提督「艦娘が二千万特攻すれば、この戦争は勝てる」 (411)

青葉「ええ、体当たり攻撃ですか?」

提督「ああ、新入りを育ててる余裕は、もうないからな」

明石「深海棲艦の猛攻に、矢折れ刀尽き、一度は玉砕を決めた、私たちの鎮守府。しかし、大本営からは予想外の<戦訓伝達のために脱出>命令。かくて、脱出した提督と私たちには、休む間もなく新たな鎮守府の編成が指示されたのです」

提督「かき集めてはみたが……使い物になる艦娘はどれだけいる?」

北上「やー、練度が酷いもんだね。訓練にすらならないよ」

金剛「艦娘学校が、私たちの頃と全然違うネ-!」

大淀「二年制だったはずの艦娘学校が、今や半年の速成教育になってますから、致し方ありませんね」

北上「にしても、ちょっと酷すぎるよねえ」

青葉「北上さんや金剛さんをはじめ、古株は慣熟訓練に駆り出されてるわけですが。二人とも、まだ戦傷が治っておらず包帯が痛々しい状態です」

北上「で、どうすんの? 私たちにも体当たりして[ピーーー]ってこと?」

提督「お前ら古株は、まだ使いどころがあるから、そうはしない。新入りたちの中から……志願でな」

金剛「実際、体当たりで戦果なんて出せるかわからないネ」

提督「……まだ、極秘だが、既にP島方面では作戦を実行。そこそこの戦果を挙げているということだ」

北上「あー、アタシは病院のベッドの上だったけどP島方面はどうなったの?」

提督「残念ながら、我が方は大敗北を喫して敗走だ」

北上「痺れるね〜」

提督「というわけで、明日にでも全員を練兵場に集めてくれ」

青葉「いよいよ、死にたがりを集めるとか、濡れちゃいますね……」

金剛「でも、そんな自分から、死ぬようなヤツが集まるとは思えないネー」

提督「……そこは、考えてあるさ」

=翌日=

提督「……というわけで、いよいよ本当の決戦は近づきつつある。我が軍の挺身にも拘わらず、空襲は日増しに激しくなっている。この中にも慣れ親しんだ故郷を焼かれ、親兄弟や友を失った者も多いだろう……」

青葉「ふーん、司令官、芝居がかった演説させると上手いですねえ」

提督「……この特別攻撃隊は、訓練によって得た技術。あるいは艤装の優劣を問わず、悪逆非道の深海棲艦に一矢を報いる、またとない機会である。もとより生還の可能性はまったくない。だが、すべての艦娘はもちろん、本官も必ず後から続くことを固く心に誓っている。なので、志願するものは、名乗り出て欲しい!」

青葉「……後から続きます?」

北上「アタシは続かないと思うな」

明石「わたしも、そういうのは苦手で……」

ザワザワ、シガンダッテ……

大淀「では、志願者を登録します。決して強制ではありません。強制ではありませんので、志願する方は前へお願いしますね」

ザワザワ……

青葉「うは〜案の定ですね。当然ですけど……」

提督「志願するものは、いないのか!!」

ザワザワ、ザワザワ……

矢矧「はい!」

提督「矢矧、志願するのか」

矢矧「いえ、違うわ」

提督「では、なんだ、説明はこれ以上は必要ないと思うぞ」

矢矧「提督……わからないの? 志願なんて必要ないじゃない」

提督「どういうことだ?」

矢矧「私たち艦娘は、常に全力で敵に食らいつくわ。そう、提督の命令一下でね……だから、志願なんて募らなくても……すでに、ここにいるすべての艦娘が体当たりするつもりだわ」

ザワザワ、ザワザワ……

提督「ぜ、全員が……!」

矢矧「そう、私たちが全軍特攻、一億総特攻の先駆けとなるなら、そんな名誉はないわ。死んでいった仲間のため、親兄弟、友のために……華々しく散るのが艦娘じゃないの」

提督「そ、そうか……そこまで……ウウッ……」

青葉「あ、ほら、司令官が泣き真似を始めました。わたしたちも……」

大淀「う、ッグス……」

金剛「その決意、泣かずにはいられないネ」

明石「下向いて……私は泣いてる……」

北上「……お葬式も、つい笑いたくなることあるよね」

提督「そうか、君たちの覚悟はよーくわかった。よーくわかった。本官は、全員が志願する意志を確認した。ついては、順次、全軍特攻、一億総特攻の先駆けとして出撃を命じることになるだろう。その名誉の日まで、引き続き訓練に励んで貰いたい、解散!」

ザワザワ、ソンナムチャナ……

青葉「ああ、青くなってる艦娘とか、震えている艦娘とか……無様なのがいっぱいますね……」

大淀「一方で新入りでも、平然した顔のがいますね、ちゃんとチェックしておきましょう」

=執務室=

提督「というわけで、無事に全員が志願という報告を大本営に送ることができたな」

青葉「いやー、矢矧さんって履歴書の通り真面目ですね。私が司令官の言葉として“まず、お国のために心を鬼にして全員志願の心意気を”って、伝えただけなんですけどね」

提督「新入りだが役に立つな、よく覚えておこう」

青葉「でも、ホントに全員特攻とかになったら、嫌ですねえ」

提督「まさか、練度の高い艦娘は、ちゃんと体当たりできるように訓練指導するのが役割だ」

青葉「うっは、私たち、絶対に地獄にイキそうですねえ」

提督「ま、散々っぱら、命令して殺して来たんだ。もとより楽に[ピーーー]るとは思ってない」

青葉「ほんと司令官ってば鬼畜……」

提督「というわけで、一両日中に、瀬戸内海に設けられた訓練用の泊地に移動だ。準備を頼むぞ」

青葉「わかりました……で、地獄に行きそうと思ったら、イキたくなったんですけど……ぐっちょんぐっちょんで」

ひとまずここまでです。

では、最初に出撃する艦娘の安価をとりたいと思います。
ここまで登場している艦娘以外は、海外艦も含めて誰でも構いません。

>>10
>>12
>>15

朝潮

春雨

ちくしょう!!踏め!!

では、朝潮と春雨は確定で。
もう一人は……

>>21

朝潮と春雨と電……この三人が名誉ある特攻の先駆けに
決まりました。
では、明日以降投下していきますので、しばしお待ち下さい。
しかし、みなさん駆逐艦好きですね。

青葉「さて、一月ほどが過ぎ、瀬戸内海の某所に設けられた施設で、訓練は順調に進んでいるのです。そして、いよいよ……」

=執務室=

提督「三人とも訓練ご苦労。ますます、意気が上がっているな」

朝潮「はい。いつでも出撃可能です!」

春雨「春雨に…ご用なのですか?」

電「なるべくなら、戦いたくはないですね」

提督「……まあ、よかろう。今日はいい知らせだ。先ほど、極秘電文が届いた。敵機動部隊は新たな本土空襲を企図し北上を続けているという。ついては、君たちに出撃してもらう」

親潮「はいっ! この朝潮、いつでも出撃可能です」

春雨「頑張りたい…です、はい!」

電「はわわっ……」

提督「おめでとう。君たちは体当たり攻撃の栄えある第一号だ。この誇りを胸に、戦果を挙げて欲しい」

青葉「……三人とも、次第に青ざめますねえ。なんか震えて、お漏らしでもされたら掃除が大変ですねえ」

提督「では、装備も特殊なので、明石から説明を」

明石「はいはい。えー、こちらに見本として親潮さんのを持って来ました。見た目は通常の艤装ですが、中には詰め込めるだけ爆弾を詰め込んでます。本体もろとも体当たりすれば、自動的に爆発するようになってますが……敵の弾に当たっても爆発しちゃうので、気をつけて下さい。以上です」

提督「……ということだ。出撃は、明朝7時。それまでは、自由にしてよろしい。以上、下がってよろしい」

朝潮「はい!では失礼します!」

春雨「頑張り……ます」

電「……です」

バタン

青葉「……大丈夫ですかねー?」

提督「大丈夫もなにも、戦果を挙げてもらわないと、俺たちが全員揃って最前線に送られるんだぞ」

青葉「次はホントに玉砕でしょう。やですねえ……」

提督「戦果の確認もあるので、途中まで金剛と北上に送っていかせる……。で、青葉、あいつらがヘンな気を起こさないかちゃんと見張っておけ」

青葉「はい、取材ですね!」

=駆逐艦寮=

青葉「さて、まずは朝潮さんの様子を……」

ゴソゴソ

荒潮「うふふふふ。朝潮ちゃん、おめでとう。しっかり戦果を挙げてきてね?」

霞「ガンガンいきなさいよ」

満潮「少し気持ちが沈むけど……すぐに私たちも続くから、寂しくないでしょ」

朝潮「みんなありがとう。朝潮型の誇りにかけて、華々しく散ってみせるね。じゃあ、明日に備えて、私はもう寝るわね」

荒潮「あら、まだ早いのに」

霞「別れを惜しむのに、私たちじゃ役不足かしら?」

満潮「別に感傷的になんかならなくてもね」

青葉「なるほど、朝潮さんは、真面目ですね。もう電灯も消して……ん?」

(ベッドの中で)

朝潮「……ん、っぐっす……いや、いやだ、いやだ……っぐっす……」

青葉「……まあ、口では優等生ぶっても……ですね、次に行きますか」

=春雨の部屋=

青葉「あら、姉妹で別れを惜しんでいるかと思いきや、なにをしているんでしょうか?」

春雨「お父さん、お母さん、まだ寒さは厳しいでしょうか。喜んで下さい。私は栄誉ある任務を頂き……きっと、弟や妹も喜んで……みんな、村の皆さんにも鼻が高いと……ですから、私は笑って……散って……だめ……だめ……もう、なにも書けません」

青葉「……はあ、遺書というわけですか。ま、遺書を送る家族がいるだけ、まだ幸せですねえ、春雨さんは……なにもなさそうですし、次にいきますか」

=食堂=

青葉「あ、部屋にいないと思ったら、第六のみなさんは、ここですね……」

暁「立派に任務を果たしてきてよね!」

響「長い付き合いではないが、仲間がこんな栄誉を手にして、嬉しいよ」

雷「元気ないわねーそんなんじゃ駄目よぉ。ほら、鳳翔さんがお酒まで出してくれたんだから」

電「はい、お酒、初めてだけど美味しいのです……」

暁「立派に笑って散ってよね。みんなで応援してるんだから」

響「そうだな、期待しているよ。お別れに歌でも歌おうか」

雷「いいわねー、そうしましょう!」

青葉「賑やかですけど、ここはなんにも心配なさそうですね……」

=翌朝=

提督「では、いよいよ時間だな。お前ら三人のために、所属する艦娘全員が、こうして見送りのために集まってくれた。水杯も交わした……こうして、栄誉ある艦娘を送り出せるのは、本当に嬉しい……どうか最後まで、頑張って欲しい!」

青葉「みんな、手に手に旗を持って……お祭りみたいに賑やかですね」

荒潮「がんばってね」

夕立「最後まで、気を抜いたらダメっぽい」

赤城「索敵は怠ってはいけませんよ」

川内「夜戦よりは、楽だよ多分」

朝潮「はい、では皆さん……朝潮、出撃します!」

春雨「いってきます……」

電「……なのです」

提督「じゃ、金剛に北上、護衛をよろしく頼む」

金剛「まかせるネ!」

北上「ちゃんと敵さんのほうまで引率するよ」

(旗を振る音と、歓声が続いている……)

青葉「見えなくなっちゃいました……で、ホントに戦果なんかあがるんですかね〜」

明石「あれだけの爆薬。当たれば確実です」

青葉「当たりますか?」

明石「それは……わかりません」

提督「当たってくれないと……俺たちも困る」

=本土近海・某海域=

北上「っと、ピケット艦は抜けたけど、私たちは引き返さないと不味そうだねえ……」

金剛「ですねー。でも、もうちょっと先まで連れて行かないとダメネー。この子たち、艤装が重くて足も遅くなってるんデース」

北上「っちい、提督ぅ。私らまで、死んじゃうじゃないか……」

朝潮「大丈夫です、もう、お世話になりました、反転して下さい」

北上「っと、そうもいかない……っと、見えた、本隊」

金剛「レ級eliteが3に、タ級flagshipが2。それに戦艦棲姫……って、どういうことデスか?」

北上「っと、下がったほうがよさそうだね。じゃ、三人とも、いってらっしゃい」

親潮「はい、お世話になりました……では、またどこかで」

春雨「さようなら……」

電「次に生まれてくる時は……ううん、本気を見るのです!」

金剛「っと、気づかれてるネ-!!」

北上「っと、下がるよ……ん、爆薬が重すぎるのか、あいつら、やっぱり鈍足になってる……」

親潮「一発必中! 肉薄するわ……っえ?」

ドッカーン……

北上「ああ、そうだ無電……だめ、親潮、轟沈……」

金剛「っちょ、全速で退避。こっちにくるヨー!」

電「命中させちゃいます、電の本気……あ……」

ドッカーン……

金剛「電も轟沈したヨー! なにが、体当たり攻撃……当たらないヨー!」

北上「ちょっと、爆煙で、なにも見えない……今のうちにアタシたちも……ん、無電」

春雨「……まだ、続行できます。前方、がら空き……このまま突入します」

金剛「見るネ-、10時方向、春雨が戦艦棲姫の前に……」

春雨「や、やめて!や、やめて!きゃぁっ!!おかあさ……」

ドッカーン……

北上「うわっ……眩しい」

金剛「見えないネー」

=執務室=

北上「……で、しばらく波も荒れて、大変だったんだけど」

金剛「レ級eliteが3、タ級flagshipが2に戦艦棲姫が跡形もなくなってたネー」

北上「春雨の一撃でさ」

提督「……すごい戦果だ」

明石「さすが、私の開発した艤装ですね」

青葉「ええ、三人ともまだ、改にもなってないのに、それだけ戦果が挙がれば、勘定は合いますね」

大淀「では、さっそく大本営に報告する文書を」

提督「そうだな。えーと、朝潮・春雨・電の三隻からなる体当り攻撃隊は、○○方面に出撃。春雨は<大日本帝国万歳>の訣別の言葉と共に壮烈にも戦艦棲姫に突入し、これを轟沈。これに続き朝潮・電も<天皇陛下万歳>を叫び、レ級・タ級に突貫したと認む……っと」

青葉「なんか話をつくってません?」

提督「朝潮と電が、無様に轟沈とは書けないだろ……」

北上「まーね、しっかし、鈍足になるのはどうかしたほうがいいと思うよ」

金剛「おまけに、白昼堂々は危険すぎるネー。こんな、まぐれはないよ」

提督「ああ、そこは検討が必要だな」

青葉「じゃ、体当たり攻撃は続行ですね」

提督「もちろん。じゃ、青葉、朝潮・春雨・電が軍神になったことを、艦娘たちにも報告してくれ」

青葉「はいはい、すぐにまとめますよ〜」

というわけで、なんのまぐれか、サラっと上手くいってしまった最初の特攻作戦。
ここからが、本当の地獄のはじまりです、多分。

なので、次第に登場する艦娘たちを掘り下げながら展開していきます。

では、安価を。
物語を転がすために必要なので、青葉・大淀・北上・金剛・明石はNG。
あとは、海外艦も大丈夫です。

>>42
>>44

加賀さん

翔鶴

では、加賀と翔鶴に華々しく散って頂きましょう。
数日中に投下するので、お待ち下さい。
ま、明石の開発技術でなんとでもなります。

=執務室=

提督「大本営からは戦果を褒める電文も届いたし、評判は上々だな」

青葉「なんか、自分の順番が怖くてしかたない艦娘もいる一方で、やる気満々になってるのもいますね」

大淀「失礼します。緊急電です」

提督「まだ午前中なのに、なんだ……ふんふん」

青葉「戦果が挙がれば、仕事も増えるんでしょうか?」

提督「そのようだな。青葉、訓練に出ていない艦娘は?」

青葉「本日の予定は、こちらの書類ですよ」

提督「そうか……ん、青葉、すぐに加賀と翔鶴を呼んでくれ」

青葉「はいはい、なにか、また楽しいことのはじまりですか?」

5分ほど経って

加賀「何か相談?」

翔鶴「あの、なんでしょう?」

提督「嬉しい知らせだ。只今より、明石より艤装を受け取り、すぐに出撃してくれ」

加賀「……出撃?」

提督「そうだ。幸運にも、お前らは国のために命を捨てる機会を得たというわけだ」

翔鶴「ええ?」

提督「作戦を説明する。本日早朝、四国方面○○市に艦砲射撃が加えられた。現在、敵艦隊は撤退中であるが、これを捕捉し、体当たり攻撃を敢行してもらいたい」

加賀「今すぐに……?」

提督「そうだ」

翔鶴「出撃して……?」

提督「当たり前だ」

加賀「あの、体当たり攻撃に向かう艦娘は、前日に命令を受けて……」

翔鶴「身辺整理をする猶予があるのではありませんか?」

提督「もちろん、時間に余裕がある時はな。今回は、そうじゃない」

加賀「そんな……」

提督「ん? 上官に反抗するのか?」

加賀「そうじゃないわ。ただ、仲間に別れの言葉を告げる時間を、赤城さんとか」

翔鶴「瑞鶴にも……」

提督「残念ながら、訓練に出払っている。戻りを待ってる時間はない」

加賀「そんな、5分だけでも」

翔鶴「せめて、部屋に戻って手紙だけでも書かせて頂きませんか」

提督「その時間も惜しい。こうしているうちにも、敵艦隊は逃亡しているんだ」

加賀「3分、ほんの一言だけでも、手紙を書ければいいの」

翔鶴「提督、あの……」

提督「ふーん……おい、青葉。こいつらはなんで、こうやって時間を無駄にしてると思う?」

青葉「いきなり振らないで下さい。えーと、そうですね。命が惜しくて、屁理屈を述べているんだと思います!」

提督「そうだ。お前らは怖がって、怖くて、怯えて、無駄口を叩いてるんだ。この腰抜け。お国のために日々散っている艦娘たちに、それで申し訳が立つのか! おい、青葉」

青葉「はい!加賀さん、翔鶴さん。あなたたちは艦娘の風上にもおけない卑怯者で裏切り者で、クズでカスです。先に散った朝潮さんや皆さんも、あっちで泣いてます、この恥知らず!売女!」

加賀「……そんなんじゃない……それになんで空母が」

翔鶴「空母が、体当たり攻撃なんて」

提督「笑わせたいのか?お前らは艦娘になって二年に満たない。そのうち何度出撃した? ろくに出撃もせず、浮き砲台にもなれず。へっぴり腰で飛行機を飛ばすのが精いっぱいの無駄飯喰らい。お前らより鳳翔さんのほうが、よっぽど戦果があるんだ」

青葉「そうそう、さっさと出撃してくださいよ、役立たず」

加賀「……っ、一航戦、出撃します」

翔鶴「うう……五航戦、翔鶴、出撃します!」

提督「よおし、その意気だ、立派に散ってこい!」

=夕方・執務室=

北上「で、出撃したわけ?」

金剛「見送りもなしに、可哀想ネー」

提督「見送ったぞ。俺と、青葉と、明石と大淀で」

北上「前回と大違いだね」

提督「毎回、お祭りをやるわけにはいかないだろう」

金剛「で、戦果は?」

青葉「潜水艦の皆さんが、後から確認に出てます。そろそろ、連絡があるんじゃないかと」

大淀「伊19から連絡です。海域で、加賀・翔鶴と共にワ級1隻と思われる残骸を確認とのことです」

北上「んっはは、空母二隻で、ワ級が一匹?」

金剛「ま、空母の形をした置物みたいなものだったから仕方ないネー」

提督「ほんと、最近は艦娘学校の教育水準が酷いな……」

青葉「で、報告書どうします?」

提督「よし、書いてくれ。ええと、大部分は前とほとんど同じで……
戦果は、ル級3隻、ヌ級2隻を轟沈と認む……だ」

北上「水増し、しすぎじゃないかな?」

提督「かまわん、全軍がやる気を出すためにも花火を打ち上げたほうがいい。近々、敵が上陸を準備している南西諸島O島方面でも、各鎮守府による体当たり攻撃が開始されるそうなんでな」

