【R-18】縦穴式住居【安価】 (142)



妹「お兄ちゃん」

男「おいおい、どうした?」

妹「あたし、さっきね……!」


産まれて、物心付いた時から俺の側には妹が居た。

俺の部屋で、学校の廊下で、近くの空き地で。
本気になって戯れ、お互いの共通点と差異を知り、夢で見た広い世界の話をした。
俺たちの世界は狭くて、俺たちの世界は平和だった。



妹『お兄ちゃん……!』

男『お、おい、どうした? 何があった!?』

妹『車が……お父さんが……! お母さんがぁ……!!』



あの日。
俺のスマホに、妹からの着信があった日。

俺たち兄妹はこの世界でふたりきりになり。

悲しむ間もないまま、絶望する間もないまま、お互いを守って生きていく事を定められたのだ。



男「おじさん、俺たちどうすればっ、」

ツー……ツー……

男「~~ッ」
妹「お兄ちゃん……」

親戚が温かかったのは葬式が終わって、諸々の手続きが終わるまでだった。
盆も終わり、夏休みの学生である俺たちを取り残して大人たちは社会の営みに消えていく。
先生に告げた「親族で面倒を見ますから、大丈夫です」とは何だったのか。

お金だって、最後に貰ったお小遣いと通帳に貯まったお年玉が……それなり。
ご飯だって、洗濯だって、何ひとつ黙ってては出来やしない。




男「なあ、働くか?」

妹「ウチ、バイト禁止でしょ……」

男「――学費も、半分の方が楽だしさ。夏休み始まったら、センセに相談すっか」

妹「!! ダメだよお兄ちゃんっ、どうしてお兄ちゃんが学校やめなきゃならないの!?」

男「なあ……」



男「5かける9は?」
妹「59」



男「だからだよ。何で即答できるんだよ即答で返ってくる答えじゃねえよ掛け算はカップリングとちゃうんやぞ。お前は学校行け」

妹「と゛お゛し゛て゛た゛よ゛ぉ゛ぉ゛!!!」

男「と゛う゛し゛て゛も゛た゛よ゛ぉ゛ぉ゛!!!」



妹「かわいそうなお兄ちゃん……あたしが頭よわよわなばっかりに……」

男「良いんだ妹……それも世界一可愛い妹の可愛いところだ可愛い……」

兄妹「お兄ちゃん……!」「妹……!」


ひしっと抱き合う。
兄妹遠慮なしに胸をぶつけ合い、腕で締め付け身体を寄せ合う安心の証。
俺たちはこうすればいつだって互いの気持ちを確認する事が出来た。


兄妹「「…………」」

けれども、だからこそ、分かってしまう。
この安寧も今の自分たちには問題の先延ばしにしか過ぎないという事を。
ひとたび身体を離せば、隙間に流れ込んでくるのはどうしようもない不安と恐怖。

男「どうしような……」
妹「うん……」

呟いて見つめ合った時、静かな家にインターホンが鳴った。



妹「!、!お兄ちゃんっ」

男「ああ……」

竦んだ妹がしがみつく。
腕を引き、一緒についてくるように促した。
ドア先のモニターには……

(にぃっ)
男「……!?」

妹より歳下かもしれないような少女が……幼さに似つかわしくない笑顔でこちらを見ている。
ぶるっとくる、いかがわしい笑顔。

妹「お兄ちゃん……どうするの……?」

落ち着こう。相手はまだ歳いくばくもない子供だ。
落ち着けば即座に大人パワーでワンパンチできる。
抵抗したらツーパンチするので勝利は盤石だ。
完璧な分からせ計画を胸に玄関へと向かう。





ガチャリ……


男「なんだァ? てめェ……」

少女「おやおや、これは。些かガラが悪過ぎやしないかな?」

妹「お、お兄ちゃん怯んじゃダメだよ!」

男「妹に触ったらこの腕オブ腕でツーパンチするぞォ……」

少女「その腕オブ腕に妹さんが引っ付いてるみたいなんだが大丈夫かい」

妹「事実だとしてもあたしは付属品だからすべてが大丈夫だよ!アイム腕オブ妹!」

男「俺たちはァ……冷静だァ……あとそれだと妹の腕だァ……」

妹「イングリシッ!イングリシッ!お前もあたしの英会話みたいにグチャグチャにしてやる!」


少女「――。あー、うん。その、悪いな」





少女「もとより、私の顔を見せた時点で無事に帰す気はなかったんだ」




パチンと少女の指が鳴る。

兄妹「――、」

何か嫌なものを察した俺たちは扉に手を掛け、妹は体重をかけて俺を後ろに引っ張った。

少女「おおっと」

何も言わなくたって、俺たちはお互いの事が分かる。
完璧な反応だ。

妹は俺を引いた反動で扉に張り付き、閉まった瞬間に施錠する。

少女「ほほう、喋らなければ賢いじゃないか」

安心して部屋の方へ振り返る。



ピシュ。



?「……」

首が、痛い。
手足が、痺れる。
世界が、横倒しになっていて、よくわからない。

妹「おにい、ちゃん?」
妹「お兄ちゃんに、何を」
妹「お兄ちゃんに、よくも――!!」

妹、は……?

妹「あうっ。ぅ」

……。



?「対象確保。解錠します」
少女「一手も二手も足りなかったね。まあ、ふたりとも兄妹想いで良い子たちじゃないの」



……

……

……


男「……」

ここ、は?
俺は着の身着のまま、何もない真っ白な部屋で眠っていた。

妹は……

妹「ぅ、ん……」

男「妹ッ!!!」

急速に意識が覚醒する。
外傷は? 体調は? 周囲の状況はどうだ? あの怪しい少女とその一味は? 脱出ルートは? こちらの手札は?

妹「おに……ちゃん」
男「ああ俺だっ、俺が分かるか、身体は大丈夫か?」
妹「うっ、うん。よかった、お兄ちゃん、無事だ……!!」

兄妹「お兄ちゃん!」「妹!」

ひしっ。
とりあえず色々考えたが妹が腕の中にいるので安心した。


『――あー……ごほんごほん。仲睦まじいところすまないね』

「「!!」」


『急で悪いんだが、訳あって君たちにはここに来てもらったんだよ』

あの少女の声が部屋に響く。
見渡すが姿はなく、壁にプツプツと開いたスピーカーらしき穴から聞こえてきた。
こちらの様子は見えているのか。声は聞かれているか?

『君たちに、今からある事をしてもらいたくてね。それを承諾して欲しいんだ』



男「嫌だと……言ったらどうなる?」
カチャリ。

?「……」

部屋の壁が一部開く。その中には、機銃らしきものに鎮座した女……例の一味がいた。
銃口をこちらにぴったり合わせ、指と目を据えている。


『ああ、ちなみに実銃だし実弾だよ。今の君たちがどうしたところで、その距離じゃ逃げられずに死ぬし、互いを守れずに死ぬし、打開できずに死ぬ』


妹「お、にい、ちゃ……」

男「よしよし」

妹が震えている。
俺もどうしようもないし死ぬほど腹立つし怖いし訳わかんないけど妹が怖そうなのでよしよしした。

『あっは、お兄ちゃん大した余裕じゃないか! 気に入ったよ』

男「俺も怖いの。漏れちゃうから早く話を続けてくれ」



『部屋の中央に縦の穴があるだろう?』


見やると、真っ白な部屋の中央、床に大穴が開いていた。
初めから開いていたようにも見える。

男「ああ」

『その中で、ふたりにはDoCという競技に取り組んでもらいたいんだ』

男「競技……?」

妹「ディー、オー、シー?」

『Debauch or Crushed. 初めて聞くだろうな』

男「壊されるのと、もうひとつは……。おいおい、分からんけど、デスゲームさせられるくらいなら俺たちはふたりで死ぬぞ」
妹「う、うん……? うん完全理解した」

『ノン、ここではちょっと違う含みがあってね。覚えておきたまえ可愛い兄妹』




『簡単に言うと……惚れるか、惚れさせるか』

妹「惚れるか……惚れさせるか?」

『とにかく、君たちを脅かすものでない事は終始に渡って保証するよ。競技の中でも、その後も君たちには様々な便宜を図らおう』

『細かい説明は始めてからするつもりだ。それで……どうだいお二人さん。首を縦に振ってさえくれれば、銃口が覗いている壁を閉めよう』


「「――。」」

妹が俺の服をぎゅっと握る。
俺も妹の肩をぐいっと寄せた。

決まっている。
なんだろうと、俺の大切な妹を守れるのなら……!




「「やります!!」」




『うん、良い返事だ。じゃあ物騒なものはお役御免だね』

音と共に壁が戻ってゆき、銃口が隠れていく。


『君たちには、私から色々と話す事がある。DoCに勤しむ限り、もう顔を知られていても構わないという事だ』

男「アンタの事はなんて呼んだら良いんだ?」

博士『見た目からして違和感は拭えないだろうが、博士と呼んでくれ。これでもこの設備一式を開発したのは私なものでな』

男「そんな尊大な喋り方するなら何も不思議じゃない。わかった」



博士『じゃあ早速ふたりにはその縦穴に入ってもらおう。今更危険はない、安心してくれ』

妹「ぅ……」

男「……。わかった。お兄ちゃん先行くな」


車の事故があってから、妹は閉所に対して恐怖心を覚えるようになった。
俺が側にいればきっと大丈夫だろう。


男「よっ……と。しかし深いなー、頭しか出ないぞ。ほれ、掴まれ」

妹「うん。ありがと」

……

ふたりで真っ白な縦穴に潜り込むと、穴の中がふわっとした間接照明で照らされる。
縦穴の中は少し暖かく、空気の流れから隔絶されたように感じる。



博士『その縦穴は直径が1.0m、深さは1.5mだ。結構大事なことだから、よく覚えておくように』



博士『DoCは穴の中のふたりで対決する競技だ』



博士『ある事をしていくと、今立っている円形の床がどんどん下がっていく。それが50cm下がった状態で「相手に命令を言い渡す」事ができれば勝ちだ』


妹「今から更に下がるの……? あたし、もう上が見れないんだけど」



博士『床は深くなるが、縦穴の直径は今より狭くなる。70cmまで窄まっていくぞ』

男「そこまでいくと相当距離が近くなるな……」

博士『ああ。それにはある条件が必要となるが……それを満たしてもらうとしよう』



博士『よし、ではふたりとも服をここで脱ぎたまえ』



男「……?、???」
妹「え、ええ、お兄ちゃんの前、なんだけどっ」

博士『ああ。紛う事なき生着替え、だ。それをしないとこの競技……いや、戯れは始められない』

男「ど、どうするよ……」
妹「お兄ちゃん……」

博士『とっくに映像、カメラは切ってあるよ。音声だけでナビゲートする。安心して、ふたりだけでお互いを見つめ合うといい』



男「ぬ、ぐぐ……」
妹「あう……」

今までにも風呂場で鉢合わせたり、うっかりお互いの着替えに突入したり、そういった事故は珍しくなかったし驚くような事でもなかった。
幼い頃はふたりで風呂に入る事にも何ら抵抗はなかったのだが……。

互いに見る為、見られる為に脱衣するというのは、違う。
今まで過ごしてきた中の、何事にも相当しない事だ。



博士『男なら上からぐいっと脱ぎ捨てて……女の子なら下をちぃー、すとんと落として……』

男「……っ」
妹「! っ、」


妹は正直……スタイルがいい。
普段抱きしめ合っているから分かるが結構むっちり系で、立ち姿で何とかくびれているぐらいの心地。
胸は意識しないようにしているがんんんんっ……改めてでかい。前にFとか言ってやがった。

もう純粋にでかいし、ハリがあるというかコシがあるというか、柔らかすぎない、成長過渡期の瑞々しい感触が思い起こされる。


博士『ほら……ほら。意識しないようにするのは、無理があるんだからさ。異性の体で平常心を失ってしまう事を、自分にも、相手にも許してあげなきゃ』


博士の言葉が意識を誘導していく。
普段愛情たっぷりに抱きしめ合っている、妹の服の下の感触を……意識していいのか。
妹も……俺の身体に胸を昂らせているのだとしたら……なんとなく、それを申し訳ないとは思わないで欲しかった。

男(妹に、なら……)
妹(お兄ちゃんなら……)



「「ッ!」」

身体がぴくんと、ほんの少し、反応する。
目の前の大切な守るべき人が、性的な欲求を抱く対象と認識してしまった瞬間。

ほんの少し、地表が上がった気がした。


男「後ろ、向こうか……」

妹「うん……」

それでもやっぱり恥ずかしい。
恥ずかしいし、純粋に縦穴の中は狭い。

……

後ろで、衣擦れの音が聞こえる。

妹「っや!」
男「あっ、わりっ、」
妹「う、ううん。ごめんね」

屈んで、尻がぶつかった。
ズボンを脱ぐ時も極力、縦穴の壁に身体を寄せて逃げるように足を抜き取る。


博士『少し面倒だけど、脱いだものは縦穴の外に投げておいて。あとでウチの使用人が回収して綺麗に畳んどくからさ』


妹「た、高さが……」

博士『これから色々する以上、足元に脱ぎ散らかしておくのはオススメしないなあ。しわくちゃになるし危ないぞー』

……
……
……

博士『ぜ・ん・ぶ、だよ。お二人さん? パンツも、ショーツも、ぜんぶ』


少し躊躇して……パンツも脱ぎ捨てた。



博士『済んだかな。それじゃ向かい合ってもらう前に、DoCの大事な一要素を説明しよう』


兄妹「「…………。」」

博士『縦穴のフチに、四角いバッテリーみたいなものが付いてるのが見えるかな?』

バッテリー……これか。豆腐くらいの箱が地表に付いている。


博士『これはRegulation Unit、RUと呼ぶもので、縦穴の中にルールを定める存在なんだ』


男「レギュレーションユニット?」

博士『妹さん。頭の上、ひとつだけあるRUに触れてごらん』

妹「は、はい。んしょ」


ピピッ。


妹【縦穴内に胸元まで浸かる高さの温水を満たす】

妹「え、え? 今の、あたししゃべったの??」

妹の声に似た、無機質な声が後ろから聞こえたと共に足元から温水がどこからともなく沸いてくる!

男「うお、おおお。お風呂?」
妹「そんな感じだね……あったかい」


博士『それがRU。それは任意起動型といって、触れる事によって起動するRUだ』

博士『RUは様々な決め事を平等な形でふたりにもたらす。アンフェアにならないよう、起動した時には本人の声帯を操作して納得できるように効果を説明させるんだ』


男「じゃあ、俺の目の前にあるRUも点けてみて構わないのか?」

博士『ああ、それも任意起動型だ。そのつもりだった』

ピピッ。

RUがほのかに光りだす。
手で触れた時、微かな静電気のようなものを感じた。



男【方法を知らない性行為に対し、一般的な手順を脳内に想起させる】

……

男「……は?」
妹「お、お兄ちゃん……」


博士『はっはっは、おぼこいなぁ。だって君たちハジメテだろう? 性行為の失敗はお互いの為にならないからね』


男「お、おま、性行為性行為って、まさか」
妹「おにいちゃん……」

博士『惚れるか、惚れさせるか。ここで行われるのは……えっちな勝負さ』


博士『ほら……手コキ』
妹「ぁ……はうっ……!」

博士『こっちも……手マン』
男「っ!?」


頭の中にイメージが殺到してくる。
まず爪を深く切り削って丸め触る時は周囲の肌から丁寧に指先で軽く撫ぜるようにしてゆっくりとこのくらいのスピード下から上に

男「おわ、おわぁわぁわ、いきなり性教育ったらないだろお前っ、」
妹「い、いきなりこんな、すごい、すご、手の動きっ、」

博士『まあまあ。他にも身体全体への愛撫やキス、知りたいと思えばいつでも正しい所作を知る事が出来る。相手を大切に思えばこそ、私は起動をおすすめするね』


……。
じゃもう少し……
指の第一関節までを丁寧に差し入れ違和感が薄くなるまで抜き差しせず丁寧に馴染ませたら少しずつ指を曲げ

兄妹「「……」」

博士『予習は……十分かな?』

兄妹「「っ!!」」



お湯は既に腹の辺りまで達している。
妹なら胸元あたりだろう。
胸元。

そりゃそうだ、いつもハグした時におっぱいが当たるのは、今の水面辺りで……

男「~~っ」



博士『じゃあ始めてくれ。裸で向き合った時、縦穴は窄まって勝負が始まる』

博士『そして大事な事だが、出来るだけ快楽に飲まれず、思考を放棄せず』



博士『常に闘争心と優しさをもって望んでくれ』



妹「お兄ちゃん……こっち、向いて……?」

男「……っ」

ゆっくり向き直る。

そこには、あんなに一緒に過ごしていて、未だ知らない妹が居た。
艶やかな黒髪のショートボブと、守ると誓った可愛らしい妹の顔、肩まで続くなだらかな首筋、組んだ二の腕に乗せられたおっぱいが、ゆらゆらと水面に揺れて屈折して白く光り、

男「……!? の、わっ」
妹「ひ、うっ!?」

なんか見惚れていた女体が急接近してくる。
違う、縦穴の中が小さくなって、背中から腰に踵まで全部押されて、というかコケる! これ結構こわっ、



ぱしゃん!

