土御門「第二回童貞妄想選手権~~!!」 (72)


上条「……えっ?」

土御門「さあ、始まりました。第二回童貞妄想選手権。司会の土御門元春だにゃー」

上条「や、あの……、クリスマスパーティーは?」

土御門「審査委員長のカミやん。今日の意気込みの方をよろしくだぜい」

上条「意気込みって童貞妄想選手権の? お前、今日何スマスだと思ってんだよ、クリスマスだぞ! クリスマスっ!!」

土御門「だからこそだにゃー。クリスマスに用がある連中なんて、童貞妄想選手権からは用がないんだぜい!」

上条「クリスマスパーティーは!? 姫神と吹寄を呼んで五人でクリスマスパーティーやる予定だっただろ?」

土御門「来ないって……」

上条「えっ、アイツらドタキャンかよ! 青ピのヤツ、ミニスカサンタのコスチューム作ったり、王様ゲームやるんやーって言ってめちゃくちゃ準備してたじゃん」

土御門「バレたんだぜい……」

上条「なにが?」

土御門「王様ゲームで使う割り箸に細工していることが吹寄にバレたんだにゃー」

上条「なにしてんだよ!!」


上条「細工とかするなよ! で、するならするで物的証拠が残らないように上手いことやれよ! サイン決めたりとかさー」

土御門「サインかー。そうしとけばよかったぜい」

上条「クリスマスパーティーの代わりが……」

土御門「童貞妄想選手権だぜい」

上条「絶対やりたくねぇーんだけど」


土御門「審査委員長の学園都市で一番モテる童貞こと、カミやん。意気込みの方を」

上条「今すぐやめたいです」

土御門「審査委員長の早く童貞をやめたい、という意気込みを頂いたところで」

上条「そういう意味で言ったんじゃないよ?」

土御門「なんと、特別ゲストが来て下さっているんだにゃー」

上条「青ピだろ? 三人で一緒にきたじゃん。ここまで」

土御門「『インディアンポーカー』のSランクデザイナー、BLAUさんだにゃー」

青ピ「どうも、BLAUでーす」

上条「知ってた」

土御門「お会いできて光栄だにゃー」

青ピ「こちらこそ、呼んでくれてありがとー」

上条「この茶番必要か?」


土御門「童貞妄想選手権とは、童貞達の熱い滾る妄想を競い合う選手権のことだぜい!」

上条「見事に追加情報ゼロだな」

青ピ「童貞ならではの熱意、童貞だからこその視点、そしてオリジナリティが重要になりそうやなー」

上条「いいよ、無理矢理盛り上げなくても」

土御門「カミやんには、審査委員長として童貞妄想を500点満点で評価してもうらにゃー」

上条「100点満点でよくない? 審査するの俺だけだろ?」


土御門「童貞妄想が聞くに堪えない場合、カミやんの目の前にあるボタン、『童貞幻想殺し』(イマジンブレイカー)を押すと床が開いて強制的に退場させられる仕組みになってるにゃー」

上条「『幻想殺し』にさらっと『童貞』って文字入れるのやめてくれない?」

土御門「この童貞妄想選手権も時代の流れか大きく変更する点があるんだぜい……」

上条「伝統ある我が大会は~、みたいな重々しく言うの止めろ。第二回大会だぞ」

土御門「国際化の流れ……とでも言うだろうかなぁ」

上条「時代とか国際化とか気にする規模の大会じゃないだろ!」

土御門「童貞妄想選手権の名称を……『Virgin Delusion Championship』に変更するんだにゃー」

上条「想像の上を行くどうでもよさ!」


上条「単に英語にしただけじゃん」

土御門「童貞という言葉は異性と肉体関係をもったことがない男性、って意味が一般的だろ?」

青ピ「あ、そっか……。男女平等に向かって行っている世の中やからか……」

土御門「英語の『Virgin』は男にも女にも使える言葉だぜい」

青ピ「運営側もいろいろ考えてんねんなぁ~、感謝ぁ」

上条「うるせぇよ!」

土御門「童貞妄想選手権だと男性だけを優遇しているように――」

上条「思うヤツいねーよ!? 仮にそこに文句言ってくるヤツがいたらやべーヤツだから! 関わっちゃいけないタイプの人だから!!」


土御門「童貞妄想選手権は新たに、Virgin Delusion Championship……、略して『VDC』へと生まれ変わるぜぃ!」

上条「頭文字だけ取って、それっぽくするのやめろ!」

土御門「英語表記になったから、外国人への知名度向上も期待できるぜい」

上条「そんなものが認知されたら、また外国人が頭悩ますから!」

上条「なぜ日本人はクリスマスにバージン達が妄想を語るんだ、って」

土御門「さらに、『童貞』が『Virgin』になったことによって、男女どちらもウェルカムだぜい!」

青ピ「これには女性権利団体もニッコリやな~」

上条「怒られるぞ!」


土御門「では、早速、第二回童貞妄想選手権のトップバッターをお呼びしようと思うぜい」

土御門「アシスタントは、学園都市最高位の超能力者、食蜂操祈だぜい」

食蜂「どーも♪」

青ピ(なんで来てくれたんやろ?)

土御門「食蜂さんにに手伝っていただいて、『心理掌握』の能力で童貞妄想をゲロってもらうぜい」

上条「今、さらっとえげつないこと言ったよね?」


土御門「張り切っていくぜい! エントリーナンバー1番の方、どうぞ~」

海原「えっと……、エントリーナンバーとはなんですか? 緊急の用があると聞いて来たのですが……」

食蜂「えいっ」ポチッ


………………
…………
……




海原「う、うぅ……」

身体に軽い痺れを覚えながら目を覚ました。

後ろ手に手錠がかけられ、身動きがとれない状態であった。

海原「ここは……?」

ぐるっと周りを見渡してみたが、まったく見覚えのない殺風景な部屋。

海原(捕らえられた時のことがまったく思い出せませんが……)

未だに現状を正しく把握できないでいたが、自分が何かヘマをしてしまったのだな、ということだけは理解した。

扉の向こうから足音が聞こえた。

ぐっと身構え、扉をにらみつける。

開かれた扉の前に四人の少女が立っていた。


御坂妹「これはどういうことでしょう、とミサカ一〇〇三二号はこの現状を尋ねます」

海原(御坂さん!? ……いや、違う)

