魔王♀「ジョブチェンジじゃ!」メイド「お供します」 (34)


魔王♀「ふむぅ、メイドよ」

メイド♀「いかがしましたか、お嬢様」

魔王「その呼び方はやめよ!妾は魔王であるぞ!」

メイド「申し訳ございません魔王様、昔の癖が抜けずつい昔の呼び方を」

魔王「今の妾は父上から魔法の名を継いだ身じゃ、二度目は無いと思え」

メイド「承知致しました、お嬢様」

魔王「……お主さては楽しんでないか?もうよい、それよりもメイドよ。最近少し変ではないか?」

メイド「と、言いますと?」

魔王「近年妾に挑んでくる勇者どもの力が年々増してきておる…それも少しずつなどでは無く、明確にじゃ」

魔王「最後に来た勇者には今までには無い力強さと攻撃手段の多様化があったのじゃ……この変化は先代の父上の時には無かったはず、いったいどういう事なのじゃ」





メイド「その件ですが魔王様、斥候の者が探りを入れたところ……どうやら王国はジョブチェンジシステムを取り入れたようです」

魔王「…………なんじゃ?そのじょぶなんとやらは」

メイド「どうやら勇者の候補生達に違う職業、ジョブを経験させる事でその強さを底上げできるみたいです」

メイド「ジョブから別のジョブに変えるとき……それまでの能力値の一部を上乗せ、また一から経験値を積む」

メイド「こうする事で人間達は自分達の自力を底上げし、今まで以上の強さを得ているようです」

魔王「」ポカーン

メイド「これも近代化が成せる技なのでしょう」

魔王「その一言で済ませるには中々ブッ飛んでる気もするが……」


魔王「しかしそのシステム自体は中々に素晴らしいのう…己の潜在能力を底上げする技術、興味がある」ソワッ

メイド「なら試してみますか?」

魔王「……なんじゃと?」

メイド「王国に潜入し、勇者候補生に紛れ込めば魔王様もジョブチェンジを体験できるでしょう」

魔王「この妾が人間の街に潜入するじゃと!?」

メイド「魔王様の魔法には変化の魔法もありますよね?いつも勇者の相手をするときはそれで蛇やら獅子やら馬やらなんやら融合した姿で相手してますし」

魔王「魔王には威厳が大事じゃからな、決して本体がこんな小娘みたいな姿だと舐められそうだからとか思ってはいないからな!!」

メイド「誰に言ってるんですか」


魔王「しかしメイドよ……その案は悪くはないな」

魔王「奴らの力の源を妾が掌握し、妾が魔王だと知ったとき…人間達の絶望する姿を想像してみろ……最高に愉快ではないか♪」

メイド「恐縮です」

魔王「ならば善は急げと言う……メイドよ、転移の陣を開け!!今から王国に直接乗り込む!!」

メイド「魔王様ならそういうと思いまして既に準備は整っております」

魔王「くっくっく!準備が良いではないか!メイドよ、貴様も着いてこい!!奴らの力の秘訣を根こそぎ奪い取ろうぞ!!」


人間界[ロハワ国]


メイド「到着致しました、どうやらここが人間の国……勇者候補生達の集まる所のようです」

魔王「ご苦労、それにしてもピンポイントで到着とは中々やるではないか、誉めてつかわす」

メイド「下調べは済んでおりましたので」

魔王「それにしても……お主、いつの間に姿を変えていた?」

メイド「転移中に変化の魔法で少々、と言っても私は肉体の造形が人間に近いので、羽と角と尻尾を消して人間の肌色に変えただけです」←メイド服はそのまま

メイド「魔王様も姿を変えてはどうですか、とはいえ魔王様も角だけ消せばそのままでも通用すると思いますが」

魔王「そうじゃな、そうするとしよう」バシュウ


兵士「ん?君たちはこんな所で何をやっているのかな?」

魔王「国の兵士か、ちょうどよい…妾をジョブチェンジできる所まで案内しろ」

兵士「は、はぁ…?」

兵士(なんだこいつ、ドレスを着てるけど生意気なガキだなぁ)

更新分かりづらくなるから作者はsage外してええんやで


メイド「申し訳ございません、お嬢様は少々…いや、かなり世間に疎いところがございまして」ペコリ

魔王「んなっ…メイド貴様…!」

メイド『敵地のど真ん中で魔王様と呼ぶわけにはいきませんので』←念話

魔王『ぐぬぬ……後で覚えておれ』

メイド「私たちは勇者になるべく家を出てきた者です、私はお嬢様の従者といったところです」

兵士「ああ、そういうことか……なら向こうの受付に頼めばすぐにできるよ」

メイド「ありがとうございます」

魔王「ふんっ、とっとと行くぞメイド!!」ズカズカ

兵士(本当に偉そうな子供だな、いったいどこの家の子供だ?)