青葉「あっはは、ホントに総特攻なんですねえ」

提督「ま、弱いヤツでも役に立つ機会を与えている……これは温情だな」

バンッ

赤城・瑞鶴「入ります!」

提督「ノックをしろ。やり直せ……っ」

赤城「どういうことですか? 訓練から帰ってきたら、加賀さんが?」

瑞鶴「翔鶴姉ぇも……」

提督「喜べ、大戦果を挙げてくれたぞ」

赤城「そうじゃありません!」

瑞鶴「提督さん、酷いよ……」

赤城「国のために命なら捨てます。体当たりで戦果を挙げて見せます。空母だって、体当たりはできます。でも、なぜ、なんで、別れの時間も、遺書も……」

瑞鶴「朝、夕方に話を続きをって、別れたのに……なんで……」

赤城「散りゆく艦娘に、それくらいの慈悲はなかったんですか。せめて、手紙を!一筆だけでも!書く時間も!なんで!なんで!なんでーーーーー!!!!」

提督「……緊急の命令だったからな」

赤城「そんな、そんな、加賀さんが、加賀さんが、可哀想過ぎる!この、鬼!悪魔!あんたなんか!
軍人じゃない!人間じゃない!ひどい!ひどいーーーーーー!!!許さない!許さない!
ゆるさないいいいいいいいい!」

ボカッグシャ

青葉「……っと、赤城さんが司令官を殴るよりも早く、北上さんの蹴りと金剛さんの拳骨が赤城さんに……」

赤城「う、う、うげ……、お、おええええ……」

青葉「うわ、絨毯の上に吐かないで下さいよ」

提督「ちっ……おい、上官を殴ろうとした挙げ句に、部屋まで汚すのか? おい、赤城?」

北上「はは、提督。靴の裏で頭をグリグリとか」

金剛「顔面まで、ゲロまみれネー」

瑞鶴「ひ、ひ、私は、殴ろうなんて……思ってない」

青葉「じゃ、黙ってみててくださいよ」

提督「おい、大食らいの空母。無駄飯赤豚女……おい。お前、俺のところの鎮守府で拾ってやった恩も、ウンコと一緒にひり出しちまったのか?」

赤城「ぐ、げぼ、ごぼ、ぼも」

提督「艦娘学校出たはいいけど、出撃する機会もなく。無駄飯喰らって、オマケに、
前の鎮守府じゃ物資の横領までして喰らいまくって。
軍法会議寸前のところを、たまたま使いにいった大淀が見つけて、拾ってやったよな?」

赤城「ぐも、ぐぼ……はい、ぐぼ……」

提督「軍法会議になれば、下手すりゃ極刑。よくて解体。そんな糞豚みたいな艦娘。
おい、人間に戻っても仕事なんかありゃしない。淫売にでも堕ちて、ボロボロになって、
お骨になるのが関の山だ……それを、拾って、生かしてやってるのは、誰だ」

赤城「ぐぼ、ごめんなさい……すみません……心得違いでした」

提督「っけ、絨毯汚しやがって……全部、食って綺麗にしろ、ドスッ」

赤城「ぐぼ、お、おええ……」

ブリブリブリ

青葉「ちょ、司令官、やめて下さいよ。赤城さん、脱糞しちゃいましたよ」

北上「うわ……ちょっとぉ臭いなー」

金剛「なにを食べたら、こんなに臭くなるネー」

提督「悪い悪い、ちゃんと掃除させるから……な、瑞鶴!」

瑞鶴「提督さん……うん……」

提督「素直だな、瑞鶴は。赤城の汚れ物、このまま洗濯はできないだろ。
ちゃんと、服にこびりついたウンコ、お前が全部食え」

瑞鶴「て、て……提督さん……」

青葉「ほら、瑞鶴さん。笑顔で返事しないと、司令官、怖いですよ?」

瑞鶴「ひ、ひ、や……解ってる……いい感じじゃない」

=食堂=

北上「最近、ご飯の量が増えたねえ」

提督「大淀と明石が上手くやってくれている。<体当たりで散りゆく艦娘たちに、少しでも多く食べさせたいとは思わないんですか!>と、いう感じで泣き落としたり、脅したりしてな」

金剛「肉も魚も、お米も、あるところにはあるものデスネー」

青葉「はいはい、様子見てきました?」

提督「掃除してたか?臭くってかなわん」

青葉「ええ、ゲロまみれの赤城さんと、顔にウンコつけた瑞鶴さんが、泣きながら掃除して、殴り合って、最後は抱き合って、ワンワン泣いてました」

北上「痺れる愛だねえ」

金剛「ウンコ食っただけで、泣くとか。プライドが高すぎるネー」

青葉「やっぱり、皆さんも?」

北上「アタシの艦娘学校は、それくらいじゃなかったよ。<お前のせいで演習に負けたんだ>って、
夜中に寮で、股の間に一升瓶をブチ込まれたりさあ」

金剛「ワタシもお尻に花火されたネー。そうやって、艦娘は成長するものネ」

青葉「わたしも、毎晩、豚の餌を食べさせられた時には首をくくりたくなりましたねえ……提督はどうです?」

提督「いやあ、俺なんて。学校の初日に、古い革靴を<ステーキだ、食え>くらいだからな……」

北上「前に前線で、捕虜にいた港湾棲姫の腹を割いて、みんなに食わせてくせに……」

提督「おかげで、胆力がついただろう?」

金剛「新入りども、そういう経験がないから、体当たりするくらいしか能が無いデス」

青葉「……で、次の出撃翌予定は……?」

というわけで、今日はここまでです。
次は、また二人出撃して貰います。

>>74
>>76

カスミ

>>45

ちょ、>>76は、キャラを動かしきれない。
というわけで、改めて

>>85

満潮

じゃ、霞と満潮で。
話が思い続く限りは続くので、よろしくお願いします。
投下は、明日出来ればよいなという感じです。

青葉「というわけで、相変わらず、猛訓練の毎日が続いてます。何のために? 華々しく散るために!」

提督「で、訓練の進み具合はどうだ? 敵の動きは活発だ。明日にも出撃命令が出るかも知れない」

北上「どうかなあ……訓練ばっかしているから、改二になるのもいるけどさあ」

青葉「改二になったら、特攻以外でも使い途があるんじゃないですか?」

北上「ん、まあ。練度は、いわば道場剣法みたいなもんだしさあ」

金剛「センスのないの、ばっかデース」

青葉「ああ、いますよねえ。学校で成績がいいのに、職についたら使い物にならないヤツら」

提督「猫も杓子も艦娘になれる。それに召集令状を乱発している状況だ、カスも多いさ」

北上「前の鎮守府からの転身の時、大破して入院したヤツらは、まだ復帰しないの? 
実質、アタシたち二人じゃ訓練も回らなくてさあ」

提督「とはいえ、大淀に青葉は事務。あとは、明石に、間宮に伊良湖だしな」

金剛「鳳翔さんは?」

提督「修復はしたがな。足がまともに動いてない。食堂で飯炊きはできるが、
もう艤装が積める身体じゃないしな。余生くらいは静かにさせてやろう」

青葉「司令官、意外に人情かけますね?」

提督「お前らよりも古くから、前線の鎮守府を守ってた古株だしな。
特攻は無理。とはいえ、解体して放り出すのもなあ」

北上「あーあ、帰る家があるヤツは幸せだねえ」

金剛「提督は無茶苦茶だけど、馴染みには気を遣ってくれるから、ここが家みたいなものデース!」

青葉「……だいぶ減りましたけどねえ」

提督「山城、秋月、夕立、龍驤……みんな轟沈して古株もだいぶいなくなったな」

青葉「同じ顔のは追加されたけど、全然、別人ですしねえ」

コンコン

大淀「失礼します。入電です。室戸岬方面、敵艦隊が接近中。かなりの大部隊です」

提督「出撃命令は?」

大淀「まだですね。おそらく空襲……阪神方面ではないかと」

提督「まだ、夕方なのに、悠々だな。おい、ラジオをつけておこう」

青葉「はいはい、最近はラジオのほうが早かったりしますからねえ」

=深夜・執務室=

青葉「……あたた。司令官、やっぱりお布団いったほうがよかったですね。三回もして、そのまま寝ちゃうから」

提督「お前が、ぐっちょんぐっちょんとか挑発するからだ。しっかし、板の上で寝ると、痛いし寒いな」

青葉「いやー、工廠にいったら明石さんが、開発中の艤装をペロペロしながら、大声でオナってるし。
最近、戦艦も空母も、駆逐も寮のあちこちから、食事後はすぐに、
ぐっちょぐっちょと音がしてますしい……なんですかね」

提督「何人か、柵を乗り越えていたな。街に男を漁りにでたか?」

青葉「処罰します?」

提督「まあ、しばらくは泳がしておこう……」

青葉「で、司令官。たまには、ほかにも誰か交えてやりません?」

提督「複数はめんどいんだよなあ」

青葉「北上さんに、金剛さんに、明石さんあたりって、私より付き合い長いですよね? 味見してないんですか?」

提督「昔は、すれ違いざまに乳をもんだりしてたけど、飽きたな」

青葉「……私も飽きられるんでしょうかねー。その前に、新入りにも味のよさそうなのいるから、
見繕ってあげますよ」

提督「アテはあるのか」

青葉「ええ、まず誰かというとですね……」

ブーブー

ラジオ「西部軍管区情報……午前零時15分、敵の編隊400機は、室戸岬を経て北西へ進んでおります。午前1時30分ごろ、呉、広島へ来るものと思われます……」

青葉「警戒警報ですね。……いよいよ、呉までやってくとか、相当、やられてますねえ」

提督「何度目かなあ。先日、出張したらあちこちを傷ついた艦娘が歩いているしなあ」

※今さらですが、この特攻訓練を行っている鎮守府は、周防灘に面した山口県あたりの設定です。

青葉「ま、内地で悠々とできると思ってたヤツらですよ、きっと……」

ブーブー

ラジオ「山口県空襲警報。西部軍管区情報……午前零時30分。
敵の編隊400機は松山市にあって、西北西へ進んでおります。
まもなく山口県方面へ来るものと思われます……」

提督「っと、今何時だ?」

青葉「えっと、零時40分です」

提督「遅い警報だな、この……くそ、電探をまともに装備してる艦娘が、
うちにはいないのか……いないな……くそ」

ウウーウウーウー

大淀「提督!空襲警報発令!西部軍管区より入電、敵編隊はこっちに向かってます……
っと、なんか着て下さい」

提督「ちぃっ、全員で迎撃……できるか?」

大淀「対空戦闘なんて、一度も訓練してませんが……」

ラジオ「○○鎮守府周辺の高射砲が、斉射されますから、注意して下さい……」

提督「深海に、高射砲が効くかよ、この野郎。全員、艤装をつけさせろ」

北上「はあはあ、提督ぅ。大変だよ。新米ども、空襲警報鳴ってるのに、起きないんだ、手伝ってよ!」

提督「そこからかよ! 青葉、手分けして起こせ、大淀、明石に艤装を準備させろ!」

=艦娘寮=

提督「起きろ、全員、起きないか!出撃だ!起きろ!」

グーグームニャムニャ

提督「……こいつら、総員起こしまでは寝てればいいって勘違いしてるのか?」

霞「うーん、ムニャムニャ……もう、バカばっかりぃ……」

満潮「グーグー、うーん、手ごたえのない……」

提督「起きろ、起きろ、なんなんだ、この野郎」

霞「ああん、んん? なんなの? まだ夜じゃないの」

満潮「な、なによ?寝込みを??このバカ」

提督「うるせえ、お前ら、改二になって、そのザマか、起きろ!空襲だ!出撃だ!」

霞「ええ、空襲? 出撃ね。霞! 抜錨よ! ついてらっしゃい!改二の実力を見せてあげる。
体当たり攻撃とかバカらしいことやってんじゃないわよ、このクズ!」

満潮「出撃ね、私がいなきゃ話にならないじゃない!バカね」

ドドドドドド

バラバラバラバラバラ

金剛「きたヨー!とにかく撃つネー!」

北上「工廠と、執務室……本館あたりを守れればいいから……」

金剛「提督はどこネー」

青葉「寮へ、たたき起こしに……」

金剛「寮に、焼夷弾が落ちてるネー」

北上「いいから、撃って、撃ちなよーーー!」

ドンドンドンドンドン

青葉「高射砲、一斉射ですよ」

北上「っち、伏せて、伏せて」

バスンバスンバスン

大淀「いった、いた、いたたた……」

青葉「艦娘でも、破片に当たると痛いですねえ」

明石「あ、提督……」

青葉「軍艦旗を振り回しながら、走ってきますね」

提督「よーし、もうちょっとだ。撃ちまくれー」

北上「いや、邪魔だから、防空壕に行ってくれないかな?」

大淀「誰か、間違えて撃ちますよ?」

提督「そ、そうだな。おい、霞と満潮は来たか?」

北上「いや、見てないなあ」

提督「っちい、艤装も付けずに逃げて……」

青葉「うわ、次、来ますよ……」

提督「ああ、防空壕!」

バリバリバリバリバリバリ
ドドドドー

提督「ふう、間一髪……」

大淀「外れましたね。工廠などは無事……駆逐寮が燃えてますので消火を!」

提督「だな……」

キャーアレナンナノ!!!!!

北上「ちょ、提督、あれ!」

金剛「燃えてる建物から、火だるまで飛び出してきたデース」

??「きゃっ!嘘でしょ!? っきゃ、きゃああああ!!見てらんないーーーー!!ぎゃあああ!熱い、熱い、熱いいいいいい!!!!」

青葉「……霞さん、かな?」

北上「もう一人、なんか這い出て来た」

??「こ……こんな……ところでぇ……! いたい、いたい、いたい……」

青葉「満潮さんですね……手足、ないから芋虫みたいですけど。でも、なんで?」

提督「空襲に怯えて、建物の中で布団をかぶって震えてたんじゃないか……ともあれ、治療だ。明石を呼んでこい」

トテトテトテ

明石「……」

提督「どうだ?」

明石「見りゃわかりますよね。いくら艦娘でも、手遅れです。霞さんは、
骨まで焦げてるし、満潮さんは、手足が吹き飛んで、内臓も噴き出してます」

提督「なまじ、人間より頑丈なだけに、生きているってわけだな」

明石「ええ、残念ですが、いつも処置を……」

提督「そうだな」

霞「ううう……痛いよ、熱いよぉ……全身が焼けて、痛い……なにこれ、見てらんないよぉ……」

満潮「意味わかんないよぉ……早く、早く、お医者さん、早くったらあ……」

青葉「ぷっぷっ……改二の練度なのに、実戦経験が少ないよい見本ですね……なんか、おかしくなってきました」

明石「青葉さん、笑いながらパンツに手をいれるのやめて下さい。マン臭が鼻につくんですけど」

青葉「ああ、すみません。なんか、哀れで惨めで、悲しくて、面白くって」

提督「霞、満潮。今さら、お前らの腰抜けっぷりにアレコレいう気はないがよく聞け。
もう、お前らは助からない。だから、すんなりと、楽にしてやる。
ちゃんと名誉の戦死ってことにするから、安心して逝ってくれ」

霞「嘘でしょ……。バカ、バカ……何よ? やだ、いやだ、お願い、病院へ、運んでよ、クズ……」

満潮「そんな……私がいなきゃ話にならないじゃない……バカね……はやく、病院……」

北上「お待たせ、艤装を装備してきたよ。提督、離れてくれる?」

提督「残念だが。お前らは敵の空襲の中、断固として鎮守府を守り抜いたんだ。そう、伝えてやる」

霞「なにいってるの、このクズ……。どんな采配してるの……クズ……痛いよ……熱いよぉ……
やだ……しぬのは、やだ……ママ、ママ、ママぁ……」

満潮「バカ、私、頑張ってるのに、改二になったのに……バカ。私がいないと……
ふるさとの妹が……お願い……治療して、明石さん。入渠させてよ……」

明石「ごめんなさい。助からない者を治療する余裕はないんです」

霞「ママ……ママ……熱いよ……ママ……みず、おみず、み……ず……」

満潮「おねがい、わたし、帰らないと……妹が……かえらないと……」

提督「遺言はちゃんと聞いたぞ。大日本帝国万歳の一言だったと」

青葉「んっふふ。いつかは桜になって会いましょうね」

北上「じゃあね、さよなら」

ドーンドーン

北上「あー終わった。提督、煙草くれる?」

提督「俺、あと2本しかないんだ」

明石「じゃ、私のを」

青葉「あ、明石さん。私も一本だけ貰えます?」

スパー

北上「久しぶりだねえ、トドメをさしてやるのも」

青葉「ああも、往生際が悪いのも新米の特徴ですねえ」

明石「爆弾くらい、手で受け止めないと……改二に練度を上げてもあれじゃ」

タタタタ

大淀「あ、提督。ここでしたか。どうするんです? 上への報告」

提督「名誉の戦死だ。こないだ例文書いておいただろう」

大淀「じゃあ、うまくやっておきます」

提督「で、空襲はこれで終わりだろうな」

大淀「はい、今、命令が来ました。敵機動部隊は九州、都井岬方面へ移動中。
各鎮守府で総力を挙げ、これを攻撃するとのこと。我々にも至急部隊を編成し、
体当たり攻撃を敢行するようにとのことです」

提督「そうだな……できる限り全力で出撃だ……」

本日はここまでです。
いよいよ敵を取らんと、全軍特攻も本格化です、多分。

では、全力で出撃する艦娘を選んで下さい。

>>121
>>125
>>129
>>134
>>137

大漁じゃないか

kskst

レ級「大漁大漁w」

ksk

kskst

まつわ

ル級「入れ食いダッゼ」

kskst

kskst

大井

kskst

大和

早くも、大和が出撃することになるとは……。
イメージとしては昭和20年3月くらいなんですが、まあ仕方ないでしょう。


松輪
大井
大和

あ、あと一人

>>144

まけぼの
松輪
大井っち
ホテル
安価下で脱糞?

Jervis

Jervis

>>141

安価下でもいいかなーと思ったんですが、再安価ってことで。

まけぼの
松輪
大井っち
ホテル
Jervis

では、これで。
Jervisって、うちにいないんで、描写がアレだったらゴメンなさいと
先に謝って起きます。
これから、展開を考えるので、しばらくお待ち下さい。

要望とか感想とかもあると嬉しいです。

処刑済み艦娘

朝潮・春雨・電 → 朝潮・電を生贄に春雨がエリレ×3、フラタ×2、戦艦棲姫撃破の大戦果
加賀・翔鶴 → 戦果らしきものはワ級×1のみ、ほぼ無駄死に。赤城と瑞鶴がとばっちりで糞まみれで殴り愛
霞・満潮 → 出撃すらしないまま火だるま&四肢欠損、二人「「シニタクナイー」」北上「はよ死ね」ドン
曙・松輪・大井・大和・Jervis → これから

矢矧は可ですか不可ですか?