兄妹「「・・・。」」

ひしっ。

兄妹「「ふふ」」

こんな時まで、俺たちは俺たちなのだった。




博士『さてDoC開始となる訳だが。兄妹さん、どんな感触かね?』



妹「あ、う……」
男「いや、ははは……」

慌てて抱き着き、一息落ち着いて、兄妹として微笑み合って。
それ以上の事は無いと安堵した脳裏に、先程の裸体が蘇る。

すると今抱く身体の感触も違うものに感じられて……



ぞわり。

兄妹「「……!」」

肌が。きもち、いい。
ぞわり。


妹「お兄ちゃん、こ、これって」
男「ああ、確かに下がってる」

地表が微かに、だが確かに遠のいたのだ。
身体に走る、奇妙な忌避感を伴う感覚に連動して、床が下がり始めている。

博士『じゃあ、この縦穴でどうなると床が下がるのか。それを説明しようか』


博士『君たちがそれぞれ「相手に恋をする」ほど床は下がっていく』


……そマ?

男「いや、それ違うでしょ、普通こういう系のシチュ的なあれそれって快感に比例して負けたり勝ったりするもんじゃないの?」
妹「えっち言うたやん!」



博士『ただし』



博士『この縦穴内で得た「快感」の全ては「恋情」へと強制的に変換される。肌を撫でられ、性器を擦られ、蜜をまぶされる度に惚れていってしまう』


男「は……え?」
妹「すけべすけべぇされると好きになっちゃうの?」


博士『そこは妹さんだけ理解が早いんだね……そう。逆に「恋情」を覚えた際は「快感」へと変換される』

博士『ウインクに身体が反応し、暖かく肯定されれば背筋が震え、バードキッスは乳首を吸われたかのように、睦言を囁かれればねっとりとしゃぶられるような絶頂感が迫る』


男「ええ……」
妹「メロっちゃうだけでイっちゃう?」


博士『イっちゃう。絶頂した時の快感はどのような要因であったとしても恋情に変換され、すぐさま相手の一挙手一投足が気になり好きな食べ物や誕生日が知りたくなって自分にだけ笑顔を見せて欲しくなってしまう』


博士『絶頂による床の低下は標準的な快感であれば25cm相当だ、覚えておけ』


博士『激しい絶頂や丹念な愛撫を伴う情交であれば1回の絶頂で50cmを割るし、また単なる生理現象であったとしても2回達すれば間違いなく堕ちてしまう』


それだけじゃない。
さっき胸に走った忌むべきものともいえる気持ちがより大きくなってしまった状態で……恋してしまった状態で。
どれだけ「勝とう」と思い続けていられるのか……俺には見当がつかない。




博士『床は半月状に、それぞれ自分の領域が存在する』



博士『下降した相手の領域に踏み込むのも、優位に立った上から身を屈めて高さを合わせるのも自由だが、高さはお互いの行動で絶えず変動し続ける』

博士『自分の行動が相手の快感に繋がっているかは常に床が教えてくれる』

博士『ただし境目の部分で足を挫いたり、怪我させたりしないようにな。その為に、お互い優しさを忘れず、だ』



男「そういうことなら了解。ずっこけそうならしがみついていいからな?」
妹「う、んっ!?」

博士『あは……♡ 今のは罪なお兄ちゃんだね。純粋に心配した言葉で内太ももを撫でちゃうなんて』

男「! ちが、妹っ」



というか。
今ので俺に、好きって、思ってしまったって事か……?

妹「は、ぅぅぅ」
男「っ、ふ!?」

俯く妹の顔を上から覗いた瞬間、わき腹を指先でなぞるような感覚が、どうしようもなく逃げようもなく、抱きしめ合う感触の上から這い上がってくる!

博士『うんうん、妹さんも小さくてぷにぷにで可愛いよね、初々しくてゾクゾクしちゃうよね……♡』



博士『さ、私からの野暮はオシマイだ。今まで身体の状態をリモートしていたが、危険がない限り一切の通信、監視は切るよ』

博士『心の準備ができたら、目の前の異性を自分の虜にしてしまおうじゃないか』

男「ちょ、いや、嘘でしょ?」
妹「……。」




博士『闘争心、負けてなるものかという感情を忘れずにね。だって、それが破られる瞬間が』



兄妹「「……ッ!」」



博士『イ・チ・バ・ン。気持ちいいんだからさぁ……♡』




The 1st DoC
the man vs the sister
Engage.



妹「始まっちゃったね、お兄ちゃん」
男「お、おおお。そうだなっ、どうする? お兄ちゃんサクッと抜いて抜いてオシマイにするからな、そういうのは好きな人の為に取っておかないとなっ」


妹「……。」

ぎゅううううっ!!

男「おごっ、ちょ、お兄ちゃん潰れる、お兄ちゃん汁出ちゃうっ、らめっ」


突然にハグが強くなる。
これは、怒ってる時の……いや違うムカついてるけど怒ってる時じゃなくて分かって欲しくて話聞いて欲しくて落ち着いて欲しい時のハグだ俺には良く分かる。

きゅっ。

男「……ごめんな。話して、くれるか?」

妹「お兄ちゃんは、あたしが好きな人とえっちな事して欲しいと思う?」

男「そうするべきだと思う」

妹「違うの。するべき、なんてどうでもよくて。……そうじゃないか。うん。言い直そっか」



妹「お兄ちゃん、あたしとえっちしたい?」



どっくん。

ハグで触れ合う肌が、恐怖か……それ以外のものにより粟立った。
快感が身体を縦方向に走り抜ける。

男「な、んで。そんな事聞くの」
妹「嫌じゃないんだよね。……ぎゅーしてるから、分かるよ」



妹「好きな人とするべきって、言ってくれたよね。あたし、お兄ちゃんが好き」

男「ッ、」


その一言を聞いた途端、イチモツがギュッと握られるような感触に包まれる。


はっきりと勃起し、妹の肌のどこかに先端がめり込んだ。

妹「……♡」
男「あ……っ」

妹「あたしたちの「好き」って、家族である事と切り離せるものじゃないけど……でも、えっちするなら、お兄ちゃんとがいい」

妹「えっちするなら誰でもない、お兄ちゃんとじゃなければ絶対イヤ。それくらい、ちゃんと、普通に、好きなんだよ」


握られた感触が愛の吐露に応じてシコシコと揺れる。


妹「お兄ちゃん……あたしの事、好きなら、一緒にえっちして……?」
男「っ、あ」
妹「は、ぅ……ひとりは、寂しいよ……いつも一緒だったもん……えっちしなくちゃなら、お兄ちゃんとが、いいな……」


聞いた事ない声。聞いた事ない言葉。聞いた事ない吐息。
胸がバクバク鳴っている。互いに両手でハグしてる筈なのに、艶かしい手淫のような感触が絡み付いて離れない。



妹「お兄ちゃん、あたしの事嫌い……? お兄ちゃんの好きは、あたしとはえっち出来ない好き……?」
男「ぁ、違うっ、違くてっ、やば、うそ、こんな……っ」


妹の肌に突き刺さっている先端がなにかをとぷりと零し、トロけ始めた。
身震いした拍子に腰が動き、そのお腹に強く擦れる。


男「ッッ、まて、やばいんだっ、これ、とめられなくてっ」
妹「お兄ちゃん……」

妹「あたしのこと、すき?」



男「ッ、すっ、好きに……決まってんだろォ!!!」
妹「――っ!」

引き返せない感覚と共に叫ぶ。
妹として、家族として、女の子として。
それを認めると快感はスッと引き、妹が今度はふるふると震えていた。

妹「えへへへ……知ってた。家族として、女の子として、たくさん、っ、たくさん優しくして、守ってくれた」

男「っ、ふ……当たり前だ」

妹「~~ッ! ねぇ……お兄ちゃん……」

男「どうした?」



妹「あたしも、気持ちよくしてぇ……? えっちしよ、ふたりで勝負しよっ、遊ぼぉっ」

ぎゅっ!

妹「きゃ、ぅぅ、ん……♡」

強いハグは……ふたりの間では肯定の意味。


妹「じゃ、まずはあたしにさせて……?」
男「ああ、いいぞ」

妹の手が片方ほどけて、腹の方へもぞもぞと……あ、れ?

男「?」

ああいいぞ、じゃねえよ。
なに肯定してんの俺。
俺の中の兄イズムは妹の敗北を簡単に認めてはくれない。

妹「あ……お兄ちゃんの……こんなに熱くて、パンパンになるんだ……」

温かいお湯の中で鮮烈な甘い痺れが走る。
妹の掌が、亀頭を、滑っていく。



妹「お兄ちゃん……大事な、大事な妹の手は気持ちいい……?」

大事な妹……っそうだ、妹はお父さんとお母さんから遺された大事な家族で、こんな事してる場合じゃ……!

妹「おにい、ちゃん……♡」

上目遣いの妹と目が合って……その瞳はうるうると揺れるように煌めき、吸い込まれそうなほど深く見えて……

妹の手が俺自身を撫でていく度に、睫毛とか肩のラインとか良い匂いとか女の子要素しか感じなくて、緊張してっ、胸のバクバクが収まらなくて、こいつこんな可愛かったっけ?



妹「――お兄ちゃんのおちんちんは……妹で大きくなっちゃうんだね?」


だってさっき妹の愛情を真に受けた快感が腰に残っていて、亀頭を捕まえて何度も何度も優しくカリ首往復しやがって、昇りかけていた性の疼きが、いやなんでこいつこんな手コキ上手いんだよっ……!?

妹「お兄ちゃん……あたしの事、すき……?」
男「すき、すきだからっ、その手っ、止めっ、」



好きだしっ、可愛いし、今までも好きだしっ、えっちで、可愛くてっ、いつも一番近くに居てっ、

妹(お兄ちゃん!)
妹(おにーちゃーん……??)
妹(えへへ~、お兄ちゃんお兄ちゃん……♡)



妹「えへへ……これ、ちゅこちゅこきもちいい?」

昔は、もっと、無邪気だったのに、ああっ、好き、好き、すきすき、いもうとすきっ、かわいくてえっちですきっっ、

妹「ね、お兄ちゃん……? ちゅこちゅこ、ちゅこちゅこ、気持ちいいリズムで静かに、ちゅこちゅこ、ちゅこちゅこ……」
妹「お兄ちゃん、おちんちんとおててに集中して……? 今ね、おちんちんピクピクしてるよ……妹のおててで、精液がふるふるしてるんだよ……♡」

男「っ、あっ、ぁ……!」



妹「お兄ちゃんが好きって言ってくれて、嬉しいな……あたしも、いつも守ってくれてるお兄ちゃんが……大好きだよ……♡♡♡」

男「ぁ、く、ぁあぁぁッッ――!!!」

近くてあったかくて柔らかくてぷにぷにしてハダカで女の子で可愛くて好きっ、妹好きっ、すきって思ったらやばい、来る来る来るっ、妹の指が一番弱いところくちゅくちゅしてるっ、
も、もう出るっ、無理っ、絶対出るっ、出ちゃうっ、早くっ、手がゆっくりでゆっくり来ちゃうっ、気持ちいい事ぜんぶ聞かせてからイかせるつもりだこいつっ、こいつっっ……!!

妹「妹の手コキ気持ちいいね、一番通じ合ってる兄妹のえっち良いね……♡♡♡」
妹「妹のこと……えっちできる女の子にしか見られなくなっちゃえ……♡♡♡」



男「……ぁっ」


ビュルルルルッッ!!!ビュクッ、ビュ、ビュウウッ!!!

妹「あはぁ……♡♡♡」
男「っあ、は、う」


出る。出る出る出る。
指が下から上に行くのに合わせて1回1回、ゆっくりゆっくり腰の中身をぶち撒ける。

あったかいお湯の中で妹の手に包まれる。
稲妻のような快感と天日干しのような脱力感と実家のような安心感を伴って全部出ていく。



妹「すごいね……実の妹の掌に、お湯の中でびゅーってしちゃったねぇ……♡」

妹の事を親しい女の子として身体が認めてしまった屈服の証。
日常と平和の象徴である湯船の中で、背徳感と開放感をもって今なお出る。



ビュル、ビュル、ビュッ、ビュ……

妹「見てお兄ちゃん……ほら。たくさん……ふよふよ浮いてる」
男「う、わ」

妹が身体を離し、空いた隙間の部分を見るよう促す。
自分のイチモツから、白い帯のようになって精子が漂っていく。
湯の流れに揺れた帯は、妹のお腹や指に遠慮なく絡み付いていた。

妹「……疲れた?」
男「うん……」
妹「ふふ、かわいー」

妹にしがみついて……ん?

自分の目線が、可愛い妹よりわずかに下にある……違う、これは床が大きく下がったからだ。

肩にかかるくらいまでお湯に浸かり、絶頂による緊張も荒い呼気と共に吐き出されていく。
お陰で、敏感になった局部への追撃も逃れている。



男「はぁ……ふぅ……」

まあこれはこれで都合が良い。
大好きな妹のおっぱいも丁度いい高さで目の前にある。
この谷間に顔をふんわり抱き締めてもらいながら妹のあちこちでえっちな欲求発散したいあわよくば耳元ですき♡すき♡囁き純愛コールかお兄ちゃん気持ちいいんだ?系の背徳すけべ誘導にかかってイキたい……あれ?



男「あ、れ……?」
妹「どうしたのお兄ちゃん……お顔、すっごいとろとろになってるよ……?」

男「かわいく、て、むらむら、して……」
妹「流石にあたしでも分かっちゃうよ……妹のこと、大好きでおかしくなっちゃったお顔……♡」

何かがおかしい……何かよく分からないけど、なんかおかしい気がする……でも絶対ぎゅってしたい……あったかい……ハリがあってミチッとしてスベスベ最高かよ……ぷにぷにむちむち……ぎゅうっ……らぶ……



妹「この高さだと、元々お兄ちゃんの方が背がいっぱい高いから……」

妹「……。太ももだとそんな感じなのかー。なるほどなぁ」



妹「お兄ちゃん、ぎゅーして……」

妹が両腕を伸ばし、再び身を寄せてくる。
いつもの習慣で抱き止めた俺の腕は妹の頭へ。妹の腕は俺の背中へと……あれ?

妹「……んふっ。ぎゅー♡」
男「おわっ」

腰をくいっと引き寄せられ、イチモツが両腿に吸い付いた。

そういえば高さが違う。



これは確か相手に恋するほど下がって、妹が近くてむぎゅってして可愛くて、違くて、普段エスカレーターでハグするとこれくらいの高さになるよね。うん。そうだね。

妹「ぎゅう……ぎゅう……♡」
男「最高かよ……」

はーしかし同じ高さで見ても可愛い。なんで瞳キラキラしてるのかな?睫毛長いな?マングローブかな?自然遺産登録しよ。
あー勃起する純度100%自然勃起する。好きな女の子とハグして勃起ちんちん擦り付けない男なんて人間失格だよな?



妹「あ……ふふ……どくどくいってるよ……あたしの脚に、挟まって……」
男「そりゃ……こんな体勢じゃ……」

今日は何の日?妹の太もも肉を掻き分けて勃起した記念日。
あー挟まるあったまる何なら出る。

男「妹……」
妹「っ、なぁに……?」

男「腰動かしていいか……?」
妹「うん、して……♡」



ぱしゃん……ぱしゃっ……ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ……

男「ぉ、う、これ、やべ、柔らけえ」
妹「あぅ、あ、お兄、ちゃんっ」

縦穴の中に、お湯の弾ける音が木霊する。
湯の重みに逆らわず兄妹で揺れる。
竿を包み込む甘い肉がぐにぐに、もみもみ。
両腕をハグとなでなでとしがみ付きに集中できるハンズフリーっぷりも良い。これ生涯おちんちんの伴侶になるべき太ももでしょ。



妹「っ、……っ、お兄ちゃんっ、気持ちいいっ?」
男「ああっ……超好き……」
妹「っ、そか、くぅ、ん、よかった……っ」

下半身の疼きを誤魔化す為に妹を抱き締める。
良い匂いがして、おっぱい潰れて、なんというか妹の声が甘くなって、こう鼻にかかったような、腕の中にいる感じが所有感っていうかふたりっきり感っていうか、……すき!!