ミサカ10039号「検体番号一九〇九〇号がこの人を連れ込んでいる姿を目撃しました、とミサカ一〇〇三九号は証言します」

御坂妹「一体何をしようとしているのですか、とミサカは検体番号一九〇九〇号に問いかけます」

ミサカ13577号「この人は確か……、夏頃にお姉様をつけ回していた人なのでは、とミサカはネットワーク上から検出された情報を発信します」

ミサカ19090号「お姉様の恋人候補を連れてきました、とミサカは堂々と宣言します」

御坂妹「……は?」

ミサカ10039号「???」

ミサカ13577号「???」

海原「えっ……?」


ミサカ19090号「この人は本当に、心からお姉様を想っています。この人の存在をもって純愛は存在する、とミサカは主張します」

ミサカ13577号「純愛……。あぁ、ようやく話が見えてきました、とミサカは手を拍ちます」

御坂妹「ミサカには何の話をしているのか、まったく分からないのですが、とミサカは少々苛立ちながら、説明を求めます」

ミサカ13577号「ミサカが『純愛なんて性欲を綺麗な言葉で言い換えただけの言葉』だと言うと一九〇九〇号は立腹し飛び出していきました、とミサカは先ほどの状況を簡潔に伝えます」

ミサカ10039号「それで反論として、この人を連れてきたということでしょうか、とミサカは確認します」

ミサカ19090号「一三五七七号は『男は全員そうです』と発言しました。ということは、一人でも例外の男が存在すると、論理は破綻します、とミサカは一三五七七号の論理を崩しにかかります」

ミサカ13577号「よりにもよってコレとは……、とミサカは一九〇九〇号の人を見るセンスのなさに驚愕を覚えます」

ミサカ10039号「この人は下着売り場までついていこうとする、行動力と積極性を併せ持つ一番たちの悪いストーカーですよ、とミサカは呆れてみます」

海原(うっ……)


御坂妹「ストーキングと純愛は似て非なるものですよ、とミサカは教え諭します」

ミサカ19090号「そ、それは……。お姉様の身にもしもの事があった場合のために警備しているのです、とミサカはこの人を弁護します」

御坂妹「頼まれてもいないのに勝手に警備する人のことをストーカーと呼ぶのですが……、とミサカはもう一度教え諭します」

海原(うぐっ……)

ミサカ10039号「もう少しマシな人は居なかったのでしょうか、とミサカは一九〇九〇号の人選に疑問を抱きます」

ミサカ13577号「誰よりもお姉様を性的に見ている人間を連れてきて、なにがしたいのでしょうか。獣の類いと同じですよ、ソレ、とミサカは呆れ果てながら発言します」

海原「……それは違います」


海原「自分は御坂さんのことをそういった目で見たことは……見ていません」

海原「なんというか……自分は、御坂さんの魂というか、高潔な生き方に心惹かれて……御坂さんを、尊敬しています」

海原「御坂さんの存在は救いで……、御坂さんが存在しているというだけで、自分は救われているのです……」

ミサカ19090号「ふふん。聞きましたか!? これが純愛の力なんです、とミサカは自信をもって勝利宣言します」

御坂妹「意味が分からないのですが……、とミサカは困惑します」

ミサカ10039号「最近、一九〇九〇号がネットワークを切って一人で、純愛と宣伝されているマンガや小説を読み漁っていることは認識していましたが、まさかここまでお花畑になっているとは……、とミサカは驚きをそのまま表現します」

ミサカ13577号「口先だけの綺麗事ならいくらでも言えますよ、とミサカはバッサリ切り捨てます」

ミサカ19090号「この人はお姉様以外の人に心を奪われせず、一途にお姉様のことを想い、影ながらお姉様を守もるナイトなのです! とミサカは力強く主張します」

御坂妹「重症ですね、とミサカは驚きを通り越し、一九〇九〇号の精神状態を心配します」

ミサカ13577号「仕方ありません。現実を見せるしか方法はなさそうですね、とミサカはやれやれ、言いながら気怠げに動きます」


ミサカ13577号「…………」

海原「な、なんでしょうか……?」

ミサカ13577号「ミサカ達が議論している間、ミサカの太ももを凝視していましたね、とミサカはありのままの事実を述べます」

海原「言いがかりです! 自分は見ていません」

ミサカ13577号「顔は俯きながらも目はミサカ達の太ももを見ていたことは既にバレています、ミサカは問い詰めます」

海原「ですから、太ももなんて見てません」

ミサカ13577号「太ももは見ていないのですね。では、見ていたのはこっちですか、とミサカはピラリとスカートをめくりあげます」

海原「なっ……っ!」

ミサカ13577号「正直に見た、と言えば、匂いが嗅げるくらいの距離で見せてあげても構いませんが、とミサカはニヤリと口角を上げながら尋ねます」


ミサカ19090号「浅はかですね、一三五七七号、と胸を張りながら前に出ます」

ミサカ13577号「なにがでしょうか」

ミサカ19090号「この人はお姉様以外に欲情なんてしません。なぜならこの人は純愛者だからです、とミサカは墓穴を掘った一三五七七号をせせら笑います」

御坂妹「…………。明らかにズボンがテントを張っていますが、とミサカは目の前の事実をそのまま発言します」

海原「ち、違います! これは……」

ミサカ19090号「ズ、ズボンの皺です。現にこうやって握ればなんの感触も――」

海原「待って下さいっ! はうっ!」

ミサカ19090号「感触……」

ミサカ10039号「これが現実です、とミサカは一九〇九〇の肩にそっと手を置きます」

ミサカ19090号「…………」


ミサカ13577号「ミサカは一九〇九〇号と違い、こんなものを手で触りたくないので足で確認します、とミサカは靴を履いたまま股間を踏みつけます」

ぐに……っ

海原「かっ……はっ……」

ミサカ13577号「疑いもなく、大きくなっていますね、とミサカは靴の裏からでもわかるほど硬くなっていることを報告します」

ミサカ10039号「まあ、現実の男なんてこんなものですよね、とミサカはこの人を見下しながら吐き捨てるよに言います」

御坂妹「お姉様と会っているときもこんな状態になっているのですか、とミサカは疑問をぶつけます」

海原「いえ、御坂さんと会っている時は――ふぐっ、わぁ!」

ミサカ13577号「力加減が難しいですね、とミサカはわざとらしく戸惑いまがら、グッと力を入れて踏み込みます」

ミサカ10039号「案外丈夫そうなので、全体重をかけても平気なのではないでしょうか、とミサカは無責任に適当なことを言ってみます」

御坂妹「さすがにそれは危険なのではないでしょか、とミサカは窘めます」

ミサカ13577号「では、体重の半分程の力で踏んでみましょう、とミサカは折衷案を実行に移します」

御坂妹「いえ、全体重でなければ大丈夫という訳ではないのですが、とミサカはミサカの主旨が伝わっていないのことに戸惑いを覚えます」

グリグリグリグリーーッ!!

