QB「僕と契約して」エド「喋るキメラ!?」【ハガレン×まどマギ】 (74)

鋼の錬金術師と魔法少女まどか☆マギカのクロスオーバーssです。
炭鉱の街に行って、汽車の乗っ取りに遭遇することなく見滝原へ行った兄弟という設定です。

アル「見滝原かぁ。今度は何かあるといいな」
エド「セントラル並みに発展してる街だな」
アル「うん こういう雰囲気のところは久しぶりだね」
エド「噂ではここに何でも願いを叶えるやつがいるらしい」
エド「どんな奇跡も起こせるっつーことは、もしかすると」
エド「うん、今度こそあるよね、賢者の石」

アル「」ゴソゴソ
エド「ん?しゃがんで何やってるんだ?」
アル「に、兄さん。こ、この子、キメラかな?」つキュウベェ
QB「やあ!僕の名前はきゅうべえ!僕と契約して魔法少女になってよ!」
アル「うわっ!?しゃべった!!?」
エド「なんだお前!?どこで作られた!!?」
QB「僕はキメラではないし、誰かによって作られたものではないよ」
QB「僕は遥か彼方、宇宙からやって来たんだ」
アル「宇宙からやって来た...?」
エド「はあ?マジかよ、意味わかんねーぞ…」ヒョイッ
QB「僕をつまみ上げて何をするつもりだい?」
エド「お前、本当にキメラか?操り人形か?どこかに糸でもついてんのか!?」モゾモゾ
QB「全身もみくちゃにしないでくれよ!」

QB「君には魔法少女になる素質がある。宇宙のために戦ってみない?」
エド「はあ?」アル「え?」
エド「なんだこりゃ 手の込んだイタズラかなんかか? 俺少女じゃねーしなあ……」
QB「えっ」
QB「でも君は素質があるし、髪が長いし、年齢にしては身長も小さいし」
エド「誰が豆粒ドチビかーっ!!!!」
アル「に、兄さーん!ダメだよ、そんなぎゅっと握っちゃ、兄さん!!」
QB「」キュップチィ

助けて...

まどか「えっ?」

助けて......!

まどか「誰なの?」

まどか「な、何しているの?」
エド「あ?」
さやか「よっ鎧!?デカッ!!!」
アル「あ、あはは」
まどか「あなたが私を呼んだの?」
QB「まどか!!」
さやか「しゃ、しゃべった!?」
まどか「ね、ねえその白い子、ボロボロだよ?ふたり?は、その子に何したの?」
エドアル「「…………」」
エド「やべぇな。事実を話したところで納得してくれると思うか?」
アル「兄さんが全面的に悪いよ。素直に話してキュゥべえに謝りなよ」
エド「はあ!?この白猫モドキ、俺のことチビって……いや、ちょっとまて。そもそも、この白猫モドキなんなんだよ」

ほむら「そこの赤いコートミツアミチビ、手に持ってるそいつを寄越しなさい」
エド「」ブチッ
まどか「ほむらちゃん?!」
エド「チビじゃね――!!!お前の方がガキだろうが!!!」ウガー
アル「に、兄さん!相手は女の子だよ!!深呼吸!!」

エド「クソガキ!この得体のしれねー白猫モドキはオレのモノだ。つーか、頼み方で寄越してもらえると思ってんのか?!!」
エド「それに欲しがるんだったら、コイツのこと説明しろ!あと、お前なんだそのカッコ、コイツの言う魔法少女か?!そのことについても説明しろ!」
ほむら「あなたこそ何者よ私が言えるのはそいつが話したことと同じことだけ……」

!?

アル「あ、あれ?なんか景色が」
ほむら「……こんなときに」

イヌカレー背景

アンソニー「♪」
エド「オイオイオイ!!なんだよこれ!!!」
アル「生き物!?動いてるけど、なんか……!うわっ、うわあ 大勢でこっちに来る!」
まどか「あれっ!?ほむらちゃんは?!ほむらちゃんはどこ行っちゃったの!?」
さやか「ま、まどかぁっ!私たち、変な夢でも見てるんだよね?」

バチバチッ

エド「錬成は出来るみたいだな」
QB「君、それは!!」
さやか「槍!?ど、どこから出したの!?」
アル「錬金術だよ」
エド「オイ、ピンク!この白猫モドキ預かっとけ!」ポーイ
まどか「ええ!!?」キャッチ

アル「僕はここでこの子達を守る。この様子だとほっとけないし。兄さんは」
エド「ああ、ちょっと行ってくる」ダッ
さやか「ま、まちなよ!危ないって!」
エド「オラァ!」ブン
アンソニー「」
アル「ハイハイっと」ドカバキ
アンソニー「」