>>6
ありがとうございます、付けたまま外すの忘れてました


受付嬢「いらっしゃいませ!転職の神殿にようこそ!!本日はどういったご用件でしょうか?」

魔王「ジョブチェンジとやらを試しに来た、さっさとするがいい」ズイッ

受付嬢「え、ええっと…それではこちらの規約と書類に目を通してサインをしてください」

魔王「そんな面倒な手続きはどうでも良い、妾は早くジョブチェンジとやらを試したいのだ」

メイド「でしたら私がお嬢様の分もサインを致します、規約とやらを見せてください」

受付嬢「はぁ…?それではこちらを…」カサッ

メイド「……なるほど、ではこれで」サラサラ

魔王(面倒だ…このまま姿を現して力尽くのが早いのではないか?)イライラ


メイド「終わりましたお嬢様、あちらの魔石の前で祈りを捧げればジョブチェンジができます」

魔王「ようやくか、待ちくたびれたではないか」

受付嬢「ええっと……そこの方には説明しないで大丈夫なんですか?」オロオロ

メイド「問題ありません、お嬢様が望んだ事ですので………アトナニヨリオモシロソウダシ」ボソッ

受付嬢「!!?」




魔王(これに祈りとやらを捧げれば良いのか……祈りか、産まれてこのかた何かに祈りなんぞ捧げたことなど無かったな)

魔王(どうやれば良いのだ?念話みたいに念じれば良いのか?)ムムム

職の魔石『己の運命を変えんとする者よ、汝はその身を如何様に成りたいと望む…?』

魔王『何でもいい、妾はジョブチェンジとやらを試しに来た。そして更なる強さを得るためだ』

職の魔石『ならば我が一存で決めてしまうが……決して後悔はないな?』

魔王『くどいぞ!!いいからさっさとするがいい!!』

職の魔石『では……汝が旅路に、新たなる旅路を創り上げよう』





>>10-15迄で魔王の新たなるジョブを募集(今後の展開上、なるべく戦闘に適してる職業でお願いします)

【職業名】
【武器】
【戦闘スタイル】
【その他補足】

【職業名】バーバリアン
【武器】石斧
【戦闘スタイル】相手が倒れるまで怪力で殴りぬく
【その他補足】オツムが弱くなって魔法の類は一切使えなくなる

【職業名】魔導師
【武器】杖
【戦闘スタイル】様々な魔法による弾幕戦法
【その他補足】
魔法に特化した後衛職。遠距離戦ならば無敵だが、この職に付くと筋力にマイナス補正がかかるのもあって接近戦に滅法弱い。
また消費魔力が激しいので魔力切れにも注意。

【職業名】レンジャー
【武器】弓
【戦闘スタイル】身を隠し弓による狙撃
【その他補足】潜入が得意になり罠も解除しやすくなる。防具の防御力が低いので注意が必要。

>>13でいきます
あと面倒なのでメイドのジョブもこの中から選びます

パァァ…

受付嬢「あっ…終わりましたね」

メイド「気分はどうですか?お嬢様?」

魔王「……悪くはない、むしろ澄みきっているぐらいだ」

魔王(自分の中の新たな扉が開かれたような……とにかくこの力を試したい)

受付嬢「貴女の今のジョブは魔導師のようですね、魔法を使った戦法が得意なジョブです」

魔王「魔導師か……ちょうどいい」スッ

受付嬢「?」

魔王「妾は今、自分の力を試したくて仕方ない……ちょうどいい的もある」ズズズズッ

受付嬢「あの…ちょっと……なんで石に向かって…」

魔王「最早あの石も用済みじゃ、妾の生まれ変わった力の贄となるがいい!!!」ゴゴゴゴ




魔王「煉獄の業炎よ、一切を焼き尽くせ……ボルケイノ・ディザスター!!!!」カッ

















ぷすんっ











魔王「………………………………………………は?」

受付嬢「………えーっと、こういう時どうリアクションすればいいんですかね?」

メイド「笑えばいいと思いますよ………ぷっ」

魔王(ちょっ、ちょっと待て……妾は込める魔力量も詠唱も間違ってなかったぞ!?)

魔王(なのにこれはどういう………………っ!!!?)