>>150

まとめてくれてありがとうございます。
処刑ではなく、国のための挺身というわけで。

整理すると

青葉→前の鎮守府からの生き残り、秘書艦。提督の肉布団係
北上・金剛→前の鎮守府からの生き残り、たたき上げで強い
鳳翔→前の鎮守府からの生き残り、ポンコツなのでおさんどん
明石→前の鎮守府からの生き残り、常識人っぽいがメンヘラ

出撃不可は、以上で。あとは矢矧も選択可。海外艦娘も含めて全艦娘が揃っている設定です。
なお、リアルにあわせた時間軸は昭和20年3月くらいを想定。
東京大空襲、九州沖航空戦、硫黄島玉砕、沖縄戦がはじまるくらいの時期ですね。

引き続きよろしくお願いします。

忘れてた、大淀は不可です

青葉「さて、夜も明けて、各方面の部隊の出撃情報も次々と入ってきています」

大淀「電文によりますと、各鎮守府の反撃により敵機動部隊には相当の損害を与えているものと思われます」

提督「部隊の規模は?」

大淀「二級、ナ級多数。ネ級、ル級、タ級、レ級多数。
そのほか、戦艦棲姫改、戦艦水鬼改、装甲空母姫、空母夏鬼なども確認されているとの報告です」

提督「二級、ナ級多数。ネ級、ル級、タ級、レ級を突破して、鬼やら姫やらに肉薄できると思うか」

北上「まあ、難しいねえ」

金剛「こないだも、突破出来たのは偶然デース」

提督「とはいえ、攻撃命令も出ている出さざるを得ないだろう。敵の位置は?」

大淀「都井岬沖を南下、奄美方面に向かっていると推測されます」

提督「出撃だな」

北上「どうやって、突破するのさ」

提督「幸いにも、艦娘の数だけは多いからな。青葉、大和を呼べ」

大淀「大和ですか。うちの大和は実戦経験は、二回ほど主砲を発射した程度ですが」

提督「今の状況でなきゃ、使うこともないだろう」

コンコン

大和「提督、なんでしょう?」

提督「うん、出撃準備をしてもらいたい。体当たり部隊を、敵部隊の前まで引率してくれ」

大和「引率ですか?」

提督「そうだ。敵部隊は、お前に攻撃を集中するかもしれない。
だが、お前なら航空攻撃にも耐えきることはできるだろう。その間に、
随伴艦は体当たりを仕掛ける。対空兵器を存分に積んでくれ」

北上「まあ、送っていって帰るだけの簡単な仕事だよ」

金剛「とっても楽な仕事デース」

大和「……提督、ほかの支援はどうなっていますか?」

提督「そんなものはない。わかっていると思うが、既に空母に積む飛行機もほとんどない」

大和「支援が私だけでは……」

提督「お前は、艦娘になってからは随分長いんだったな?」

大和「はい、既に建造から3年になります」

提督「出撃したのは?」

大和「出撃は5回。会敵は2回です」

提督「そうだろう。圧倒的な火力を誇りながらも、資材も燃料も食うばかり。
ゆえに、ロクに出撃させてもらえない。それは、ほかの鎮守府のお前も同じだ。結果、ホテルと呼ばれている」

大和「ホテルですって?ち、違います!!!」

提督「そうだ。これは、お前が戦果を挙げる好機なんだ。
敵機動部隊の護衛を突破出来るのは、お前の強力な火力しかない。
もしも、この状況でお前を使わなければ、もう使う時はないかもしれないが、どう思う?」

大和「……」

提督「どうだ、国のために散る艦娘たちを咲かせる立派な任務だ。やり遂げてくれるか」

大和「わかりました……戦艦大和。推して参ります」

=港=

提督「というわけで、大和がお前たちを巨大な敵の前にまで送り届けてくれる。
安心して、立派に散ってくれ。私も必ず後に続くので、
また会おう」

曙「クソ提督のくせに……さよなら」

松輪「はい、松輪は……択捉ちゃん、お先に」

大井「北上さん……」

Jervis「Lucky Jervis! 出るわ!」

大淀「曙さん、目に涙がいっぱい……」

青葉「松輪さんを出すとか、なんかちょっと胸が痛みますねえ」

北上「いやさ、先月入ってきた新入りに、恋人みたいな目で見られてもさあ……ウザ。艦の特性に汚染されすぎ」

金剛「敵国の艦霊を宿して肩身狭かったのも、今日でおしまいデース。頑張って下さーい」

提督「では出撃。戦果を期待しているぞ」

=九州沖=

大和「電探感あり……敵機動部隊はもうすぐです」

曙「いよいよね……」

大和「待って、上空敵機接近……行くわ!」

松輪「あ、あれ」

大井「敵機、なんて数なの?」

Jervis「大丈夫、そんなに簡単には当たらないわ」

大和「敵機も随伴艦も私が片付けます。進撃して下さい」

曙「蹴散らしてね、いくわ……」

ドッガーン

松輪「え……?」

曙「た、たかが主砲と魚雷管と機関部がやられただけなんだから……」

大井「あ、曙、大破……?」

大和「構いません、みなさん進撃を……もう少し進めば、敵の随伴艦が見えるはずです……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「い、痛い……傾斜復元しないと……注水を急いで」

松輪「え、え、え?」

大井「まだ、敵の艦影も見えてないのに?」

Jervis「空を埋め尽くしている……なんて数の空襲なの?」

松輪「ふぇ?ふえぇ?ふえぇぇ!ご、ごめんなさい、来ないで、来ないで!択捉ちゃん、択捉ちゃーん」

大和「こ、混乱しないで! 前進、前進、前進」

大井「敵艦なんて、全然見えないわよぉ!」

曙「クソ提督、クソ提督!こんなところで……うわあああ」

松輪「い、いや!近付かないでください!ぜ、前進!!」

Jervis「Lucky Jervisは…沈まない! いくわ!」

大和「そうです。みんな、頑張って……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

曙「ああ、大和にぃ……」

大和「大丈夫、大和は沈みません……!前進! 蛇行して、魚雷を避けて!」

大井「炎上しているのに、丈夫ね……行くわよ」

Jervis「行かなきゃ、前に、敵の前に」

大和「私に構わず……第三火薬庫注水……」

曙「そう、行かなきゃ、私だって……」

ドッガーン

曙「海の底には……」

大和「あ、曙……轟沈……」

松輪「きゃああああ!」

大井「くっそ、せめて、砲弾でもあれば……」

ドッガーン

大井「いいわ、沈んであげる……」

Jervis「大井……」

松輪「敵艦なんて、どこにいるんですか?」

Jervis「水平線しか見えない。あとは敵機だけ」

大和「もう少し、もう少しで、電探には感がありますから!」

松輪「大和さんが、燃えて……艤装も吹き飛んでる……」

Jervis「うそ、あの戦艦が……」

大和「大丈夫、かすり傷ですから、さあ、前に」

松輪「怖い……、怖い……」

ドッガーン

大和「……っく、松輪さん……魚雷一発で……」

Jervis「大丈夫、私はラッキーなんだからあ。ひ、でも、防空が、ひいいいい!!!」

大和「混乱してはダメ、行きましょう、行くんです!」

ドッガーンドッガーンドッガーン

Jervis「そう、まだよ! Lucky Jervisは…沈まない!沈まない
沈まない……やだ、痛いよ、痛い、もう動けないよ……痛い……」

大和「だめ、止まっては。動いて、動かないと、的になるだけ……」

Jervis「沈まないよ、沈まないけど、痛い。痛い……痛いよぉ……
やだよぉ……うええええ!治してええ……」

ドッガーンドッガーン

大和「……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「全滅……?」

大和「私がついていながら……なんだったの、大和型戦艦一番艦の誇りって……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「提督、申し訳ありません……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「主砲もロクに撃つことなく、わたしは……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「あ、みなさんに冷蔵庫のラムネ、配ったらよかったな……」

=執務室=

青葉「はは、あはは、全滅、全滅ですね。戦果はゼロ!あっははは!」

提督「ボコッ……ちょっと、静かにしてろ」

北上「んっは、顔にもろに……」

青葉「す、すみません……」

金剛「ちょ、鼻血……手ぬぐいでおさえるデース」

大淀「幸いにも、ほかの鎮守府の部隊も同様ですので、叱責はされないかと」

コンコン

明石「失礼します。大和さんから、冷やしておいてって工廠の冷蔵庫に入れてたラムネ、持って来ました」

提督「ひとまず、飲むか」

青葉「いやー、大和さんも、戦果は挙げられなくても役に立ってくれるじゃないですか、頂きま……」

提督「ボカッドスッゴスッ」

明石「はいはい、殴らない、八つ当たりしない」

北上「提督ぅ。一度ならず、寝てる女に酷いねえ……コロすよ?」

金剛「身内にはやるなと、いってるデース」

提督「すまんな、つい……」

青葉「いえ、みなさん。ごめんなさい。青葉が悪いん……」

ジョロロロロ

大淀「っと、青葉さん……えっと、雑巾とバケツを」

提督「構わん、お前らは戦闘中に便所に行くのか。ラムネ、飲め」

北上「小便臭と共にラムネ……ね」

提督「で、遺書とか遺品とかまとめてあるな」

青葉「は、はい……これです」

提督「機密に触れてないか、確認する……まず、曙」

北上「送り先の住所が東京……空襲で焼け野原じゃない?」

提督「出撃した後、親戚から電報が届いた。家族は全滅だそうだ……この宛名の先はもう誰もいない。
預かっておこう」

提督「次は、松輪か」

北上「字が、震えてて読めないね……」

金剛「このまま、送っても問題ないデース」

提督「大井のは?」

北上「なんか、アタシ宛てになってるよ。気持ち悪いなあ……いや、申し訳ないけど、
尿臭でこの部屋も気持ち悪いんだけど」

金剛「艦霊に引っ張られて、同性愛志向になるのは困るデース。プレイは女同士も気持ちいいけど、
本気は困りマース」

提督「あとは、Jervis」

北上「なになに……先日帰郷した時は、敵国の艦霊を宿して、姿形も白い鬼のようになった私に、
近所の人は石をぶつけてきましたが、ようやく私もお国のために……泣かせるねえ」