海原「はぐぅっ!? あがあああっ!」


ミサカ13577号「どうやら、気持ちいいみたいですね、とミサカは実験の結果を報告します」

ミサカ10039号「『驚愕』の一言ですね、とミサカは驚きのあまり一歩後退ります」

御坂妹「踏まれると快感を覚えるように特殊な訓練を受けているのでしょうか、とミサカは疑問を口にします」

海原「あっ……かっ、くっ……」

御坂妹「ズボンの中はどうなっているのでしょうか、とミサカはあくまで知的好奇心から発言します」

ミサカ10039号「では、ズボンを脱がしてみましょう、とミサカはそそくさとズボンを脱がし、確認作業を行います」

海原「ちょっ……、やめてください」

ミサカ10039号「脱がせました、とミサカは作業の完了し一息をつきます」

御坂妹「形だけの抵抗でしたね、とミサカは口で抵抗するわりに身体は大して動かしていなかった事実を指摘します」

海原「そんなことは決して……」

ミサカ13577号「こんなにカチカチにして、説得力があると考えているのでしょうか、とミサカは軽く足で撫でます」

海原「はぅっ……、あっ……」

ミサカ19090号「…………」


ミサカ10039号「では、次はミサカがやりましょう、とミサカは靴を脱ぎ準備を整えます」

海原「こ、これ以上されると、もう……」

ぐにゅぐにゅ……

ミサカ10039号「靴下越しとはいえ、生々しい感触ですね、とミサカは素直な感想を漏らします」

海原「はぐっ……」

ミサカ10039号「どうですか、気持ちいいですか、とミサカは分かりきったことをあえて聞いてみます」

海原「気持ちよくは……」

ミサカ10039号「では、やめましょうか、とミサカは問いかけます」

海原「ぐっ…………」

ミサカ10039号「沈黙は肯定ととりますよ、とミサカはさらに迫ります」

海原「…………」

ミサカ10039号「そうですか。一日中履いていたムレムレの靴下で踏まれるのがそんなに気持ちいいのですか、とミサカは心底嫌悪感を覚えながら吐き捨てるように言います」

ミサカ19090号「…………」


ミサカ13577号「こんな時になんなのですが、是非とももう一度さっきの話をしていただきたいのですが、とミサカは若干にやけながら尋ねてみます」

ミサカ10039号「さっきの話というと、お姉様の魂がどうとか、救いがどうとかという、あの中身のないストーカーポエムのことですか、とミサカは一三五七七号に問いかけます」」

御坂妹「こんな状態だと説得力皆無だと思いますが、とミサカは客観的事実を述べます」

ミサカ10039号「ペニスがが強く脈動し、今にも破裂しそうにぴくぴくと震えています、とミサカは現状を報告します」

海原(ぐっ……、靴下のざらつきとぬくもりがあまりにも刺激が強い……)

