ガヴリール「クリスマスの出来事」(22)

ガヴリール「なに、駅前にある巨大なクリスマスツリーを見に行く?」

ヴィーネ「そうよ」

ラフィエル「わぁ~、いいですね」

ガヴリール「駅前のツリーって一週間くらい前に飾り付けしてたアレだろ。見に行く必要あんのか?」

ヴィーネ「明日はクリスマスよ、クリスマスよ!クリスマスと言ったらクリスマスツリーでしょ!!」グイッ

ガヴリール「っ!?(か、顔が近い?!)」

ヴィーネ「そこに駅前の巨大なクリスマスツリーときたら、これはもう貴重なイベント!見に行く必要は十分にあるわ!!」

ガヴリール「お、おぉ…そうか」

ラフィエル「流石はヴィーネさん、イベントの事になると燃えますね」

ヴィーネ「もちろんよ。じゃあ、明日、夕方6時30分にクリスマスツリーの前で集合ね」

ガヴリール「なんで夕方なんだよ?」

ヴィーネ「ライトアップが7時ちょうどだからよ。クリスマスツリーがライトアップされる瞬間が一番いいみたいし」

ガヴリール「そうか…」

ラフィエル「拘ってますね。そういえば、サターニャさんもいらっしゃいますか?」

ヴィーネ「居るも何もサターニャも誘う予定よ。今日は用事で居ないから話せないけど、明日の件は後で私が伝えるつもりだから」

~翌日 夕方6時~

ザワザワ、ガヤガヤ

ガヴリール「ったく、たかがクリスマスツリー見るだけなのに、こんなに集まりやがって…」

ラフィエル「ガヴちゃ~ん♪」スタスタ

ガヴリール「おっ、ラフィか。あれ、見たことない服装だな」

ラフィエル「ガヴちゃん、こんばんは」

ガヴリール「あぁ。ところでラフィ、その服見たことないが、どうした?」

ラフィエル「あ、気が付きましたか。実は最近、購入した新しい冬服なんですよ」

ガヴリール「そうか。まぁまぁ、似合ってるぞ」

ラフィエル「まぁまぁ似合ってるだ、なんて中途半端な褒め方ですね、ガヴちゃん」

ガヴリール「流石に6時だから、ヴィーネとサターニャの奴はまだ来ないよな」

ラフィエル「そうですね。まだ6時ですし、集合の30分は早く来過ぎましたかね」

ガヴリール「いや、そもそもラフィが、30分前の6時ぐらい(早め)に来て、どこかで温かい物でも食べたり、飲んだりしようって言うから私は来たんだぞ」

ラフィエル「そうでした。ガヴちゃんと私、天使同士だけの秘密のホットタイムにしましょうって事で私から言い出しましたね」

ガヴリール「ちゃんと奢れよ?」

ラフィエル「もちろん♪」ニコリ

ガヴリール「はふはふっ、肉まんにあんまん、温かくて美味い///」モグモグ

ラフィエル「冬になると食べたくなりますよね」

ガヴリール「そんで、飲むココアも美味くて、温まるなぁ…///」ゴクゴク

ラフィエル「私は温かいカフェオレです」


女性A「見て、あそこに座ってる金髪と銀髪の子、二人とも可愛くない?」

女性B「ほんとだ!姉妹かな?」

女性A「う~ん、案外親戚同士ってパターンもあるかもよ」

女性B「でも、本当に可愛いわね」


ガヴリール「おい、私らを見て、ブツブツ言ってる奴らがいるぞ」

ラフィエル「僅かに聞こえる会話の内容から別に悪い話ではなさそうなので、気にしなくて結構ですよ」

ガヴリール「おっ、アレ食べたい」

ラフィエル「たこ焼きですか」

ガヴリール「ホットタイム(=座りながら温かい物を食べて体を温める)にはピッタリだろ」

ラフィエル「肉まんとあんまんを食べたのに、まだ食べられるんですね」

ガヴリール「あぁ、正直昼飯抜いてたから腹減ってさぁ~」

ラフィエル「分かりました」

ガヴリール「あ、ついでにおでんも欲しいな」

ラフィエル「大丈夫ですか?」

ガヴリール「大丈夫、大丈夫!」

ガヴリール「あっち、あっつぅ!!でも……ウマっ、温まる!!///」モグモグモグ

ラフィエル「たこ焼きとおでん食べてるんですから、そりゃあ温まりますよ」


男子A「おい、見ろ…あの銀髪の子」

男子B「可愛いな…!」

男子A「で、隣の金髪の子も可愛いけど、背は低いな」

男子B「やっぱ、可愛くても、背が高めじゃないとな」


ガヴリール「私らを見て、またブツブツ言ってる奴らがいるぞ」

ラフィエル「内容に関してですけど、聞こえなくて良かったですね、ガヴちゃん」

ガヴリール「最後に、たい焼きが食べたいな」

ラフィエル「良く食べますねぇ~」

ガヴリール「別腹なんだよ」

ラフィエル「デザートを食べる人のパターンですね」

ラフィエル「ですが、大丈夫ですか? ライトアップされたクリスマスツリーを見た後、ヴィーネさん家でご馳走とクリスマスケーキが振る舞われるはずでは…」

ガヴリール「大丈夫、少し歩けば腹減るし…。それより、早くたい焼きを買ってくれ」

ラフィエル「分かりました。ガヴちゃんが大丈夫と仰るなら…」

ガヴリール「美味い、温かい///たい焼きはやっぱ、つぶあんだな♪」モグモグ

ラフィエル「ほんとにガヴちゃんは良く入りますね。ですが、こんなに美味しそうに食べて貰えるなら奢った甲斐はありますね」

ガヴリール「ふぅ~。食べた、食べた!」

ラフィエル「今度はどうしますか? まだ少し時間がありますが?」

ガヴリール「ここで座ったまま話すでいいだろ。どうせ、あっという間だしさ」

ラフィエル「そうですね」

ラフィエル「で、何を話しますか?」

ガヴリール「そうだな…。あっ、そういやぁ、冬休み入る前に学校で人気ランキング出たの、あっただろ?」

ラフィエル「あぁ、ありましたね。確か、私やガヴちゃんのクラスとは別のクラスですが、そこの男子が提案したのが始まりで、私たちの学年だけで投票し、集計の結果で出たアレですよね」

