【安価コンマ】転生させてみたらこうなった (541)
異世界転生。
物語の主人公は前世の記憶、つまりは異世界に渡る前の記憶を保持する。
その多くは地球人とされ、転生先は魔法の世界、貴族の世界、恋愛ゲームの世界など多様なのが特徴だ。
最初は苦戦するものの記憶を頼りに生活したり、時に不思議な力を授かったりして困難を乗り越える。
そんな摩訶不思議な運命を辿る者が今まさに現れたのだ。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1600090829
注意
最初にキャラメイクが多いです。(主にメイン)
サブキャラはやる時もあればやります。
まず初めに、転生前の人です。
安価下1 コンマ
偶数:男
奇数:女
その者は男性である。
詳細は……、
安価下3まで
高コンマ:名前
中コンマ:性格
低コンマ:年齢
名前 宮前 秋人(みやまえ あきと)
性格 内向的で気弱
年齢 16
と記されている。
次に転生先を選びます。
多数決:先に2票取った異世界に転生
1:勇者を召喚する世界
補足:前世の身体で呼び出されるのでキャラメイクというより世界観に移る
2:赤子に転生
補足:転生後の身体なのでキャラメイクは多め
3:異世界の住人に転生
補足:上と同じ
齢16にして一度目の生を終えた彼は赤子へと転生する。
それは幸か不幸か異世界の赤子だった。
まずは軽くどんな異世界なのかを調べていこう。
それによって、この先の彼の展開が変わっていくはずだ。
安価下1
魔法の存在する世界?
1:はい
2:いいえ
この世界には魔法が存在している。
後々その存在が明らかになるだろう。
宮前秋人に魔法の才能は勿論ない。だが、転生後なら?
その答えは彼次第であり、両親次第でもある。
母親、父親の魔法の才能に興味が出たので調べてみることにする。
足して半分にした数値が彼の潜在能力値と判断する。
安価下1 コンマ
母親の魔法の才能(00は100判定)
安価下2 コンマ
父親の魔法の才能(00は0判定)
連取りあり?
>>17
3連続とかになると勘弁願いたい。
母親:94
父親:90
赤子:(94+90)/2 = 92
両親ともに魔法の才に恵まれている。
この様子だと彼にも期待できる。
……彼は転生後でも『彼』なのでろうか。
安価下1
偶数:男
奇数:女
決めたのって転生後の名前じゃないのか
これって名前や性格もまた別のにするのか
…>>8で決めたのは全く意味ない感じ?
>>21
>>2で転生前と表記している。
確認していただこう。
>>22
否、転生後でも記憶は引き継いでいる。
記憶を引き継ぐということは名前、性格、年齢、その他諸々を覚えているということ。
無意味というわけではない。
…どうやら彼は『彼女』に転生したようだ。
『彼女』のことは両親に任せるとして、他にすることはなにがある?
そうだ、あれだ。能力を授けるというやつだ。
しかし魔法の潜在能力値は高い。高すぎるといってもいい。
与えなくても良い気がしてきた。
安価下3まで 何を採用するか不明
1:与えない
2:与える(どんな能力かを表記してほしい)
幸運、強化&再生、魅力。
……ふむ、なかなか面白いのが揃った。
幸運は先の展開でずっと働くと思うと面白味がなくなりそうだ。
強化&再生は魔法でなんとか出来そうな気がしないでもない。
魅力は女性には嬉しいな。それが原因で何かが起こるかもしれない。
能力:【幸運】
効果:アンラッキー要素を減少させ、ラッキー要素を増大させる。…主人公補正とはこのこと。
能力:【強化&再生】
効果:魔法に頼らずとも物理にも強くなり怪我も一人で治せる。…実質戦闘狂といってもいい。
能力:【魅了】
効果:『彼女』の意志に関わらず誰でも惹き付ける。…家族には効かないなど例外があるとかしないと危険。
書き出してみるとどれも違う意味ですごい。
だからこそ悩ましい。
なので、ここのコンマで決める。
01~32:幸運
34~65:強化&再生
67~98:魅了
ゾロ目:全部のせ
一旦さげ。
主人公補正というのはやっぱりあると思った今日この頃。
では【幸運】を授けよう。
…あと一歩で全部のせだったのか。恐ろしい。
そろそろ『宮前秋人』に視点を移そう。
―― 日本 某病院 ――
僕の人生がそろそろ終わる。
ここに運び込まれてすぐに思ったことだ。
それでも数年は病院で過ごせた。
とても退屈な数年。早く自由に遊びたい。はしゃいでいる子供の声は聞きたくない。
初めの頃は数少ない友人が来てくれた。今はもう来る気配すらない。
親は仕事で来ない。来たとしてもほんの数十分しかいない。
話し相手がいない。僕はますます塞ぎこんだ。
そしてやってきた手術の日。
僕は医師の打つ睡眠薬に身を任せて意識を手放した……。
―― ??? ――
身体が、軽い。嘘のように軽い。
こんなに軽いと自分が自分じゃないみたいだ。
「元気な女の子ですよ、よかったですね」
この口調からすると出産が成功したらしい。
? でもなんで僕は出産の現場にいるんだ?
目を開こうにも瞼が重い。しょうがない。僕の手術はどうなったのか聞いてみよう。
「おぎゃぁ、おぎゃぁ」
……。
「おぎゃぁ、おぎゃぁ」
「とても元気が良い女の子ですね」
……僕、宮前秋人16歳。何故か赤ん坊の声を発しています。
そしてさらに女の子になっていました。意味が分からない。
転生後の家族
安価下3まで
高コンマ:母親の名前、職業
低コンマ:父親の名前、職業
中コンマ:姓
母親:マリア・ハイレン 魔法の研究者
父親:グスタフ・ハイレン 木こり
二人の魔力値により
!研究者ボーナス発生!
!木こりボーナス発生!
・研究により異世界に影響したもの
全属性魔法の研究は完成済。魔法学園の発達に貢献した。
武具強化の魔法の実用化。
・ハイレン家で管理しているもの
禁忌魔法の研究(ほぼ完成している)。
魔木の取り扱い。
マリア「この子が私たちの……」
「はい。おめでとうございます」
僕を包み込む手は暖かく、心地良い。
たとえ夢だとしても忘れたくない感覚だ。
マリア「産まれる前は人体実験なんて考えてたけど、出来そうにないわ」
「そ、そうしてください!」
…夢であっても母親に言われたくない言葉を聞いてしまった。
―― 数日後 ――
グスタフ「よく頑張った、マリア。俺たちの子を産んでくれてありがとう!」
マリア「どういたしまして。それで? ちゃんと狩ってきてくれた?」
グスタフ「大量だよ! ほらこの魔木(まぎ)! これで娘の寝台を作ると思うと腕が鳴るね!」
マリア「私の設計図通りにしてね。私みたいに魔力暴走なんてのを経験させたくないから」
会話は聞くことしか出来ないけど、僕はとても愛されている。そう感じた。
いつまでもこの夢が続くといいな。
―― さらに数日後 ――
どうやらこれは手術中に見ている夢でなく、現実のようだ。
いつまで経っても僕は赤ん坊のまま。
言葉は話せず、ひたすら泣いて寝る毎日が続いている。
身動きが不自由すぎるから何がどうなっているか分からない。
が、今日、マリア母さんとグスタフ父さんによる娘(僕)の名付けが始まるのは知っている。
安価下3まで
娘(宮前秋人の転生後)の名前案(複数案でも可)
マリア「タリアなんてどう?」
グスタフ「うーん。コスモスなんてどうだ?」
マリア「それならエルラとか?」
グスタフ「ルーシーもいいな」
長い長い話し合いが続き、最後まで残ったのは…
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17+40+81 = 138 = 2*3*23
2+3=5 23/3=7...2
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マリア「タリアとエルラ、どっちが良いかしら」
グスタフ「ここは娘に決めてもらおう。どっちかに反応すれば、それが名前。いい?」
マリア「ええ」
二人は交互に名前を呼び、僕の反応を待っている。
僕が呼びかけに応えたのは…、
安価多数決 先に2票
1:タリア
2:エルラ
マリア「タリアに反応したわ!」
グスタフ「よし、今からタリア・ハイレンだ!」
こうして僕はタリアとして生きていくことになった。
マリア「成長促進魔法でも使っちゃおうかしら」
グスタフ「それは一応禁忌魔法だろう。タリアを成長させるのは俺たちの使命だ」
マリア「冗談よ」
―― 5年後 ――
言葉の読み書きと発声が出来るようになって確信したことがある。
魔法があるということ。
それだけで僕の心はウキウキだった。退屈な病院で漫画を読んで魔法が使えたらと思ったことが何度もある。
そしたら両親は魔法適正がとてもあると評判高いときた。僕は二人の子供として注目されている。
嬉しいことだけど、正直恥ずかしいし目立ちたくない。
話は変わるが、ハイレン家は山の中にある豪邸で周囲を結界で護っているらしい。
マリア母さんは禁忌とされる魔法の研究資料を保管しているらしく、奪われないようにするためだとか。
グスタフ父さんは『魔木』と呼ばれる魔力を宿した木の伐採免許を持っている。
魔木の生態は未だに謎が多く、人を襲ったという事例もある。
それにより、勝手に魔木を伐採することは禁止されている。何もしなければ無害らしい。
マリア「ちょっときて~」
タリア「はーい」
母さんに呼ばれてリビングに行く。
魔法関連の道具がたくさんある。むやみに触ると怒られるので見るだけにしている。
そんな魔道具がひとつ、母さんのそばに置いてある。水晶玉だ。
マリア「タリアももう五歳。魔法学園入学の際に魔力の測定をするのだけど、待ちきれないのよね」
グスタフ「俺もだ。可愛いタリアの素質を誰よりも早く知る権利は俺たちにある」
タリア「で、でもパパ、ボクだけ先に知るのは不公平じゃないかな…」
話から察するにあの水晶は魔力を測定する道具らしい。
手をかざせば、とかそういうのだろう。
ちなみにグスタフ父さんをパパと呼んでいるのは、それが夢、と聞いたから。
マリア「ね、お願い」
グスタフ「そこに手を置くだけでいいんだ」
僕の言うことなどお構いなしに促してくる。
タリア「ダメだよ。ちゃんと入学式に来て」
グスタフ「タリア……お願い」
タリア「はぁ。ダメだったら」
魔法学園、この世界の子供は一度はこの入学式に参加することになっている。
魔力適正が無い、もしくは低すぎる子供は普通の学園(僕の世界でいう学校)に通うことになる。
適正のある子供は魔法学園か学校かどちらかを選ぶことができる。
大半は魔法学園を選ぶと聞いた。僕もそうする。
タリア「ボクにも適正あるのかな」
マリア「私たちのタリアなのよ。あるに決まってるわ。魔法の特訓一緒にする?」
グスタフ「いやいや、魔法を使うには健全な肉体が必要だ。特訓なら身体から!」
安価下2
1:マリア母さんから魔法の特訓
2:グスタフ父さんから武術の特訓
3:二人に隠れて水晶に触る
タリア「魔法に興味あるから、マリア母さんお願い」
マリア「任せなさい」
グスタフ「むぅ。ちゃんと基礎の基礎から教えるんだぞ」
マリア「言われなくても。そこが出来ないと応用なんて無理だもの」
グスタフ父さんは庭に出ると斧を取り出して素振りをし始めた。
マリア「さて、実際は健全な肉体じゃなくても魔法は使えるわ」
唐突に説明が始まるった。
マリア母さんは研究者の立場上、こういうのが上手だと僕は思う。
マリア「病弱な人たちと健康な人たちの魔力値測定をしたところ、大きな差はなかった。このことから健全な身体イコール魔法使いにはなりません」
しかし脱線するのが悪いクセだと思う。
マリア「病弱な人でも魔力が高い人はいるし、健康な人でも魔力がない人はいます。いいですか?」
タリア「うん。でも聞きたいのはそういうことじゃなくて…」
マリア「…パパが筋トレをする理由ですか?」
タリア「気になるけど、今は魔法のことを教えて…」
マリア「そうですね。教えるにはタリアの魔力がどれほどなものかを知っておきたいのですが」
タリア「学園で結果を見てみたいから、簡単な魔法を教えて!」
マリア「うーん。それなら『術式魔法』にしましょう」
タリア「術式?」
マリア「分かりやすく言うなら魔法陣を描いて任意のタイミングで発動させる魔法です」
マリア母さんが席を離れる。戻ってきたときには折り紙とペンを持っていた。
マリア「これで実践します。よく見ててくださいね」
言葉通り、折り紙に注目する。何を描くのかしっかりと見ておきたい。
紙に円が描かれる。直径10センチぐらいの円だ。
マリア「先にみっつ教えておきます。まず、円の大きさはさほど重要ではありません。円の中心から線までが魔法の発動箇所と考えればいいでしょう」
タリア「なるほど?」
マリア「次に、使う魔法をしっかりとイメージできれば陣は省略も可能です。極限まで省略されたのがこの形です。要は円さえあれば発動可能です」
タリア「え」
マリア「よく見ててね、タリア」
折り紙に注目していると、たちまち湿っていく。最後には溶けてなくなってしまった。
タリア「待って待って。省略された形で教えられても困るよ」
マリア「大丈夫。初級も初級の術式ならちゃんと復習して覚えてるから」
…今のは初級じゃない魔法だったのかな。
マリア「最後に、得意属性の魔法だと魔力消費を抑える効果もあります。少ない魔力で大魔法を使える感じね」
タリア「逆は?」
マリア「不得意属性はもちろん魔力消費が激しくなります。はっきり言って魔力の無駄遣いです」
ふむふむ。
タリア「じゃあ魔力の回復は?」
マリア「良い質問。素質が高いほど回復に必要な時間は少ないですよ。私の魔力を全部使い切ったとしても一日あれば全快です」
普段は魔法を使わない母さんだ。魔力は有り余ってるんだろう。…だから結界が途切れないのか。
マリア「何属性からやってみようかしら。要望はある? 基本は火・水・風・土・雷とあるわ」
安価下2まで
火・水・風・土・雷 から選択。
順にチャレンジ
タリア「じゃあ雷! 電気の魔法やってみたい!」
マリア「いきなりそれは…。いや、魔法の危険性を教えるのも親の務め。やってみましょう」
マリア母さんの描く通りに術式を折り紙に描き写す。
円を描いてヘンテコな図形を描いて……。
マリア「これが雷魔法初級の術式です。力を抑えた術式にしてるとはいえ危ないと思ったらすぐに逃げてください」
タリア「そんな大げさな」
マリア「…自身の魔力を超える魔法を扱うと術者に反動がきます。魔法は便利な反面、きちんと制御しないといけない代物です」
かなり真剣な眼で僕を見つめている。
マリア「雷魔法は攻撃を主にする危険な属性です。その反動の威力は言うまでもありません」
タリア「……取り扱い注意?」
マリア「えぇ。でも今は私がいます。多少無茶をしてでも必ず成功しますよ」
安価下1コンマ 幸運発動
偶数:成功
奇数:大成功
ゾロ目:極大成功
マリア「手に力を込めて紙に魔力を送るような感じで」
言われた通りにやってみる。
ピリリ、と紙に電流が走ったような音が聞こえた。
タリア「…どう?」
マリア「可もなく不可もなく。身体の調子は?」
タリア「普通だよ」
マリア「よかったぁ。少なくとも初級魔法は使えることが分かったわ。私の子なら当然ね」
肩をなで下ろすかのように息を吐くマリア母さん。
マリア「雷魔法は不得意でも得意でもなさそうね。でも、だからといって調子にのらないように」
タリア「はーい。練習すればいずれ得意になるの?」
マリア「それこそ人によるわ。素質が高い私でも魔力の質を変えないといけないし……あ」
タリア「?」
マリア「なんでもないなんでもない。次はどの属性にする?」
タリア「じゃあ水! 溶けたのも水属性でしょ?」
マリア「そうよ。でもいいところ見せたくてやりすぎたわ」
タリア「水属性の注意することは?」
マリア「特にないわ。強いて言うならイメージする水の量ね」
イメージした水量が術式の水量限界値を超えると反動となり発動しないという。
マリア「この術式ならコップ一杯分ってとこかしら」
タリア「分かった。やってみる!」
安価下1コンマ 幸運発動
偶数:成功
奇数:大成功
ゾロ目:極大成功
折り紙が少しずつ湿っていく。
じわじわゆっくりと。
タリア「これはどう?」
マリア「驚いた。術式とはいえ、まさか二つの属性をあっさりと使えるなんて…」
タリア「? マリア母さん?」
マリア「しかも水属性も得意じゃなさそう。タリアの得意属性は何かしら…」
マリア「貴女は天才だわ。魔力の素質は充分にある。確信した」
何故かいきなり褒められた。
マリア「……タリア、少し血液を採らせてくれる?」
タリア「え?」
マリア「ごめんなさい。研究魂が燃えてきたの。」
グスタフ「何を言ってるんだマリア。タリアは研究対象にしないと決めただろう」
素振りを終えた父さんが戻ってきた。
マリア「そ、そうね。そうだったわ。多属性使いは希少だから興奮しちゃって」
グスタフ「なに!? 多属性!? すごいぞタリア!!」
マリア「でしょー!!」
タリア「えと、どういうことか教えて…」
二人はとてもはしゃいで僕の話を聞いていない。
でもなんとなく察しはつく。どうやら僕は魔法使いとして希少な存在ということだ。
入学式まで残り6日。
タリア・ハイレン
使用属性魔法:水、雷、その他?
安価下3まで多数決
1:二人の特訓(説明)パートを続ける
2:入学式前日までワープ(説明パートは学園になる)
―― 翌日 ――
タリア「ねぇマリア母さん。ひとつ気になったことがあるんだけど」
昨日のことを思い出して疑問点がひとつ出てきたのだ。
マリア「なぁに?」
タリア「ボクは水と雷の属性魔法が使えるけど、一人ひとつの属性魔法しか使えないの?」
得意魔法と不得意魔法、それがあるなら二つ以上使えても問題ないはず。
多属性使いは希少じゃないのか、と思った。
マリア「…基本は一人ひとつよ。それが不得意属性だったらその人は魔法使いを諦めるしかないわ」
グスタフ「俺がそれだぞ」
タリア「パパが?」
グスタフ「あぁ。俺の属性は風。しかしだな、残念なことに不得意だ。『ここぞ!』という場面でしか使えない」
タリア「そうなんだ。確かにパパが魔法使ってるとこ見たことないかも」
グスタフ「魔法に頼らず己の力でやり遂げる。そのための素振りを俺は一日たりとも怠らない」
恰好いい。初めてグスタフ父さんをそう思った。
タリア「……魔法を使うには健全な肉体が必要、だっけ?」
グスタフ「うぐ。健全でなければ『ここぞ!』という場面に立ち会えないから、間違ってはないぞ」
マリア「物は言いようね」
今日の特訓はどっちと?