ミサカ10039号「なにかネバネバしたものが足に付着したのですが、これが精液でしょうか、とミサカは疑問を発します」

御坂妹「透明の液体ですね。確か精液は白濁色たったはずですが、とミサカは特徴の違いを指摘します」

ミサカ13577号「粘性が確認できます。ニオイはどうですか、一〇〇三九号」

ミサカ10039号「ニオイを嗅ぐことは拒否します、とミサカは強く訴えます」

御坂妹「ミサカも嗅ぐことは断固拒否します、と強固な精神を持って断ります」

ミサカ13577号「右に同じです、とミサカも力強く拒否します」

ミサカ妹「…………」

ミサカ10039号「…………」

ミサカ13577号「…………」

ミサカ10039号「では、この人に嗅いで貰いましょう。ニオイはどうですか、とミサカは謎の液体でベトベトになった足で顔を踏みながら尋ねます」

ぐにぐにぐにぐに……


ミサカ10039号「顔を足で踏まれているのに更に大きさが増しました、とミサカはペニスの変化をつぶさに報告します」

御坂妹「顔を踏まれることは屈辱ではないのですか、とミサカはこの人の心理状態が理解できず戸惑います」

ミサカ13577号「驚きの変態力ですね、とミサカは惜しみない賞賛を送ります」

ミサカ10039号「表情から察するに、快感を感じているのでしょう、とミサカは推測します」

御坂妹「この反応は特殊なのか、一般的なのか、とミサカは判断に迷います」

ミサカ13577号「恐らく、ど変態にカテゴライズされる特殊な人であると、ミサカは予想します」

御坂妹「……多少興味が湧いてきました。ミサカも触れてみます、とミサカは靴下を脱ぎ、素足でこの人のペニスに触れることを宣言します」

海原「す、素足で……。ぐっ……!」



ミサカ19090号「死ねばいいのに……、とミサカは一人つぶやきます」




御坂妹は海原の正面に座り、両足で肉棒を挟み込んだ。

生暖かい足が触れた瞬間、肉棒は強く脈動し、今にも破裂しそうにぴくぴくと震えた。

御坂妹の生足が、亀頭のくびれのあたりを擦り、刺激をさらに膨らませていく。

両足の五本の指か器用に動き、肉棒全体をソフトに愛撫した。

「そこ……は、かっ……、くっ……」

とぎれとぎれの言葉で抗議したが、御坂妹はまったく意に返さず、さらに足の親指と人差し指で、カリ首をぴったりと押えだした。

御坂妹が足の指で亀頭を掴むような動きでゆっくりと撫でていく。

爪先が亀頭の先にある鈴口に触れる度に、ヒクヒクと小さく痙攣し、その箇所からじくじくと透明な汁が溢れ出てくる。

「どんどん溢れてきて、もうべとべとですね、とミサカは感想を漏らします」


御坂妹は亀頭のくびれあたりを集中的に擦った。

さらに強い衝撃が――下半身に電撃が走ったかのような快感が広がった。

「ここのくびれているところを……重点的に擦るのが一番反応がいいですね、とミサカは検証の結果を報告します」

「先ほどの感触ですと、根元からくびれにかけて、つーっと爪先を這わせた方が反応がよかったように思いますが、とミサカは一番と断定するには早すぎると反論します」

少女達の会話も声は聞こえているが、脳は言葉として認識できないでいる。

「では、爪先で這わしてみましょう、とミサカは再検証を実施します」

太ももを揺らしながら、足の指で裏筋をたどっていく。細い足が擦り、撫で、震え続けた。

「はぁぁぁ……」

海原は、思わず情けない声をもらしてしまう。

こそばゆい刺激が、さらに上の快感を呼び起こす。

「というか、本人に聞けばいいだけなのではないでしょうか、とミサカは至極単純な方法を提案します」

「『くびれくにくに』と『裏筋つーっ』ではどちらが気持ちいいのですか、とミサカは単純な二択の質問をあなたにします」

海原の言語機能は、興奮によりまともに機能していない。

息を吐くだけで精一杯で、しゃべられる状態ではなかった。


御坂妹「もはや意思の疎通は不可能ですね、とミサカはため息をつきます」

ミサカ13577号「まさか、言語機能が乳幼児と同じレベルまで落ちているとは、とミサカは驚愕を露わにします」

ミサカ10039号「乳幼児ですか……。そう思えば愛らしく見えなくないような、とミサカは不思議な感情に困惑を覚えます」

御坂妹「しかし、ここまで変態だと、お姉様の貞操の危機なのでは、とミサカはお姉様の身を懸念します」

ミサカ13577号「確かに、お姉様の処女性に関わる大問題です、とミサカは一〇〇三二号に同意します」

ミサカ10039号「では、誓約してもらいましょう、とミサカは提案します」


ミサカ10039号「今後一切、お姉様に近づかないと誓うのなら、たまに踏んで上げますよ、とミサカは甘い誘惑仕掛けます」

海原「ぐ……っ!」

御坂妹「今、ビクッとペニスに反応がありました。ミサカは効果抜群であったことを報告します」

海原「み、耳もとで囁くのはやめてください……」

ミサカ13577号「耳を責めていれば、落ちるのも時間の問題ですね、とミサカは冷静に分析します」

ミサカ10039号「お姉様に近づかいと誓うのであれば、あなたに溜まった汚い精液を足でビュッビュッしてあげますよ、とミサカは耳元で妖艶に追い打ちをかけます」

海原「くはっ……」


御坂妹「どんどん大きくなっています、とミサカは現状を報告します」

ミサカ13577号「『誓う』の一言だけで、いっぱいシコシコしてあげますよ、ミサカはさらにたたみ掛けます」

海原「ぐっ……はっ……」

ミサカ10039号「いい子ですから、『誓います』と宣言して、ドピュドピュしましょうね、とミサカは乳幼児に語りかけるような優しい口調で射精を促します」

海原「あぁ……っ、あっ……くっ……」

御坂妹「五秒以内に決断しなければ、足でシコシコするのを止めてしまいますよ、とミサカはアメとムチでいうところのムチを使います」

海原「ち………………ます」

海原「誓い……ます……!!」



先ほどまで一定のリズムで緩やかに動かされるだけだった御坂妹の足が、一気にペースを早めていった。

グニュグニュグニュグニューーーーーッ!!

「はぐぅっ!? あがあああっ!」

自分のものとは思えない叫び声とともに、強烈な快感が脊髄を通じ駆け上がった。

目の奥がチカチカし、世界が点滅する。

海原の脳はもう射精以外のことを考えることができない。

「ああぁぁっっ!」

ビュルビュク、ビュル……!

溜めていたモノを一気に吐き出した。

背が大きく仰け反っていく……。

その引けていく腰を御坂妹の足が追いかけ、さらに扱く。

だからまた連続して、

「あああっ……あっ……、あぁ……」

扱かれる度に噴き出す精液。

数秒の間の射精に、海原は全てのものを吐き出し、全てのももの失った、そんな気がした。

「こんなに、出るもなのですか……、とミサカは驚愕します」

両足は精液でぐっしょり濡れている。

ポタポタと白濁がしたたり、御坂妹の太ももにもその跡を残していた。


ミサカ13577号「分かりましたか。純愛だなんだと言っても、所詮、こんなものですよ、とミサカは一九〇九〇号に教え諭します」

ミサカ19090号「そうです……、このペニスのせいです。全ての元凶はペニスです、とミサカはとある結論にたどり着きます」

ミサカ13577号「……、一九〇九〇号?」

ゲシッ

海原「ぐはっ……」

ミサカ19090号「これさえなければ純愛なのです、とミサカは力の限りこの人の股間を蹴ります」

御坂妹「股間は急所ですよ。力の限り蹴るのは……、とミサカはさすがにやりすぎだ、と一九〇九〇号に警告します」

ミサカ10039号「一九〇九〇号の目の焦点が合ってません、とミサカは一九〇九〇号の異変に危機感を覚えます」

ゲシッ、ゲシッ、ゲシッ!!

ミサカ10039号「この玉が諸悪の根源……。この二つの玉を潰してしまえば、純愛は成立します、とミサカは理想が崩れたのなら、作ればいいという簡単な結論にたどり着き、その理想のために行動を起こします」

ゲシッ、ゲシッ、ゲシッ!!

海原「あ、あああああああああああああああああああああああ!!!」






上条「その幻想をぶち壊す!!」ボタンPUSH!!





上条「赤い方の液体がでるわぁーーーっ!!」

上条「蹴っちゃだめだろっ、蹴っちゃ! 全力で股間蹴っちゃったらエロとは違うなにかだろ……」

上条「玉がヒンッっなったわ……」

青ピ「そんなことよりさ、カミやん……。えっ? 御坂美琴ちゃんって、四つ子の妹がおんの?」

上条「ん? んん……」

上条(四つ子どころじゃねーんだけどな)

青ピ「御坂美琴ちゃんとそっくな妹が4人もおんの? 最高やん」

上条「んん……。そのへんはぼんやりさせとかない?」


青ピ「御坂美琴ちゃんのご両親、めちゃ偉ない? 自分たちの子供やったら美少女になるはずやから、あと4人産んどこ、ってなことやろ?」

上条(御坂の両親は産んでないけどな……。ややこしくなるから言わないけど)

