『MPを回復してください』
ガヴリール「はあ!? だからお前がヒールしろって! ったく、アイテム使うか…」
『MPポーション 0コ』
ガヴリール「あ? んだよこんな大事な時に…。急いでコンビニ行かないとじゃん」
ガヴリール「めんどくせぇなぁ──」
ガヴリール「あ、ヤバっ。今月もう金がねぇんたた…」
ガヴリール「くそっ! 次のお小遣い支給まであと20日もあるのに500円しかないって、どうやって生活しろって言うんだよ…」
ガヴリール「ったく、天界はこの危機的状況わかってんのか?」
ガヴリール「あー、もういいや! このレイド戦は諦めよう」
ガヴリール「……とりあえず日払いのバイトでも探すか」
ガヴリール「えっと、楽に稼げるものはないかなー」
ガヴリール「引っ越しのバイトは嫌だし、イベント設営とかもダルそうだしなー」ポチポチ
ガヴリール「……ん?」
ガヴリール「JKリフレ?」
ガヴリール「誰でも簡単に稼げます…」
ガヴリール「日給10万も夢ではありません、か」
ガヴリール「……」
ガヴリール「なんだよこれ、神バイトじゃん!」
ガヴリール「見た感じ何の店かはわかんねぇけど、とりあえず応募しよ」
ガヴリール「えっと、こういう時って電話でいいのかな」
ガヴリール「よくわかんねぇけど、とりあえず電話すればいいっしょ!」プルルルル
ガヴリール「……あ、もしもし。ネットでバイト募集のやつ見たんですけど──」
ガヴリール「簡単に採用された…」
ガヴリール「今どきSkypeで面接ってあるんだな。知らなかった…」
ガヴリール「まあ細かいことはいいや! 早速明日からバイトだし、今日は早く寝とこ」
ガヴリール「ふっふっふ…。これで私も大金持ちだな…」
ガヴリール「Zzz…」
JKリフレ Holy Angel
ガヴリール「ふぅ、ここか」
ガヴリール「どうやって入るんだろ。…表から入っていいのかな?」
ガヴリール「ま、初めてだし適当でいっか」
ガヴリール「あのー、すいませーん」カランコロン
『いらっしゃいま──あっ! 君が今日から出勤するガヴリールちゃん?』
ガヴリール「あ、はい」
『かわいいねぇ、待ってたよー。さあ、入って入って』
ガヴリール「はあ…」
『いやー、それにしてもかわいいねぇ。結構小さいけど、何cmくらい』
ガヴリール(いきなり身長の話かよ)
ガヴリール「145くらいっすかね」
ガヴリール(……1cmくらいバレないっしょ)
『へぇ! 顔も幼いし、それじゃロリで売っていこうか!』
ガヴリール(ロリで売る…? どういうことだ?)
『いやー、うちの店で低身長の子がいなくてね。助かるよー』
ガヴリール「はあ…」
『そうだ。それで出勤なんだけど、今日からってことでいいんだよね? 何時まで出来るかな?』
ガヴリール「まあ3時間くらいなら」
『3時間? それじゃ困るねぇ…。せめて6時間は店に居てもらわないと』
ガヴリール(6時間だと!? そんな働いたら過労死するじゃねぇか!)
ガヴリール「ろ、6時間はちょっと…」
『そうかい? ……それなら5時間は? 悪いけどこれ以上は譲歩できないからさ』
ガヴリール「……まあ、そのくらいなら」
ガヴリール(1時間しか減ってねぇけど、これも金のためだよな…)
『ありがとう! それで週にどのくらい入れるかな?』
ガヴリール「んー」
ガヴリール(一応喫茶店もあるしな…)
ガヴリール「2日以上は嫌ですね」
『週2日か…。わかった、その契約でいこうか』
ガヴリール(ふぅ…。ほんとは週1がよかったんだけどな)
ガヴリール「あの、質問いいっすか?」
『んー? 何かな?』
ガヴリール「ここって何やるとこすか? 自分、ネット見てもわかんなくて…」
『あら、知らなかったの? そうだねぇ…、一言で言うならお客さんの要望に応える仕事かな?』
ガヴリール(どの店でもそうだろ!)
ガヴリール「も、もっと具体的には?」
『具体的に言うとお客さんにマッサージしたり、添い寝したりとかかな』
ガヴリール「はあ!?」
ガヴリール(やばっ! いきなり訳わかんねぇこと言われたからつい口に出ちまった…)
ガヴリール(マッサージはまだわかるけど、そ、添い寝!? そんなことして一体どこの誰に需要があるんだ?)
『あー! 気にしないでいいよ! うちは女性客ONLYだし、勿論、言ってくれたら嫌なことはさせないから!』
ガヴリール「あ、そうっすか…」
ガヴリール(男相手だったらやってられなかったっての)
『細かいことはこれを見てみてよ。嫌なことがあれば、言ってくれたらNGにするからさ』ピラ
ガヴリール「ん、なになに──」
オプション一覧
ハグ 握手 頭なでなで(するorされる) 耳かき
ポッキーゲーム TVゲーム各種
マッサージ(肩・腰・脚・全身) 添い寝(腕枕付き)
その他要望に応じて♡
ガヴリール(マジで添い寝あるし。それにポッキーゲームって…)
ガヴリール(えっと、他には──ん!? ゲームだと!?)
ガヴリール「あ、あの! このゲームっていうのは──」
『あぁそれ? それはうちで貸し出ししてるゲームを、お客さんと一緒に遊んでもらうって意味だよ』
ガヴリール「なん、だと…!」
ガヴリール(ゲームしながら稼げるとか最高じゃん!)
