お嬢様「一般・・・教養・・・ね」(10)
~教室~
男「・・・くかー」
お嬢様「・・・・・・」チラチラポチポチ
女「どうしたの?お嬢様ちゃん?」
お嬢様「ふぁ!?な、なによ?!急に話しかけないでよ!」
女「あ、男君また寝てる・・・何しに学校に来てるんだか・・・」
お嬢様「え、えぇ!本当に!あいつはなにしに学校に来てるんだか!」
女「まぁいろんなバイトしてるらしいから眠いのもしょうがないんだろうけど」
お嬢様「ふん・・・庶民の考えることはよくわかんないわね」
~お嬢宅~
お嬢様「メイドさん、これ拡大コピーして後で私の部屋に持ってきて」
メイド「お嬢様・・・また男さんのお写真ですか?」
お嬢様「「また」ってなによ「また」って」
メイド「・・・印刷した写真をお嬢様の部屋に何度お運びしたかご存知ですか?」
お嬢様「今日はこれが初めてじゃない」
メイド「今日の話ではありません。累計の話です」
お嬢様「そんなの覚えてないわ」
メイド「・・・それほどまでに男様が好きなら本人とお話しするなりコミュニケーションを直接取ればいいではありませんか」
お嬢様「・・・」
メイド「このような超高性能小型カメラを作らせる暇があるなら話しかけることのほうがよっぽど早いではありませんか」
お嬢さま「うぐ・・・」
メイド「しかも毎日おとりになる写真もすべて男さんが机に突っ伏して眠られている写真のみ・・・」
お嬢様「うぐぐ・・・」
メイド「これではストーカー行為と何ら変わりませんよ」
お嬢様「そ、それは一般階級の戯言よ!お金持ちは何をしたって許されるのよ!」
メイド「お金持ちにも法はちゃんと適用されます。罪に問われるのです」
お嬢様「じゃあどうしたらいいのよ!男君にプリント渡す時だって緊張してガッタガタ手が震えるくらいなのに!」
メイド「後ろに渡すだけなのに・・・男さんは神か何かなんですか?」
お嬢様「はっ!そうよ!私にはお金っていう何にも勝るポテンシャルがあるじゃない!」
メイド「・・・」
お嬢様「こうなったらこれを友好的につかって男君を・・・」
メイド「・・・」
お嬢様「な、なによその目は・・・」
メイド「どうやらお嬢様には一般教養が足りないみたいですね」
お嬢様「・・・?失礼ね。これでも成績はいつも上位にいるじゃない」
メイド「そちらの一般教養ではありません。「一般人としての教養」が欠けているといったのです」
お嬢様「一般人としての・・・教養?」
メイド「一つお聞きしますが、男さんにプレゼントを贈るとします。お嬢様は何をお渡ししますか?」
お嬢様「そ、それは・・・男君が好きなものを特注で作らせて渡すわ」
メイド「それです」
お嬢様「・・・?」
メイド「そもそもにして好きな人に渡すものに対してあなた自身の行動が全くありません」
お嬢様「な、なんでよ!作らせるのと渡すのはわたしじゃない!」
メイド「では重ねてお聞きしますが、男さんからプレゼントをいただくとして」
お嬢様「男君から・・・」
メイド「男さんがお嬢様のために悩んで選んでくれたものとその辺で適当に買ってきたものどちらがうれしいですか?」
お嬢様「・・・どうかんがえても前者ね」
メイド「お嬢様は全ての物事をお金の力で解決しようとするところがあります。そこをまず第一に直しましょう」
お嬢様「ど、どうするっていうのよ?」
メイド「まずはこの超高性能小型カメラは没収します。」
お嬢様「なっ!?」
メイド「カメラはご自身の携帯電話にも搭載されてます。今後男さんの写真は自身の携帯電話で撮ってきてください」
お嬢様「そんなことしたら写真を撮ってるのがバレるじゃない!」
メイド「もうその考え方からしてストーカーの考え方に近いのですが・・・」
お嬢様「返しなさいよ!」
メイド「・・・男さんと仲良くなりたくはないですか?」
お嬢様「・・・!」
メイド「写真ではなく直接本人とお話ししたりしてみたくはないですか?」
お嬢様「・・・・・・うぅ」
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