青ピ「御坂美琴ちゃんのご両親が脱税しても5億までなら許しちゃいそうやわ~」

上条「なんで脱税する前提? 1人一億計算なのな」

青ピ「おそ松さんやん。美少女版おそ松さんやん。その四つ子がチンチン踏んでくれるなんて、エロ松さんやん」

上条「赤塚不二夫に喧嘩売んの?」


青ピ「美琴ちゃん含めて5人おったら、1人くらいボクでもいけるんちゃうか、って希望が湧いてくるな」

青ピ「仏だって3度までしか許してくれへんのに、5回もチャンスがあるんか」

上条「1回で情報共有されて、おしまいだと思うけどな」

青ピ「四つ子の妹キャラと5P……。鉄板やなぁ」

上条「そういうもんなの?」

青ピ「はぁ……。マジかぁ。美琴ちゃん、お姉ちゃん属性持ちかぁ。妄想はかどるわ~。はぁ………」

上条「浸りすぎだろ……」


青ピ「最初、妹ちゃんが靴履いたままチンチン踏んだときに、あれ、御坂美琴ちゃんの妹って悪い子なのかな? って不安になってん」

上条「へぇ……」

青ピ「その後、次の子は靴下履いたまま、その次の子は素足で……っときて、3つのパターンを楽しめるように配慮して踏んでくれてたんや! なんや、妹ちゃんええ子やん! って安心するわけ」

上条「チンチンを足で踏む人間は総じて悪い子だと思うけどな」

青ピ「悪い子なのかも……って不安にさせて緊張感を高めて、生足で足コキしてくれるんかいっ! ええ子やんと緊張感を緩和する……」

青ピ「これって、二代目桂枝雀が言ってた笑いの理論、『緊張と緩和』と一緒やな。エロもまた、緊張と緩和……いや、足コキと緩和が必要やねん!」

上条「落語界にも喧嘩売るの? それに意味わかんねぇし」


青ピ「本命の子か、頼めば足コキしてくれる妹か……。究極の選択やな」

上条「まあ、妹に足コキしてもらった男と付き合うヤツはいねぇよな」

青ピ「子供に『パパとママ、どっちと暮らすの?』って訊くくらい残酷な二択やな」

上条「そんな重い話と一緒にするなよ」

青ピ「選べるわけないやん! あえて選ぶならどっちもや! 妹ちゃんに足コキされながら、あわよくば姉と付き合う可能性を探る方を選ぶわ!」

上条「ゲームだったら、バットエンド一直線の選択だな」

土御門「妹達とは5Pも夢じゃないぜい」

上条「童貞妄想自体が夢みたいなもんだけどな!!」

青ピ「ん~~~っ、無罪っ!! だって年下美少女に罵倒されながらちんちん踏まれたいもんな~」


青ピ「好意的やった妹ちゃんの一人が、『死ねばいいのに』ってとこまで好感度が落ちていく所がM的にBP――勃起ポイントやな」

上条「新しい言葉生み出すなよ」

青ピ「失望されたくないねんけど、蔑まれると興奮する、そういった矛盾を抱えてるのが人間やん?」

上条「お前の感性は一般化できねぇけどな!」

青ピ「痛し痒し勃起し(ぼきし)みたいな。痛し、痒いねんけど勃起しちゃう……人間だもの」

上条「お前、さっきから造語作りすぎじゃね? んだよ、ボキし、って……」


青ピ「っか、さっきから一歩引いた感じで喋っるけどぉ。じゃあ、カミやんはどういう風にチンチン踏まれたいん!?」

上条「踏まれること前提!?」

土御門「オレは義妹に踏まれたいぜい」

上条「さらっとヤベー事言うな!」

上条「俺はそうだな……。『やめなよ、かわいそうだよ』とか言うわりに全然止める気ない子に踏まれたいな!」

青ピ「あぁ、わかるぅ。この子はボクの味方なんかな、助けてくれんのかな、って思わせといて、『いや、一番楽しんでますやんっ!』ってツッコミたくなるような子やろ? ええなぁ」