ガヴリール「そう。で、ラフィ、お前…ランキングの一つ『添い遂げたい女子ランキング』でナンバー1に輝いたらしいな…。」

ラフィエル「あ、ご存知でしたか。」

ガヴリール「当たり前だ。私ら学年だけのランキングだからな」

ラフィエル「そうです。我が学年の添い遂げたい女子ナンバー1に輝きました♪」ニコリ

ガヴリール「まぁ、たかがランキングだし、あまり言いたくもないが、一応……ナンバー1おめでとう、ラフィ」

ラフィエル「ありがとうございます。」

ガヴリール「おっと、もうそろそろじゃねぇか。」

ラフィエル「あ、そうですね。では、行きましょう」


~6時30分 クリスマスツリー前~

ガヴリール「あ、居た!おーい、ヴィーネ!!」

ヴィーネ「ガヴ、それにラフィも、来たわね」

ラフィエル「サターニャさん、こんばんは♪」

サターニャ「フン。ラフィエルね…。」

ラフィエル「あれ、どうかなさいましたか?」

ヴィーネ「誘ってから一緒に来るまでずっとこうなるよ…」

サターニャ「フン、なにがクリスマスよ。クリスマスなんて忌まわしい日に浮かれるなんてバッカじゃないの」

サターニャ「クリスマスに神誕生祭は無用、これからは悪魔降誕祭で十分。人間どもを恐怖のどん底に突き落とすのが正解でしょ!!」

サターニャ「それなのに、ヴィネットがクリスマスなんかに現抜かしてるってのが嫌なのよ!」

ヴィーネ「えっ?!」

サターニャ「同じ悪魔なら私と同じ事考えて行動するべきなのに、なんでアンタはいっつもいっつもイベントと……」グチグチ

ラフィエル「まぁまぁ、サターニャさん、それぐらいに…」

ヴィーネ「もう、サターニャ、クリスマスは誰彼問わず楽しむべきものよ。だから、今回はプライドに拘らないで一緒にクリスマスを楽しみましょう」

サターニャ「………フン。まぁ、いいわ、そこまで言うなら楽しんであげる。けど、来年は絶対に悪魔降誕祭にしてやるから!!」

ガヴリール「はぁ、いっつもながら五月蠅い奴だな」

~7時 クリスマスツリーライトアップ~

クリスマスツリー『…』パッ、キラキラキラ

ヴィーネ「わあぁ~っ///」キラキラ

ラフィエル「これは綺麗ですね♪」

ガヴリール「ふぅ~ん。まっ、たまにはこういうのを見るのもいいか」

サターニャ「…………綺麗///」

ガヴリール「んっ?」チラッ

男A・女B「「っ///」」モジモジ

ガヴリール「おい、あっちで男女がモジモジしてるぞ」

ヴィネサタラフィ「「「えっ?」」」クルッ

男A・女B「「っ///」」モジモジ

ヴィーネ「あ、ほんとだわ」

サターニャ「何か言いたそうに見えるけど…」

ラフィエル「あ、男性の方の口が開きながら、何かを出しましたよ!」


男A「…さん、僕と結婚してください!!」スッ

女B「えっ!?///」


ヴィーネ「これってもしかして、プロポーズっ!?///」カアアァァーー

ラフィエル「おぉ~///」カアアァァーー

サターニャ「なっ、あれがプロポーズ!?///」カアアァァーー

ガヴリール「聞いた事はあるが、実際に見るのは初めてだな」ジイィィーーー

女「…はい///」

男「!……やったぁーーーっ!!!」


ヴィーネ「きゃあああーーーーーーーっ!!!//////」カアアァァーーー

ラフィエル「おめでとうございます♪」パチパチ

サターニャ「人間如きのめでたい事なんて、別にどうでもいいけど、まぁ一応祝ってあげる。おめでとう…」パチパチ

ガヴリール「天使として、私も祝福するべきか、これは?」

ラフィエル「では、ガヴちゃん、私と一緒にあの二人の今後の幸せを願いましょう」

ガヴリール「…そうだな。私ら天使なら、幸せにするくらいは出来るしな」

~ヴィーネの家~

たくさんのごちそう『…』

ヴィーネ「さぁ、今日はクリスマスだから久しぶりに腕を振るってごちそうをいっぱい作ったの。皆、たくさん食べてね」

サターニャ「おぉ~、美味しそうじゃないの、ヴィネット!」

ラフィエル「こんなにごちそうを作れるヴィーネさんは、きっと良いお嫁さんになれますよ」