大淀「大和さんは、ありませんね。戻ってくるつもりだったんでしょう」

提督「鳴り物入りで出来た戦艦も脆いな」

明石「……工廠の開発でなんとかします。もっと確実に、敵に体当たりできる方法を」

提督「できるか?」

明石「中央では、捕虜にした深海棲艦。それに捕虜にした敵国民も使い、
もっと高度な実験を行っています。そのデータをもとになんとか」

提督「それだけでなんとかなるか……」

明石「いえ、もっと高度な研究が始まっていると聞くので、その成果を早めに手に入れて頂きたいのです」

大淀「理化学研究所のあれですね」

明石「ええ、新型爆弾というやつです……」

というわけで、豪華な護衛をつけても戦果は挙がりませんでした。

次は、単艦で行くしかないでしょう。

>>179

如月

うう、ワガママで申し訳ありませんが、
かつての如月ショックを超える展開をできる自信が……
再安価でお願いします。

>>186

五十鈴

>>186
では、五十鈴で。
如月も登場するように考えてみますね

要望とか感想もあれば、教えて下さい。


安価は後何回ぐらい取るのかな

>>189

まだまだ艦娘もたくさんいますし、飽きるまで続けますよ。

青葉「この日の夜、訓練の報告書を読んでいた司令官は、如月さんと五十鈴さんを呼び出したのです」

提督「こんな時間にすまないな」

如月「お呼びかしら?」

五十鈴「なに? 気が散るんだけど。何がしたいの?」

提督「訓練に関する報告書を読んだが。お前らは、なかなか迷いがあるようだな」

如月「……」

五十鈴「……」

提督「敵艦に体当たりすることに備え、模擬標的を使った訓練は続いている。その中で、お前らは、標的の前でスピードを緩めるクセがある……間違いないな」

如月「……はい」

五十鈴「たしかに準備万端じゃないわ」

提督「既に、憎むべき敵は押し寄せ、国を守るため多くの艦娘が、
我が身を投げ出し散っている。にも関わらず、この体たらくはなんだ?」

如月「……がんばります」

五十鈴「がんばってるのに……」

提督「口先だけならなんとでもいえる。だが、いま必要なのは覚悟だ。身を惜しまず、一撃必殺で敵を貫く刃だ。艦娘になって、どれくらいになる?」

如月「半年です」

五十鈴「十ヶ月かな」

提督「短い。確かに短い。だが、艦娘の中には僅か数カ月で華々しく散る者もいる。
そうして散っていった者たちに、お前達は顔向けできるのか!」

如月「……そんなこといったって」

五十鈴「訓練でなんとかするわ」

提督「訓練と実戦の経験は違う。俺も、これまで多くの艦娘が散るのを見てきた。
そして、俺も、今、いつでも散る覚悟でお前達を指導している」

如月「申し訳ありません」

五十鈴「明日から頑張ります……」

提督「ふむ……青葉、煙草だ」

青葉「はい、司令官」

スパー

提督「いい心がけだ。お前らが本当の、どこに出しても恥ずかしくない艦娘になるよう。
特別訓練を準備した。本日、フタサン、マルマル。工廠裏に来るように。以上だ」

如月「わかりました」

五十鈴「いいわ」

=工廠裏=

如月「はあ、夜の潮風。また髪が傷んじゃう……」

五十鈴「朝から訓練訓練で、疲れてるのに」

如月「矢矧さんのせいで、全員が体当たり訓練とかさせられてるけど、なんか実感がなくて」

五十鈴「だいたい、敵の弾を避けて体当たりなんて……実戦の経験もないのにできないわよ」

如月「でも、このままじゃ、私たちも……」

五十鈴「デキの悪い私たちは出撃命令なんてないわよ、きっと」

北上「やあやあ、お二人さん、こんばんは〜」

金剛「ちゃんと来ましたネー」

如月「やだ、二人ともくわえ煙草で。ほんと、ここの人はみんな煙草を吸って……」

ブロロロ

五十鈴「トラック? なに?」

大淀「ああ、北上さん、金剛さん、お待たせです」

北上「待ってないよー。荷物は荷台?」

大淀「そうです。下ろして頂けますか」

金剛「下ろす必要もないデショ? Hey!降りてくるデース」

ヨロヨロ

如月「ええ? 金髪の女の人? 綺麗な人?」

五十鈴「30歳くらいの女の人と、10歳くらいかしら、女の子……誰なの……後ろ手に縛られて」

北上「逃げないでしょ?縄ぐらいといてあげるか?」

大淀「ですね。もう、逃げる気力もなさそうですし」

金髪1「○※□×△○※□×△○※□×△〜!!」

北上「ああ、早口でわからないや、なんて?」

金剛「娘だけでも、どうか〜とかいってるデース」

大淀「ようは、命乞いですね」

北上「まあいいや、じゃ、お二人さん。訓練を始めるよ?」

如月「え、訓練って?」

五十鈴「どういうこと?」

北上「コイツらは、我が軍が某所で捕虜にした敵軍人の家族なんだよね。
で、某所の収容施設から大淀が引き取ってきたわけ」

金剛「はい、では、二人にはこれをあげるデース」

如月「これって、銃剣?」

五十鈴「なにをしろって?」

金剛「はい、陸軍の兵隊さんにお馴染みの銃剣デース」

北上「質問多いねえ、二人とも。で、今から、コイツらをそれでコロして」

如月「ええ……それが訓練だっていうの」

五十鈴「そんなのできるわけないじゃない。学校で習ったわ。捕虜を傷つけたりしてはいけないって……」

北上「ま、教科書ではそうだけどねえ」

如月「それに、それは戦争犯罪で、軍の恥になるって」

五十鈴「やってはいけないことでしょ?」

大淀「大丈夫です。なぜなら、書類を誤魔化して、この二人は先頃の空襲の巻き添えで……
ってことになってますから」

北上「二人とも、もう、この世にはいないから安心してやっちゃっていいよ」

金剛「銃剣は、よーく研いでおきましたから、切れ味も最高デース」

如月「そんな……」

五十鈴「これが戦争……なの?」

金髪1「○※□×△○※□×△○※□×△〜!!」

金髪2「○※□×△○※□×△○※□×△〜!!○※□×△○※□×△○※□×△〜!!」

北上「うっさいなあ、なんだか豚の鳴き声みたいな言葉で泣きわめいて」

金剛「さっさと、始めるデース」

大淀「あなたたちがやらなくても、どうせ処分される二人です。安心してやってください」

如月「そんな……敵艦じゃないのに……できません」

五十鈴「そう、こんなの戦争でもなんでもない!」

北上「ったく、経験のないヤツらはきれい事ばっか。
こっちだって、捕虜になったヤツらはもっと酷いことをされてるんだ」

金剛「そうそう、ホント敵のヤツらは鬼畜ネー。許せないことをいくつも思い出すデース」

大淀「生きたまま解体されたり……」

北上「救出にいったら、マワされてズタズタに切り裂かれているのもいたねえ」

金剛「木に吊されてるのもいたデース」

如月「だからって、こっちも同じになんて……」

五十鈴「できない。それは戦争じゃない……艦娘のやることじゃない……」

北上「やるんだよ、命令だ」

金剛「命令違反は、非国民と同じデース。故郷の家族にも顔向けできないヨー」

如月「……そんな、家族に……」

北上「命令違反で処分されたって……故郷でもすぐ話は広まってどうなると思う?」

金剛「もう、道も歩けないし、配給だってなくなりマース」

大淀「……ですから、さっさと終わらせてくれませんか?」

如月「……」

五十鈴「……んっ」

如月「私…私……」

五十鈴「あんた……ダメよ、そんなの……」

如月「私……どうしても……できません。ごめんなさい……
私、ドジでノロマな……艦娘です……(刃は首に……)」

ブッシャアアーーーーー

北上「ああ〜」

金剛「はああ」

大淀「ふう……」

五十鈴「如月ぃいいいいいいいいいい!!!」

ピクピクピク………

北上「血、飛び散っちゃったな」

金剛「片付けが面倒デース」

五十鈴「そんな、そんな。なんなの……いま、艦娘が。仲間が目の前で……」

北上「はあ?」

金剛「そんなの、もう何百人も見てるデース」

大淀「もっと酷いのをたくさん見ましたね」

北上「で、お前はどーすんの?」

金剛「自害なら、それでもよいですヨー」

大淀「艦娘の恥として、長く記録されますけどね」

五十鈴「そんな、そんな、そんな……」

北上「はやく!決めろ!」

金剛「敵は、待ってくれたりしないヨー!!」

五十鈴「うわ、うわ、うわ、うわーーーーー、
うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

ブシュグシャドス……

……………………………………
………………………………
…………………………
……………………
…………………
………………
…………
……

北上「はい、よくできました」

金剛「汚い生首ネー、ヘドが出るよ」

大淀「んふふ、最後まで泣き叫んで、必死でしたね」

五十鈴「はあ、はあ、はあ……」

北上「おめでとう、五十鈴ちゃーん。これで、一人前の艦娘……」

五十鈴「んっふ、ふ、ふふふ……いつでも準備万全よ……五十鈴に任せて……五十鈴に任せておきなさい……五十鈴には丸見えよ……」

金剛「いい眼になったデース」

大淀「危険なほどにですね」

北上「よかったね、いつでも出撃できそうだね」

五十鈴「もちろんよ……えへへ、うふふ……明日にでも出撃……できる? 
敵艦もろとも……吹き飛んであげるわ……」

金剛「っと、こちらが斬られそうな雰囲気デース」

大淀「明日の出撃を提督に提案しましょう……」

=翌日・鎮守府=

提督「いい具合に仕上がったものだなあ」

青葉「でも、なんで青葉は参加できなかったんです?」

北上「だって、またパンツに手を突っ込んで笑ったりするでしょ?また、提督に殴られるよ?」

青葉「確かに、否定できません」

金剛「で、どちらに出撃したネー?」

提督「南西諸島方面……そろそろ、なにか結果が出るはずだ」

コンコン

大淀「電文です。○○鎮守府の部隊が、××島沖にて五十鈴と思しき特攻を確認。集積地棲姫に攻撃を敢行。敵は大破炎上、沈没したものと認む……とのことです」

青葉「あら、存外にいい成果ですね」

金剛「訓練の成果が出たネー」

提督「とはいえ、これで戦局が挽回されるわけじゃないのがな……」

ザザザ-

ラジオ「空襲警報……西部軍管区情報……午後3時20分。
敵の編隊60機は国東半島上空にあって、北へ進んでいます……」

ウウウウーウウウー

提督「ほら、真っ昼間から空襲だ……防空壕へいく」

青葉「昼間から本土上空だなんて……」

いかがでしょう。
なんとか如月と五十鈴と両方を使ってみました。
戦果はあがっているようですが、相変わらず戦局は厳しい……。

さて、次なんですが

・新たな艦娘の出撃
・矢矧編
・入院していた艦娘の復帰
・間宮VS鳳翔の諍い

このいずれかを書こうかと思っています。
よって、

・新たに出撃させたい艦娘
・矢矧
・入院してた艦娘の復帰(沈まない枠)
・間宮+鳳翔

いずれかを書いて下さい

>>219

天龍
ガチ怖で超強い

大淀「提督、入院していた天龍さんの退院許可が出ました。先に、書類が届いているので確認をお願いしますね」

青葉「ようやく天龍さん復帰ですか。なんだかんだといっても強いですからね。黙っておけばいいのに……フフ、怖いか……とか自分でいうから台無しですけど」

提督「そうだな……うん」

青葉「でも龍田さんは残念でしたね。二人でいつも敵を屠って、死ぬ時は一緒よ、だったのに」

提督「補充された龍田は、同じ顔でもやっぱり違うな」

青葉「そうですね。あんなに、血塗れになって楽しそうに敵を屠ることができる艦娘なんて、そうそういませんから」

提督「そうだな……」

青葉「あれ、珍しく司令官が書類を真面目に読んでる……?」

提督「青葉……小腹が空いた、食堂にいってくる」

青葉「お昼も食べたのに、まだ2時ですよ?」

=食堂=

提督「鳳翔さん、いるか?」

鳳翔「はい、提督。どうしました。甘い物はまだ間宮さんが仕込み中ですが……」

提督「いや、いいんだ。ちょっと一緒に休憩してくれ」

鳳翔「はい、どうしたんですか」

=裏庭=

鳳翔「どうしたのかしら、珍しい」

ヒョコヒョコヒョコ

提督「煙草、失礼するよ」

スパー

提督「足は、どんな感じだ?」

鳳翔「まだ、痛みますけど。前ほどじゃありません」

提督「ほかはどうだ?」

鳳翔「時々、傷が痛みますけど、もう慣れましたから」

提督「目とか耳は?」

鳳翔「おかげさまで、ようやく回復してきました。明石さんは、こちらは治療すればなんとか直ると……」

提督「すまないな。前は“居酒屋鳳翔”とか面白半分にいってたのに、それが本業になっちまうなんて」

鳳翔「いえ、解体されなかっただけ幸せです。解体されても、帰るところもありませんから」

提督「性能は正規空母に劣るとはいえ、鉄底海峡でも活躍……
金剛が飛行場棲姫にトドメをさせたのも、鳳翔さんのおかげだったな」

鳳翔「あの頃は、ホントに物資もなければ艦娘も少なくて……」

提督「今は、艦娘も増えたが、みんな入れ替わって。そう、次から次へと、さっさと沈んで」

鳳翔「みんな、魂になって故郷に戻ってるはずですから」

提督「もう、俺も……ここしか、戻れるところはありゃしない」

鳳翔「今日は……どうされたんです?」

提督「天龍が退院する。明日にも、こっちに到着する予定だ」

鳳翔「まあ、それはよかった。あの、少しばかりでしたら、お赤飯はつくれますよ」

提督「それは、ありがたいな……」

鳳翔「なのに、なんで……」

提督「……」

鳳翔「あ……」

提督「……」

スパー

鳳翔「ねえ、提督」

提督「ん……?」

鳳翔「世間から見れば、私たちは最低の艦娘と最低の鎮守府ですけど……」

提督「そうだな。新入りを次々と沈めて……」

鳳翔「それでも、自分たちの居場所はここだと思ってるんです……」

提督「よせやい」

=翌日・執務室=

大淀「天龍さん、到着しました。只今より、当鎮守府の配属になります」

天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」

北上「やあ、お帰り〜」

金剛「入院長かったデース、太りました?」

青葉「じゃ、まずは記念に一枚」

提督「よく帰ってきてくれた。まあ、今日のところは休んで身体を慣らしてくれ」

天龍「そうも言ってられないぜ、特攻が始まってるんだろ。俺を外すなよ……」

ヒョコヒョコヒョコ……ドタン

青葉「足を引きずって歩いて……転んだ?」

天龍「いててて、悪いな。ずっとベッドで寝ていたからな」

北上「鈍ってるねえ」

金剛「駆逐艦に笑われるデ……」

青葉「天龍さん……」

北上「右手……」

金剛「ブラブラして、動いてないデス……」

天龍「ああ、たいしたことないんだ。ちょっと鈍ってるだけで。ま、すぐに動くようにな……ウウッ」

提督「どこか痛むのか?」

天龍「いやいや、大したことないんだ。それより、俺の任務はなんだ? 
もう輸送任務もないんだろ。なら、特攻か?それとも駆逐艦どもをビシバシとしごくほうか?」

提督「追って説明する。まず、ここの空気に慣れろ。決戦のための鎮守府だから空気も違うのでな」

天龍「そうか……あ、そうだ。ほら、これ。入院してる時にさ、坊主に頼んで、
龍田の位牌をつくってもらったんだ。長い付き合いだったし、いくら同じ顔のがいても、
忘れちゃ可哀想だしな。提督、預かっておいてくれないか?」

提督「お前が持っているほうがいいだろ。幸いにも個室だ。ちゃんと供養してやれ。ほら、青葉、線香もあったろ」

青葉「は、はい。ここの引き出しに……」

提督「じゃ、それを持って、寮まで案内してやれ……じゃ、よろしく頼むぞ」

=夜・工廠裏=

スパー

北上「はあ、やっぱり煙草を吸うのは、ここが落ち着くねえ」

提督「新入りどもは、ここには来ないからな」

金剛「で、提督。あれはどういうことネー?」

提督「……」

金剛「大淀も黙ってたけど。明石はわかってるね」

明石「それは……まあ……」

青葉「寮までの間、なにもないところで何度も転けるし……痛そうだし……それに、目も……」

北上「障害も鳳翔さんくらいかと思ってたら、違うじゃない」

金剛「天龍は、前の鎮守府からずっと仲間デース。隠しごとはダメデース」

明石「私の見立てだと……」

提督「いや、俺が話そう……」

明石「……ん」

スパー

提督「見ての通り。回復の状態は悪い。それにどんどん悪くなってる。
呉の病院も、もう余命幾ばくもないから、退院をさせると。ベッドは、回復が望める艦娘に使いたいと……」

北上「どういうこと?」

金剛「艦娘は入渠とか、高速修復材でなんとかなるんじゃないノー?」

明石「それも、限度というものがあります」

提督「もう、前の鎮守府でも輸送に出撃にと、龍田と一緒に、コキ使ってた。
結果、ガタが来ていたところに大破……。お前らがなんとか内地まで曳航してくれたわけだが……」

明石「すぐに、入渠すればなんとかなったかも知れませんが……
内地まで、敵を避けながら随分と時間を食いましたし」

青葉「天龍さん、大破してるのに、まだ敵に向かっていこうとしてましたよ」

提督「龍田の頭の上のアレ、敵から取り戻そうとしてな。あんなの、いくらでも工廠にあるのに……」

青葉「龍田さんを沈めた、あの深海鶴棲姫壊……」

北上「で、どれくらい持ちそうなの?」

明石「……はっきりいって、一ヶ月か二ヶ月……どんどん悪くなると思います」

提督「ここまで俺たちが生き延びることができたのも、幾分かは、アイツのおかげだ。
したいようにさせてやれ……」

金剛「イエース!とは、いいにくいデース……」

=翌日・食堂=

青葉「あれ、天龍さん? 軽巡とか駆逐艦を集めて?」

天龍「というわけで、駆逐艦を率いていた俺は、覚悟を決めてレ級めがけて一直線で斬り込んだんだ。
ヤツもあっけに取られて、がら空きのところを、袈裟懸けで一刀両断……お、青葉!」

青葉「天龍さん。昨日は調子が悪そうだったのに、大丈夫ですか?」

天龍「あはは、退院したんだ。早く、任務に復帰したくてさ。それで、この新入りどもに、
戦訓を教えてやってるんだ。特に、ほら、新しい龍田!お前の先輩はもっとキリっとしてたぞぉ、あはは!」

龍田「……」

青葉「まだ、病み上がりなんだから、大事にしてくださいね」

=また翌日・訓練場=

天龍「そうじゃないなあ。もっと、ズッバーっと避けて、グッサーっと斬り込む!
そうじゃないなあ!ああ、ちょっと、身体が本調子になったら、見本を見せてやるんだけどなあ。
ああ、ほら、そうじゃなくて……」

北上「座って、ずっと大声だけど……」

金剛「脂汗を流しているのは見逃さないデース」

=またまた翌日=

天龍「そうじゃない、そうじゃない。艤装は、もっと早く装備する方法が……」

=二週間後、執務室=

トントン

矢矧「よろしいでしょうか?」

青葉「あれ、矢矧さん、なんの用だろう」

提督「どうぞ、出撃命令はまだ出てないぞ?」

矢矧「いえ、あの……私のようなものが差し出かも知れないけど……天龍さんのことなの」

提督「どうした?」

矢矧「正直、困ってるの。食堂にいけば、かつての戦いのこと。訓練中も……
あの、私たちは体当たり攻撃にすべてを注いでるわけでしょ。天龍さんのいうことは、
古いし……無駄だと思うわ」

提督「……」

青葉「あ……天龍さん。新入りにウザがられてたんだ……」

提督「なあ、矢矧。お前は優秀だな」

矢矧「え……」

提督「クソでカスで、役立たずしかいない、速成教育しか受けていないのに、
飲み込みも早い。なにより、死ぬ気の闘志が宿っている」

矢矧「それは、みんな同じでしょ」

提督「賢いな、お前は。だから、わかるな。しばらく天龍がなにかいっても、適当に聞いておいてくれ」

矢矧「……わかったわ。提督……あなたの頑張り、艦娘たちも褒めているから……失礼します」

バタン

=また翌日・練兵場脇=

天龍「……」

提督「今日は、のんびりしているんだな」

天龍「ああ、桜のつぼみも大きくなったと思ってな」

提督「もう、咲く頃だな。花見をしている時間もないが」

天龍「前の鎮守府……南洋で桜なんてなかった。でも、この季節に提督が花見だってやってくれて……」

提督「あの頃は、敵も少なかったからな。戦局もまだよかった」

天龍「桜が咲いたら、またあの時にいたヤツらに会えるかな」

提督「会えるさ……笑って会えるように、十分養生して、また任務で手柄を挙げるんだな」

天龍「おい提督……グワ」

提督「おい、いきなり上官の胸ぐらを……って、お前、泣いて……」

天龍「わかってるんだ……わかってるんだ……左手で胸ぐらを掴むのが、精いっぱい。
もう、右手は動かないし感覚までなくなっちまった。寮から、起き上がって、ここまで歩くのも必死なんだ……」

提督「だから、養生をしろ。役立たずの艦娘は用がない。さっさと治せ」

天龍「お仕着せの言葉を使うなよ……わかってるんだ。もう、俺も……桜の花のほうになるんだって……
でも、でもよぉ……。あいつらは、無様でも腰抜けでも、海の上で散ったんだ。なのに、俺は、こんな
陸の上で、布団をかぶって、みんなに見られながら……そんなんじゃ、アイツらに顔向けできないだろう!!」

提督「……」

天龍「頼む、頼むよ!俺に、俺に、命令してくれよ!出撃させてくれよ!敵に、体当たりして、
俺も散るから!一番大きい敵に!華々しく散るから、俺を、俺を出撃させろ、出撃させろよぉおおおお!!!」

提督「すまん、どんなに博打みたいな命令をするとしても、可能性ゼロのは……できない」

天龍「なんでだよ、なんで……出撃させてくれよ。あの、あの深海鶴棲姫壊が……
毎日、夢に出てくるんだ……笑ってるんだ。俺を腰抜けだって……そんなんで、
そんなんで、わあああああああ!!!」

青葉「司令官、天龍さん……」

提督「……すまない。天龍を部屋に連れて行ってくれ」

=翌日・早朝=

バタン

明石「た、大変です!提督。艤装が、艤装がひとつなくなってます!」

青葉「ええ!……っと、全裸でした」

提督「っと、と、誰だ。誰のがなくなっている?」

明石「天龍さんのやつです」

提督「ほかに装備できるヤツは? 新入りの龍田が持ち出したんじゃないのか?」

明石「すぐに確かめましたが、部屋で寝てました」

提督「保管状況は?」

明石「通常通りです。弾薬も詰めて、いつでも出撃できる状態に……。
いま、北上さんたちも起こして、探してもらってます」

バタン

北上「提督……天龍が部屋にいないんだ。それで、机に、これが……」

提督「封筒か、開けるぞ」

提督、艤装を勝手に持ち出して悪いな。やっぱり、このままベッドの上で終わるんじゃ、
俺の艦娘としての生き様に合わないと思う。

ずっと、深海鶴棲姫壊の笑い声も聞こえるし、いい死に方なんてできないだろう。
それに、あの世にいっても龍田に笑われちまう。

ほかの死んでいったやつらにも顔向けができない。
だから、俺は俺なりの決着をつけようと思う。

あの、龍田を殺した深海鶴棲姫壊がどこにいるかわからない。
でも、とりあえず出撃すれば、どこかでヤツと相まみえることができると思う。

こうやって、筆を持っているだけで、あちこちが傷む。浮いているのもやっとだから、
どこまでできるかわからない。だけど、やらなきゃいけないと思う。

今まで、輸送とかばっかりで、あんまり役にも立たなかった。
なのに、生意気なことばかり言って悪かった。
最後まで迷惑をかけて、本当にすまない。
迷惑ついでに、ひとつ頼む。龍田の位牌、ちゃんと供養してくれ。

明石、艤装を勝手に持ち出してすまない。
弾薬も勝手に使うけど、帳簿は大淀がうまく誤魔化してくれると思う。よろしく頼む。

青葉、提督のをしゃぶってばかりじゃなく、ちゃんと訓練しろよ。

北上、駆逐艦をしごいてるばかりじゃなく、少しは優しくしてやれ。

金剛、もうちょっと日本語を話せるようになれ。まだ語尾がおかしいぞ。

鳳翔さん、ごはん美味しかったよ。

じゃあ、みんなも華々しく散る日を、向こうから祈ってるから。
この戦争、絶対に勝ってくれ、勝ってくれよな。

天龍

提督「バカ野郎が……命令違反に、勝手に戦闘しやがって……軍法会議ものだ、お前は」

北上「ほんと、最低の艦娘だよ、ほんとに……」

金剛「人の言葉遣いのことを、いってる場合じゃないデース」

青葉「おっぱい大きい割に、未通女のくせに……」

明石「こんな手紙で謝られても……」

コンコン

大淀「……提督」

提督「なにか電文でも?」

大淀「いえ、ちゃんと帳簿は辻褄が合いますからニコッ」

青葉「そのまま、天龍さんの消息はようとしてしれませんでした」

=数日後=

青葉「……位牌、どうします?」

提督「棚のそこ、ちょっと片付けて、置いておこう……それより、ちょっとこい」

青葉「ん?って、司令官……昼間からは久しぶり……ん……」

提督「……」

青葉「ああ、司令官が私のこと、ギューってしたりするのは……
前はいつだったかな……そう、いよいよ玉砕を覚悟した時のこと……」

提督「なあ、青葉」

青葉「はい、司令官」

提督「いよいよ、南西諸島で決戦が始まってる……」

青葉「ええ」

提督「もっと、艦娘が死ぬ。俺が命令して、出撃させて、死ぬ」

青葉「みんな、覚悟の上です。国のために、みんなのために」

提督「だから、散ったやつらにはもう会えないぞ。俺は地獄にいくから」

青葉「大丈夫、私も地獄のほうに行きますから」

提督「ついてきたら、また殴るぞ」

青葉「殴ってもいいですよ。また、オシッコ漏らして臭いですよ」

提督「それは、困るな」

青葉「んっはは、はははは!!」

提督「……街に出るか。映画館、空襲でも焼け残ったから、賑わってるらしい」

青葉「ええ、裏口から、こっそり行きましょうか」

今回はここまでです。
まだ、艦娘たちの散華は始まったばかりです。

続いては
次に出撃する艦娘を選ぶか、矢矧編のいずれかをやろうと思っています。

次に出撃して欲しい艦娘の名前、あるいは矢矧で安価をお願いします。

>>254

弥生

大淀「失礼します。弥生さんより入電。奄美大島の東を通過。このまま、沖縄方面へ向かうとのことです」

提督「わかった、改めて健闘を祈ってくれ」

青葉「結局、弥生さんの笑う顔って見たことなかったですね」

提督「最後くらいは、笑って散って欲しいものだけどな」

青葉「でも、駆逐艦一隻で……」

提督「各鎮守府から、五月雨式に攻撃を仕掛けるというのが方針だそうだ。大部隊を出しても、発見されて全滅する可能性が高い」

青葉「運よく、くぐり抜けることができれば……ってことですか」

提督「敵を眠らせないのが、一番の目的だな。既に敵部隊は、沖縄本島に攻撃を仕掛けている。
一日でも長く、敵を釘付けにしなくちゃならない」

青葉「やっぱり、決戦は本土ですかねー」

提督「そうだな。そうまでしても、勝てるなら……いや、そこまで粘れば、この戦争は勝てる」

大淀「別鎮守府より入電です。弥生さん、遭遇した敵PT小鬼群に突入。
一群を撃破したと認むとのことです」

青葉「まあまあ……ですか?」

提督「たいした戦果だな。ゼロよりは、いくらかマシだ……」

というわけで、一言も本人が話すことなく終焉。
次第に、追い詰められている戦争の行方は?

では、次なる出撃は?

>>261
>>265
>>266

五月雨

鈴谷

瑞鶴

=執務室=

青葉「今日も相変わらず、出撃は続いています」

トントン

大淀「提督。本日の戦果を確認。五月雨さん、チ級flagshipに突入。至近で爆発。戦果は不明です」

提督「至近か、惜しかったな。鈴谷は?」

大淀「それが……」

提督「どうした?」

大淀「ええと、機関故障のため引き返してます。まもなく到着……工廠へ」

提督「機関故障だと?」

大淀「ままあることですから……」

提督「とはいえ、水盃まで交わしてるんだ……ちょっと工廠にいってくる」

=工廠=

鈴谷「提督じゃん。チーッス!」

明石「……!!」

提督「……」

青葉「この緊張感は?」

明石「提督!申し訳ありません。私の整備ミスです」

青葉「わ、明石さん先制して土下座」

鈴谷「あ、ナニ?えっと鈴谷も謝ったほうがよさげ?」

提督「故障の原因は?」

明石「機関部の部品がいくつか不具合を起こしています。その……以前の部品より相当精度が落ちていて」

鈴谷「あ、鈴谷が悪いんじゃなかったんだ」

提督「修理にかかる時間は?」

明石「部品の予備がありません。呉に発注をかけるか。あるいは、自作するしか」

提督「そうか……で、鈴谷」

鈴谷「ほぉう!は、はい!」

提督「五月雨は、立派な最期だったそうだぞ」

鈴谷「う、うん……ごめん提督。信じて貰えないかもしれないけど、私も悔しいんだ。
まさか、死ぬ気だったのに、また戻ってくるなんて」

提督「仕方ない。国のために散れなかったのが残念だな。今日はもういい。
戻って明日から改めて訓練に参加しろ。おって、出撃する良き日もあるだろう……下がってよろしい」

