【安価】被験体のいる日常 (95)

人暦160年。神々が統治権を人類に与え、人の世が始まってから一世紀半が経った時。

世界の片隅にひっそりと暮らしていた魔族たちが蜂起し、人類の領土の6割を強奪した。

人暦197年。僅かな領土を護り、奪われた土地を取り戻すために、残存した人類唯一の拠点である王城に、腕の立つ兵(つわもの)が招聘された。

集いし兵の中には、某国の英雄から、同族からも畏怖された死刑囚まで、身分問わず様々な人がいた。

人暦199年。魔王城に押し入った勇者と魔王の総力戦の果て。

勇者は見事魔王を打ち破り、人類に一応の平和を齎らした。

人暦203年。魔王軍残党の討伐と、来るべき国家間戦争に備えた軍備増強に勤しむ世界で、役目を果たした勇者は隠棲していた。

男「………」

森林の奥に佇む寂れた一軒家。その中で、嘗ては勇者と讃えられた若き英雄が大欠伸をしている。

このような僻地を訪ねる者など、共に戦い背中を預けた仲間くらいか。

あとは…。

コンコンコン

男「………」

他に俺の家に来る奴誰かいたかな。

男「金なら無いし、食い物も無い。野盗なら見逃してやるから帰った帰った」

コンコンコン

男「………」

男「はぁ」カチャリ

愛用の鉄剣を携え、ドアを開ける。そこには、予想外の面々が大勢いた。

男「…王国のマッドサイエンティストじゃん。なんで来たの」

研究者「勇者様に頼み事です」

男「勇者様って言われたかねぇなぁ。今の俺は一般人、パンピーよ」

研究者「そうですか。私も時間は無いので手短に済ませますよ」

男の軽口を流し、研究者は淡々と要件を伝える。

男「…被験体の育成だぁ?」

研究者「ええ。我々が開発した被験体は、元は他所から調達した女性を利用しています」

研究者「が、開発の副作用…とでも言いましょうか。皆赤子のような未熟な精神状態なのです」

研究者「単刀直入に言いますと、目的は人格形成に及ぼす影響の調査です」

男「なるほど」

俺みたいな暇人より、もっと適任者はいるだろうに。

いや、暇人だからこそ、か。

男「しかしまぁ。『調達した女性』とは、どれだけ非道いことをしてるんですかね」

研究者「誰もが望まれて産まれるわけではありません。貴方のように、疎まれて産まれる者もいます」

男「…ケッ」

研究者「我々は、そんな憐れな彼女らに、産まれてきた意味を与えているのです。とは言っても、貴方からすれば方便にしか聞こえないでしょうが」

男「否定はしないよ」

結局、誰も彼も適当な言葉を並べ立てて、都合の良いことしか言わないものだ。

言葉の裏には、いつだって悪辣な感情が隠されている。

それは俺も例外じゃないが。

研究者「貴方に渡すのは、このリストに記載された被験体です。好きなように扱って構いませんが、殺すのだけは禁止します」

男「あいよ。…ふと気になったんだけど、なんで被験体って女限定なの?」

研究者「女性の方が、生理的耐性が高いからです。ほら、出産する時とか、子供を胎内に入れたまま一年近く過ごすでしょう」

研究者「半分は自分の肉体ですが、残り半分は父親の肉体…即ち、別人の肉体です。それを胎内に受容出来る…」

男「あー…。難しいのは解らないからもういいよ」

こいつ、俺が学校に行ったことがないのを知ってて言ってるわけじゃあるまいな…。

被験体を下3あたりまで募集
荒らし系と思しき安価は除外なのでご了承を

出たキャラからこっちで一人採用します
余ったキャラは後々再利用の予定

実験内容は、ファンタジーチックなものでお願いします
機械化とかも大丈夫ではありますが、そっち方面は魔術的な感じにしてネ

コードネーム:被験体としての名前。
種族:ベースとなった女性の種族。
特殊能力:実験により付与された特殊能力。元々の能力があれば『その他』に記載。
実験内容:どのような改造、実験が行われたか。
概要:どんな人物か、などの紹介欄。
その他:上記項目に含まれない部分の記載。