ヴィーネ「もぉ~、ラフィ、お世辞言った所で何も出ないわよっ///」

ガヴリール「………」

ヴィーネ「あれ、どうしたの、ガヴ?」

ガヴリール「えっ?」

サターニャ「いや、えっ…じゃなくて、アンタがボォーっとしてるからヴィネットが心配して声を掛けたじゃないの」

ガヴリール「あ、ごめん。その、大丈夫だから、気にすんなよ」

ヴィーネ「そう…。なら、いいけど」

ラフィエル「………」

~その後~

ガヴリール「ふぅ…」

サターニャ「ガヴリール、アンタ今日はやけに少食ね。いつもだったら、真っ先にたくさん食べるはずなのに」

ガヴリール「あぁ…ちょっと、な」

ヴィーネ「本当に大丈夫?もしかして、熱でもあるの?」

ガヴリール「熱はないよ!?本当に大丈夫だって!」

サターニャ「なんか怪しいわね…」

ガヴリール「お、おい、クソ悪魔っ!?私のど、どこが…怪しいってい、言うん、だ!!?」

ヴィーネ「発音がたどたどしくておもっきり怪しく見えるわよ、ガヴ。」

ガヴリール「い、いや、これは!?」

サターニャ「アンタ、何か隠してるわね?」

ガヴリール「っ!?」ギクッ

ヴィーネ「図星ね。隠してる事があるなら、正直に言いなさい」

ガヴリール「うぅ……」ダラダラ

ラフィエル「ガヴちゃん、言うしかありませんよ」

ヴィーネ「えっ!?」

サターニャ「ラフィエル、アンタは何か知ってんの?」

ラフィエル「はい。ですが、それはガヴちゃんの口から…」

ガヴリール「ラフィ…分かった、言うよ。実は……」カクカクシカジカ

サターニャ「えっ、集合前にそんなことが!?」

ガヴリール「あぁ…」

ヴィーネ「やけに時間ピッタリに来るかとは思ったけど、まさかラフィと一緒に30分早く来て、色々食べていたなんてね…。」

ガヴリール「ごめん。昼飯抜いた分、その時間に腹減ったな、そんで、つい」

ヴィーネ「でも、つい、でやってたら大変になる場合だってあるのよ。それにお昼も抜かないで、しっかりと摂らないと体に毒よ!」

ラフィエル「私も心配はしましたが、止める所まではしなかったので、私にも非があります。ですので、ガヴちゃん一人に問題はありません!」

サターニャ「まぁ、そうだけど…。はぁ~、私はこの点においては微妙だわ」

ガヴリール「ほんとせっかく作ってくれたごちそうなのに、食べれなくてごめん!」

ヴィーネ「…別にいいわよ。お腹いっぱいで、食べれないのはしょうがない事だし」

ヴィーネ「それに25日があるから、昼と夜でこのごちそう食べちゃいましょう、ガヴ!」

ガヴリール「ヴィーネ…。」

ヴィーネ「ただし、せっかく用意したクリスマスケーキだけはこの後すぐに食べてね。四人分だけど、今日しかもたないから」

ガヴリール「あぁ、もちろん食べるよ。ケーキぐらいなら別腹として、入れそうだし」

サターニャ「話は済んだようね」

ラフィエル「大事にならないで、良かったです」

ラフィエル「あ、そういえば、今日のクリスマスは出来事が色々ありましたね」

サターニャ「クリスマスツリーのライトアップってヤツを綺麗に見れたとか、後他人のプロポーズが見れた上に成功して結ばれた瞬間を目の当たりにしたとか・・・ね」

ラフィエル「私はガヴちゃんと僅かに話したり、温かい物を食べたり、飲んだりもありますが」

ヴィーネ「今のも出来事の一種ね」

ガヴリール「一日に出来事はあるからな。それがクリスマスなら、ある意味貴重かもな」


ラフィエル「25日もクリスマスですが、どういう出来事が起きるのでしょうかね…?」

サターニャ「知らないけど、まぁ…そん時はそん時よ」

ヴィーネ「今日みたいに良い出来事が含まれたらいいわね」

ガヴリール「私は大変な事でなければ、それで良しだ」

ガヴィーネラフィサタ「「「「では、今日はひとまず…」」」」

ガヴィーネラフィサタ「「「「メリークリスマス♪」」」」



おしまい

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