安価下2
1:マリア母さんから魔法の特訓
2:グスタフ父さんから武術の特訓
タリア「パパの話聞いてたら魔法以外の道にも興味出てきた」
グスタフ「そうかそうか! なら今日は一緒に素振りするかぁ!」
高笑いして庭に向かう父さん。
マリア「ご機嫌ね。タリアと一緒にやれると思うと気持ちは分かるわ」
寂しそうな声を出す母さん。
タリア「えっと、ほら、昨日は一緒に魔法の勉強したし、魔力回復を兼ねて今日は素振りってことに…」
マリア「私のことは気にしなくていいから、早く行きなさい。待ってるわよ」
タリア「は、はーい…」
庭へ逃げるようにして行くと、既に斧を持ってブンブンと素振りをしている後ろ姿が見えた。
グスタフ「来たな、タリア。子供用の軽い模擬刀をいくつか作ってあるから好きなの取りなさい」
地面に転がってるそれらを手に取ってみると魔木製の物と分かった。
僕の使う木製の物は全部この材質と決まっている。
理由は聞いたことないから分からない。素振りが終わったら聞いてみよう。
まずは模擬刀選びだ。模擬『刀』といってるけど多くは『斧』だ。『刀』はちらほらある。
選んだのは…
安価下1 コンマ
00~79:模擬斧
80~99:模擬刀
斧の形をした模擬刀を選んだ。
不思議と手に馴染むような感覚がする。
グスタフ「いいのを選んだな」
タリア「パパのを真似るのがいいと思って」
グスタフ「よぉし、いいか? 斧というのは力任せに振り回してはダメだ」
タリア「ただ振ってるだけじゃダメなの?」
グスタフ「ああ。腰を使うんだ。腰の捻りで勢いをつける。それが大切だ」
斧を振り回してるようにしか見えない…。
グスタフ「そして同じところに何度も当てるようにするには腕の筋肉が必要だ。振ってるうちに腕が下がると狙いが外れるからな」
タリア「腕の筋肉…。どうすればいい?」
グスタフ「毎日のトレーニングが実を結ぶ! タリアもこれから毎日少しずつすれば筋肉がつくぞ!」
親心で言ってるんだろうけど、娘に筋肉つけろって父親が言うか?
……ここにいた。
父さんの真似をして斧を振り続けること十数分。
グスタフ「一旦休憩だ。休んでよし!」
その瞬間、糸の切れた人形のように膝から倒れ込んだ。
キツい。キツすぎる。
魔力回復より体力回復に時間を費やしたい…。
マリア「やりすぎよ。可愛いタリアをイジメないで」
グスタフ「イジメじゃない、特訓だ。入学式まで時間がない。せめて今のうちに俺たちが教えられることを…」
マリア「分かってるわ。今まで甘やかしすぎたのは私たちのせいだけど、だからって無理させていい理由じゃない」
グスタフ「……すまない」
タリア「だ、だいじょうぶ…。ボクは平気だから。それより休憩中に聞きたいことがあるんだ」
安価下1
1:どうして魔木製のものばかりなの?
2:ここぞ!という時になんで魔法を使うの?
タリア「『ここぞ!』という時になんで魔法を使うの? 最初に使っちゃえばいいのに」
グスタフ「さっきも言ったが、俺の魔法は不得意なんだ。そのせいで魔力消費が半端ない」
タリア「魔力消費は昨日聞いた話だ。余計に消費するんだっけ」
グスタフ「あぁ。たった一回の魔法で一気に魔力を消費して倒れたこともある」
マリア「パパは素質あるくせに不器用だからねぇ。0か100か。術式なんて暴走が当たり前だし」
脳筋魔法使い。ふとそんな言葉がよぎった。
というかマリア母さん、話を脱線させないで。
グスタフ「とまぁ、確実に狩るためには最後の一振りで魔法を使う。隙を晒さずに済むというのも一因だな」
タリア「そっかぁ。ただ斧を振り回す木こりじゃないんだ」
グスタフ「俺のことを今までどんな目で見てたかよく分かった」
タリア「……あれ、術式を暴走させてるならパパの魔法ってどう使うの?」
マリア「いいとこに気が付いたね」
グスタフ「おいおい、今日は俺の番だろ。その説明はまたにしてくれ」
マリア「ちぇ」
グスタフ「休憩終わり! 次行くぞぉ!」
タリア「え、もう!?」
グスタフ「次は模擬刀を使って俺に攻撃してみろ。遠慮はいらんぞ!」
タリア「えぇ!?」
グスタフ「大丈夫だ。所詮模擬刀。怪我しないさ。それに、タリアの太刀筋を見るには間近で見た方がいい」
間近すぎませんか…? 力加減が難しいよ。
グスタフ「さぁこい!!」
安価下1コンマ 初期武力測定のため幸運なし
00~09:失敗
10~59:成功
60~89:大成功
90~99:極大成功
初期武力:92
タリア「で、でりゃー!!」
父さんの真似をしてたった一日。それでも見える時はいつも見ていた後ろ姿。
グスタフ「こ、これは……!!」
見ていたから分かる。父さんの長年の努力が実を結んだことに。
マリア「……面白い。可愛いタリア。どこまで研究魂をくすぐればいいの…?」
タリア「はぁぁぁああああ!!」
グスタフ「太刀筋、威力、申し分ない。まさか五歳の娘がここまでやれるなんて…」
手が熱い。いや、今はそんなことより父さんに全力をぶつける!!
グスタフ「……そろそろか。タリアっ! そこまで!!」
タリア「まだまだ!!」
グスタフ「ダメだっ! それ以上は魔木で抑えられん!! 暴走するぞ!! マリア!!」
マリア「は~い」
後ろから突然現れた何かに斧を奪われた。
ダメ。返して。まだ父さんに!!
マリア「おやすみ、タリア」
!
……。
…………。
……。
タリア「あ、れ?」
ここ、僕の部屋だ。
グスタフ「目が覚めたか。気分はどうだ?」
タリア「なんか、変な感じ。ボク、風邪でもひいたの?」
グスタフ「そうだな。近いような近くないような」
マリア「貴女は魔力暴走の一歩手前までいってたの。まさか魔法以外での時になると思わなかったわ」
魔力、暴走?
マリア「でもこれでようやくタリアの素質が分かったわ。普段から魔木の生活でよかった」
グスタフ「俺もマリアも魔力の素質は人並み以上だから苦労したもんだ」
タリア「どういう、こと?」
マリア「簡単に言えば、タリアは私たちの高すぎる魔力素質を受け継いだの。そしてパパの身体能力も」
グスタフ「魔力だけなら魔木で抑えられる。魔木は元々魔力で育つ植物だ。…吸収しきれない程の魔力がタリアにあることが分かった」
タリア「よく分かんないけど、なんで魔法を使ってないのに魔力暴走なの?」
グスタフ「集中していたからだろうな」
マリア「魔法はイメージが大切ってことは分かってるよね。そのイメージに大切なのは集中すること」
グスタフ「集中している時は魔力が高まってると言っていい。高まった魔力を模擬刀が吸い取っていた」
マリア「パパは模擬刀が折れかけてるのに気付いて魔木の吸収容量を超えたと判断したのよ」
ところどころは理解できるけど、とても五歳が理解できる内容じゃないのはよく分かる。
タリア「あのまま続けてたらどうなるの?」
マリア「魔力が尽きるまで暴走よ。その間のことは覚えてないから詳しくは言えないけど、最悪って気持ちだけは残るわ」
それが聞けただけで暴走はしたくない。そう思うには充分だ。
グスタフ「とにかく今日はもう休みなさい。いいね?」
タリア「うん…、分かった」
無理をして二人に心配かけたくない。
おとなしく僕は眠りについた。
……。
入学式まで残り5日。
タリア・ハイレン
使用属性魔法:水、雷、その他?
武力値:92
武器:斧
最後にこれを。
安価下4まで多数決
1:二人の特訓(説明)パートを続ける
2:入学式前日までワープ(説明パートは学園になる)
3:二人の特訓を最終日まで続ける
―― 翌日 ――
マリア「調子はどう?」
目が覚めると隣にマリア母さんがいた。
ずっと看ていてくれたのかな。
タリア「よくなったよ。…ごめんなさい」
マリア「いいのよ。貴女の眠ってた力を見れて嬉しいの」
タリア「……うん」
リビングへ行くと既に父さんは素振りをしていた。
マリア「昨日のタリアがすごかったから『パパも頑張るぞ!』って今朝から張り切ってるわ」
タリア「あはは。でも少ししか覚えてないんだよね」
マリア「暴走の手前までいった影響かしら。本当に何ともない?」
タリア「平気だってば」
マリア「それならいいわ。…私、やることがあるの。悪いけれど今日はパパと稽古か、術式の初級魔法の練習でもしてて」
タリア「でもまた魔力暴走したら?」
マリア「大丈夫。貴女は不器用じゃないし素質がある。初級じゃ暴走しないわ。それじゃね」
そう言って母さんは術式の描かれた紙とペンと折り紙を置いて離れてしまった。
水と雷はもちろんのこと、火に土に風、まだやってない属性の術式もある。
それぞれ注意事項が小さくまとめてある。こういうとこ感心する。
それとも魔法は母さんの居る時にして、父さんの素振りでも見学? 行くと稽古になるかも。
声には出さないけど、斧振りの音が気持ちいいんだ。
うーん。
安価下2
1:初級魔法の練習
2:武術の稽古
3:筋トレ
せっかく母さんが用意してくれたし、今日は魔法の練習をしよう。
とりあえずやったこともあるのとそうじゃないのに分けてっと。
まずは復習から始めよう。雷の術式を描いて…慎重に魔力を送って…。
……よし、僅かだけど電流のような光が見えた。
次は水の術式だ。イメージはコップ一杯分の水。
それを折り紙に垂らすような感じで…。
おぉ、バッチリだ。ちゃんと湿った。
それじゃ次は……、
安価下1 コンマ
00~32:火
33~65:土
66~98:風
99:イベント
火をやってみよう。
……念のため水の近くでやろう。
えっと母さんの説明書によるとこんな感じ。
『火属性は雷と同じように反動の怖い属性です』
『ちなみに私の属性魔法でもあります』
『既に雷の素質を持つタリアには出来れば発動させたくありません』
…脱線部分は飛ばそう。
『もし発動しても慌てず消火のイメージをしてください。水をかけてもいいです』
なるほど。火を消すイメージでいいのか。便利だ。
安価下1 コンマ
安価下1コンマ 幸運発動&母親遺伝ボーナス
偶数:大成功
奇数:極大成功
ゾロ目:イベント
折り紙がよく燃えている。少し魔力を送っただけなのに……。
雷と水とは違った結果だ。
身体の調子は何ともない。もしかして火が得意属性なのかな。
タリア「ってそんなことより! 火! 消さないと!」
でも消火のイメージってどうすればいいんだ? あぁもう分かんないから水かけちゃえ!
……。
…………。
この辺拭かないと。びしょ濡れだ。
ようやく拭き終わった!
グスタフ「騒がしいけどどうした?」
タリア「何でもないよ! 素振り続けてて!!」
危うく火事になりかけたなんて言えないよね。
…次はどっちにしようかな。
安価下2
1:土
2:風
土にしてみよう。
母さんの説明書は燃えてないよね? よかった。大丈夫だ。
『土属性は主に感知魔法です』
『反動は五感にダメージがくるので気をつけましょう』
『初級の土魔法はいわゆるセンサーです。目を閉じてもどこに何があるか分かります』
『ただし空中にあるものは別なので注意するように』
土魔法だから地面と接触してないものは無理ってことかな。
『使えると中々便利ですよ』
『なお、術式の仕様上、効果時間は短いです』
とりあえずやってみよう。
安価下1コンマ 幸運発動
偶数:成功
奇数:大成功
ゾロ目:極大成功
目を閉じてみる。
……。
おぉすごい。普通なら真っ暗だけど、なんて言うんだろう、暗視ゴーグルっていうのかな?
それを付けた感じってこういうのをいうんだろうなぁ。
試しに家の中をこのまま歩いてみる。
障害物を避けて、庭に行って……。
グスタフ「タリア? なんで目を閉じて歩いてるんだ?」
タリア「魔法の練習中」
父さんを避けて近くに置いてある模擬斧を選び、手に取る。
グスタフ「そこにあるってよく分かったな。土魔法か? なかなかの精度じゃないか」
……だんだんと暗くなるのが分かる。効果が切れたのか。
タリア「終わっちゃった」
グスタフ「初めてにしては素晴らしい感知だったぞ。土が得意魔法かもな」
安価下2
1:このままグスタフ父さんに風魔法を教わる
2:戻って母さんの説明書で風魔法を勉強
タリア「確かパパの魔法って風だったよね。教えてほしいんだけど」
グスタフ「俺にか? そこまで力になれるか分からんが…娘の頼みだ」
グスタフ「今タリアが手にしているのは何だ?」
タリア「え? 模擬斧…いや、模擬刀です」
グスタフ「風属性は強化魔法に使う。それは自身にも他者にも武器にも使える」
タリア「そうなの?」
グスタフ「あぁ。風の力で素早い一撃を放つ。俺が使うのはそういう魔法だ」
なるほど。
グスタフ「上手く扱えないと風圧で皮膚が裂けることもあるから注意が必要だぞ」
タリア「それって大丈夫なの? パパって術式で暴走したんでしょ?」
グスタフ「その度にマリアの回復魔法の世話になったもんだ。はっはっは」
タリア「えぇ…」
グスタフ「知っての通り、俺は術式魔法は使えん。教えることができるのは『詠唱魔法』だ」
タリア「詠唱?」
グスタフ「分かりやすく言うなら、イメージした魔法を言葉にし魔力にのせて放つ魔法、って感じか?」
タリア「分かるような、分からないような」
グスタフ「まぁ俺もずっと無詠唱でやってるし、こういう説明はマリアが上手いんだ」
タリア「とにかくどんな感じか見せてほしいな」
グスタフ「簡単に言うが、使ったらしばらく動けなくなるぞ」
タリア「でも見てみたい」
グスタフ「よぉし! そこまで言われてやらないのは俺じゃない!」
そう言って父さんは斧を模擬斧に持ち替える。
グスタフ「これが魔木製の斧ってことは知ってるな? これでは普通の斧に比べて木を伐るには不自由だ」
グスタフ「しかし風魔法を使えば切れ味抜群とまではいかないが、木を伐るには充分な威力をもつ」
タリア「でも魔木って魔力を吸うんでしょ? 意味ないんじゃない?」
グスタフ「鋭い指摘だ。魔木が好むのは純粋な魔力。魔法に変換された魔力も吸収するが、そこまでじゃない」
タリア「うーん?」
グスタフ「伐採する前の魔木こそどんな魔力でも吸収するが、こうやって加工すれば魔法は吸わないんだ」
タリア「なんか難しい話だぁ」
グスタフ「…じゃあやってみるぞ」
グスタフ「風よ、身体を支えてほしい。娘に恰好良いところを見させてくれ! 【武具強化(エンチャント)】!!」
素振りと同じ動作、なのにいつもより心なしか動作が速い。
……なんか地味。
グスタフ「ただ素振りをしてるだけに見えるか? 注意して先の木を見てみろ」
マリア「え?」
素振りをしている一歩先には木がある。それを見ればいいのかな。
あれ、切れ込みがある。前もって入れてた?
……あ、違う。
タリア「切れ込みがどんどん増えてる」
グスタフ「そう。風魔法のおかげだ。風を斧の刃の形状にまとわせている。攻撃範囲の増えた斧と思えばいい」
やがて木は斧に触れることなく伐れた。
グスタフ「これが風魔法だ。分かったか?」
タリア「なんとなく?」
グスタフ「コツは風をどういう感じで動かし、たい、か、だな……」
父さんが尻もちをついた。
グスタフ「すまん。かなり抑えたつもりだったんだが、立てそうにない」
タリア「わ、分かった…。ちょっと見てて」
安価下1コンマ 幸運発動&父親遺伝ボーナス
偶数:大成功
奇数:極大成功
ゾロ目:イベント
風魔法は強化の力……。
自分に風をまとわせて、斧にもやれば効果は跳ね上がるのでは?