妹「あたしも、これ、きもち、いい、かもっ」

男「え……?」




え、なにそれ。

今まで気持ちいい一辺倒だった俺の性経験に新しい価値観が生まれた。

妹が気持ちよくなってくれても……俺は嬉しいのか。
当然だったか。家族だもんな。


男「なあ妹、妹はどうしたらっ、気持ちいい?」
妹「え……?」
男「大好きなお兄ちゃんに教えてくれないか?」



妹「あ、うん、もっと腕全体でぎゅっと包み込むようにして守ってくれるみたいにして胸の匂いとか嗅がせて自分でも気付いてない不安感溶かしてあたしに自信付けてキリッとした眼差しと優しい雰囲気で耳から脳へあたしを肯定して欲しいよぉ……」



妹「……ん? あれ?」
男「そっか。そっかそっか、褒めて欲しかったのかな。いっぱい頑張ったんだな、妹は偉いな……」
妹「――ッッ!!? ゃ、あっ、おに、ひ、ちゃっ」

下がってきた頭を抱きすくめ、背筋を伸ばして妹を受け止め、怖い事など何も無いと世界から覆い隠すようにぴったり包み込む。
ちんちんずにゅずにゅしていた下半身も半歩だけ歩み寄り、ふくらはぎまでぴたっと付けるようにして寂しいところが無いように全身で妹を守る。



男「俺はここにいる。お兄ちゃんが側にいる。大丈夫。妹は大丈夫。ひとりじゃない。そのままでいいんだ、抱かれてていいんだ」

ぱちゅっ!ぱしゃっ!ちゃぷん!にゅぷっ!

妹「あ、やぁぁっ、おにっ、こし、とめ、へぇっ、やだっ、ぞわぞわっ、すごいっっ」

男「俺にお父さん感じていいからな、お母さん感じていいからな……妹大好きだぞ、あったかくて大きくて優しい家族すけべで気持ち良くなって良いからな……」
妹「ふ、にゃ、ぁぁぁぁ、ぁぅ、ひっ、いぅっ、ふぇ、ぇぇぇ……!!」



妹「えぐっ、ふぇ、う゛ぇぇぇ……っ!!!」
男「よしよし……」

ついに泣き出してしまった。分かるよ。腰振りハグにお父さんお母さん感じて、悲しくなっちゃったんだよな。
俺たち、あれから泣く暇すらなかったもんな。

男「ちゃんと悲しくなれて偉いぞ、泣きながら気持ちよくなれて偉いぞ……今はお兄ちゃんの胸でいっぱい泣こうな……」
妹「うっ、う゛ぐっ、えぅ、ぶぇぇ……!!!」

水音がぱしゃぱしゃうるさいので、口元と反対の耳を指で塞ぐ。今は俺の声しか聞こえないようになってしまえばいい。俺の事だけ考えてればいい。



ぱちゅん!ぬちゅっ!ずにゅっ!にゅこっ!

男「そっか。これが……恋、か。」
妹「っく、うくっ……こい?」
男「ああ。お兄ちゃんな……妹に、恋してるんだ」
妹「ぁっ、だめっ、だよ、そんな、兄妹で恋なんてっ、やだっ、きもちぃ、ぁ、ぁぁぁぁあ、」

妹の身体がズリズリと、俺の竿の上に落ちてくる。
フォーリンマラ。



男「好きだよ、妹」
妹「あ、や、やだやだやだっ、ぞわって、ぞわぞわっ、ぞわぞわきちゃう、きひゃうっ、」
男「好きだ」
妹「ふぁ、ふあぁっ……あ、あたしもすきっ!すきっ!すきぃっ!おにっ、ちゃ、しゅきぃ!、!」



妹の蜜が溢れた陰唇が、にゅるりにゅるりと俺へ口付ける。俺は密着していた腕をゆるめ、妹と正面で見つめ合った。

妹「ゃ、くる、!すご!いのっ、くるっ、ぁ!や、きちゃ!あ、おに、!ちゃ、あぁん!」

男「うんうん。大丈夫。一緒にいこうな、お兄ちゃんと一緒だ」

妹「いっしょ?おに、ちゃんと、いっしょぉ……♡ いっしょすき、いっしょうすきっ、おにいちゃ♡いっしょうしゅきっ♡」




男「おいで」
妹「ぁっ♡♡♡」

家族であること、兄であること、男であること。
全部覚悟し、妹を好く決意をして……再び引き寄せる。
腕の中の存在へ伝わって欲しいと、願いのような愛情を込めて。



男「んっ」
妹「!!!♡っ!??!♡んんんん~~っ!!?♡♡♡」



ビクビクビクッ!!
妹「ん、んんぅ……!!!♡♡♡」
ビュルルルルッ!!
男「ん、ふ……」

音を唇の外に漏らさず、心をふたりの中で交わし合う。
唇が、膣が、肌が、声が、熱が、妹と通じる全部が「すき」という意味を伝えてくる。



ガクッ、ガクガクッ、ギュギュッ、
妹「んん、 ん、  ん  ん」
ビュルル、ビュルル、ビュクッ、
男「……ふ、……ん…………」

妹は息を止めて呑まれている。
俺は息を抜いて味わっている。

縦穴は沈み、恋の熱量は蒸気のように立ち上る。


ビク、ピクピク……
妹「ぷ、ぁ……っ♡♡♡」
トプ、トプ……
男「っ、はふ」

妹「おにい、ちゃん……」
男「ん?」





妹「えっちな妹でも、嫌いにならないでね……?」
男「ああ」



ププー。
プシュウウ……

兄妹「「?」」


なんだこの無粋な電子音は。祝福したいのは分かるが、もうちょっと気の利いたものにしてくれ。
身体を包んでいたお湯も排水されてゆくので、外気に晒された妹の肩を再び抱いた。


博士『決着おめでとう。ふたりともお疲れさま』


兄妹「「……」」

博士『いやあ、すごいぞ君たち! 初めはどうなるかと思ったが、ものすごい量のエネルギーが確認、そして抽出されて、いやはや言葉では感謝を言い表せないっ、』




……


男「……」

妹「……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!



兄妹「「い゛い゛と゛こ゛た゛っ゛た゛の゛に゛ぃ゛ぃ゛!!!!!」」
博士『あああああ馬鹿スピーカー越しなのに鼓膜破れる!!!家こわれる!!!いい歳して泣くなお前ら!!!やめろ!!!』



……

……

……

男「忘れてた……」
妹「忘れてたね……」

俺たちは競技として与えられた時間の中で睦み合っていたにすぎない。



妹「なんだっけ、FOE?」
博士『DoCだ』

博士『勝負は妹さんの勝ちという事で決着した。この後は縦穴の蓋が閉じるが、すぐに洗浄液が降り注ぐ』

博士『色々汚れているだろうし、怖がらずにシャワーを浴びてくれ』


バタン。
シャアアアア……

男「うぷ。なにこれ、水?」
妹「ちょっと違う。あ、これ、精子よく落ちる……」
男「Oh… my kids…」

……

男「あれ?味変わった?」
博士『飲んでもいいけど美味しくないぞ。今出してるのは保湿液だ、それも浴びておけ』
妹「はぇ~すっごい……」



博士『さて、注意して男くんは右側、妹さんから見て左側の壁に寄りかかってくれるか?』

男「これでいいか?」
妹「左側ってよく分からないけどこっちだよね?」
男「逆だ。こっち来い」



ぽんっ!

男「のわっ、なにこれ?ふかふか」
妹「うへ、きもちいい~!」
博士『壁をタオル地にした。倒すぞ』

ウィィ……

男「のわ、わわわ」
妹「た、たたたたおれる!」

博士『45°傾けた。今の壁は掴んで引っ張れば伸びるから、それで身体を拭きなさい。回すぞ』

ヴィィ……

男「……ドラム式洗濯機?」
博士『やってる事は乾燥機だがな』
妹「ごろごろごろごろ……」
男「こらそこのハムスター。ちゃんと拭きなさい」



……

博士『済んだかな。更に倒すぞー、身を任せて横になれ』

男「おお、0°まで行くのか……」
妹「ふかふか、ふこふこ……」

博士『元々蓋のあった方面が、ちょっと窪んで狭くなってるはずだ。その段差を枕として使いなさい』
男「360°枕って新しくない……?」

ぱちん!
ばさっ!


博士『壁に出ていたタオル地の固定を外したから、そのまま簀巻きだ。布団として使っていい』

妹「しかも、もう乾いてる……」
男「……至れり尽くせりすぎない?」



博士『これでDoCは終わりだ。改めて礼を言おう』


男「いや、どうも……」
妹「うん……」


男「つーかめちゃくちゃ眠いんだけど……」

博士『体内時計を軽く早める周波を流しているからね。人の身体は入浴後の30分後に一番眠くなるものだ』

男「……寝て良いの?」
博士『安心して休んでくれ。明かりも徐々に落としていくから、それに合わせ瞼も落とすといい』



妹「ふわ、ぁ……お兄ちゃん、ぎゅー……」
男「むぎゅ……」



……
……
……

男「妹……おや、す……」
妹「おやすみ、おに……ちゃ……」

兄妹「「すぅ……すぅ……」」



博士『ほんとに、仲の良い兄妹だこと……』




The 1st DoC
the man vs ◯the sister



Down level(cm)
31 腹ズリ手コキ 3
39 立ち素股   46


The order
「えっちな妹でも、嫌いにならないでね」

安価まで行かなかったけどキリいいからここまで

そうした
ありがとう


……
……
……

男「う……ん」
妹「んん……」

仄かな光が差し、目が覚める。
同じく、腕の中にある温もりもぴくぴくしてる。



男「おはよ……」
妹「ん、おはよぅ……」

真っ白なタオルケットの中から墨染の柔らかな頭が這い出てきた。


男「っ……」
妹「あはは……」


理性を取り戻してから顔を合わせるのは昨晩ぶりで……ずいぶん久しい気がしてしまう。
あの縦穴であった事や交わした言葉はお互いはっきり覚えていて、感情が煽られていたとはいえ紛れもない本心だという事をお互いよく分かっていた。



ふたりだけの家族であるとか。
長く過ごした兄妹であるとか。
惹かれ合う男女であるとか。

お互いそういう区分けを必要としない両想いの好意。

男「あのさ」
妹「うん」

男「これからもさ」
妹「……うん」

男「今まで通りで……いいか?」
妹「うん!!」



妹「あの時、お願いしたよね?」
男「えっちな妹でも、嫌いにならないでね……だったかな」
妹「そう。お兄ちゃんがあたしの事をずっと好きで居てくれてたってのが改めて分かって……嬉しくて……そうやって、好きで居てくれてるなら……今まで通りなら、すごい嬉しいよ」
男「ああ。俺だってそうだよ」

なんとも言えない「お兄ちゃん」と「妹」の関係。

あえて言い表すのであれば、裸で同じ布にくるまって、笑い合い、温め合い、頬を掻き、無防備に眠る関係、とだけ。

妹「あ、フタ空いてる。起きよっか」
男「ヨコにするとカプセルホテルみたいだな……あ、服畳んで置いてある」
妹「これからどうなるんだろうねえ」
男「ホント。ったく、よく無警戒に寝れたわ」


?「お待ちしておりました」

着替えて白い部屋の出口に立つと、見目麗しい金髪の女性がメイド服みたいな姿で待っていた。
待て、いやコイツは……前に見た時は軍服みたいな格好してたが、俺がやられる前に見た。

男「あの時の不法侵入野郎!」
妹「野郎!」

?「女郎で御座います。その節は大変失礼致しました。」

丁寧に頭を下げられてしまった。



使用人「今後は男様、妹様の身辺をお世話するよう、博士より仰せ付かりました、使用人と申します。」

男「どうも」
妹「どうも」

頭が悪い故に基本素直な俺たちである。


使用人「起床したら話がしたいと博士から承っております。ご同行いただけますか?」
男「はい」
妹「はーい」



恭しいメイドさんには似つかわしくない、普通の一軒家のような建物を案内される。

使用人「こちらです。お入りくださいませ。」



リビングのような広間には、例の少女……博士が鎮座して待っていた。

博士「おはよう。よく寝ていたな」

男「おかげさまで……」
妹「爆釣です……」

博士「爆睡だ。立ち話もなんだ、サーちゃんも一緒にそこ座ってくれ」



使用人「かしこまりました。失礼します。」
男「サーちゃん?」

博士「サーバントのサーちゃん。使用人なんだけどさ、あたしが名付けた」

使用人「御二方は、どうぞ使用人で結構です。」
妹「ふーん?」



博士「まあ早速なんだけど、君たちには住んでた家を出てこちらに移り住んで貰いたいんだよ」

男「……どこまで知ってるんですか? 普通学生2人捕まえてそんな事ホイっと言えるはずないですよ」
博士「事故の事、身寄りの事……君たちに起きた事はとうに調べさせてもらってる。不躾で悪いね」



博士「こちらで提供するものは衣食住、あと住所と戸籍と金銭的支援。ほか身元の証明やら……まあ整理し切れてないが色々。学校を始めとした君たちの社会的生活に必要な援助、そして」
使用人「先程申し上げました、わたくしからの生活支援で御座います。」

妹「……むずかしいことばおおいな???」
男「やべえぞ。超破格だぞ。臓器売られるぞ」

下手したら両親存命の頃より保護は厚い可能性が高い。



博士「臓器売らんわ……対価として君たちに提供して欲しいのは、定期的なDoCへの協力。昨日やったアレだ」

兄妹「「……。」」

妹と顔を見合わせる。頬と耳が熱い。

博士「楽しかったみたいで何よりだ……ふふっ」


博士「とは言っても、アレが私たちにとって何の役に立っているのか分からないままでは男くんも不気味に思うだろう」

博士「そんなわけで、これは昨日の研究成果だ。まだ試作品だがな」





博士はテーブルの上にピンク色のカプセルを並べていく。
薬品?

男「ついに俺は麻薬醸造犯に……!?」
博士「勝手に醸造すんな酒税法でしょっ引くぞ。とは言っても、合法かと言われれば……グレーとしか言えないがのー」

博士「DoCの内容が苛烈であるほど、このカプセルを作るのに必要なエネルギーが大量に生み出される」



妹「でも、これ何に使うの?」

博士の目がキラリと光った。

博士「良い質問だねぇ。これはかつての偉人や研究者たちが追い求めて止まず、しかし現代までなお得られなかった薬……」
男「ゴクッ……」







博士「惚れ薬だ」



男「あの馬鹿大丈夫かな」
妹「あのアホダメかもな」
男「解散やな」
妹「解散やで」
博士「おい君らには言われたくなかったぞ」


博士「あのな、これは本当にすごいものなんだよ、ちゃんと調整して実用化できたら、正規のルートでなくともあっっっという間に一生生きていけるだけの金は手に入る!!」


博士「それに惚れ薬としての効能だけじゃない、副次効果には媚薬としての効果もある。これだって現在までの西洋医学では一切認める事のなかった効能だ」



博士「分かるか? 君たちの協力は、私たちの支援なんか比にならないくらい金になってしまうものなんだよ」

男「俺は妹と健やかに生きていきたいだけだ。身に余るものは要らない」
博士「だからそうならないように、君たちが望むように管理させてもらうし、こちらの都合の一切から君たちを守るよ」

はっきり言って怪しさしかない。

だがこの話を聞いた以上、逃げるという行為は自殺するに等しい。
それに、昨日は協力すると約束してしまったのだ。反故にする事はできない。


男「分かった。手を貸す。だから、俺たち……とりわけ妹の生活の為に、手を貸して欲しい」
妹「お兄ちゃん」
男「俺が協力するのは常に妹のためだ。同じように志を聞かせろとは言わないが、」



男「――妹にもしもの事があったなら、死んでも化けてお前を殺す。それだけ覚えておけ」



妹「や、やだお兄ちゃん……トゥンク……」
博士「ソレ声に出るやつ?」




博士「委細、承知した」



男「……反故にする事は容易いだろうが、信用させてもらう」

博士「お前みたいなガキンチョにそれだけの強い言葉を使わせたんだ。約束は守るさ」

男「頼む。……俺たちだけじゃ、正直どうしようもなかったんだ」

博士「知ってる。腹が減った。あとの話はまた後ほど。サーちゃん朝メシにしようぜ」

使用人「かしこまりました。お待ちください。」


……

……

……



使用人「あり合わせで恐縮ですが」

並んで出てきたのは普通のサンドイッチ。
まあ用意する時間もなかっただろうし、フルコースこさえて来られるより正直助かる。




男「んじゃいただきます……むぐ」

……は?

