女御「牛車とかトロ過ぎやろ、ワイでも勝てるわ」 (4)

~平安京~

女御「いやー、歌合、負けに負けたな。絶対アレ判者に黄金を横流ししとるニキおるやろ」

更衣「残念ですが、女御様が歌をお詠みになられないのが、悪うございますよ」

女御「あー、クッソ暇。都って確かに華やかやけど、全ッ然やることないな。歌なんか詠んでも楽しくないねん」

更衣「歌は貴族の最低限の嗜みでございます。帝に見初められるためにも、できる女であることを証明しなくては」

牛「モ~」

車副「そこ、通ります。どいてください」

女御「牛車かー。せや、暇つぶしに牛と相撲したろ!」

更衣「お待ちください、女御様! その牛は……」

牛「ブルッ! ブフゥーッ!」

バチコーン! 牛の突進でワイは三間跳ね飛ばされた。

女御「ファッ!?」

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女御「う、うぅん……どうなったんや? 牛に跳ね飛ばされて、それで……何も見えへん、夜まで寝ていたんか?」

女御「立ち上がろうにも、脚に力が入らないンゴ……あなやと叫ぼうにも、大声出す気力もない」

ぽわ~ん

女御「な、なんかがぼやけて見えるで」

観音菩薩「こんにちは、常寧殿の女御。気分はいかがですか」

女御「ファッ!? 観音様!? まだワイは、夢の中におるんやろか。孝標娘のやつも、観音様の夢を見たらしいし」

観音菩薩「いいえ、あなたは死んだのです」

女御「な、なんやて」

観音菩薩「牛車に跳ねられ、死んだのです」

女御「ク、クッソ~、チキショウ! ならワイはどうすればええんや。地獄へ行けってか?」

観音菩薩「そうですねぇ。あなたには108の罪状があります。焦熱地獄に、48京年いてもらう計算になりますね」

女御「48京ゥ!? ヤバすぎンゴオォォォォォ! ワイが何したっちゅーんや……」

観音菩薩「まぁまぁ焦らずに。あなたの懲役年数を、チャラにできる方法があります。それどころか、極楽浄土へゆくことも可能やもしれません」

女御「ぜひ教えちくり」

観音菩薩「異世界転生」

女御「異世界転生?」

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