鈴谷「あっざーっす!提督、やっぱりイイ男だねえ。次回、出撃したら、
本当に見事に散ってみせるからね。鈴谷にお任せ!」

トコトコトコ

提督「部品の精度は仕方ない。北上や金剛からも、指摘されている」

明石「すみません。整備時にもっと気をつけます……夕張さんがいないもので、どうしても私だけでは」

提督「まだ入院中だが、回復はしているそうだ。そろそろ無理にでも退院させようと思っている」

青葉「司令官、あんまり怒らないんですね」

提督「俺が罰を与えるような話じゃないしな……」

青葉「ん……ああ!じゃ、青葉ちょっと様子を見てきます」

=重巡寮=

鈴谷「……というわけで、みんなに見送ってもらったのに、戻ってきました。
えへへ、またしばらくよろしく-!!」

最上「……」

三隈「……」

熊野「……」

鈴谷「あれ、みんなどうしたの? 鈴谷が戻ってきて驚いてる?」

最上「そうじゃないさ」

三隈「わからないのかしら?」

熊野「わからせてあげましょうか?」

鈴谷「なに、みんな? なんなの? ちょ、なんで腕を縛るの? ちょ、痛い!」

最上「ボクは思うんだけど、機関が故障するってのはさ」

三隈「精神がたるんでるからですわ!」

熊野「大和魂があれば、故障などありえませんわ!!」

最上「顔はダメだよ、尻からいこうか」

三隈「海軍精神注入棒で……」

熊野「あら、私のは大東亜戦争勝ち抜き棒ですわ」

最上「どっちでもいいから、思い切り頼むよ。ボクが押さえてるからさ」

=深夜・工廠裏=

青葉「というわけで、鈴谷さんお尻が真っ赤になって、寝ることもできないのか、
うつぶせでシクシク泣いてました」

北上「まあ、それくらいですんだならいいんじゃないかなあ」

金剛「また、出撃させるデース」

提督「すぐには無理だな。一度死ぬ気だった心が折れたら、なかなか戻らん。
今後も、機関故障の可能性などを考えて、対策を練らないとな」

明石「とにかく、部品の精度が……」

青葉「で、まだまだ出撃は続くんですよね?」

提督「そうだが……いくら全軍特攻といっても、可能性の低い出撃は避けたいんだよな。
燃料は無駄になる。俺も上から叱責される」

北上「提督も辛い仕事だねえ」

金剛「戦況は、どうなってるデスカー?」

提督「ああ、大淀が入手した情報だが。ここだけの話、呉鎮守府の大和も出撃して沈んだらしい」

北上「えー、うちのと違って練度も最高。装備も最高だったよね」

提督「沖縄に突入し、弾が尽きるまで敵を砲撃せよということだったそうだが、
奄美大島にもたどり着かなかったそうだ」

北上「いよいよまずいねえ……」

金剛「まずいデース」

提督「それでも、やらざるを得まい。うちも最低一隻は、沖縄まで到達させろと命令が来た」

北上「やれる?」

金剛「望みは薄いネー」

提督「それでもやってみなくちゃわからん……夜襲でなんとかならないものかと思ってる」

青葉「誰に、行かせます?」

=翌日・執務室=

瑞鶴「提督さん……なに?作戦?」

提督「そうだ。本日、深夜に出撃。九州沿岸にて待機の後、明日深夜、沖縄に特攻してもらいたい」

瑞鶴「提督さん……うん……。解ってる」

提督「幸いにもまだ時間はある。身の回りの整理をするように」

瑞鶴「うん……お願いいいかな?」

提督「なんだ?」

瑞鶴「誰にも私が出撃することはいわないで。見送りもいらない。
ああ、艤装を装備するから明石さんはいなきゃだめだけど」

提督「それは、どうしてだ?」

瑞鶴「見送られたら、きっと里心がついて……う、う、う……」

青葉「あれ、瑞鶴さん泣き始めちゃった」

瑞鶴「怖いもの、死ぬのは。どんなに覚悟を決めても。それは、誰だって……
提督さんだって一緒でしょ。だから、一人でいかせて……う、うっ……」

提督「僅かな期間とはいえ、仲間もいるだろう」

瑞鶴「だから、私はちょっと旅に出ているだけ……またすぐに会えるから……
そう思って……くれる……だけで……え、ひ、ぐ、ぐずっ……」

提督「わかった。では、本日、夕刻に工廠へ。これが命令書だ」

瑞鶴「ぐ、ぐずっ、ありがと……提督さん……笑って死ぬから……安心して……
期待してて……ありがと、さよなら」

バタン

青葉「いいんですか?」

提督「あんなに泣かれちゃ……いえないよな」

青葉「赤城さんにだけでも、伝えては? こないだの一件以来、
毎日、二人で泣きながら慰めあってたようですし」

提督「……本人が伝えるなといってるんだから、伝えてはいかんよ」

青葉「それはそうですけど……」

提督「なあ、お前が秘書艦になってから、どれくらい沈んだっけ」

青葉「かれこれ、100隻に近いと思いますよ。毎日、深海棲艦とドンパチやってることもありましたし」

提督「つらいな提督稼業は。こうして、命令して。あとは、戦果の報告を待ってるだけ」

青葉「だから、秘書艦とかケッコンカッコカリとか、そんな制度があるんじゃないですか。
発狂したり自殺した提督の話もよく聞きましたし」

提督「ケッコンカッコカリか……そう、引き出しに……青葉、お前、この指輪欲しいのか?」

青葉「え、え、え?司令官……いいんですか?青葉に、その、それって……」

提督「……や、やめた。女房ヅラでもされそうだ」

青葉「ですよね……司令官と私の関係なんて所詮は戦争中だけのものですものね」

提督「そうだな……」

=工廠=

瑞鶴「これが特攻用の艤装。いい感じじゃない」

明石「このまま出撃するんですか、ホントに」

瑞鶴「だから、湿っぽいのはちょっとね。みんなによろしくね」

青葉「瑞鶴さん……」

瑞鶴「あれ、来なくていいっていったのに」

青葉「そうもいきませんよ。これ、のり巻きです。鳳翔さんにお願いして」

瑞鶴「やだ、ありがとね! こんなにされたら……え、ひ、ぐ、ぐずっ……」

青葉「瑞鶴さん、泣かないでいいですよ。青葉なんて、毎日笑ってますから」

瑞鶴「あなたは、明るすぎるのよ」

青葉「そりゃ、毎日、提督の横で艦娘がさくりさくりと死んでいくのを見てますからねー」

瑞鶴「ふん、なんなのあの提督さん。艦娘になって、ウンチまで食わされるとは、
あの世にいったら仕返しをしてやるんだから……え、ひ、ぐ、ぐずっ……」

明石「泣かない、泣かない」

瑞鶴「だって、艦娘試験を受けて、空母になったけど、実戦なんかなくて……
それが、情けなくて……うわーん!」

青葉「安心して下さい!この特攻に成功すれば、瑞鶴さんの艦娘としての人生は幸せだったって」

瑞鶴「う、う、う、でも……不安なの……たどり着けるハズがないよぉ……」

青葉「大丈夫、ちゃんと願えば必ず、先に散った仲間たちが敵の前まで案内してくれますよ」

瑞鶴「う、う、うん、ありがとね……」

明石「そろそろ時間ですね」

瑞鶴「うん。本当にさようなら……空母瑞鶴、抜錨します!」

=翌日、深夜・通信室=

大淀「あ、提督ご苦労様です」

提督「午後10時。そろそろ、瑞鶴が突入する時間のはずだ」

大淀「奄美大島付近は予定通りに通過。ですので、もう到着していなくては……」

……
………
…………
……………
………………

提督「失敗か……?」

大淀「おそらくは……っと、お待ち下さい。通信入ります」

瑞鶴「もしもーし、お待たせ!2211五航戦、瑞鶴出撃よ」

提督「到達したか!」

瑞鶴「当たり前じゃない。瑞鶴には幸運の女神がついていてくれるんだから!
うん、目の前に大物もいっぱい、いい感じじゃない……では、突入します!」

大淀「健闘を祈ります……っと、通信切れました」

提督「だめか? どうなんだ?」

大淀「待って下さい……周波数を。え、なに。深海棲艦の通信が混乱してます……平文で交信してる」

青葉「司令官、電話です。呉から」

提督「こんな時間に。はい……え、なるほど。陸軍部隊より巨大な爆発を確認と……了解しました」

大淀「深海棲艦の通信が混乱してます。飛行場姫・港湾水鬼が撃沈。周辺にも被害が発生している模様です」

提督「やったか……」

青葉「よかった……」

=翌日・食堂=

最上「瑞鶴さん、やったんだって」

三隈「さすがは腐っても空母ですわ」

熊野「私たちも続きますわ」

鈴谷「……」

提督「今日も、ここは、飯がどんぶりいっぱいあっていいな……と、赤城の前が開いてるのか。座るぞ」

赤城「モグモグモググ……ピタッ」

提督「どうした。食堂は敬礼不要だ、続けていいぞ?」

ガタ……ツカツカ

提督「どうした?」

青葉「ちょ、赤城さん……」

ボコッ

最上「見た?」

三隈「赤城さん、提督の顔を……」

ザワザワザワザワ

赤城「加賀さん、翔鶴さん、そして、瑞鶴さんまで……なんで……別れの言葉も……」

青葉「……赤城さん、目に涙がいっぱい……で、でも!赤城さん、上官に反抗するんですか?」

提督「……はあっ、痛え……っと、気がすんだか?」

赤城「……!」

提督「瑞鶴が望んだことだ。死に際に、里心のついた乙女みたいな顔ができるかよ……飯を食え」

ムシャムシャムシャムシャ

赤城「……くっ……頂きます」

ムシャムシャムシャムシャ
ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ
ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ
ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ

青葉「赤城さん、泣きながら食べてる。おかわりまでして……どんぶりから涙が……」

青葉「そう、死んだ仲間のぶんまで食べてやる。それが、私たちにできる精一杯の供養……
そう、そうなんですよね? 司令官?」

ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ
ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ
ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ
ムシャムシャムシャムシャ

提督・赤城「ごちそうさま!」

今日はここまでです。
さて、次の安価ですが

・矢矧編
・鳳翔編
・提督戦死編
・新たな出撃編

のいずれかでいきます。新たな出撃の場合は艦娘の名前を

では安価

>>292

伊58

=執務室=

青葉「その日もまた、事件から始まりました」

トントン

北上「提督ぅ。また、頭の痛いことが起きちゃったよぉ」

提督「この非常時、頭が痛いことしかないけれどな、なんだ」

北上「58がさあ、夕べから姿が見えないんだよぉ」

青葉「今、午前11時。点呼の時もですか?」

北上「うん、無断外出かと思って、ヤキを入れなきゃなあと思ったんだけど、
それにしても帰ってくるの遅いよねえ」

提督「そうだな」

青葉「脱走……ですか? 早速、捜索の手配を」

提督「まあ待て、まだ内々に処理できる範疇だ。同室は19だったな」

北上「いま、金剛が呼びにいってるよ」

……しばらくして

提督「で、夕べは部屋にも戻らなかったんだな」

伊19「そうなのねー。いつものことだと思っていたのねー」

青葉「このところ、訓練後は夕食もとらずに姿を消していたと」

伊19「また、悪い病気かと思って。もう気にするのをやめてたのねー」

提督「身上書によると、お前らは同期なんだな」

伊19「そうなのねー」

提督「ただ、同期というだけの付き合いではないように見えるが?」

北上「うんうん、同期にしては腐れ縁な感じが漂ってるものねえ」

伊19「ああ、提督はなんでもお見通しなのねー」

提督「手がかりになるかもしれない。そこから聞こうか?」

伊19「最近じゃ、ありがちな話なの。私も58も、深海棲艦に家も家族も焼かれて、
夜の街で身体を売って暮らしてたのね。その時からの付き合いなのね」

北上「泣かせるねえ」

伊19「58は、あの商売はほんと向いてなかったのね。惚れっぽくて
……何度も悪いヒモに騙されて、せっかく貯めたお金も全部持っていかれてばかりだったのね。
だから、今回もきっと男に騙されていると思うのね」

提督「なにか、そんな心当たりはあったのか」

伊19「もう、しょっちゅうだから、艦娘になってまたかと思ってたのね。
休日に、街に出た時に運命の出会いがあったとか、ぽろっと話していたけど。
私に怒られると思ったのか、あんまり話さなかったの……もっと、警戒しておけばよかったの……」

提督「男の心当たりは?」

伊19「まったくわからないの」

提督「……ひとまず街で探すか。大淀、しばらくこのことは伏せておくように。
今日は訓練はなしだ。座学ということにしておけ」

北上「ってことは、アタシらが出動だね」

提督「そういうことだ。拳銃は装備するように」

青葉「拳銃だけでいいですか?」

提督「ちょっと、不安だな……青葉、そこの棚を空けてくれ」

青葉「ここですか? よいしょ」

提督「モーゼルもぶら下げておけば十分だろう」

金剛「こんなに何挺もどうしたんですカー?」

提督「大陸で馬賊とやり合ってた時の戦利品だ。そこいらの装備品よりもよっぽど頼りになるぞ。行こう」

=闇市=

青葉「というわけで、闇市にやってきたわけですが。こんな戦況なのに、
なんでもあるところにはあるもの。賑わってますねえ」

提督「鎮守府の倉庫からも、明石に横流しさせてるが、どんどん値上がりしているしな」

青葉「そんなことまで……大丈夫です?」

提督「バレないようにやるんだ。例えば、煙草は箱ごとだとバレる。
中身を何本かずつ抜いていってだな……」

北上「提督ぅー、色々聞いてきたよ」

提督「なにか成果はあったか?」

北上「この奥の飲み屋あたりで、ちょくちょく58を見かけたってヤツがいるんだけど」

提督「もう、開店している時間か。いってみるか」

コソッ……

伊58「あれは、提督でち……見つかると大変でち」

伊58「あの人と待ち合わせの時間まで、隠れてないといけないでち
……」

伊58「みんなには申し訳ないけど、ゴーヤは艦娘をやめるでち。
あの人と戦争が終わるまで、どこかに隠れて暮らすでち」

タタタタ……

=歓楽街=

北上「ここは賑やかだねえ……ほんと酒も食い物もあるところには、あるもんだねえ」

金剛「っと、この店ですネー」

ガラッ

女将「いらっしゃ……あら、海軍さん? まだ日も暮れてないけど、ごくろうさま」

提督「……」

女将「艦娘さんも一緒とは景気いいわね。なんにする? 非常時だしお酒しかないけどさ」

提督「……58」

女将「?」

提督「58だ……」

女将「ちょっと、飲まない客には用はないよ。これから客も来るんだし」

提督「伊五十八。潜水艦だ。この街じゃ、うちの鎮守府にしかこないだろ。ここに何度も来てるだろ」

女将「そりゃ、客は色々来ますよ。艦娘さんだって時々はねえ」

提督「男が一緒だったろ」

女将「そんな……客のことなんて、いちいち」

提督「艦娘が男にぶら下がってるんだ。気にしなくても目にはつくだろ」

女将「そんなこといわれてもねえ……」

提督「……知ってるな」

女将「知っててもいわないさ。私しゃ口は固いからね」

提督「青葉!」

青葉「はい、司令官」

提督「外に出て、入口を見張れ」

青葉「了解です」

ガラガラ……ピシャッ

提督「北上、金剛!」

北上「うん」

提督「始めろ」

金剛「イエース」

女将「な、なにするんだい。海軍だからって、うちの店で勝手に……グボっ……」

提督「女将……五十女ってとこか。一億玉砕も近いが、まだ命は惜しいだろ」

金剛「この一升瓶、なかなかいいお酒デース……よいしょ」

女将「なに、店のものを勝手に……うう、ゴクゴク、うぐ、ごぼ、ごぼ、ごぼぼぼ……」

北上「あーあ、こぼしちゃって……このご時世に、酒を無駄にするなんてねえ……ドガッ」

スパー

提督「ちゃんと気持ちよくしてやれ、枯れ木でもまだ女だしな……」

ドガボゴゴス……
……
……
……

提督「どうだ、なにか話したくなったか?」

女将「…………なにを…………なにを…………お前ら海軍なんかに。
旦那は兵隊に取られて、大陸で死んじまった。
二人の娘は、海軍に取られて、艦娘になったっていったきり…………
紙切れ一枚が届いただけで、骨も帰って来なかったよ…………
あの潜水艦の娘っ子だって、艦娘になりたかったわけじゃないのに…………」

提督「なりたいかどうかは、問題じゃないんだ…………北上」

北上「はいよ」

ドガボゴゴス……

女将「殺すなら、殺せよ。なにが提督だい。単なる娘たちを殺して、
温々と椅子に座ってるだけじゃないか…………返せ、旦那を、うちの娘を返しておくれよぉ!!!!」

ガラガラガラ…………

提督「青葉、開けるなと!」

青葉「司令官、それが…………」

?「あ、提督さんでしたか。これは失礼。実は、そちらにもお訪ねしようと思っていたところで」

提督「あなたは?」

?「これは、失敬。わたくし、特別高等係のものです」

提督「ああ、特高の方ですか。ちょっと取り込み中なのですが」

特高「いえね。手配中の者が、このあたりに潜んでいるということで内偵を進めていたんですが、
どうもオタクの伊58さんと一緒にいたという情報が入りましてね」

提督「…………どんな男です?」

特高「戦争前からアカで知られてた画家なんですがね。
召集されて大陸にいっておったんですが、昨年、負傷して帰ってきましたね。
以来、あちこちに出没してはしょうこりもなく戦争反対を唱えていたとかで。
なんですかな、ここの女将も一味らしいんですな」

提督「なるほど、写真はありますかな?」

特高「ええ、これです」

提督「ふーん…………。ん…………北上」

北上「ん? あ、ああ…………阿吽が通じる女って貴重だよ、提督ぅ」

特高「…………なにを?」

北上「恥は外に出したくないんだ。ごめんね ズガーン」

特高「…………ガクッ」

提督「金剛、頼む」

金剛「問題ないデース ズガーン」

女将「…………お前ら…………単なる人殺し…………ガクッ」

青葉「で、それぞれに、この拳銃を握らせるわけですね」

提督「早く。俺たちは、たまたま居合わせた客だ」

北上「で、どこを探すのさ」

金剛「この街から出るなら、汽車…………ううん、山道…………」

提督「艤装がなくとも艦娘だ。海から小舟だ」

青葉「間違いないですか?」

提督「それでダメなら、脱走扱いにするさ」

=海岸=

伊58「すっかり日も暮れたでち。でも、これなら見つからないでち」

伊58「あの岩場の向こうの小屋に…………あの人と舟が」

伊58「半年、半年でも、どこか無人島かどこかに隠れているでち。
それまでには戦争は終わるって、あの人はいってたでち…………」

ガサッ…………

提督「…………遅かったな」

伊58「!!!」

提督「そりゃ、ここなら見つからないと思うよな。海に慣れていないとわからないしな」

北上「でもねー、アタシら海岸のどこになにがあるか。
隠れる場所とかもみんな知ってるんだ。いつ戦場になるかわからないしさ」

伊58「そんな、そんな…………お見通しだったでち…………?」

青葉「ゴーヤさん、帰りましょ。司令官も今なら、脱走扱いにしないっていってくれてますし」

伊58「そんな。ダメでち、あの人と約束してるでち…………」

提督「あの人…………?」

金剛「もう、あの男はいないデース」

伊58「そんなの嘘でち。ここで待ってて、二人で一緒にいくと話あったでち!」

提督「58! お前はなんなんだ、そのあたりの小娘なのか?」

伊58「…………58は艦娘でち。でも、もう艦娘を止めると決めたでち」

提督「既に散った戦友たちを裏切ってもか?」

伊58「そうじゃないでち。こんな戦争はもう終わりでち。死ぬのは無駄でち…………
そう、あの人が教えてくれたでち」

提督「そんなのは、みんな臆病者の言い訳にすぎない」

伊58「そんなことないでち。あの小屋に、あの人がいるでちね?提督たちが捕まえているでちね? 
ゴーヤは、いくでち!」

タタタ…………バタン

伊58「お待たせでち。どこ、どこにいるでち? ゴーヤが助けるでち」

青葉「ゴーヤさん。あの人はもう…………」

伊58「どこ、いないでち。提督、どこに連れて行ったでちか?」

北上「もう、駅から汽車に乗ってるよ」

伊58「どういうことでち?」

金剛「さっさと、この街から出ていけとお金をあげたデース」

北上「100円やったら、目の色が変わってたねえ」

提督「喜んで、駅に向かったぞ」

青葉「ゴーヤさん。あの…………」

伊58「…………ゴーヤ、また男に騙されたでちか?」

青葉「あの…………そういうことです」

伊58「また、また騙されたでち。貯金も渡したのに、また騙されたでち。騙されたでち。
あは、あはは…………あはは…………うわーーーん!!!」

青葉「さ、ゴーヤさん。帰りましょ。みんな待ってますよ」

伊58「う、う、う、ごめんでち。ゴーヤ、また騙されたでち…………」

青葉「大丈夫です。大丈夫ですよ」

伊58「う、う、う…………」

青葉「じゃ、司令官」

提督「ああ、ちょっと野暮用を済ませていく。先に帰っていてくれ」

=深夜・海岸=

ザブーン

提督「ここからで、大丈夫か?」

北上「ああ、問題ないねー」

金剛「持ち物は焚き火でみんな燃やしたし、ここは潮の流れが複雑だから二度と浮いてこないデース」

北上「浮くとしたら、九州あたりまで流れてからだね」

青葉「司令官、お疲れ様です」

提督「ああ、58はどうだった?」

青葉「19さんが、一緒にいて慰めてるから、大丈夫じゃないかと。
でも、司令官…………どうして、ホントことを話さなかったんです?」

提督「どうせ、明日はない身だ。ひとつくらい、思い出があってもよいじゃないか」

青葉「司令官の思い出はなんですか?」

提督「そんな簡単に話せることは、思い出じゃないな…………」

これで伊58の巻は、ひとまずおしまいです。まだ特攻してないですが。

さて、次なんですが

・提督戦死編
・矢矧編
・鳳翔編
・新たな艦娘の出撃編

のいずれかでいきます。
提督、あるいは艦娘の名前で

>>311

了解しました。では、鳳翔編でいきます。

間宮「よろしいでしょうか?」

青葉「あれ、間宮さんが執務室にって珍しい」

提督「なにか用か。いや、用がないと来ないな。見ての通り、次の作戦準備の真っ最中だが、まず話を聞こうか」

間宮「はい。あの、鳳翔さんのことなんですが」

提督「鳳翔のこと? なにか問題でもあるのか」

間宮「ええ、あの、申し訳ないのですが厨房から外して頂きたいのですが…………」

提督「厨房から?」

間宮「ええ、よそじゃのほほんとやってるところもあるかもしれません。
でも、一日約200人分を3回。それに夜食もつくってるわけじゃないですか。
本当に、裏では必死なんです。でも、鳳翔さん、戦傷のせいで、
とにかく動きが遅くて。はっきりいって作業の邪魔なんです」

提督「そんなに邪魔か」

間宮「申し訳ありません。鳳翔さんが前の鎮守府から提督と一緒の古参だということはわかってます。
それに身体のことも。ただ、毎日の食事のことを考えると、一緒に作業するのはしんどいです。
平時ならともかく、現在の状況で、作業分担とか考えている暇もありませんし。
私と伊良湖さんの二人のほうが、きちんと回ります」

提督「わかった。女同士の諍いとかがあるわけじゃないんだな」

間宮「そんなことはありません。むしろ、申し訳なくて」

提督「知っての通り、決戦に向けて準備が進んでいる現在、
使い物にならなくなった艦娘も行き場がないのが現状だ。
とりあえずと思ってまかしていたが。作業のことは、こちらで分担を見直して命令するようにしよう」

間宮「ありがとうございます。では…………」

バタン

提督「…………実際のところ、鳳翔の働きぶりはどうだ?」

青葉「うーん、今の間宮さんは、また気遣いする性格だから古参の鳳翔さんを立ててますけど。
鳳翔さんも厨房の作業は辛そうですね」

提督「そんなにか」

青葉「間宮さんも気を遣い過ぎなんですよね。鍋釜の世話とか、仕事している感じの
あるところを鳳翔さんにお願いしてるから。
鳳翔さん、戦傷のせいで艦娘とはいえ体力は人間の並み以下くらいですしねえ」

提督「さすがに、ゴミ捨てとか掃除とか雑用をとはいいにくいわけか」

青葉「気を遣うタチだと、古参にそんなこといえないでしょう」

提督「わかった。ひとまず、今の作戦準備が終わったら、俺から鳳翔に話をしよう」

青葉「りょーかいです。で、次の作戦も特攻ですね」

提督「ああ、近く沖縄の陸軍が総攻撃をかける。これを支援するための特攻だ。
また多くの艦娘に散って貰わないといかんな」

青葉「…………グスッ」

提督「どうした?」

青葉「いえ。どうせ大半は、また敵の姿も見ずに轟沈させられるんですよね。
それがわかっててどんどん送り出さなきゃならないなんて考えていると、
あんまりに…………みじめで…………みじめすぎて…………
身体がヘンに興奮しちゃって…………もう、すごく濡れます、ホラ」

提督「人のこともいえないが、難儀な身体だな」

青葉「前の鎮守府から、どれだけ殺して来たんでしたっけ。涙で枕を濡らすよりも、
股間を濡らさなきゃやってられないです。ほら、指、糸引いてますよ。夜まで待てないし、今のうちに…………」

提督「まだ午前中だ。誰が来るかわからないぞ。大淀も書類を持ってくるし」

青葉「大淀さんだったら、全然構わないですよ。ほら、青葉、もう下だけ脱いじゃってますし〜」

提督「昼間にじっくり見るのも久しぶりだが、この非常時に随分とムチムチした身体だな」

青葉「ま、これが決戦仕様ってやつですよ。司令官は座ってていいですよ。青葉が上に乗りますから」

……
…………
………………

青葉「ほら、司令官も乗り気だったじゃないですか。
中に出しちゃった挙げ句に、口でお掃除してあげたら、もう一回だなんて」

提督「そういうこともある。続きは夜だ。空襲がなかったらな。服も髪もさっさと直せ」

青葉「はいはーい」

=食堂=

ガチャーン

鳳翔「あ、すみません。お皿が」

間宮「あ、大丈夫です。いいんですよ」

伊良湖「あ、鳳翔さん。私やりますから、ほら、えっと、交代の時間ですよ。ほら、休憩へどーぞ。休憩へ」

鳳翔「でも、これから夕食と夜食の準備も」

間宮「大丈夫ですって、あとは配膳だけですから」

鳳翔「そうですか。ありがとうございます。じゃあ、休憩にいきますね」

ヒョコヒョコ

北上「鳳翔さん、今週、お皿割ったの3回目」

金剛「老いたというヤツですネー」

青葉「あの、鳳翔さんが…………」

提督「明石、天龍みたいなことはないんだろうな」

明石「はい、天龍さんと違って、ちゃんと治りつつはあります。
でも、手とか足の動きは、元に戻らないんじゃないかと」

青葉「鳳翔さん、働きすぎだったから」

北上「スゴかったねえ。どこの鎮守府でも鳳翔といえば<居酒屋鳳翔>とかいわれる存在。
二線級以下の旧式艦で鎮守府での雑用が主な仕事とかいわれていたのに」

金剛「鬼のようだったデース。出撃すれば表情一つ変えずに、次々と敵を屠って。
いつも背中に鬼が見えてましたヨー」

青葉「帰ってきた直後とか、たまに殺気がそのままで、思わず土下座しそうになりましたしね」

明石「微笑みながら殺気を放ってるから、本気で怖いんですよね」

提督「それも、もう昔の話か…………」

=深夜・弓道場=

提督「青葉のやつ、先に寝てしまったのに、散歩に出てみたら…………」

ヒョコヒョコ

鳳翔「まだまだ…………でも、昨日よりは…………」

キリキリ…………ヒュンッ

鳳翔「まだ、弓を引く力が…………。もっと、もっと訓練をしなくては…………」

提督「身体は動かないのに、あの殺気がまた…………」ガサッ

鳳翔「提督…………?」

提督「あ、うん。えっと夜食のおにぎりがあるんだが、茶でもわかしてくれないか」

モグモグ

鳳翔「お恥ずかしいところをお見せしてしまって」

提督「かまわん。決戦が近いんだ。訓練はいくらでもしておけばいい。
それより、あまり無理をしてはまた病院へ逆戻りだ。艦娘病院もベッドが足りなくて、治療も適当だというぞ」

鳳翔「大丈夫です。自分の身体のことは、自分で管理していますから」

提督「それに、ポンコツになった艦娘を出撃させるようなことはしない。
食堂も大変なようだから、もうちょっと楽な仕事を与えるつもりだ。ゆっくりと養生をしてくれ」

鳳翔「この戦局で、養生なんて。それに、備えは必要でしょう。
ここの艦娘は、ほとんどが特攻の訓練ばかりしている見習いさんばっかり。
敵艦隊が来たら、大変なことになりますよ」

提督「そんな、いくらなんでも内地にここまで…………」

鳳翔「前の鎮守府でもあったでしょう。まだ前線が遙か向こうだった時に敵が侵入してきて」

提督「まだ、青葉もいない頃だったな。姫級までいて…………。
お前が最先頭で艦隊に突入して、なんとか守り抜いたな」

鳳翔「この戦局ですもの。また、やつらはやってきますよ。
もう、あんな戦いはできないですけど、盾の代わりくらいにはなれますから。それに…………」

提督「それに…………?」

鳳翔「天龍さんの無念も晴らしてあげないと。ほら、あの深海鶴棲姫-壊…………
きっと酒の肴にしてますよ。龍田さんのアレとかを…………」

提督「だろうな。頭蓋骨やらを土産だと、家族に送っているようなやつらだ。
でもな、そのことは忘れろ。今は決戦のことだけ考えていればいいんだ」

鳳翔「そうはいきませんわ。故郷の街も、去年の深海棲艦の襲撃で、
跡形もなく焼かれて。艦娘になる前の私を知る人は一人もいなくなってしまいました。
だったら、艦娘として生きた証をなにか立てないと自分が納得できません。
特攻が無理なら、ほかの形でお役に立ってね」

提督「勝手にしろ。ただし無駄死には許さん」

鳳翔「もちろんです。私も青葉さんの次くらいには、提督のおそばにいたいですから」

提督「物好きだな、お前も」

=数日後=

大淀「て、提督!緊急電です。敵艦隊多数、豊後水道を抜け北上中!!」

提督「ホントに来やがったか。どうなってるんだ、この戦争は」

大淀「各鎮守府ともに、敵の来寇に対処せよとのことです。
敵の目的は特攻部隊の殲滅と推測。こちらに来る可能性は十分にあります」

青葉「なんか、投げっぱなしな命令…………」

大淀「総員に艤装を身につけ待機は連絡しました。命令をお願いします」

提督「ろくに経験のないヤツらばかりだ。出撃して迎え撃つのは無理だろう。陸戦で迎え撃つ」

大淀「では、地図を…………。この鎮守府のある入江に入るには、
この半島と小島の間を通るわけですが、ここに?」

提督「そうだ。かねてより塹壕などを準備してあるはずだが」

大淀「万端です、直ちに配置を」

提督「部隊をふたつに分けて、現場指揮は北上と金剛。ま、ほかにはいないしな」

大淀「司令部はどこへ?」

提督「後ろの山へ登るか。ここじゃあ、見通しも悪い」

=頂上=

提督「というわけで、敵が見えるまで待機だ。間宮と伊良湖は、
おにぎりの準備。鳳翔さんは、そうだなタクワンを切っていてくれ」

青葉「日が暮れる前に来てくれるといいんですけどね。夜戦はしんどいですし」

提督「来るだろう。堂々と瀬戸内海まで進撃してくるヤツだ」

大淀「提督、あれを」

提督「来たか」

大淀「なかなか手強そうですね。レ級×3とタ級×2と…………て、提督、あれは…………」

提督「…………!!」

青葉「深海鶴棲姫-壊? それに、あいつは…………肩にぶら下げているのは…………
と、鳳翔さん。双眼鏡、引っ張らないで」

鳳翔「龍田さんの…………」

提督「落ち着け。あーもしもし、北上に金剛。新米どもに撃たしても弾はあたらん。ギリギリまで待て」

北上「あいよー」

金剛「イエース、1000? 1500?」

提督「500だ。どんなに撃たれても絶対に撃つな。ちゃんと見つからないように隠れてろ」

北上「辛いねえ」

金剛「当たった運が悪いネー」

大淀「敵艦発砲。敵機、来ます!」

ヒュルルルルルル…………ドォオオン

大淀「距離2000…………やっぱり半島と小島には砲撃しますね」

提督「盲撃ちしてるだけだ、隠れていればわからん」

北上「当たりませんよーに」

金剛「たまらない緊張感ネー」

提督「この、反撃までを待つ緊張感…………久しぶりだなあ」

青葉「提督、陸軍じゃないから、突撃じゃないですよ」

大淀「距離1500」

ヒュルルルルルル…………ドォオオン

グエ、ギャー、ギギギギギ…………

北上「まだまだ…………」

金剛「痛がってるヤツの口を塞いでクダサーイ」

大淀「距離1000。敵機、鎮守府に爆撃」

明石「あー、工廠も建て直しか」

大淀「距離800…………」

ドォオオン

北上「!」

金剛「撃ったのは誰デース?」

提督「くそ、バレたぞ」

ヒュルルルルルル…………ドォオオン
ヒュルルルルルル…………ドォオオン
ヒュルルルルルル…………ドォオオン

北上「ダメだよ提督、バレちゃったよ!」

金剛「このままだと、狙い撃ちされマース」

大淀「どうします提督、下げますか? 次の防衛線は…………」

提督「突撃…………」

大淀「は?」

提督「聞こえないのか、北上に金剛、突撃だ。距離約700。避けながら走れ、突撃!」

北上「はいよ。生きて帰ったらパンツでもあげるよ」

金剛「私もデース」

ワーワーワーワーワーワー

提督「くっそ、いの一番に駆け出すヤツと逃げてるヤツがいる…………青葉、ちゃんと記録しておけ」

シネーコンニャロチクショー…………

北上「はあ、はあ、はあ…………だいぶやっつけたけど…………」

金剛「深海鶴棲姫-壊は流石に手強いネー」

北上「大破しちゃったし、もう、無理かな」

金剛「私もデース。天龍にも龍田にも、あの世で大きい顔できないデース…………」

提督「くっそ、随伴艦は沈めたのに涼しい顔を…………青葉、大淀、行け」

青葉「了解ですぅ」

大淀「仕方ないですね。間に合えばいいけど…………誰かいないの?」

明石「無理です。新米共もみんな満身創痍…………あれ? あれは? ねえ、提督、あれは?」

提督「鳳翔…………」

青葉「え、いつの間に?」

鳳翔「ふふ、ごめんなさいね。勝手にさせて頂きますね」

北上「そんな、鳳翔さん」

金剛「イタタタ…………その身体じゃ…………」

鳳翔「弓は無理でしたけど…………矢は弓がなくても痛いんですよ…………」

北上「鳳翔さん…………」

金剛「と、特攻?」

鳳翔「じゃあ、提督。また、いつかどこかで…………」

提督「馬鹿が…………」

深海鶴棲姫-壊「Fuck!Fuck!Fuck!JAAAAAAAPPPPP!!!!!!」

=数日後、工廠病院=

提督「どいつもこいつも入院しやがって、後片付けもままならんよ」

大淀「とはいえ、北上さんと金剛さんの活躍で轟沈はゼロだったわけですから、大戦果です」

提督「おかげで、総攻撃には参加できずだ。かなり悪評になってる」

青葉「しかし、鳳翔さんの鬼を久しぶりに見ましたね。差し違えたとばかり」

提督「大爆発した深海鶴棲姫-壊の煙の中から、また悪い足を引きずりながら歩いてきて、
上陸してから倒れるとは…………」

バタン

北上「やあ提督ぅ」

金剛「さすがに、久しぶりの大破は痛いですネー」

提督「なかなか死ねない艦娘だな、お前らも」

鳳翔「そうですね、散り損ないました。また、先に散った皆さんに笑われますね」

提督「まだ、散らなくていい。これから、死に場所はいくらでも出てくる」

鳳翔「それと、提督。これ…………」

青葉「龍田さんのアレ?」

鳳翔「もう、出撃は無理かも知れないですけど、これを取り戻せましたから」

提督「くそ、命令違反だぞ。誰が出撃しろっていった…………」

北上「まあまあ、提督。ほら、これ」

提督「なんだこれは?」

金剛「私と北上のパンツですネー。青葉が相手してくれない夜につかってくだサーイ」

青葉「二人とも…………こんなのはいて出撃してたんですね」

鳳翔「あら、私もいつもは…………」

鳳翔編はここまでになります。
では、次ですが

・提督戦死編
・矢矧編
・新たな艦娘の出撃編

のいずれかでいきます。
提督、あるいは艦娘の名前で

>>324

きよしも

えっと、>>1の鎮守府に清霜がいないもので、ここは安価でいきます。

=執務室=

提督「と、この惨状だが、一隻でも特攻に参加させろということだ」

北上「なら清霜がいいんじゃないかな」

青葉「清霜さんですか? 清霜さんは >>326 な艦娘ですよ」

提督「訓練の成績は?」

金剛「うーん >>328

豪胆

いまいち

提督「豪胆なのに、成績がイマイチとかどういうことなんだ」

北上「本番で成功すればいいからって、頭の中で訓練してるって言い張るんだよね」

金剛「戦艦は、いざという時にならないと出ていかないものだといってマース」

青葉「態度が大きいだけで、足りない人…………?」

提督「特攻させて、成功すると思うか? せっかくだから華々しく散らしてやりたいものだ」

北上「そもそも敵の防御がどんどん強化されてるから………… >>331 という結果になるんじゃないかな」

提督「お前らもベテランだろう。なにか、成功率を上げる方法はないのか?」

金剛「>>333




少しでも速度が上がるように爆弾だけ巻いて全裸武装なし

提督「無駄死には避けたい。全裸だと速度は速くなるんじゃないのか?」

北上「いや、一応、この服は装甲も兼ねてるんだよね」

金剛「全裸だと、至近弾でも痛くて動けなくなるよ」

青葉「艦娘学校で、そんな訓練もありましたね…………懐かしい」

大淀「さすがに、大本営も許可しないと思いますし。彼女らも羞恥心というものが」

提督「やってみる価値はあるだろう。清霜は、艦娘になる前はなにをやってたんだ?」

大淀「履歴書によると >>335 ですね」

提督「説得する方法はなにかあるか? ほら、うまい理屈をだな」

青葉「>>337 とかいいんじゃないですか?」

あ、安価間違えてました。
>>338
>>339

普通に小学生してた

この特攻が失敗すると特攻に失敗した艦娘の姉妹とか身内が強制徴用されて特攻させられると嘘つく

提督「小学生? 書類間違ってないか?」

大淀「そこまで徴兵年齢は下がっていませんしね。空襲やなにやらで、届く書類もメチャクチャになってまして」

提督「まあいい、清霜を呼べ」

トントン

清霜「どうも!夕雲型の最終艦、清霜です」

提督「…………おめでとう。明日、午後、出撃して貰う。全裸で爆弾を背負うという新たな作戦だ。
ぜひ、華々しく敵を屠って欲しい。ちなみに、この特攻が失敗すると特攻すると、次はお前の姉妹が
徴兵され、さらに過酷な作戦に投入されるだろう。ぜひ悔いのないように頑張って欲しい」

清霜「>>341

妹だけは許して。私のたった一人残った大事な人なんです
どんなことしてもやり遂げてみせますから

清霜「妹だけは許して。私のたった一人残った大事な人なんです。どんなことしてもやり遂げてみせますから」

提督「そうか、やってくれるか」

青葉「あれ、意外なほど素直?」

提督「どうだ、これなら作戦の成功は間違いないと思うが」

北上「うーん。とりあえず艤装を装備して試してみないと」

=工廠=

明石「まあ、試すなら止めませんが。じゃ、清霜さん脱いでください」

清霜「え、ここで?」

明石「だって作戦準備ですよね?」

清霜「でも……>> 343」

金剛「早く脱がないと、>>344 デース?」

妹も特攻させる

意外に皆さん、まっとうな展開を…………。

金剛「素直に脱いでくれて嬉しいデース」

明石「で、艤装といいますか、これが爆弾です」

清霜「はい…………大丈夫です、なんとか」

提督「よかった。では、明日の戦果を期待しているぞ。今日は、ゆっくりと鋭気を養ってくれ。解散!!」

=翌日=

提督「どうだ、戦果の報告は?」

大淀「はい >>347

北上「ふーん、>>348

金剛「>>349デース」

間違えました
>>349
>>350
>>351

無駄死に

ダメじゃん

DEATH

提督「結局、瀬戸内海を出たところで轟沈か…………」

北上「せつないねえ」

金剛「で、戦況はどうなってマス?」

大淀「沖縄の陸軍の総攻撃は失敗。首里城の司令部も撤退を始めているとのことです」

提督「なので、特攻作戦も一段落だ。いよいよ本土決戦の準備だな」

青葉「いよいよですねー」

提督「というわけで、近く大本営から本土決戦に関しての通達があるだろう。心して準備してくれ」

北上「ねえ、提督ぅ。この戦争って勝てるのかな?」

提督「>>353

非常に厳しいだろう

明石「非常に厳しいですが、まだ希望があります。この資料を」

提督「これは?」

大淀「大本営の知人に手を回してもらって手に入れました。噂の新型爆弾の資料です」

提督「今回の戦争には間に合わないため研究は中止になったと聞いたが?」

大淀「それは、偽情報です。なにしろ、アメリカも既に最終段階に入っているそうで」

明石「既に朝鮮半島某所に施設が建設されて、開発が進んでいるといいます。これが間に合えば…………」

提督「それまで、特攻でもなんでもして時間稼ぎということか」

というわけで、安価で試して見ました清霜編はこのあたりでお開きです。

次は、R18強めでやりたいのですが

矢矧
秋雲
瑞鳳

のいずれかで。
あと、要望とか感想があれば教えて下さい。

>>358


秋雲で

了解です。ちなみに、凌辱系とレズとどっちが皆様のお好みで?