男「旨すぎかよ……結婚して?」
妹「は?」
博士「は?」
使用人「申し訳ございません」



妹「お兄ちゃんいくら旨いからってそれは無いでしょ……むぐ」

妹「結婚しない?」
男「は?」
博士「有り」
使用人「申し訳ございません」



博士「なんだよこの流れ天丼じゃねーんだぞ……旨いのは分かったから朝メシくらい静かによ……むぐ」

博士(そうだぞサーちゃんの作るものホント何でもかんでも美味しくてホント自分には勿体無いくらい)

博士「結婚しよ」
男「クソザコ」
妹「メスガキ」
使用人「は?」

……
……
……




初めてこんな美味しいサンドイッチを食べた。
ついでに、初めてメイドさんにリボルバーを向けられながら朝食を食べた。



男「ごちそうさまでした」
妹「すっごい美味しかった!! サーちゃん、メイドさんの中でも凄いメイドさん?」

使用人「ありがとうございます。今のわたくしはメイドではなく只の家事使用人です」

博士「ただの家事使用人はコルト製のなんて渋い獲物持ち歩かないっての。ウチで雇ってるのも彼女ひとりだけだしな」



男「えっ、この家をひとりで?」
博士「そ。守秘義務もろもろあるけど、とにかくワケありでね。雇ってるのはサーちゃんだけ」

博士「ただ見ての通り、凄い家政婦長……だったり秘書だったりヴァレットだったりエージェントだったりしてたのは本当だ」
男「最後おかしくない?」
博士「彼女は紛う事なき、マジモンの「一流」だ。大半の事は頼ってやってくれ」



妹「でも、これからご飯も洗濯も4人分で大変だったりしない? 手伝う?」
使用人「お気になさらず。皆様にもお手間は取らせません」

博士「これでも、お前らに合わせて随分フレンドリーにしてくれてるんだがな。お屋敷でのお仕事モードで世話されたらもう凄いぞ、自分の身分を神かと勘違いしそうになるぞ」
使用人「お戯れを……」



妹「まあサーちゃん、クールでカッチカチにしてるより普通に女の子らしくしてる方が綺麗だよね! ねっお兄ちゃん!」
男「うん。これから色々お願いするわけですし、楽にやっててもらえれば嬉しいです」

使用人「……ふふ、ありがとう。男様、妹様」



使用人「では片付けてきます。本日は予定が詰めておりますので、どうか待っててください」

妹「ちょっとだけ頑張ってフレンドリーにしてくれてる感いいね……」
博士「分かる」
男「マーン!」
……
男「おいなんでやらせた?」
博士「頼んでないな?」

俺や妹の間に強い絆があるように、博士と使用人の間にも少なからず信頼関係が見え隠れしていた。



男「ちなみに予定ってのは一体?」
博士「転居届やら引っ越しやら。行政に直接行くわけにもいかんし学校に知られても面倒だから、こっちも色々根回ししてんだよ」
妹「はぇー」

余裕で実銃持ち歩いてるし一体なにものなんだこいつら……?



使用人「お待たせ致しました。引っ越しの準備を致しましょう、御二方の家まで車を出します」

博士「以降は、とりあえずサーちゃんの指示に従ってくれたまえ。ではな」
妹「サー!イエス!サー!」
使用人「あら。軍曹のように振る舞えばよろしいのですか?」
男「出来そうな香りしかしないからやめて」



そこから先は指示に従い、家財の類いをどこからかやってきたトラックに詰めていく。

妹「うーんあのソファ一応お気に入りだったんどな」
男「運べないだろ。自分の荷物だけでもまとめていくぞ」
使用人「あら、運べないなんて事は御座いませんよ。よろしいのですか?」
妹「ほんと? サーちゃんお願いっ!」



妹はいたくサーちゃん……使用人さんが気に入ったようで、両親の死から見せてこなかった明るい横顔をようやく見せてくれている。
笑ってくれるのが俺に向けてだけじゃ良くないもんな。

使用人「かしこまりました。身柄に獲物に薬に情報……あの集団に運べないものはございません。安心してください」
男「とってもハリウッドな感じがして安心できないよ?」
妹「でもかっこいい……!」


……
……
……


使用人「お疲れ様です。どうぞ、こちらを飲んで休憩なさってください」
妹「疲れたー……あれ、それはご休憩って言わないんだ?」
男「ありがとう。日本語的に間違い、じゃないとは思うんだけど……どうなんですか?」



使用人「男様……ご休憩、されていかれませんか?」



男「はい」
はい。
妹「だめ!なんかすけべオーラ感じる!」



使用人「大変恐縮ですが、印鑑をお預かりしてよろしいでしょうか」
妹「あれ? お母さんが大事にしまっておけって……」
男「生殺与奪握られてるのに今更。俺たちの命より大事な遺産はこの家にない。……ってか、代行手続きに必要なんだろ?」
使用人「左様。……ありがとうございます。男様の信用、必ずや遵守致します」



……



遺影『……』

男「……」
使用人「エアパッキンです。……額縁など、割れ物にお使いください」
男「使用人さんっ、」
妹「あ、プチプチ!」
使用人「ふふ、妹様どうぞこちらへ。たくさんありますよ」
男「……」



……



兄妹「「……」」
使用人「以上でよろしいでしょうか?」
男「ああ」


妹「……。さびしーね」
男「取り壊すわけじゃないし、忘れものがあったらまた来れば良い。暑いし、そろそろ行こう」
使用人「では、戻りましょう」



……
……
……


博士「おかえり。無事に済んだかね?」
男「お陰様で。何から何まで、本当にすまないな」
博士「構わんさ。受け入れてくれて嬉しいよ」

……ただいま、とは言えなかったけど。
話せる人が待っている生活というのは、本当に有り難い。
妹とは距離が近すぎて、他者とコミュケーションを取っている気にはなれなかったのだ。



使用人「お待たせ致しました。おおよその荷解きは用意した部屋で致します。その後で個人的なお荷物の整理をなされるとよろしいでしょう」

男「いや、十分助かるよ。ベッドやらの大物は据え付けになってるんだよな?」
使用人「はい。小型ではありますが冷蔵庫、電子レンジ、空気清浄機、ウォーターサーバーなどは棚の下を開けていただければございます」

個人部屋の棚の下にござるような設備じゃなくない?

使用人「ほかはクローゼット、洗面所、浴室備え付けのものを使っていただいて結構です」
男「ホテルか何か?」

使用人「ふふ、何なりとお申し付けください」

こう……笑顔が絵になる。
唇に指なんか当ててるし。
予想以上に人間味のある話が分かる人だし、髪がガチ金髪なのもあって使用人というよりすごいこう、お嬢様みたいなんだよな……。



妹「おおおおお……有料放送……!!」


男「よかったなー。……ふわぁ」
使用人「どうぞ」

ソファーに妹とふたりで座っていると、どこからともなく毛布がかけられた。

妹「ありがとサーちゃん! ……む、お兄ちゃん眠いの?」
男「まあな……」
妹「えー? ねんがんの有料放送だよ? 有料!怨霊!魑魅魍魎!」



男「勝手にホラー番組にするな……ぁふ……」

興味のない番組を見続けていると、連日の疲れもあって眠くなっていく。

博士は新薬の研究に学校への根回し。
使用人さんは俺たちのお世話と家事を同時進行しながら役所で見るような書類を作成している。

妹「……よしよし」
男「ん……」
妹「だいじょうぶだよ」


使用人「あら、博士」
博士「さすがに私も休憩だ、幼い身体には堪えるね。おや」

男「すぅ……すぅ……」
妹「えへへへ、寝ちゃったんです」



博士「ああ、寝かせておくといい。彼はずっと気を抜かず妹さんの事を守り続けてきたんだ。この若さでな」
妹「ぁ……」

遠くなった意識の中で……妹とは違う手が毛布の上から俺を撫でている気がする……



妹「あたし……お兄ちゃんに、ちゃんとお返しできてるんでしょうか」


博士「男ってのはねぇ……近くで慕ってくれる女の子がいるから頑張れるのさ。弱く見えるところがあるとするなら、それは妹さんだけにだよ」

使用人「ええ。出来ない事が多々あって、年相応に無力で、聡くもなければ逞しくもなく。それでも、男様は立派に男性なのです」
使用人「それはご両親の事もそうですが……妹様、貴方がそうさせているのですよ」



妹「あたしが……お兄ちゃんを男にした……」
博士「流れ変わったな」
使用人「失言でした。申し訳ありません」

博士「そういや、昨日のDoCは妹さんの勝ちだったな。こんだけ似たもの兄妹なら引き分けもありそうだけど、何が違ったのかね」
妹「それは……」

なでなで。

男「ぃ……と……」

妹(DoCが終わった今も、そのずっと前からも……)
妹(あの縦穴関係なく、あたしがお兄ちゃんにっ、本気で恋してるから……)
妹(お兄ちゃんを男にしたというより……昨日よりずっと前に、あたしはお兄ちゃんに……女にされちゃってたんだ……)


使用人「うふふ。野暮ですわ博士」
博士「失礼した。さあ良いものも見れた、作業に戻ろうか」



……
……
……


男「ごちそうさま、使用人さん。美味しかった」
妹「ありがとサーちゃん!」
使用人「ふふっ」

とっても美味しい夕食を平らげて、今日の諸用を終えた同居人たちは居間に勢揃いする。



博士「悪いが部屋のシャワー及び風呂は使ったら自分で洗ってくれ。部屋の掃除と違ってプライバシーもあるからな」
使用人「浴場を使うのであれば清掃は結構ですが、男様には最後に入っていただく事になってしまいます」

男「構わないよ。女所帯でこれだけ取り計らってもらえてるだけ有り難い」



博士「それで、これは作業の片手間で作ったものなんだがな」

博士は何やら額縁を持ち出してきた。
家訓のようにして項目が並んでいる。




縦穴式住居 5つの決まり

1:一日の終わりに縦穴式住居でDoCをする事

2:DoCの勝者は翌日のあいだ有効な命令を言い渡し、敗者はこれに従う事

3:日頃からRUを開発し、より新鮮に駆け引きする事 

4:お互い闘争心と慈しみ、尊重する気持ちを絶やさない事

5:毎日、必ず縦穴式住居へ帰ってくる事



……

あの額縁は特に反論を受ける事もなく、居間の壁面へ落ち着いた。
ただし、縦穴は初稼働後の再調整をしているらしく現在はDoCができないとの事。

これからまだ考える事が沢山あるが、今は与えられた部屋でくつろぐ。


いや、それよりもせっかく皆の時間が空いたのだ。振り回されるばかりではなくてこちらからも行動を起こしていきたい。





(消えてる選択肢は選択できません)
(個人の部屋を訪れる事でDoCへのヒントを得る事ができます)
(妹からは各個人への攻略ヒントを、使用人からは様々な知識を、博士からはRUへの知見を得る事ができます)

(前日に「命令」が発生している場合は「夜に該当者の部屋を訪れる」事で仲が深まったり深まらなかったりします)
(また「命令」の該当者と過ごさなかったとしても、それはそれで何かが起こります)




1

2:ソファに座る妹に同居人との付き合い方を相談する(妹・使用人・博士)

3:明日の仕込みをする使用人に声をかける

4:研究中の博士にRUについて質問する

5:誰かの部屋を訪ねる(妹・使用人・博士)


(明日の仕込みをする使用人に声をかける)



男「ふう……良い湯だった」

最後っ風呂をもらい、飲み物がないか台所をうろつく。
そこでは薄着に着替えた使用人さんが料理の仕込みをしていた。

男「使用人さん。冷蔵庫のものって飲んでいいんですか?」

使用人「ええ、ドアポケットに入っているものは飲用です。どうぞ」

男「じゃ、いただきます」

牛乳をコップに注ぎ、一気に飲み干す。



男「ところで、使用人さんと博士ってどういった関係なんですか?」
男「単に雇われってだけじゃなくて、すごい仲良さそうに見えるんですけど」

使用人「それについては返答できません。わたくしが男様を信用していないわけではないのですが、もしも知りたいのであれば博士の口から聞かされるべき事柄ですので」

男「ああ、あまり気にしないで。話のタネとしてちょっと聞いただけだから」
使用人「そうでしたか」

使用人「では……わたくしからも興味本位でひとつ、伺ってよろしいでしょうか?」
男「どうぞ?」



使用人「男様の性的な経験について、よろしければお聞かせいただきたく……」
男「ナンデ?」


男「……正真正銘、昨日のDoCが初めてだよ。性的な知識を補完してくれるRUは使わせて貰ったけど、それでもお互いに経験不足だったな」

この縦穴式住居ではあまり隠しても意味のない事柄ではあるし、見栄を張っても仕方ないと思うので正直に告げた。



使用人「そうでしたか。場違いではありますが、おめでとうございます」
男「いや祝ってどうすんの。ゴムも無かったし、セックスはしてませんよ」
使用人「そうでしたか……」

なんか残念そうだし、やたら食い気味だし。
見目麗しいというより見目好いってイメージだったけど……また分からなくなってきた。
工作員的なところもそうだし、結構なんでもいけるクチの人?



使用人「では妹様と男様で……何をして気持ち良くなったのか、教えていただけませんか?」
男「あなた単純にすけべですか?」
使用人「……。そのような事はごさいません」
男「目を見て話してくださいね」


いろいろ言葉を濁しながら……手コキと立ち素股の事を話す。



使用人「……では、終始圧倒され続けていた、と」
男「う。恥ずかしながら」

立ち素股で妹がイったのも、理性を完全に失った俺が恥ずかしい恋ワードを連呼して感じさせたからであって、とっくに勝敗は決していた。
高さが下がってイチモツに触れたのも偶発的なもので、すけべ的センスは現時点で完敗といって良い。

使用人「博士の考えるDoCの理念におきましては、どちらが勝つか分からない緊張感のある勝負に良い性体エネルギーが生まれるものとされています」
男「しれっと造語で相手を置いてくの良くないですよ?」


使用人「男様も話の本旨から逃げないでくださいませ。年頃の殿方として恥ずかしさを感じてしまうのは承知しております」
男「うう……羞恥プレイだ……」



使用人「わたくしから男様へ提案したいのは、性の手ほどきでございます」

男「は……?」
(は……?)
は……?

使用人「恥ずかしながら、わたくし……そういった事にも心得のある身でございまして」
男「じゃあまさか、使用人さんがエッチな事させてくれたりしてくれたりするって事ですか? そんな事はないですよねぇ」
使用人「百聞は一見に如かず。僭越ながら、わたくしが実習形式でお相手させていただきます」

駅前凌辱セックススタディですかそうですか。


使用人「わたくしの持てる知識はあくまでも技術としてのもの」
使用人「それを相手を屈服させる為に使うのではなく、よりよい親交の為に使っていただきたいとわたくしは願っております」

……確かに、妹や他の誰かを望まない快感や苦痛で壊してしまう事は望まない。
RUに頼るのは向上心と違うんだろうから、繊細な女性の身体を傷付けてしまわない為にもここは教えを乞うべきなのだろう。


使用人「男様は仮に男性として情けなかったとしても……愛の深いお方ですから。その心配はしていないんですけどね?」
男「うう……またそうやって童貞が喜びそうな事言う……」






不意に、使用人さんが歩み寄ってきた。

使用人「……それに」

そのまま、横を潜り抜けるように、耳へ唇を近付けて。



使用人「――DoCの前に、密かにスッキリしてしまえば……貴方のおちんぽ、楽にさせてあげられますわよ?」
男「――ッッ!?」


使用人「うふふ……♡ どうか、わたくしの教えを男様のお役に立ててくださいませ」
男(どきどきした……ばくばくする……)

※自由行動フェーズで
「れっすん」:責める練習
「とっくん」:耐える練習
「ぬきぬき」:愉しむ練習
を使用人から受けられるようになりました。



……一方その頃……



妹「……」

妹(えっちな妹でも嫌いにならないで……かぁ)
妹(今さら、とんでもない事言っちゃったよね)
妹(「命令」として定められてるのは今夜までだけど。まあお兄ちゃんがあたしの事嫌いになるのは想像できないし)

妹「……」
妹「~~っ」

妹(……嫌われるわけないもん。不安になんか思ってないもん。ぷいっ!!)