研究者「では、失礼します」

男「もう二度と来るなよー」ビッ

中指を立て、研究者の姿が消えるまで見送る。急に来て、要件が済んだらとっとと帰るとは、なんとも自分勝手である。

男「しかし…」チラッ

被験体とやらを置く場所が机の上て。

もうちょい置くとこは何とかならなかったのか。

男「………」

男「早く起きてくれませんかね…?」

飯を食いたいのに、机を占領されてるのは困るのですよ。

男「」チーン

数分後。俺の頬は真っ赤に腫れていた。

いや、何の断りも無しに目を見たのは悪いと思ってる。

魔眼持ちだって、引っ叩かれた後に資料見て初めて知ったんだわ。

女の子「………」ブルブル

男「………」

うーん。ファーストコミュニケーションには失敗したようだ。

男「…ベラドンナ、ねぇ」

錬金素材としても市販されている、毒草の名前だったか。

フルネームは長いからベラと呼ぼう。三文字も短縮出来るし、呼びやすい。

ベラドンナと何をするかを下1に
旧友を訪ねたり、旧友が来訪する場合はそのキャラの特徴を併記

とりあえず普通のキャラ用テンプレート

名前:
種族:
性別:
特殊能力:なくてもいい。
概要:どんなキャラか。
その他:上記項目に含まれない部分。

男「ほれ、採集用のバスケット」スッ

ベラ「あ…うぅ…」パシッ ギュンッ

おずおずと手を伸ばし、バスケットの取手を持つや否や、一瞬で5mほどの距離を取る。

過去を考えれば仕方のないことか、と割り切り、男は市販の弓矢を背負い、移動を始める。

男「…よし」カチャ

矢を番え、左眼に魔力(マナ)を収束させる。

竜胆の光が左眼に灯り、視界に映る光景は、遙か彼方の獲物の体毛一本まで映す。

男「………」キリキリキリ

弦を引き、狙いを定める。鏃に注がれるマナは、爛々と煌きシリウスのようだ。

男「っし。いい肉が手に入ったから、今日はご馳走だな」

矢を放った直後に、それがさも当然であるかのように言葉を漏らす。事実、放った一射は、正確に大熊の頭部を撃ち抜いていた。

口笛を吹きながら、軽い足取りで進む男の後を、怯えながらベラが追う。

木々の言葉に耳を傾け、見えない視界の情報を補足する。

が、それにも限界がある。完璧に把握出来なかった僅かな段差に、足を取られた。

不測の事態に目を瞑り(元から何も見えていないが)、迫り来る衝撃に備える。

しかし、それは一向に来なかった。

男「足場が悪いんだから、気を付けろよな」

ベラ「あ…」

足を引っ掛け、体勢を崩すまでの刹那の中で、男は真横に立ち身体を支えた。

内心、柄にもないことをした、と後悔しながら、右腕と左腰を支える。

ピタリと止まった自分の身体。何が起きたのか、と目をパチクリさせる(誰にもその様子は分からないが)ベラだが、すぐに現状を理解し、固まった。

はあ、と溜め息をついた男は、落ちたバスケットを拾い、強引にそれを押し付ける。

男「さっさと肉の処理をさせてくれ。生肉は痛むのが早いから、血抜きとか早めにやりたいんだよ」パッ

ベラ「は、はい」

戦利品までの道中に手頃な種子をもぎ取り、つまんでいる男の後を追う。

ベラは胸に手を当て、波打つ鼓動を感じていた。

今も続く動悸は、忌避する男性に触れたからなのか。それとも。

男「…よいしょ。これで処理は終わりかな」

必要な部分だけ切り取られた、見るも無惨な熊の死体。血抜きには付近の清流を使ったため、下流域は赤く濁っている。

一月は食い繋げる量の熊肉を得た男は、満足気な表情で帰路に着く。

熊の胆嚢は薬として高く売れるんだよなぁ。誰に売ろうかなぁ。

だとか。

半分は干し肉にして、残り半分は香辛料をぶち込んで贅沢なスープにしてやろう。

だとか、ワクワクを抑えきれない男の影に隠れ、ベラはマーライオンしていた。

耐性無い人にグチャグチャな死体見せたらこうもなろう。

ベラドンナと何をするかを下1に
旧友を訪ねたり、旧友が来訪する場合はそのキャラの特徴を併記

男「王都住まいの時に買い込んでよかった。この魔法の液体があれば、干し肉が作り放題だ」

調達した肉から脂身を削ぎ落とし、一口サイズに切り分ける。大きすぎなければそれで良いので、形や大きさはバラバラだ。

調味液に肉を漬け込み、小分けされた壺に保管する。食事の準備や入浴を終えた頃には、丁度良い漬け具合になってるって寸法よ。

残った脂身と、今日の夕餉用の肉は胡椒、唐辛子を揉み込み、丹念に臭いを消す。

とは言っても、道具や素材を揃えるにも一苦労のど田舎では、完全に臭いを消すことは出来ない。

男「まぁ、何もしないよりかは圧倒的に獣臭さは無いからマシだけどな」

下拵えを済ませ、面倒くさいから食材を全部鍋にぶち込む。火を付けて一煮立ちさせた後、消火して余熱でじっくりと煮込んでいく。

グツグツ グツグツ

男「肉の味が染み出すまでおよそ1時間。さて、後のタスクは…」

余りの肉は別室の保存庫に押し込み、冷却用のエレメントを作動させる。ただのマナの結晶体だが、こういった使い道があるとは当時は驚いたものだ。

食事に関する仕事は終わった。なら、後は身体を休めるだけだ。

カポーン

男「もうちょい離れてくれ」ギチギチ

ベラ「離れられるなら、離れてますっ…」ギチギチ

ちびっ子一人を入浴させて、のぼせてゴートゥヘヴンされては敵わない、と冗談交じりの理由で押し切り、混浴状態となりました。

子供の裸体なんか見たって、股間のエクスカリバーはくだものナイフのままなんだけどな。

元々一人用で作った風呂だからか、子供と大人一人が入るには、少々狭いようだ。

背中合わせで浴槽に入るが、足を伸ばすことなんか出来やしない。

ベラとのトークタイム
風呂で話したい内容とか行いたいことを下2まで

背中合わせで浸かること数分。無言に支配された空間に、チャプチャプと水音が響く。

男「何か話題はないのかね」

ベラ「話題…って言われても…」

時間を潰すにも、俺は語るような過去は持っていない。

殺して奪って捻じ伏せて。そんな話を楽しく聴くような相手じゃないことくらい、解ってる。

男「…エルフ族、だったか。ベラの種族は」

ベラ「…はい」コクリ

男「エルフ族って、どんな種族なんだ?森に住んでる長生きアーチャーだってことしか知らないんだわ」

ベラ「どのような…種族…」

ううむ、と唸り、それから黙りこくった。言いたくない、と言うよりかは、どう言えばいいのか分からないような感じだ。

魔眼に支配された男(勇者の男とは違うぞ!)に強姦された心傷からか、長命なエルフ族の中ではまだまだ子供のベラは、尚更精神が幼くなっている。

とは言っても、同年代の精神状態の子供たちよりかは成熟しているが。それでも子供、お子様と言って差し支えないレベルだ。

男「何か言ってくれぃ」

ベラ「どう、言えばいいのかな…」

お前に分からないものを、俺が分かるわけないじゃろ。

また訪れた沈黙に耐えかね、男はせっせと髪を洗い、風呂を終えようとする。

男に背中を向けたまま、ベラはボソリ、と呟いた。

ベラ「…あなたなら、効かないのでしょうか」

男「あん?」

反射的に返答した男だが、ベラの言葉はあまりにか細く、仔細までは聞き取れなかった。

ベラ「…あなたといれば、この眼に苛まれることはないのでしょうか?」

振り向きもせず、膝を抱き抱えた状態で再度呟く。

この言葉を聴き、漸く男は内容を理解した。

ああ、こいつは嫌なのか。

好きで手に入れたわけではない力に、傷つけられるのが。

自分ではどうすることも出来ず、ただ苦しむだけの毎日が。

考えてみれば当たり前だ。突然見知らぬ人から嬲られるのが、楽しい奴などいるわけがない。

だが。

男「魔眼の制御をしたい…そんな考えを持ってるのなら、今はやめとけ」

男「小動物にも勝てないようなお前じゃ、何も出来ねぇよ」

今、この環境で克服しようとしても。関わっているのが俺一人なら、もし俺が魔眼に魅入られたら。

その時は、本当にどうしようもなくなる。

男「…人が壊れるとこを見るのは、流石に気分が悪くなる」ボソッ

冷めた目でベラを見やり、男は風呂から出て行った。

ベラと何をするかを下1に
旧友を訪ねたり、旧友が来訪する場合はそのキャラの特徴を併記

ベラ「………」チャプッ

先程は勇気を出して頼んでみたが、冷静に突っぱねられてしまった。

だが、言っていることは割と単純だった。今はその時じゃないから、暫く待て。

もっと力を付けた後ならいい。言っていたのはこんな感じのことだった。

ベラ「あの人相手が…ダメなら…」

ふと、気になった。

この眼は、視線が合った相手を、強制的に自身に欲情させる力を持つ。

ならば、自身を見つめた時はどうなる。何も起きないのか、それとも、自身に欲情するのか。

湧き出た疑問を解決するため、恐る恐る鏡に視線を移す。漆黒の瞳が映った瞬間に。

意識を、失った。

男「遅いな。頭でもぶつけたか?」

風呂上りのラフな格好で、スープを器に注いでベラを待っていた男だが、いつまで経っても風呂から出てこない。

もしや脱走したのではあるまいな、と慌てて風呂場に向かうが、そこには。

男「………」アゼン

ベラ「はぁっ…はぁっ…」クチュクチュ

紅潮し、自身を慰めている全裸のベラがいた。

何があったのか、その原因は秒で見当がついた。魔眼の仕業であることは、ベラの様子を見ても確定的に明らかだ。

息遣いは荒く、小刻みに身体を震わせながら、秘部に手を伸ばし弄っている。

何もこんなとこで盛らなくても。脱水症状とか出たらどうすんの。

そんな冷静なツッコミを心で入れるが、男は内心かなり焦っていた。

男「どうすりゃ穏便に済ませられるかな…」

この緊急事態、下手な対応をしたらベラのメンタルが完全にクラッシュしてしまう。

共同生活初日から発生したとんでもないアクシデントに、男は頭が痛くなる。

どう対処するかを下2まで


これはちょっぴり先の未来のおはなし

突如として現代社会のこの世界に異世界へのゲートが繋がりまくってしまった地球

悪魔、鬼、天使、死霊、獣人、魔獣、機械人形、食人植物、無機生命体……えとせとら

異界からの来訪者たちは私たちの世界を勝手知ったる顔で蹂躙し尽くそうとしたが人間はゲートを逆に利用し、異世界の住人を呼び出し、使役する召喚術式を編み出したのだ

それから数年後、サモナーと呼ばれる者たちの活躍のお陰で世の中は少しずつ平和を取り戻していった


そしてここに、新たにサモナーになろうとしている青年の姿があった


「遂にこの時が来た…」

「資格、講習がめんどくさくて独学で勉強してきた成果を今こそ出すとき」

「じいちゃん……形見の召結晶、使わせてもらうよ…」

(そして俺は……)


(ぜっっったいに可愛い女の子召喚獣と契約してエッチしてみせる!!!)クワッ!


しかし理由はわりと邪(よこしま)なのだった


青年の名前>>2(舞台は日本なので和名でお願いします)

完全なる誤爆、ごめんなさい

エッチなシーンはどう書けばいいのか迷うわね
ハートが文字化けしてたらごめん


自分を慰めること。それ自体はまあ、普通にあることだ。マスターベーションやオナニーっていう、それを表す言葉があるくらいだから。

自慰行為を行うのは、抑圧された欲望の発散の為、欲求不満の解消が目的であるのが殆どだ。

だが、ベラは。目の前の少女は、全く違う理由でそれをしている。

身体を蝕む毒(欲望)を発散するのではなく、理解の及ばない現状から逃げるための逃避行動。

したいからする、のではなく、そうしなければいけない、そうするしかないのだ。

男「…はあ。こういうこと、経験は全然無いんだけどな」スタスタ

他人を悦ばせる方法なんて、よく分からない。戦ってばかりいた俺が知っているのは、戦うことだけなんだ。

でも、やらなきゃならない。

俺が何もしなければ、ベラのこの行為は彼女だけで完結してしまう。誰にも、文句一つ言うことは出来ない。

こうなったのは、鏡を見たりだとかの自業自得なのだろうが。このアクシデントの原因は、研究者共に仕込まれた、後天的な魔眼だ。

原因を思えば、ベラを強く責めることは出来ない。なら、逃げ道を作ってやる必要がある。

俺が関われば、全ての責任を俺に転嫁出来るようになる。悪者にされるのはいい気分じゃないが、最悪は防げる。

まあ、ベラはまだ子供だ。今回は大目に見て差し上げましょう。

男「失礼」スッ

ベラの両手を掴み、身体を起き上がらせる。蕩けたような視線は、なるべく合わせないように視点をずらす。

手が股座から離れ、動きが鈍る。その隙に左手で顎を持ち上げ。

男「………」チュッ

眠れる美女を目覚めさせるように。砂の薔薇を抱えるように。少女と優しい口づけを交わす。

自身に欲情しているのか。やり場の無い欲望から逃げるためにそうしているのか、俺には判断がつかないが。

これで俺をターゲットにしてくれれば、少なくとも自分を責めることはないだろう。

ニャンニャンするなら、もっと大人のレディがいいんだけどなぁ。

ベラ「………っ?」

思惑通り魅了の矛先が変更されたようで、口を離してもベラは接吻をしようと顔を近づけてくる。

…ここからどうするねん。

ベラ「ん…?んっ?」クチュ チュッ

両手をフリーにさせたのは失敗だったらしく、ベラは右手で性器を弄り、左手と顔を近づけ、首筋に吸い付いてくる。

男「………」ウーン

子供だから本番はダメ。かと言って実力行使で無力化は悪魔の所業だからダメ。周りには人っ子一人住んでいないから助力を請うのもダメ。

と割と詰みに近い状況で、頭を働かせる。そして、一つの心理に辿り着いた。

男「………!」ピーン

男「俺がシコるように対処すればいいのでは???」

諸葛亮孔明も眼から鱗、吃驚仰天な名案が浮かんだ男は、早速有言実行と行く。

押し倒されている状態から逆に押し倒し、ベラを仰向けにさせる。

その状態で顔を股に近づけ、一度だけ舐めた。

ベラ「ひゃっ…?」ピクッ

僅かに身体が跳ね、甘い嬌声が漏れる。先程とは違った声が出たことに気づき、顔を出している陰核を優しく噛んだ。

ベラ「あぁんっ?」ビクッ

男「………」スッ

更に反応が良くなったが、目の前に子供のそれがあり、それを舐めたりするのは、流石に勇者と言えどメンタルが保たない。

自己嫌悪に陥る前に、素早く方法を切り替えた。

男「こうすればいいのか…?」クチュクチュ

ベラ「やぁ…?んっ…ぅん?」ビクビクッ

唾液で濡らした中指を膣に挿入し、押し込んだり出し入れして反応を伺う。

成熟していないとはいえ、魅了に掛かっているからなのか、感度はいい。と思う。

未熟故に狭く、締め付けの強い襞をかき分け、懸命に男は奉仕する。

半ば悟りを開きかけた男の、拙いご奉仕の甲斐あってか。およそ数分後。

ベラ「あ…あぁぁぁぁっ?」プシャァァッ

ベラはビクン、と跳ねて絶頂し、魔眼の魔力から解放された。

男「………」ズズズ

ベラ「………」チビチビ

正常な意識を取り戻したベラは、脱衣所に安置されていた服を着て、冷水を飲み干した。

その後、窶れた表情の男を見て、何が起きたのか察していた。

だから今、こんな無言になっているのである。

男「………」ズズズ

温くなった熊肉のスープを啜る男は、唐辛子が少なかったか、と反省する。肉と脂、野菜の旨味は充分に溶け出しているので美味ではあるのだが、味のパンチが少ない気がする。

ベラ「…ごめんなさい」ペコッ

料理の改善点を考察していた男だが、ベラの謝罪を聞き、思考を中断した。

男「何を謝ってんだ?」

ベラ「…いくら私でも、解ります…。あなたが、頑張って、くれたことは…」コトッ

お椀を机に置き、男の前に置かれた空の器に目を向ける。

男「じゃあ、面倒を起こすのはやめてくれ。次あんなことがあったら、俺が寝込んでしまう」

ベラ「はい…」コクリ

ベラ「…あの」

男「ん?」

ベラ「…今日は、私が食器洗い、してもいいですか…?」

男「…好きにしろ」

ベラ「…はい」ニコッ

そう答えた視界の片隅に映っていたベラは、微笑んでいた。

ダメみたいですね
ベラドンナと何をするかを下1に
旧友を訪ねたり、旧友が来訪する場合はそのキャラの特徴を併記

男「ふふふふふーん、ふふふーん、ふんふん、ふんふんふんふんふーん」ゴリゴリ

どこかの会場で聴いたオーケストラを口ずさみ、屋上で作業をする。