食蜂「……………」

上条「アシスタントからゴミを見るような視線を向けられてるから、これ以上はしゃべんねーけどさ。そういうのがいいな」


土御門「さて、カミやん。500点満点で得点は――っ」

上条「……200点」

青ピ「200点って言うと、100点満点で換算すると……40点? えっ? 低ない?」

上条「換算するんだったら100点満点で発表させてくれ」

上条「っか、トップバッターからちんちん踏まれてどうこうって……。なんかダメダメだよ。小学生相手に初球スライダーから入るくらいダメだ」

青ピ「年下の女の子やから評価が辛いんとちゃうん?」

土御門「カミやんは寮の管理人のお姉さん筆頭に、基本的に年上のお姉さんがタイプだからにゃー」

上条「そういう訳じゃねーけどさ」

土御門「でも、例えば相手がねーちんとかなら得点も上がるだろう?」

上条「そもそも、踏まれたいって願望が、実はよくわかんねーんだよな」

青ピ「えぇ……。さっきめっちゃ具体的な踏まれたい案出してたやん」


上条「どっちかっていうと、踏みたい派だな。おっぱいを!」

青ピ「おっぱいを踏む……? なんで?」

上条「受動的なものより能動的な行為の方がよくない?」

土御門「まとめるなら、カミやんはねーちんにちんちんを踏まれるより、ねーちんのおっぱいを踏みたい派なんだにゃー」

上条「まぁ、そうかな。うどん作る勢いで踏みたいな」

青ピ「結構体重掛けんねんな! ほぼ全体重やで、あんなん!」

上条「神裂なら耐えられるだろ。なぁ?」

土御門「…………」

上条「なんで無視!?」

土御門「じゃあ、次のチャレンジャーいくぜい」

上条「次行くなよ! 俺のおっぱいうどん処理してから行けよ!」


土御門「エントリーナンバー2番の方、どうぞ~」

ステイル「…………」

上条「お、おぅ……ひ、久しぶり」

ステイル「ゲスだな、君は」

上条「まーた、土御門にハメられた」

上条「だから、例えに神裂出してきたのか」

土御門「ちなみに、ステイルは“おっぱいうどん派”? “おっぱいそば派”?」

ステイル「質問の意味が分からないし、理解しようとも思わないし、君を火だるまにしてやろうと思っている」

土御門「相変わらず冗談が通じないヤツだにゃー。じゃ、よろしくー」

食蜂「えいっ」ポチッ


………………
…………
……




【イギリス】


上条「ここ、イギリスだよな。思いっきり日本の旅館って感じなんだけど……。ここが思い出の場所なのか?」

神裂「はい、よく三人で泊まりにきました」

ステイル「僕と神裂とあの子の“三人で”よく泊まったよ」

神裂「イギリスにいるとどうしても日本のものが恋しくなってしまうのですよ」

上条「ホームシックってやつか?」

神裂「そんな時、日本びいきのオーナー夫婦が建てた日本の旅館を模したホテルを発見しまして」

神裂「ステイルとインデックスを連れて、何度も泊まりましたよね?」

ステイル「僕たちの住んでいる場所から目と鼻の先にあるのに、よく泊まりにきたね。“三人で”」

上条「三人って強調しなくてもわかってるよ」

インデックス「……………」

上条「どうした? インデックス?」

インデックス「記憶にないんだけど……懐かしい、感じがするんだよ」

上条「お前らの思い出の場所らしいし、記憶がなくても、心が覚えてるのかもしれないな」

インデックス「心……」


神裂「ここのオーナー夫婦はもうご高齢で、もうすぐこの旅館風ホテルをたたんでしまうそうです」

上条「そうなのか」

神裂「だから、どうしても最後にみんなと来たかったんです」

ステイル「みんなっていうのは、僕と神裂と――」

上条「しつこいな!」

神裂「ちなみに、今日は貸し切りにしていますから、お好きな部屋を選んで下さい」

上条「おぉ、豪華だな」

神裂「お風呂は手前が男湯、奥が女湯ですから」

上条「……なぜ、俺の目を見ながら言う?」

神裂「大事なことですから。男湯は手前ですよ」

上条「…………」

神裂「では、行きましょうか。所々中国風が混ざっていますが、あまり気にせずに」



【PM6:20 脱衣所】

ステイル「露天風呂を独り占めだろうと思って来たが、上条当麻の服があるな……」

ステイル「まぁ、仕方ないか」

ガラガラ

ステイル「…………?」

ステイル(上条当麻の姿が見当たらないな)

ステイル(脱衣所に服がある以上、露天風呂のどこかにいるはずなのだが……)

ステイル「おーい」

神裂「ス、ステイルですかっ!!」

隣の女風呂の方から神裂の驚いた声が響いた。

ステイル「神裂か。や、今のは上条当麻に言ったつもりだったんだが……!」

神裂「な、なぜステイルがそのことをっ!?」

ステイル「……? 何を言っているんだい? 脱衣所に上条当麻の服があるのに、本人の姿が見当たらないんだ」

神裂「あ、ああ! なるほど! そういうことでしたか。すみません。早とちりしてしまいました」


神裂「わっきゅっ!」

ステイル「……なにごとだ?」

神裂「と、鳥です。露天風呂ですから、鳥が入ってきて。それで驚いてしまって」

ステイル「ああ、そうか」

ざぷっん

ステイル(ふぅ……。丁度いい温度だ。入浴という文化は嫌いではない)

神裂「―――ですって! ――――。どうし――!?」ボソッボソッ

隣の女湯から話し声が聞こえてきた。

ステイル「……ん? もしかしてインデックスも一緒に入っているのかい?」

神裂「い、いえ! 私一人です! ひ、一人ですっ! なぜですか?」

ステイル「誰かと話しいるように聞こえたんだが……。僕の気のせいかな」

神裂「も、もしかしたら、露天風呂のあまりの気持ちのよさに独り言を話していたかもしれません」

ステイル「そうなのか……」

ステイル(独り言という感じには聞こえなかったが……)


ステイル「この露天風呂まで取り壊してしまうのだろう。なんだか惜しい気もするな……」

神裂「そっ……っっ! です……ね」

ステイル「ん? どうした?」

神裂「なっ、なんでもありま……くっ……ありませんよ」

ステイル「声が苦しそうに聞こえるが……」

神裂「いえいえ、本当になんでもありませんっ!」

神裂(やめてください、ここでは)ボソッ

ステイル「…………?」


ステイル「もうすぐ夕食の時間だし、僕はもうあがるよ」

神裂「ま、待ってくださ、今はぁ、ぁんっ!」

ステイル「えっ? 待つのか?」

神裂「いえ、ステイル言った訳ではなく……というのも違って……あぁっ!」

ステイル「何を言っているんだ?」

神裂「いや、ちょっと……、あっ、あんっ」

神裂(やめて下さいっ。今の状況がわかっているんですかっ)ボソボソ


ステイル「やはり誰かといるんじゃ……」

神裂「だ、誰もいませんよ。私一人です……よっ……んんっ」

神裂「んぅぅ……! だ、大丈夫です。そ、その、露天風呂が気持ちよくて声が……」

ステイル「のぼせたんじゃないのか?」

神裂「んっ、あっ……あぁ、そうみたいですね。はぁ、はぁ……。のぼせてしまった、みたいです……」


神裂「あくっ……❤」

ステイル「神裂?」

神裂「あっ、あんっ。あ……その、背中に水滴が落ちてきまして……。それで驚いてしまって……」

ステイル「ここは露天風呂だぞ」

神裂「あっ……。あ、雨ですかね。背中にきっと雨粒が落ちてきたのかもしれません」

ステイル「そんな天気には見えないが……」

神裂「かっ……あんっ❤ また雨粒が……」




神裂(な■でもあなた――こと聞き―すから、ステイルがいる■は……はんっ❤)ボソボソ

神裂(わかりました。お尻でもなん■も――。ですから今は……)ボソボソ


神裂「っは……、やめっ……❤」

神裂「っ……! 大きいっ❤❤」

ステイル「か、神……裂……?」

神裂「その……、ここのお風呂がっ……はぁっ……はぁ……大きいので……あっ❤」

神裂「大きくて気持ちいいっ❤……ので………あっ❤ お、大きいです❤」

神裂「何度も出たり入ったりしてて……❤❤」

神裂「イきますから、ステイルっ……。私もすぐに夕食に……はぁっ❤ 早くイッて……く…ださいっ!」

神裂「すぐにイきますからっぁ❤❤❤」

神裂「んんんっ、んっ! んんぅぅぅぅぅ❤❤」



ステイル「…………」

さすがに僕でも気付いてしまう。

今の神裂の状況を。

神裂は“誰か”と一緒にいる。

そして、その“誰か”は、わかりきっている……。

ステイル「…………くっ」

神裂が誰とどうしようが、僕にはどうでもいい。

どうでもいいのだが……。

ただ、僕の心の中に苦い灰色が一面に広がっていくのを感じていた。


ステイル(別に神裂が誰となにしてようが僕にはどうでもいいことだが……)