>>362

レズ凌辱がいいけんだけど駄目?
駄目ならレズ

=執務室=

青葉「というわけで、今日も会議からです」

提督「いよいよ6月になってしまったな」

大淀「沖縄はまだ粘り強く戦っています。この間に、どれだけ本土決戦の準備を進められるか…………」

提督「基本の戦術も決まっている。あとは準備するだけだ」

北上「どんな風にやるのさ?」

提督「練度のある艦娘に関しては、本土に近づく敵に対して砲雷撃戦を貫徹。同時に可能な限り航空攻撃。
練度の間に合わない艦娘については、沿岸に近づく敵艦隊に特攻。玉砕を避け、野山に潜伏してでも戦闘を継続ということだ」

青葉「ようは、弾が尽きても動ける限りは戦えってことですね?」

提督「動ける限りではない。例え動けなくなっても大和魂があれば戦える。ドイツやイタリアの魂を宿した艦娘を見ろ。
既に縁のある国は降伏したのに、なおも大和魂で戦おうとしているじゃあないか」

金剛「私も半分は敵国生まれだけど、この国のために戦うデース」

青葉「でも、この鎮守府心許ないですねえ。砲雷撃戦のほうが」

明石「工廠も。工廠自体の修理もありますし、資材の精度も低くなっていて調整に時間がかかるばかりです」

提督「安心しろ。来週にも夕張が呉の病院を退院だ」

大淀「昨日、連絡が来ました。なのでご安心下さい」

青葉「また、天龍さんみたいなことは?」

大淀「夕張さんは大丈夫です。身体も戦意も抜群だそうです」

明石「なら、なんとかなりますね。ありがとうございます」

北上「それでも、心配だな。出撃して戦えるのは、結局アタシらだけじゃない」

金剛「大淀も青葉もカンストしてるけど。出撃してると裏方が回らなくて破綻するデース」

提督「そこでだ。実戦経験に乏しい新米たちの中に、
背中を預けても大丈夫なのはいるかどうかが、今日の議題だ。
これから訓練で、使い物になりそうなのはいないか?」

北上「アタシらが訓練するわけだよね」

金剛「死んでもいい程度に…………ですネー」

青葉「はい!まずは矢矧さんですね」

提督「どうだ?」

北上「まあ、特攻したくてうずうずしてるような一本気なところあるし」

金剛「口だけじゃなく、訓練でも冴えてるネー」

提督「なら、ひとつよろしく。で、もう一人くらいは必要だろう」

ウーン

北上「あ…………あれ、あの絵ばっか描いてるの」

青葉「秋雲さんですか?」

北上「あれでよくない?」

大淀「対空はそこそこ成績がよいですが、ほかは凡庸では?」

金剛「訓練の合間に、卑猥な絵とか描いてるデース。相当、根性が座ってないとできないデース」

青葉「ああ、私もこっそり貰いましたよ、ほら」

提督「こ、これは…………」

大淀「北上さんが、一人で張り型で…………な絵」

北上「なかなか、しびれるねえ」

提督「ま、今までの経験でも、こういうヤツのほうが長生きしているからな。
なら、この二人を入れて、北上・金剛・青葉・大淀・矢矧・秋雲で、第一艦隊を編成。
青葉と大淀も事務の合間に訓練に参加を」

大淀「たまには、敵を屠らないと身体が鈍ると思ってましたが」

青葉「ですねえ。たまには戦場で楽しみたいですしね」

北上「りょーかい。で、提督ぅ。歓迎会、開いていいんだよね」

金剛「デース。まずは息を合わせないと始まらないヨー」

提督「歓迎会…………あ、うむ。いつやる?」

明石「今晩でいいんじゃないですか?」

青葉「久しぶりですね。歓迎会なんて」

大淀「しっかりやっておきませんと、これは」

提督「では、今夜の巡回は俺が担当しよう。きちんと歓迎してやってくれ」

一同「了解!」

=夕方・執務室=

矢矧「私が第一艦隊?」

秋雲「ふっふーん、戦艦にも重巡にも出来ないことできちゃうからね、秋雲さんは」

提督「そうだ。いよいよ本土決戦に向けて準備は始まっている。
特攻とは違い、華々しさには欠けるやもしれん。それでも、お前達には頑張って貰いたい。
あの鬼畜な連合国を、この世界から殲滅し、八紘一宇を実現するためにも!」

矢矧「光栄だわ…………」

秋雲「こりゃあ、頑張らなくっちゃね!」

提督「ありがとう。で、第一艦隊の諸君が君たちの歓迎会を準備している。
時局柄盛大にはできないので、工廠の第3倉庫を会場として準備している。消灯後、ここにいってもらいたい」

矢矧「わかったわ」

秋雲「いいねえ」

バタン

スパー

提督「夜食受け取ったら、たまには早く寝るか…………」

=第3倉庫=

ガラガラガラ

矢矧「軽巡矢矧、入ります! 最後まで頑張っていきま…………ん?」

秋雲「秋雲、着任!よろしくおねが…………」

矢矧「真っ暗ね?」

秋雲「なになに? あー、驚かす系の歓迎会かなあ」

矢矧「高等学校の寮とかの?」

秋雲「そうそう、そのへんからみんな、グワーっと…………」

??「感がいいけど、ちょっと違いますねえ…………」

矢矧「痛っ、腕を?ちょっと、誰なの?」

秋雲「や、なに、イタタ…………腕になんでロープ」

??「はい、灯りつけていいよ〜」

??「はい、ちょっとお待ちを」

ドサッ

金剛「油断は大敵デース」

大淀「最新鋭軽巡も、これじゃ形無しですね」

青葉「あ、そのワイヤー。明石さんが加工したヤツだから艦娘の力でも切れませんよ」

矢矧「ちょっとなんなの、これ歓迎会って」

秋雲「あ〜秋雲さん、ホントははしゃぐの好きじゃなかったんだよね〜」

スパー

明石「まあ、まあ…………ひとまず煙草はいかがです?」

矢矧「わたし、煙草は…………」ボコッ

北上「吸えっていってんの」

秋雲「あ、秋雲さん煙草吸いたかったんだよねー。ああ、嬉しいなあ」スパー…………ゲホゲホッ、ボコッ

金剛「古参に火をつけてもらったのに床に落とすとか無礼デース」

今日は、ここまでです。
要望とか、あと感想とかも頂ければさらに頑張れます。
よろしくお願いします。

大淀「まあまあ、二人ともまだ新人ですから礼儀もわからないでしょう」

青葉「そうですねえ。矢矧さんとか、身体はいつも男を挑発しているのに無防備すぎますしねえ」

矢矧「な、なに? ちょっとスカートの中に手を入れて。そんな淫らなこと。ここは鎮守府なのよ」

青葉「なにを間抜けなことをいってるんです。軽巡寮の皆さんだって、夜な夜な塀を乗り越えて男漁りに出かけたり、
女同士で舐めたりして楽しんでるじゃないですか。矢矧さん、仲間はずれなんですか?」

北上「そりゃ、そうだよねえ。こんな性格だから、マグロでつまんなさそうじゃない。だいたい、未通女のままで
艦娘になったヤツって、タチが悪いんだよね、ホラっ」

矢矧「やっ…………ちょっとやめてよ」

金剛「だいたい、最近送り込まれてくる新米どもは躾けがなってないデース。精神注入棒の味も、あんまり味わって
ないデース」

矢矧「やだ、なんで、スカートを? やだ、パンツが見えちゃう」

ボコボコボコ

青葉「ひゃー、久しぶりに金剛さんの本気のヤキ入れが、ちょっと撮影しておきましょう」

矢矧「やだ、痛い、と、撮らないで。パンツ、触らないで」

北上「まったく、色気のないのをはいてるねえ。こんなんで、死んだら死に装束として恥ずかしくない? 
って、ちょっとぉ、みんな。コイツ、もう濡れてるよ」

青葉「あっはは、ほんとですねえ。矢矧さん、いっつもすました顔をしているのに、なんです? 
虐められて喜ぶタチだったんですかあ?」

矢矧「ち、ちがう…………そんなこと。やあ、おっぱい触らないで」

北上「触らないで? そんなこという艦娘はだいたい乳首を指で潰されて喜ぶんだよねえ?」

矢矧「そ、そんなことない! い、痛いっ!」

青葉「あっはは、最低ですね矢矧さん。でも、最低だって早く認めたほうがいいですよ? 認めるまで続きますから」

矢矧「そんな、最低だなんて、そんなこといえない…………」

青葉「ああ、なんていえばいいかわからないんです? じゃ、教えてあげるから、その通りお願いしますね…………
私は、卑猥な身体でいつもチンポのことしか考えていない。マンコを濡らして発情している。
売春婦とか家畜にも劣る艦娘のデキソコナイです」

矢矧「…………そ、そんな、そんなこといえないっ!私は、短期教育のなったとはいえ一番の成績で卒業したんです!!キリッ」

北上「めんどくさいやつだねえ…………(パンツ脱ぐ」

矢矧「やっ…………顔の上に? う、うぐっ…………ん…………息が…………」

北上「ちゃんと舐めてから、青葉の言葉を反復しなよ。今日、訓練のあと風呂にいってないから、
マンカスで臭いけど、隅々までちゃんと掃除してよ」

矢矧「そんな、く、息がっ…………んっ…………っぐ…………」

北上「んはは、窒息で死にたくないよね。しっかし、舐め方が下手くそだねえ」

青葉「昔は、艦娘学校の時点で怖い先輩がいて、毎日、舐めさせられて…………
下手くそだとボコボコにされたものですけどねえ」

北上「懐かしいねえ。それに耐えられなくて便所で首を吊ったのもいたねえ」

矢矧「こんな、こんなのが第一艦隊? 艦娘? う、うっつぐうう」

青葉「泣きながら舐めるとか、嬉しいんですか?それとも、北上さんの臭いんですかねえ」

北上「んはは、青葉ほどモジャモジャに毛が生えてないから、そんなに臭くないと思うんだけどなあ」

金剛「っと、秋雲も見物ばかりじゃ退屈デース」

秋雲「や、あ、あの、秋雲さんは見学だけでいいかなあっと…………」

明石「いえいえ、ちゃんと本番も試しませんと。だいたい、秋雲さんのエロ絵は、なんかおかしくて」

金剛「チンポがヘンな方向に曲がったり、マンコの形もいつも同じネー」

秋雲「そ、それはだって、チンポはそれほど見たことがないし。マンコは自分の…………」

明石「つまり、チンポは一本しか見たことがない」

秋雲「え、その。だから、ちょ、やめて、ストッキング支給品なんでしょ? 
破ったら問題になるじゃない。ちょと、やめてよぉ」

明石「支給品を管理してるのが私だから、問題ありませんよ。
っと、いつも訓練の時にチラチラ見せてましたけど、可愛いパンツですねえ。
おまけに、矢矧さんのを見ていただけで洪水ですか?」

金剛「ほんとエロい女デース。メス豚の素質がいっぱいデース」

明石「っと、秋雲さん。毎日、[田島「チ○コ破裂するっ!」]ばっかりしてるの丸わかりですね。マンコの形が変形してますよ?」

秋雲「そ、そんなことないよぉ。そんなにマンコでしてないから」

明石「ああ、ケツの穴でするのもお好きみたいですね。使ってると形が変わるんですよ?」

金剛「処女でもないのに、エロい妄想ばっかりしている変態女デース。
いっつも一人じゃつまんないデショ? 素直にメス豚になれば楽しませてあげマース」

秋雲「うっ…………ホント?」

金剛「私たち、嘘は嫌いデース」

秋雲「う、なら、なる…………」

明石「うっわ、つまんない女。なんて堕ちるの早いの」

金剛「明石大丈夫デース。さて、秋雲にはまだ楽しむまでチャレンジがありマース。
ひとまず、私の靴が汚れてマース。舐めて、綺麗にして欲しいデース」

秋雲「え、そんなの全然エロとは…………」

明石「あ、いま、嫌な顔しましたよ」

金剛「じゃ、お仕置きデース ボコッ」

秋雲「う、うげっ…………ぐぶ」

明石「わ、なんか汁出ました」

金剛「こっちの気分が悪くなるようなことすると、そのたびに腹を殴りマース。
あ、ゲロとか吐かないように殴るから安心していいヨ
ー。子宮のあたりを、ちゃんと殴ってあげマース」

明石「ま、子宮のあたりを殴られてると、次第に快感か苦痛かわかんなくなって、脳みそがダメになるんですけどね」

秋雲「そ、そんな無茶な…………」

明石「っと、金剛さん」

金剛「イエース! ボコッ」

秋雲「ぐ、ぐぶっ…………って、これヤバい。絶対にヤバいやつ。
だって、痛いハズなのに、なんか気持ちいい時の汁が出てるのわかる」

明石「金剛さんは上手だからやみつきになりますよ。私も気をつけて、回数を制限してますけどねえ」

金剛「明石も大した変態さんだから、毎日一緒に寝たら、多分、発狂シマース」


明石「そんなこと…………っと、新作の張り型。秋雲さんで先に試していいです?」

秋雲「っと、なに? あれ?金属を削り出したみたいなチンポ? それも、ぶっといのが2本。
あんなの入らないよね? 飾り物だよね?」

明石「あら、秋雲さん。艦娘学校で先輩に一升瓶でオナニーしろとか、されなかったんです?」

金剛「私の頃は、馬とセックスしろとかあったデース。さすがに無理なんで、泣き土下座しましたヨー」

明石「というわけで、2本とも馬よりは細いから安心ですよ」

秋雲「2本ともって、ま、まさか?」

明石「ケツの穴でも楽しんでるんですよね? ほら、一気にいきますよ」

秋雲「や、そんなの、入らない、ん、んっぐ、入っちゃう、うう、なんでえ??」

金剛「明石のテクニックは一流デース」

明石「金属の張り型は、また、ずっしりとした感覚があって、いいですよねえ。
っと、抜けて出ないようにパンツは戻して…………
じゃ、金剛さん。私、秋雲さんを支えておきますから…………」

秋雲「や、やだ。髪の毛引っ張らないで、立つ、立てばいいんだよね?」

金剛「イエース。気絶しても、止まらないから覚悟してくだサーイ ボコッ」

秋雲「う、うぎぎ!お゙お゙お゙!! オゴ!! ピューッ だ、だめこんなのされたら、
バカになっちゃう…………ち、ちがう。痛いか気持ちいいかわからなくて、狂うっ!!」

明石「あら、早速失禁してますね。漏らしながら、快感とか。もうちょっとお仕置きが必要ですね」

秋雲「首に、ロープ? ちょっと、そんなのヤバイっ…………」

明石「加減しますけど、失敗したらごめんなさいね。名誉の戦死で処理してあげますから」

秋雲「ん、そ、そんな息が…………く、苦しっ…………そんなので、お腹殴られたら…………
ご、ごぼおおお!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

北上「あっちも、盛り上がってるねえ」

青葉「ですねえ、ほら矢矧さん? ちょっと、敏感なおっぱいをもっと見せて下さいよ」

矢矧「そんな、やだ、服を。や、やだや、ああ」

北上「あら、意外だね。乳首、真っ黒じゃない」

青葉「なんですかねこれ。相当、遊んでたオバサンみたいな乳首ですよ? 
ちょっと、パンツの中も…………うわ、こっちも」

矢矧「…………知らない。私のせいじゃない。たまたま、艦娘化するときにこうなっただけなの」

北上「言い訳なら、なんでもできるよね? こんなに乳首の先を尖らせてさあ」

青葉「ちょっと、このクリップを止めちゃいましょう」

北上「あれ、針でも刺すのかと思ったら、クリップとか優しくない?」

青葉「ところが、このクリップなぜかビニール線がついてまして…………その先は?」

北上「なるほど〜、このスイッチをオンにすればいいんだねえ」

青葉「明石さん特製ですよ。死なない程度には、なっていると思いますけど。
もともと、捕虜の拷問用ですから、わかりませんね」

矢矧「そ、そんな。やだ、やめてよ。あ、そうだ。いいます。私は、豚です。
家畜以下の公衆便所のメス豚です。誰にでもマンコを使わせる豚です。
優等生みたいな顔した艦娘だけど、本性は淫乱な豚です。

メス豚、糞豚、マンコ豚。タダでいくらでも使って下さい!!」

北上「…………あんな風な台詞だったっけ?」

青葉「そこまで、教えてないですね、ちょっどドン引きですねえ」

北上「そうだね、スイッチオン」ビリビリビリ

矢矧「ぎ、ギイいいいい!!痛い、痛い、乳首、乳首が焼けるぅ!!!許してええええ!!!」

北上「まだ、始めたばかりなのに。うるさいなあ」

青葉「その割に、なんか、下の方濡れてポタポタ垂らしてますよ。
なんですかね。淫乱な本性、自分でもわかってたんじゃ?」

矢矧「ひ、ひいい…………違う、違う。ううん、違わない。認めるから、許して、許して下さい!!」

北上「もういっちょ、電圧をアップするかあ」

青葉「ですね。ちょっとうるさいですし」

ビリビリビリ

北上「…………っち、早くも気絶かあ」

明石「秋雲さんも、白目剥いて、動かなくなっちゃいましたね」

金剛「目が覚めるようにするデース」

………………
…………
……

矢矧「んん…………?」

秋雲「あれ、なんで…………」

矢矧「私たち…………」

秋雲「全裸で逆さ吊りにされてる?」

金剛「目が覚めるのが遅いデース」

青葉「至近弾とかで気絶しても敵は待ってくれないですよ」

北上「まったく、大和魂が足りないんだねえ」

明石「というわけで、みなさん。筆は持ちましたか?」

青葉「はーい!」

明石「では、お二人の身体に…………敵から得た戦利品であります、
ボディオイルなるものを塗ってですね…………っと、あとは、ご随意に」

青葉「はい、ではでは」

北上「乳首の先とか?」

金剛「股間とか…………?」

コチョコチョコチョコチョ

矢矧「ひ、ひぃいいい!ひ!!!!こそばゆい、気持ちいいい!!」

秋雲「あ、あぐ、気持ちいい!秋雲さん!い、いう゛、漏らしていく!!プッシャアア」

明石「うわ、潮噴くの早い」

北上「ほら、矢矧も頑張りなよぉ?」

矢矧「そ、そんなやだ。もう、耐えられない。ああ、腰が勝手にクネクネするぅ…………プッシャアア」

青葉「うっは、潮噴きながら、アサリかなんかみたいにパクパクしてますねえ」

コチョコチョコチョコチョ

矢矧「ひー!ひー!ひー!ひー!ひー!いぐいぐい!!!」

秋雲「だ、だめ、やめて、休憩。お願い、秋雲さん、バカになるから」

明石「もともと、バカなんじゃないですか? って、青葉さん?」

青葉「いやあ、なんかもう催してきちゃって…………ああ、
目の前にこんなのあるから、直接、矢矧さんの身体にマンコをこすりつけたほうがいいですよね」

矢矧「や、やだ、ああ!気持ちいい!やああ」

明石「じゃ、私も秋雲さんを使わせて貰いますか」

秋雲「やあ、これ以上気持ちよくなった、ほんとダメ、ダメになるから、許してええ」

金剛「ちょっとは舐めたり弄ったりしてやるといいデース」

青葉「あれ、お二人は使いません?」

北上「いや、私たちはさあ…………」

金剛「このベルトのついた張り型で、あとでじーっくりと楽しむデース」

矢矧「え、まだ、そんなのが」

秋雲「やばい、やばいよ、あんなので女に犯されたら、ヤバイよぉ」

=数時間後=

タバコスパー

青葉「すっかり、夜も更けましたねえ」

北上「やー、久しぶりに本気で楽しんじゃったよ」

金剛「蝋燭責めとか、なかなかできないから、面白かったデース」

明石「じゃ、そろそろ仕上げですかね。二人とも死んだ魚の目で転がってますけど、
起こしますね。このバケツの水で…………バシャー」

矢矧「う、っつ冷たい」

秋雲「おねがい、なんでもいうとこ聞くから、もう勘弁してよ」

明石「大丈夫ですよ、これでお終いですから」

秋雲「って、台車で運んできた箱。中身は砂利?」

青葉「本気で逃げないと、危ないですよ…………それっ!」

北上「へえ、いい投げ方するねえ!アタシも」

金剛「もっと、肩を使って投げるデース」

明石「アンダースローとかやってみようかな」

矢矧「や、いた、痛い!」

秋雲「ちょ、ちょっとこれ、艦娘でも痛いって。いや、艦娘が投げたら、砲弾と一緒」

青葉「本気で逃げないと死にますよ」

明石「工作艦に追われて逃げる軽巡と駆逐艦って」

矢矧「ぎゃ、ひ、やめ」

秋雲「あや、やだ、もうダメ、助けて!」

北上「ちょっと、そっちに逃げるよ」

金剛「倉庫の中をチョロチョロ、ほら、追い込むね!」

矢矧「出口、出口」

秋雲「ここも、カギがかかってるよ、あれ、あっちにぃ」

青葉「逃がしちゃだめですよ」

明石「逃がすわけないじゃないですか」

北上「ほら、あっちの通路だよ。ほい!」

金剛「壁に穴ができるみたいな投げ方はノーYo!」

矢矧「痛い、も、もう」

秋雲「助けて、助けて…………あ、こ、ここカギ開いてる」

矢矧「助かった…………」

ガチャ

矢矧「え…………?」

秋雲「これは…………?」

大淀「お待ちしておりました。矢矧さん、秋雲さん。歓迎会へようこそ」

矢矧「壁に、祝・第一艦隊編成」

秋雲「で、料理と酒…………」

青葉「いやーおめでとうございます」

北上「まあ、歓迎するよぉ」

金剛「よろしく頼むネー」

明石「修理とかはお任せ下さいね」

矢矧「これは…………?」

秋雲「今までのは?」

大淀「…………私たち、地獄から幾度も生還して、また自分たちで地獄へ行こうとしている艦娘。
これからも、他人を殺して自分が生き延び、生き延びるために互いに助け合ったりと、いう日々が始まります」