妹「不安なんかじゃ、ないもん……」


妹「というか、また命令しちゃえばいいんだよね? 今度はもっとえっちな命令とか。うん」
妹「まあお兄ちゃんのあの様子だと、今度もあたしの勝ちは間違いないかな。あたしでも何とかなる程度でよかったよー」

ここまで

いわゆるセックスバトル、バトルファックものって読み物でも同人ゲームでも一定数存在するジャンルなんだけどさ
顔をしかめる様な一方的なSMが多かったり
共感しにくいような超快感、謎な状態異常があったり
そもそも実際は男女の快楽の根源が精神的なところにあったり
より相手を気持ち良くさせるジャンルであるのにイマイチ納得できてなかったわけよ
そういうことよね



……
……
……

男「ふぁぁ……」

初めて寝たベッドではあったが、それなりによく眠る事ができた。
妹は大丈夫かな。
縦穴、いや寝る時は横穴か……あっちもあれで、色々と良いものだけど、ひとりで寝るならやっぱり布団が良い。



男「んんーっ」

部屋の机にコップが置いてある。
その上に、丁寧に綴られた書き置きが残されていた。

『朝食の用意ができております。お目覚めになられましたら、居間へお越しくださいませ。使用人』

コップの上に乗せてたのはなんでだろ。
あ、埃除けか。そんなの気にした事なかったわ……



美味しい一杯の水を飲み干すとよく目が覚める。
洗面台で顔を洗い、普段着に着替えて部屋を出た。



……
……
……

男「ごちそうさまでしたっ」
使用人「お粗末様です」

ナッツと豆腐と野菜類だけの朝食を、やたら美味しいドレッシングで完食する。
曰く、一般的な生活において3食すべて糖質を摂取する事は過剰なのだとか。

男「使用人さん、このドレッシングすごい美味しかったんだけど、何か普通のと違うの?」
妹「うん、これだけで野菜全部食べられる感じ」


使用人「恐悦に存じます。これはいわゆる生ドレッシングというもので、店売りのものより日持ちが短いものです」
妹「はえー、作れるんだねぇ」
使用人「よろしければ、いずれお教えいたしましょうか?」
妹「え? あ、あたしはですね、その」
博士「食べる専門っぽいな。どうなんだい男くん」
男「お察しです。使用人さんには到底及ばないですが、時々台所に立ってたのは俺でした」


妹「うるさいやい! なんだよ童貞及ばないって!」
男「どどど童貞ちゃうわ!」
妹「時々台所で勃ってたのは俺でした?」
使用人「あら。では昨夜は……」
妹「先のDoCの敗北者じゃけェ……!」
男「やめやめろ!」


博士「朝から賑やかだねぇ」
使用人「ええ。とても」



部屋に戻って歯を磨くと、特にやる事がなくなってしまった。
身辺さえ落ち着いてしまえば元々は夏休みの時期で、予定を立てていなかった俺は暇を持て余しているのだった。



……博士が去り際に残した、密かな囁きがまだ頭に残っている。


博士『ああ、そうそう』
博士『DoCの相手は……妹さんに限らなくても良いんだぞ』
男『――なっ?』
博士『私もサーちゃんも拒まんよ。もしヤるとしたら、自分の心配をしておいた方がいいんじゃないかね?』
博士『では、よく考えておきたまえ……ふふっ』




(自由行動は朝・昼・夜の3種類があり、出来る事が変わります)
(準備をせずDoCへ挑めば負けてしまいます。夜に向けて準備をしたり、準備をしなかったりしましょう)




1:外出する(ひとり・妹・ ・ )
2:ソファに座る妹に同居人との付き合い方を相談する(妹・使用人・博士)
3:洗濯中の使用人に声をかける(れっすん・とっくん・ぬきぬき)
4:研究中の博士にRUについて質問する
5:誰かの部屋を訪ねる(妹・ ・ )


(妹と外出する)

……

使用人「あら、お出かけですか?」
男「ちょっとしたものを買いに。妹も来るか?」
妹「お出かけ? うん、いいよ」


使用人「車をお出ししましょうか?」
男「ああ、ここの場所は分かってるから歩きで大丈夫。昼までには戻るよ」
使用人「かしこまりました。ではお飲み物と……鍵をお渡ししておきます」



博士「――鍵の突起を押すと、こっちに分かるようになってる。スマホ無理な状態で有事の際は使え」
男「……了解」

博士「ちゃんと妹さんの体調も見てやるんだぞ。いってらっしゃい」
男「わかりました」
妹「いってきまーす」


……
……
……


みーんみんみんみんみん……

男「……」

みーんみんみんみんみん……

妹「……」

みーんみんみんみんみん……



男「」
妹「」

地面がゆらゆらしている。
頭が暑くて蒸発して虚無。

男「水飲め……」
妹「全部飲んでいい……?」
男「着いたら新しいの買おう、な」
妹「ぐび……」

男「次買い物行く時はおとなしく車出してもらおうな……」
妹「それじゃデートじゃなくなっちゃうよ……」
男「デートの心配よりメルトの心配しようぜ……」
妹「ふたりはメル友……」
男「ごめんな、英語難しかったなごめんな……」



妹「ただの買い物なら涼しい方がいいよねぇ……」
男「ちゃんとお出かけする時はふたりで行こうな……」

そういう目的で同居人を誘う時以外は、流石に使用人さんの足を借りようと思う俺たちだった。



……


目的の場所に着く。大衆向けのデパートだ。

妹「お兄ちゃん何買うの?」
男「身だしなみ用に色々新調しようかも思ってな。メンズだとこっちか」


……

妹「爪切り? リビングにあったよね?」
男「家から持ってきたヤツな。流石に男女兼用で使うのは気が引けるっていうか、自分の欲しいっていうか」
妹「あたしは気にしないんだけどな」



男「まあまあ。というか、爪磨きはメンズの方に無いのか……」
妹「爪磨きまで? ふーん」
男「探しに行くか。でも女モノの美容グッズは広いなぁ」
妹「……案内したげる。おいでお兄ちゃん」
男「おっ?」


妹「これでしょ。ピッカピカにする系じゃなくて、綺麗に形を整えるやつ」
男「おっ、あたり。居てくれて助かったわ、これで昼までに帰れるよ」
妹「えへへへ~♡」

頭をワシワシ撫でてやる。
妹の黒いショートボブは本当にツルンツルンのこそばゆい触り心地で、どこから遺伝してきたのか見当がつかない。



妹「だってお兄ちゃんは、そういうところでも大事にしちゃうんだもんね?」
男「そういうところ……?」



妹「爪丸くしておかないと痛い事……しちゃうんだもんね?」
男「……」

ばれてーら。

妹「家族だし妹だけど……あたし、恋する女の子だもん。そういうの直に見ちゃうと……嬉しいし、これからはしちゃうぞって、言われてるみたいで。どきどきも、しちゃうな」
男「……」
妹「んふふ。困っちゃうかな。帰ろっか」


……
……
……

博士「ふう」
使用人「あら、休憩いたしますか?」

博士「ああ、ちょうど昼メシ時だろう。あのふたりはまだかい?」
使用人「ええ。日も高くなってきましたし、のぼせる前にご帰宅いただきたいところですが」


がちゃ。



兄妹「「あ゛ち゛ゅ゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」」



博士「だぁぁぁやかましい2倍うるせえサッサと水飲んで部屋でシャワー浴びてこいおかえり!!!」
使用人「おかえりなさいませ。昼食の用意がごさいます、涼まれた後で結構ですのでこちらへお越しください」



……
……
……


使用人さんの昼食を堪能したら部屋で食休み。
部屋で横になってると昼寝しちゃいそうだから、何かしら動いて腹ごなしと行こうか。






(ここは女子3人とひとつ屋根の下です。つれない行動を取ろうが、何も起きないはずがなく……)




1:くつろぐ(ひとり・妹・使用人・博士)

2:ソファに座る妹に同居人との付き合い方を相談する(妹・使用人・博士)

3:洗濯中の使用人に声をかける(れっすん・とっくん・ぬきぬき)

4:研究中の博士にRUについて質問する

5:誰かの部屋を訪ねる(妹・ ・ )



(研究中の博士にRUについて質問する)


こんこん。

男「男です。入ってもいいですか?」

博士「構わない」


DoCの出口、横穴の部屋の近くにある地下の部屋。
そこが博士の研究室だった。

男「お邪魔しまーす……」
博士「はは、あまり畏まるな。して、要件を伺おうか」


男「縦穴式住居の決め事に、レギュレーションユニットを開発する事……ってあったじゃないですか。どうやればいいのか、俺たちでも出来るのか、それが気になって」

博士「ふむ、そろそろ来る頃だと思っていたよ。立ち話もなんだ、掛けたまえ」



博士「RUの開発に必要なのは構想と時間だ」
男「構想?」
博士「RUに持たせられる効果は千差万別で、その分考え出すとキリがない」


博士「男くんが決断できないのなら【第三者の目で決定された内容】が必要になるかもしれない」


男「第三者ですか」
博士「もし居ると仮定すれば、このやり取りを覗いている者……であったりな。まあ居るはずもないが」

博士「構想をここで私に告げてくれれば、【内容を両者にとって平等な形】に変換して製作を開始する」
男「ズルいものは作れないって事ですね」



博士「いいや、案外そうでもないぞ。条件は平等であればそれで良いのさ。いくらでもズルい使い方が出来るだろう」



博士「ただし、効果の強いものにおいては製作に時間を要する」

博士「例えば【両者の感度を1.25倍に上昇させる】RUならその日のうちに出来るが」
博士「【両者の感度を3倍に上昇させる】といった強力なRUなら3日はかかる」



男「作る時は自分で何かしなくちゃいけないんですか?」

博士「いや、時間さえあれば何もしなくていい。完成したら私の研究室から、夕方には君の部屋に置いておこう」



博士「RUの使い方だけではなくて、選び方についてもおさらいしておこうか」
博士「RUはDoCに向かう際に各々で持ち込む。こないだのはチュートリアルみたいなものだ」

博士「相手がどんなRUを使うつもりかは……【普段の生活や妹さんとの会話】にヒントが隠れているかもしれない」

博士「RUはそれぞれ通常3つまでセットできる。1番・2番・3番スロットといった具合にだ」
博士「それぞれのRUで相乗効果、シナジーを生み出す事も出来る。1.25倍を二乗して1.5625倍にしたりな」
男「計算はや……」

博士「方向性を持って製作、実戦に挑戦してみてくれ」


博士「最後に、常時起動型と任意起動型と条件起動型について説明しよう」

博士「RUのタイプ分けだな。常時起動型というのは、読んで字の通りだ。【DoC開始前から起動している】」

博士「部屋に入ってユニットを挿した時にはもう動いてる。任意起動型のRUを起動できるのはDoCが開始してからだから、それに先んじる事が出来るわけだ」



博士「次。任意起動型はこないだやってもらった通り、触れる事で起動できる」


博士「ただし。こないだは必要がないから説明しなかったが【一度点けたRUをもう一度触れる事で終了する事もできる】のが任意起動型の特徴だ」


博士「更に【製作者じゃなくて相手が触れても起動・終了できる】という厄介な性質も持つ」
博士「床の低下が進行すれば手も届きにくくなるしな」
博士「更に2度3度と繰り返し起動する度に【起動者に回数に応じた快感を与える】ようにデザインされている。こないだ触った時も、静電気みたいにピリッとしたな?」
博士「実際ややこしくて考え甲斐のあるタイプだ。都合の良いように使うには工夫が必要だろう」



博士「条件起動型というのは最も製作が難しい。まず時間が単純にかかる。3日は最低でも覚悟してくれ」

博士「例えば【床の合計下降幅が30cmに達した時、両者の感度を1.5倍に上昇させる】といったように製作するといい」

博士「上手くハマれば最もタチの悪いタイプだが、セットした時に【条件のみを説明する】必要がある。狙いがバレてしまいやすい事もあるだろうな」


博士「御託はここまで、いざいざ。製作したいRUのタイプと、構想を教えてくれないか?」
博士「ふたつくらいなら同時に製作して構わないよ」







1:常時起動型

2:任意起動型

3:条件起動型

(タイプの後に詳細な構想を記入してください)



↓↓

(2つ目のRUは後回しにすることもできます)
(製作する場合は同様に記入してください)




博士「ひとつ目が【RUの起動時、累積して起動者の感度を1.5倍に上昇させる】ね。私からの添削は無しだ、構わないよ」

博士「この程度なら何とか3日でやってみせる。伝票にPCパーツと書いて部屋へ送っておこう」
男「使用人さん勘違いするからやめてね?」



博士「あともう一つが任意起動型で……【両者の感度を0.9倍に下降させる】ね。なるほどなるほど」

博士「長く愉しむのもまた面白いものだ。これなら今日の夕方には渡せるよ」
男「わかりました、助かります」



男「じゃあお暇します。邪魔しちゃってすみませんね」
博士「協力してもらってるのに、とんでもないよ。これからも遊びに来てくれ」


……
……
……

こんこん。

使用人「男様、博士よりお荷物です」
男「あっ、はい」


RU【両者の感度を0.9倍に下降させる】を入手した。







1:DoCへ臨む(妹・使用人・博士)

2:ソファに座る妹に同居人との付き合い方を相談する(妹・使用人・博士)

3:明日の仕込みをする使用人に声をかける(れっすん・とっくん・ぬきぬき)

4:博士の研究室でRUの製作を行う

5:誰かの部屋を訪ねる(妹・使用人・博士)



(妹とのDoCに臨む)


男「……リベンジを果たしておくとするか」

この間は初めてだったので、経験豊富な俺とした事が偶然にも遅れを取ってしまった。
気持ちを入れ替えたので今回は実質初見。
長きに渡る兄と妹の小競り合いにも、格付けを完了しておかなければならない。

男「兄よりすぐれた妹など存在しねぇ」

出来る男は密かに爪を研ぐのだ。
白いところが残らないくらいにな。
決して獲物にそれを悟られてはいけない。


……

シャワーを入念に済ませ、髪を乾かし、スマホを見る。
今宵のDoCの申し込みについて「いいよ」とだけメッセージが返ってきていた。
約束の時間は近い。

机の上にはふたつRUが並んでいた。






1番
2番
3番


(持参するRUの記号を、対応するスロットに記入してください)

a:【方法を知らない性行為に対し、一般的な手順を脳内に想起させる】(任意)
b:【両者の感度を0.9倍に下降させる】(任意)

かきためます
ここまで



……


男「よっ」
妹「お兄ちゃん」


別々のドアから入った俺たちは、縦穴を挟んで向かい合う。

男「準備はいいか?」
妹「うん。……よろしくね、お兄ちゃん」

後ろからハグをした時みたいに、一緒の布団で寝る時みたいに。
妹は嬉しそうに、柔らかく微笑む。


男「じゃ、これセットしちゃうか」

俺が床に挿したひとつ目のRUは……任意起動型。
お互いの性行為を助ける優しい初心者の印。

妹「わかった」

妹はRUを挿し、何も言わない。
任意起動型である事から、こないだのお風呂RUであると見て間違いないだろう。

男「もっこあるんだな」

俺はもうひとつ、新しいRUを挿す。
感度を下げる効果は気休めだが、任意起動型である事から今は効果を伏せておく事ができる。



妹「あたしも、作ってもらっちゃった」
妹【快感から恋情への変換効率を1.5倍に上昇させる】

……新しい常時起動のRUを用意してきたのか。

つまり、RUに関わる色々な制約についても既知だと思った方がいい。
恋情への変換効率を上昇させるという事は、このDoCではどきどきさせる事より相手を直接感じさせる事に優位があるという事だ。



男「……中入るか?」
妹「お兄ちゃん、だっこして」
男「わかった、先行くな」

限定的ではあるが……事故のあとの妹には閉所恐怖症のきらいがある。
縦穴の中から妹の脇腹を受け止めるようにして、そっと床に下ろした。



妹「後ろ向いてて」
男「おっけ」

真っ白な部屋、真っ白な穴、真っ白な空間。
生身の要素を目の前の相手にだけしか感じられなくなる、頼りのない空間。
身体以外の知覚が遠くなる空間。

相手を感じ、自分を感じてもらう。
その為だけの場所に、俺たちはいる。


ぱさっ。


自分を偽り隠す、最後の色素を脱ぎ捨てた。


妹「……終わった?」
男「おう……」

視線を下げたまま、ふたりで向き直る。
つま先に向けた視線がぶつかった。

妹「顔、上げたら」
男「お前こそ……」


やっぱり……慣れない。
きっと、何度やっても慣れない。

俺たちの好意には恋心がある。
しかし血で結ばれた絆が大きいのもまた事実で、いずれかが相応しくない感情である筈はないのだ。



The 2nd DoC
the man vs the sister
Engage.