胸に澱が沈殿していくような、

ただただ、不愉快。

思い出の場所を汚された気分だった。


【菊の間】

ガラガラ。

インデックス「…………」

ステイル(一人か……。神裂と上条当麻は露天風呂に居るのだから当たり前か……)

ステイル「なにを見ているんだい?」

インデックス「かおりからアルバムを借りたんだよ」

ステイル「アルバム……? あぁ、昔のやつか」

ステイル(三人でずっと居た頃の写真……。僕と神裂と記憶を失う前の……)


ステイル「懐かしいな。神裂が使い捨てカメラを大量に買ってきたんだったかな」

インデックス「……」

ステイル「しかし、ひどい写真ばかりだ。僕らの寝顔ばかり撮ってなにが楽しいんだか」

インデックス「……この写真を見てると不思議な気持ちになるんだよ」

ステイル「不思議な気持ち?」

インデックス「この時の記憶はないけど……、写真の中にいる私の気持ちはわかるような気がするんだよ」

ステイル「……」

インデックス「たぶん、この頃の私はすているの事が好きだったんだよ」

ステイル「えっ……」

ガラガラ

上条「ふぅ……。出した、出した」


神裂「あ、あなたはっ! インデックス達の前でなんてことを言うんですかっ!!」

上条「あっ? なにが?」

神裂「だ、出したとか……その……」

上条「汗のことだけど?」

神裂「えっ……」

上条「風呂入って、いっぱい汗を出した、出したって意味で言ったんだけど。なんだと思ったんだよ?」

神裂「それは……ぐぅ……」


インデックス「とうま。ゆっくりしすぎなんだよ」

上条「いい湯だったから、ついつい長湯してしまったぜ」

上条「温まって、出すもの出して、これぞ慰安って感じだよな~」

インデックス「……? とにかくすごくいいお風呂だったんだね?」

上条「っか、インデックスは入らないのか? 好きじゃなかったけ、でっかい風呂」

インデックス「…………あとで一人で入るからいいんだよ」

上条「なんで?」

インデックス「……とうまのせいなんだよ」ボソッ

上条「俺のせい……? あぁ、あれね。別に見られてもいいじゃん」

インデックス「よくないんだよ」ゴニョゴニョ

ステイル(なんの話をしてるんだ……?)


【夜】


ステイル「…………」

――インデックス「たぶん、この頃の私はすているの事が好きだったんだよ」

ステイル「眠れないな……」

ステイル「煙草も切れてしまったし」

ステイル「もう何箱か持ってくればよかったな……」

ステイル「…………」

ステイル「こんな時間だが、どこかで煙草を買えないものか」


ギシッ……ギシッ……。

何かが軋む音がする。

???「――あっ ぁっ!!」

甲高い女の声が耳を突いた。

――神裂の声ではない――

ねだるような、媚びるような、艶っぽい女の声。

――あの部屋から――

???「あぁん! あぁっあっ、あんっ! んんっ、んっ!」

――あの子の部屋から――

???「とう□! □うま! 気持ちいいっ! 気持ちいいんだよ あっ! あっ!」

僕は何者かに操られたように、扉を少し開けた。


上条「あーすげぇ……。やっぱインデックスは締まりがいいな」

インデックス「そこは! そこダメなんだよ! 何度も擦っちゃ、あぁっ!」

インデックス「はぁ、おちんちんズンズンしちゃ、んんっ! ダメなんだよっ!」

上条「何がダメなんだよ! 好きなクセして! ここがいいんだろ? オラオラ!」

インデックス「そこ……はぁむっ……んっ! 弱いからズンズンしちゃ、あぁっ!」

上条「え? ズンズンして欲しいって?」パンパン

インデックス「違っ……! んんっ! あぁっ! あんっ!」

インデックス「あっあっ、あぁん! ま、またイっちゃ……」

上条「いいぞ! イけよ! ほら、イケって!」


上条「おい、インデックス。いつまで休んでんだよ。俺まだイッてねーんだけど」

インデックス「イッたとこ……イッたばっかりなんだよ。もう少しだけ、休ませて欲しいんだよ」

上条「あぁ? お前だけイッて、俺はイケねぇなんて、そんな理不尽なことあっていいはずねぇだろ」

インデックス「で、でもぉ! 気持ちよすぎて、頭おかしくなるんだよ!」

上条「おかしくなれよ! 穴さえ開いてりゃ、いくらでも愛してやるよ」

インデックス「やだっ! 嫌なんだよ! やっ、んっはぁ!」

インデックス「あっあっ! やっ、凄い! 凄いぃぃぃ!!」

上条「いいぞ! 今日も存分に使い倒してやるよ」

インデックス「壊れちゃうぅぅぅ! 壊れるんだよっ!」


上条「……!!」

上条「インデックス、ちょっと扉の方を見てみろよ」ボソッ

インデックス「はぁ……、はぁ……? 扉?」チラッ

バタン!!

インデックス「と、とうまっ! 誰かに見られたんだよっ!」

上条「たぶん、ステイルだろ」ズンッ

インデックス「んあぁぁっ!! ダメなんだよ。聞かれちゃうんだよ」

上条「存分に聞かせてやればいいじゃん。きっとまだ、扉の向こうにいるぜ」

インデックス「ダメなんだよっ! とうまっ!」

上条「聞かれたくなかったら、ステイルにお願いすればいいだろ。『聞かないで』って。オラオラ!」


インデックス「あ、あんっ! あぁ……、き、聞かないで欲し、んんっ、だよっ……」

上条「あぁ……、でもステイルの前でインデックスを犯すのめちゃくちゃ興奮するなぁ」

インデックス「ダメなんだよっ! あんっ! 聞かれてるっ、んっ」

上条「更に締め付けてきやがるっ……。負けてらんねぇ!! オラッ!」

インデックス「こんなのダメっ❤ とうまのおちんちん、ズボズボだめなんだよ!」

上条「おっおおっ……。すげぇっ……」

インデックス「だ、ダメなんだよ! 聞かれてるんだよ。だめっ……今は…ダメ……やあぁ❤」

上条「俺にじゃなくて、ステイルに言えよ」

インデックス「す、すているっ!! お、お願いだから、どっか行って欲しいんだよ!」


上条「けちけちしなくても、聞かせてやればいいじゃん」パンパン

インデックス「嫌なんだよっ!」

上条「だってさ。ごめんな、ステイル」

上条「インデックスには、俺がきっちりお仕置きしておくから」

インデックス「やっ、ダメっ……」

上条「ほら、反省しろっ!」パンパン

インデックス「とうまっ! いつもより硬くておっきぃんだよぉ❤」

上条「ほらっ! ステイルに謝るんだ!」

インデックス「あんっ❤ ごめ、んんっ、ごめんなさい、すている❤」

上条「オラッ! 膣にだすぞっ! インデックスもイッていいぞ! ステイルの前でイクんだっ!」

インデックス「あっ❤あっ❤ んんんんんんんうううううう❤❤❤❤」

ビュビュビュッ……ビュルッ!