イメージを言葉にすればいいんだよね。なら考えたことをそのまま口に出す。
邪魔な思考は一切排除して…目を閉じて『集中』…。
タリア「風よ、全てにまといて力を貸して。【全強化(オールエンチャント)】」
……感じる。風が渦巻いてるのが分かる。
その中心に僕がいる。これを、ぶつける。
グスタフ「これは……マリアは何してる」
タリア「今だぁっ!!」
斧を振る。たったそれだけ。それだけ、だったのに……。
目の前には何もなかった。
そこにあったはずのたくさんの木が全て切り刻まれて倒れていた。
手に持っていた模擬斧は砕けて落ちた。
しばらくするとマリア母さんが血相を変えて飛び出してきた。
マリア「ちょっと大丈夫!? 結界に異常があったからきたけど何があったの!?」
座り込んだ父さんと庭の惨状を見てさらに顔色が悪くなる。
マリア「本当に何があったの!?」
グスタフ「マリアこそ何してた! タリアの風魔法はすごいぞ!!」
マリア「もしかして、これ、タリアがやったの?」
タリア「そうみたい」
グスタフ「俺の力を濃く受け継いだみたいだ! タリアは俺の誇りだ!」
タリア「大げさだよ…」
マリア「これだけの力を使って疲労を見せないなんて…。天才すぎるわ」
今夜は盛大なパーティが行われた。
…こういうのは初めてだからとても嬉しい。けど恥ずかしい…。
入学式まで残り4日。
タリア・ハイレン
使用魔法:水、雷
得意魔法:火、土
大得意魔法:風
武力値:92
武器:斧
安価下3まで多数決
1:二人の特訓(説明)パートを続ける
2:入学式前日までワープ(説明パートは学園になる)
―― 翌日 ――
マリア「結界の修復も終わったし、今日はタリアに大事な話があります」
タリア「うん」
リビングに行くといきなり研究者モードの母さんがいた。
マリア「まさか基本属性全部を使えるとは思わなかった。百年、いや千年に一人の天才よ。それが我が子なんて…」
マリア「貴女を研究対象にしないと決めていたけど、もう我慢できないの。血液だけでいいからサンプルを頂戴」
タリア「えぇ!?」
マリア「不得意属性がないどころか得意魔法が三種類。しかも私のいないところでの発覚なんて!」
グスタフ「落ち着けマリア。お前の気持ちも分かるがタリアの意見も聞いてやれ」
マリア「…そうね。でもこれだけは言わせて。貴女に詠唱魔法は危険すぎる…違う、集中するのが危険」
タリア「集中が危険ってどういうこと?」
マリア「貴女は集中する際に魔力を高めすぎてる。魔木がなければ暴走が確実に起こるわ。そういう意味では貴女もパパ同様、魔法使いに向いてない」
グスタフ「だが俺と違ってタリアは! 制御さえ出来れば素晴らしい魔法使いになる!」
マリア「そう、制御さえ出来れば、ね」
グスタフ「マリア、まさか」
マリア「そのために血液サンプルが必要なの。貴女に合う魔道具を入学式前に急いで作るわ」
タリア「……」
安価下3まで多数決
1:自力で制御する
2:血液を渡す
グスタフ「だが道具に頼っては…」
タリア「パパ、いいの。ボクは魔法に憧れてたから。好きなだけ採って」
マリア「ありがとう、可愛いタリア。こっちに来て」
父さんを置いて母さんと二人で歩いていく。
連れてこられたのは地下室。ここへは絶対来ないようにと言われている場所だ。
マリア「今日は特別よ。さ、入って」
そこは一面真っ白い空間。大きい本棚がたくさんある。
マリア「本は触っちゃダメよ。それを見るのはまだ早いわ」
注意しつつ注射らしきものを用意している。
タリア「分かった。これって何なの?」
マリア「ハイレン家が保管している魔法よ。中身は門外不出。そのうち貴女が護る番がくるわ」
準備が整って手招きしている。
マリア「ちょっと我慢してね」
……。
…………。
マリア「これで終わりよ。お疲れさま」
タリア「うん。絶対に完成させてね、マリア母さん」
マリア「任せなさい。これから忙しくなるからパパのとこに行きなさい」
ボクを地下室から出すと母さんは中から鍵をかけた。
リビングへ戻ると不機嫌そうな父さんがいた。
グスタフ「マリア、子供は研究に使わないと言っていたのに……」
タリア「…ボクのことを想って魔道具を作ってくれるんだよ」
グスタフ「そうかもしれないが、……くそっ!」
大声をあげた父さんは庭に行って素振りを始めた。
父さんには悪いことしちゃったかな。
姿勢が乱れていると思うのは気のせい、だよね。
今日は何しよう。父さんには近づきづらい。
安価下2
1:今日はお休みする
2:素振りで筋トレ
今日はなんだかやる気が起きないや。
部屋に戻ってゆっくり休もう……。
入学式まで残り3日。
―― 地下室 ――
マリア「……やっぱり。タリア、ごめんなさい」
マリア「私が貴女にしてあげられることは……」
―――――――――
―― 翌日 ――
タリア「お、おはようございます」
グスタフ「あぁ、おはよう」
いつにもまして気分が落ち込んでる父さんだ。
タリア「マリア母さんはあれから出てきた?」
グスタフ「ずっと地下室だよ。タリアが生まれて初めて地下で寝泊まりしてる」
タリア「…様子見た方がいい?」
グスタフ「俺が行く。ご飯もロクに食べてないだろうし」
安価下1
1:父さんに任せる
2:一緒に行く
なんだかんだ言いつつ母さんを心配している父さんだ。
こうなったのボクのせいだし…、
タリア「一緒に行くよ」
グスタフ「…分かった」
―― 地下室 ――
ドアに手を掛けるも鍵が邪魔して先へ進めない。
グスタフ「マリア! ご飯くらい食べに出て来い!」
タリア「食べないと身体にも悪いよ!」
声をあげて中にいる母さんに聞こえるようにするも返事がない。
グスタフ「昔っから研究に没頭すると何も聞こえなくなる。全く直ってないな」
タリア「まぁまぁ。でもどうしよう」
グスタフ「終わればひょっこり出てくるかもしれないが…」
その時、鍵の開いた音がした。
マリア「なぁに? 騒がしい」
グスタフ「騒がしいじゃないだろう。いつまで籠ってるつもりだ」
マリア「え? あら、もうこんな時間? 久しぶりに時間感覚を忘れちゃった」
タリア「マリア母さん、ちゃんとご飯食べて」
マリア「そうね。でも待って。……グスタフ、大事な話があるの。来て」
グスタフ「今はそんな場合じゃ」
マリア「時間が惜しいの。早く」
グスタフ「タリアには聞かせないのか? タリア関連の話だろう」
マリア「時間が惜しい今じゃ二人に説明した方が早いか。可愛いタリアもおいで」
タリア「うん、分かった」
地下室へと再び入ったけど、昨日とはまるで部屋の内装が違った。
大きな机に見慣れない機械がいくつもあって本が床に散らばっている。
マリア「今は認識阻害の魔法をかけてないの。これが本来の部屋よ」
グスタフ「そんなのはどうでもいい。話ってなんだ」
マリア「結論から言うわ。タリアに作る魔道具は二つ。『魔力吸収装置』と『魔力抑制装置』」
マリア「この二つでタリアの魔力を下げておかないと魔法を使うには危険と判断したわ」
グスタフ「吸収と抑制? そんなことしたらせっかくの才能が」
マリア「これでも足りないくらいなの! 庭にいたなら分かるでしょ!? あれは上級魔法よりずっと上なの!」
タリア「母さん…?」
マリア「私の結界にヒビを入れた魔法はそれほどに危険なの。幸いこの場所は魔木に困らないからいいけど、学園に行ったら…」
グスタフ「待て待て。どうしてその結論に至ったのか教えてくれ」
マリア「…きっかけは水と雷の属性をあっさり使えたことよ。私とグスタフの子にしてはおかしいと思ったの。この時点で私はいくつかの仮説を立てた」
ひとつ、タリアは天才
ふたつ、魔力の覚醒途中
みっつ、私のせい
マリア「出来れば最後以外であってほしかったけど、最後だったのよ」
グスタフ「ど、どういうことだ? まさか俺に隠れてタリアに何かしてたのか?」
マリア「するわけないでしょ! バカ!」
タリア「えっと? つまりどういうことなの?」
マリア「貴女は不思議に思わない? 私が水魔法を使ったことに」
タリア「え? 思わなかったけど」
マリア「なら、さっき認識阻害の魔法を使ってないって言ったけど、それは?」
タリア「別に?」
グスタフ「認識阻害は土属性の感知魔法だ。さらにいうなら結界は風魔法。空気を圧縮して壁を作ってる」
タリア「えーと、マリア母さんはそれじゃあ…水と土と風の属性が使えるってこと?」
あ、違うや。火が母さんの属性魔法だ。紙にそう書いてあった。
マリア「学生時代の私は【狂った科学者(マッドサイエンティスト)】って呼ばれてたの」
タリア「まっど…?」
マリア「全属性魔法が使えたらいいなぁって思って、魔法の研究を始めたんだけどね。それをするには自分の身体を改造するしかなかったの」
タリア「か、かい…!?」
マリア「若気の至りって怖いわね。改造による身体の悪影響は成長するにつれ収まったんだけど、後遺症で魔力をずっと放出しないといけない身体になったの」
グスタフ「……それを利用した結界ってところか」
タリア「パパは知らなかったの?」
マリア「出会ったのが卒業したあとだったから知らなくて当然よ」
グスタフ「研究に熱心な女性だと思ったが、すごいやんちゃだったんだね…」
マリア「私も一応全属性魔法は使えるけど、所詮偽物。でも貴女は違う」
タリア「……」
マリア「貴女の魔法は生まれつきの本物。たとえそれが私のせいだったとしても」
タリア「……うん」
マリア「で、ここから推論になるんだけど、マリアの得意属性は火と風と土よね?」
タリア「たぶん」
マリア「火と風については私とグスタフの影響もあるとして、どうして土まで得意になったのか考えたの」
グスタフ「一応聞こうか」
マリア「私が身体を改造しなかったら、土属性がタリアの使う属性だったんじゃないかって」
グスタフ「なるほど…」
マリア「とまぁこんな感じ。水と雷が使えるのは昔の私のせいってこと。私の血液とタリアの血液を比べて確信したわ」
グスタフ「血で分かるのか?」
マリア「分かるわよ。あの頃の私は日々自分のサンプルを見てたもの」
タリア「す、すごいんだね、マリア母さんって」
誤:マリアの得意属性
正:タリアの得意属性
――――
マリア「で、ここからが重要。魔木が大量に必要なの。備蓄してる分で完成するか分からない」
グスタフ「俺の出番か」
マリア「そういうこと。タリアのためよ、手は抜かないで頂戴」
グスタフ「…ひとつ聞きたい。魔道具に頼らないと今後魔法は使えないのか?」
父さんは真剣な眼差しで母さんを見る。
マリア「いっそのこと貴方みたいに不器用ならそんなことないんだけど……タリアの努力次第ね」
グスタフ「そうか。それが聞けて満足だ。どれくらい必要か教えてくれ」
マリア「多ければ多いほど。他の材料はこっちで仕入れるわ」
グスタフ「分かった。魔木の方は任せろ」
父さんの中で僕に魔道具を持たせることを良しとしてくれたみたいだ。
いつもの父さんの顔に戻った。よかった。
マリア「タリア、もう少し時間を頂戴。必ず間に合わせる」
タリア「うん。待ってる」
今日は何をしよう。
風魔法は危険すぎるらしいからやめておくとして…。
安価下2
1:水、雷の練習
2:火、土の練習
3:素振りで筋トレ
リビングに戻って得意属性の火と土の練習をしてみよう。
……詠唱魔法はやめておこう。
昨日みたいなことになったら大変だ。
確か、術式の描かれた紙がここに…あった。
土からやってみようかな。昨日は火からだったし。
術式を描いて…発動!
……でもこれ、地味なんだよなぁ。目を開ければどこに何があるかなんて一発だし。
もしかして夜にやった方が実感できる?
それなら火の練習をした方がいいか。
水の準備よし! 術式の準備よし!
火事になったら困るから庭に移動、よし!!
発動!!
安価下1コンマ 幸運発動&得意属性ボーナス
00~14:庭の木に燃え移った!
15~79:昨日みたいによく燃えている
80~99:昨日より激しく燃えている!
おぉ~、外でやってるから気が楽だ。
まるで小さなたき火気分。
そうだ、消火のイメージの練習もしてみよう。
この火が消えるのを思い浮かべばいいのかな。
う~~ん。
あ、勢いが弱まってる。
イメージを中断すると……?
弱くなったまんまだ。一度弱めればそのままなのか。なるほど。
じゃあこのまま消そう。
……。
そういえば、慌てず消化のイメージをって注意文にあったなぁ。
昨日は慌てちゃったよ。ごめん、母さん。
そして夜。
母さんも父さんもいないなんて初めてだ。
いや、五年と少し前、あの病院ではいつもそうだったっけ。
……やめだやめだ。そんなの今考えててもしょうがない。
スタート地点は僕の部屋、ゴールは庭だ。
何にもぶつからずに辿り着くのが目標。そうしよう。
電気は消してある。術式の描いた紙もたくさん用意した。
いざ!!
安価下1コンマ 幸運発動&得意属性ボーナス
00~09:最初でつまづいた。
10~69:一応ゴール
70~89:術式の紙が足りなくなった
90~99:目標達成
途中途中で小さな物に足がぶつかったりしながらもゴール。
術式の紙はちょうど使い切った。
机や椅子、壁のような大きい物は感知できるが、どうやらまだ小さい物は難しいらしい。
天井に近づくにつれ感知が出来ないのは空に近づいてるせいかもしれない。
とりあえず庭まで目を閉じて行けた。
帰りはちゃんと目を開けていこう。
……。
開けてるはずなのに暗くてよく見えない。電気点けよう。
入学式まで残り2日。
タリア・ハイレン
使用魔法:水、雷
得意魔法:火、土
大得意魔法:風
装備魔道具予定:吸収装置、抑制装置
武力値:92
武器:斧
最後に
安価下3まで多数決
1:特訓(説明)パートを最後まで続ける
2:入学式までワープ(装備結果は合計コンマにより算出)
―― 入学式前日 ――
タリア「静かだなぁ」
母さんも父さんも僕のために動いている。
ご飯の用意はされてない。昨日の残り物を食べよう。
タリア「…今さらだけど学園のこと何にも調べてないや」
魔法の練習で頭一杯だったから忘れてた。
僕はハイレンの子として注目されてるのは聞いたけど僕以外の情報が全くない。
ただ単に聞いてないのと調べてないのが原因だ。
タリア「でも後のお楽しみとも言うし知らないままのがいいのかも」
得意じゃない属性なら詠唱魔法やってみてもいいかな?
二人がいないから危険とは思うけど…。
とりあえずこれだけ投下
安価下3まで多数決
1:魔法(水、雷)の特訓
2:学園の資料探し
どこかに資料みたいなのがあればいいけど……。
探しものをする時に感知魔法って役立つのかな。
確か土属性の反動は五感へのダメージだっけ。
どの属性魔法も反動したことないし、試してみよう。
目を閉じても集中はほどほどに…。
タリア「学園のことを記したものを見つけて…。【探知(サーチ)】」
……。
…………。
あった。土属性って地味だけど便利な魔法だ。
見つけた資料を取って拝見。
『魔法学園 入学案内』
最初のページをめくると一枚の紙があった。
『こちらは御両親の魔力値が70以上の御家庭に配布されています』
配布される案内が家庭ごとに違うんだ。でも比べるものもないしどう違うのか分からないや。
目次をみると『魔法学園辞退の方法』とあるがそこは興味ないので飛ばす。
どのページから読もうかな。
安価 先に2票
1:施設案内
2:クラス授業説明
3:期待の入学生(キャラメイク)
『施設案内 初等部編』
・魔法学園
清く正しい魔法を教える学び舎、魔法学園。
五歳を迎えた子供達は是非お越しください。
・学生寮
本校が所有する学生寮。
入寮は希望制となっております。
一人部屋、二人部屋、四人部屋と三種類から選択できます。
食事は朝昼夜三食の用意があります。
入学式当日に別途用紙を配布します。
・クラス教室
子供の扱う属性魔法により決定されるクラス教室には、反動のリスクを抑える結界を施してあります。
事前に属性が判明してる際は担当の者に報告してください。
二属性が使用可能な子供は本人の希望により決定します。
・ロビー
他属性クラスとの交流を主とした常に解放されている部屋になっています。
よりよい交友関係を築いてください。
気になったところだけ読んだけど、なかなか大きそうな学園だ。
行くのが楽しみだ!
安価下2
1:クラス授業説明
2:期待の入学生(キャラメイク)
『クラス授業説明 初等部編』
前期に術式魔法、後期に詠唱魔法を行います。
前期前半に術式魔法を主に勉強し、魔法への理解を深めていきます。
前期後半に術式魔法のテストをします。
後期前半に詠唱魔法を主に勉強し、術式魔法とは違った魔法への理解を深めていきます。
後期後半に詠唱魔法のテストをし、成績優秀者の発表を行います。
前後半は合わせて四ヶ月です。
三回することで次年度へ進みます。これを一周と呼びます。
六周すると中等部試験があります。
成績優秀者は試験免除の資格が与えられます。
つまり、どういうことだ?
四ヶ月で前期後期の前半後半があるから、それぞれ一ヶ月?
それを三回するから十二ヶ月で一周ってことだよね?
小学校みたいな感じかな。一年を六回で中等部ってことだと思うし。
分かりづらい説明だなぁ。
安価多数決 先に2票
期待の入学生を読む?
1:読む(キャラメイクあり)
2:読む(キャラメイクなし >>1が考える)
3:読まない。後のお楽しみ
『期待の入学生』
初めに。
このページは御両親のあらゆる才能を元に本校が厳選した子供達の紹介ページとなっています。
タリア「前置きは長そうだから飛ばそう」
ちょい忙しいので時間指定
安価下 11:45まで
厳選された子供達
名前:
御両親の才能(片親でも可):
紹介者からの一言:
名前:ネリア・クランディート
御両親の才能(片親でも可):僧侶、聖職者
紹介者からの一言:彼女は大人しく、戦闘向きではないですがサポートとしては一級品の能力を持っています。
こんな感じですか?
これは時間内なら複数採用なのかな
名前 ローエン・フリーデシルト
御両親の才能 剣士 魔術師
紹介者からの一言 彼は魔翌力を剣に宿す魔法剣を扱えます
名前:ディーネ・クリスタス
御両親の才能(片親でも可):母-占い師/父-地方貴族
紹介者からの一言:〇〇(母)の美貌と私の水属性の才を受け継いだ、いや水魔法なら既に私を超える力を持っているぞ!この国1と言っても過言ではない!(紹介者:父)
タリア「本当にボクの名前が載ってる…。いつの間に…」
タリア「他にもたくさんが名前があるなぁ」
ネリア・クランディート。女性。
一級品のサポート能力を使う。
リオ・アルセウス。女性。
治癒魔法の使い手。
ローエン・フリーデシルト。男性。
魔力を宿す魔法剣を扱える。
ディーネ・クリスタス。女性。
国一番の水魔法使い。
レグルス・フルヌス。男性。
生成術の使い手。
タリア「サポートってことは他者強化の魔法、風属性かな」
タリア「治癒って、母さんの回復魔法に似てる」
タリア「魔法剣…。憧れる響きだなぁ」
タリア「一番のってすごいなぁ。暴走しないコツとかあれば聞いてみたい」
タリア「生成術? 初めて聞く。どういうのだろう」
ページをめくりながら期待と称されるみんなを想像するのがとても楽しい。
タリア「わくわくするなぁ。結界の外に出るのも初めてだし、知らない世界がたくさん見れる!」
安価下1 コンマ
偶数:父さんのお帰りだ!
奇数:母さんが地下から出た!
はい
マリア「タリア~」
タリア「マリア母さん! 魔道具が出来たの?」
マリア「試作品を作る余裕がないから平気だと思ったけど、やっぱり魔木が足りないわね」
タリア「……そっか」
マリア「落ち込まないの。素質は充分にある。それを制御するだけよ。…入学案内読んでたの?」
タリア「うん。ここにボクの名前が載ってあった」
マリア「もう少し早く魔法の練習してたら『五属性の使い手です!』って自慢できたんだけどなぁ」
タリア「…悪目立ちになるからやめて」
安価下2
1:治癒魔法、回復魔法の属性は?
2:生成術って魔法と違うの?
タリア「ねえねえ、治癒魔法と回復魔法の属性って何?」
マリア「それは基本属性とは別で『特殊属性』よ」
タリア「特殊?」
マリア「『聖属性』に『闇属性』、そして『無属性』の三つが特殊属性に分類されるわ」
タリア「…基本の五属性とどう違うの?」
マリア「反動のリスクがないのが特徴ね。そういう意味では水属性も特殊に入るんじゃないかって議論が交わされたこともあるの」
タリア「また難しそうな話を…」
マリア「治癒や回復は聖属性になるわ。神様に仕える人たちが使える魔法よ」
タリア「おぉ~」
マリア「私の場合は違うけどね」
タリア「…………」
マリア「闇属性は簡単に言えばその反対。呪術を得意とする属性」
タリア「じゃあ無属性は?」
マリア「無属性はその二つの中間に位置すると言われているけど、実際は別物と私は考えてる。規格外なのよ」
タリア「どういうこと?」
マリア「ほらここ、生成術ってあるでしょ? これも無属性の一種。無属性は決まった形がないの」
そのせいで無属性だけ研究が進んでいないという。
発見された無属性も多々あるが全部は把握しきれていないとのこと。
マリア「……ねえタリア。特殊属性も試してみない?」
タリア「え」
マリア「無属性以外なら私も使えるし、タリアも五属性が使えるなら可能性あるわよ」
タリア「自分の身体をもっと大事にしてよ…」
安価 先に2票
1:試してみる
2:試さない
1
タリア「…興味あるからやる」
マリア「うんうん。じゃあまず闇から始めましょう」
タリア「聖属性じゃないの?」
マリア「闇属性で呪ったら聖属性で治すっていう順番よ」
タリア「で、でも闇属性だけ成功したら?」
マリア「そしたら私が治すから安心して。そうねぇ、呪う相手は…私にしなさい」
タリア「えぇ!?」
マリア「大丈夫だって。私は闇属性使いでも聖属性使いでもあるのよ。抵抗力もそれなりにあるわ」
タリア「それでもやりづらいなぁ…。どうすればいいの?」
マリア「普段からの憎しみを込めて『お前だけは許さない~!』って感じで魔力を送ってみて」
マリア母さんは簡単に言うけど、憎んだことなんてないから難しい…。
そうだ。
タリア「…誰かへの憎しみをマリア母さんにぶつけてもいいの?」
マリア「身代わりってこと? 出来ることは出来るけど」
だったら元の世界の……。
うん、思い出したら忘れてた感情が出てきた……。
マリア「大きな力を使うにはそれなりに準備しないと成功しないのよ」
この感情を魔力に込めて、送る。
マリア「反動リスクがない代わりに面倒な手順を踏まないと発現しない。それが特殊魔法たる所以なの」
安価下1コンマ 幸運なし
00~34:失敗
35~79:成功
80~99:大成功
マリア「!? タ、リア…貴女…」
急に胸を押さえて苦しみだす姿が見えた。
タリア「……」
それの周囲が突然白く輝きだす。
倒れたものが立ち上がった。
マリア「ここまでの憎しみ、一体誰の…?」
タリア「……」
マリア「どうやら感情に支配されてるみたいね。闇属性は合格点だけど、精神は不合格」
なんで、立ってる? なんで、平気?
マリア「戻りなさい、タリア」
……。
タリア「あれ?」
さっきまでの記憶がない。
マリア「タリアは今後私の許可なく闇属性を使わないように」
いきなりお説教された。理不尽だ。
マリア「基本属性と勝手が違うのをもっとしっかりと伝えておくべきだったわ」
タリア「母さん? 大丈夫?」
マリア「えぇ。次は聖属性。タリアの慈悲深い心を見せて」
そう言って母さんは自分の腕を思い切り引っ掻いた。
傷口は浅いけど、血が滲みはじめた。…大変だ。
マリア「さ、私を治して」
安価下1コンマ 幸運発動
00~14:失敗
15~69:成功
70~99:大成功
早く治さなきゃ…。
マリア「焦らなくていい。ゆっくりでいいわ」
タリア「うん…」
母さんの腕を治す。それだけを考える。
この腕で僕を優しく抱きしめてくれた。
マリア「……すごい。あっという間に治った。こっちの才能もすごい」
タリア「マリア母さんのバカ! 自分を傷つけすぎ!!」
マリア「ご、ごめんなさい。タリアの素質をみるためとはいえ、やりすぎたわね」
グスタフ「大量の魔木を狩ってきたぞ~。ってタリア! なんで泣いてるんだ!!」
マリア「遅い! ずっと待ってたのよ!!」
マリア「今からまた地下室に戻って作ってくるわ」
グスタフ「まだ足りないと困るからまた行ってくる」
一人になってしまった。
タリア「暇になっちゃった。…特殊属性か。また使える魔法が増えちゃったよ」
なんだか疲れちゃったな。勝手が違うって言ってたし、そのせいかも。
……。
―― 入学式は明日 ――
タリア・ハイレン
使用魔法:水、雷
得意魔法:火、土、聖、闇
大得意魔法:風
装備魔道具予定:吸収装置、抑制装置
武力値:92
武器:斧
最後に
安価下2まで 合計コンマ
65以上:装備一つ完成
90以上:装備二つ完成
19以下:イベント
―― 入学式当日 ――
マリア「で、できたわ……」
地下から出てきた母さんは魔道具らしきものを手に持っている。
魔木製の…イヤリング?
赤と緑の宝石らしき物がそれぞれについてる。
タリア「こんなに小さいのにたくさんの魔木が必要だったの?」
マリア「見た目はコンパクトだけど、百本以上の魔木で作られてるのよ。両方ね」
グスタフ「……タリア、これが魔道具なんて誰にも言っちゃいけないよ」
タリア「え? うん。分かった」
マリア「玉の色は私とパパの属性に合わせて作っただけだから特に意味はないわ」
タリア「そうなんだ」
マリア「赤は吸収、高めすぎた魔力を吸い取ってくれる魔道具」
マリア「緑は抑制。必要以上に魔力を高めさせない魔道具」
マリア「この二つの魔道具で貴女の魔法をサポートするわ」
右耳に赤、左耳に緑をつけてくれた。
タリア「ありがとう、マリア母さん」
グスタフ「魔木は無限に魔力を吸い取れるわけじゃないから気をつけるんだぞ」
マリア「大丈夫。そのための玉よ。これは魔木に溜められた魔力を分解するように作った一級品よ」
グスタフ「マリア、お前というやつは……」
マリア「タリアを想えば『禁忌』のひとつやふたつ、みっつ以上だって惜しくないわ」
話からするに、このイヤリングは相当な代物らしい。
マリア「最後にもうひとつだけ使っていい?」
グスタフ「はぁ。結界はどうするんだ? それに行先は? 誰にも見られないか?」
マリア「維持装置と魔力繋いであるから大丈夫。宿を取っておいたからそこなら問題なし。タリア、おいで」
言われるまま二人のそばによる。
マリア「しゅっぱ~つ!」
いきなり足元が光った!
丸い形…円だ。いつの間に術式を用意してたんだ…。
―― 宿の部屋 ――
マリア「はい到着。やっぱりこれ便利ね」
タリア「え? え? テレポート?」
グスタフ「知ってるのか? マリア、禁忌魔法は早いと言っただろう」
マリア「無属性と禁忌魔法は教えてないわよ。その違いもね」
おっと、僕の一言で喧嘩になってしまう。
タリア「前に何かの拍子で聞いてたのを覚えてただけだから気にしないで」
……。
部屋を出ると受付の人が驚いた表情で出迎えてくれた。
「あれ!? お客さんいつの間にお帰りに!?」
マリア「うふふ。はい、宿の代金。いいお部屋だったわ」
「あ、ありがとうございます。…またのお越しを」
―― 王都 ――
おぉ~、石の街道、たくさんの家に看板!
森で見られない景色が広がってる!
「ハイレンさん! 今日は娘さんのデビュー日だって!? めでたいね~!」
「その子がタリアちゃん? 将来が楽しみな可愛い子だな! ウチの息子とどうだい!?」
「グっちゃん! 魔木の仕入れまた頼むから腕落とすなよ!!」
歩いていくといろんな人から声をかけられる。
父さんに声をかけてくる人が多いとはいえ、知らない人から声をかけられるのは少し怖い。
マリア「パパ人気者ね。魔木狩りとして有名な証拠だわ」
タリア「うん。パパすごい」
グスタフ「やめてくれ二人とも。恥ずかしいぞ」
街道を歩くこと数分。やがて大きな門が見えてきた。
マリア「タリア、これ持っておきなさい」
一枚の紙が手渡された。
『タリア・ハイレン様 魔法学園招待状』
グスタフ「なんだか緊張してきた」
マリア「なんで貴方がするのよ。シャキッとしなさい」
……。
…………。
門番「ようこそいらっしゃいました。招待状を拝見」
タリア「こ、これですか?」
門番「はい。確かに。真っすぐお進みください」
中に入ると既にたくさん人がいる。
わいわいがやがやとお祭り騒ぎだ。
しばらく歩くと大きな建物が見えた。
「皆さん列になってお待ちください! 入場された方は案内員の指示に従ってください!」
繰り返しそう叫び続ける人があちこちにいる。
建物に入ると別の指示が聞こえてきた。
「お子さんは左へ、御両親は右へ進んでくださーい!!」
え、ここから先は僕一人なの?
家で一人待ってた時とは違う。本当に一人だ。
マリア「しっかりね。ちゃんと見てるからね」
グスタフ「タリアが大人に見えるぞ。なんでだろうな」
心寂しいけど、少しの間だけの辛抱。
一人になって歩いているとまた案内員の指示が。
「奥から座ってくださーい。席の間隔は空けないように!」
指示通りに子供たちが座っていく。
僕もその流れにのって座る。……友達同士で来たのが多いのかお喋りが多い。
なんだかこの感じ、懐かしい。
待つこと十数分。
明かりが消え、壇上に先生らしき人がくる。
「えー、みなさんこんにちは。今日は忙しい中お集まりいただき感謝します」
長ったらしい挨拶はどこも一緒だ。
「早速ですが、お集まりいただいた子供達の魔力測定をしたいと思います」
と思ったら流れが変わった。
「結果次第では残念ながら魔法学園から退去していただきますことを御了承ください」
壇上の後ろにモニターみたいな画面が映し出され、測定結果表がそこに出た。
00~19:不合格
20~49:Cランク
50~69:Bランク
70~84:Aランク
85~99:Sランク
現在の測定値:00
「結果はこのようになっており、測定値はこの場にいる皆さまに開示していきます。御了承ください」
「では、前の席から順に壇上へとお上がりください」
いよいよこの時がきた。
前の人たちがどんどん立って上に行く。
ギリギリで合格した子供、全く適性のない子供、もうちょっとでAランクにいけた子供など様々な結果が表示されていく。
Aランク、Sランクの子供が出ると会場内が沸き上がり、中には子供が両手をあげて歓声に応える姿もあった。
…もうすぐ僕の番だ。
タリアの魔力予想潜在能力値:92(>>20)
安価下1コンマ 幸運発動&ボーナス!
コンマ値/2 + 92 が魔力値
「では、次」
タリア「は、はい!!」
緊張で目を閉じてしまうも測定器にはしっかりと手をかざす。
15/2 + 92 = 99(余り切り捨て)
現在の測定値:99
結果:Sランク
「これは…学園記録更新かもしれん」
タリア「……え?」
会場がとても盛り上がってるのが分かる。
目を開けるのが怖いけど、見ないとダメだよね…。
……あぁ、悪目立ちはあれほどしたくなかったのに……。
遠くで父さんの雄叫びが聞こえた気がした。
あれからというもの放心状態で他の人の結果は知らない。
気が付くと何故か外にいた。
周りを見ると泣いて学園から出ていく家族や、学園の奥に進む家族がいる。
マリア「やっぱりタリアは天才なのよ。私の目に狂いはなかった」
グスタフ「俺も鼻が高いぞ!! 自慢の娘だ!!」
いつの間にか二人がそばにいた。
マリア「Sランクの校舎はこっちよ。ついておいで」
―― Sランク校舎 ――
あんなにいた人がどこにいったと思うほど少なくなった。
マリア「入学初期でSランクはそうそういないからね。今この場にいるのは将来有望な魔法使いたちよ」
「キミたちは素晴らしい結果を出した未来の英雄だ!!」
いきなり大声をあげて登場したおじさんが現れた。
「吾輩、この魔法学園理事長のオーガス!! キミたちの入学を心より待っている!!」
マリア「まだこのおっさんが理事長だったか」
理事長「おぉ!! ハイレン君!! キミの子は素晴らしい!! 我が学園の新たな誇りとなるだろう!!!」
マリア「理事長、それは嬉しく思います。が、うるさいです。音量下げてください」
理事長「はっはっは!! すっかり丸くなりおって!! おぉ、こちらはクリスタス君にフルヌス君!!」
マリア「やっとどっかいった」
理事長と名乗ったおじさんはいろんなところに挨拶している。
とても騒がしいけどみんなをよく見ている人だと思う。
理事長「さて、これでみんなに挨拶できたかな? 吾輩は次の場所に行ってくる。案内を頼んだぞ」
「お任せを」
「ではSランクのみなさんは私についてきてください。御両親はあちらの者が案内します」
また別行動だ。ちょっと寂しい。
「こちら、ロビーになっています。休憩時間等にご利用ください」
「大講堂で魔力測定をした魔道具とは別に属性測定の魔道具を用意してますが、自分の属性を御存知ない方いますか?」
基本全部に特殊二つ。知ってるから大丈夫かな。
「……さすがSランクのみなさん。自分の属性は熟知しているようですね。では二属性以上をお持ちの方?」
手がそれなりにあがる。もちろん僕もあげた。
「分かりました。では用紙を配るので紙をもらったら手をさげてください」
『属性調査』
記入してください。
名前:
属性魔法:
「書き終わったら持ってきてください」
安価多数決 先に2票
1:嘘はよくない。正直に書く
2:悪目立ち避けたい。火と風だけにする。
嘘は、ダメだよね。
名前:タリア・ハイレン
属性魔法:(得意順です)風、火、土、聖、闇、水、雷
提出。
「……これ、本当ですか?」
タリア「は、はい」
「さすが素質99。……あ、すみません。案内を続けます」
「二階と三階は属性別の教室になっています。二階が基本属性、三階が特殊属性の教室です」
「二属性以上の方は入学までにどのクラスに入るかよく考えてください」
……どの属性にするか悩んじゃうな。
でも闇は使うなって言われた。それでも候補は多いなぁ。
「次は学生寮の説明です」
「二人部屋、四人部屋はもちろんのこと、SランクとAランクのみなさんには一人部屋の権利が与えられます」
「その中でもSランクのみなさんは優先的に部屋を確保するという特権があります」
「これが学生寮の用紙です。入学したら先生に書いたものを提出してください」
「なにかご質問はありますか?」
質問あればどうぞ。
ちょい忙しいので多めに見て【20:00】まで
それより前に戻れるかは運。
禁忌魔法を習得する機会はありますか?
呪いを解く機会
風の魔法も使わぬほうがいいですか?
部屋はランク別ですか?(別ランクの子とも相部屋になれますか)
――――――――
とりあえずの回答
>>223
機会があるとしてもずっと先でしょう。
>>224
質問の意図が理解できなくて申し訳ない。
タリアは呪われてなく、呪術を扱う闇属性が使用可能です。
>>226
闇属性を禁止したのは『人を呪う才能』というマイナス面が予想よりあったため。
風属性は魔道具により調整されているはずなので問題ありません。多分。
――――――――
幸運とかなくなった訳じゃないんだっけ?
それ復活させられないか
>>230
幸運はなくなったわけではありません。
闇属性は『アンラッキー要素が強い属性』なので幸運が発動すると逆に不幸になるので発動しませんでした。
必ずしも成功が幸運というわけではありません。
――――――――
タリア「別ランクと相部屋になったりするんですか?」
一人部屋はAとSしかいないけど、二人や四人部屋は同ランクでしか無理なのだろうか。
「Sランクのみなさんの希望は優先的に受理されます。お友達とランクが違っても問題ありません」
お友達、いないんだけどなぁ。
「仮に希望がなく複数人部屋を希望された場合は、ランダムに決まります」
「別ランクの見知らぬ方との出会いにオススメですよ」
「もちろん男子寮、女子寮と別々にあるので安心してください」
僕はタリアで女性なんだけど中身は立派な男性。……気にしたら負けだ。
今までそんなに気にしてなかったし。
「学生寮の詳しい案内は入寮時にまたされます。今から自由時間とし、自由解散とします」
「親御さんは大講堂におりますので必ず立ち寄ってください」
「お疲れさまでした」
おおー! と騒がしくなる。
僕は学生寮の用紙を眺めることにする。
『学生寮の案内』
名前:
1:学生寮に入寮されますか?
はい
いいえ
1で はい を選んだ方のみ2を記入してください
2:何人部屋を希望されますか?
一人部屋
二人部屋
四人部屋
2で複数人部屋を選んだ方のみ3を記入してください
3:同室になりたい方はいますか?
はい
いいえ
3で はい を選んだ方のみ4を記入してください
4:その方の名前を記入してください
名前:
名前:
名前:
これを入学時に出せばいいんだっけ。
今日が入学式なんだけど、実際は説明会みたいな感じだったな。
う~ん。どうしよう。
誰かに話しかけるようにも怖い…。
それにみんなの僕を見る目がなんか違う気がする…。
…どうしよう。
安価下2
1:この空気に耐えられない。もう帰る。
2:友達が欲しい。話しかけにいく。
ここで勇気ださないと寂しい学園生活になっちゃう!
それはイヤだ!
よし、頑張って話しかけに行くぞ!!
安価多数決 先に2票を獲得した【二人】
1:フードを被ってる女の子
2:大人しそうな女の子
3:綺麗な女の子
4:派手な男の子
5:はしゃいでる男の子
よし、最初は大人しそうな女の子から。
タリア「こ、こんにちわ…」
??「……え?」
あ~~無理無理無理無理。
初めてだよ。女の子に自分から話しかけにいくなんて!!
タリア「ボクはタリア。タリア・ハイレン。よ、よろしく!」
頭を下げて手を思い切り差し出す。
多分めちゃくちゃカッコ悪い姿を晒してると思う。けど身体が勝手に……。
??「よろしく、お願いします…? リオはリオ・アルセウス。だよ」
手が握られた!!
やった!! もう友達と言っていいよね!!? まだ!?
リオ「リオに、何か、用?」
タリア「あのその、友達になりたいな、なんて」
リオ「……とも、だち…。り、リオでよければ…」
!!!
これでボッチじゃない!! 楽しい学園生活の幕開け!!!
タリア「ありがとう! 本当にありがとう!!」
リオ「? ? ? どう、いたしまして?」
自信がついた!
次は男の子だ!! 今ならあのはしゃいでる男の子にチャレンジ出来る!!
タリア「たのもー!!」
??「ん? なんだお前」
タリア「ボクはタリア・ハイレンだ! キミと友達になりにきたぞ!」
??「はぁ? …ハイレン? 聞いたことあるな」
タリア「同じSランク同士、仲良くやろう!!」
??「待って待って。会話しようぜ、会話」
タリア「え? あ、あぁ……ごめん。張り切りすぎた」
??「俺はレグルス・フルヌス。思い出した。お前理事長にべた褒めされてた奴だ!」
タリア「そ、そうだったっけ?」
レグルス「間違えるはずがない! 俺より強いのか気になってたんだ!!」
あ、話しかけちゃダメなタイプの人だ。
目を付けられるのはイヤだ。
リオ「が、がんばれ」
後ろから小さく応援してくれる友の声がする。
逃げられない…。
「なになにー? 勝負? 決闘?」
「おもしろそー」
レグルス「観客も集まってきたし、やる気が出てきた!!」
タリア「ボクの負けでいいです。ごめんなさい」
我が友リオに悪いけどやらない方が身のためだ。
レグルス「なんだなんだ? ビビってんの? 大したことないんだな」
挑発にはのらない。入学もしてないのに不祥事を起こすのはダメダメ。
レグルス「ハイレンって弱っちいんだ!」
タリア「あ」
僕のことはどうでもいい。
でも……。
安価下2
1:それでも我慢。
2:案内員に闘える場がないか聞く
おっ大丈夫か大丈夫か(レグくん)
タリア「あの、すいません」
「事情は分かってます。今、闘魔場が使えるよう手配しています」
闘魔場? 闘技場のようなものかな。
タリア「……手早いですね」
「Sランクのみなさんの要望には迅速に対応しますよ」
レグルス「へぇ、俺たちすげえ特別扱いじゃん」
タリア「さっきの言葉、ボクが勝ったら撤回させてもらうから」
「準備が整いました。お二方、こちらへ」
どこかからか話が漏れたのか、大勢集まっている。
理事長「はっはっは!! さすがハイレン君とフルヌス君の子だ!! まさか初日が始まる前に決闘騒ぎとは!」
マリア「それはどういう意味ですかねぇ」
グスタフ「だ、大丈夫だよな? 怪我とかしないよな?」
母さんに父さんはもちろんいるし、理事長のおじさんまで見にきた。
「みなさん、期待のSランク同士の対決は今しばらくお待ちください!!」
いつの間にか大々的なイベントになってる…。
マリア「タリアみっけ。何してんの貴女」
タリア「だって…」
マリア「まあ何でもいいわ。やるからには勝ちなさい」
耳を触ってくる。『これ』はそのために渡したんだし。と言いたそうな表情だ。
グスタフ「いいか、無茶だけはするなよ」
タリア「うん。頑張る」
マリア「必要なら許可も出すわ。誰にも気付かれず治してあげる」
タリア「……今までで一番怖いよ、マリア母さん」
闘魔場の試合場へと歩を進める……。
(フォロー文言かんがえとこ)
―― 闘魔場 ――
うわ、ひろ。
観客もわんさかいるし、もう悪目立ちどころじゃないや。
レグルス「すげ~! すげ~!」
はしゃぎまくってる対戦相手。
今のうちによく観察しとこ。
足場は土、天井は開閉式で、今は開いてると。
レグルス「ここなら思い切り魔法使っていいんだろ? やったぜ!」
タリア「どんな魔法使うか教えてくれないの?」
レグルス「これから見せるから必要ねーよ」
女性に対するマナーがなってないなぁ。
まだ子供だし大目に見よう。
「用意が整いました! これより、タリア・ハイレン対レグルス・フルヌスの試合を行います!」
「初等部、中等部、高等部の先生方の判断により決着をつけたいと思います!!」
「試合、開始!!」
レグルスはいきなり両手を空にかざす。
なにしてるんだ?
……おや、短剣が彼の手にそれぞれ現れた。
何魔法だろう。
レグルス「いくぜ~!!」
突進してくる。
何も考えてないできたな。
タリア「相手を捉えて。【視覚強化】。そして、軽く素早く。【脚強化】」
これで簡単にかわす。当たらない当たらない。
レグルス「この、ちょこまかと! それっ!」
短剣を投げた!? 危ないなぁ!!
タリア「鉄の塊を溶かせ! 【業火】!!」
飛んでくる短剣に照準を合わせて撃つ。
事前に習ったのが術式魔法だけだったら怪我どころじゃすまないよ!!
レグルス「なるほど、お前の属性は風と火だな。ならこれだ! ウォーターランス!」
次にレグルスの手から現れたのは…水の槍!?
ポタポタと水が滴っているものの槍の形状は崩れない。
レグルス「これならどんなに火が強くたって怖くないぜ!」
…水属性? でも限界値を超えるのは発動しないはず。
常に水が出ているあの槍はどうなってる?
レグルス「ほらほら!! お得意の火でやってみろよ!!」
タリア「……【業火】!」
レグルス「おらよっと!!」
無駄だった。槍を振り回されて簡単に消火されてしまう。
レグルス「どうだ!!」
レグルス「もう俺の勝ちは決まったかな?」
タリア「まだまだ」
あの槍の正体は分からない。
なら無視するに限る。あれはただの水の塊。
だいぶ魔法を使ったけど、家にいた時より上手に扱えてる気がする。
これが魔道具のおかげなのかな。
今なら……。
タリア「風よ、全てにまといて力を貸して。【全強化】」
タリア「そして、水を貫く拳となれ。【雷拳】」
両手に雷を宿す。このまま一気に!!
レグルス「三属性!?」
今だ!!
レグルス「……っ、消え」
安価下2まで 合計コンマ
70以下:勢いとまらずぶん殴る
71以上:当たる直前で解除
タリア「……まだ続けますか?」
レグルス「え、あれ、俺、なんともない」
タリア「まだ『ハイレンは弱い』ですか?」
レグルス「あ、っと、その…強い、です」
タリア「……友達になってくれますか?」
レグルス「よ、よろこんで」
「そこまでっ!! 勝者、タリア・ハイレン!!」
大歓声の中、僕は二人目の友が出来たことに喜んでいた。
レグルス「い、一度勝ったくらいで調子のるなよ! 次は俺が勝つ!」
タリア「レグルス、友達は仲良くするもんだよ」
レグルス「うるさいうるさい! 友達でライバルだ! いいな!?」
タリア「友達って認めてくれるなら何でもいいよぉ~。えへへ」
レグルス「ぐぐぐぐ。次は絶対勝つ!!」
そう言って試合場から去っていった。
ニヤニヤが止まらない。友達が二人。楽しい学園生活になりそうだ。
僕もここから早く戻ってリオや母さんのところに行こうっと。
闘魔場から出た僕は真っ先に向かった先は、
リオ「すごかった、ね。魔法」
タリア「えへへへ」
母さんや父さんに褒められるより数倍嬉しい。これが友の力か。
リオ「ほんとうに、すごいよ。リオと、ちがうね」
タリア「そんなことないよ。リオだってSランク。ボクと同じだよ」
心が軽い。幸せを実感できている。
リオ「あり、がとう。リオ、もう行くね。お母さま、待ってる」
タリア「分かった。また学園で」
朝早いので最後
安価下1コンマ
偶数:母さんたちのとこへ
奇数:誰かに呼び止められた
「タリア・ハイレン君!!」
後ろから呼び止められた。
この大声、憶えがある。
タリア「り、理事長?」
振り返る。
理事長「先の試合、素晴らしかったよ!!」
タリア「あ、ありがとうございます」
理事長「だが慢心はいけない! レグルス・フルヌス君はさらに伸びる! それを超えてみせたまえ!!」
レグルスに伸びしろがあるのは僕も分かってるつもりだ。
少なくとも僕より武器の扱いは上手い。ただ危なっかしい使い方をしてる。
理事長「それと、キミ本来の力を楽しみにしている。オシャレは女性の特権だが精進してくれたまえ」
……引っかかる言い方をしてくる。
理事長「素敵な耳飾りだ。お母さんの手作りかな?」
安価下2
1:な、なんのことですか?
2:はい。綺麗でしょ?
3:ズルしてごめんなさい
理事長は学生時代の母さんを知ってる。
しらばっくれても通用しないだろう。
タリア「ズルしてごめんなさい」
理事長「はっはっは!! ハイレン君の娘とは思えない素直な子だ!!」
タリア「どんな罰でも…」
理事長「よいよい! 励んでくれたまえ!!」
マリア「理事長、娘の前で私を貶さないでください。恥ずかしいです」
大声に誘われ母さんが来た。
理事長「これはすまない。後は親子の時間を楽しんでくれたまえ」
笑っていきながらどこかへ行く理事長。
マリア「黙認するクセは変わってないわね。食えない性格してるわ」
グスタフ「マリア~! 急に走ってどうしたんだ」
……。
…………。
時間が経ち、夜になる。
人目のつかないところで、禁忌魔法(テレポート)を使って家に帰ってきた。
タリア「今日は疲れた…」
グスタフ「すごかったぞタリア。どんどん自慢の娘になっていく!」
マリア「決めることさっさと決めて寝ましょ。理事長の相手でクタクタよ」
魔法学園に入学はするとして、学生寮に入るかどうかだな。
タリア「ボクが決めていいんだよね?」
マリア「もちろん」
グスタフ「タリアの学園生活だ。好きにしていいんだぞ」
学生寮に関して
安価多数決 先に2票
1:入らない
2:一人部屋
3:二人部屋(同室にリオを希望するかしないか)
4:四人部屋(同室にリオを希望するかしないか)
『学生寮の案内』に名前を書いて項目を埋める。
二人部屋で、我が友リオ・アルセウスとの同室を希望。と。
グスタフ「…今からでも遅くないぞ。家から通うのもいいんだぞ」
タリア「ボクの好きにしていいんでしょ」
タリア「あとはクラス教室だけど…」
マリア「教室は闇がオススメよ」
タリア「え?」
マリア「誰もいないし、なにより自由時間が多いわ」
……何をしていたのか大体察した。
タリア「リオの属性聞くの忘れちゃった」
グスタフ「リオ? リオってまさか入学案内に載ってた期待の入学生のリオか?」
入学案内? 待てよ。確かレグルスの名前もどっかで聞いたと思ったんだよ。
パラパラとページをめくり確かめる。
タリア「ボクはどうして気付かなかったんだ…」
リオは治癒の魔法。聖属性。なら必然的に教室もそこだと思う。
レグルスは生成術。無属性。僕が唯一使えない魔法。
タリア「自分の扱えない属性でもいいの?」
マリア「私のころと変わってないならSランク優遇で平気だと思うわ」
なおさら迷っちゃうな。
友と同じにするか、新たな出会いを探すか。
属性をふたつ選択してください。
安価多数決 先に2票
やっぱり我が友のいるところがいいな。
そのために今日頑張ったし。
タリア「行くなら聖属性か無属性かなぁ」
マリア「貴女がそう決めたなら文句はないわ」
あとは他に決めること……。
タリア「多分これで大丈夫!」
よし、おやすみ!!
―― 翌日 ――
またしてもテレポートで通学。
便利だけど見つからないかヒヤヒヤものだ。
マリア「今日は入学する意志を見せる日。私たちとお別れの日よ」
グスタフ「身体には気をつけるんだぞ。いつでも帰ってきていいんだぞ」
帰りたいと思っても道のりが分からないよ。
タリア「いってきます!」
……。
…………。
―― 学園 Sランク校舎 ――
理事長「おはよう未来の英雄諸君!! 来てくれたことを感謝する!!」
リオとレグルスの姿を見つけた。
よかった。もし来なかったらって寝る前に思っちゃった。
理事長「キミたちの才能を無駄にはさせない! ぜひ開花させてほしい!!」
理事長「吾輩はまだまだ回らないといけない。あとは任せたよ」
一言二言の朝会が終わり、校舎の中へ案内される。
先生「いろいろと説明する前に学生寮の用紙を回収する。各自持ってきなさい」
前の案内員とは違って近寄りがたい雰囲気の人だ。
でも物怖じしてるわけにはいかない。
先生「全員出したな? これよりクラス教室の説明に入る。用紙の確認をする間、基本属性は二階、特殊属性は三階で待機」
―― 三階 ――
とりあえず三階に到着。先生が来るのを待つ。
タリア「むむむ。どっちにするべきか」
リオ「タリア、ちゃん」
タリア「リオ! 癒しを求めるなら聖属性かなぁ」
レグルス「なんでタリアがここにいるんだよ。お前基本属性だろ」
タリア「レグルス! それともよきライバルのそばで勉強か。うむむ」
(先生などの名前はこちらで決めてもいいですか?)
安価下2まで合計コンマ
80以上:聖属性
79以下:無属性
リオ「タリア、ちゃんも、聖属性、なの?」
タリア「一応使えるからね。それにまだ特殊属性のことってよく理解してないし、ちょうどいい機会だよ」
リオ「そう、なの?」
レグルス「にしても遅いなぁ先生」
タリア「みんなの用紙見てるのと、二階から順にやってるせいじゃない? そのうちくるよ」
先生「その全部を同時進行中だ」
タリア「うわ、びっくりした」
先生「タリア・ハイレン。学園記録更新の素質を持ち、昨日の闘魔場の勝者。…ほう」
レグルス「タリアばっかり評価すんなよ!」
先生「レグルス・フルヌス。希少な無属性、生成術を扱う。次期当主としての素質あり。…なるほど」
先生「三階で待機している学生は手前から、聖、無、闇の教室となっている。選択した教室に入室!」
リオと僕は聖属性。レグルスは無属性の教室へと入る。
集まった生徒の大半は聖属性、残りは無属性だった。
……母さんの言った通り、闇属性は誰もいなかった。
―― 聖クラス ――
先生「私はクライヴ・モーフィ。Sランクの責任者であり、術式魔法の担当でもある。よろしく」
先生「といっても聖属性には術式が存在しないことは皆知ってるだろう」
タリア「え?」
先生「ん? どうした、タリア・ハイレン」
初耳なんですが。そんなの一言も聞いてないよ!
先生「キミほどの者が知らないとは言うまい」
安価下2
1:知りませんでした。
2:言いません。続けてください。
3:そんなことより他クラスは放置でいいんですか?
タリア「…知りませんでした」
先生「素直なのは良いことだ。知識を求む姿勢、皆も見習うように」
褒められた、のか?
先生「術式魔法とは、陣を描いた者が魔力を送り発動する魔法を指す」
その辺はなんとなく知ってる。
先生「聖属性は癒す力。人を理解し、人を愛する力。自分で人を癒すからこそ発揮する。それが大前提となる」
先生「もし仮に聖属性の術式魔法が使える者がいるならば、異常者だ。術式に魔力を送れば顔も名前も何もかもを知らない他人を治療できるのと同じことになる」
先生「それは人を人として見ていない。人を治す物として認識している」
先生「例えばだ。今日私はきみ達と初めて会った。もし昨日、安全な場所にきみ達がいて、私がどこかで危険に晒されてるとしても気にも留めないはずだ」
先生「そこで命からがらきみ達のもとへ辿りつけば、誰かは私のことを理解し、助けてくれるかもしれない。だが辿りつけなかった場合……」
そこで口を閉ざす。後は僕たち想像しなさいってことだな。
先生「聖属性は慈悲の心。ここにいる全員、優しき心を忘れぬように。では授業に入る」
……これ前置きだったんだ。
安価下1コンマ 幸運発動
00~09:話を聞いてると眠くなる。寝た。
10~54:知らないことだけ書き留めた。
55~99:熱心に取り組んだ。
熱心に取り組んだ。
授業の内容は聖属性を使う際の心構えというものだった。
授業態度 +5
無知回避 +2
合計 7
先生「授業はこれにて終了。学生寮の案内を受ける者はロビーで待機。それ以外の者は自由にして構わない」
終わると同時にさっさと出ていく先生。
忙しいから質問タイムはなしか。
タリア「リオ~、…いない。いつの間に」
寂しい。ロビーに行こう。
安価下1コンマ 幸運発動
00~09:友がいない
10~29:レグルスがいる
30~99:リオもいる
―― 一階 ロビー ――
すでにたくさんの人が待ってる。
教室に留まる人や外に出ていく人は学生寮に来ないんだろうけど、リオはどこだろう。
レグルス「タリアも学生寮か?」
タリア「うん。リオ知らない?」
レグルス「お前のそばにいたやつか? 急いでどっかへ走ってた」
えぇ~。それじゃあ寮に来ないってこと? とても寂しい。
先生「レグルス・フルヌス。これはなんだ」
レグルス「え? 学生寮の用紙」
先生「同室に書いた名前だ」
レグルス「タリア」
タリア「え!?」
レグルス「よきライバルとして一緒にいるべきだと思ってさ!」
先生「タリア・ハイレンときみは異性だ。許可できない」
先生の言うことはご尤も。嬉しいけど、無理なんだよ。
レグルス「だったら紙にそう書いてくれればよかったのに」
先生「異性を書いた前例がなかったものでね。これからは表記するよう伝えておく」
タリア「質問! 同室に希望した学生が寮に来ない場合は?」
先生「両者合意なら問題ないが、事前に打ち合わせをしていなく且つ片方が寮を辞退している場合は」
その通りなんだけど言葉に棘があるよ、先生。
先生「その者の同室者はランダムにより決定される。もしくは空いた部屋へ移動だ」
そうなりますよね…。
レグルス「俺、ランダムになんのか。残念だな」
先生「これから学生寮に移動する。全員、遅れるな」
―― 学生寮 入口 ――
先生「ここから学生寮の敷地だ。教師は普段ここへは干渉しない。ここで起きた問題は学生のみで解決するように」
先生「分かれ道を右に行くと女子寮。左に行くと男子寮になる。男子生徒は私と左に進む。女子生徒は迎えがくるまで待機」
レグルス「じゃーな、タリア」
タリア「うん。またね」
……。
友がいない!! 寂しい!!
周りをみるとわいわい楽しくお喋りしてる子が多いなぁ。
まだ一人でいる子もちらほらいるけど…。
「女子のみなさ~ん、お待たせしました~」
奥から人がくる。女子寮の案内員さんかな。
「Sランクの方たちですよね。こちらへどうぞ~」
道なりに進むこと約五分。
なにこの無駄にデカイ建物。それも2つ。
……寮? ホテルの間違いじゃない?
「こちらが女子寮本館です。初等部と中等部の生徒が利用するのでそれなりに大きいんですよ~」
「隣にある別館は高等部の生徒が利用する寮施設になってるので近づくと危ないですからね~」
「早速中へ案内しちゃいますね~」
―― 女子寮本館 ――
「一階から三階までは共同スペースです。詳しくはお部屋にある冊子で確認してくださいね」
「それで、え~と?」
案内員さんは何か紙を見ている。
「名前を呼ばれた生徒は前に出て、部屋の鍵を受け取ってくださいね。最初は一人部屋から」
名簿だ。それを読みながら鍵を渡していく。渡された生徒は鍵のプレートをみて部屋に向かっていく。
一人部屋が終わると二人部屋、四人部屋へとなり、最後には数人しか残らなかった。
「呼ばれなかった人は二階の広間で待っててくださいね~」
残り物の私たちは指示に従って二階へ。
安価下2
1:気長にのんびり待つ
2:友を、友になる人を探さねば……
気長にのんびり待つとしよう。
……。
なんだかじろじろ見られてる気がする。
心当たりしかないから別にいいんだけど…。
時間が経つとまた人が二階へとやってきた。
別ランクの人たちかな。
なんだかんだで全ランクの人が集まるとたくさんになった。
案内員さんが三人もきて、左右の人の手には箱がある。
「それじゃ抽選会のお時間で~す。ランクがSとAは右、BとCは左の人に集まってくださいね~」
僕の引く右の箱には、一人部屋の紙、二人部屋の紙、四人部屋の紙の三種類。
対して左の箱は二人部屋と四人部屋の二種類。
ペアとなる二人部屋はそれぞれに一枚ずつ。四人部屋は二枚ずつの紙があるらしく高ランクと低ランクを一緒の部屋にするらしい。
しかしそれでも人数の都合上、低ランク同士の部屋が多いとのこと。
ボッチにならなければいいかな!
引くべきは複数人部屋!!
あわよくば同室の人と友になって楽しい寮生活を!!!
安価下2まで 合計コンマ 幸運発動
29以下:一人部屋
30以上:二人部屋
85以上:四人部屋
引いた紙は、『二人部屋5Fー3』だ。
「書いてある紙と同じ番号の人を探してくださいね~」
二人部屋だからBかCランクの人を探せばいいんだな。
タリア「二人部屋の5F-3の人いますか~」
声をあげて探す。
タリアの同室学生
安価下3まで
高コンマ:名前、属性
中コンマ:ランク(B or C)
低コンマ:性格
??「はい、ワタシです。アンジェ・レッターです」
これまた優しそうな女の子だ。
アンジェ「Cランクですが、よろしくお願いします」
タリア「こちらこそよろしくね。友達になろう」
アンジェ「そ、そんな…こと、言われるなんて思わなかった。嬉しい…」
「ペアが見つかったとこは鍵を受け取りに来てね~」
タリア「だって。行こう!」
アンジェ「はい!」
鍵のプレートに同じく『5F-3』と記されてある。
「五階の三号室だね~。いってらっしゃい」
―― 女子寮 五階 ――
三号室、三号室…。
ここかな。
受け取った鍵を使って開錠!
……。
もう立派なホテルの部屋だ。
安価下2
1:部屋の探索
2:アンジェと会話
タリア「仲を深めるためにお話しよう!」
アンジェ「いきなり…。でも賛成。タリアさんと話してみたかったんです」
タリア「ボクと? これまた何故」
アンジェ「昨日の闘魔場での試合、あれほど見事な火の魔法は初めてみました」
タリア「あ、あぁ。知ってたんだ。そりゃそうだよね」
アンジェ「ワタシはまだ術式魔法も満足に扱えません。コツがあれば聞きたいです!」
こ、コツ? そんなの考えたことなかったよ。
でも僕を頼ってくれている。これを逃せばアンジェと友になれないと思え! 僕!
タリア「……火を怖がらないことかな」
そうすれば火事騒ぎになる前に消火できるからね。
アンジェ「火を恐れない強い心が成長の一歩。パパの言葉と同じだ!」
タリア「そ、そっか! よかった!」
アンジェ「ギリギリで入学できたワタシと違ってタリアさんはすごいな」
アンジェ「あの日からワタシの目標はタリアさんです!」
タリア「照れるなぁ。えへへへ」
キラキラした目で僕を見つめる。
嬉しいけど罪悪感がやってくるから見ないで…。
アンジェ「一緒の部屋…。幸せです」
タリア「そろそろストップ…お願い」
早いとこ魔道具なしで魔法使えるようにしないと居心地が悪すぎる…。
ここだけじゃない。リオとレグルス、学園にいるみんなにも申し訳ない。
悪いのはアンジェやみんなじゃない。魔道具を使った僕なんだ!
