかもしれません
ゾンビさんがめっちゃ空気なので特別編2はゾンビに完全敗北した地域を書きました
ゾンビデータ
・目が赤く光ってる(龍が如くOF THE ENDより)
・水辺を認識できない
・噛まれた時だけ感染
・走れない、歩きもよたよた
・めっちゃ雑魚じゃないと勝てないと思ったので
・VSゾンビの描写は文字だと全然上手くいかなかったのでほぼ空気に
・傷が治らない
・傷口から絶えず血が流れ、血を求めて生きてる人を襲う設定
・ウイルス開発者は真姫ちゃん
・天才的な頭脳、過去の記憶などよりウイルスを開発したので他人が同じのを作るのはとても難しい
強さ表
――強者――
あやり(親鳥製薬の本物のことり)
人造人間果南
ことり(ヤマト隊の人造人間ことり、通称あやり)
覚醒ルビィ
ロボ曜
果南
――中堅――
連絡係
聖良
黒装束
曜
操縦士
鞠莉
志満
理亞
美渡
ダイヤ
――以下トントン――
千歌
花丸
善子
ノーマルビィ
梨子
手負い真姫
ゾンビ
理事長
監視員医療係世話係FKTリーダー
作中分け方によっては9回もあるバトルシーンは全部力を入れました
ちゃんと何やってるのかわからなくならないようにするのは難しいです
今見返しても多少なにやってるのかわかりにくい部分があるっぽいのが悔しいです
あんま頭良さそうな文章が書けないのでバトルとストーリーで楽しんでほしいです
・第一部から果南がよくゾンビをぶん投げていたのはアニメサンシャインの影響です
・第二部本編中盤のことりが果南にやった掌底アッパーはJUDGE EYES:死神の遺言より、
八神のEXアクション、EX・走掌底より
・第二部VSあやり戦で淡島に着いたとき、訓練したあやりさんに撃つスキを与えない戦い方は
今際の国のアリスのスペードのキング相手にアグニとドードーがやってたやつ
・果南VSあやりタイマン時序盤、果南のパンチを両腕前腕部で受け止めたやつは
過去作の真姫ゾンビanother episodeであやり3戦目でやったやつ
・同じくタイマン終盤、はぐーから解放されたあやりの冷酷無比な旋回砲火のラッシュコンボは
龍が如く0、極のラッシュスタイルの極み・旋回砲火の極みの動き
・果南があやりに包丁で刺しながら恨みをぶつけるシーン
映画バタフライエフェクトでエヴァンがトミーを殺してしまったシーンっぽくやってる
・果南が志満姉に撃たれヘリを爆破させようと朦朧とする意識のなか爆薬を掲げるシーン
BTOOOM!のヒデコが頑張ってたあのシーンっぽく
・特別編2、理亞が聖良から爆弾を渡されて学校爆破しに行くシーン
ダイイングライトのラヒームが死んじゃうシーンです
・特別編3、ダイヤ&操縦士VS黒装束
刀で決めたフィニッシュ技は龍が如くシリーズ、桐生の秘剣・荒れ牛
・キャスト対決!連絡係の構えは
ジャッジアイズ、八神のEX・穿舞閃(読めない)の殴る前の動き
その後の『極・発勁一閃』はもちろん八神の発勁
・第三部、花丸ちゃんの自爆テロはスーパーミュータント・スーサイダーです
・話も佳境に。覚醒ルビィとことりのタイマン、出会い頭の膝をやったのは
プリズンブレイクの3rdシーズンでマホーンがマイケルに助言してたので
・その後の絶対に負けられない女と女の殴り合いは
龍が如く0で桐生と久瀬の絶対に負けられない男と男の殴り合いのQTE失敗バージョンです
もはや恒例行事の拷問シーン
昔丁度その辺に魚の目が出来てしまい当時それ用の薬とかあることを知らなかった私が裁ちばさみで頑張って切り取ったのですが、
それを思い出しながら書きました
あとはやたら針を使うのが多いのは注射が苦手なのと木のトゲが刺さって痛い思いしたのとか自分のトラウマが無自覚に入ってたんだと思う
前作から一年も期間開けてしまって申し訳なかったです
この板がサーバーダウンかなんかしててアクセスできない期間があり、そんなことを言い訳にずるずる引き摺っちゃいました
>>227 さん、一応>>1 で必ず載せてた「関連」が伏線でやってました
多分もうこのゾンビだらけシリーズしかSS書かないと思います
虹が咲に関してはキャラより声優のほうがわかるくらいなんでちゃんとハマってネタが思い浮かんだらあげるかもしれません
今作に関してはマジで結構考えたので気になる点とかあったら言ってください、答えられるかもしれません
他にも設定の事とか思いついたことあったらちょくちょく書き込みますんでお願いします
ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません