八幡「答えろ!お前が平塚先生を…!」 (23)
あの日、俺たちの青春ラブコメは無くなった。
すべては謎の殺人者・鉄鬼のせいで…
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結衣「ねぇヒッキー嘘だよね!?平塚先生がその…殺されたなんて?」
雪乃「由比ヶ浜さん…気持ちは分かるわ。でもこれが現実よ」
八幡(信じられない…平塚先生がある夜…理科室で射殺体で発見されたのだ…)
八幡(そして平塚先生が命がけで俺に送ったメールには犯人は鉄鬼と書かれていた。)
葉山「しばらく、学校は休みの様だね…君も辛かったろ?」
八幡「まぁな…」
葉山「珍しく素直だな…君らしくない」
八幡「なぁ葉山、お前に頼みがある 最初で最後だ」
葉山「わかった」
八幡「まだ何も言ってないぞ?」
葉山「一緒に犯人を探してほしいんだろう?」
八幡「正直、お前の人脈とコミュ力は俺にはない」
八幡「それに…」
葉山「彼女たちは巻き込めないわけか…だから単独で探していることにする気か」
葉山「まず、状況を整理しよう…このメールは平塚先生から送られたもので間違いないのか?」
八幡「あぁ…そうらしい。警察によると死亡推定時刻のほんの数分前らしい」
葉山「ということはつまり 命がけで送ったということか?」
八幡「だが腑に落ちない 犯人が送った可能性も否めない 」
葉山「なぜそう思うんだい?」
八幡「平塚先生はなぜ鉄鬼なんて言い方をしたんだ?なぜ犯人の名前ではなく意味不明な暗号で?」
雪乃「考えられるとすれば、本当に鉄鬼を見たか、犯人の仕業の二択でしょうね」
雪乃「これ、鉄鬼についての資料をまとめたわ」
葉山「雪ノ下さん…なぜ?」
葉山「この情報が正しければ、平塚先生はネットで噂有名の殺し屋に殺害されたことになるが?」
八幡「俺もそれはさすがに信じられん なぜそう思う?」
雪乃「あなたたちには黙っているわけにはいかないわね…私が知っているすべてを」
雪乃「詳しいことはまだすべては言えない けれど平塚先生…そして私がこの学校にいる理由はある人物を追い詰めるためなの…」
葉山「おいおい?」
八幡「んな話、信じられるかよ?」
雪乃「そういうと思ったわ これが証拠よ」
八幡「平塚先生の警察手帳!?」
雪乃「彼女はある人物を追い詰めるための潜入捜査官だったのよ…」
八幡「じゃあお前も?」
雪乃「私は違うわ…平塚先生に頼まれてそのある人物を追い詰めることに協力したのよ」
八幡「ある人物って誰なんだ?」
雪乃「鉄鬼よ」
葉山「え?」
雪乃「鉄鬼を追い続けて平塚先生は殺害されたのよ」
八幡「話が飛躍しすぎてよくわからんぞ」
葉山「俺もだ」
雪乃「そうね 私たちのボスに会ってもらうしかないようね」
戸塚「ごめんね八幡…今まで騙していて」
八幡「まさかボス?って戸塚なのか?」
戸塚「うん…」
雪乃「彼の本名はサイカ・レイモンドよ 私たちが所属している組織のボスよ」
八幡「正直、驚きを隠せないんだが?」
戸塚「僕ね、女の子みたいな外見なのはね、違和感なく情報収集をできるためなんだ…へへ」
八幡「それで戸塚、いやレイモンド…犯人の目星はついているのか?」
戸塚「それが全くなんだよね…平塚先生は警察 教師 そして僕たちの組織の一員としての顔を持っていたの」
雪乃「現実的に考えると教師が殺されるのは少し現実離れしている となると警察か組織の一員として殺害された可能性が高いわ」
戸塚「そこで協力してほしいんだ八幡たちに…鉄鬼をあぶりだすために」
戸塚「もし本当に犯人が近くにいるなら鉄鬼を見つけたと言いふらしておびき出すしかない…の」
八幡「確かにそれは手っ取り早いが…」
葉山「だがその役割を担う人間は危険すぎる…」
八幡「俺がやる どうせ死んでも悲しむ人間は少ない よって一番リスクが少ない」
葉山「いや、俺がやるよ」
一週間後
八幡「お前、本当にいいのか?あれだけ校内に情報廻したら確実に殺されるぞ?」
葉山「心配するな いざとなれば戸塚が助けに来てくれるからな」
八幡「ったくお前と一緒にいるのはなんか嫌だな」
葉山「約束の23時だ…そろそろこの部屋に来るぞ!」
鉄鬼「貴様たちだな?我々を探っているのは?」
八幡「電気つけろ!葉山!」
葉山「本当に鉄鬼なのか…!?」
八幡(そこには鉄鬼と呼ぶにふさわしい 鉄棒を持った いわば戦隊モノの悪役のような恰好をした人物がいた)
八幡「どうする葉山?もう戸塚たち呼ぶか?素人の俺たちじゃ無理だぞ?」
葉山「君は逃げろ…!俺が必ずこいつの正体を暴く!」
八幡「バカ言うな 殺し屋に勝てると思ってるのか?」
葉山「ここで君がどちらか死ぬなら死ぬのはやはり俺だ」
八幡「絶対に言いたくなかったがふたりで逃げるってプランもなくはないぞ?」
雪乃「そこまでよ!」
戸塚「雪ノ下さん!とらえて!」
鉄鬼「フッ 私をとらえた気でいるのか?現実は逆だ まとめて邪魔者を消すためにここに来たのだ」
その後、雪ノ下と戸塚は鉄鬼相手に激しい格闘を繰り広げたが、誰かに警察を呼ばれ 一時休戦状態
葉山「待て!」
雪乃「葉山くん!よして追ってはいけないわ!」
葉山「鉄鬼よりは足が速い自信がある…それに相当、体力を消耗している今なら捕まえられるはずだ!」
八幡(葉山が鉄鬼をとらえた!と思いきや、鉄鬼は隠し持っていたナイフで葉山を容赦なく刺し、窓から飛び降りた)
葉山「ハハ…こんな失態晒したの初めてだよ…笑ってくれ」
八幡「無茶しやがって!今、救急車をよんでやる!」
葉山「なぁ雪ノ下さん…陽乃さんに伝えてくれないか?偽物だらけの俺だったけど 本当に好きだったって…」
雪乃「生きて、自分で伝えなさい。」
戸塚「ごめんね葉山くん…僕が巻き込んだせいで…」
八幡「葉山、お前にこんなかっこ悪い死に方は似合わん。」
病院
陽乃「ふ~ん隼人がそんなことを?少しは大人になったんじゃない?」
雪乃「姉さんはその…どう思っているのかしら?葉山くんのことを」
陽乃「それを言う相手は雪乃ちゃんじゃないよ♪」
八幡「陽乃さんは知ってたんですか?雪ノ下がその…」
陽乃「知ってるも何も、私は静ちゃんのこともすべて承知済みよ?昔からね…」
八幡「つまり鉄鬼はそんな昔から存在していたんですか?」
陽乃「あ~らお姉さん、余計な事言っちゃった?君たちはもう手を引きなさいね?隼人のためにも」
八幡「いや、葉山の野郎、ここで諦めるなって言うと思いますよ?それにまだ死んじゃいない」
某所
由比ヶ浜「これで終わりですよね?もう、そういうお仕事するのって…」
城廻「まだ終わりじゃないよ?あなたが本物の鉄鬼になるまでは続けてもらう」
由比ヶ浜「でもこれ以上、人とか傷つけたくないです!」
城廻「あれれ~そんなこと言っていいの?あの人にそれを伝えたら由比ヶ浜さんのすべてがなくなるよ?」
由比ヶ浜「でも知ってる人を殺したりするのってやっぱり…」
城廻「殺してないでしょ?葉山くんの件だって、手を抜いたでしょ?最後の最後でわざと」
由比ヶ浜「!!!」
城廻「とりあえず由比ヶ浜さんにはあと少し 人生と引き換えに得た代償を払ってもらうよ?」
城廻「じゃないとあの人に言って若いお母さんと嫌いなお父さん 大好きなサブレだけじゃなくて比企谷くん…も?」
結衣「わかりました…次は誰を殺せばいいんですか?」
城廻「そうだね~まぁしばらくは待機でいいかな?」
結衣「ひとつだけ答えてください…これであの人は本当に満たされるんですか?」
城廻「それはあの人にしかわからない 私たちは仕事をこなせばいいだけだよ」
翌日
結衣「やっはろー!ってそんな気分じゃないよね…」
八幡「なぁ由比ヶ浜…悪いがひとつ聞かせてくれないか?」
結衣「なに?そんな深刻そうな顔して!?」
八幡「お前だよな…昨日の鉄鬼…」
結衣「ハハハ 意味わかんないし 何それ」
八幡「すごく気持ち悪いことを言うが 今のお前の匂いと全く同じ気がするんだが」