壁が縮み始めたのを感じ、わずかに前へ。
直径70cmの空間は、視線をどう下げていても妹の身体にぶつかる。
意識せずに居る事は不可能に近い。

男「するか」
妹「うん……♡」

顔を上げ、目を合わせ、肩を抱く。
妹の手も、そっと俺のわき腹に添えられた。
可愛い。



この可愛い女の子に。
良い気持ちになって欲しい。
……すなわち、ここでは気持ち良くなって欲しい。



兄妹「「……。」」

どちらからともなく、ハグが崩れる。
頭をお互いの右側に避け、右手がスススッ……と下へ伸びていく。
肩をくっつけ合ったまま腰は離し、

男「――ぁっ、」
妹「――ひん!」

指先が、局部に触れた。



そしてハッとする。

男(やり方忘れた……!)
妹(カサカサしてやりづらい……!)

左手がソロソロとスローバックする。

ピピッ。

男【方法を知らない性行為に対し、一般的な手順を脳内に想起させる】
妹【縦穴内に胸元まで浸かる高さの温水を満たす】



妹「……んー? 大人なお兄ちゃんは身体の触り方くらい知ってる筈だよねぇ?」
男「もちろん? お前はお子様だから寒くなっちゃったかな?」
妹「じゃあ確かめてみなよ。冷たいかどうか……」


妹が距離を詰めてくる。
既に勃起したイチモツの先端が妹のお腹に喰い込み、妹のアソコには伸ばした中指がピッタリ張り付く。



妹「あは……♡ 妹のお腹、あったかい?」
男「……っ、」
妹「ねーぇ、お兄ちゃん……おちんちんの先っちょ、あったかいでしょ……?」



意識したら、させられたら、まずい。
戦術的行動に意識を割きたくて、気付けば反射的にもうひとつのRUを叩いていた。

男【両者の感度を0.9倍まで下降させる】



妹「れいてん……9倍……だと???」

男「そうだぞ。お前頭悪いからゼロ点のテストが9枚だ」
妹「そんにゃあ!?」

俺に兄イズムが存在するように妹にも妹イズムが存在する。
いつも頭が悪かったり、兄へのノリツッコミを強制させられたりする事は……最早避けられない。
心苦しいが、利用させてもらうのが兄妹ゲンカというもの。



妹「うぇぇ……9教科0点じゃ偏差値マイナスだよぉ……」
男「よしよし……お兄ちゃんが一緒に平均点落としてやるから妹の将来は安泰だ……大丈夫だぞ……」


温水が胸の辺りまで上昇してきた。
よく温まった妹とのハグは興奮こそ落ち着くが肌やおっぱいを柔らかくし、より魅力を与えてしまう事になる。

身長差を活かし、こちらから肩越しに切ってしまおう。

ブゥン。



妹「……あれ? あ、お湯っ!」

お湯が引いていく。
身体の高さに合わせて水位が変わっていく仕様上、やはり終了してしまえばお湯は引いていくらしい。

男「へっへ」
妹「こらー! お風呂入るのー!」


ピピッ。
ビリ。


男「だーめ。一緒にお風呂入るのは子供まででしょ」


ブゥン。


妹「っ、ぬぐぐ……」

任意起動型は、複数回起動する度ペナルティが課せられる。
妹は伸びる俺の腕を抑え付けられる高さに無いので、この条件での勝負を飲まないといけない。

妹「……」



妹「だから……こんなにおちんちん大きくしてるんだ」
男「っ!?」

開き直ったらしい妹。
可憐で愛らしい少女の貌から、声から吐息から艶っぽい女の貌へと変わる。
その手に握られたイチモツは、お風呂でついた水滴を頼りにぴったりと吸い付いていた。

俺も驚いて右手の指を反応させるが、思考が落ち着かなくて愛撫が付いてこない。



妹「妹の事……大人だって、認めちゃうんだね……」
男「自分の都合で大人と子供を使い分けな、でっ、く」
妹「いいよ……んふ……大人なあたしで、はぁ……お子様なお兄ちゃんを落としてあげる……ん……」

まだ滑りが無いので、自分でする時みたいに皮を剥き慣らしていくような動きをする。
意地悪く見上げる妹の熱い呼気が、首筋にはぁはぁと掛かって気持ちいい。



妹「お兄ちゃんは下見えないけど、あたしはよく見えるよ……お兄ちゃんのおちんちんが、目の前でどくどくいってるの……」


こんな顔もできたのか……こいつ。
いやらしく三日月型に歪んだ瞳が、俺の負けてしまいたいという心を暴き出していく。


妹「ほーら……指、力入ってないよ……んふ……力抜いて、だらんって……とろんって……しちゃっていいよ……」





気になる女の子を、ひとりの女性として敵わないと思う気持ち……

煽られそそのかされ、膨れ上がった欲望を優しく受け止めて欲しいと思う気持ち……

彼女の気分に、気紛れに……戯れられて、惑わされて、この身を彼女の意に委ねてしまいたくなる気持ち……

それも確かに恋の形で、俺は妹に、大人の女として恋を……

沈んでいく……恋に、溺れていく……



妹「ぜんぶぜんぶ、気持ち良くなって欲しいだけなんだから……♡」

気持ち良くなって、欲しい、だけ……



気持ち良くなって欲しいだけ。

男「――」

奇しくも、妹の言葉で目が覚めた。



そうだ。
俺も、同じだ。
好きだという事を認めた俺は、妹に気持ち良くなって欲しいと、確かに思ったんだ。

妹「ん……? お兄ちゃん? もう気持ち良くなってきちゃったんだし、ここは諦めて、一度ぴゅっぴゅしてすっきりしちゃお……?」



ここで妹に蕩けてしまえば、妹を気持ちよくする事は叶わない。
負けたくないんじゃない。好きな人に、気持ち良くなって欲しいだけなんだ。
乱れる吐息を噛み殺して、染み込む誘惑を振り切って、乱れる心を抑え付けて、妹を甘く甘く抱いて撫でてやらなくちゃいけないんだ。

まず爪を深く切り、削って、丸め。
触る時は周囲の肌から丁寧に……指先で軽く撫ぜるようにして。

妹「ほら……お兄ちゃ……ひうっ!?」



ゆっくりとこのくらいのスピードで下から上に……!



妹「ぁ、ああぅっ……!?」

イチモツへの握力がキュキュッと強まり、身体を縮こまらせて妹が震える。

俺が、気持ち良くしようとして。
その指で妹が……こんなに、感じた。



男「――っ、ふ」

暖かく、仄暗くもある心地。
好きな人を性的に愛撫する興奮。
胸の中からくぐもった嬌声が響く達成感。
自分の指で、身体で、よがって欲しいという欲望。



さっきの「気持ち良くなって欲しい」は、全く違う「もっと気持ち良くなって欲しい」に変わる。
指の第一関節までを丁寧に差し入れ……違和感が薄くなるまで抜き差しせず。

妹「ひあ、あ、や、ゆびっ、うごっ……!」


丁寧に馴染ませたら、少しずつ指を曲げ……!


妹「うそ、うそうそっ、あ、やぁぁん……!♡」



妹「ぁ、うっ……! く、う!」
男「っ、あぁっ」
妹「んふっ……なまいきなんだからぁ……!♡」

妹もまた立ち直り、俺のイチモツをするすると撫ぜ始めた。



重い疼きの溜まった腰から、そわそわ期待に痺れる後頭部が繋がってしまった時の。
背筋に走る一瞬のどうしようもなく、繊細で、甘美な電流。


男「う、ぐぅっ……!」

妹「ほらぁ♡ ぞわぞわきたぁ……♡ ね、お兄ちゃん、いっぱい気持ちよくしてあげるから、堕ちちゃお……?♡」

男「おまえ、こそっ……!」

妹「! は、う、そこぉお……♡」

男「お兄ちゃんに身体預けて、いいからっ、いっぱい感じて、いいからなっ……!」


ふっと背骨が抜けそうになるのを、左腕でしがみ付く事で持ち直す。
お互い腰から崩れそうなのを支えながら、右手の指に神経を集中して、好きな人へ向ける気持ちを綴っていく。



……

妹(シコシコしながら時々中指の爪先で玉筋の裏側をスッとなぞり上げるようにしてっ……)
男(愛液をまぶすようにしてクリトリスを皮の外側からそうっと優しく指滑らせてっ……)

……

妹「ぁ、や、くっ、ぁぁぁ……♡」
男「っ、っ、うっ、ひぅ……っ!」

……

妹(だめっ、だめっ、好きになっちゃうっ、お兄ちゃんはぁはぁ言ってる、かっこいい、えっちっ、すきぃっ、)
男(やべ……ホントに、恋回るの、はやくて、声、可愛いし、エロいし、考えるの、つらい……!)

……



好きだから、好きになって欲しい。
気持ち良くしてあげたいから、負けられない。
もっと気持ち良くしてしまいたいから、堪えないで堕ちて欲しい。



相手を純粋に思いやる温かい心をベースに、いやらしく、やはり優しい欲望が沈み込んだ下心たっぷりの恋情。
上澄みをすくってかき混ぜて、何とも形容できないふたりだけの味になる。



妹(カリ首のところを、力弱めてスピード早くして一定のペースで優しくちゅこちゅこして……反応が薄くなってきてるのは、ビクビクってする気持ちいいから精子じわじわ昇ってきちゃう気持ちいいになっちゃってる証拠っ、)

男(安心して気持ちよくなれるように肩から頭を包み込むみたいに大きく抱き締めて、縮こまれるように楽な体勢にさせて引き込んで……色んな言葉がなくなってきたら合ってるから、ずっと同じ場所同じペースを変えずに優しい言葉かけ続けてっ、)



妹「は……う……お兄ちゃん、気持ち、いいんじゃないの……?」
男「ああ……っ、そのままでいいからな……」

妹「うっ、ん……はぁ……ん……く、ぅん……!」
男「っ……、妹も……気持ち良くなって、いいから、な……!」

妹「あた……しもぉ……ひぅん……!」
男「だいじょうぶ……、っ……、お兄ちゃん、そばに……ふ……ぅぅ……!」

妹「ぁ~……っ……ぅぅ……っ、!、んうっ……!♡」
男「っ……く、……ふぅぅぅぅ……かわいいっ、ぞ……ぁ、つっ……!」



秘所が粘液に濡れた指で擦られる度に……じわり、じわり、奥の方に危険な、とても大きな予兆が溜まっていく。
どこまで表面張力の効くか分からないコップに、ゆっくり一滴ずつ絶頂感が注がれていく。

不随意反応を抑え付けて、身体から意識を逸らして、妹が気持ち良くなる事だけを考え続けて……なんとか保ってる。



どんなに我慢しても甘い手が止まらない。
どんなに逃げてもねちっこく手首が付いてくる。
どんなに引き延ばしても媚びた指が連れ出してしまう。


情けなく、ふたりで遠くなるよう逃げ腰を折ったまま、胸だけを突き合わせて指を動かし、耳元で息を切らしている。
どうにかできないか、どうにかできないか、考えて、どうにか先にイってもらえないか考える。


男(これ……!)
妹(たのしい……!)


お互い尊重し合う信頼関係を前提として出来る本気の勝負。
相手を好いてるからこそ沸いてくる闘争心。
どんな時でも気持ちよくいて欲しいと願う慈しみ。
その為に考えて、頑張って、ずるい事して、立ち向かって、我慢して、誘惑して、悪あがきして、最後の力を振り絞ってる。



でも、
もう、
だめ。



どくん。



男「――ぁ」
妹「――ぅ」


強烈な恋の衝動。


お互い、これだけ好きだからこそ。


相手が好きだと頭の中で想いたい気持ちを、いつまでもは止められない。


男(すき)
妹(すき)


もうひとりの自分みたいなのが、ああ終わったと言ってる気がする。


男「す、き」
妹「ぁ……すき」

ちゅこちゅこちゅこちゅこ。
くちゅくちゅくちゅくちゅ。

男「すき、すきだ、すきっ」
妹「おにいちゃ、すきっ、すき、すきぃ♡」

腰が、がくがくと震えだす。
逃げていた腰をぐっと引き寄せ合い、欲望のままに密着する。妹の身体を腰から持ち上げる。
男「すき、す、んむぅっ!」妹「すきぃ♡ おに、ぁんむっっ♡♡♡」
望むまま、口の粘膜を直結した。



男「んんんんんん……っ!!!」
妹「くぅぅぅんん……っ♡♡♡」


淫らな手で、盛大に爆ぜた。


男「んっ、ふむっ、ぁふっ、ふ」
妹「~~~♡♡♡ !♡っ、♡♡」


腰が爆発する。


男「ふきっ、しゅき、んむっ、ふひっ、」
妹「んんっ♡ んひっ♡ んひっ♡ んぃっ、んぃんぃんぃぃ♡♡♡」

繋いだ口内で「好き」と伝え合い、脳内で大好きな女の子の告白が何度も響く。
舌もにゅるにゅるして、脳が直接舐め溶かされる。



男「、!、っ~、んんん!!!」
妹「――っっ、ふうんんんっ♡♡♡」


幸せすぎて絶頂感の第二波が来た。
どくどく落ち着いてたのに、またどぴゅっと腰が抜ける。


男「んふっ、んっ、んんっ、んんぅ……!」
妹「んぅ♡ ひんぅっ♡ ん……んんんんっ♡」

まだ手が止まってない。
ガチガチのイチモツをぬるんぬるんと手が昇る。
大量射精の開放感が抜け、一滴一滴大事に幸せに搾られる。
俺も妹の呼吸に合わせて、身体の中心を優しくぐっ、ぐっ、と押した。

男「ん ん んん」
妹「♡……♡……♡、♡」

視界はとうに真っ白か真っ黒で、意識も明滅する。
心身の幸福で脳機能が止まる。……







……いつの間にか、ふたりして膝をついてる。
そうなるまでの記憶がない。

男「……いも、うと……?」
妹「おに……ちゃん……」

幸せで何も感じられなくて心細い。
視力と感覚が回復しないまま、ただ大好きな人の名前を呼び求め、両腕を温もりに回し、力尽きた――――――



……
……
……



博士『バイタル、心拍、呼吸は安定。……ふう。だが呼びかけに応じない。そのままシャワーは危険だな』
博士『サーちゃん突入。横穴にするから安全な体勢を取らせろ。ふたりの洗浄は最低限。寝かせておいて良いから、あとは明朝で構わない』

使用人「かしこまりました」

博士『あとは……ハグでもさせといてやれ。たぶん喜ぶ』

使用人「ふふ。ええ」

博士『いきなりブラックアウトは心臓に悪いからやめてくれ……しっかしまた凄いエネルギー量だな』

博士『まったく研究が捗る捗る、ふへへへ……徹夜してえなぁ』



使用人「お言葉ですが博士、あとはわたくしに任せてお休みください。お肌に障りますよ」
博士『うっ。分かったよ……』



The 2nd DoC
the man vs the sister(doctor stop)


Down level(cm)
83 手淫 84

Order
none



(決め手がないまま恋情にブーストをかけると我慢比べのち、えらいこっちゃになります。悪いのは妹ですが)
(相手の使用RUも可能な限り下調べをしましょう)





the sister LV1 passed!

ここまで
またあした



……
……
……


男「ぅぅ……ん……」
妹「ん……く……」


目が覚める。
身体、関節が……少し痛い。

男「ん、んん……?」

昨日の記憶が戻ってくる。
俺は昨日盛大に絶頂したあと、意識を失って……?
勝負は?