乾燥した胆嚢をすり潰し、四本の小瓶に分ける。これで、売り物に出す準備は整った。

処理を終えた干し肉は別の容器に保存し、冷暗所に安置する。量は充分にあるから、小腹が空いた時に食べてもいいか。

男「さて、誰に売るかね」

誰に売るのか。どこで売るのか。特に考えてはいないが、端金で買い叩かれるのは癪に障る。

いい値段がつく売り場が有ればいいが。そう思っていたところに、聞き覚えのある声が聞こえた。

女性「おーい、男ー!」

男「げ。アオイかよ…」

アオイ「げ、とはなんだ!?私が来るのがそんなに嫌か!!?」

男「………」

アオイ「何か言えっ!!!!!」シャー

律儀に対応するのも面倒なので適当に流していると、ぶつくさ言いながらも荷物を搬入していく。

持ってきたのは…パンと調味料か。助かる。

男「手ぶらで帰らせるのもあれだ。作り置きだが食ってけ」

アオイ「ん?ああ、元よりそのつもりだ」

男「こいつめぇ」

随分と強かじゃあないか。

男「ほれ、たぶんパンを浸けたら美味いぞ」スッ

アオイ「だろうな。肉とスパイスの良い香りがするよ」パシッ

アオイは澄まし顔でスープを受け取り、口をつける。ズズ、と啜る音が聞こえ、喉が鳴る。

アオイ「…うん。お前らしい、無骨な味だな。合わせるためにパンを買っていて正解だった。

パンを千切り、先端を浸す。スープの色に染まったパンを、頭から齧る。

肉と野菜の旨味が、唐辛子の刺激、ハーブ類の風味で補強される。

ガツン、と殴られたような衝撃の後に、風のような爽やかさが突き抜け、余韻を残す。

パンの淡白さがそれを更に際立たせ、そしてしつこさを無くしている。

強烈な味なのに、胃もたれしない。そんな不思議な味わいだ。

アオイ「美味しい、と褒めておこう」

男「お褒めに預かり光栄ですぅー」

ベラ「あむ…♪」パクパク

アオイ「………」チラチラ

隣に座ったベラが気になるのか、視線が定まらないアオイだった。

男「んで、何かあったのか?」

アオイ「何か、とは?」

質問を質問で返すなあーっ!!と言いたいところだが、突拍子の無い質問だからそういう返答は許す。

男は言葉を続け、何故ここに来たのかを問う。

アオイ「…顔を見たかったから来た。と言えば嗤うか…?」

男「そういうのはいいんで」

アオイ「…はぁ~~~…」

アオイは呆れたような目でこちらを見て、落胆の溜め息を吐く。やんのかコラ。

アオイ「お前は知らないのか?最近、勇者を名乗る一行が沢山現れてな」

男「ほうほう」

アオイ「ハーレムを作って、タダ飯食らいに女性の徴用とやりたい放題してるんだ」

男「ほう。人の名前を騙るとは悪者だねぇ」

アオイ「男が出れば、一発で解決しそうだがな」

男「面倒だよ。人助けなんて、もうやる気が起きないね」

人類を護るっていう、後世にも語り継がれる特大の人助けをしたんだ。許してくれよ。

アオイ「あとは…魔族残党討伐に、本格的に乗り出したくらいか」

男「戦争の妨げになる、障害は全部取り除こうって魂胆ね、なるほど」

四年前に戦争が終わり、人類は束の間の平和を取り戻した。

だが、平和は戦争と戦争の間の準備期間に過ぎない。そんな言葉を誰かが遺した。

実際、その通りだ。現に人類は、戦争に備えて後顧の憂いを一つ一つ絶っている。

男「奴らがどうなろうと、俺に興味は無いね。それなら神器探しをした方がまだ有益だ」

人暦の前、神暦時代に創り出され、人に与えられた、神々の装具。

古の勇者、賢者といった古強者が携えていた、理を超える力。

嘗ての魔王決戦時に、それが有れば良かったが。食糧の備蓄等、時間の余裕がなかったので最短経路で事を為した当時では、宝探しに興じることは出来なかった。

だが、まぁ。責務から解放された今なら、それくらいはしてもいいのかもしれないな。

アオイらと何をするのかを下2まで
対象が一人だけの場合は、対象となるキャラ名を記載

アオイたちと一緒に行動する内容の募集なので、単独で暴走したり、ってのはちょっとズレてるかな…


アオイ「なあ、勇者。私と手合わせしてくれ」

男「なんでさ。町娘のお前を鍛えて、何になるって言うんだ?」

アオイ「…強くなりたい。そう願うことに、理由はいるのか?」スッ

アオイは木刀を差し出し、俺の目を真っ直ぐに見つめる。こりゃ、何を言っても動じないか。

男「分かった分かった。一戦交えてやるよ」フワァ

アオイ「では、参る」チャキッ

アオイは、霞の構えで出方を伺う。対する男は、右手に木刀を持ったまま、脱力した体勢を維持している。

アオイ「………っ!?」ガコォン!!

男「これくらいは、受け止めてくれねぇとな」クルクル

ノーモーションから繰り出された横薙ぎに、直感を頼りに対処する。馬車にぶつかったような、尋常ではない衝撃に、堪らず吹き飛ぶ。

男は木刀を回し、振り抜いた木刀を元の位置に戻し、左半身を前に出す。身体が邪魔で、得物が見えない。

男「…来な。全部、往なしてやるよ」クイッ

アオイ「…後悔するなよ」ブゥゥゥン

挑発のポーズを取る男に、アオイはニヤリ、と笑った。

ガァン ゴッ ガキィン

アオイ「だぁぁぁぁっ!!!」ブオッ

男「お前、んな魔法使えたのか」ガキンッ

アオイは肉体を成長させ、リーチ、膂力と全ての身体能力を強化した。だが、それでも。

男「まぁ、一般人がんなことしてもたかが知れてるがなぁ!」カキィン!