結衣「やっぱりヒッキーには何でもわかっちゃうんだね…そうだよ 私が鉄鬼だよ!」
結衣「だったらどうする?私を逮捕させる?」
八幡「まぁそれは後々、決める。だがあくまでも昨日の鉄鬼がお前というだけで黒幕は別にいるんだろう?」
結衣「ヒッキーにお願いしていいかな?」
八幡「この拳銃で私を殺して?」
結衣「ヒッキーに殺されるなら幸せだよ?」
八幡「んなことできるわけないじゃないか…話、聞かせてくれ」
結衣「話したら家族まで消されちゃうから言えないよ…」
雪乃「その心配はないわ 私たち組織…いえ、あなたの親友として全力で守るわ」
結衣「ゆきのん!?」
結衣「始まりは生まれたときからなの…私、実は心臓が悪くてさ…そのころ貧乏だったからなかなか手術を受けれなくてさ」
結衣「そんな時、あの人が手術を受けさせてくれたの…そして約束したの 命を救うことを条件にやがて3回だけ仕事を引き受けるって」
八幡「そんなことがあったのか?でも両親は?」
結衣「親は知らないよ?でも人質に取られてる 万が一この事実を口外したら…って」
八幡「なるほどな…でもお前いくらなんでもそんな殺し屋の技術を身に着けられるわけないだろ?」
結衣「ごめん…それは本当に言えない…かも」
雪乃「やはり、オルトロスは存在するのね?」
結衣「!!!なんでそれ!?」
八幡「なんだよオルトロスって?」
雪乃「エフェドリンの最強進化系ね 打つと即効性があって 人外的な力を発揮できる薬よ あくまでも裏社会も…それもほんの一部にしか出回っていないわ」
結衣「そう…しかもそれはね、まだ完全じゃないから 強い副作用があるの…1回打っただけでもう私の体はボロボロ」
八幡「つまり人を使い捨てにする最強兵器ってことか?」
城廻「おやすみ!由比ヶ浜さん!」
雪乃「危ないわ!」
城廻「さすが雪ノ下さん…Aランクレベルの実力を持っているね♪」
結衣「やめてください!ふたりには手を出さないでください!」
城廻「私に銃を向けるって…?どういう意味か分かる?」
結衣「やっぱり親友や好きな人は殺せないです…」
城廻「なるほど…最後は人して死にたいってわけね?」
結衣「やめろ!由比ヶ浜!」
八幡(由比ヶ浜と城廻先輩は互いを撃ち合った。)
八幡「へへ ヒッキーの腕の中で[ピーーー]るなんて幸せだ!?ごめんねゆきのん…」
城廻「…わたしが、しんだ ところで あの人もオルトロスも…」バタン
雪乃「傷は浅いわ 良かったわ」
結衣「でもふたりも殺しちゃった…」
八幡「まぁ葉山の件はお前に重い罪はある だが今回に関しては正当防衛だろう」
雪乃「いったんサイカさんに頼み込んでこの場はどうにか隠ぺいしてもらうわ」
八幡「由比ヶ浜、病院へ行く前にひとつだけ教えてくれ…お前をこんなにも苦しめたあの人って誰だ?」
結衣「そ、それはね…」
八幡「どうした由比ヶ浜!?」
結衣「なんかすごく息が苦しいよ…どうしてだろう」
雪乃「明らかに異常よ!救急車はまだ!?」
結衣「ああああああああああああああああ!」バタン
八幡「由比ヶ浜ああああああああああああああああ!」
某所
戸部「由比ヶ浜も城廻も死にました」
???「そうか…」
戸部「由比ヶ浜は裏切ることが想定内でしたので48時間以内に死亡する例の薬を打ち込んでおきました」
???「さすが抜かりないな…」
戸部「で?次はどうすればいいんすか?」
???「雪ノ下雪乃を消してほしい。比企谷八幡は間違えても消すなよ?わかっているだろうが?」
戸部「了解っす!」
一週間後
小町「お兄ちゃん…本当につらかったね…結衣さんのこと 小町、詳しいことは知らないけどさ 本当にいい人だったね」
八幡「あぁ…お前と由比ヶ浜くらいだよ 俺に優しくしてくれた異性はな」
八幡(その恩を返すためにも俺は絶対にあいつらにたどり着いて見せる!)
第一話~鉄鬼を追って 完
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