あの時は気分が高まってて気付かなかった。でも今はもう…。
アンジェ「どうしました?」
タリア「何でもないよ。はは」
それに気付かせてくれたアンジェは大事にしよう。
理事長に言われたのを思い出す。僕本来の力が見たいと。
僕もアンジェに負けないよう頑張らなきゃ。
安価下2
1:そういえば冊子を確認と言ってたような。
2:どっと疲れが出た。寝よう
タリア「冊子! 冊子を読もう!」
無駄なとこは省いて簡単に要約するとこんな感じ。
『学生寮 案内冊子』
1F 受付、ロビー、食堂
2F 広間、雑貨屋(授業に必要な物も部屋で遊べる娯楽物もある)
3F 露天風呂(部屋にもお風呂はある)
4F 立入禁止
5F~9F 初等部エリア
10F~14F 中等部エリア
15F 中等部専用露天風呂
07:00~08:30 朝食
11:30~14:00 昼食
17:00~20:00 夕食
好きな時間に来ていいとある。
授業開始時間
Sランク:08:00
Aランク:08:30
Bランク:09:00
Cランク:09:00
タリア「うわぁ、アンジェと一時間も違う」
Sランクは好待遇だけど、こういうとこは別ってわけか。
アンジェ「でもほら、Sランクは雑貨屋で特別割引だって。受付でSランクカードを発行してもらえるってありますよ」
速攻で取ってきた。でもお金持ってない。山育ちの弊害が……。
タリア「特別割引はAランクにしてSランクは無料にしてくれないかな…」
アンジェ「さ、さすがにダメだと思うよ…?」
タリア「残念。じゃ、ご飯食べにいこ!」
ご飯もランクで違うのかと思ったらそんなことはなかった。
ただ、Sランクカードを見せると好きなデザートをひとつ追加できるシステムだった。
アンジェ「いいなぁ」
最後
安価下2
1:お近づきの品です。どうぞどうぞ
2:そんなに欲しいならあげる。
3:悔しかったらSランクまでおいで。
タリア「お近づきの品です。どうぞどうぞ」
アンジェ「そんなつもりじゃ」
タリア「まあまあ。遠慮しないで」
アンジェ「…いいの?」
タリア「もちろん」
アンジェ「ありがとう」
……。
…………。
部屋に戻り就寝。
本格的に授業も始まってくるし、頑張らないと。
なんで下げたんだ…。
生存報告。夜再開。
忙しかた。申し訳ない。
成績7(最高100)
安価下~本日21:00まで
学園生活パート 一旦座学のみ
1:授業描写あり
2:授業描写なしで会話パートのみ(成績は安価)
―― 翌日 ――
タリア「おはよー」
朝六時。あと三十分後に目覚ましをセットしていたけど早く目が覚めてしまった。
タリア「…あんじぇ?」
寝ぼけた声を出しながら隣のベッドを見る。
アンジェはまだ寝てる。
タリア「…開始時間が一時間も違えばそうなるよね」
物音を極力立てず、アンジェを起こさないように身支度スタート。
の前に、念のためアンジェの目覚ましを確認。…八時起床予定。
僕の授業が始まる時間に起きるのか。羨ましい。
―― 学園 Sランク校舎 ロビー ――
朝食を終えて学園に到着!
早め早めの行動のおかげで人が少ない。
光と無の教室と覗いたけどリオもレグルスもいなかった。
なのでロビーで待機している。
タリア「暇だ…」
ようやく眠気が吹き飛んだのに…。
安価下1
1:来るまで待機
2:友達作り
3:友達作り(新規キャラメイク)
――
安価下2 コンマ
上が1の場合
偶数:リオ
奇数:レグルス
上が2の場合
01~33:>>174
34~66:>>177
67~99:>>178
00:新規キャラメイク
我が友を待とう。
どっちが先にくるかな~。
リオ「……あ、タリア、ちゃん」
タリア「リオだ!」
寮に来なかったのは残念だけど、ずっと会えないわけじゃない。
それでも寂しかった!
リオ「わっ、いきなり、どう、したの?」
勢い余って抱きついてしまった。
タリア「いやぁ、友の特権というものをフル活用してみました」
リオ「うん…? うん。……?」
納得しそうで出来ないその表情、見えないのが残念だ。
リオ「…昨日は、一緒、帰れなくて、ごめんね」
離れるといきなり謝られた。
タリア「いいのいいの。何かあったんでしょ。それにボク、寮に入ることになったし」
昨日の出来事を軽く説明する。
タリア「……とまぁ、そんな感じ。Sランク優遇ってすごいね。甘え放題って感じ」
リオ「甘え、すぎは、ダメ、って…お母さま。言わ、れた」
タリア「あ~。ほどほどにしときます」
確かに甘えすぎてダメになっては元も子もない。
…魔道具なくてもいいようにするにはどうすればいいんだろう。
楽しいお喋りの時間は終わり、授業の時間になる。
成績7
安価下1コンマ 幸運発動
00~09:話を聞いてると眠くなる。寝た。+0
10~54:知らないことだけ書き留めた。+2
55~99:熱心に取り組んだ。+5
寝た以外の場合
安価下2コンマ 幸運発動
偶数:話を注意して聞いた。+1
奇数:自分なりの一言メモを書いた。+2
結果:+4
合計:11
残り授業回数(予定):14
――――――
タリア「先生質問! 寮生じゃなくても寮に入って一緒に昼食いいですか?」
先生「構わない」
タリア「ありがとうございまーす!」
弁当箱を持ったリオを引き連れて寮の食堂へ。
レグルス「タリア、一緒に食べようぜ」
タリア「それ明日にしよ! じゃ!」
リオ「は、はやい…たす、け……」
男子寮は昼食ついてないのかな。
それとも自由だから弁当にしてもいいのか。帰ったら確認してみよ。
レグルス「…つれねぇなぁ。えっと、リオだっけ。アイツ、振り回されて大変だ」
校舎から寮へ一直線! お昼はリオと一緒に!! いやっほぅ!!!
―― 寮 食堂 ――
寮のお昼ご飯を受け取って席につく。
タリア「あれ、元気ないね。ご飯たくさん食べないと!」
リオ「も、もっと、ゆっく、り……はぁ、はぁ」
アンジェの時と同じく、リオにもデザートをあげる。
タリア「これ、Sランクだけの特別なんだって。リオは寮生じゃないから無理だけど、ボクからのプレゼントってことで!」
リオ「あ、ありがとう」
疲労が顔に出ている。このデザートで癒されておくれ。
タリア「知らないことを知るってこんなに面白いなんて思わなかったよ。午後の授業も頑張ろう!」
リオ「う、うん。そう、だね。リオも、まだ、知らない、こと、ある」
タリア「そういえば聖属性って術式魔法の授業がないからテストってないのかな」
筆記試験くらいあるよね? それとも実技一発?
リオ「ある。と、思う」
タリア「だよね。なかったら授業の意味ないし」
……おや、遠くに見えるはアンジェじゃないか?
何人かと一緒にいるけど友達かな。
安価下2
1:アンジェに声をかける
2:アンジェのとこに行く
3:今はリオとの時間
アンジェも友達といるみたいだし、今はリオとの時間だ。
リオ「タリア、ちゃん? どう、したの?」
タリア「何でもないよ。ルームメイトを見かけただけ」
リオ「ルーム、メイト…」
そう言ったきり黙々と食べ続けるリオ。
まずいことでも言ったのかと思った。けど、デザートに手をつけたからそんなことはないと断言できた。
タリア「これが餌付けか…」
リオ「?」
友達と食事なんて幸せだぁ。ここで出来た友は絶対大切にする。
タリア「改めてこれからもよろしく、リオ」
リオ「えと、うん。でも、もう少し、のんびり、して」
僕とのんびりしたいと。分かった。リオといる時ははしゃいじゃう自分がいるけど出来る限り抑えよう。
のんびり、のんびり……。のんびりってなんだろう。うーん。
リオ「……でも、楽しい。から、このまま……」
のんびり。のんびり。のんびり。考えるほど難しくなっていく。のんびりってどこからがのんびりだ?
タリア「むむむ」
リオ「聞いて、なさそう…。…それが、タリア、ちゃんの、いいとこ? かな」
昼食も終わって校舎に戻ってきた。
午後は自由にしていいと言われたのでロビーに来た。
タリア「てっきり午後もあると思ったけどそんなことなかった」
リオ「とくしゅ、だけ、自由みたい」
タリア「ってことはレグルスも自由時間だ」
なにしよっかな。
安価下3まで 低コンマ
1:リオとの会話
2:リオと聖属性の特訓
3:レグルスを探してみる
タリア「せっかくだし特訓だ特訓!」
リオ「と、とっくん?」
タリア「何事もやってみないと何が危険か分からないからね」
聖属性は癒しの力、人を理解することが大事。
タリア「…危険要素が見当たらない。それはそれで怖い」
リオ「気に、なってた、けど、タリア、ちゃんは、神官さま、の、家系?」
タリア「シンカン? 誰? ……神官か。えっと」
マリア母さんは名前こそ聖母だけど、自分を改造して聖属性を使えるようにしてるからな……。
タリア「…もしそうなら神様に怒られてる、かな。ははは」
その結果、子である僕に影響を及ぼしている。
渇き笑いしかない。
リオ「違う、の?」
タリア「おばあちゃんやおじいちゃんのことは知らないから分かんないや」
確か母さんは『神様に仕える人たちが使える魔法』って言ってたし、リオもそういった家系なんだろう。
……神様、怒らないよね。母さんは仕えてないけど今まで無事だったから大丈夫だよね?
タリア「とりあえず特訓と意気込んでみたものの、治すには傷ついてる誰かを探さないと」
リオ「そもそも、とっくん、いみ、ない」
タリア「え?」
リオ「誰か、を、治したい。助けたい。そう、想う心、大事。傷ついた人、探す、違う」
リオ「誰も、傷つかない、そんな、平和、リオは、ほしい」
ゆっくりだけどリオは言った。
その間、語るリオを見て自分が恥ずかしくなった。
傷ついた人を探すのは、傷ついた誰かを望んでいるのと一緒。それは間違いだとリオは言いたいんだ。
タリア「……リオはすごいな」
リオ「ううん。傷ついた人、見るの、いや。痛いの、いや、だから」
タリア「うん。そうだね。痛いのはイヤだ。元気に過ごしていたいよね」
初めて出来た友がリオでよかった。
タリア「リオの夢、叶うといいね」
リオ「…うん。初めて言った。これ、タリア、ちゃんと、リオとの、秘密」
友達との秘密!!! 絶対に守ります!!!
待てよ。
リオが秘密を共有してくれたのに僕は何もしなくていいのか?
友達として、僕も何か秘密をリオと共有しなくてはいけないんじゃないか?
僕が打ち明けられる秘密、秘密、ひみつ……。
誰にも話してはいけない、こと……。
安価下3まで 多数決
1:魔道具のことを話す
2:教えてはいけない
……。言わないと。
タリア「ボクもリオに秘密を話すね」
リオ「?」
タリア「ボクの両耳についてるこの耳飾りのこと」
リオ「きれい、だよね。ずっと、つけてる」
タリア「うん。実はこれがないとボクは魔法が上手く使えないんだ」
リオ「え?」
きょとんとした顔で僕を見つめる。
これ以上リオを見るのが心苦しくなってくる。
タリア「魔法を使うための魔道具。魔力暴走を止めるために作ってくれたんだ」
タリア「だから実際のボクはそんなにすごくない。これがないと満足に魔法が使えないんだ」
リオの顔が見えないように下を向く。
どんな気持ちで聞いてるのだろう。
闘魔場の試合で僕は魔道具を使って勝った。何も知らないリオはすごいと言ってくれた。
その気持ちを、壊そうとしている。
リオ「タリア、ちゃん…」
タリア「ごめん!!」
リオ「……」
無言が一番怖い。何でもいいから、言って。どんな非難でも受け止めるから!
リオ「そっか」
こっちに向かって歩いてくる。
お別れの言葉かな。失望されたかな。
リオ「……誰に、だって、悪いところ、ある」
リオ「タリア、ちゃんの、悪いところ、リオだけの、秘密」
リオ「リオだけ、タリア、ちゃん、本当のこと、知ってる。嬉しい」
リオの口から発せられた言葉、それは僕の醜い部分を浄化するには充分すぎた。
リオ「ふたりの、ひみつ、だね」
人を知り、理解する。その言葉の意味が分かった気がした。
――――――
ボーナス:成績+2
合計:13
――――――
タリア・ハイレン
魔力値:99
使用魔法:水、雷
得意魔法:火、土、聖、闇
大得意魔法:風
装備魔道具:吸収装置、抑制装置
武力値:92
武器:斧
リオ・アルセウス
魔力値:95
得意魔法:聖(、その他?)
※タリア以外の魔力値はキャラメイク時の関連コンマを元に算出。
レグルスの魔力値も決定済。未登場キャラは登場時に算出予定。
……。
気付いたら下校の時間だ。
リオ「帰ら、なきゃ」
タリア「もう少し話してたいけど、しょうがないか」
リオとお別れし、寮へと戻る。
タリア「また明日!」
―― 女子寮 タリアとアンジェの部屋 ――
タリア「ただいまー」
と言ってみたがアンジェがいない。
タリア「まだだったか。そのうち戻ってくるでしょ」
調べもの中…。
寮生の昼食は寮で食べるもよし、自分で用意するもよし。
ただし、Bランク以下の生徒は事前に申告すること。
タリア「自分で用意…。作るか買うかだけど、お金ないから弁当どころか材料も買えない…」
そもそも料理したことが一度もない。
安価下2
1:アンジェにお金を貸してもらえないかと頼んでみる
2:お小遣い稼ぎの方法を考える
3:寮の昼食で充分
弁当分のお金でもいいから稼ぎたいな。
子供でも出来る仕事…。何があるんだろう。
冊子を見ても、さすがに初等部の求人はない。
タリア「むむむ」
子供らしく雑貨屋の手伝いか? 一度行って頼みこんでみるのも手だ。
その前に受付で何か出来ることがないか聞いてみるのもいい。
それとも魔法を使って何か稼げそうなこと。
闘魔場で賭け事? 僕と誰かが試合して賞金を……却下。子供らしくない。
少額でいいなら大人の手伝いが無難か。
お小遣いにはちょうどいい。
でも自由に使えるお金も欲しいといえば欲しい。
安価多数決 先に2票
1:少額で充分。雑貨屋に向かってみる。
2:少額で充分。受付で仕事を聞いてみる。
3:稼ぐならドカンと。闘魔場の使用許可を取りにいく。
―― 女子寮 雑貨屋 ――
タリア「…スーパーマーケットみたい」
日用品、勉強道具、娯楽品。食品に本にファッションにドラッグストア。
案内板を軽く見ただけで何でも揃ってることが分かる。
どれも小規模だが学園の施設にしておくには勿体ないほど充実している。
タリア「アクセサリーみたいな小物売り場かと思ってたのに…」
ウィンドウショッピングをしている先輩方があちこちにいる。
これだけ店があれば見るだけでも楽しいんだろうな。
タリア「とにかく、手伝いが必要そうなお店を探さないと…」
安価下1コンマ 幸運発動
01~14:見つからない
15~34:勉強コーナーへ
35~56:食品コーナーへ
57~76:娯楽コーナーへ
78~98:ファッションコーナーへ
ゾロ目:アンジェ発見
……。
…………。
一通り回ってみたけど、どこも子供の手が必要なさそうだった。
手伝いをしたいと言ってもやんわりと断られ続けた。
中には僕がSランクだと知っている人がいて手伝わせることは出来ないと言われた。
タリア「ここでお小遣いが稼げればよかったんだけど」
学園からお金まで支給されるわけないし、外に出て探してみようかな。
タリア「初等部の門限は確か十七時。Sランクはそこから二時間延びるから十九時か」
今は…十六時過ぎ。探すにしてもアテがあるわけじゃないし、どこに何があるか全く知らない。
時間のある時に探すのがいいか?
そういえば明日、レグルスと一緒にお昼を食べようって話をしたような……。
どうしようかなぁ…。
安価下2
1:外に出てお小遣い稼ぎが出来るか探す
2:明日はレグルスの弁当をつまむ
3:明日のことは明日の自分に任せよう
タリア「明日は明日だ。今日考えても仕方ない」
現実逃避をして部屋に戻る。
アンジェ「タリアさん、お帰りなさい」
タリア「ただいまー」
今度は部屋にいた。
アンジェ「遅かったですね。何してたんですか?」
タリア「ちょっとね。寮の中を見てた」
買い物じゃなくてお小遣い稼ぎに店を見てたなんて変な子だと思われちゃう。
タリア「ボク疲れちゃったよ。少し寝るね…」
アンジェ「お風呂は?」
タリア「起きたら入るー」
ベッドに潜り込む。
アンジェ「一緒に露天風呂に行こうと思ってたのに」
露天風呂か。裸の付き合いって言葉はこの世界にあるか知らないけど、僕にとって一番刺激の強い場所だよなぁ。
僕はなるべく部屋の風呂で済ませたい派なんだ。
アンジェ「行かないんですか?」
安価下2
1:せっかく誘ってくれてるし行く
2:また今度の機会でお願い
何度も誘ってくれたし、せっかくだから行こう。
タリア「分かった。準備するからちょっと待って」
アンジェ「はい!」
服をしまう袋に着替え、タオルは…向こうにもあると思うけど一応持っていこう。
魔道具は今のうちに取っておこう。
タリア「お待たせ。行こっか」
―― 3F 露天風呂 ――
露天風呂までの道のりで魔力で動く洗濯機を発見した。洗濯物には困らなそうでよかった。
整体? マッサージ? とにかく身体を揉み解してくれる人がいるスペースもある。
目的地に着くと早めの時間だからか人は少ない。
アンジェ「『せんとうのなかで、さわがないように』だって」
タリア「静かにゆったりとしたいよね」
~~ 入浴中 ~~
五歳といえど乙女のお風呂。
ここでの会話は想像にお任せします。
…僕の身体は乙女だもん。
~~ 入浴終了 ~~
身体を拭いて髪乾かして着替えして……。
アンジェ「途中からうつむいてたけど具合悪かったですか?」
タリア「大丈夫だよ。ちゃんと受け答えはしてたでしょ」
なるべく人を見ないようにしてたけど、だんだん混み始めると下を向くしかなくなったのだ。
タリア「お風呂気持ちよかったね」
アンジェ「はい。これからも一緒に入りましょう」
嬉しい申し出だけど心は複雑だ…。いつか慣れる日がくるかな。
安価下2
1:マッサージ屋へ行く
2:広間で休憩
3:部屋に戻ろう
タリア「あそこ行かない?」
マッサージ屋らしき場所を指差す。
アンジェ「え、あの、あそこワタシは……」
タリア「ん? 入口になんか書いてある」
『Sランク専用施設 カードを提示してください』
タリア「あ。ご、ごめ…そんなつもりじゃ」
よく確認しなかった僕のミスだ。
嫌な思いをさせてしまった。
安価下2
1:アンジェも一緒にと頼む
2:広間で休憩
タリア「……カードは確か着替え袋の中に」
アンジェ「タリアさん?」
あった。
タリア「ちょっと待ってて。融通が利かないか聞いてくる」
受付の人にカードを見せる。
「はい。中へどうぞ」
タリア「後ろにいるあの子もお願いできませんか? 友達なんです」
「カードはお持ちですか?」
安価下1コンマ 幸運発動
00~09:正直に言う
10~69:まだ発行していない
70~99:魔力値99が見えない?
ここで正直に言うと門前払いだろうな。
タリア「実はまだ発行してなくて。お風呂上がりですぐ利用したいんですけど」
「……分かりました。少しお待ちください」
奥に行ってしまった。
アンジェ「だ、大丈夫なの?」
タリア「どうだろ。警戒されてるのかな」
戻ってきた。
「ここに利用者の名前を記入してください」
紙とペンを渡された。
徹底してるなぁ。Sランク専用だからか護りが堅い。
安価下2
1:我が友リオの名を記入
2:アンジェの名を記入
3:諦める
ダメだ。全く融通が利かない。
リオの名前を書いたらリオに迷惑かけちゃうかもしれないし、アンジェの名前を書いたらすぐにバレる恐れがある。
タリア「……やっぱいいです」
安全にいくには身を引くのが一番だ。
アンジェ「え、いいの?」
タリア「一緒に行きたかったから。ボクだけ行ってもつまんない」
友達と行くことに意味がある。アンジェと一緒の時はSランク専用という言葉に注意しよう。良い教訓になった。
タリア「気分転換しよう! 何かしたいことある?」
アンジェ「し、したいことですか? お風呂に入るはもうしたし……」
えーとえーと、と悩むアンジェ。
いつまでも見ていられる。
安価下1コンマ
偶数:広間で休憩
奇数:部屋に戻る(翌日へ)
結局あのまま部屋に戻り、たわいないお喋りで過ごした。
そして就寝……。
あまり進められず申し訳ない。
よければ、安価下~アンケ
1:筆記試験終了まではこのままの流れ
2:筆記試験までワープ(合計成績は安価)
3:実技編までワープ(筆記結果は安価)
!テスト完成!