アオイ「………っ」ドサッ

それでも、死地を巡り、修羅を殺めた化け物に、少しも近づくことは出来なかった。

…文字通り、次元が違うのだ。脅威に怯え、護られてきた少女では、触れることすら出来ない領域にいる。

男「…本当、変だぜ。そんなガムシャラに努力するような、無謀な女じゃねぇだろ、お前」

アオイ「………」パンパン

アオイは何も言わず、服に付いた砂を払う。チラリ、と見えた瞳は、潤んでいた。

男「…言いたくねぇなら、言わなくていいさ。汗掻いてるだろ。風呂で流してこい」

アオイ「…うん…」

本当、どうしたのかね。

アオイ「はぁ…」チャプッ

分かっていた。解ってはいたが、ここまで実力に差があるとは。

アオイ「…当たり前、か。戦い続けていた男に、私のようなしがない子供が、どうして敵うと思ったのやら」

取り柄など、先祖から伝わる秘伝の魔法だけ。力も無ければ、度胸も無い。

アオイ「ん…?」チラッ

何やら視線を感じ、鏡に目を移す。そこには、こっそりと顔を出す女の子が。

アオイ「ベラ、といったか。男が偶々拾った孤児らしい…がっ…!?」ドクンッ

アオイは、見てしまった。人を狂わせる、魔性の瞳を。

ベラは、知らなかった。同性ですら、魅了の対象になることを。

ベラ本人に、悪気はない。ただ、心配なだけだったのだ。怪我はしていないか、と。

その思いやりが、男の胃に穴を開けた。

男「………」

男「もうやだ」

ベラの姿が無いことに気づき、男の頭には警鐘が鳴り響いていた。

まさか、と思い風呂場に向かったが、それは現実となった。

ベラ「うわぁぁぁぁぁぁん…」グスッ

アオイ「死にたい…」シクシク

既に、事は終わっていた。乱雑に脱ぎ捨てられた衣類。そこかしこに飛散した体液。

そして、体操座りで泣いている全裸のアオイと、腕で目を隠し、泣きじゃくるベラ。

男「………」ドサッ

男は僅か数日で、心労によりぶっ倒れた。

大惨事の二日後。急降下したベラ→アオイの心証を取り戻すため、男たちは近場の町に来ていた。

アオイ「…どうすれば赦してくれるのだろうか」スタスタ

男「まだ子供だからな。ベラの好みっぽい物をプレゼントすれば、案外コロリと行くかもしれん」

アオイ「寧ろ、子供だからこそ余計に拗れそうな気もするが…」

男「そこは考えても仕方ねぇよ。魔眼のことを言うのを忘れていたとはいえ、やらかしたのはお前だし」

こんな時にどうやって慰めるかなんて、分からねぇ。気の利いたこと一つ、言えやしねぇ。

マトモな暮らしをしなかったツケが回ったか、と男は内心、頭を抱えていた。

一応、ベラとアオイ両方を気遣っての買い物の提案だが、これが正しいのかも分からない。

男「…とりあえず、何か選ぶぞ」

アオイ「…ああ」

…ここまで重苦しい雰囲気は、夜襲を受けた時以来だな。

その時のことは、アオイは何も知らないんだったか。

購入した物を下1に
ベラ用、アオイ用でそれぞれを分けて記載
町で起きたイベント、アクシデントを下2から下3まで

男「………」スタスタ

それなりの人通りがあるマーケットを、物色しながら練り歩く。

装備屋では、昔に支給された物より数段上質な武具が販売されている。

男「数年経てば、精錬技術も進歩するよな」

男「…お」ピタッ

王都ほどの品揃えは無いが、程々に下げられた要求のハードルには、この町でも充分に応えられる。

これから共同生活をするなら、野外活動も増えていくだろう。泥や砂塵で汚れることもあるだろう。

その時に、気兼ねなく使える服が必要だ。子供用なら、可愛らしいマスコットなどが刺繍されているはずだ。

男「これをベラにやれ」スッ

会計を済ませ、アオイに押し付けたのは、胸ポケットに向日葵の刺繍が施された、青いツナギ。

作業着の中では、たぶんこれが一番可愛い物、だと思う。

これがベラのお眼鏡に適うかは知らない。

マーケットから離脱し、露店市場に足を運ぶ。野菜や肉を売る店から、ジャンク品を売る店まで様々だ。

その中には、ポーチやアクセサリーといった、雑貨を販売している露店もある。

商品のうち一つを手に取り、自分の腰に当ててみる。俺の身体にはやや小さいが、女の体格なら問題ないだろう。

確か、アオイは極東からの移民四世だったか。話によると、サクラなる色鮮やかな花が、極東では春に咲き誇るらしい。

そして、その花の色は桃の果実と似ているとか。実物を見たことはないので、どんな色なのかは想像するしかないが。

まぁ、冒険者の愛用品よりかは、幾らかキュートな見た目をしている。偶にはプレゼントしてやろう。

男「アオイ」

アオイ「なんだ?」

男「ほい。俺からのプレゼントってやつだ」ポイッ

アオイ「プレゼントか。珍しいな」パシッ

アオイ「…プレゼント?は…えぇ…っ!?」

アオイ「あの、その。気持ちは嬉しいが、えっと。返礼品など私は持ってないぞ!!?!!」ワタワタ

男「何言ってんだ。日常的に使う小物入れは、どれだけ持ってても困らんだろうに」ムシャムシャ

つい先程購入したサンドイッチを頬張りながら返答をする。

アオイ「…ああ、そうだな。お前はそういう男だったな…」ムスッ

その態度が気に入らなかったのか、アオイは不機嫌になってしまった。

噴水広場で、テイクアウトした食べ物をのんびりといただく。昔は、このようにゆっくり食べることは出来なかったから、なんだか新鮮だ。

男「…あん?」チラッ

背後から人の気配がするので、後ろを見る。するとそこには、ちびっ子が数人いた。

その視線は一様に、ベラに注がれていた。厳密には、エルフ族特有の細長い耳に。

エルフを初めて見た、物珍しさからか。そう納得した男は、野菜スープを飲み干し、対応する。

男「見せ物じゃねぇんだ。あっち行け」シッシッ

心底嫌そうな顔で、離れるように促す。魔眼が発動するのは、不味い。

流石にベラも学習したのか、俯いて視線が合わないように努める。だが、それが逆に好奇心を刺激したのか、子供はベラたちに近寄る。

ベラ「…離れて、ください」ボソッ

虫の羽音よりも小さく、ベラが呟いた。当然、そんな声は子供の耳に入らない。

男「もう一度言うぞー。あっち行かないとお尻ペンペンしちゃうからなー」ブンブン

わざとらしく素振りし、これくらいのパワーで叩いちゃうぞ、とアピールする。

痛いのは嫌だー!そう叫びながら、子供たちは逃げていった。

キャー キャー

男「………」ピクッ

