八幡「そうだ、雪ノ下に告白しよう」(102)

海老名「じゃ、そういう事だから修学旅行でもおいしいの期待してるから」

海老名「よろしくね、ヒキタニくん」

比企谷「…おーう」バタン

雪ノ下「…何だったのかしら」

比企谷「さぁな、分からん」

比企谷「…………」

>>1
修学旅行中にねw

~修学旅行1日目夜~

比企谷(…どうしてもあの言葉が引っかかる…)

比企谷(あからさまに避けてた訳じゃないが新幹線の席とか避けようのある場所だと距離は取ってた…)

比企谷(何故か葉山も積極的じゃない…っていうか若干引きつってたよな…)

比企谷「可能性としては無くはない、か…」ゴシゴシ

材木座「いい湯だな!八幡よ!」ザブン

比企谷「とりあえずダイブして水飛ばすのやめろ」

スタスタ…

八幡「ん、来たか」

由比ヶ浜「何々、いきなりエマージェンシーって」

雪ノ下「緊急事態という事よ由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「だから知ってるってば!」

八幡「就寝時間まで時間がない。手短に話すぞ」

八幡「戸部の告白についてだがアレは無しだ」

由比ヶ浜「ええ!?ちょっ、ええ!?」

雪ノ下「いきなり呼び出しておいて何を言い出したかと思えば…」

雪ノ下「1度受けた依頼を放棄するなんて許される訳無いでしょう」

八幡「まぁ聞け、それもそうなんだがそうするともう1つの依頼が出来なくなるんだよ」

由比ヶ浜「もう1つ?」

八幡「海老名姫菜の依頼だよ」

由比ヶ浜「依頼って…姫菜、私達になんか頼んでたっけ」

雪ノ下「意味深に去っていった事しか記憶に無いのだけれど」

八幡「要するに海老名さんは戸部の告白を阻止してくれって遠回しに伝えたかったんだよ」

八幡「まぁかなり無茶な話だが」

由比ヶ浜「嘘!?で、でもなんで姫菜が知って…ってか阻止って脈なしって事!?」

八幡「戸部にとっては苦な話だがまぁそういう事になるな」

雪ノ下「…それなりの根拠があって言っているのよね、それは」

八幡「ん…まぁな」

八幡「今朝由比ヶ浜が席を指定した途端慌てて自分から戸部を遠ざけようとしていた事」

八幡「葉山が戸部の告白を快く思ってなかった事」

由比ヶ浜「え?でも来た時そんな感じしなかったけど」

雪ノ下「…いえ、それに関しては私も少し違和感を持っていたわ」

雪ノ下「一応、私達に相談しに来る時に彼に付いてきた時点で協力はしているのでしょうけど…」

八幡「あまり気乗りな感じでは無かったよな」

八幡「あいつが海老名さんと既に付き合っていたからか或いは…」

八幡「先に海老名さんに相談されてたりな」

由比ヶ浜「うーん…あり得なくはないかも…」

八幡「そして何より俺達にではなく、俺に頼んだってのが1番の肝だ」

雪ノ下「成る程肝ヶ谷君ならばそんな汚れ役を請け負ってくれると確信しての一言だったのねアレは」

由比ヶ浜「なるほど!」

八幡「おうそこだけ理解が早くして助かるぜ」グスッ

由比ヶ浜「…でもつまりそれってヒッキー個人に頼んだ事なんだよね?」

由比ヶ浜「私達に言っちゃって良かったの…?いや言って欲しかったけど」

八幡「まぁな、なるべく俺1人で穏便に済ませたかったが…」

雪ノ下「………」

八幡「言わなきゃ誰かさんにこってり絞られそうだったからな」

雪ノ下「…まぁ、下衆ヶ谷君のやる事は目に見えてるし、海老名さんも恐らく同じ事を望んでいるのでしょうけど」

雪ノ下「もはやそれは下衆などという言葉を使えるレベルではないという事を理解しているのかしら、比企谷君」

比企谷「…」

雪ノ下「言っている意味分かるわよね」

比企谷「…ああ、理解ってる」

由比ヶ浜(えっなにわかんない)

比企谷「真っ先に思いついたがまぁ、俺自身の尊厳にも関わってくるし?」

比企谷「こうして豚見るような目で見られるのは目に見えてたからな」

雪ノ下「失礼ね、今の貴方と同等に並べられている全世界の豚さんに謝りなさい」

比企谷「いやそういう問題じゃなくない?」

雪ノ下「…でも、貴方の事だからちゃんと別の手段を考えてきたのでしょう?」

雪ノ下「それで、私達に確認を取っている」

雪ノ下「或いは協力を求めている」

雪ノ下「そうでしょう?」

比企谷「…おう」

雪ノ下「……本当はもっともっと貴方に言いたい事が山程あるのだけれど」

雪ノ下「今回は踏みとどまってちゃんと私達に相談したから、許してあげる」

比企谷「おう、助かる」

由比ヶ浜「………」

由比ヶ浜「で!結局どうするの?」

由比ヶ浜「さっきから全然話見えないんだけど」

八幡「そうだな、本題に入ろう」

八幡「いいか、戸部と海老名さん、この矛盾した両方の依頼を遂行するには2つ方法がある」

八幡「1つ、俺が海老名さんに告白する」

由比ヶ浜「○¥$☆€%#〒々!?」

由比ヶ浜「ばっ…馬っ鹿じゃないの!?ヒッキー!どうしてそうなるの!?」

八幡「俺が戸部が告白する直前に告る。簡単な話だろ」

由比ヶ浜「いやいやいや!振られた後戸部っちが告白するだけじゃん!なんも解決してないよね!?///」

雪ノ下「ちょっと落ち着きなさい由比ヶ浜さん」

八幡「…まぁそれはアレだ。『今は誰とも付き合う気はないんです~』とか言って告白する前に振るんだろ」

八幡「そうすりゃ大事になる前に諦めてくれる」

由比ヶ浜「で、でもそれじゃヒッキーが…」

八幡「馬鹿野郎、俺はぼっちだからダメージがほぼ無い上にそういうの経験済みだわ」

八幡「もう何も怖くない」ガクガク

由比ヶ浜「ビビってんじゃん!」

由比ヶ浜「とにかく駄目!絶対に!駄目!///」

雪ノ下「まぁ由比ヶ浜さんがどうしてここまで動揺するのか少し分かりかねるのだけれど」

雪ノ下「それにしてもあまり褒められた手段では無いわね」
八幡「だな、知らない奴ならまだしも告白の手伝いしろって言われた奴が横槍入れるのはな」

雪ノ下「何より、貴方が今まで否定してきたモノを肯定してしまう訳なのだから」

雪ノ下「誰が許しても私は絶対許さないわ」

八幡「へいへい」

由比ヶ浜「えーっと…じゃあそ路線は無しで…」ホッ

由比ヶ浜「もう1つの方法ってのは?」

八幡「まぁ…そうだな」ポリポリ…

八幡「コレまた似たような方法なんだが…」

雪ノ下「………」

由比ヶ浜「………」






八幡「俺が雪ノ下に告る」

八幡「で、お前が振る」

八幡「どすか」

雪ノ下「」

由比ヶ浜「」

ごめん途中から八幡になったわ
八幡と比企谷どっちがいい…?

由比ヶ浜「……ゑゑ~っ!?」

由比ヶ浜「ちょっ…ヒッキー!自分が今何言ってんのか分かってんの!?」

八幡「いや分かるも何も言った通りなんだが」

由比ヶ浜「さっきのも意味不明だったけど今のはもっと酷いよ!」

由比ヶ浜「ほらゆきのんだってフリーズしてんじゃん!」
雪ノ下「」パクパク

八幡「まぁまぁ落ち着け。別にふざけてるとかじゃなくてちゃんとした理由があるんだよコレは」

八幡「さっきの方法だと若干戸部にダメージが行くが、コレならそれも防げる」

由比ヶ浜「どう言う事だし…」

八幡「例え話をしよう」

八幡「由比ヶ浜、お前には好きな人が居たとして旅行中に告白しようとしました」

由比ヶ浜「えっちょっ…なんっ…え!?///」

八幡「ですが告る直前にあーしさんが葉山に見事突撃して見事に玉砕されました」

由比ヶ浜「勝手に好きな人指名されて勝手に殺されてる!?」

八幡「ま、そうすると当然お前は励ますだろ?」

由比ヶ浜「えっ…ま、まぁそりゃね…」

八幡「はいそんな空気の中お前は告白できますか?」

由比ヶ浜「えぇ!?///…うーん…」

由比ヶ浜「確かにやり辛いかも」

八幡「だろ?自分も同じように失敗するかもしれないなんて恐怖に襲われる」

八幡「増してや成功してもいたたまれない空気に押しつぶされる」

八幡「少なくとも周りから祝福されるような行動じゃない」

由比ヶ浜「…でもそれって知り合いとか友達の話だよね?」

由比ヶ浜「ヒッキーでそれやって効果あるの?」

八幡「ま、悪い意味で知名度高いからな俺は」

八幡「何かしらの影響はあるだろ」

八幡「それにここで重要なのなら俺が告る事じゃない」

八幡「雪ノ下が振る事だ」

八幡「俺が適当にそこら辺の奴に告白した所で大した話題にもならないだろ」

八幡「そこでお前の出番だ、雪ノ下」

由比ヶ浜「ま、まぁ確かにゆきのんの情報ならすぐに伝わるかも…だけど」

八幡「葉山達にやっても葉山達にしか影響無いからな」

八幡「それでも充分だがなるべく多方向から圧力をかけていきたい」

雪ノ下「」ボーッ

由比ヶ浜「で、でもでもいきなり告白するとか色々おかしいと思うんだけど!?」

八幡「別に何もおかしかないだろ」

八幡「同じ部活に入ってて一緒に過ごしてたらいつの間にか惹かれてました~とかいくらでもあり得るだろ」

由比ヶ浜「~///」

由比ヶ浜「何そんな事恥ずかしげも無く言えるの!?ヒッキー!」

由比ヶ浜「キモい!死んじゃえ!」

八幡「今俺引かれるような事言った?」

由比ヶ浜「言われたよ!」

由比ヶ浜「さりげなくグッと惹かれちゃったよ!」

八幡「えぇ…」

八幡「とまぁこんな感じなんだが」

八幡「どうだ?雪ノ下」

雪ノ下「…」
雪ノ下「」ハッ
雪ノ下「」フルフルッ

雪ノ下「そ、そうね。さっきの案よりは幾分マシに思えたわ」

雪ノ下「コレなら誰も傷つかない…というか」

八幡「じゃ、そういう事で」クルッ

雪ノ下「あっちょっと…」

八幡「一応海老名さんにもそれとなく伝えて話し合わせておくから」

八幡「頼むぞ~」スタスタ…

由比ヶ浜「…行っちゃった」

由比ヶ浜「えっと…」チラッ

雪ノ下「……」

由比ヶ浜「…大丈夫?ゆきのん」

雪ノ下「…え、えぇ?どうかした?由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「……いや、なんでもない」

雪ノ下「そう…それじゃ、私も部屋に戻るから…」

雪ノ下「明日、念の為下見はしておきましょう」

雪ノ下「戸部君がどうするかはとどのつまり彼自身が決める事なのだから」

由比ヶ浜「う、うん…そうだね」

由比ヶ浜「じゃあ…また明日、ゆきのん」

雪ノ下「…」

八幡(…これで良い)

八幡(雪ノ下は俺に好意など微塵も抱えてない)

八幡(かくいう俺もだ)

八幡(これなら誰も傷つかない)

八幡(…まぁ関係の継続っていうと結局本質は同じ事やってるだけなんだが)

八幡(雪ノ下も納得してたみたいだしいいだろ…)

八幡(……いい筈なんだが…)

八幡「なんか、もやもやするなぁ」

戸塚「zzz…」

戸塚「はちまぁ…」

八幡「………」

八幡(とつかわいい)

雪ノ下「」モゾモゾ

雪ノ下「」ゴソゴソ

「雪ノ下さん、眠らないんですか?」ボソボソッ
雪ノ下「」ビクッ

雪ノ下「えっ…ああ…もうすぐ寝る所よ」

(もう日跨いでるんだけどなぁ)
(雪ノ下さんって案外夜更かしする人なのかしら)

「もしかして寝付けないんですか?」

雪ノ下「えぇ…まぁ…」

雪ノ下「そうとも言えるしそうでないとも言えるわ」

「???」
「もしかして告白されちゃいました!?」ズイッ
雪ノ下「」ビクッ!

「ちょっ…雪ノ下さんに限ってそんな事ある訳ないでしょ!」

「また修学旅行1日目よ!?」

「えーでもなんかさっき帰ってきてから時々顔真っ赤になってるし…」
雪ノ下「」グサッ

「見る度にちょっとにやけてるし…」
雪ノ下「」グサグサッ

「さっきから貴方ねぇ…仮にそうだとして、あの雪ノ下さんが動じる訳が…」チラッ

雪ノ下「///」カァァァ
雪ノ下「」モジモジ

(…あら?)
(あらあら?)ドキドキ…

雪ノ下「…コレは私の友人の話なのだけれど」ファサッ
(唐突に始まった)

雪ノ下「彼女の友人…男の子ね、がその友人が好きな人に告白をしたいから手伝って!って頼まれたのだけれど」

雪ノ下「その友人が告白したい人っていう娘が友人に告白するのを止めて欲しいとも頼まれてしまったのだけれど」

雪ノ下「そこでさっき言った私の友人の娘の友人の男の子が彼女に告白して振られて告白を断念さざるを得ないムードにすりゃいいんじゃねーのって支離滅裂な事を言い出したらしいの」

雪ノ下「…理解できてる?」
「「あぁ…は、はい」」

雪ノ下「で、どう思う?」

「どう…とは」

雪ノ下「なんというか…彼女はその…彼に好意を寄せてるとか…そういう訳では無いのだけれど」

雪ノ下「その提案をされた時、むず痒い感覚に襲われたらしいのよね」

雪ノ下「それって一体どういう事なのかしら…」
「そりゃ雪ノ下さんアレですよほら恋
「むごっ」ゴッ

「あ~まぁなんとなく気持ちは分かります」グイグイ
<ン~!

「た、多分アレですよほら!仮にも告白される身じゃないですか!」

「何というか…手段にモラルが無いというか…」
雪ノ下「うん」

「ほら、乙女の純情を踏み躙ってる感がありません!?」
雪ノ下「うんうん」

「ちょっとイラッときたりしたのではないでしょうかね、その娘!」
雪ノ下「何故か分からないけど不思議とそういったマイナスの感情は抱かなかったと言っていたわね」

「「」」

(これガチな奴じゃん…)

(擁護できないやつじゃん…)

(恋に堕ちちゃってるヤツじゃん!)

(でも一体誰が…?あの氷の女王と呼ばれる位の彼女をここまで骨抜きにしちゃうなんて…)

「それ言ってきた男の子って誰ですか?」

「もしかして葉山君とか?」

雪ノ下「誰があんな偽りの塊と契りを交わすものかしら恥を知りなさい」

「「えぇ…」」

「じゃあ一体誰なんですか!?」

雪ノ下「そ、そうね…」コホン

雪ノ下「流石に特定できるような情報を漏らしたら彼も困るでしょうし…」

雪ノ下「敢えて言及するなら…」オドオド

「「……」」ゴクリ

雪ノ下「く、腐った魚ような目つき…かしら///」

「腐った魚…」

「みたいな目…」

「「???」」

雪ノ下「ま、まぁ腐った魚というのはただの比喩で実際は少々醜いクマができているだけなのだけれどそこがまたみりょ…じゃなくてまぁ顔自体は普通なのだけれどね?自分らしさを曝け出していると言えばいいのかしら?とにかく彼の顔は他者のそれとは常軌を逸しているのよ。それと筋肉ね。見た目はもうヒョロガリのもやしそのもので美的要素のかけらも無いなのだけれど実は
「はいストップストップ雪ノ下さん落ち着いて」

雪ノ下「コレはアレよね?彼が目に余る程の異常な体質をしているせいで視界に入らざるを得ないだけであって」

雪ノ下「私が恋愛感情を抱いてるわけではないのよね!?///」
「駄目だもう誤魔化す気無いよこの人」

「雪ノ下さん!駄目ですよ!」

「自分の本当の感情を屁理屈つけて抑え込むのは!」

雪ノ下「っ///」

「他人に興味を持たれない人から魅力を見出すって凄い事だと思いますよ?」

「多分好きな人じゃないとできないと思います!」

雪ノ下「いや…だから私は…彼の事をそんな…」カァァァ…

「背けちゃ駄目です!自分の気持ちに素直にならなきゃ!」

「それがあなたの【本物】なんでしょ!?」

雪ノ下「…………」

雪ノ下「……そうね、そうよね」

雪ノ下「彼の気持ちが嘘であっても」

雪ノ下「それは私が偽っていい理由にはならないわよね」

「「……///」」

雪ノ下「私…伝えるわ」

雪ノ下「私の【本物】を彼に…」

八幡「……」ザワザワ…

八幡(なんかやけに朝から騒がしくありませんかねぇ…)

八幡(…修学旅行なんだし最初の朝は皆こんなテンションか)モグモグ…

由比ヶ浜「」ボーッ

八幡「…何キメたような顔してんだ由比ヶ浜」

由比ヶ浜「」ハッ

由比ヶ浜「な、何ヒッキー!?なんか言った!?」

八幡「え、いや何も…」

八幡(何この子…)

由比ヶ浜「はぁ…そう」

八幡「モブ達とは打って変わってお前はテンションダダ下がりだな」

八幡「どうした」

由比ヶ浜「…なんでもないし」

八幡「それ12割方なんかあるパターンだろおい」

由比ヶ浜「何でもないって言ってんじゃん!ヒッキーのバカ!たらし!」
八幡「たら…えぇ…?」

八幡「…」

戸塚「あれ?八幡、雪ノ下さんと由比ヶ浜さんは?」

八幡「分からん。なんかちょっと野暮用だと」

八幡(由比ヶ浜はなんか様子がおかしかったし…雪ノ下に関しては昨日話してから1度も顔を合わせてない)

八幡(なるべく今日中に嘘告白大作戦!したいんだがな…)

戸塚「そっか…じゃあ、一緒に映画村周ろっか」キラキラ…

八幡「はい」

川崎「…………」

~お化け屋敷~


ゴォォ…

川崎「」ガクガク

戸部「っべぇよ…マジヤッベェよヒキタニ君…」ギュッ

八幡「おい保護者はどうした保護者は」

戸部「なんか頭を冷やしに行くべ~みたいなノリで別れちゃったんすよ~」ガクガク

八幡「で、あーしさんもそれについていったと」

八幡「この班の人達身勝手すぎねぇ…?」

八幡「戸塚は意外と耐性あるんだな」

戸塚「まぁ全く驚かないって事はないけどね」

戸塚「怖いっていうより面白いの方が大きいかな」

<ぐ腐腐っ
川崎「」ビクッ!

川崎「~!」ダダダッ

八幡「ああ…おい待て逆走してんぞ…」

海老名「ヒキタニ君が戸部っちと戸塚君にサンドイッチされてる…」

海老名「両手に薔薇!よいではないかよいではないか~」ブボッ

八幡「……とりあえずそこの2人任せたわ戸塚」ダダッ

戸塚「あっうん…いってらっしゃい」

川崎「あぶ」ドサッ

川崎「いてて…?」

川崎「皆…どこ行ったの…?」キョロキョロ

八幡「オメーがどこ行ってんだよ…」ダダッ

川崎「っ!?」クルッ

川崎「ひ、比企谷…」

八幡「ほら、皆待たせると悪いだろ」スッ

川崎「………」

川崎「っ…」スッ…

川崎『…』モグモグ…

『ねぇねぇ聞いた!?雪ノ下さん告られたって!』

『しかもなんか脈アリっぽいよ!』

『誰かな~!?』

ザワザワ…

川崎『…』



川崎「…いいよ、1人で立てるし…」

八幡「ん、そうか」

川崎「…先行くから」スタスタ…

八幡「あっ…おい」

川崎「……」

川崎「比企谷の嘘つき」ボソッ

川崎「えぐっ…ひぐっ…」グスッ

戸塚「……で、そこからどうやってこうなったの?」

八幡「どうも何も独走し始めたと思ったらまた暴走し始めるもんだから抑えつけて連れてきたんだよ」

八幡「最後ら辺腕に痕付く位しがみつかれたぞ」ズキズキ…

川崎「怖がったよ゛」ダキッ

海老名「はいえらいえらい」ナデナデ

戸部(裏山)

八幡「…あいつらはまだ帰ってこねぇのか…?」

八幡「結局あいつら昼飯まで戻って来なかったな…」

八幡(1回連絡入れてみるか…?)カシュ

八幡(いやあいつらの連絡先知らねえわ俺…)ゴクゴク…

海老名「ヒキタニ君、お疲れ様」

八幡「ん、やっと落ち着いたか」

海老名「うん、今はぐっすり戸塚君の膝枕堪能してるよ」

八幡「何!?戸塚の膝枕…」

八幡「じゃなくて俺はお前の方も含めて聞いてたんだが」

海老名「ぐ腐腐」

八幡「ってかぐっすりって気絶してんじゃねぇかそれ」

八幡「全く忙しねぇな」ゴクゴク

八幡「…そういえば海老名さん、この間の件についてだが…」

海老名「あっ…そうそう、私もその話しようと思ってたんだよね」

八幡「?あぁ…はぁ」

海老名「いや~想定とはちょっと違ってたけどびっくりしたなぁ」

海老名「ヒキタニ君も目つきによらず案外肉食系だね!」

八幡「目つきじゃなくてそこは見た目って言う所じゃねーの………」


八幡「…え、お前今なんて言った?」

海老名「やだな~惚けちゃって!聞いてるよ」

海老名「雪ノ下さんに告っちゃったんでしょ?ヒキタニ君」

八幡「」

八幡「待て待て待て」

八幡「そんな話ミジンコもしてねぇぞ」

海老名「今朝から話題沸騰中のとれたてホヤホヤトレンドちゃんだよ」

八幡「ヒキッターにはそんなトレンド検索しても出てこないよ!」

海老名「なんか雪ノ下さん本人から聞いたっぽいから間違いではない筈なんだけどね」

八幡「いや…確かに提案はしましたけど…」

八幡「おかしい…何か番狂わせが起こってるぞ…」

海老名「?…まぁとりあえず後はこっちでどうにかするから」

海老名「ありがとね、ヒキタニ君」

八幡「お、おう…」

八幡「…どういう事だってばよ」

スタスタ…

八幡「…!」

雪ノ下「ごめんなさい、色々と勝手してしまって」

雪ノ下「用件は無事済ませたわ」

由比ヶ浜「…」ニコニコ

三浦「…」ムスー

葉山「」

八幡「…色々とこの状況の説明を求めたいんだが…」

雪ノ下「私は由比ヶ浜さんと話していただけよ。そこの2人は途中出会しただけ」

雪ノ下「詳しい事は、また後で」

雪ノ下「先に皆の所へ謝りに行くから」

八幡「え…おいちょっ…」

八幡「……」チラッ

「「「………」」」

八幡(ラスボス並の威圧感を感じる…)

由比ヶ浜「ヒッキーごめん!ゆきのんと一緒に別行動取っちゃって!」ペコッ

八幡「あーいや…もうそれはいいわ」

八幡「それより話って…何の話だ?」

八幡「依頼の件なら俺だって混ざるべきだろ」

由比ヶ浜「それ…その…アレだから!」

由比ヶ浜「女と女のお約束ってヤツ!?」

八幡「いやおまお約束って…」

由比ヶ浜「とにかく!そういう事だから!」

由比ヶ浜「……あたしさ、その、色々頑張るから!」

由比ヶ浜「ヒッキーも色々頑張って!」

八幡「えっあっ…お、おう?」
タタタッ

八幡「あっおい!全然説明になってねぇだろ…」

八幡「…………」

「「……」」ゴゴゴ…

八幡「うわ…こんなの後2人も相手にしなきゃいけねぇのかよ…」

三浦「はぁ?別にあーしはアンタと喋る理由は無いし?」

三浦「ま、ヒキオの態度には顔面ミンチにしてやりてー位にはツッコミ所あったけど」

八幡「ミンチ?は?俺が?お前に?」

三浦「は~なんで結衣がこんなもやしに惚れた挙句振られなきゃならないのかね…」クシャクシャ

三浦「おまけに無自覚だから尚更タチ悪りーし」

八幡「お前さっきから自分で言ってる意味わかって言ってる?それ…」

三浦「相手の言ってる事も理解できねぇ奴からそんな台詞吐かれたくねーよ」

三浦「あーマジ気分最悪だわ~」スタスタ…

八幡「だから説明になってねぇだろって……」

八幡「………いや、鮮明に説明してくれてはいたな…」

葉山「…ま、彼女なりの優しさだよ、許してやってくれ」

八幡「………俺はお前を許してくれる気あんの?」

葉山「……」

葉山「…まずなんで俺がヒキタニ君を許す許さないみたいな話になるのか、よく分からないけどな」

八幡「いやいやお前この流れで無関係ってシラ切れる方がすげーよ」

葉山「……まぁ、そうだね」

葉山「確かに、少なからず気はあった…だろうね」

葉山「それよりも…」

葉山「君のやり方が何より気に食わなかった」

八幡「…」

葉山「優美子じゃないけど…正直な話」

葉山「今朝出会い頭君を殴ろうとか思ったよ」

八幡「………」

葉山「…でも、なぁ…」

葉山「……………」

葉山「比企谷君」

八幡「?」

葉山「とりあえず、ありがとう」

葉山「とだけ言っておくよ」

八幡「……殺意湧いたり感謝したり忙しいな、お前」

葉山「本当にね」

葉山「なんというか…色々疲れた」

八幡「…じゃ戻ろうぜ」

八幡「皆待ってんぞ」

葉山「そうだね」

葉山「こんな時くらい、羽伸ばさないと…な」

スタスタ…


八幡(俺は確かに…変化を拒んだ)

八幡(偽物を肯定した筈だ)

八幡(……いつの間にか俺はしてはならない事をしでかしたらしい)

八幡(噂が噂を呼んで、ありもしない事を大衆に列挙されていった結果)

八幡(俺が雪ノ下に告白したものの、答えは保留…という結論に収まった)

八幡(らしい…よく分からん)

雪ノ下「そういう訳だから、後は今夜私が貴方を華々しく拒絶すれば依頼は完了ね」

八幡「おうそうだなそういう予定だったんだかな」

八幡「なんだそういう訳って全然頭がついていかんぞ」

八幡「結局居なくなった理由も説明してくれてねぇし」

雪ノ下「だから2人で京都限定のパンさんグッズ巡りをしてたって言ったじゃない」

雪ノ下「そのついでに告白スポットを探していただけよ」

八幡「優先順位逆じゃない?」

八幡「ってか俺は?なんで俺省いたの?」

雪ノ下「相手が気に入るかどうかの問題なのだから女子じゃないと参考にならないに決まってるでしょう」

雪ノ下「まぁ貴方の場合それ以前の問題なのだけれどね、谷の外君?」

八幡「谷を最初に持ってくるパターンは初めてだなオイ」

八幡「っていうかもうこんだけ大騒ぎされてるんならわざわざもう1回悪目立ちする必要無ーんじゃねーの」

八幡「何というか、肝心の問題は9割方解決してるように見えるんだが」

雪ノ下「どういう事かしら」

八幡「…」モヤモヤモヤ…


戸部『や~にしてもマジビビったわ~』

戸部『ってか超意外すぎね?』

三浦『あんたその話題いつまで続けんの…』

戸部『ってパなくね?あのヒキタニ君がだべ?』

葉山『まだそうとは決まってないけどね…』

葉山『この噂自体、色々曖昧な情報が多いし』

戸部『や~でもアレだわ、背中を押してくれ…もといテンションマジでアゲさせてくれるわ~』

戸部『俺らも乗るしか無いべ、このビッグウェーブに』キリッ

戸部『なんつって』<ダハハハ

三浦『ま、このバカノリに便乗して凸るアホも出るかもね~』

戸部『』グサッ

三浦『海老名もアレじゃん?色々と危ないんじゃない?』チラッ

海老名『え~まーそーだねー』チラッチラッ

海老名『私はそういうノリには乗りづらいっていうか~』

戸部『』グサッ

海老名『正直~?今誰かと付き合うって気分じゃない?みたいな~』

戸部『』グサッグサッ

葉山(あからさま過ぎる…)


八幡「とまぁこんな会話をちらっと聞いた」

雪ノ下「なんというか…戸部君は巡り合わせが悪かったとしか言い難いわね」

八幡「だからその…もう熱り冷めるまで大人しくするだけでもいいんじゃねーの?」

雪ノ下「そういう訳にもいかないでしょう」

雪ノ下「戸部君がまだ諦めたという確固たる証拠も無いのだし」

雪ノ下「今ここで告白するのはまずいという場に持ち込まなければいけないわ」

雪ノ下「それにまだ仮想告白自体も成立してないのにこんな突拍子も無い話を広められても、後味悪いじゃない」

八幡「その突拍子も無い噂を流した張本人が言うかね…」

雪ノ下「な、何故私がそんな下らない話を流したなんて断定するのかしら」

八幡「いやバッチリ聞いてるから、海老名さんからソースお漏らしされちゃってるから」

雪ノ下「………」ファサッ

雪ノ下「とにかくダメ、嘘告白は決定事項!」

雪ノ下「以上!」

八幡「軽くキャラ崩壊してんぞお前…」

雪ノ下「崩せる特徴も無い貴方に言われる筋合いは無いわ、無個谷君」

八幡「へいへいそうかい」

雪ノ下「………それとも」

雪ノ下「私に好意を伝えるというのは死ぬ程嫌かしら」

八幡「……」

雪ノ下「…」

八幡「…別に」ポリポリ

八幡「そんな事ねーよ」

雪ノ下「そう…それが聞けて安…」ホッ

雪ノ下「」ハッ

八幡「」ニヤニヤ

雪ノ下「史上稀にない気持ち悪いにやけ方ね」

雪ノ下「は、恥を知りなさい」スタスタ…

八幡「……」

八幡「別に馬鹿にした訳じゃなくて可愛いから微笑んだだけなんですけどねぇr

八幡「ホテルにこんな所あったんだな」

雪ノ下「ここなら人目も付かないし趣もあって絶好の場所でしょう」

八幡「人目の付かない…ねぇ」

八幡(プロのぼっちセンサー舐めるなよ)

八幡(さっきから鼻息荒かったりコソコソ話してる奴らの声ちゃんと聞こえてるからな)

雪ノ下「じゃあ….始めましょうか」

八幡「…」

雪ノ下「…」

八幡「………」

雪ノ下「…何か言ってくれないと始められないのだけれど」
八幡「え、俺が告る所から始めんのコレ」

雪ノ下「当然でしょう」

八幡「えぇ…」ポリポリ

雪ノ下「ほら、早くしなさい」

雪ノ下「ギャラリーが退屈してしまっているじゃない」

八幡(一世一代の大告白の割にはなんか扱いが雑じゃね……)

八幡「…えー」コホン

八幡(「……雪ノ下」

八幡「お前の事が好きだ」

八幡「俺と付き合ってください」

川崎「~///」(壁

戸塚「!!」(壁

葉山「…っ」(壁

三浦(あいつマジで…)(壁

材木座「ほほ~!?」

海老名「ひょひょー!?」

八幡(やべ、気張って変に熱込めちまった)
八幡(今のは普通に敬語で良かったろ~)
八幡(八幡的に今の台詞ポイント高いけど状況的に低いよ~)
八幡(後で絶対恥ずかしくなるやつじゃないですかやだ~)

八幡「………」

雪ノ下「……そう、ね」

雪ノ下「残念だけどら私は貴方とは付き合えないわ」

八幡「…そうか」

八幡(…あー終わった!良かった!帰ろう!今すぐ帰ろう!)クルッ

八幡(早く戸塚に会って疲れw
ガシッ

八幡「あぅぇ!?」グイッ

雪ノ下「……」






雪ノ下「私が欲しいのは彼氏じゃなくて、専業主夫なんだから」ボソッ

八幡「え、あ、う、い」
八幡「は…?」キョトン

雪ノ下「早く行きましょう、ここじゃ人目が多すぎるわ」ズルズル…

八幡「いやちょっと?待って?いたいたいいたいたい
ズルズル…




「……い、今のって…振られた…んだよね?」
「いやでもなんか最後耳元でめっちゃ囁いてたじゃん!?」
「すごいえっちそうな感じで!」
「えっちって何だよえっちって!」
ザワザワ…

戸部「……え、アレ成功したくさくね?」

三浦「失敗じゃね」
海老名「失敗だろうね」

戸部「えぇ!?葉山君はどう思うよ!?」

葉山「え?まぁ…普通に振られたんじゃない?」

戸部「いやでも…」

葉山「振られたんだよ」

戸部「え~…d
葉山「振られたんだよ?」ゴゴゴ

戸部「そそそそうみたいっすね」ガクガク

三浦「………結衣」

ーーー
ーー

ユサユサ
八幡「………」ボーッ

戸塚「八幡~、大丈夫?」

八幡「…おう?」スクッ

八幡「まぁ若干寝不足気味ではあるが戸塚成分を摂取していればその内目も覚めるだろう」ジー

戸塚「よく分からないけど寝れなかったって事だけは理解したよ…」

戸塚「まぁでも無理もないか、あんな事もあったんだし」

八幡「…?」

戸塚「ほら、ご飯食べに行こ?」

八幡「おーう」フラフラ…

八幡((結局昨日は途切れ途切れに目が覚めてまともに寝れなかったな)

八幡(感覚的にはオールしたみたいだ)

八幡(あんな事言われちゃな…)



雪ノ下『状況が状況だし、貴方も混乱してるでしょうけど』

雪ノ下『あれが私の本心だから』

雪ノ下『貴方と…【本物】の関係を築きたい』




八幡「………///」




八幡(そうこうしている内に修学旅行は終わってしまった)

八幡(雪ノ下の言葉がどうにも頭から離れずあの後の事はあまり思い出せない)

八幡(まぁ、思い出さなければならない程の事が無いという事は大した事も起こらず事態は収束したと見ていいんだろう)

八幡(葉山達もいつも通りだったし)

八幡(…ただ由比ヶ浜とはあれから一度も話していなかった気がするような…)

八幡「………」ガヤガヤ

チラッ
ジロッ

八幡(修学旅行前もかなり痛い視線を受けてはいたが…)

八幡(何だろうな、そこまで突き刺さりはしないというか…違和感が…)キョロキョロ

由比ヶ浜「あ、ヒッキー。おはよ」

八幡「ん、おう」

由比ヶ浜「ヒッキーちゃんと寝れた?寝癖すごいよ」

八幡「俺にしては珍しく夜更かしもせず健全な就寝時間だったんだがな」ボサァ

八幡「まだ疲れが残っとるらしい」ゴシゴシ

由比ヶ浜「まぁあれだけバタバタしてたら無理ないよ」

八幡(……いつも通りだな)

八幡(色々思うところがあったとは思うが)

八幡(まぁ…気にするべき事じゃないか)

由比ヶ浜「……」

八幡「…」ガラガラ

雪ノ下「…あら、思ったより早く来てくれたわね」

八幡「そりゃ…まぁ…アレだわな」

八幡「色々と確認したい事もあるしな」

雪ノ下「あら、そうなの」

八幡「ソーナノ」

八幡「……あのさ、その…」

八幡「俺達って…現在進行形で付き合ってるんだよね?」

雪ノ下「当たり前じゃない」

雪ノ下「頭をぶつけて記憶喪失でもしたのかしら?」

八幡「忘れられるなら忘れたいけどなぁ」

雪ノ下「そうなの?」

八幡「そんな訳ないだろ」

雪ノ下「…そう?」クスッ

八幡「ソーナノ」

八幡「恋人って言っても実感沸かねぇな」

雪ノ下「まぁあの後ほぼ帰るだけだったし、合流するきっかけも無かったものね」

雪ノ下「それに建前上私と貴方が一緒に行動するのは不自然極まりないし」

八幡「だな」

八幡「……」

雪ノ下「……」

雪ノ下「…ねぇ」
由比ヶ浜「やっはろー!」ガラッ

八幡「やっと来たか」

由比ヶ浜「ヒッキーが教室出るの早すぎなんだし!」

由比ヶ浜「一緒に行こうって誘おうとしたのに!」

八幡「はいはい悪かったよ」

雪ノ下「……」ニコ

由比ヶ浜「……」

雪ノ下「……」ペラッ

八幡「来ねぇな」

由比ヶ浜「ねっ」

雪ノ下「まぁ…依頼は無いに越した事は無いわよ」

雪ノ下「ただ私はてっきり戸部君が何か物申しに来るのかと思っていたのだけれど」

由比ヶ浜「あーまぁ…結果が結果だし、ね」

八幡「文句言われてもぐうの音も出ないわな」

由比ヶ浜「………」

由比ヶ浜「あ、ヒッキー。席…替わろっか」

八幡「?」

由比ヶ浜「い、いや…その、ほら…アレじゃん」

八幡「あー…うん、そう、だな」チラッ
雪ノ下「」コクリ

八幡「わったよ」

由比ヶ浜「やった!」

由比ヶ浜「」ペタン

由比ヶ浜「えへへ…ヒッキーの座ってた椅子だ~」ナデナデ

八幡「」

八幡「えぇ…何アレ」

雪ノ下「貴方の戸塚さんに対するいつもの態度よ」

八幡「成る程キモいな、これから自重するわ」

八幡「サンキュー由比ヶ浜」
由比ヶ浜「絶対それ感謝してないよね!?」

雪ノ下「それにしても由比ヶ浜さん、気を遣いつつ比企谷君の温もりを独り占めするなんて…」

雪ノ下「この数日間でどれだけ賢くなっているの…」
由比ヶ浜「ゆきのんも酷い!」

由比ヶ浜「…あたし、友達が好きな人と付き合って諦めるなんてそんなに良い子じゃないから」

由比ヶ浜「分かってるよね、ヒッキー」

八幡「おう前からそれだけの積極的にアプローチしてくれれば良かったんだけどな」
由比ヶ浜「あぅふ」

由比ヶ浜「でもそれに関してはちゃんとしてたじゃん!」

八幡「そうかぁ?」

由比ヶ浜「ヒッキーにクッキー作ってあげたり」
八幡「うん」

由比ヶ浜「一緒に夏祭り行ったり!」
八幡「うんうん」

八幡「…………」

八幡「あるな…覚え」タラタラ…

由比ヶ浜「でしょ!?」

八幡「いやまぁ確かにそれっぽい感じはしてたけど」

八幡「今思い返すとこの子かなり好き好きアピールしてるぞ」

雪ノ下「」ジトー

八幡「やばい彼女に見下されてるやばい」

雪ノ下「流石に女子に誘われて2人でお祭り周るなんて」

雪ノ下「お猿さんでも分かるダイイングメッセージよ鈍谷君」

八幡「るっせ」

八幡「それは…アレだよほら」

八幡「罪滅ぼし的な…そんな感じの」チラッ

由比ヶ浜「」グスッ

八幡「……」

雪ノ下「そういえば前にも似たような事で揉めていたわね、あなた達」

雪ノ下「嫌な思い出を蒸し返した挙句また彼女の気持ちをぞんざいに扱うなんて…」

雪ノ下「最低ね垂らし谷君」

八幡「もう一度確認するけどお前俺の事本当に好きなんだよね?」

雪ノ下「ええ好きよ、そういう所も含めて」

八幡「ああそう…」

由比ヶ浜「…」

八幡「…」

雪ノ下「…」

雪ノ下「…ふふっ」

由比ヶ浜「あっはははは!」バンバン

八幡「馬鹿じゃねーの…」プルプル…

ゲラゲラゲラ…

八幡「…あ~まぁ、そうだな」

八幡「この話は一旦やめ、な?」

八幡「お互いに傷抉り合う事になりそうだから」

由比ヶ浜「そうだね」

雪ノ下「こんな恥ずかしい所、晒したくないものね」

八幡「あー依頼来ねーかなー」

由比ヶ浜「ヒマだねー」

雪ノ下「誰も来ないわねー」ズズッ

平塚「入るぞ」ガラガラ
八幡「」
由比ヶ浜「」
雪ノ下「」ブブーッ

雪ノ下「げほっげほっ!」

由比ヶ浜「せ、せせせ先生!入る時はちゃんとノックしてってば!」

平塚「いや随分前からノックしてるんだがな、生憎な事に取り込み中だったようで」

八幡「……どっから聞いてたの」

平高「あーひっきーの使用済みチェアーくんかくんか!」

平塚「ってとこら辺から」

八幡「ばっちり全部聞いてんじゃねーか!」

由比ヶ浜「1番見て欲しくない所見られた!」ガーン

雪ノ下「そ、それで一体先生はどういったご用件で…?」カタカタ…

雪ノ下「今日はまだ依頼人は1人も見えていませんけど」ズズッ

平塚「いやそれで依頼をしたいって奴らを連れて来たんだが」
一色「」ヒョイ
めぐり「」ヒョイ
雪ノ下「」ブブブーッ

雪ノ下「げほげほっ!?」

由比ヶ浜「ゆきのん!大丈夫!?」

八幡「うっわめぐり先輩にも聞かれてたのかよ」

八幡「微妙に面倒な人に醜態晒した…」

めぐり「微妙に面倒…」ショボーン

八幡「えっと…それでもう1人の人は」

由比ヶ浜「いろはちゃんだよ、1年の一色いろはちゃん」

八幡「あー…サッカー部にそんな奴居たような居なかったような…」

一色「えっと…色々突っ込みたい所ですけど」

一色「とりあえずよろしくお願いしますヤリチン先輩」

八幡「初印象がヤリチン!」

雪ノ下「それで…頼みたい依頼というのはどういった内容なのかしら」

平塚「私が言うのもなんだが…その、色々面倒だぞ今回は」

八幡「面倒の代名詞にそこまで言わせるとか一体どんな事させる気だよ…」

平塚「比企谷、帰る前に進路指導室…な?」

八幡「」

一色「えっとですね…実はこの度私次期生徒会長に推薦される事になったんですけど…」

由比ヶ浜「うんうん」

一色「どうすれば生徒会長やらずにすみますかね…?」

八幡「…………はい?」

雪ノ下「…自分から立候補して当選したくないというのはとても理解に苦しむのだけれど」

一色「何というか~場の流れ?空気?ノリみたいなので断りづらかったと言いますか…」

一色「話もいつの間にかポンポン進められてて手の出しようも無かったって感じですね…」エヘヘ

八幡「いやいやいやお前…そんな簡単に立候補なんてできる訳ねぇだろ…」

八幡「確か推薦者30人くらいは必要だったよな?」

一色「や~私こう見えて悪目立ちしてるっていうか」

一色「葉山先輩とか上級生の方達とよく絡んでるから向いてるって言われちゃうんですよ」

一色「なんか自然とそういう印象ついちゃったっぽくて」ニコニコ

八幡(うわ~滅茶苦茶殴りてー)

由比ヶ浜「へー!すごいね!」

雪ノ下「…依頼以前に色々と問題があるように思われますけど」

平塚「勿論、行き過ぎた行為に関しては生徒も教員も後でたっぷりお灸を据えてやるつもりだが…」

平塚「期間が期間だからな、今更取り消す事はできん」

八幡「となると何だ?頼みの綱は信任投票か?」

雪ノ下「他の立候補者が居ない以上そうするしかないわね」

一色「いや~でもできれば信任投票は避けたいんですよね…」

由比ヶ浜「なんで?」

一色「ほら…何というか…」

一色「推薦で挙がってきたのに信任で落ちるとかちょっとダサくないですか」
八幡「成る程こりゃ超絶怠い」

雪ノ下「それは…まぁ致し方ない事ではないかしら」

雪ノ下「半ば強制的に…とはいえ自分から名乗り出た事に変わりはないのだから」

一色「う~そこを何とか」

雪ノ下「……」チラッ

めぐり「今回は選挙前にバタバタしてちゃんと確認せずにこんな不手際を起こした私達にも責任があるから…」アセアセ

めぐり「今回は何とか、大目に見てもらえると助かるな…」

雪ノ下「…仕方ありませんね」ハァ

雪ノ下「引き受けましょう」

一色「本当ですか!?」

八幡「おいおい本気かよ…」

雪ノ下「まぁ、やむを得ない事情でどうしても辞退したいというのなら断る理由も無いのだし」

雪ノ下「ただし、条件をつけてもらうつもりだけど」

一色「…?」

由比ヶ浜「でも…どうしようか?信任投票で落ちるって事自体そうそうあり得ないと思うんだけど」

八幡「当たり前だろ。断る理由も無ぇんだし」

八幡「第一皆生徒会とか、興味無いし変に長引いて欲しくないとかそんな感じでしかないだろ」

めぐり「」グスグスッ
雪ノ下「比企谷君、生徒会長を前にそこまで啖呵を切れるその度胸は褒めてあげるわ」

八幡「わーい彼女に褒められた嬉しい」

平塚「リア充爆発しないかなぁ」

雪ノ下「とりあえずお詫びとして比企谷君はこの場にいる全員が納得できるような解決案を出しなさい」ニコッ

八幡「助けて先生!」

平塚「あーこのクソカップル爆ぜねーかな」ケッ

八幡「そんな事言わないで!先生大好きだから!」

平塚「雪ノ下!今後の本校生徒の高校生活に関わる重大な問題を部員1人にぶん投げるとは何様だ!」ビシッ
八幡「そーたそーだ」ビシゥ

由比ヶ浜「出た!ヒッキーのスキル、女たらし!」

雪ノ下「こちらにぶん投げた貴方に言われる筋合いは無いですし貴方こそ何様なんですか?」

平塚「比企谷…雪ノ下がいじめる」グスッ

八幡「よしよしよく頑張った平塚先生」ナデナデ

一色「あの先輩、私コレ何を見せつけられてるんですか?」

めぐり「さ、さぁ…?青春…みたいな」

一色「殴りてぇ…」

八幡「…とまぁ茶番はおいといてだな」

平塚「酷い!私とは遊びだったんだな!?」
八幡「いやもう先生そういうのいいですから」

八幡「選挙で落ちて尚且つノーダメージとかハードル高すぎんだろおい…」

平塚「え、そういうのって……何?私を騙しt
八幡「かなり手段絞られるぞ」

雪ノ下「でも、その様子だと何とか要領はつかめていそうね」

八幡「…まぁ、そうだな」

八幡「一応それっぽい手は1、2つ思いついた」

由比ヶ浜「え?本当にできたの!?」

八幡「ま、かなり強引だけどな」

雪ノ下「言ってみなさい比企谷君」

八幡「作戦その1…」

八幡「応援演説をなるべくボロクソにする!」ドーン
一色「えええぇ!?」

八幡「演説がド下手で信任できませんでしたってなれば一色に被害はほぼ無いだろ」

一色「そ、そんなもんなんですかね」

八幡「原稿も適当に考えればいいだけだし楽勝」

八幡「どっすか」

雪ノ下「比企谷君」

八幡「はひ」

雪ノ下「今すぐ一緒に窓から飛び降りましょう」

八幡「何言ってるのこの子」

雪ノ下「予想を180°下回る回答で最早嬉しいわ」

雪ノ下「安心して?貴方に振ってしまった私にも責任があるのだから」

雪ノ下「貴方1人には背負わせないわよ」フフフ
八幡「ひぃぃぃ」

雪ノ下「……というのは半分冗談で」
八幡(はんぶん)

雪ノ下「支離滅裂な案ね」

雪ノ下「例え一色さんの演説自体が完璧なものでも、応援演説が粗末なものであれば非難は避けられないわ」

雪ノ下「そんな人選をした一色さんにだって皆少なからず悪印象を植え付けられてしまうでしょう」

八幡「まぁ、否定できないわな」

雪ノ下「第一、そんな汚れ役を誰が引き受けるのかしら」

由比ヶ浜「…あたし、やだな。そういうの」

由比ヶ浜「やるのもやらせるのも」

八幡「そりゃ…できる奴がやりゃいいだろ」

八幡「俺とか」キリッ

由比ヶ浜「ほらすぐそういう事言うから嫌なの!」

八幡「ったく注文の多い客なこった」

雪ノ下「それで?もう1つの案は」

八幡「……今俺等が躓いてるのは誰も立候補者が居なくてこのままだと一色の不戦勝が濃厚だからだ」

八幡「これを覆すなら、他の候補者を作るしかない」

めぐり「まぁ、妥当な線だよね」

八幡「問題はさっきのより遥かに現実味のない作戦だって事だ」

八幡「まず活動を始めるのが遅すぎる」

八幡「本来数週間前から進め始める段階だぞこれ」

八幡「前の日に徹夜してテストに臨むのとはまるっきり訳が違うんだぞ」

八幡「コレだけでかなりイメージダウンすると思った方がいい」

八幡「そういうリスクも含めた上で一色と最低限そこそこやり合うやつを探し出さなきゃならない」

八幡「探す時間すら無いだろ」

由比ヶ浜「えー?頑張れば行けるんじゃ…」

八幡「クラスメイト先輩教員結構な数にちやほやされてて、俺ですら耳にした事がある様な奴だぞ」

八幡「1年は言わずもがな、そんなカースト上位の奴なんてウチの学年でもそうそう居ないぞ」
一色「先輩それ褒めてるんですかそれとも悪口言ってるんですか」

八幡「俺達が今この場でパッと思い浮かんで二つ返事で了承してくれるような奴が居るか?」

由比ヶ浜「隼人君とか…」
雪ノ下「やめなさい」

由比ヶ浜「えー?超適任だと思うけどな…」

一色「葉山先輩の生徒会…」ゴクリ

雪ノ下「あんなザ・胡散臭い男が学校の顔なんて恥知らずもいい所よ」

雪ノ下「そんな高校今すぐ辞めてやるわ」ガラッ

八幡「だから早まらないで!」

一色「…まぁでも確かに葉山先輩は無いですかね~」

一色「見てきた側としては後1年間サッカーに集中して欲しいって感じありますし」

八幡「だとよ」
雪ノ下「」ホッ

由比ヶ浜「うーん…じゃあどうしよっか」

八幡「…お前の目は節穴だな…ってかちくわだちくわ」

由比ヶ浜「ちくわ!」

八幡「お前の目の前にその都合良すぎる条件全部満たしてくれているお方が居るだろうに」ポンポン

由比ヶ浜「えっ……あっ」

雪ノ下「……本気で言っているの?」

八幡「文武両道容姿端麗おまけに性格もいいときたもんだ」

八幡「お前以上の適任者は少なくとも俺は知らねぇよ」

雪ノ下「……」ファサッ

雪ノ下「そ、そうね。不本意、非常に不本意だけれど、そ…そこまで言うならやってあげなくもないわね///」ポッ

八幡「お前本当そういう所だぞこの野郎」ニヤニヤ

平塚「あいつら頭高くない?」
一色「どうします先生処す処す?」

めぐり「もう訳がわからないよ」

八幡「それに、俺は案を出せと言われただけでお前に振ってはならないとは言われてないからな」

雪ノ下「相も変わらずいい性格してるじゃない」

雪ノ下「まぁ、どうせそうだろうとは思っていたけれど」

由比ヶ浜「え、ゆきのん生徒会長になっちゃうの?」

雪ノ下「まぁ、そうするしかないでしょうね」

雪ノ下「他の人達に頭を下げて立候補してもらうよりこっちの方が手っ取り早いし効率的よ」

由比ヶ浜「効率とかそういう問題じゃないよ!」

由比ヶ浜「ゆきのん生徒会長になっちゃったら…部活来れなくなっちゃうじゃん!」

雪ノ下「…………そうね」

由比ヶ浜「嫌だよ!そんなの」

由比ヶ浜「確かに…ヒッキーと2人きりになれるのは嬉しい…かもだけど」

由比ヶ浜「ゆきのんも一緒じゃないと嫌!」

雪ノ下「由比ヶ浜さん…」

由比ヶ浜「うぅ…」

八幡「とりあえず冷静になっとけよ、竹輪ヶ浜」

由比ヶ浜「ちくわじゃないってば!」

八幡「別に雪ノ下が部活出れないって確定した訳じゃねぇだろ」

由比ヶ浜「でも少なくとも今までみたいに毎日来てはくれなくなるでしょ?」

八幡「………分かってねぇな、由比ヶ浜」

由比ヶ浜「?」

八幡「ちゃんとそこまで考えてないと思ってるのか?」

八幡「由比ヶ浜、生徒会の仕事は何だ?」

由比ヶ浜「えっ…あー、学校生活をより良くしてくれる人達…かな?」

由比ヶ浜「具体的には言いづらいけど」

八幡「じゃあ俺らの仕事って何よ」

由比ヶ浜「え……あ~」

八幡「そういう事だよ、本質的には何ら変わりない」

雪ノ下「城廻先輩、確か立候補者が居ない場合、新しい生徒会長は独断で他の役職の候補者をスカウトしていい事になっていましたよね?」

めぐり「あー…まぁね」

めぐり「勿論正式な決定は生徒会で取り行ってもらうけど」

由比ヶ浜「!」

八幡「そういう事だ」

八幡「アレだ、ピカチュウがライチュウに進化するもんだと考えればいい」

一色「分かりやすそうでピンと来ない比喩使いますね先輩」

八幡「だまらっしゃい」

平塚「……話は固まったみたいだな」

平塚「結論としては…奉仕部一同が生徒会に就くというのでいいのか?」

雪ノ下「えぇ、仮に一色さんが選挙で当選を免れても会長に決まった生徒に他の役職に抜擢されるのは間違いないですからね」

八幡「本人に生徒会自身やる気がないみたいだからな」

八幡「後処理考えりゃこれがベストでしょう」

雪ノ下「そういう事で、納得してもらえたかしら?一色さん」

一色「そうですね」

一色「雪ノ下先輩なら絶好の相手…っていうか私のブランド爆上げまでありますよ!」

一色「是非よろしくお願いします!」

雪ノ下「ただし、先も言った通り貴方には条件を課させてもらうわ」

雪ノ下「ここまで無茶なお願いを通してもらうのだからそれ位の筋は通してもらうわよ」

一色「えっ…まぁ、内容によりますけど」

雪ノ下「…自分の陣営の公約の内容や演説の諸々は全て貴方が責任を持って1人で行いなさい」

一色「ふぇっ!?」

八幡「いやお前こっちがえぇ…だわ」

八幡「なんでお前の分の内容までこっちが請け負わなきゃいけねぇんだ」

雪ノ下「貴方はあたかも選ばれて当然のような素振りをしているわよね」

雪ノ下「それならば、わざわざ私が貴方と内容の擦り合わせをする必要も無いでしょう」

雪ノ下「貴方に元々生徒会長になる素質があるというのなら…身をもって証明してみなさい」

雪ノ下「私達に貴方のその価値を」

一色「……う~…せんぱーい」チラッ

八幡「いやいやヤリチン呼ばわりした奴に情けをかけれる方が凄ぇよ」

一色「それは先輩の過失じゃないですか」

八幡「奉仕部は便利屋じゃねーんだぞ」

八幡「俺達がやるのはあくまでお前が負ける事ができる選挙の舞台設置まで」

八幡「お前の面子とやらを守る義理も無いし、そんな事をしてもお前の為にはならない」

八幡「今回は100雪ノ下が正しい」

一色「えぇ~」

一色「先輩のいけず…」

八幡「出会って10分経たない相手に使える台詞かそれ」

一色「分かりました…やってみます」

雪ノ下「決まりね」

雪ノ下「詳しい事はまた後日城廻先輩にお尋ねすると思うので、よろしくお願いします」

めぐり「うん、任せて!」

雪ノ下「とりあえず、今日はお開きにしましょうか」


キーンコーンカーンコーン
八幡「っし。今日の業務終了っと」

由比ヶ浜「疲れた~」

雪ノ下「お疲れ様」

雪ノ下「鍵は私が返しに行くから、2人は先に帰って構わないわよ」

八幡「おう」

由比ヶ浜「………」

八幡「…あっ、そういや今日小町遅くなるんだった」

八幡(どこかしらで腹ごしらえでもするか…)

八幡「なぁ由比ヶ浜この後ひ……」
由比ヶ浜「!?」クルッ

八幡(やべ、いつものノリで言っちまった…)

八幡(何さらっと浮気してんだ)

由比ヶ浜「あ、私ちょっと教室に忘れ物しちゃってるから…」

由比ヶ浜「お先!」タタタッ

八幡「お…おう」

雪ノ下「ふふふ、一緒に出かける大義名分が得られる所だったのに…」

雪ノ下「良い子じゃないってよく言えたものね」

八幡「バリクソ天使じゃねぇか、見た目も中身も」

雪ノ下「さっきから貴方の失言にどうフォローすれば良いか考えている私の身にもなったらどうかしら」

八幡「馬鹿野郎お前由比ヶ浜が天使なら雪ノ下は大天使だ」

雪ノ下「これ以上他の女の子と戯れたら冗談無しに堕天使になってしまうから覚悟しておきなさい」

八幡「はひ」

八幡「…で、お前は暇か?」

八幡「今日なら小町にも目つけられないし多少長く遊べるぞ」

雪ノ下「ふふっ。そうね」

雪ノ下「折角だし貴方と人生初の下校デートと洒落込みたいのも山々なのだけれど」

雪ノ下「その前に少し片したい事もあるし…」

八幡「…そうか、ちゃんと白黒つけとけよ」

八幡「俺としてはハーレム物も悪くねぇと思い始めてる頃なんだが」

雪ノ下「どこまでも救いようの無い男ね…貴方は」

雪ノ下「…ただ、由比ヶ浜さんに限っては満更でもないと私も思ってしまうわ」

八幡「お前が3Pを肯定するとか明日は天変地異が起きるぞ」

雪ノ下「冗談に決まってるでしょう」

八幡「本当?」

雪ノ下「…半分だけど」

八幡「あら~」

雪ノ下「まぁ…デートはその内に…ね」スタスタ…

八幡「…?」

チュッ
八幡「!!??」

雪ノ下「今はこれで我慢して頂戴」ニコッ

スタスタ…


八幡「…もう堕ちてるから堕天使もあながち間違ってねぇやな…アレ」

八幡「何処寄ろうかね」スタスタ…

八幡「ここはやはり無難にドーナツかパイ系の甘いので」

八幡「ん…」

一色「あっ」

八幡「…」
一色「……」

一色「どうもヤリチン先輩」

八幡「頼むからお外でそれ使うのやめて」

一色「いやいやあんなの見せられたら第一印象もクソも無いじゃないですか」

八幡「クソこっちに非が無いとは言い切れねぇ」

一色「先輩今日は彼女さんと一緒にキャッキャウフフしてないんですか?」

八幡「今日はっつーかまだ1度もキャッキャウフフなんかしてねぇよ」

八幡「そういうお前こそ何1人でフレンチクルーラー食いに来てんだよ」

一色「いや…そりゃ…」

一色「はっ…まさか先輩私が1人なのを良いことに手を出そうとしてます!?」

八幡「は?」

一色「何ですか口説いてるんですかお前のドーナツ俺のチョコかけてエンゼルフレンチにしてやるよとか言ってるんですかごめんなさい私そういうノリ苦手というか無理です」

八幡「いやいやお前の食べカスまみれのエンゼルフレンチとか食べる気更々無いからゆるふわビッチさん」

一色「たっ食べ…ゆるふわビッチ!?」

一色「誰がゆるくてふわふわなビッチなんですか!?」

八幡「お前そりゃ言うまでもなく体現してるだろ…」

一色「ヤリチンにビッチって言われた…」

八幡「だからヤリチンじゃないからね俺」

一色「うるさいですね!第一私は正真正銘の処…」
一色「むっ」

八幡(前にも見たなぁこのパターン)

一色「何ですか誘ってるんですか人の事散々罵った挙句弱みを握って私をいいようにするつもりなんですかごめんなさいわt
八幡「はいはいこれ以上店の前で立ち往生するのはやめようね」グイグイ

一色「だ、誰かーちかーん」

八幡「…で、落ち着いたか?」

一色「さっきから至極落ち着いてますよ」

八幡「結局同じ店に入っちまったな」

一色「先輩こういう行為なんて言うか知ってますか」

一色「浮気ですよ浮気」

八幡「いくら何でも無理がありすぎる」

一色「そんなエロそうな目で見つめてきた上手まで握ってくるとか」

一色「雪ノ下先輩に見られたら殺されますよ」

八幡「馬鹿お前あいつの場合殺して自分も死んであの世で第2ラウンド始めるぞ」

一色「うーんコレは浮気のしようがないですね」

八幡「なんだこの潔白が証明された代わりに何かを失った感は」

八幡「で、お前は何頼むんだ」

一色「先輩と同じのでいいです」

八幡「えぇ…」

一色「本当はささっと用件済ませて友達とタピる予定だったんですけどね~」

八幡「まぁあの流れで行けたらそれこそ凄いわ」

一色「先輩がいくらかフォローしてくれたら良かったのに…」

八幡「流石にアレは擁護できん」

八幡「依頼を承諾してもらえただけありがたく思え」

一色「む~」<オマタセシマシタ

八幡「席席…」スタスタ

「おや、比企谷くん?」
八幡「!?」

陽乃「ひゃっはろー、久しぶり」

一色「…」ジトー

一色「先輩こんな人学校では見かけませんでしたよね?」

一色「先生…にしてはそんな歳には見えなさそうですし」

陽乃「おやおや、その制服雪乃ちゃんの…口振りからすると後輩ちゃん」

陽乃「いけないんだ~雪乃ちゃんに隠れて浮気しちゃうなんて~」

八幡「ああもうややこしいわやかましいわ…」

八幡「…え、今なんて言いました?」

陽乃「え~惚けちゃって」

陽乃「雪乃ちゃんから聞いてるよ?修学旅行中にデキちゃったんだってね!?」
八幡「」

一色「あの…さっきから雪ノ下先輩の名前ばっかり聞くんですけど」

一色「もしかしてお知り合い?」

陽乃「ふふふ、知り合いも何も私は雪乃ちゃんの実の姉」

陽乃「そして将来君の義姉となる女だ~」ギュゥゥ

八幡「いやっちょっ…やめ」

一色「…あ~そう…ふーん」

陽乃「ま、そういう事だから比企谷君の事は諦めてね後輩ちゃん」

陽乃「あ~性が統一されちゃうから苗字呼びは違和感あるな~」

陽乃「ね~なんて呼べばいい?八幡?」ギュゥゥ

八幡「とりあえず黙ってください離してください」

八幡(今日は厄日か…?)

陽乃「いや~びっくりしたよあの時は」

陽乃「突然夜中にさ」

陽乃「『私、比企谷君と付き合う事になったから』」

陽乃「って言ってすぐ電話切って」

陽乃「少し位リアクション考える時間くれれば良いのに~ってね」

八幡「はぁ」

一色「あの…先輩」ヒソヒソ

一色「なんでこの人さりげなく同席してるんですか?」

八幡「知るか知るか俺に聞くんじゃねぇ」ヒソヒソ

陽乃「それで、どこまで進展したのかね?」

八幡「進展って…修学旅行でバタバタしてんのに何かできる訳ないでしょ」

陽乃「え~」

陽乃「こっそり2人で抜け出してラブホに行くとか…」

八幡「ボッチにいきなりそれはハードル高すぎる」

八幡「まぁ…そうですね」

八幡「き、キスくらいなら///」

一色「っ!?///」
陽乃「~///」

八幡「…お前本当に処女だったんだな」

一色「なんだろうこの潔白が証明された代わりに何かを失った感は」

八幡「あんたの反応はもっと意外だったけど」

陽乃「あ~いや、キスね…うん」

陽乃「まだそこまでしか攻められないなんて2人とも子供だね~」

八幡「強情張らなくていいんですよ雪ノ下さん」

八幡「貴方忙しいって割にはウチに結構な頻度で遊びに来てますよね」

八幡「彼氏どころか友d
陽乃「やめて比企谷君それ以上言うとお姉ちゃん泣いちゃう」

一色(こいつら本当は付き合ってるんじゃねぇの…?)

陽乃「そっか。その様子だと上手くヤレてるみたいでお姉さん安心したよ」

陽乃「雪乃ちゃんああ見えて繊細だから色々気遣ってあげてね」

八幡「へいへい」

陽乃「でも…付き合うのがちょっと遅かったかな…」

陽乃「高校生活も半分終わっちゃって…もう残ってるイベントってほとんど無いんじゃないの?」

陽乃「後は受験にまっしぐらって感じで」

八幡「そうっすかね。ウチは生徒会の任期交代とかバタバタしてますけど」

一色「むぅ」

陽乃「あっそうそう…確か、雪乃ちゃんが生徒会長になるんだっけ?」

陽乃「いや、私はやった事なかったからさ~是非ともやってみて欲しいみたいな所ではあったんだよね」

八幡「えっなんで知ってるんすか」

陽乃「めぐり情報でーす」

八幡「あぁもうだから微妙に面倒なんだよあの人」

一色「えっ城廻先輩の先輩なんですかこの人」

八幡「そうだよ。要するに俺達の大先輩」

八幡「一応ちょくちょくウチに顔出してはいるんだけどな」

陽乃「ふふ、まぁ…雪乃ちゃんだけじゃなくて君達も生徒会に入るのはちょっと意外だったけど」

八幡「…?」


「あれ?比企谷?」

八幡「!?」クルッ

折本「わっ。マジモンじゃん超ナツいわー」

一色「!」
陽乃「?」

八幡「今日は厄日だ…」

折本「比企谷に遭遇とか激レアイベントじゃん」

折本「ウケるんですけど」

八幡「はぁ…」ポリポリ

一色「また女の子の知り合い…」

陽乃「しかも私の知らない子…」

八幡「待て待てとりあえず深く考えないで」

折本「あれ、比企谷って総武高なの?」

折本「マジで頭良かったんだ」

折本「まぁ誰かと遊んでる所とか見た事ないけど」アハハ

八幡(こいつさぁ)

陽乃「まさかの幼なじみヒロイン…」

一色「やっぱりヤリチンじゃないか」

八幡「こいつらさぁ」

「誰これかおりの知り合い?」

折本「そーそ。前に言ったじゃんほら」

折本「オナ中で告ってきた男子」

一色「」ブブッ
陽乃「」ブブッ
八幡「oh」

一色「えっ!?ちょっ…こ、こここ」

陽乃「童貞じゃない…?」

八幡「いやバリバリの童貞ですよはいすみません」

折本「バッチリ振ったに決まってるじゃないですか~」アハハ

一色「あっですよねー」アハハ

陽乃「ちょっとビックリさせないでよ~」アハハ

八幡「殴りてえ」

陽乃「危うく雪乃ちゃん呼ぶ所だったじゃない」チッ

八幡「ヒエッ」

折本「それまで話した事無くて~いきなり告ってきたんですよ」

折本「マジビビるわ~色んな意味で」アハハ

陽乃「一目惚れってやつ?」

八幡「違いますよ、まぁなんだ…メールで一悶着あったりなかったり」

一色「まぁでも先輩の気持ちも分かりますよ~」

一色「そういうのってこう見た瞬間にこの人だ!ってなるじゃないですか」

八幡(という事です葉山君)

折本「あっ総武高校ならさ~葉山君紹介してもらえるんじゃね?」
一色「!?」ビクッ

八幡(タイミング)

「えーでも聞いた限りだと接点無くない?この人」

陽乃「そういう事ならこの陽乃お姉さんに任せなさーい」

陽乃「隼人くらいなら電話一本でチャチャッと来てくれるよ」ピッピッ

一色「電話1本で!?」

折本「チャチャっと!?」

八幡(これ以上人呼ぶなよ…)

葉山「こんばんは」

「~!」

折本「ヤバッ!?マジで速攻で来てくれた!」

葉山「……えっと…状況がよく呑み込めないんだけど」

葉山「ヒキタニ君これはどういう事かな」ゴゴゴ

八幡「なんで今日出会い頭に皆俺に怖い視線向ける訳?」

一色「は、葉山先輩…」

陽乃「ふふふ、コレは思ったより面白い展開になりそう…」

葉山「陽乃さん、説明して下さい」

陽乃「あーこの子ね、比企谷君の元カノ」

葉山「は?」

八幡「アーソロソロイモウトガイエデマッテルトオモウンデカエルワー」ガタッ
ガシッ

八幡「いたいいたいたいマジで千切れるやめて」ギギギギッ

葉山「ちょっと話を聞こうか」

~~~~~

折本「じゃあまたね葉山君!」

「メールするから~」

葉山「うん、またね」ニコッ

<ヤバイワ
<イケメソ…

葉山「……陽乃さん」

陽乃「ごめんってば~ちょっとからかいたかっただけだよ」

一色「ちょっかい出す為に葉山先輩呼び出せるとか何者なんですかこの人」

八幡「雪ノ下の姉貴だぞそれ位察せ」

陽乃「あー面白かった!雪乃ちゃんの近況も知れたし満足満足」

陽乃「しばらくは退屈しないで済みそー」スタッ

八幡(やっと解放される…)

ズイッ
八幡「ぅえ!?」

陽乃「雪乃ちゃん以外の娘に手出したらどうなるか分かってるわよね?」
八幡「イエスマム!」

陽乃「よしよし良い子だ」ナデナデ

八幡「はは…は…」

一色(うわぁ)

陽乃「じゃあね~」フルフル

葉山「…随分お気に召されているみたいだな、君」

八幡「使い勝手のいい玩具位にしか見られてねぇだろうけどなぁ」

葉山「そうだな」

葉山「あの人はそういう人間だ」

八幡「……」

葉山「…君の場合はちょっと違うような接し方にも見られるけど」

八幡「何にせよロクな扱いはされてなさそうだな」

八幡「んじゃそろそろ俺は帰るわ…」スタスタ…

葉山「そうだな、俺もそろそr
一色「葉山先輩!この後って時間空いてたりしますか!?」

葉山「えっ…あ~…いや」チラッ

八幡(そいつの後始末よろしく)ピッ

ダダダッ
葉山「おいちょっと!?ヒキタニ君!?」

一色(先輩にあえて今日はラッキーだったかも)ニコッ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2022年09月10日 (土) 00:21:12   ID: S:shzcV6

え?完なの?終わりなのこれで?

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