さやか「す、すごい……!」
エド「出口探すぞ!遅れねーように着いてこい!!」

エド「黒髪の奴はどこだ?!」
さやか「わかんないよ!空間が切り替わったとき、すでにいなかったんだから!!
エド「は?!」
QB「大丈夫だよ。彼女は魔法少女のようだった。自分で自分の身を守れるよ」
まどか「まほう、しょうじょ?」
QB「魔法少女だよ、まどか。魔法少女は一つの願いを叶える代わりに、魔女と戦う使命を背負う子のことだ」
さやか「魔女って、さっきの奴のこと?」
QB「違うよ。あれは使い魔だ。魔女はこの結界の奥にいるはずだ。その魔女を倒さなければ、この結界から抜け出すことは出来ない。出口なんてないんだ」
さやか「そんな……」
エド「探すぞ。魔女は俺たちが倒す。お前たちははぐれないようについてこい」
QB「魔女の強さは使い魔とは段違いだ。生身でかなう相手じゃないよ」
エド「面白れぇ」
アル「生身じゃない、ただの一般人とも言い切れない、錬金術師でも勝ち目がない?」
QB「……」
QB「必ず勝てるとは言えないよ」

さやか「ねえ、大丈夫なの?」
エド「決まってんだろ」
アル「二人はボクたちから絶対に離れないようにしてね」
QB「無茶だ!今すぐ契約して魔法少女に…」
エド「ギャーギャー騒ぐな。状況わかってんなら、後にしろ」
QB「わかっているからこそ言っているんだよ?今の現状は生命の危機に値する。まどか、さやか。二人には魔法少女になる素質がある。君たちが望めば…」
まどか「えっ?」
さやか「わ、私も?」
エド「ピンク、ソイツ黙らせとけ」
まどか「え?は、はい」ギュ
QB「キュプ。まどか、本当に危険なんだ!」
エド「こいつらが戦えるようになったところで、今じゃ足手まといにしかならねぇ」
アル「大丈夫だよ、ボクたちが二人を守って戦うから」
エド「たっく、国家錬金術師なめんじゃねぇ。あのクソガキに倒せるもんをオレたちが倒せねぇわけねーだろ」ジャキ
さやか「あんた国家錬金術師!?なんか、よくわかんないけど、任せちゃって大丈夫なの?」
エド「おう!」
アル「うん」
アル(それにしても兄さんの槍、今日は一段とヘンだなぁ)

アル「で、怪しい扉の前に来たわけだけど…」
エド「なんだこれ」ガチャ
アル「兄さん、もうちょっと躊躇してよ!」

バラの魔女

エド「おっなんか居、うっわ!グロ!!気持ち悪りぃ!デケェ!!!」
アル(一人で四人分のリアクションした)
さやか「な、何これ」
まどか「怖い…」
エド「お前たちはここにいろ。ここなら攻撃が当たらない」
アル「一人じゃ危ないよ!」

マミ「手が足りないのだったら、私が協力してあげてもいいわよ?」
QB「マミッ!」
さやか「同じ見滝原の制服!?」
エド(また変なのが出てきたな)
マミ「あら、キュゥべえを保護してくれたの?ありがとう」
エド「この白猫モドキのこと知ってるのか?」
マミ「もちろん知ってるわ 自己紹介がまだだったわね。でもその前に」ヘンシーン
マミ「魔法少女と共闘する気があなたにあるかしら?」
アル「服が変わった?!」
エド「無から有を……!」
エド「聞きてぇことは色々あるけど、今はそんな場合じゃねえ。あんだけ敵はデカいんだ。協力してくれるんだったら、ありがてぇけど、戦えんのか?」
マミ「あら失礼ね。こう見えても強いのよ」ニコッ
エド「そうかよ。ならさっさと行くぞ」ダッ

マミ「あら、自己紹介がまだよ。私は巴マミ。見滝原中学3年生、魔法少女よ」
エド「俺はエドワード・エルリック。鋼の錬金術師だ」
アル「あの縦ロールの子、すごい。何もないところからあんなに銃を……でも錬成している訳ではない。リオールで見たニセ賢者の石とは違う。まるで本当の奇跡だ」
マミ「ティロ・フィナーレ!!!」
バラの魔女「」

まどか「空間が戻った……!」
アル(これがきゅうべぇの言っていた魔法少女!!噂の正体!?)