いきなり耳を劈いたのは、女性の黄色い声。その方向に視線を移すと。

勇者?「ぎゃーっはっはっはっは!!!勇者様が、この辺鄙な田舎町に来てやったんだ!感謝しろー!!!」

…そこには、ゴテゴテとした厳つい鎧を着た、青年がいた。

青年の周りには、初々しい娘から踊り子、僧侶に魔法使いととにかく女ばかり。

そんな青年の着飾る鎧は、いかにもといった金色の金属に、いかにもといった豪華な装飾。

勇者の風貌については語られていないので、これだけハッタリを効かせれば、素人目には充分勇者らしく見えるだろう。

…その傍若無人な振る舞いを除けば。

男「うっわ、モテモテじゃん。俺も勇者だって公言すれば、あれくらいは女が寄り付くのかねぇ」

アオイ「………」イラッ

ベラ「………」ポカーン

アオイは、偽物勇者の振る舞いを見て苛立ち、ベラはその光景に呆然としていた。

何でこうなっているのか、分からないといった感じだ。

この町でどうするかを下2まで

何やら鬼気迫る表情で、アオイエセ勇者の尾行をする、と姿を消してしまった。

接触だけはしないように念押ししたので、その点は心配ないとは思うが、不安だ。

まぁ、過ぎたことを気にしてもしゃーない。俺らは暇潰しといこう。

ベラ「この服、綺麗、ですね」ジーッ

男「シルク製のワンピースか。結構お高いんだよなぁ」

ベラ「シルク…ああ、蚕の糸ですね。服になった物は、初めて見ました…」

他愛のない話をしながら、商品に目を通す。良くも悪くも、普通の衣類しか売ってないようだ。

手頃な服を数着購入し、店を出た。

男と別れ、紛い物の勇者の跡をつける。ぎゃーっはっは!!!と五月蝿い笑い声が、離れた位置でも耳に付く。

アオイ「…真昼間から酒を飲み歩くなど、下品な…!」

右手に酒瓶、左手に乳房。こんなものを勇者と持て囃すとは、庶民の目は節穴なのか。

とも思うが、勇者の逸話など、戦果に関することばかりでどのような人物か、について触れたものは全くない。

神暦の勇者と人暦の勇者は別物だという認識だけは共通しているが、どちらもその姿、性別に至るまで個人の情報は伝承されていない。

アオイ「…だから、ああやって伝説に肖る不届き者がいるのか。嘆かわしいことだ…」

勇者?「うぇーい!もっと美味い酒をくれー!可愛子ちゃんを見せろー!!!」

下劣な声に嫌気が差し、尾行を中断した。

男「…ほーん。今の話を聞く限りでは、まだ人畜無害な奴だな」

アオイ「いや、勇者だぞー!とか言って無銭飲食している時点で有害だろう」

男「そういやそうだ。変に目を付けられる前に、退散するぞ。アオイの家は隣町だろ?」

アオイ「ああ」

男「なら、ここまでだな。俺の家とルートが全然違う」

アオイ「分かった。…暇が有れば、また会いに行くよ」

男「勝手にしなされ」

軽く手を振り、背中を向ける。ベラの手を引き大通りを進むが、人が多くて中々前に進めない。

男「エセ勇者め。人を集めるなら、もうちょい開けた場所で集めろっての」

大通りの隅っこに避難し、騒ぎが収まるまで待つことにした。

勇者?「ふふふふーん!ふーん!」

上機嫌に鼻歌を歌う偽物勇者は、ズカズカと大通りど真ん中を歩いていく。

勇者を避けて人が動き、隅まで移動していた男たちも、その流れに呑まれる。

男「やべっ」ガクンッ

ベラ「きゃっ!?」ドサッ

男を呑み込んだ人の流れは、か弱いベラを弾き飛ばす。

そして、その先には偽物勇者の大名行列があった。

勇者?「おいチビ助、気を付けろよ」

子供相手なら優しいのか、偽物勇者は倒れていたベラを起こし、服に付いた汚れを払う。

しかし、ベラの耳を見た瞬間、態度が変わった。

勇者?「っへへ。嬢ちゃん、親御さんとは逸れたのかい?」

ベラ「離して、ください…」ブルブル

勇者?「そうかそうか、震えるくらいに心細いんだな。なら、暫く俺の家で休憩しなよ」ギュッ

勇者?「勇者様の家で休んでるって分かれば、親御さんも安心するだろ?な?」ニコニコ

その顔は笑っているが、目は笑っていない。品定めしているような、下卑た目だ。

ベラ「嫌…っ!」バシッ

恐怖故に、ベラは反射的に手を払い除けた。それと同時に、人混みから抜け出した男も、その場に到着した。

男「サーセン、ベラの親父の男っす。娘が粗相をすみませんねー」グイッ

勇者?「ん?あぁ、気にしてねぇよ」イラッ

ベラを庇うように抱き寄せる男に、偽物勇者は苛立ちを隠さない。

勇者?「んで、ベラちゃん、か。お父さんが来ちゃったけどよ、俺のお宝見たくないか?」

勇者?「綺麗な宝石だっていっぱいあるんだ。ベラちゃんが良ければ、何個かあげるよ」

ベラ「………!」ギロッ

布で隠しているので、目元がどうなっているのかは誰にも分からない。だが、敵意を持っていることは、表情から窺い知れる。

ベラの敵意を汲み取り、男はこの馬鹿野郎に対処する。

男「あー、カミさんが飯作ってるんで、帰っていいすか?」

勇者?「お前には訊いてねぇよ」

男「………」プッチーン

内心ちょっとキレた男は、武力行使に移る。

男「…あーっ!!!鎧に毒蜘蛛がぁー!!!!!」ボグシャァ

勇者?「おけっぴ!!!?!!?!」

男のボディブローを受けた偽物勇者は、くの字に曲がり、身体が僅かに宙に浮いた。

目玉が飛び出したように見えたが、気のせいだろう。うん。

男「よし、緊急離脱だ!!!」ガシッ

ベラ「ひゃあっ?!!」

蹲る偽物勇者を尻目に、男は全速力で逃走した。

建物の屋上を縦横無尽に駆け巡る人外に、誰も追いつけるはずがなかった。

ベラドンナと何をするかを下1に
旧友を訪ねたり、旧友が来訪する場合はそのキャラの特徴を併記
ベラ用に購入した私服を下2から下3まで
一レスに一セットやで

ザーザー ザーザー

男「………」トンテンカントンテンカン

土砂降りの雨の中、男は屋根に登り補修をする。

自分の部屋に雨漏りしている場所がある、というベラの申告を受けたからだ。

男「…この抉れ方、大型の魔物が足場に使ったな。グリフォン種か…それとも偶然近くを通った竜騎士(ドラグーン)か…」トンテンカントンテンカン

もし後者なら、と少しばかり嫌な予感がするが、気にしても仕方がない。

男「ベラ、どうだ?」

ベラ「ええと…あ、収まりました…!」

男「了解」

一仕事を終えるや否や、急いで家に入る。こんなことで体調を崩しては敵わない。

ベラ「これ…どうぞ…」スッ

男「助かる」グビー