!筆記試験までワープ!
残り授業14 → 0
成績:13(最高値100)
成績の見方
20以下:筆記試験全て安価
21~35:Bランクのテストから安価
36~65:Aランクのテストから安価
66~89:Sランクのテストは安価
90以上:満点(安価なし)
安価下1コンマ 1回目~7回目の成績 幸運発動
00~10:+10
12~54:+25
56~98:+35
ゾロ目(00除く):+50
安価下2コンマ 8回目~14回目の成績 幸運発動
00~10:+15
12~54:+28
56~98:+42
ゾロ目(00除く):+50
安価下1~2合計コンマ 1回目~14回目のボーナス 幸運発動
01~20:+1
21~54:+5
56~119:+8
120以上:+10
00:+100&幸運強化
13 +35 +28 +8 =84
成績:84
―― Sランク校舎 聖属性の教室 ――
今回のテストは全属性共通の問題だそうだ。
そうじゃなきゃ、聖属性以外の授業をした意味がない。
テストはランクに応じて回答範囲が違うらしい。
自分のランクまでのテストが必須で、一段階上のテストは自由と言っていた。…Sランクは全部やれってことらしい。
アンジェはBランクのテストをやるのが自由か。
すでにテスト用紙は配られ、緊張感で教室が覆われている。
先生「回答時間は一時間。出来た生徒は提出して帰って構わない。はじめ!」
Sランクテスト
簡潔に説明せよ
Q:魔力暴走の定義を答えよ。
Q:属性によって反動がないのは何故か答えよ。
安価下~投下から1時間以内
1:回答(満点回答あればその時点で終了)
2:諦め
―― テスト終了 ――
とりあえず全部書いた。
提出して終わり!
先生「結果は後日発表する。その時に合わせて各ランクの成績優秀者は各校舎ロビーにて発表する」
時間ギリギリまで残っていた生徒も帰り支度をして教室から出ていく。
リオ「ど、どう、だった?」
タリア「Sランクの問題がやっぱり難しかったかな。あんなのさらっと説明しただけで詳しく言ってなかったじゃん」
リオ「でも、タリア、ちゃんの、おかげで、まりょく、ぼうそう、調べてたから……」
タリア「ボクのおかげ? なんで?」
リオ「…いつ、そうな、っても、いいように。リオが、なおしたいから」
友の特権再びフル活用。
よーし、テストも終わったしパーティだ!!
レグルスを誘って、アンジェを迎えにいって……
安価下1コンマ 幸運発動
20以上:リオ、レグルスが知り合いになった
40以上:アンジェ含め全員知り合いになった
安価下2
1:新たな友人が出来た(>>174、>>177、>>178から選択)
2:新たな友人が出来た(新規キャラメイク)
3:新たな友人はまだ
それからネリアも一緒だ!!
ネリア・クランディート。
つい先日、僕の友達になった女の子だ。
彼女は僕と同じSランクでサポートのプロとして期待されている。
実績を聞いたこともあるけど、話したくないらしくだんまりになる。
話は変わって、名前が似てるという理由で『ターちゃん』と呼ばれた。あだ名なんて初めてだから嬉しい!
このパーティをきっかけにみんな仲良くなればいいな!!
―― 学園 広場 ――
全員を引き連れてやってきたのは広場兼運動場。
中等部ではここで武術の特訓をするらしい。
でも今日はあちこちでパーティを開いている。テスト終わりだからね。
アンジェ「ああぁ、Sランクの輪にCランクがいていいんでしょうか?」
タリア「そんなの関係ないない。ボクの友と友が友達になるいい機会だよ」
ネリア「ターちゃんの言う通り。ランクは関係ない」
レグルス「Cランク相手は物足りないけど…ま、仲良くやろうぜ」
リオ「なかよし、だいじ」
空き場所を確保!
タリア「【簡易結界】」
周囲に軽く結界を張る。これで騒音を軽減できる。
ネリア「……【結界強化】」
ネリアの魔法でさらに軽減。あれだけ騒がしかった広場が嘘のように静かになった。
レグルス「すげーな。もう結界が使えるのかよ」
タリア「まだ長持ちはしないけどね。ネリアのおかげで魔力消費が抑えられてるよ」
ネリア「これくらいしか役にたてないから…」
アンジェ「み、みなさんはゆっくりしててください! 準備ならワタシがします!」
リオ「てつ、だう」
緊張しっぱなしのアンジェのそばにリオが付き添っている。
僕とネリアは結界を必要最小限の大きさにするため、みんなの周りをぐるぐると移動中。
レグルスは中心でただ座っている。……女子だらけだけど手伝っていいんだよ?
タリア「準備も終わったし、テスト終わりパーティと親睦会を行いまーす!」
わー。ぱちぱちぱちー。
レグルス「タリアって時々おかしなテンションになるよな」
アンジェ「で、でも良い人です!」
ネリア「急に弱気になるとこも魅力…?」
リオ「タリア、ちゃん、にんきもの。だね」
タリア「ぼ、ボクのことはいいんだよ! 恥ずかしいなぁもう!」
なんでみんな僕の話ばかりする!
レグルス「共通点なんてお前の話くらいしかないし」
タリア「確かに!」
むむむ。こうなったら誰かの良いところを僕から話してやる!
そうすればみんなの興味もそっちにいくだろう!
安価下2まで
誰かの良いところを発表
タリア「ボクよりリオのがすごいんだよ!」
リオ「!?」
タリア「詳しいことは二人だけの秘密だけど、強い心と優しさを持った凄い子なんだぞ!」
アンジェ「リオさんが優しいのは同感です! さっきもずっと一緒にいてくれました」
リオ「え、え…」
レグルス「確かに最近はタリアに振り回されても弱音はいてない」
ネリア「強い心…」
心の意味合いが僕が思ってるのと違う気もするが、よしよし。
みんなの視線がリオに向かっている。
リオ「タリア、ちゃん……」
元凶は僕なのに明らかに困った顔で助けを求めている。
注目浴びるの苦手なんだね。ごめんね。
タリア「…とまぁ、リオのすごさが分かったところで次はレグルスだ!!」
レグルス「俺か。どんなこと言ってくれるんだ?」
タリア「自分に自信を持っていて、さらに自分の実力に慢心することなく努力している頑張り屋さんなんだよ」
なんといっても友達でありライバルのレグルスだ。
この間、隠れて生成術の特訓してるの見てたぞ。
アンジェ「さすがです。Sランクといえど更に上をみる姿勢。学ばせてもらいます」
ネリア「ターちゃんに勝ちたいだけだと思う…」
リオ「タリア、ちゃんを、きずつけ、ない、でね」
レグルス「俺を応援してくれんのはアンジェだけか。ありがとな」
アンジェ「え!? あれ!? えとえと、ま、負けちゃえ!!」
レグルス「…………」
アンジェ、二人に合わせなくていい。レグルスの味方をしてやってくれ。かわいそうだ。
レグルス「なあタリア。再戦いつにする? そろそろやろうぜ」
タリア「あ、その……。怒ってない時でお願いします…」
出会った順で次はアンジェ。最後にネリアの良いところを発表して親睦会は順調に進んだ。
アンジェ「タリアさんの普段の生活を知ってるのはワタシです!」
レグルス「生活より試合でこそ人間の本性が出るから俺が一番だ!」
ネリア「ターちゃんは何でもできちゃうから魔法のサポートができる人が欲しいと思ってる、はず」
リオ「み、みんなより、リオが、タリア、ちゃんを、知ってる、もん」
結局僕の話で盛り上がった。
それでみんなが仲良くなれるならいいんだけどさ、聞いてるこっちはどんな顔すればいいの?
結界を張ってる以上離れるわけにいかないし、この状況から逃げるに逃げられない。
タリア「早く終わんないかな……」
親睦会なのに疎外感とは。
ただただ結界の維持に集中するだけの人になった。
みんな楽しんでくれたかなぁ。どうかなぁ。
最後に各ランクテストを下げて公開。
よければ回答してってください。
特典ってわけじゃないけど全問正解者がいたら幸運強化します。
仲間紹介。
リオ・アルセウス
魔力値:95
得意魔法:聖(、その他?)
レグルス・フルヌス
魔力値:87
得意魔法:無(生成術)
アンジェ・レッター
魔力値:21
使用魔法:火
ネリア・クランディート
魔力値:89
得意魔法:風(、その他?)
Cランクテスト
正しい数字を埋めよ
Q:基本属性は全部で( A )属性。
ある・ない で答えよ
Q:特殊属性に反動は( 1 )。
Q:親の属性は子供の属性に関係( 2 )。
Q:魔力値の高い人は必ず魔法使いの才能が( 3 )。
Bランクテスト
簡潔に説明せよ
Q:火属性の魔法を消す方法は水以外に何があるか答えよ。
Q:水属性の魔法を発動させる時に注意することを答えよ。
Q:土属性の魔法の効果範囲を答えよ。
Q:風属性の魔法で強化以外の用途を答えよ。
Q:雷属性の魔法の反動のリスクを答えよ。
Q:聖属性の魔法の主な用途を答えよ。
Q:闇属性の魔法を使う時に手順を複雑にするとどうなるか答えよ
Aランクテスト
簡潔に説明せよ
Q:聖属性の心構えを答えよ。
Q:無属性の定義を答えよ。
Q:闇属性の魔法を扱う際に特に注意することを答えよ。
乙
CランクテストQ:基本属性は全部で( 4 )属性。
特殊属性に反動は( ない )。
親の属性は子供の属性に関係( ある )。
魔翌力値の高い人は必ず魔法使いの才能が( ない )
Bランクテスト
Q:火属性の魔法を消す方法は水以外に何があるか答えよ。 消火のイメージをする
Q:水属性の魔法を発動させる時に注意することを答えよ。 イメージする水の量が術式の水量限界値を超えないようにする
Q:土属性の魔法の効果範囲を答えよ。空中にあるもの以外の全範囲
Q:風属性の魔法で強化以外の用途を答えよ。空気を圧縮して壁を作ることで結界を作る
Q:雷属性の魔法の反動のリスクを答えよ。他の基本属性と比べて反動が強い
Q:聖属性の魔法の主な用途を答えよ。 治癒や回復
Q:闇属性の魔法を使う時に手順を複雑にするとどうなるか答えよ より大きな力を扱える
Aランクテスト
Q:聖属性の心構えを答えよ。人を理解・人を愛するといった慈悲の心・優しい心が必要
Q:無属性の定義を答えよ。聖属性と闇属性の中間に位置し、決まった形を持たない属性
Q:闇属性の魔法を扱う際に特に注意することを答えよ。精神が未熟だったり強すぎる感情をこめると暴走し、使用者の記憶もその間無くなる
回答きてビックリ。ありがとうこざいます!
>>447
15/20(配点:1問5点)
基本属性は 火・水・土・風・雷 の5属性。
>>448
20/20(配点:闇のみ2点。他3点)
雷と闇は作中で説明不足のところもあるので厳密には違うけれど合格。
おめでとう!
>>449
30/30(配点:1問10点)
文句なし満点!!
Sランクテストの結果のみタリアに反映されるので、その結果は次に続く。
―― 翌日 Sランク校舎 聖クラス ――
先生「昨日のテストを返却する。名前を呼ばれた者は取りにくるように」
もう採点終わったんだ。仕事が早いことで。
先生「次、タリア・ハイレン」
タリア「はい!」
受け取って席につく。初めてのテスト、緊張するなぁ。
上から順に点数をゆっくりとみよう。
Cランク:20/20点
Bランク:20/20点
Aランク:30/30点
Sランク:27/30点
合計:97/100点
な、なにがダメだったんだ?
先生の一言が書いてある。
Q:属性によって反動がないのは何故か答えよ。
減点理由:無属性の説明が不十分。
無属性は母さんからそんなに教えてもらってないし、授業でも軽くしか説明してくれなかったじゃん。
先生「今回のテストは全属性が範囲だった。聖属性の問題は全員出来ていたがそれ以外は全然出来ていない者が多い」
先生「多属性クラスとの交流も大事なことだ。たくさんの人と仲良くできるのは今のうちだけだ」
リオ「ど、どう、だった?」
タリア「…あとちょっとだった。くやしい」
先生「テストについて質問があれば答える。何かあるか?」
安価下多数決 先に2票(3除く)
1:無属性の説明不十分について聞く
2:レグルスに聞くからいい
(3:それ以外の質問あればどうぞ)
タリア「質問! 質問!!」
先生の前まで行って解答用紙を叩きつけた。
タリア「ここです!」
先生「無属性の説明か。分かった」
先生「聖の説明は完璧だ。闇は完璧とはいえないが理解はしている。だが無は違う」
タリア「どう違うのか教えてください!」
先生「キミは以前、レグルス・フルヌスと試合をしたことがあったね?」
タリア「…それがなにか?」
先生「彼が感情で魔法を使ったと思うかい?」
タリア「……そう言われると、戦いたいという感情では?」
先生「そうとも言えるが根底は違う。特殊魔法を使用する際の大元だ」
タリア「も、もっと分かりやすく言ってもらえませんか?」
先生「聖属性の根底は人を救いたい『感情』」
先生「闇属性の根底は人に害を与えたい確固たる『意志』」
先生「無属性の根底は新しい何かを創造する『知識』。この三つをあわせて『知情意』と呼ぶ」
先生「特殊属性は術式で表すことは出来ない。…禁止されているが無は別だ。次の筆記の範囲なので覚えておくように」
先生「話を戻して、反動がないのは何故か」
先生「無属性は感情や意志で魔法を使っているわけじゃない。知識で創造している魔法だ」
先生「反動がないのは知らないからだ。知らないモノを考えて創造は出来るかもしれないが、そう思わない限り発動しない」
タリア「えーっと、つまり? この答えを簡潔に言うと?」
先生「『知情意で扱う属性には反動がない』と言える」
そういえばそんなことさらっと言ってたなぁ…。
席に戻って書き直す。
タリア「知情意で扱う属性魔法には魔力の反動がないため…っと」
知らないモノを創造…か。レグルスの創ったウォーターランスが多分それだよね。
先生「質問者はもういないな? ロビーに上位五名を載せた張り紙がある。見る見ないは自由。以上、解散」
リオ「見に、いく?」
タリア「成績優秀者だっけ。それでいられると中等部への試験免除だよね。気になるから行こう」
―― Sランク校舎 ロビー ――
レグルス「お、きたな。俺のライバル」
タリア「きたよー。これが張り紙?」
上位五名の名前の横に得点も一緒にある。
安価下1コンマ
98、99:満点がいた。
それ以外:タリア1位
1位 タリア・ハイレン 97
2位 レグルス・フルヌス 90
3位 リオ・アルセウス 85
……。
タリア「上から三つってボクたちなんだ」
レグルス「あともうちょっとだったんだけどな」
リオ「リ、リオの、名前が、ある」
ネリア「……よかったね」
背後から聞こえた。
レグルス「ネネすけ! お前も頑張ったよ! な!?」
ネリア「……魔力値と頭の良さって一緒じゃないって分かったテストだった」
タリア「待って!? ネネすけってなに!?」
リオ「そこ、なんだ…」
ネリア「えへへ、いいんだ。上位五名なのにサポート役が入ったらだめだよね」
レグルス「待て待て! 俺たちがお前の勉強をサポートするから!」
ロビーで騒ぐなと注意され、聖クラスの教室で復習会をしようという話になった。
安価多数決 先に2票
1:Cランク校舎に行ってアンジェを呼ぶ
2:ネリアのそばについて復習会を始める
3:復習会に参加しないで帰る
タリア「アンジェも呼んでくるから待ってて」
ネリア「ターちゃんと一緒に行くー」
レグルス「お前はこっちだ!」
リオ「い、行って、らっしゃい」
―― Cランク校舎 ロビー ――
こっちでも優秀者の発表があった。
アンジェの名前はあるかな。
安価下1末尾コンマ
1~5:優秀者の順位
6~0:範囲外
名前は見当たらなかった。
アンジェ「タリアさん!? なんでここに!?」
タリア「呼びにきたー」
僕の存在に気付くと一気にざわつきはじめた。
「なんでここにSランクの人が?」
「しかも闘魔場で勝った方だ」
「ほんものだー」
タリア「有名人みたいだ…。アンジェ、恥ずかしいから早くきて」
アンジェ「はい!」
手を取ってそそくさと立ち去る。
アンジェ「もう帰るんですか? それにしては道が違うような」
タリア「Sランクの校舎に向かってるからね」
アンジェ「!?」
いきなりアンジェがいやいやと手を振り回した。
―― Sランク校舎 聖クラス ――
アンジェ「振り解けなかった…」
タリア「えっへん」
レグルス「無理矢理連れてきたのか…」
ネリア「もう帰りたい…」
リオ「まだ、終わって、ない」
みんな揃ったし、やるぞー!