マミ「お疲れさま!エルリックさんの技、凄かったわ!まさに錬金術師ね!!」キラキラ
QB(同類を見つけた目をしている)
エド「当たりめーだろ。俺は国家錬金術師、エドワード・エルリックだ」フフン
マミ(え…国家錬金術師……?って何……?そういう頭が少し残念な子なのかしら。えっと、国家を守る錬金術師(魔法少女)つまり、正義の魔法少女!?国家魔法少女……!きっと、そうだわ!かっこいい!!)キラキラキラ
マミ(やったぁ!私たち、いいお友だちになれそうだわ!)キラキラキラキラ
マミ(やっと、やっと、一緒に戦ってくれる人が、出来るかもしれない!!)キラキラキラキラキラ
エド「」フフン
QB「マミ」
マミ「で、でも、まだまだね。技名を叫ばないと!何だったら、私が付けて……」
QB「マミ。二人がお礼を言いたいようだよ」
まどか「守ってもらって、ありがとうございます! 」
さやか「本当にありがとうございます!えーと、私は見滝原中学2年の美樹さやかで、こっちも同じで鹿目まどかって言います!」
まどか「鹿目まどかです。中学2年生です」
マミ「あら、どういたしまして。見滝原中学3年の巴マミよ」
エド「オレは鋼の錬金術師エドワード・エルリック。無事出られてよかったな」
アル「ボクはアルフォンス・エルリック。弟で、二人とは同い年だよ。アルって呼んでね」
まどか「ええ?!!」
さやか「お、同い年ぃ!?嘘でしょ、何食べたらそんななんの?!」

さやか「え、っちょ、ちょっと待って。どういうこと?!」パニック
さやか「アルが同い年なら、エドは何歳なの?」
エド「15歳だ!!お前より年上だ!!」
さやか「はあああ??!!!!」
まどか「ど、どうなって」
マミ「同 い 年 じ ゃ な い !!!!!!!!!!」キラキラキラキラ

さやか「うっわ、ホントにぃ?歳上だってわかっても、なーんか敬語使う気になれないわー」
エド「なんだと!?」

ギャーギャーアハハ チッチャーイ ダレガマメツブドチビカーッ!! エドワードサントヨベー!!チービチービ!!

アル「まったく、大人げないんだから……」
まどか「さ、さやかちゃん……でもアル君すごいなぁ、パパよりも大きいよ」
アル「あははは……」
マミ(同じ魔法少女がいるのに警戒もしない…何にも染まってない。おそらく私の方がキャリアは上ね。それでいて、同い年の魔法少女!!いいわね。こういうのずっと待ってた)キラキラキラキラ
マミ(仲良くしてくれるといいな……)
さやか「ホント、年齢にしてはちっさいわ!アンタ、牛乳飲んでるの?」
エド「う、うるせえ!!牛乳は、嫌いだ!!!」
さやか「あはははは!だからチビなんだ!!」
エド「だからチビ言うなー!!」

マミ「このグリーフシード、今の魔女から出たものよ。エドワードさん、どうぞ先に魔力を回復して」
エド「は?」
マミ「先に魔女を見つけたのはあなただから。でも、もちろん、私と分け合う気があればだけど……」
エド「分け合えるのなら、欲しいけどよ。いいのか?」
マミ「もちろんよ!それと、あなたは、使い魔も、倒すかしら?」
エド「使い魔って、何?」
さやか「さっき一杯いた、白くて髭のあったアレ?」
マミ「おそらくそれ。魔女の手下よ。放っておけば魔女になってグリーフシードを孕むけれど、その代わり人を襲う奴らよ」
エド「人が……?大丈夫だ。さっき倒した」
マミ「!!全部?」
エド「ああ、結構ウロウロしたし、目についたやつは全部倒したから、多分全部だ」
マミ(同じ考え方をする魔法少女...!きっと、彼女なら、一緒に......!!)
マミ「もしよかったら、これから、一緒に戦ってくれないかしら?」
エド「いいのか?色々教えてもらっても!」
マミ「も、もちろんよ!」パアアア!!
マミ(私を慕ってくれる同級生!!!)
エド「アル、うわさの正体はきっと魔法少女だ、だから……」
アル「うん、調べてみよう」
エド「頼む!一緒に戦ってくれ!!」
マミ「もちろんよ!!!」
マミ(とっても嬉しいなあ。こんな幸せな気持ち、久しぶり。もう、一人ぼっちじゃないんだ)グスッ
エド「アル!」つグリーフシード
アル「兄さん!それがあれば僕たちも魔法を使えるように……!」
エド「ああ!!」
マミ「えっ、え??兄さん?」
エド「あ?そうだけど」
マミ「」カチーン
エド「?」
さやか「マミさん?」