北上「信頼できるのは、身体の癖から、食べ物の好みまで知った相手だけ」

金剛「生まれた日は違うけど、死ぬ時は一緒と本気に思えるヤツだけデース」

青葉「こんな関係になるまで、幾度、殴り合って。戦場で後ろから、撃とうと思ったことか」

明石「まあ、実際に何度か、撃ち合ってますけどね」

大淀「というわけで、すました顔をしているのに酷いことをされると嬉しい矢矧さん。
形が変わるまで一人でするのが大好きで、腹を殴られて喜ぶ秋雲さん。
これからの本土決戦、よろしくお願いしますね」

矢矧「ええ、よろしく頼むわ。まだ実戦も経験がないけど。先輩方の足を引っ張らないように頑張ります」

秋雲「そんなに秋雲さんに期待されるなら、仕方ないなあ」

大淀「というわけで、呉のほうから上手いこと言いくるめて、最高の酒もビールもたくさん持って来ました。
料理のほうも材料は一級品! では、かんぱーい」

矢矧「なんて地獄かと思ったけど」

秋雲「この地獄なら、なんとか楽しくやっていけそうだなあ」

ドンチャンドンチャン

秋雲「ねえ、で、みんなも変態だったりするのかなあ」

青葉「そうですね。ぶっ壊れてなきゃ、第一艦隊なんて無理ですから」

秋雲「青葉さんは、どんなのが?」

青葉「…………気軽に言えるのだけ、教えておきましょうか」

秋雲「うんうん」

青葉「司令官は、これだけ艦娘がいるのに性処理に私しか使いません」

秋雲「うんうん」

青葉「時々、新入りの艦娘が<コイツが提督の女か>って顔します」

秋雲「うんうん」

青葉「その…………提督の肉便器って見下されたみたいに見られている時。その視線で、濡れちゃいますね」

これにて、秋雲編 feat.矢矧編は終了です。

続いてですが、安価で方針を決めたいです。
時間軸は現在、昭和20年6月上旬ですが、次回からは

7月上旬あるいは8月初旬のどちらか
>>380

ストーリーですが、

提督戦死編
北上編
そのほかの艦娘編

こちらは提督or艦娘の名前で

>>382

優しい世界だったなぁ(感覚麻痺)


安価なら↓

雪風

では、いよいよ8月。
鎮守府最後の15日間の初っぱなは、雪風で。
しばし、お待ちくださいませ。

うひゃ、いきなり間違えた……本人ですww

もし酉バレしてたらまず新しい酉つける事からはじめよう

それでは深夜ですが投下していきます

青葉「今日は5月22日。天気は曇り……司令官は呉に会議のために出張中です」

大淀「日が変わるまえには帰ってくるとのことでしたけど……先に寝ていいのでは?」

青葉「一応、秘書艦ですしね。それに……」

金剛「毎晩、布団代わりにされてるから、一人で寝られないデース?」

北上「しびれる愛だねえ」

青葉「と、みなさんは?」

金剛「会議の内容が気になるから待機デース」

北上「夜食におにぎりも作って貰ったし、酒も準備してね」

青葉「じゃ、一杯やってますか……」

バタン

青葉「あ、お、おかえりなさい!司令官」

提督「……ったく。呉まで呼び出して長い会議だ。帰りの汽車も空襲で進みゃしねえ」

大淀「お疲れ様です。お疲れのようですが、会議の詳細は明日に?」

提督「難しい話じゃない。まだ沖縄の陸軍が頑張っている以上、艦娘を温存しつつも総攻撃も継続だとさ」

青葉「なにその、どっちつかずな方針」

金剛「で、議題はそれだけじゃないはずデース?」

提督「あったり前だ。それだけなら、いちいち呼び出したりなどしない。
そのあと、提督を一人ずつ説教というわけだ」

北上「どういうこと?」

提督「幾度も特攻出撃しているにも拘わらず、僅かな成功を除けば戦果は挙がらず!! 
出撃するも機関故障で引き返す艦娘も増えている。これは敢闘精神の欠如に非ずや……ということだ。
提督を一人ずつ呼び出して。軍法会議かなにかの出来損ないだなアレは……」

金剛「いい歳して、説教されてた?」

北上「しびれるねえ。で、どうしたの?」

提督「一応頑張ったさ……」

(回想)

幕僚1「報告書によれば、貴様の鎮守府においては一部戦果が挙がる一方、大和を出撃させるも戦果なし。
ほか戦果なく喪失も多数」

幕僚2「さらに、鎮守府正面海域まで進行され撃退するも被害多数」

幕僚3「空襲の際に反撃の指示が遅れ貴重な艦娘が戦死」

幕僚4「貴重な実戦経験者と艦娘ということで玉砕を禁じ内地への転進を命じたわけだが、
期待する戦果が一切あがっていない」

幕僚1「敢闘精神が欠如しているとしか思えない!」

幕僚2「お前の戦友はみんな靖国の杜へ行ったぞ!何をしてるんだ!」

幕僚3「こもってないで打って出たいとは思わないのか!」

幕僚4「君は戦果も乏しいまま、空襲やらなにやらで、このままやられてしまったとしたら陛下に……
国民にどう詫びるつもりだ?」

提督「……」

幕僚1「なにかいいたいことは?」

提督「誰にも詫びません。その必要もありません。我々は最善を尽くしております! 
現に命令に従い、粛々と本土決戦の準備も特攻出撃も実施しております!」

===

金剛「さっすが提督もたまには、やりますネー」

北上「上も滅茶苦茶だねえ……で、なんだって?」

提督「それで、帰ってよろしい……ってなったが、出てきてから腰が抜けた」

金剛「妙なところで気が小さい……?」

北上「ま、お疲れ様だねー。今夜はアタシか金剛と寝てもいいよ?」

青葉「いや、それは私が嫌です」

大淀「で、出撃の予定は?」

提督「数日中にもあると思うが、天候不順……最低でも3隻は出さねばなるまい」

青葉「今度はどうやって選びます?」

提督「そこが頭が痛いんだよな……」

=翌日・執務室=

ビスマルク「ビスマルクの出番かしら?」

提督「ん、訓練中に呼び出してすまない。まあ、座ってくれ」

提督「書類によると、お前は国内で艦霊を宿したのではなくビスマルクになった後、
日本へ回航されてきたわけだな」

ビス「そうね。もとはダンツィヒ生まれだわ」

提督「既に、その土地もロスケの支配下にあるわけだ」

ビス「知っているわ」

提督「仄聞によると、赤軍は女を次々と戦利品として凌辱して、ドイツはまさに地獄絵図だそうだ」

ビス「……ええ」

提督「悔しいだろうな」

ビス「悔しいなんてものじゃないわ……私に関する書類を見ているんなら、
私が艦娘になるまでも知っているでしょ」

提督「書いてある程度にはな……」

ビス「ドイツ女子同盟から国家社会主義女性同盟へ……ミュンヘンの党大会の感動……
あれが、なんで……ぐ、ぐ、ぐ、ぐ……総統閣下……なんで……」

提督「既にドイツ政府が消滅したことで近々、大使館等も閉鎖される。
お前の信じていた国家社会主義ドイツ労働者党とかヒトラー総統は、完全に消滅するだろう」

ビス「私もお払い箱ということ? いいえ、まだ戦えるわ」

提督「……正直、君たちの思想というものはよくわからん。ただ、艦娘として誇りを持って散りたい心意気は
民族が違ってもかわらんだろう」

ビス「はい。総統閣下の亡きいま、自分に存在価値があるとは思えないわ。誇りを持って死ねるのであれば、
それが最良の選択肢ね。日本人のように自決しろということ?」

提督「それもいいが幸いにもより、花と散る機会ができた。間もなく新たな特攻総攻撃の司令が下る。
お前には最先頭で出撃してもらいたい」

ビス「ああ、そういう……いいわ。ドイツより回航されたとはいえ、所属は日本海軍。
それに、断る理由なんてどこにもないわ……ビスマルクの戦い、見せてあげるわ! ハ、ハイル……」

提督「構わん、宗旨の違いは気にしない」

ビス「ありがとう提督……ハイルヒトラー!! 戦艦ビスマルク、直ちに出撃準備に取りかかります」

提督「ん、下がって宜しい。鋭気を養ってくれ」

バタン

青葉「すっごくやる気ですね」

提督「ハイルだかなんだかわからんが、なんであんなヤツらと一緒に戦争することになったんだか……」

青葉「それで、あとはどうします?」

提督「北上から、最良の艦娘を第三倉庫に準備してあるとのことだが……」

=第三倉庫=

矢矧「提督、あ、うん……ごくろうさまです」

秋雲「はふっ提督……」

提督「来たる作戦のために、第一艦隊からオススメの艦娘を準備してるとのことだが?」

矢矧「まかせて、まず出撃させるべき艦娘を準備したわ。ひとまず一人目を……」

秋雲「了解!連れてくるよ〜」

ヨロヨロ

千歳「千歳です。日本では初めての水上機母艦……ぐっふ……」

提督「だいぶ、痛めつけられているようだが出撃はしていないと思うが?」

矢矧「ええ。航改二まで練度はあげたものの、積む飛行機もなくて出撃などしていないわ。
だからといって訓練にも参加せずに酒浸りというのは提督も許可していないでしょう?」

秋雲「酒を飲むなとはいわないけど、昼間から外の店で酔っ払って騒いでるわけさ。
“どうせ特攻で死んじゃうんだから、もっと飲ませてよ!”って……鎮守府の評判も悪くなる一方だよ」

提督「今日も壁のところに“酒浸り艦娘は国の恥”とか落書きされていたしな」

矢矧「というわけで、しっかりと艦娘の使命というものを教え直してあげたわ」

秋雲「酔っ払ってたら話にならないからさあ。たっぷりと水を飲ましてあげたよ。
飲ませた後はお腹を踏んづけて吐かせて……あれ、まだお腹に水が残ってる?エイッ!」

千歳「ぐ、ごぼぼぼ……お、おえええ……」

矢矧「ちっ……すみません提督、お目汚しを」

提督「構わない。とはいえ、特攻は本人の意志によるものだ。既に志願をしているとはいえ、
この状態で命令に従うものか?」

矢矧「それは、問題ありません」

秋雲「はーい、千歳さん。さっきから何度も復唱した言葉、覚えてるぅ?」

千歳「……」

矢矧「聞こえてないかしら?」

秋雲「もっと、お腹を踏んだりしないと覚えないかなあ?」

千歳「や、やだ……水もお腹も……やだ……」

矢矧「じゃあ、復唱してちょうだい」

千歳「……喜んでください提督、みなさん。昨日までは出撃する機会もなく厄介者の出来損ない空母の私。
今回、ようやく出撃する幸運を得ました……。この光栄に浴することを喜び、見事に敵艦に体当たりし
戦果を挙げてご覧にいれます……」

秋雲「ははは、けっこうできるじゃん」

提督「……なるほど、千歳。今回の出撃に喜んで志願するわけだな」

千歳「はい、私も皆さんの先駆けとしてお国の役に立ちたいと思っています……」

提督「……よし、出撃の日までまだ時間がある。第一艦隊の諸君によろしく指導を受けるように……
で、もう一人は?」

矢矧「連れてきたわ」

由良「長良型軽巡4番艦の由良です……」

提督「こっちも、だいぶヤキを入れたようだな。説明してもらおうか」

秋雲「……本人からいわせたほうがいいんじゃないかな? ね、また痛い目に遭う前に説明したら?」

由良「……は、はい。私は艦娘の誇りも忘れ、夜な夜な鎮守府を抜け出しては男を漁っていました。
それも、一人を相手にするのではなく、一晩に四人も五人も。訓練にはまったく身を入れず、
昼間からずっと男のオチンポのことだけを考えておりました」

提督「夜中に抜け出す艦娘がいるのには、目を瞑っていたが……」

矢矧「多少ならいいかもね。でも、訓練の時に腰に力が入らないようじゃ」

秋雲「酷いよねえ、口からも男の匂いをさせて、股間から男の汁まで垂らして訓練場に来るんだから」

提督「真面目な艦娘だと思っていたが、どうも俺の目が曇っていたようだな」

矢矧「訓練の合間に男を漁るのが間違いとは思わないわ。でも、限度はあるものね」

提督「で、反省して出撃するというわけだな?」

由良「は、はい……こんなに男に狂ったのも、出撃が待ちきれないからにほかありません。
ぜひとも、来たる出撃では……」

秋雲「……と、いいながら股間を弄り始めてる。こりゃ、まずいかなあ」

提督「もういい、本人が志願しているみたいだ。出撃の日まで十分に相手をしてやれ。あとは任せた」

矢矧「え、提督?」

秋雲「どうせ、もう二人とも戻ってこないよ? 遊んであげても軍規には反しないと思うな? 
ほら、千歳のおっきなオッパイとか嫌いじゃないでしょ?」

提督「そこは、一線を引いておきたいところだな……」

==深夜・工廠裏==

矢矧「あ、提督おつかれさま」スパー

秋雲「おつかれえぃ、あんな感じでよかった?」スパー

提督「なかなかいい仕上がりだ。もう本土決戦に耐えきれないような艦娘を整理しておきたいからな」

矢矧「彼女らは来たる本土決戦で想定される戦いには耐えきれないでしょう。
今のうちに散らしてあげるのこそが、愛情だと思うわ」

提督「しかし、短期間の間にお前らも一人前になったものだな」

矢矧「それはね……」(上着ガバ)

秋雲「ねえ〜」(タイツガバ)

提督「そ、なんだ。二人とも傷だらけじゃないか」

矢矧「金剛さんと北上さんの指導のおかげね」

秋雲「ほかの艦娘を指導するには、自分たちが限界をしらないといけないってっさあ……
もう、朝から晩まで泣いても叫んでも漏らしても許して貰えなくてさ……」

矢矧「さすがに、一升瓶をぶち込まれた時には死ぬと思ったわ……」

秋雲「ケツ穴にアルコール浣腸とか、本気でやばかったねえ」

提督「なかなか痺れる指導だな」

矢矧「まあ、艦娘は身体の傷の治りが早いのもよくわかったわ。爪を剥がされた程度なら一晩だしね」

秋雲「護衛する時に敵の弾とか当たってもさあ、爪の間にタタミ針を刺されるほどは痛くないよね。
なんで、けっこう恐れずに特攻部隊を護衛できるようになったわー」

提督「頼もしいな……その調子でよろしく頼む。猛訓練ぶりについて報告しておけば、
多少は上の心象もよくなるだろうしな」

=数日後・執務室=

青葉「……というわけで、いよいよ出撃したのですが」

提督「意気揚々と出撃するビスマルクに、呆けた表情の千歳に由良……今度はどんな戦果があがるだろうか」

大淀「護衛後に帰投中の第一艦隊より入電……敵の猛攻を受けるもワ級一隻の撃沈は確認とのことです」

提督「もう、失笑する気にもならないなあ」

大淀「えっと、呉への報告は……っと、適当にしておきますか?」

提督「……っと、青葉。次は出撃するか?」

青葉「え、し、司令官……? その……あ、はい。今までありがとうございました……
えっと、なんどもお布団で可愛がって頂いて……青葉、嬉しかった……です」

提督「俺も一緒にな。後ろに担いでくれよ」

青葉「あ、ああ。そういう……なにいってるんですか司令官。ほら、まだまだ、
我が国は戦える……そう司令官もいってるじゃないですか!弱気になられたら、私たちのほうがどうすれば……」

提督「勝てる、勝てると信じてる。そのための時間稼ぎに、沖縄は軍民一丸で……
それでも、お前と布団で寝てる時に、ハッと目が覚めるのさ。本土まで蹂躙し尽くされ、
男は皆殺しにされ、女は……艦娘たちも犯されて殺されてる夢を見てな……」

青葉「で、でも。これだけ、私たちも信じて……司令官を信じて……なんとか殺すの殺されるので狂気の中で、
日々を生きているんです……。そんなことで、弱気になられたら……う、う〜ふえええ〜ん」

提督「っと、抱きつくな。わかった。ちょっとした愚痴だ」

大淀「あの、まだ作戦行動から帰還していない部隊がありますので……」

青葉「ご、ごめんなさい。う、ふっぐ、司令官が……」

バタン

北上「ただいま〜、いやー華々しく突入していくところまで見届けてきたよ〜」

秋雲「秋雲さんの愛情が理解できたのか、嬉しそうに散って……」

金剛「戦果はたいがいだけど、やり遂げた感があるデー……」

青葉「ぐっす、ぐっす」

矢矧「この、光景は……?」

金剛「ヘイ!提督ぅ〜」

北上「大事な大事な秘書艦になにをやらかしているわけ……?」

=深夜・工廠裏=

明石「……あー、そんなことが」スパー

金剛「提督も大変デース。よくもあんな仕事をやってるヨー」スパー

北上「前の鎮守府で玉砕寸前までやって、今度はじっくり時間をかけて玉砕しているような感じだもんねえ」スパー

明石「とはいえ、お二人も護衛任務という感じで特攻する艦娘を死地へ運んでいるわけですけど?」

金剛「あー、ワタシも北上も、艦娘になる前がもっと地獄だったデース」

北上「今までの海戦で仲間達もだいぶ死んだけど、まだ前にみた地獄よりは生ぬるいよねえ」

金剛「明石も、同じような目をしているから仲間だと思うデース。青葉もー」

明石「みなさんに比べると大した地獄なんてみてないと思いますけど」

北上「自分から地獄を自慢するようなヤツは生ぬるいさ」

明石「で、青葉さんは?」

北上「提督に可愛がって貰ってるんじゃないかな?」

明石「なんだかんだで割れ鍋に綴じ蓋な二人ですしねえ」

金剛「しかし、血を見たあとは昂ぶりマース。明石ぃ、なにかいい張り型……」

明石「ああ、夕張さんが新しいのを工廠で製作しているはずですが」

ヒョコ

矢矧「ごくろうさま。いいかしら?」

秋雲「〜参上!」

金剛「二人も煙草デース?」

矢矧「そうじゃなくて……」

秋雲「ええと、散々血を見たから昂ぶっちゃって……そのお、同じ艦隊の仲間同士で、
その、ちょっといじめて欲しいなって……」

明石「……二人とも、目覚めてる??」

今宵はここまでです。
戦況は深刻ですね。

では、次に出撃する艦娘を安価下

加藤純一(うんこちゃん) Twitch

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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2021年12月24日 (金) 23:54:16   ID: S:AUo9tk

胸糞悪いわ
小説消して

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