レグルス「それでアンジェはどうだった?」
アンジェ「どうって……こんな感じです」
C 10/20
B 3/20
ネリア「……」
C 15/20
B 12/20
A 10/30
S 5/30
リオ「が、がんばろ?」
ネリア「……サポートされるなんて初めて」
レグルス「上位三人いるし、何でも聞いてくれ。タリア、ここなんだけど…」
タリア「これはねぇ…」
リオ「……が、つちの、説明」
アンジェ「なるほどです。火しか分からないワタシのために…ごめんなさい」
ネリアとアンジェの復習を中心に時間は過ぎていった。
―― 数時間後 ――
レグルス「だいぶ終わったな」
ネリア「あたまがいたい…」
アンジェ「本当にありがとうございます…」
リオ「アンジェ、ちゃん、終わり。ネリア、ちゃん、まだ、ある」
タリア「範囲の差って恐ろしいね」
安価下多数決 先2票
1:アンジェを連れて寮へ(翌日に)
2:リオを連れて魔力の特訓へ
3:レグルスに再戦を申し込む
4:ネリアの勉強にこのまま協力する
あとはレグルスに任せればいいかな。
タリア「リオ、ちょっとちょっと」
リオ「?」
確か次の授業からは詠唱魔法になるから魔道具なしでもいいように魔力の特訓を始めておかないと。
……。
…………。
レグルス「……あれ、タリアとリオは?」
ネリア「さっき出てった」
アンジェ「すぐ戻ってきますよ」
―― 学園 広場 ――
リオ「わかった。リオ、がんばる」
タリア「ごめんね。二つあれば制御出来てるけど、一つの時は分からないから…」
結界を張るとその分魔力の制御が難しくなるのでこそこそ話す。
まずは吸収の魔道具を外してみる。
これで魔力を全部僕でコントロールしないといけなくなる。
タリア「……水魔法で試してみるか」
一番被害が少なそうなのを選び、魔法に集中。
タリア「少しでいい。水よ。大地に恵みを…。【雨乞】」
安価下1コンマ 幸運発動
00~09:本格的な雨になった
10~59:リオの手助けが間に合う
60~99:頭の上に小さな雨雲
リオ「……」
タリア「……これって成功?」
頭上にふわふわ漂う小さな黒い雲。
手でつかめそう。
タリア「でも小さすぎるよなぁ。もう少し大きめのを出したかったのに」
リオ「やりすぎ、ても、ダメだと、思う」
タリア「それは分かってるんだけど、……うーん」
魔道具を一つにしただけで思い通りにならないのは歯痒いなぁ。
タリア「…最初はこんなもんだと思うことにしよう」
抑制の魔道具を外し、吸収をつける。
これは高めすぎないように魔力を見極めるのが大事になってくる。
……集中しすぎて魔力を高めすぎてるって言われたっけ。気を付けないと。
リオ「がんばって」
タリア「…【雨乞】」
安価下1コンマ 幸運発動
00~14:本格的な雨になった
15~69:リオの手助けが間に合う
70~99:頭の上に小さな雨雲
タリア「さっきより、少しだけでいいから」
リオ「……? ようす、へん?」
何か言ってるけど、今はこっちに集中。
高めすぎないように……。
リオ「これ、タリア、ちゃん…!」
いきなり手に何かを押し付けられた。
もうちょっとで出来そうだったのに……。
タリア「…あれ、もしかして危なかった?」
上を見たら雨雲が集まってきてるのが見えた。
あのままやってたらと思うと…怖いな。
抑制もつけて雨雲を散らした。証拠隠滅。
リオ「もど、る?」
安価下2
1:次は別の属性で挑戦(基本属性から選択)
2:みんなのとこにもどる
タリア「戻ろうか」
このまま続けてたら危なさそう。
―― Sランク校舎 聖クラス ――
ネリア「ターちゃんたちどこ行ってたの?」
タリア「ちょっとね。秘密なのだよ」
レグルス「何でもいいけど助かった。もう少しで終わるから手伝ってくれ」
アンジェ「ワタシではお役に立てずです…」
リオ「あと、ひといき」
なんだかんだでネリアの復習も終わった。
アンジェ「今日は楽しかったです」
ネリア「……帰っていいよね」
リオ「ゆっくり、やすんで」
レグルス「帰るかー」
―― 女子寮 部屋 ――
タリア「明日はテスト休みで一日自由だって」
アンジェ「やった!」
何しよっかな。
また特訓? リオがいないから無理か。じゃあのんびり過ごそうかな。
学園の外に行くのもいいね。居心地よくて出てないし。
タリア「どうしようかな」
あれもいい。これもいい。どんどん出てくる。
ベッドで横になって考え事してると眠くなってきた。
タリア「明日したいことすればいいかぁ」
眠気には勝てず、そのまま目を閉じた…。
明日すること
安価多数決 先2票
1:一人で特訓
2:初の外出
3:アンジェとおでかけ
4:なにもせずのんびり
急用できたのでお休み。
一週間以内には再開します。
申し訳ない…。
酉忘れたけどあってるかな。
生存報告。いろいろ片付いたので金曜再開。
待たせてしまって申し訳なさすぎる。一週間と言ったのに約一ヶ月…。
忘れないうちにやろうとしていた安価を先にやる。
安価下1コンマ 詫びとして偶数奇数にしない。
ゾロ目以外:アンジェは暇。タリアと一緒。
ゾロ目:アンジェに用事あり。
―― 翌日 ――
休日!
タリア「良い朝だ!」
アンジェ「曇ってますよ?」
タリア「そういう気分なの」
曇ってるといっても雨は降らないだろう。
タリア「ねえアンジェ、一緒におでかけしようよ」
アンジェ「おでかけ? 何か用事でもあるんですか?」
タリア「特にないよ」
ずっと学園にいたから外に出てみたいだけ。
何か新しい発見があるかもしれないし、そばにアンジェがいたらもっと楽しいし。
アンジェ「……なら、ワタシの家はどうですか?」
タリア「アンジェの家?」
アンジェ「はい。ここから遠くないし、パパとママにも会いたいし」
安価下2
1:はい決定。すぐ行こう。
2:他に行きたい場所もないから行こう。
3:学園の外を二人で回りたい
4:遠く離れて人のいない森とかどう?
他に行きたい場所も思いつかない、というか知らないからなぁ。
タリア「よし行こう!」
準備を手早く終わらせ出発!
そもそも持ち物らしい物なんてない。
初めて学園から出る。特に何もなく出れた。
アンジェ「ワタシの家はこっち」
道案内をしてくれるので迷うことはなさそうだ。
アンジェを見失わない程度に左右をうろちょろ見ていると家も店もたくさんある。
どんなお店なんだろうと想像しているとアンジェの足が止まった。
アンジェ「ここがワタシの家」
辿り着いたのは、いわゆる……
安価多数決先に2票
1:鍛冶工房
2:ギルド
タリア「……ギルド?」
アンジェ「あれ、知ってました?」
タリア「いや知らない。初めて見た」
知らないのに知ってるような発言のせいでアンジェの頭がパニック状態になった。
アンジェ「と、とりあえず、ここがワタシの家です。こっちが裏口です」
表の入り口から入らないで横道にある小さな道にアンジェは進んでいく。
おぉ、関係者以外通行禁止みたいでわくわくする。
カギを取り出してトビラを開ける。
アンジェ「…いるかな。ただいまー」
タリア「しつれいしまーす」
―― ギルド(アンジェの家) ――
中に入ると、狭い部屋に出た。裏口用の玄関みたいな感じかな。
アンジェ「先にワタシが見に行くから待っててください」
タリア「分かった」
しばらくするとアンジェが戻ってきた。
手招きしている。
ついていくとギルドの受付らしき場所に出た。
奥にトビラがある。たぶん表の入り口と繋がっている。
……じゃあここは受付の裏側か。
受付嬢のお姉さんがこっち見てる。
まあそりゃ見るよね。子供が二人もいるんだし。
でもアンジェはお姉さんに向かって一直線。慌てて追いかける。
アンジェ「ルームメイトでお友達のタリアさんです」
いきなり紹介された。
受付嬢「こんにちはー」
タリア「こ、こんにちは…」
受付嬢「アンの友達かあ。学園も順調そうで一安心ね」
アンジェ「え、あ……じゅんちょうです」
テスト結果を思い出したのか目を伏せたアンジェ。
アンジェ「パパとママ、今どこにいるか分かりますか?」
受付嬢「うーん。運び屋の依頼を新人が受けたから心配で付いていったのよ。今日中には帰ってくるはずよ」
タリア「心配でついていった?」
ということは相当の猛者? でもここアンジェの家。ギルドが実家?
タリア「……もしかしてギルドマスターがついていった、とか?」
まさか。そんな過保護なギルマスがいるわけ。
受付嬢「おかげで書類が溜まる溜まる」
タリア「あ…。はい」
アンジェ「じゃあこれパパとママに渡してください」
タリア「いつの間にお土産を、いやそうじゃなくて、直接渡さなくていいの?」
アンジェ「仕事終わりのパパとママには会いたくないから……」
また目を伏せた。嫌なことでもあったのかな。
安価下2
1:ギルドの説明を聞いてみる。
2:いつ頃帰ってくるか聞いてみる。
3:他の場所へ行ってみる。
タリア「ちなみにギルドってどんなことしてるんですか?」
受付嬢「もう興味があるの? 教えてもいいけど何もしちゃダメよ」
そう言ってお姉さんは咳払いをして僕たちをみる。
受付嬢「そうね。アンもどこまで覚えてるか確認したいから最初はアンに任せようかな。補足は私がするから」
アンジェ「え!? えっと、ギルドは基本的に魔法使いや冒険者が使ってるところで…」
タリア「冒険者?」
アンジェ「えーと、冒険者っていうのは、えーと……」
受付嬢「魔法使いになりたいけどなれない人たち。魔法が使えない人専用の職業ってとこかな」
なるほど? グスタフ父さんみたいな感じ?
アンジェ「簡単なお仕事から危ないお仕事までもらって、それをしてくれる人を待つ場所、かな」
受付嬢「んー、外れてはないけど正解でもないわね。こっちからお願いする時もあれば指名してくるのもあるし」
とりあえず頭の中でまとめたのはこうだ。
手順1:誰かが仕事を依頼してくる
手順2:受注されるまで待つ or 依頼人が指名 or 適切な人材を探す
手順3:仕事が決まれば早速行動
こんな感じだろうか。
ギルドを利用するには少なくとも高等部からだそうで詳しくは教えてもらえなかった。
受付嬢「最近は中等部用の簡単な依頼を受けようかってギルマスが言ってるけど絶対アンのためよ」
アンジェ「いやがらせだと思います……」
受付嬢「親の心子知らずね。私、子供いないけど」
アンジェ「とにかく、仕事帰りの二人には会いたくない……」
受付嬢「だからぁギルマスも新人についていったのは建前で本音は帰ってこれる日が今日だったからよ」
分かっていたけど僕は蚊帳の外だ。
受付嬢「『アンジェが帰ってくるならこの日しかない! 他の奴らには上手く言っておいてくれ』って」
アンジェ「……そう、ですか」
受付嬢「新人教育とか屁理屈言ってましたけど、仕事終わりに愛娘がいたら嬉しいに決まってるわ」
さてこの空気。僕はどうするべきか。
安価下2
1:そっと出ていく
2:見守る
お姉さんが必死に説得してる。
アンジェに届いているのか両親への悪態が減っている。
僕には何も出来ないから見守ろう。
受付嬢「レッターの家訓、忘れたわけじゃないでしょ」
アンジェ「……『何事にも恐れるな』」
受付嬢「よし。ムカついたことがあるなら真正面からガツンといきなさい!」
あれ、変な方向に進んでない? 大丈夫?
アンジェ「ワタシの根性、パパに見せつけます!!」
受付嬢「それでこそ我が妹!」
タリア「え!? ホントのお姉さんだったの!?」
この姉妹、いくつ離れてるんだ?
受付嬢「ごめんごめん。血は繋がってないわ」
アンジェ「ワタシが産まれる前からの知り合いだってママから聞いた」
タリア「びっくりした……」
酉これだったっけ(二回目)
違ってたらごめんなさい。紛失したと思ってたメモデータが見つかって懐かしくてつい。
1年以上振りに再会するか、いっそのことどこかで新しく書き直すか、やめるか。
決まったらまたここでひっそりと言います。年内にこれたらいいな。そもそもまだ見てる人いるのか…?
合ってた。よかった。
これで違う酉だったら恥ずかしいどころじゃない。
などと思ってたら速攻気付かれてやっぱり恥ずかしいんだが!?
何で気付いたの…?…ただいま。
今現在の気持ちは別サイトにて書き直す(と言ってもほぼそのままの)方向です。安価から小説に鞍替え(?)です。
ここまで安価に頼っておいて出来るのかと言われたら返す言葉がない。今まで創作から離れてたし…やっぱり安価で再開?うーん。
読み直して自分も続き知りたいし…。やらないのはタリアたちにも失礼だし、時間ないけどやろうかなあ。
再開の方向だけど、決まらない道筋は皆の力を借りるか時間かけて自分の力でやるかの違いだけ。
小説にするならタイトルを考えなきゃがあるか。…それが一番大事なんです。
安価なら不定期更新になるから皆にまた迷惑かけるし。
長々と書いて結局整理できてない。これは年内に決まるのか?
とりあえずの方針は週一でもいいから【再開】に決定しました。
安価で続きをやりつつ出来れば手直しした物を小説としてどこかに投稿しようかな。次スレはまだ考えない。
年末年始は休みたいから4日に再開予定です。
一年以上振りの再開です。
いきなりすると話の繋がりが見えないと思うので
18:30からやります。ぜひ最初から読んでみてください。
そんなやりとりをしていると続々と人が入ってきた。
服装的に冒険者だと分かる。
受付嬢「そろそろお喋りは終わりね。タリアちゃん、アンと仲良くしてくれてありがとう」
タリア「いえそんな…。お仕事頑張ってください」
頭をさげてアンジェと二人でそそくさとギルドの裏口から外へ出る。
正面入口の方まで戻るとさっきと違って人がたくさん歩いている。
お店も開き始めたようだ。
アンジェ「運び屋のお仕事が終わって帰ってくるなら……こっち」
タリア「え、ちょっとアンジェ!?」
まるで僕はペットのようにアンジェに手を引かれてずるずると街中を歩いていく。
気になる場所を探す暇さえ与えてくれない。首を左右に振っては景色が流れる。その繰り返しだ。
タリア「…あれは」
十字路に着いた時、右奥にレグルスらしき人物を発見。また左奥にネリアらしいのも発見。一瞬だったから本人かは分からない。
アンジェは真っすぐ進んでいく。目的地しか見えてないのか気付く様子がまるでない。
安価下2
1:このまま引きずられていく
2:アンジェに気付かせるため振り解く
引きずられている手を振り解く。
アンジェ「タリアさん? どうしましたか?」
タリア「右にレグルス、左にネリアが見えたの。だから気になっちゃって」
アンジェ「…そうですか。ならワタシのことは気にせず行ってください」
タリア「え?」
アンジェ「帰ってくる時間を聞くの忘れちゃいましたし、タリアさんを待たせるわけにいきませんから」
まだ朝方だ。帰ってくるにしてもしばらくかかるだろう。
アンジェはそれまで待ち続けるかもしれない。僕まで待たせては申し訳ないと思っているのかも。
タリア「……ごめん。そういうつもりじゃなかった。それにさ、ずっと待つのは大変だから時間潰しに行こうよ」
アンジェ「でも」
タリア「お出かけは一緒がいいんだよ。後でまたギルドに行こう!」
アンジェ「…はい。ありがとうございます」
さて、これでアンジェが一人で外で待つことはなくなった。
あとはどっちに行こうかな。
安価下1~3多数決
1:右のレグルスらしい方
2:左のネリアらしい方
タリア「じゃあ左に行こう」
今度は僕がアンジェを引っ張っていく。
え~と? とりあえず道を進んでみるけど土地勘皆無の僕だ。見失うよね。
アンジェ「ネリアさんなら近くの教会にいるかも」
タリア「教会?」
アンジェ「はい。テスト復習の時に親が聖職者だと聞いたんです」
ほう。僕がリオと魔法の練習をしている間にそんな話を…。
道なりに進んでいくと確かに教会に辿り着いた。
タリア「おお。初めて見た。中に入ってもいいの?」
アンジェ「出入り自由です。行きましょう」
ゆっくりとトビラを開ける。
内装はシンプルで横長の椅子が二列に並べられ、一番奥に神官が立っている。
漫画やゲームで見慣れた光景が目の前にある。
…そうだ、ネリア。僕たちはネリアを探しに来たんだった。
椅子に座っている人はほとんどが大人だ。
アンジェ「見える範囲にいません。奥に行ったんでしょうか」
奥か。アンジェと同じように関係者しか知らない場所があるならそこしかない。
タリア「もしそうならお手上げだね」
神官「迷えるお嬢さんたち。どうされましたか」
うろうろ見渡していた僕たちを見て声をかけてくれた。
優しそうなおじいさんだ。
アンジェ「あ、お祈りもせずすみません」
神官「大丈夫ですよ。子供が来てくれただけで嬉しいですから」
タリア「それならよかった……友達がここに来たと思ったんですけど…」
神官「友達ですか。失礼ですがお名前を伺っても?」
そう言って神官さんの顔色が少し変わる。
タリア「名前? タリアです。こっちはアンジェ」
神官「!? Sランク対決の…タリア様でしょうか」
タリア「えっと、…はい」
教会にまで広まってるのか。学園から近いというのも一因かな。
神官「…ネリア様はこちらです。どうぞ」
外へ案内され、横にある物置小屋の前までやってきた。
神官「ここから教会の地下へと降りる梯子があります。その先にネリア様がおられます」
アンジェ「そんな大事なことをあっさり教えていいんですか…?」
神官「かまいません。我らの声は最早無意味。どうかネリア様をお助けください」
タリア「…?」
神官さんの言葉の意味が分からない。
安価下2
1:何も言わず小屋に入る
2:説明を求める
タリア「ネリアを助けてってどういうことですか…?」
神官「…まだ幼きネリア様が魔力に目覚めたのは一年と半月ほど前のことです」
長くなりそうな感じがするけど聞いておこう。
神官「ネリア様とネリア様の母君、そして二人の護衛を任された冒険者たちがいました」
神官「母君はとても優れた聖魔法の使い手故、癒しの力を欲する賊が後を絶えません」
神官「賊の卑怯な罠にかかり冒険者たちは次々と傷ついていきました」
神官「その度に母君の力で態勢を整えて賊から逃げてきたのです」
アンジェ「……聖職者攫い。ギルドでよく聞きます」
神官「ある時、賊に母君が捕らわれてしまい当時の冒険者たちは教会とギルドの双方に謝罪しにきました」
タリア「捕らわれた!? ネリアのお母さんが!?」
神官「情けない話です。ネリア様はその時、まだ魔力は目覚めていないので解放されましたが…」
神官「多くの冒険者は謝罪の後、冒険者を辞めました。残りの数人は謝罪だけで足りないと遺書を残し自害を…」
アンジェ「……!!」
神官「これは申し訳ない。聞かせるにはまだ早すぎました」
タリア「……。アンジェは教会の中に戻って。続きはボクだけでいい」
アンジェ「へ、平気です。『何事にも恐れるな』…。続きを」
神官「…自害した冒険者のほとんどは家の中。そうじゃない二人の者は……」
神官「あろうことか、ネリア様の前で自害したのです」
タリア「…そんな」
アンジェ「どうして…」
神官「そのお二人は母君を護衛していた最前線に立つ者でした。当然ネリア様も顔を覚えておいでです」
神官「母君が捕らわれた罪を娘の前で償う。そういう意図があるつもりでしょうが、正常とは思えない思考でした」
神官「お二人を救おうと、ネリア様は魔力に目覚めました」
神官「今もお二人の遺体に魔法をかけ続けておられます。ですが、もう……」
そこまで言うと神官さんは目を閉じる。
タリア「…学園じゃそんな様子見せたことなかったのに」
アンジェ「はい。むしろ明るく見えます」
神官「御学友のお二人の前では心配させないよう振る舞っていたのでしょう」
神官「ネリア様はもう二度と悲劇を繰り返さぬよう風の支援魔法を独学で習得なされました」
神官「冒険者を支援すれば賊から護れる人が増えると信じて…」
安価下2
1:小屋に入る
2:現在の母親の安否を尋ねる
タリア「貴重なお話ありがとうございました」
アンジェの方を見ると震えているのが分かる。
タリア「無理しなくていいから」
アンジェ「大丈夫です…!」
アンジェの手を取り物置小屋の中に入る。
小屋の隅の床に梯子が見えた。あそこから行けるはずだ。
僕が先に降りて安全を確認。…ネリアも通ってるから安全だと思うけど念のため。
タリア「うん。特に問題なし。アンジェも降りて平気だよー!」
アンジェ「は、はい!」
何もない一本道の地下の奥に行くと広い部屋に出た。
その中心に座る人がいる。そばには白くて長い袋が二つある。
ネリアだ。そして袋の中身は恐らく……。
意味のない聖魔法を必死にかけている。その後ろ姿は何とも言い難い。
安価下2
1:様子をみる
2:声をかける
ネリア「……はぁはぁ」
中に入らずネリアの様子をみること数分が経過した。
ずっとあの調子で魔法を使い続けている。
アンジェ「止めないんですか?」
タリア「もうちょっと」
魔力は無限じゃない。魔力が無くなれば終わるのだ。
それでもSランクのネリアだ。魔力量は高いはず。いつ終わるかは分からない。
ネリア「なんで、まだ…起きないの…?」
魔力を高めたのかネリアの周囲が輝きだす。
反動のない聖魔法とはいえ、この量の魔力を制御していると考えると
タリア「…羨ましいな」
つい声を出してしまうほどだった。小声だったからアンジェに聞こえていないと思う。
安価下2
1:魔力切れまで待つ
2:中断させる
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