マミ「兄!?兄って何!!!??兄って!!!??」
QB「残念だったねマミ。彼は魔法少女ではないよ」
マミ「でも、髪が長いわ!」
QB「彼の髪が長いけれど男性だよ」
マミ「で、でも、ね、年齢にしては」
QB「ちっちゃくても男性だ」
エド「だから、誰がチビだチビ!!」ウガーッ!!
マミ「ま、まだよ、まだあるわ!エルリックさんは魔法を使っていたわ!!だから、魔法少女、いいえ、魔法少年よ!!」
QB「魔法少年なんて、今まで前例がないよ。そもそも、エドワードとは男性名じゃないか」
エド「テメェだって、間違えてたじゃなねーか!!」
QB「彼の使っていた錬金術について、本人から説明してもらうべきじゃないかな?」シラッ
エド「話をきけー!!」
マミ「そんな、そんなぁ。本当に、魔法少女じゃないの!?じゃあ国家錬金術師って何なの!?」
エド「だから、どの辺が女に見えるんだよ!!?」
マミ「だって、ちょっとアレだけどメルヘンな槍持ってるじゃない!!魔法少女じゃない!!」
エド「あれは錬金術で作った槍だ!オレは国家錬金術師だ!ほら、この銀時計見ろ!!それに、ちょっとアレってなんだよ、かっこいいだろ!!」
マミ「魔法使ってたじゃない!!」
エド「魔法じゃねえ!錬金術だ!!」
マミ「こんな秘境に錬金術師居るわけないじゃない!!」
エド「居るわ!どんだけここ秘境なんだよ!!」

マミ「ううっ…そんなぁ、やっと一人ぼっちで戦わなくても、いいって」グスッグスッ
エド「はあ!?な、ええ!!?」
アル「に、兄さん……」
まどか「マミさん…あんなのといつも一人で戦って…」
さやか「……あーあ、エドワードがマミさんを泣かせたー」
エド「お、俺かよ!?」
さやか「なーかせた、なーかせた♪」ボソボソ
エド「変な歌の耳打ちするな!!たっく……」
エド「オイ、マミ。俺は魔法少女じゃねえけど、一緒に戦える」
マミ「本当?」グスッ
エド「それに、グリーフシードがあれば魔力も得られるんだろ?」
QB「それはできないよ。グリーフシードは魔法少女にしか使えないんだ 」
アル「そ、そうなんだ」
エド「魔法少女かぁ……」
アル「フリフリスカートの兄さん……?」
エド「な、なるとは言ってねーだろ!!」
エド(でも無制限じゃない、魔力が必要だとはいえ、無から有を錬成するようなあの技、使えたらいいよなぁ)ウーン
エド「とにかく、マミ!俺たちの目的のために色々教えて欲しい。だから一緒に戦ってくれ!」
マミ「目的?」
アル「僕からもお願いします、マミさん。僕たちはその目的のために旅をしているんです」
マミ「わかったわ。じゃあ、返答はその目的を聴いてからにするわね。戦う使命を持った魔法少女ではない者が、生半可な気持ちで戦うのはよくないから」
QB「僕もその目的とやらに興味があるな。目的とは、つまり君たちの願いだろう?」
ねぇ、まどか。僕はまどかにもお願いがあって君を呼んだんだ。もちろん、さやかにもだよ
まどか「え?」
さやか「エドワドにいじめられたからじゃなくて?」
エド「エドワードさん、だ!それにいじめてねえ!!」
エド「どうどう、兄さん。それでキュゥべえ、お願いってもしかして……」
QB「アルフォンス、君の想像する通りだと思うよ」
QB「僕と契約して魔法少女になって欲しいんだ!」

エド「おい、やめとけ。とろくさいのと、向こう見ずのじゃ、戦わせたところですぐ死ぬぞ」
まどか「えっ!?」←とろくさいの
さやか「な、なんだとー!!」←向こう見ずの
マミ「そんなことないわ!魔法少女になった暁には一人前になるまで私が面倒を見るし、それに鹿目さんには私なんて遠く及ばないほどの素質があるもの!」
マミ「みんな、よかったらなんだけど……家に来てお話ししない?」

ほむら「……」ヒョコッ
ほむら「エドワード・エルリック、アルフォンス・エルリック。エルリック兄弟か……」
ほむら「……まどか」

マミの家

マミ「1人暮らしだから、なんのおもてなしもできないけど、くつろいでいってね」
エド「それで、なんでこいつらまで?」
さやか「さやかちゃんたちをこいつらとは何だー!!」
アル「ごめんね、二人が戦うことになるのが心配なだけで、兄さんに悪気はないんだ」コソッ
まどか「そ、そうなんだ……」
さやか「でもこいつらとはなんだー!!」
エド「うるせーぞ」
さやか「むきー!!」
マミ「鹿目さんと美樹さんは魔法少女になる素質があるから、他人事じゃないわ。ある程度の説明は必要かと思って」