魔王(あ、あれ…?………確かにさっき澄みきった気分とは言ったが、冷静なってみればこの感覚は…!!!)ゴゴゴゴ





魔王(澄みきってるというより…………………す…すっからか………)



魔王「メイドォーーーーーーーーッ!!!!!」

メイド「今のはお嬢様の小粋なジョークですね、お嬢様は人より笑いのポイントがずれてまして」

受付嬢「そ、そうなんですか…」

魔王「メイドゥーーーーーーッッッ!!!!!」

メイド「なんでしょうか……お嬢様……どゅふっ」フフッ

魔王「その妙ちきりんな笑みはやめい!!お主これはどういうことじゃ!!?前まで身体中を漲っていた魔力が…魔力が全然無くなってるではないか!!これはどういう事か!!!」

メイド「前にも言った通りです、前までのジョブの能力値の一部を上乗せ、一からまた経験を積む、と」


メイド「お嬢様の能力値はリセットされ、前までのジョブの経験値の何割かが上乗せされた状態になったのです」

魔王「ま、まて……それでは…数百年間、妾が練り上げてきた魔力が、…また……ゼロから……」

メイド「正確には魔王様のジョブ分、初期値は飛躍的に上昇しています。最終的に魔力に関してはジョブチェンジする前より更に強く成長しますでしょう」

魔王「ど、ドアホぉーー!!!今すぐ元に戻せぇぇぇーーー!!!」

メイド「無理です、一度失ったモノはもう元には戻せません」

メイド「ですが私にも責任はあります、なので私は私なりの精一杯の誠意を見せます…………テヘペロ♪」

魔王「誠意が軽すぎるッ!!!」


受付嬢「あのー……さっきから数百年とか、魔王とかいったいなんの」トスッ

受付嬢「」パタンッ

メイド「当て身です、後で転んで気絶したと兵士に伝えておきましょう」

魔王(……見えなかった、前なら余裕で目で追えていたメイドの動きが…全然)

魔王(わ、妾は……本当に、弱くなっている…!!!)ガクンッ

メイド「安心してください、お嬢様一人だけに棘の道を歩かせるつもりはありません」

メイド「私もジョブチェンジを致しました、私はどうやらレンジャー(>>15)になったみたいです」

魔王「それのどこに安心しろと?……もうよい帰るぞ…今後の事は帰ってから考える……妾は疲れた…」トボトボ

メイド「不可能です」

魔王「………………なんて?」クルッ

メイド「転移の陣は一度閉じるともう一度張らなければ使えません、ですが今の私たちの魔力量では陣を開くための魔力が全く足りてません」

>魔王「魔導師か……ちょうどいい」スッ
>魔王「妾は今、自分の力を試したくて仕方ない……ちょうどいい的もある」ズズズズッ
>魔王「最早あの石も用済みじゃ、妾の生まれ変わった力の贄となるがいい!!!」ゴゴゴゴ

こんなメンタリティなら姿が小娘でも『いつ自分を殺すかわからない化物』と認識されるのが自然で
頭のネジがことごとく外れ落ちていそうなメイドみたいなの以外からは避けられていそうな気がする

魔王「不発!? なぜじゃ!?」

職の魔石『愚かな』

職の魔石『それほどまでに望むのであれば己の信ずる理によって滅びよ』

職の魔石『ボルケイノ・ディザスター』

魔王「なっ……」ジュッ

◆◆◆

メイド「お嬢、様……?」

メイド「……お嬢様?」

メイド「私は誰を呼んでいた……?」

メイド「私は……なぜここに」

◆◆◆

灰「」

職の魔石『魂は輪廻の渦に向かったか』

職の魔石『愚かにして邪なる娘よ』

職の魔石『次の生では誤らぬことだ』


主人公が良心ゼロのヤバイ系だとなんとなくこういう説教展開にしたくなる


魔王「ばっかもーーーん!!!それでは妾達は敵地のど真ん中から帰れないではないか!!これからどうすれば良いのじゃ!?」

メイド「大丈夫ですお嬢様、ひとまずの寝食を確保できる場所はございます」

魔王「こんな周りが敵だらけの所のどこにそんな場所があるのじゃ!!」

メイド「ジョブチェンジを受ける者たちは原則、勇者候補生として扱われます」

メイド「勇者候補生は王国の宿舎に集められ、訓練を受けたり遠征をこなして力を付けていくようです」

メイド「つまり私たちもその宿舎にこれから連れられていきます、そこで力を蓄えれば前よりも強大な力を身に付けて城に帰還できるでしょう」

魔王「い、今の勇者はそんなに大事に扱われておるのか……お父様からはしょっぱい装備と端金を持たされていきなり旅に出されたと聞いていたのだが」

メイド「時代の流れですね、そこまでブラックだと人が寄り付かなくなるのでしょう………そういう事でお嬢様」

メイド「魔王討伐の為の勇者として、これから共に頑張りましょう」ニコッ

魔王「…………メイドよ」

魔王(妾がその魔王だ………!!!)orz


1話 終わり

















メイド「忘れていました、そこの受付の方を兵士に預けましょう…………重い…」プルプル

魔王「そんなところで後悔するな!!!」

今晩の投下終了です、感想とか質問あれば>>1は飛んで喜ぶので良かったら書いてください
完全見切り発車ですがよろしくお願いいたします


あと今後、キャラに名前が付くことになるのですが魔王とメイドの偽名を>>28で決めちゃいたいと思います(なんか変な名前だったら再安価だすかも)
それではおやすみなさい

魔王
ルスラ

メイド
マンダ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom