女騎士「私にそんな資格はない」
~とある村、酒場~
勇者「どうしたんだいきなり…酔うにはまだ早いんじゃないか?」
僧侶「そうですよぉ~、まだジョッキ10杯じゃないれすかぁ~全然飲み足りないぃ~」
魔法使い「…貴女は飲み過ぎ」
女騎士「あ、いや…すまない。せっかく皆気分良く飲んでいたのにな」
勇者「何か、悩んでいるのかい?相談なら乗るよ?」
女騎士「いや、本当になんでもないんだ…ははは、すまんな…少し夜風に当たってくる」
ガタリ テクテク…
勇者「どうしたんだろ女騎士」
魔法使い「…元気、無い」
僧侶「えぇ~そうですかぁ?いつもあんな感じじゃないれすかぁ~えへへ~」
勇者「酔いすぎだろ…」
魔法使い「…そして笑い上戸。正直鬱陶しい」
僧侶「あぁ~酷いれすぅ魔法使いさぁ~ん」
勇者「君はもうお酒ストップ!祝勝会だからといって僕らの冒険はまだまだ続くんだからね」
僧侶「うへ~い」
ガフガブ
勇者「あっ、また飲んだ!」
魔法使い「…こうなったら駄目。もう止まらない」
勇者「とほほ…明日は回復魔法に期待できないな…」
僧侶「それにしてみょ、今回ばかりはもう駄目だと思いましゅたよね~」
ガフガブ
勇者「あぁ、さすが四天王といったところだね」
魔法使い「…魔王軍ナンバー2といわれる『虫使いのフォルス』…女騎士の機転が無ければ、私達は全滅していた」
勇者「あぁ、あのフォルス…まさかカブトムシをあんな風につかうなんてな」
僧侶「はぃ、カブトムシが私の…あれを…ツノが…そこにメスのカブトムシが…しかも…たくましさ…あぁ!思い出しただけでゾッとしますぅ~!」
勇者「そのカブトムシ地獄を、あんなやり方で突破するなんてね。女騎士はやはり戦いの天才だよ」
僧侶「それにしても、どうしてあんなやり方を知っていたんですかね~?初見で出来るとは思えませんん~」
勇者「それは…」
チラッ
魔法使い「…」
フルフル
勇者「…」
勇者「や、やっぱり女騎士は戦いの天才ってことさ。ささ、飲んで飲んで!浴びるほどビール飲んで!」
バシャー
僧侶「浴びてるぅ~」
・・・・・
僧侶「ぶへぁ…」
勇者「ようやく酔いつぶれたか」
魔法使い「…やりすぎ」
勇者「僧侶は地雷を踏む名人だからね…下手な事を言う前に酔い潰したかったんだ」
魔法使い「…女騎士のとこ。早く行く」
勇者「あぁ、僧侶を頼んだよ」
ガタリ テクテク
魔法使い「…優しいひと。ばか」
・・・・・
~酒場の外~
女騎士「…」
ガサッ
勇者「…」
女騎士「勇者か…私の事など気にしなくていいのに…」
勇者「そういう態度、よくないよ。抱え込んで拒絶して辛くなって…それで潰れるんだ」
女騎士「ははっ、潰れないさ。私はそんな弱い人間に見えるか?」
勇者「…弱いさ。君も僕も…だからみんな一緒に冒険しているんだろう?」
女騎士「…」
勇者「困るととたんに黙り込むんだ。よく知ってるからね、君の事は」
女騎士「…」ボソッ
勇者「ん?」
女騎士「いじ…わる…」
勇者「ふふっ。そうだよ、僕が君に優しかった事なんて一度だってあったかい?」
女騎士「…」
トンッ
女騎士「そういう言い方も…やっぱり、ずるい」
勇者「…そうだね」
ギュッ
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