博士『おはよう。起きたね』
男「のわっ。博士」
妹「えと、おはようございます……」


博士『昨日の君たちは引き分け。疲れて寝ちゃったからね、そのまま横にしたよ』


兄妹「「引き分け……」」
博士『身体も大して拭いてないから、今から縦にしてシャワー出す。それでよく洗うんだ』
妹「は、はい」

結果に釈然としない気持ちと、DoCの楽しさ、素晴らしさらしいものに気付けて、これからに期待する気持ち。

馬鹿げてると初めは思った。

だがこれは紛れもなく競い合う戦いであり、コミュケーションであり、ふたりが元々持つ愛情を助ける仕組みであると、はっきり認められた。
昨夜の結果は、一心同体である兄妹がようやく本気になれた事の証左であるのかもしれない。



……

博士「やあ、おはよう。ふふふ、盛大にヤったねえ」

男「……」
妹「……」

使用人「おはようございます。朝食の用意がございます、こちらへどうぞ」

どっちの反応もなんとなくつらい。

……



博士「まったく、あまり心配はかけないでくれたまえ。兄妹なんだから、お互いの面倒はちゃんと見る」
妹「ふぉふぇんはふぁい」
男「……飲み込んで喋れ。どうも、すいませんでした」



人の、その……手コキや手マンが……
色々なエロコンテンツでは前菜のように扱われる手での戯れが、意識が朦朧とする程の気持ち良さを生むとは思わなかった。
まだ始まってない学校にいる友人に、そんな生の性を話したら信じるのだろうか?

博士「ただ、ふたりでする事にはもう吹っ切れたような感じがするな」
男「そうか?」
妹「そっかなぁ」
博士「やーいすけべボディー、身内ックスー」

がばっ。

兄妹「「……」」
博士「悪かったよ……」
お互い肩を抱き合い、心からの冷たい目で見てやった。



使用人「やはり、一回り大きくなられたように思いますよ」
男「それは、異性を知ったって奴ですかね……」
使用人「ふふ、そういう事ではありませんよ。自らの恋慕に照れない事は、大人でも難しい事なのです」



……

部屋に戻って歯を磨く。
盆の終わりにこっち来て、夏休みはあと2週間足らず。
今の状態で学校に通えるか不安もあるが、妹の為にも今は博士たちを信用しよう。

そうだっ、妹は夏休みの宿題終わってんのか……?








1:外出する(ひとり・妹・ ・ )

2:ソファに座る妹に同居人との付き合い方を相談する(妹・使用人・博士)

3:洗濯中の使用人に声をかける(れっすん・とっくん・ぬきぬき)

4:博士の研究室でRUの製作を行う

5:誰かの部屋を訪ねる(妹・ ・ )



(洗濯中の使用人に「とっくん」を頼む)




男「……」

昇り始めた日差しの中、庭先で洗濯物を吊るしている使用人さんを見つけた。



使用人「あら男様。如何なされましたか?」

男「その……頼みたい事が」

使用人「なんでしょう?」

使用人さんは干していく手を休めずに動かしながら、事もなげに聞き返す。
こんな事で家事の邪魔をしちゃ悪いか……出直そう。




男「いや、後でいいんです。また」
使用人「――御内密の要件ですね?」
男「っ……」

使用人さんの、声色が変わる。




使用人「四半刻、居間でお待ちください」




……

がちゃり。

言われた通りに30分待つと、使用人さんがいつもの美しい所作で現れた。




使用人「……博士の研究室と妹様のお部屋に、わずかな細工を致しました。来た際にはわたくしがお知らせします」
使用人「そもそも妹様はまたお休みのようですし、博士は昨日の成果を研究する事にお熱でしょう。しばらくはお部屋を出ないかと」

何を頼まれたわけでもないのに、都合の良い報告ばかりを並べる、一流の使用人。
家事用の白い手袋をしゅるりと抜き取る彼女から、目が離せない。



使用人「……して、わたくしの手ほどきが必要という事でよろしいですね?」

察しの良さもまた、折り紙付きだった。



居間。リビング。

ソファに座る俺の膝元、ドアからの死角。

その脚のあいだに……使用人さんはひざまづいていた。



使用人「では、手での稽古を付けて欲しいと?」

男「……はい。縦穴の中ってのもあると思うんですけど、びっくりするくらい気持ちよくて、耐えられなかった」

使用人「それは、射精してしまう事に? あるいは感じてしまう事に?」

男「……どっちも、です」

使用人「畏まりました。ひとまず、お身体の力を抜いていただけますか?」



緊張と期待で縮こまる俺のひざを、使用人さんはポンと叩く。

使用人「すぐにと言う訳にはいきませんが、いくらか男様を耐えられるようにして差し上げます。お任せください」

使用人さんの指がズボンのホックをプチと外し、ジッパーを下ろした。
とても滑らかで、しなやかな所作で……それが、こんな目的の為にだと思うと、魅入られる。



使用人「男様の現状を把握させていただきます。では、わたくしの手で果ててしまわぬよう……どうか気を付けてお座りくださいませ」

ズボンが引き下ろされると、使用人さんはその端正な顔立ちをこっちに向けたまま……手を伸ばした。



さわり。



男「――ッッ、!?」

内、太もも。が。
なに、その、触り方……
使用人「……。まず、指先の動きに魅入られてはいけません。感触への期待感は、触れた瞬間の感度を高めます。お相手が何をしようとしているのか、それを予測するに留めるべきです」

使用人「続けます」

頭に言葉が全部入り切らないうちに、再び内太ももに指が這う。


さわさわさわ。


4本の、8本の指が、神経を逆撫でるようにしてっ、
いやこれやば、妹と、妹と違うっ、根本的に違うっ、

使用人「ああ……気持ちいいですね。ほら。おちんぽ、膨らんできていますよ……まだ間に合います、鎮めてください。関係ない事、冷静になれる事、難しい事を考えてください……」

あ、ああっ、1足す1は、2、2足す2は、4、4たす5はハチ、ハチとハチ、16っ、


……カリカリ。


男「は、ぅあっ……!?」

使用人「意識を逸らそうとしているのが分かれば、十中八九不意を突かれます。男様も逆の立場であればそう致しますでしょう? ほら、頭を対応して……先端カリカリの気持ちよさから、意識を遠ざけて……」



使用人「勃起、してしまわれましたね……?」
男「う、うぅ」
使用人「この状態となれば、適度な刺激が続く限り勃起を治める事は不可能です」


使用人「……。はい、ではわたくしからまたひとつ。気を落としてはいけません。これで良いのです」


男「え……?」
使用人「女性もある程度はそうですが、男性は性器への刺激に対して反射的に反応してしまいます。当然の事でありましょう」

使用人「今気を付けるべきは、勃起して増した快感に惑わされ、感度を釣り上げられてしまう事。それとお相手様に精神的に気遅れしない事です」

使用人「わたくしの手がとても気持ち良くて、どうしようか……耐えられるのか……敵わないのではないか」使用人「そのような不安や迷いは思考を狭くし、意識の隙を増やします。狭まった思考は、脳に行き来する信号を性的なものに偏らせてしまう事もあるでしょう」
男「あ……」

使用人「ああ、触られて気持ちいい。気持ちいいなら気持ちいい。それがどうした、だからどうするか。そういう心持ちで居れば、無用な遅れを取る事はなくなりますよ」

使用人「では、続けましょうか」



さわ、さわさわ……

男「……っ」

……カリカリ。

気持ちいい。
すごい上手い。
どう頑張っても勃起する。けど、それだけ。
俺は射精から程遠いし、冷静になれるし、思考も明瞭だ。
指先がどう身体を撫でて、どう刺激されているのか確認する余裕もできた。遅れてやってくるような感覚がなくなってくる。

使用人「大変結構です。引き続き、お任せください」




使用人さんは身を乗り出し、剥き出しの太ももを両脇で抱え込んだ。

使用人「わたくしの胸が当たっていますね。一度意識していただきましょうか」



男「……っ」

柔らかい。
柔らかいけど、服の上からだし、大して身体を刺激してない。
これで何とかなるようなものでは、



ぎゅうっ!

使用人「おっぱい……如何ですか?」

むにぃ……

男「――」
使用人「胸、じゃありませんよ。おっぱい、です」
男「……ぁ」

むにむに……っ

使用人「ね……わたくしのおっぱい、如何ですか……? どんな感触がいたしますか……?」
男「ぁ、ぁ……」
使用人「ほら、おっぱい」

頭をがつんと殴られるような魅惑の連打。
清廉な声とは乖離しすぎている、その一言の響き。
衝撃が腰に行って、なんともなかった柔らかさが、圧力が、体温が、太ももに食い込んで、

使用人「答えてください……如何ですか……?」
男「ぁ……その……っ」

っ、答える必要ない、落ち着け、

使用人「時おり横から盗み見ていた、使用人のおっぱい……男様のお気に召しましたか……?」

ぎゅっ……♡ ぎゅっ……♡

男「っ、は……!」


使用人「ね……男様……? こうして、異性の色に晒されてしまうと、先ほどまで保っていた意識があっという間に乱されて、あっという間に問答すら出来なくなるでしょう……?」

ちょっとでも出来てるのではないかと思ったのは思い上がりだった。
あれよあれよと、彼女の下で真っ白だ。
あったかい。柔らかい。気持ちいい。どうしたらいい。

使用人「乗せられた太ももに力が入ってますよ……ソワソワしていますね? ……隠しているつもりのようですが、パンツ越しに男様の睾丸、すりすり擦れてしまっていますね……」



使用人「男様、ここからはおひとりで頑張ってくださいませ……わたくしは決して過度に淫らな言葉も、耐えられない程の技術も、使ってはいません……」
男「そうはいっても……!」


使用人「……カリカリ」
男「っ、」
使用人「むにむに……」
男「く……っ」
使用人「むにゅ……むにゅ……っ」
男「……っ、っ、は」
使用人「ほら……次の擬音を待ち望んではいけませんよ……? どう考えれば良いのですか……? おっぱい、つぶれて柔らかいですか……?」
男「ふっ、ぁ、やわ、らかっ、」

使用人「駄目ですね――隙あり。」



ぶるんっ!


男「!? っあ」
使用人「力が抜けた状態からちゃんと入れ直すのには、思ったより時間がかかるのですよ」


使用人さんの体重が抜けた、と思った時にはパンツが一気に引き下ろされ。
パンツ脱がされたと思って身を乗り出した時には、鼠蹊部まで乗り出した使用人さんの体重がソファに身を沈ませ。
やばいと思って股間を隠そうとした右手は恋人繋ぎで受け止められ、イチモツをキュッ……と握られた快感でのけぞってしまった。


格闘技みたいな速い動きでもなかったのに、思考と行動が後手後手に回されてこの有様。



使用人「男様にいま出来るのは、身体の限界まで力を引き出す事……快楽に耐える、絶頂を我慢するというのは、自身の心の勝負です……どうかわたくしの色に心折れず、意識をしっかり保ってください、男様……」



男「そ、だ、頑張らなきゃ……」

使用人「あら……おちんぽ、たっぷり蜜を湛えていますわ……♡」

しこ……しこ……

男「は、うぁっ……!」

使用人「ほら、先端からとぷりと溢れて……ねえ、男様……こちらを見つめてくださいませんこと……?」

ぁ……目がうるうるして、少女みたいで……ちが、見たらだめだっ、

使用人「見てくださらないのなら……失礼して、皮を下げて……ほら……亀頭くちゅくちゅと……」

くちゅ……っ くちゅ……っ

使用人「――貴方のたまたまを押し上げる、おっぱいに集中してくださいませ……♡」

むにゅん……♡


使用人「ほら、天井を仰ぎ見ていては……わたくしの手コキとおっぱいがゆっくりと射精させてしまいますわ……先走りが広く馴染んできて、より気持ち良くなってしまってますわね……?」

男「あぁぁ、うっ、う」

だ、めだ、 きもちい、 このひとっ
すごいっ 、女のひとで、 すごい

使用人「おちんぽ、くちゅくちゅ……意識して……たまたま、むにゅむにゅ……集中して……?」



見てないと、 気持ちいいの、 のぼって、くるっ、

男「はぁ……っ、はぁ……っ、」

使用人「うふ……♡ 男様の素敵なお顔、ゆっくりと拝見させてくださいませ……そのまま、恋人のように、わたくしを見つめてくださいまし……♡」

恋人って、 おそれおおくて、 でも、うれし
目が きらきら、 して、 笑うと、綺麗 で……
しゃべる、くちびる、 ぷるっぷる うごいて、

使用人「貴方のおちんぽも……口を半開きにして、わたくしを熱く、熱く、見つめております……わたくし、嬉しいですわ……♡」


使用人「ねえ、この整ったお顔……男様のねばねばで、汚してくださいませんか……?」

男「ぁ、……、ぁっ、!、……」

使用人「想像して……? 白い頬に、べたっと雫が伝い……♡」
使用人「まつ毛に届くほど、どぴゅっ……と、ぷりぷりの塊を吹き出して……♡」
使用人「ああ……鼻のすみにまで、糸を引いてしまうのでしょうね……♡」
使用人「最後には……荒い吐息をこぼす、この唇。ここに……息が止まるほど濃い精子を乗せてくださいませ……♡」


やばい
やば い。
むり。

かてない、 いきたい、 もうだめ


使用人「ああ……きゅうっ、と貴方の身が縮こまるのを感じます……♡ 果ててしまいそうな衝動が、少しずつ背筋を揺らしているのですね……♡」

使用人「焦らず、身を任せて、少しずつおいでくださいませ……カリ首を抱き締める指の肉、柔らかいでしょう……?♡」



ぎゅうううっ!!!



男「――――?」

あ、れ

使用人「ほら……わたくしの掌を濡らして……ちゅこ、ちゅこ、男様のおちんぽから音が鳴ってますわ……♡」

繋いだ右手が、押されてる
いた 痛い、……ツボ?
冴えるような……気持ちいい、痛み。

ぎゅうう、ぎゅうううっ!!!

使用人「腰を突き出してしまえば……射精管が潰れて、括約筋が耐え切れなくなって……ぷしゃあぁ……と吹き出して、腰が抜けてしまうような甘い吐精が出来る事、約束いたしましょう……♡」

使用人さんは、何も言わない。
とても魅力的な女性のまま。
でも、何度も何度もぎゅうぎゅうと。
駄目になった頭を支えてくれるような痛み。

使用人「   、 ……」
男「……、……?」



使用人(ガ ン バ ッ テ …………!!!)



ぱくぱくと動く唇が、俺に向けて、告げた。


男「ッ!!!」


やっと、帰ってきた。
意識が、覚醒できた。


使用人「では男様……♡ 貴方様の意思で、腰をピン……♡と突き出していただけませんか……?」

快感を連れてこないように気をつけながら、身体を客観視する。
なんだこれ……カリ首をくちゅくちゅされてるイチモツが、感度上がりきってもう、とんでもなく気持ちいい。

使用人「この恭しい使用人のお顔を……」

力抜けた腰をソファからじわじわ引きずり下ろされ、我慢しづらい体勢に少しずつ引き込まれてる。
肩が座面に落ちて、腰が真っ直ぐになってしまったらもう、精液が昇ってきてしまう確信がある。
快感で力の入らない左手を何とか引っ掛け、ずり落ちる身体を引き止める。



使用人「どうか、男様の精液で汚してくださいませ……っ♡♡♡」
男「――っ、は、ぁ、はぁっ、ぁっ、く、ぁ、……!」



小指からぴくんと、力が入り始めるのを感じる。

使用人「溜まった欲望……今、一番気持ち良く吐き出してしまいたくありませんか……?♡」

指全体、手のひら、腕、肩、脇腹、背筋っ、

使用人「逃げたら、もう精子抜いてあげませんわ……わたくしへの顔射、選んでしまいましょう……っ!♡♡♡」

ももっ、脚っ、腹筋、腰ィ……!!!




がばっ!



男「……ッ」
使用人「・・・」

見下ろす。
脱げたズボンを抱いて床に取り残された、惜しいくらい魅力的な女(ヒト)を。







使用人「合格です、男くん……っ!!!」

男「っ……!」

心の底から嬉しそうな顔を見て、俺の選択が間違っていなかった事を確信した。



「とっくん」 LV1
恋情の許容量が増加した!