温められたミルクを受け取り、一息に飲み干す。雨で冷えた身体に、優しい甘さと温かさが染み渡る。

ベラ「よいしょ…」ゴシゴシ

男「…気が利くねぇ」

濡れた上着は脱ぎ、髪もタオルで拭いた。だが、まだ完全には乾いていなかったようだ。

気を利かせたベラが新しいタオルを用意し、髪を拭いてくれる。根は優しい女の子、なんだな。

コンコンコン

男「…入れ」

もう、急な来客には驚かなくなってきた。順応していく自分が恐ろしい。

カチャ

女性「お久しぶりです、勇者様」ペコリ

男「…フレアか。四年ぶり、だな」

フレア「ええ。貴方様も、お変わりないようで何よりです」

男「お前も変わらねぇな。相変わらず薬品臭いよ」

フレア「褒め言葉として受け取りましょう」チラッ

フレアの視線が、コップを洗うベラに向けられる。

あ、これ好奇心が刺激されたな。

フレア「コードネーム『ベラドンナ』。アイオス研究所の被験体ですね」

フレア「管理権限を民間の方に委譲した、とは聞きましたが、まさか貴方様の元に来ていたとは」

男「金払いが良くてね」

金は天下の回りもの、とも言う。いくらあっても困るものではないから、貯蓄したって構わんじゃろ。

ベラ「………」チビチビ

フレアと目が合わないように下を向いたまま、冷水に口を付けるベラ。

家事をする分には使いやすいようで、以前買い与えたエプロンドレスを着用している。

仕事人間のフレアが何故来たのか。その理由が皆目見当も付かないため、適当な話題から探りを入れる。

男「まだあの研究してるのか?」

フレア「ええ。幸い、嘗ての戦争のお陰で実験対象には困りませんからね。仕事が捗るというものです」

男「そうかい。…まぁ、あの戦いで何人も死んだし、何人も大怪我をした。人間、魔族、亜人、皆平等に、な」

男「あいつらだって例外じゃねぇ。志半ばで斃れた奴や、日常生活すら満足に過ごせなくなった奴もいる。俺たちは幸運な方さ」

俺たちも、戦いに勝つために何かを喪ってきた。仲間を喪い、故郷を失い。

…それは、誰も変わらない。皆、戦争の被害者なんだ。

男「…ただ好奇心を満たすため。そのためだけに、あんな研究が出来るフレアには尊敬すら覚えるよ」

昔のような強い意志は無い俺とは、違う。いや、昔の俺も別に使命感に駆られていたわけじゃなかったか。

感傷に浸るのは俺らしくない、と思考を中断し、話題を変える。

他愛のない談笑の後、子供には聴かせられない話題になったため、ベラを就寝させる。

男「へぇ。ミ=ルガの街に魔族の磔があるのか」

フレア「二日前の作戦で壊滅した集落の生存者です。どちらも女性なので、アイオスが回収するでしょうね」

男「研究熱心ですなぁ。使えそうなのが有ればすぐ回収とは」

洋酒と干し肉をつまみながら、そんな話をする。磔にされているなら長くは保たないはずだから、近いうちに回収されるだろう。

生存者が二人というのも気になるな。大方、逃げ遅れた民間人が彼女らで、残りは逃げ切ったってのが真相なんだろうが。

だが、ミ=ルガか。あそこは確か…。

男「ミ=ルガは商業の街だろ。貧富の差が激しいから、身売りや違法労働とかが横行していると聞いたが」

フレア「そんなもの、研究を妨げる要因にはならないですよ」

男「さいですか」

フレアらと何をするのかを下2まで
対象が一人だけの場合は、対象となるキャラ名を記載

ちなみにアオイ達と向かった街の名前は『サーカ』です

下2くらいまで姫騎士募集

魔族との争いが終わり、世界は束の間の安寧を迎えた。

そして、変わりゆく。人類と魔族の戦争は、安寧を経て人類同士の醜い戦争へと形を変える。

今はまだ、戦いが始まるその瀬戸際で止まっている。が、それを妨げる術は無く、堰が切れるのを待つだけだ。

刻一刻と変化する世界の中では、新たな強者が現れては消えていく。俺も、その中の一人だろう。

魔族との戦争で知らしめた活躍が伝聞され、そこで途絶える。あの戦い以降、勇者としての名前は使っていないから、情報は更新されないだろう。

偽物勇者とやらが俺の名前を騙ろうと、俺の成した功績を上回るか、同等の功績を残さなければ、やがては世界の情勢に埋もれ忘却される。

そして、そんな人もいたな、と流されるんだろう。別に、それが悲しいわけじゃないけどな。

男「なぁフレア。この国で、一番強いとされる姫騎士様は誰なんだ?」

忘れられるのはどうでもいい。だが、今の俺でも、世界に存在を示すことが出来るのか。それは気になる。

フレア「姫騎士、ですか。生憎、私は世俗に疎いので…」

フレア「…私でも知っているような有名人は二人ほどいます。名前は確か…スピネルとメルティア、でしたか」

男「その名前は聞いたことがあるな…。『紅嵐(くらん)の斧姫』と『剣乙女の再臨(オル・トリンデ)』の異名を持ってたはずだ」

ここ二、三年で広まり始めた名前だからか、すんなりと思い出すことが出来た。

辺境にまで知れ渡っている時点で、その実力は伺い知れる。

男「俺がサシで戦り合うとしたら、勝てるかねぇ?」

フレア「…当時の装備を使うなら、おそらく敗北するでしょうね」

男「………」アングリ

…マジで?

夜は更け、雨が止む。静かな森から、梟の囁きや羽音が聞こえ始めた。

男「泊まっていけよ。こんな真夜中じゃ、帰るのだって面倒だろ?」

フレア「…ええ、そうですね。お言葉に甘えましょうか」シュルッ

俺の言葉に含まれた意味を汲み取ってか、フレアは徐に頷き、髪を留めていたリボンを解く。

そして、上着を脱ぎ、俺の部屋に向かった。

月明かりだけが照らす暗い部屋の中。本棚横のベッドに二人で腰掛け、窓越しの空を眺める。

男「…こうやって、のんびりと景色を楽しむのは、何気に初めてじゃないか?」

フレア「否定はしません。あの時は心を和ませる余裕などありませんでしたし、戦争が終わっても研究三昧でしたから」プチプチ

言葉を紡ぎながら、フレアは胸元のボタンを外していく。シャツが開かれ、露わになった柔肌は、月明かりを反射して艶かしく光る。

淡い光が、褐色の肌を照らす。黒の中で白が際立つように、その美しさを強調していた。

フレア「性交渉に同意するにあたって、一つ要求があります」

男「???」

フレア「実験に使えそうなので、精液を100mlほど採取させてください」

男「死ぬわ」

どんな感じに致すかを下2まで

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