『どうかな? 何か出来ないことある?』
ガヴリール「ないです! ゲームが出来れば何でも!」
『ははっ。ガヴリールちゃんはゲームが好きなのかい?』
ガヴリール「はい! ゲームしてるだけなら1日中働けます!」
『それはちょっと無理だねぇ。ま、出来ないことがなくて助かるよ』
ガヴリール(ゲームゲームゲームゲーム!)
『あ、そうだ。大事なこと忘れてたよ』
ガヴリール「ゲームゲームゲーム……ん?」
『このお店で使う名前を作らなきゃ行けないんだけど、希望とかあるかな?』
ガヴリール(名前? そんなの別に何でもいいんだけど…)
ガヴリール(ま、決めろって言うならゲームで使ってる名前でいっか)
ガヴリール「じゃあガヴリンで」
『ガヴリンちゃんね、わかった。それじゃ早速だけど仕事をしてもらうね。とりあえずはお客さんから指名されるまでは休憩室で待機しててね』
ガヴリール「うい」
サターニャ「ふっふーん! 私は孤高の大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェル! 今日も人間共の調査へ街に繰り出してるわ!」
サターニャ「さてと、今日はどこに行こうかしら…」
サターニャ「昨日は念願のネカフェデビューも果たしたし、私がこの地を統べる日もそう遠くはないわね!」
サターニャ「今度はカラオケとかいうやつにも行ってみたいけど、1人で行くのはちょっと怖い…」
サターニャ「……いや、怖くないわ! た、ただ知ってる曲が少ないだけで、行こうと思えばいつだって行けるわ!」
サターニャ「っと、そんなことをしてる間に知らない道に来ちゃったわ」
サターニャ(ここら辺は薄暗いから敬遠してたのよね…)
サターニャ「でも今日の私は一味違うわ! 知らない場所でも、この崇高な頭脳の前では遊歩道も同然よ!」
サターニャ(……遊歩道の使い方合ってるかしら?)
サターニャ「まあいいわ! それにしても入ったことないお店ばっかりね──」
サターニャ「……ん?」
サターニャ「JKリフレ?」
サターニャ「何かしら、ここ…」
サターニャ(JKは確か女子高生の略よね)
サターニャ(それじゃあリフレは…。リフレ?)
サターニャ(リフレクト? リフレイン?)
サターニャ(いまいちピンと来ないわね…)
サターニャ「うーん…」
サターニャ「あっ!」ピコーン
サターニャ「リフレッシュ!」
サターニャ「そうよ、リフレッシュね! 間違いないわ!」
サターニャ「ここはきっと、女子高生がリフレッシュするためのお店なのよ!」
サターニャ「そうとわかれば、この私も華のJK。ここは人間界での疲れを癒すべく、入店してみるべきね!」
サターニャ「さて、早速入ってみましょう!」カランコロン
『いらっしゃいませ! 予約されていたお客様でしょうか?』
サターニャ「いえ、してないわ!」
『かしこまりました。ではお客様のお名前よろしいですか?』
サターニャ「胡桃沢=サタニキア=マクドウェルよ! あなたは?」
『…? 胡桃沢様ですね。あ、私はうかみと申します』
サターニャ「ふーん。よろしくね」
『あ、はい…。当店のサービスはご存知ですか?』
サターニャ「知らないわね。教えて頂戴!」
『かしこまりました。当店はお客様に出勤しているキャスト1名とコース、後はオプションを選択して遊んで頂くことになっております』
サターニャ「ふむふむ」
サターニャ(キャスト? コース? よくわからないわね)
『ご希望されるコースはお決まりでしょうか?』ピラ
サターニャ「どれどれ…」
注文表
スタンダードコース 30分 5000円
プリンセスコース 45分 6500円
エンジェルコース 60分 7500円
デビルコース 120分 13000円
サターニャ(高っ!? 何よここ! マッサージ屋さんってどこもこんなモノなのかしら…)
サターニャ(初めてだから相場がよくわからないわ…)
サターニャ(それにしてもデビルコースか…。大悪魔の私にとって相応しいコースだけど──)
サターニャ(お金がなあ…)
『申し遅れましたが、只今の時間、デビルコースをご案内できるキャストが新人のみとなっておりまして、こちらは指名料無料の2000円OFFとさせて頂いております』
サターニャ「ほんと!?」
サターニャ(それじゃあデビルコースが1番お得ね!)
サターニャ「じゃあデビルコースでお願いするわ!」
『かしこまりました。オプションはどうなさいますか?』
サターニャ「お、オプション?」
サターニャ(なにそれ)
『はい。デビルコースは全身マッサージがサービスでついておりますが、その他のオプションを選んで頂くことになっております』ピラ
サターニャ「ふ、ふーん」
サターニャ(そういえばさっき言ってたような…。11000円も払ったら、もうほとんどお金ないのに…)
『どうなさいますか?』
サターニャ「うーん…」
サターニャ(とりあえずオプションとやらの一覧を見てみましょう)
オプション一覧
握手 ハグ 頭なでなで(するorされる) 耳かき
一律1000円
ポッキーゲーム TVゲーム各種
一律1500円
マッサージ(肩・腰・脚) 添い寝(腕枕付き)
一律2000円
全身マッサージ
4000円
その他要望に応じて♡
サターニャ「はあ!?」
サターニャ(ハグ!? そ、そそそそれに添い寝って何!?)
サターニャ(ここ普通のマッサージ屋さんじゃないの!?)
サターニャ「こ、これって何か選択しないといけないのかしら?」
『最低3つはお付けして頂くことになっております』
サターニャ「へ、へぇ…。ち、ちなみにこの、その他要望に応じてって何かしら?」
『そちらはお客様がご要望することで、キャストがNGを出さなければ別途対応させて頂く内容のことです』
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