上条「その幻想をぶち壊す!!」ボタンPUSH!!



上条「最低のクズ野郎じゃねぇーかっ!!」

上条「やるわけねぇだろっ! こんなことっ!」

青ピ「思い出の場所や、ゆーてんのにな」

青ピ「全部上書きしたれってことなんかな?」

土御門「人間性疑うぜ、カミやん」

上条「なんでヘイトが俺に向いてんだよっ!」


土御門「『穴さえ開いてりゃ、いくらでも愛してやるよ』って……」

青ピ「ホンマ、カミやんのこと許せないって気持ちがフツフツと湧いてきたわ」

上条「俺はお前らが許せねーよ」

土御門「にゃー。俺にもこんなに正義を愛する心があったなんて……新しい自分を発見したぜい」

上条「童貞妄想内の俺相手に勝手な正義感を燃やすのやめろっ!」

青ピ「カミやんが最後まで、なんの報いも受けてないの胸クソやな~」

土御門「正義の鉄槌を喰らわせたいぜぃ」

上条「冤罪の友人を断罪する正義ってなんだろな!」


青ピ「今回の童貞妄想は、これまで寝取られ、陵辱、覗き、とジャンルごとに個別に鑑賞されていたものを、エロ全体を包含する広大な空間のもとに統一的に表現しようとする試みがあり、言い換えれば、寝取られた側の肌感覚や思慕感情としてのエロティスィズムと結びついていた原体験を、寝取り・寝取られといった座標軸のフレームワークをかりて再編成し、実体験的で現実的なスケールに縮小してみせた童貞妄想なんやと思う」

上条「あー……、うん?」

青ピ「すなわち、実体験を生活空間から一旦、切り離して、非現実的なエロを混在させ、再統合することによって、全体を均一に見せることに成功した、というのが、今回の童貞妄想の特徴やとボクは思うねん」

上条「……………って、騙されないっっ!!」

上条「急な真面目やめろよ! あと、ぽくしてんじゃねーよっ!! 小難しい言葉並べて、それっぽくしてんじゃねぇよ!!」

上条「高尚なものにしようとしても無理だからな! だってこれ童貞妄想選手権だからね!」



上条「っか、いい加減にしろよっ! なにが童貞妄想選手権だ」

上条「普通さ、童貞妄想選手権だったら、自分の童貞喪失の妄想を語るんじゃねーの!? ステイルは覗いてるだけじゃねーか!」

土御門「童貞妄想選手権の普通とは一体……?」

上条「うるせーよ! そこは乗っかってやってんだよ」

青ピ「童貞妄想の定義とはなにか――? 難しい問題やな……。ボクが思うに――」

上条「やめろ、やめろ! また、っぽい事言うだけだろが!」


上条「現実の俺は、あんなこと言わないし、しないし。そもそもちんちんやセックスにそこまで自信がねぇ」

上条「っか、寝取る側の間男が自信ありすぎじゃね?」

土御門「それが寝取られってジャンルだぜい」

上条「どうすんだよ、『どうだ……旦那と比べてどっちがデカいんだ?』とか言って、『同じくらいかな……』とか返されたら」

上条「立場ねぇよ。そうなったら、『へ、へぇ……。旦那もなかなかやるじゃん』みたいなことし言うしかないだろ。もはやギャグじゃん」


上条「あと、寝取られビデオレターとかよく出てくるけど、あんなもの送ったら、絶対裁判に負けるだろ」

上条「寝取る側の間男って社会的地位が高い奴おおいじゃん? 大ダメージ受けるよ」

上条「どんなに権力持ってても、あんな映像が世間やネットに出回ったらタダじゃ済まねぇよ」

上条「自分が不利になる決定的証拠をなんで送りつけるの?」

土御門「S心を満たすとか、征服欲のためじゃないかにゃー」

上条「でもさ、寝取られビデオレターを観てショックを受ける旦那の様子は見れないだろ」

上条「DVD送って、旦那のリアクションを想像して楽しむの?」

上条「『ククク、今頃、妻を寝取られたDVDを観て絶望している頃か……。いや、まだこの時間は家に帰ってないか……? ……時間帯指定にすればよかったな……』じゃねーんだよ!」

上条「『あっ、しまった。DVDの表面になにか書いておけばよかった。「あなたの妻の真実がここにあります」とか。いや、シンプルに「玲菜 ラブホテルにて」でもいいか。毎回送ってから良いアイデアが思いつくんだよなー』じゃねーんだわ!」

青ピ「カミやんの想像上の間男、マヌケ過ぎひん?」


上条「もし、青ピが将来、結婚して寝取られて、寝取られビデオレターが送られてきたとするだろ」

青ピ「結婚してから寝取られるまでが最速ぅ」

上条「そしたら、俺は間男の会社に乗り込みに行くし、相手の親にも『こんなの届いたんですけど』って会いに行くぜ」

青ピ「ホンマに?」

上条「当たり前だよ! そんな舐めたことしてきたら、徹底的にやってやるよ」

土御門「なら、オレもツテというツテを使っていい弁護士を探してくるぜい」

土御門「半年間毎日、エロい店に通ってもまだまだ余るくらい慰謝料取ってくるぜい」

青ピ「暖けぇ……。なら、ボク寝取られても安心やなー」


上条「…………なんか恥ずかしくなってきたな。童貞妄想きっかけで友情が深まるって、なんか恥ずかしい」

土御門「にゃー。それだけ童貞妄想には人の心を動かす力があるんだな」

上条「それはねぇ」

上条「次行こうぜ、次」

土御門「カミやんが寝取られの間男に熱い想いを持っていることがわかった所で次へ行くぜーい」

上条「その表現やめろ!」

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