……

男「……ホントに抜いてくれなかった」

部屋でしょげる俺。

どうせ後で抜いてくれるからという保険があっては特訓にならない、と言われてしまうとそれは正論なので致し方ない。



男「……いいな、あれ」

それより、一瞬だけ敬語を外してくれたあの嬉しそうな顔が……俺には一番のご褒美かも。
美人のああゆうのには、全人類弱いのだ。

男「ってか、収まんねー」

ズボンきつい。8分勃ちから、なかなか縮小してくれない。
今日はこれ以上、我慢の練習はやらんぞ……







1:くつろぐ(ひとり・妹・使用人・博士)

2:ソファに座る妹に同居人との付き合い方を相談する(妹・使用人・博士)

3:掃除中の使用人に声をかける(れっすん・ ・ぬきぬき)

4:博士の研究室でRUの製作を行う

5:誰かの部屋を訪ねる(妹・ ・ )

おけ

すまん、寝る
またあした


(妹とくつろぐ)


男「……おーい」

居間の床に妹が転がっている。
隅々まで掃除されてるから、汚いって心配はないんだろうけど。



妹「ちべたい」
男「床がか」

使用人さんが掃除をしている間は、空調の効いた部屋も開け放たれている。
どうやら、少しでも涼を取りたいらしい。

男「ほら崩れてないでおっきしなさい」
妹「あーうー」
男「なんかキンキンに冷えたの持ってくるから座って待っとれ」
妹「ういー」



……




妹「ぐび……ぐび……」
男「ぷは。こうやってまた、腰落ち着けて飲み物飲める日が来るとはな……」
妹「ぐび……ぐび……」



どうして俺たちに目をつけて訪ねてきたのかはまだ分からない。
ただ、アウトロー臭の激しいあのふたりも悪い人ではない。そう思いたい。

媚薬うんぬんの儲け以前に、1日のうち殆どの時間を研究に費やす博士と何故か付き従う使用人には、子供ながらに大人の意地というか……信念のようなものが感じられたのだ。


妹「ぐび……ぐび……」
男「――大丈夫だよ。まだ、心の底から気を許したわけじゃないんだ」
妹「ぐび……ぐび……」
男「妹の望まない事があれば、すぐにだって飛び出せる覚悟はある。今は、ここで休ませてもらおう」
妹「ぐび……ぐび……」


男「いやどんだけ飲むねん」
妹「げぼっ」

これ以上ノリツッコミが遅れてたらどうするつもりだったんだこいつ?

男「どんだけ入るコップに注いできたんだ俺は……」
妹「1ガロン?」
男「よしよし、なんでそんな単位知ってるのか知らないけど一緒に物理勉強しような……」
妹「やーだー物理きらいー!」
男「好きな教科もダメなんだから好き嫌いしないの!」

妹の好きな教科は体育。得意技はバーリトゥード。
決して運動神経が悪いわけではないが、頭が悪すぎて結果全て悪い。


妹「保健体育なら満点だもん」
男「男子みたいな下ネタを……」



妹「でも、昨日は気持ちよかったでしょ?」
男「まーね」
妹「んっしょ」

するりと、俺の脇の下に潜り込んでくる妹。
そういえば昨日はこいつとDoCしたんだった。
あれのルールはちゃんと守れてるのが、奇跡のようである。

妹「学校にいるみんなより……あたしたちの方がいっぱい、いっぱいすごい事、知ってるもんね」

そういう事に優越感覚えちゃうタイプなのは俺も妹も同じです。はい。
ただえっちな事をしただけじゃない。ちゃんとどうやってお互いの心を慈しみ、刺激するのか、俺たちは知った。



妹「ね、お兄ちゃん」
妹「お兄ちゃんは、昨日あたしに勝ったらどんな命令をするつもりだったの?」

男「え? 考えてなかったな」
妹「せっかくだから、ここで聞かせてよ。どんな事でも、あたしが聞いてあげる」
男「おいおい、引き分けだったんだぞ。後で何か欲しがる気か~?」



妹「ううん」

妹は優しい顔でかぶりを振る。



妹「いつも守ってくれてるお兄ちゃんに……あたしがおかえししたいだけなんだ」



男「そんな事、気にすんなよ。俺が頑張れてるのはお前のおかげなんだ」
妹「だとしても。……ねね、こういうやり取りだって、ある意味えっちの延長線っぽくない?」
男「ちょっと分かる」

深い心のやり取り、親密な身体の預け合い。
本質的には性交もコミュニケーションだー、なんて分かったような事を、ビギナーながらに思う。

妹「そう思うなら遠慮しないで。えっちな事って駄目な事でも怖い事でもないんだって、ふたりで分かったんだから」

ときどき、本当に時々、妹は賢くなる。
俺たちは同じく育った一心同体のようでいて、少しだけ優れたり劣ったりしている。

ここは妹の言う事に従ってみるか。







(自由な命令を、ひとつ聞いてもらいましょう)


(69しよう)


男「……」

少し考えてみる。
言うに、妹はどんな事でも聞いてくれるという……どんな事でも。


何か予兆を感じ取ったのか……午前中、厳しい特訓を受けたイチモツが、ぴくんと震えた。




男「……これ飲み終わったらさ」

妹「うん」

男「妹の部屋に、お邪魔してもいいかな」

妹「……。うん♡」


……


妹「はい。どーぞ」
男「お邪魔しまーす」
妹「いえーいっ! ぼふゥ」
男「せっかくベッドメイクしてくれたんだから崩しちゃダメでしょー」

俺の部屋のすぐ隣に妹の部屋がある。
部屋の装いは、間取り含めて俺のところと変わらないみたいだ。



妹「崩すような事はしないの?」
男「……」



妹「しないの~?」
男「……はぁ。隣いいか?」
妹「もちろん」

以心伝心も時によっては考えものである。
ベッドの縁にふたりで腰掛け、肩を並べた。


男「言ってなかったけど、ちょっと思ってた事があってさ。俺たちこれから、DoCする時はしばらくあのRU使うじゃん?」
妹「あのRU?」
男「やり方をイチから教えてくれるやつ。確かにあれすごい分かりやすくてさ、実際俺も気持ちよかったし……妹の事も傷付けないで出来たんだけど」
妹「……うん」


男「なんか違くないかなーって。お互い初めてなのに、全部上手くいくようになってるの、なんか変じゃないかなーって」
妹「うん」

ふたりの時間を持てる時、俺たちはこうして自分の考えを共有して、時には議論してきた。
同じなようで、同一じゃない。
他者のようで、他人じゃない。
今もこうして仲良くいられるのは、この習慣のおかげ。



妹「お兄ちゃんの言う事、わかるよ。えっちな事を知らないあたしたちが、これから先も新しい事する為にお豆腐叩くのは……なんかヤダな」
男「そうだよな」



初めてを相手に捧げるという事には、二度と出来ないという事以上に大きな意味がある。


初体験。

未知の領域に飛び込む、他者には決して伝えられない経験を、当事者だけの感覚を共有する事。

そういう意味では、あの縦穴は俺たちの初プレイにそぐわない。



妹「なにか、ハジメテの事したくなっちゃった?」
男「ああ。悩んで、失敗して、教え合って……そうやってするのが普通なんだとしたら、それは妹とがいい」
妹「うん。あたしもだよ、お兄ちゃん」

今までした事なくて、これからしそうな事……



妹「というかー。あたしのお兄ちゃんの仲なのに、命令にしなくちゃ聞いてもらえないと思ってるんだ~?」
男「うっせ。だって……恥ずかしいだろ!」
妹「かわいいなーもう♡ えへへ……ちゅ♡」

男「――」

妹「あれあれ~? お口、気になる?」
男「正直なとこ……興味津々」
妹「じゃ、お兄ちゃんが言って。あたしにお願いしてみて……」

フェラは……してみて欲しい。
けどそれは、ふたりで体験したい事で……

男「……」
妹「お兄ちゃ~ん? なにを悩んでるのかな~?」



男「横になって」
妹「――へ? あ、やんっ!?」

妹の軽い体重を、肩からトンっと押し倒した。



妹「やだもー、お兄ちゃんったら」
男「……」
妹「お兄ちゃん?」

ベッドに寝た妹と反対向きに身体を投げ出す。
その眼前に俺の腰を放り出した。

妹「ちょ、お兄ちゃん。なんとか言ってよう」
男「……ナントカ」
妹「ベタなのはいいから!」





男「フェラって……知ってるか?」
妹「し…………しっ、てる」

男「クンニは、知ってるか?」
妹「な、なんなの……」


男「シックスナインって、知ってるか?」

妹「な、ぁ、なんなの、ぅ」
男「……知ってるよな?」
妹「知ってます、知ってますぅ……う、うう~~っ」
男「妹は物知りだな……」



妹「ど、どしたの、今日のお兄ちゃんちょっとヘンだよぅ……!」
男「こういうの、ちょっと好きなんじゃない?」


妹に体重やら体勢やらを気にさせないで済む横寝のシックスナイン。


妹「なんでなんで、そんなの…………あたし言った事なかったでしょー!?」
男「……怖いか?」
妹「……。お兄ちゃん酷い事はしないから、大丈夫。分かってるよ」
男「ああ。ちょっとだけ、男らしくというか……強引にするな……?」
妹「いーよ♡ 今日は、お兄ちゃんの言う事聞いたげる……♡」



男「うん、ありがとな。じゃあ、遠慮なく」

妹の腰に手を回し、躊躇なく眼前に引き寄せる。
こちらも体長を合わせるように背筋を曲げた。

妹「……なんかこう、迫力ある」
男「耳掃除とか、膝枕とかでこうなった事あるじゃん」
妹「意味が違うよぉ……」
男「頼む。妹の口で、触ってみて欲しい……どんな感じなのか、気になるんだ」



妹「あたしだって、気になるよ……」

妹の手がズボンにかかる。
脱がせやすいように腰を浮かせると、妹もそれに倣って腰を浮かせてくれた。

男「意外と……むずかしい」
妹「ホットパンツはねー。怖がらないで、ぐいっとやってよ」
男「わかった。よいしょっ」
妹「ひゃーん♡」



ぷりんとした太ももに、ちょっとだけ飾りっ気のある白いショーツが愛らしい。

妹「脱がされちゃったー♡」
男「なーに喜んでんだ」
妹「好きな人に脱がせてもらえる女の服は幸せなんだよ?」

男「なんだ、お前は幸せじゃないのか?」
妹「え? そ、そんな事はないけどっ。お兄ちゃんはどうなのかな?」

男「……脱がしてもらうのって、なんかいい」
妹「ね。次にするDoC、ふたりで脱がせっこしよ……はじめから、ムードたっぷりにしてさ……んしょ」
男「俺も可愛い下着……取っちゃうからな」
妹「うん……取って……いやだって言っても、お兄ちゃんだけは、優しく、強引に脱がせてね……♡」



男「……」
妹「ぁぅ……」

柔らかくなめらかなショーツの指ざわりに鼓動を早めつつ……下着を抜き取る。
指にかかる布は温かくて、生身を感じさせる。
互いの視界を、肌と性器が覆い尽くしているが、反応は……窺い知れない。



なんだろう、今までずっと絵でも実写でもメディアとして覗く機会はあったのに……なんならもう触った事はあるのに。
妹のそれを目の前にすると、今目の前にあるのが妹のそれだって思うと、頭が遠くなって呼吸が浅くなって、ぼーっとする。

妹「やだぁ……お兄ちゃん、見てるの……?」
男「妹の、見てるとどきどきするから……見せてくれ……」
妹「ぁ……なら、いいよ……いっぱい見て……んふ、お兄ちゃんのも……触ってないのにとくっ、とくってしてる」


ぴたりと閉じていて、お腹の方から薄く毛が生えていて、割れ目の上、柔らかそうな肉が少し盛り上がってる。
恥骨から、大事な所までを覆うこれ……恥丘って言うんだったか。

妹の言う通り、観察する俺も大きく熱い脈を感じていた。


妹「お兄ちゃんの……一本の棒みたいだって思ってたけど、太いところの裏側に、もう一本の棒が入ってるみたい……」
男「それは、男から出て行くものが、通っていく場所だ。同じ竿でも、そっちサイドの方が気持ちいいのと……優しく触って欲しい」
妹「……この、糸みたいになってるところは?」
男「竿と先っちょを繋いでるそれが裏筋だ」
妹「あっ……そっか。聞いたことあるよ」
男「俺は亀頭よりそっちのが敏感だから、触る時は優しく頼む」

自分の性感帯を、気持ちいい触り方を女の子に教えるなんてただただ恥ずかしい行為だと思ってたけど、これは……
しおらしい妹に、こういう事教えてるの……仕込んでるみたいで……っていうか、仕込んでるんだよな……



妹「触って欲しい……?」
男「いや……触りたい。でも、妹も触りたいなら、触っていい」


ぴとり。


兄妹「「……っ」」

お互い、もう手淫はやり方も気持ち良さも知っている。
こないだと違って上下が逆だから指の向きやらに違和感があるとはいえ、どうやって焦らしたら気持ちいいのかは自分自身でも覚えていた。
そうこれは男女関係なく……

妹「太もも、なんだね。遠慮しないでいいよ」
男「なぁに。合わせようと思ってさ」



内ももをさわさわ。
鼠蹊部をすりすり。
腰の後ろや、下腹部だって気持ちいい。
頭の中が、気持ちいい事を受け入れる状態になってるからこそ感じる場所が、たくさん。


……


妹「ふっ……ん……」
男「っ……く……」


じれったくて、でも余裕をもって楽しめて、これからどうなってしまうのか、胸が高鳴る愛撫の応酬。
自然と、より繊細な部分を焦らしたくなってくる。




男「……脚貸りるぞ」
妹「えっ、あ」



上側になってる脚を押して、開脚させる。

妹「あっ!? ちょ、お兄ちゃん!」

その隙間に腕を差し込む。妹が脚を元に戻そうとするが、もう遅い。



妹「……~~っ!!」
尾てい骨。


妹「ぁ、やだ、そこはだめっ、」
肛門より上、お尻の割れ目。


妹「くぅ……ん♡」
お尻と性器の間……調べた事がある。会陰だったか。


妹「っ、や、ちょんちょんっ、やっ♡」
指先でちょんちょんと不規則に突くたび、腕を太ももでぎゅっと挟み腰を震わせてる。



男「ちゃんと触って欲しい?」
妹「ぅ……」
男「ちょんちょんじゃなくて、すりすりなでなでして欲しい?」
妹「いじわる……」
男「はいはい」


もう片方の手で、一瞬だけ恥丘を撫でた。

妹「ひぅ……ぅ、ぅ……うー、う~っ!!」
男「ん、どしたどした」
妹「いじわるーっ!!」
男「はいはい」

太ももをさわり。



妹「だから! もう! 分かっててやっ、ぁん!!」
喋ってる最中を狙って会陰をちょんちょん。これ効くのか。
男「良い声……」
妹「声はへんな事するからびっくりしただけ!!」
男「可愛い声だよ……ぁーん」
妹「かわっ……♡ ぅぅう~」

狙いは鼠蹊部。



男「ちゅっ」
妹「っ!!っ!?」



男「ちゅ……れる」
妹「や、きゅぅに、舐めるなんてっ、」
男「はぁ……れぇぇっ……」
妹「や、ぁぁ……あついよぉ……」


太ももの付け根を、じっくり舐め上げる。
舌を伸ばし、ぺったりと張り付けて、滑らせる。

妹の太ももは……ほんの少し塩味で、柔らかくて……興奮して、舐めるのを、止められない。
舌がすぐ乾いて、もごもごと唾液を足した。


男「れる……れる……」
妹「ぁ、う、ん……」
男「ちゅ……れぇぇっ」
妹「はぅ……! やぁぁ……」


指で触れた時に反応した場所を舐め上げると、挟まれた腕がきゅっ、きゅっと締め上げられて。
こちらの脚に触れていた妹の手も、きゅっとしがみ付く形に変わっている。
本気で感じてくれてると分かった時って……なんか、嬉しい。

男「……」
妹「や、」

後ろからの愛撫に回していた腕へ、腰を引き寄せる為に力を込めた。

妹「やぁぁぁ、前突き出さないでぇぇ……!」
男「れぇ……は。どうして? 俺に可愛いところ、もっと見せて」
妹「恥ずかし、恥ずかしいよぉ……!」
男「どうして? 見られてるところ……恥ずかしい事になってるの?」
妹「あ、ちが、ああ、やぁぁ……!!」




何も触ってないのに、問答の中で妹の腰がふるふると震える。
その時、目の前の割れ目がなにか光る雫をこぼしたのを見て……


妹「ふゃ、んゃぁぁぁ!!♡」


つい。
ぐいっと、吸っていた。

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