律子「はい！？」

P「アイドルじゃないなら、別になんの障壁もないだろ？」

律子「……はぁ、そういうつまらない冗談やめてくれませんか？」

P「冗談じゃない」

律子「うっ……」

P「冗談で言ってるつもりはまったくないぞ、律子」

律子「あ、あの……顔近いです」

小鳥「すいません、プロデューサーさん、これお願いしますー！」

P「あ、はい～」

律子（行っちゃった……）

小鳥「律子さんも、これお願いします」

律子「あ、はいはいー！」

律子（そんなことより仕事仕事ー！）

律子「……」

律子「……」

律子（私としたことが、全然頭が回らない……）

小鳥「律子さん、できました？」

律子「へ！？　あ、ちょっとまだです！」

小鳥「は、はい、そうですか」

P「ん、律子どうしたんです？」

小鳥「仕事まだ終わってなかったみたいで。いつもだったらすぐ終わらせてくれるんですけど」

P「律子、大丈夫か？」

律子「ま、まだ仕事が終わってなくて……」

P「これいつもだったら数分の仕事だろ、どうしたんだ？」

律子「ちょっと、考え事してて」

P「そうか。このあと飯どうだ？」

律子「え？　……なんで急に誘うんですか？」

P「同僚だし、悩みがあるなら聞くぜ。考え事、してたんだろ？」

P「ほら、俺も手伝うよ」

律子「あ……ありがとうございます……」

……　……　……

P「ファミレスでいいか？」

律子「いいですよ」

P「あはは、あんまり洒落た店とか知らないから、ごめんな」

律子「まあ、私も知らないですから、いいですよ」

律子（変に気取った店に入れられたら、困るし）

P「そうか。良かった」

律子（男の人と飲食店に行くの、初めて……ちょっと緊張）

律子「夜のファミレスって初めてです」

P「そうなのか？　じゃあ初体験だな」

律子「初……！？　な、なに言ってるんですか」

P「え？　なんか変なこと言ったか？」

律子「ハッ……な、なんでもないです！」

P「……あ、二人で。禁煙でお願いします」

律子「……」

律子（人も少ないわね……店員さんもあんまり……）

律子（店内も静か）

P「律子、あっちだって」

律子「は、はい」

律子（流れで結局食べることになったけど）

律子（考え事って、さっきプロデューサーが変なこと言ったことなんだけど……）

P「はい、メニュー」

律子「ありがとうございます」

律子（最近は仕事で来たりとか一人で食事とかでしか来てなかったからなぁ）

律子（とりあえず何を頼もうかな）

P「決まったか？」

律子「はい」

P「まとめて頼むから、教えてくれ」

律子「はい。えっと」

律子（……あれ、いつもはこれを頼んでるけど、いいのかしら？）

律子（変なものではないけど、印象と違うかも……）

律子「ご、ごめんなさい、もう少し考えさせてください」

P「う、うん」

律子（えっと、えっと……）

律子 ちらっ

P じーっ

律子（め、めちゃくちゃ見てる！？）

律子「あ、あの、見ないでくれません？」

P「え、あ、ごめん。そんなに見てたか？」

律子「いえ……ちょっと、気になったので」

美希「離婚届取ってきたよ」
美希「離婚届取ってきたよ」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1376130785/)

ほい

ごめん、飯行ってきます。

すぐに戻ってきます

律子（よし、これに決めた！）

律子「じゃあ、これでお願いします」

P「ん？　ヘルシーだな」

律子「わ、悪いですか？」

P「いや、全然」

ピンポーン

P「これとこれ……あとドリンクバーも。律子は？」

律子「あ、私も」

P「じゃあ二つで」

P「飲み物、持ってくるけど何がいい？」

律子「何があるかわからないので、自分で取りますよ」

P「そっか。じゃあ二人で行こう」

律子「はい」

P「氷入れる？」

律子「はい」

P「ほい、どうぞ」

律子「ありがとうございます」

律子（へえ、プロデューサーも案外気が利くじゃない）

律子（別にいつも気が利かないとは言わないけれど）

P「じゃあ、コーラ」

律子「こんな時間にコーラですか？」

P「え、ダメか？」

律子「いえ、悪いとはいいませんけど」

P「律子は何にするんだ？」

律子「私は……う、ウーロン茶ですよ。悪いですか？！」

P「わ、悪くない悪くない。じゃあ俺もウーロン茶にしよっと」

律子「別に、私に合わせなくていいんですよ？」

P「俺もウーロン茶飲みたくなったんだ」

律子「それならいいですけど」

P「よし。じゃあ、戻ろう」

律子「はい」

P「で、どうしたんだよ」

律子「え、何がですか？」

P「ほら、考え事してたんだろ？」

律子「……やっぱり、その話するんですか？」

P「だって、そのために飯誘ったんだから」

律子「うー……プロデューサーには言えない悩みです」

P「あ、もしかして俺、余計なお世話だったか？」

律子「そんなこと！　……ないですよ」

律子「……今日の、その、付き合うって話ですけど」

P「うん」

律子「……正気ですか？」

P「？　もちろん」

律子（そ、即答！？）

律子（『あはは、冗談だよー本気にした？』とかじゃないの！？）

律子「へ、へえー……」

P「ダメか？」

律子「だ、ダメとかじゃなくて……」

律子「あの……急すぎてビックリしてるっていうか……」

律子「えっと……」

P「返事は、いつでもいいからさ」

P「断ってもいいから」

律子「……」

律子「私は……」

P「お、来たぞ。なんだ？」

律子（タイミング悪すぎ！）

律子「な、なんでもないです。食べましょっ」

P「そうだな」

律子「……」

律子（その日からというもの）

律子（私は、彼を意識しすぎるようになった）

P「春香、この曲の振付なんだけどさ。ちょっと変えようと思ってるんだけど」

春香「はい！　……んーと、でもこれ、ちょっとテンポに合ってないような気がするんですけど」

律子（なーんで私、プロデューサーのことぼーっと見てるだろ）

P「そうか。あっ、律子」

律子「！　は、はい！！」

P「この振付、どう思う」

律子「あ、え、えと……」

律子「わ、私に頼らずに自分で決めてください！」

P「あっ……行っちまった」

律子「はぁはぁ……」

律子（これ、すっごくやばい）

律子（急に走り出したりして、気が動転して）

律子「……何やってるんだろ」

律子（ちょっと何か言われただけで、意識して）

律子（ドキドキして、目で追ったりして）

律子「……純情だなぁ、私」

真「純情、いいよね！」

律子「のわぁっ！？　真……どうしてここに？」

真「え？　ボク、今来たところだよ。それより律子、さっき純情って、言ってたよね？」

律子「え、まあ、言ったけど……」

真「だったらオススメの漫画があるよ！」

真「はい！　貸してあげる！」

律子「べ、別にいいわよ」

真「純情な愛に憧れる人を応援したいんだ！」

律子「真……」

真「本当に、オススメだから！」

律子「う、うん。とりあえず借りとくわ。ありがとね真」

真「うん！　お互い頑張ろうね！　じゃ！」

律子「ええ」

律子「……あれ？」

律子（『お互いに』……？）

……　……　……

真「プロデューサー！」

P「うわっ、真！　急に抱きつくなって！」

真「こういう行動も、女の子らしいですか？」

P「んー、確かに、可愛いかもな」

真「え、えへへっ……」

律子（真の想い人って、プロデューサー……！？）