マミ「これを見て」つソウルジェム
エドアル「!!??!???」
エド「この石は……!?」
アル「黄金色の光!もしかして……!いや、でも…!」
マミ「あら、ソウルジェムに見覚えがあるのかしら?これはきゅうべえに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ。魔力の源であり、魔法少女の証でもあるの」
エド「魔力の源……」
アル(これがうわさで聞いた見滝原の賢者の石の正体?)
QB「僕は契約によってなんでも一つ、君たちの願いをかなえてあげる。何でも構わない。どんな奇跡でも起こしてあげるよ」
エド「魔力の源も得られる上にか!?」
QB「ただし、魔法少女の素質というものがあって、素質のある子としか契約はできない。素質というのは、因果律の高さ、低さが関係する。高ければ高いほど、強力な魔法少女になれるよ」
アル「願いの代償となるものは?」
マミ「このソウルジェムかしら。願いの引き換え出来上がるこの石を手にしたものは、魔女と戦う使命を持つから」
アル(願いも叶えられて、魔力の源までもらえて、代償がその魔力の源……?)
エド(どういうことだ?)

マミの家

マミ「1人暮らしだから、なんのおもてなしもできないけど、くつろいでいってね」
エド「それで、なんでこいつらまで?」
さやか「さやかちゃんたちをこいつらとは何だー!!」
アル「ごめんね、二人が戦うことになるのが心配なだけで、兄さんに悪気はないんだ」コソッ
まどか「そ、そうなんだ……」
さやか「でもこいつらとはなんだー!!」
エド「うるせーぞ」
さやか「むきー!!」
マミ「鹿目さんと美樹さんは魔法少女になる素質があるから、他人事じゃないわ。ある程度の説明は必要かと思って」

マミ「これを見て」つソウルジェム
エドアル「!!??!???」
エド「この石は……!?」
アル「黄金色の光!もしかして……!いや、でも…!」
マミ「あら、ソウルジェムに見覚えがあるのかしら?これはきゅうべえに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ。魔力の源であり、魔法少女の証でもあるの」
エド「魔力の源……」
アル(これがうわさで聞いた見滝原の賢者の石の正体?)
QB「僕は契約によってなんでも一つ、君たちの願いをかなえてあげる。何でも構わない。どんな奇跡でも起こしてあげるよ」
エド「魔力の源も得られる上にか!?」
QB「ただし、魔法少女の素質というものがあって、素質のある子としか契約はできない。素質というのは、因果律の高さ、低さが関係する。高ければ高いほど、強力な魔法少女になれるよ」
アル「願いの代償となるものは?」
マミ「このソウルジェムかしら。願いの引き換え出来上がるこの石を手にしたものは、魔女と戦う使命を持つから」
アル(願いも叶えられて、魔力の源までもらえて、代償がその魔力の源……?)
エド(どういうことだ?)

QB「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで、決して人前には姿を現さないからね。さっき君たちが迷い込んだ迷路のような場所がそうだよ」
マミ「結構、危ないところだったのよ?あれに飲み込まれた人間は普通は生きて帰れないから」
アル「マミさんはそんな怖いものといつも一人で戦ってたんですか?」
マミ「そう、命がけよ」
まどか「そんな……」
マミ「だから、鹿目さん、美樹さん。あなたたちも慎重に選んだほうがいい。キュゥべえに選ばれたあなたたちにはどんな願いでもかなえられるチャンスがある。でも、それは死と隣り合わせなの」
まどか「魔女ってなんですか?魔法少女とは違うんですか?」
QB「願いから生まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから生まれた存在なんだ」
QB「魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望をまき散らす。しかもその姿は普通の人間には見えないからたちが悪い」
マミ「不安や猜疑心過剰な怒りや憎しみ。そういう禍の種を世界にもたらしているの。理由がはっきりしない自殺や殺人事件はかなりの確率で魔女が原因なのよ。形のない悪意となって、人間を内側からむしばんでいくの」
さやか「そんなヤバイ奴らがいるのに、どうして誰も気が付かないの?」
マミ「魔法少女についての説明はこれくらいね。エドワードさん、さっきから難しい顔をしているけれど、何か質問はあるかしら?」

エド「ああ、マミには悪いが、一つの願いと魔力の源であるソウルジェムを得られるのに、その代償が魔女と戦うだけ、というのは等価交換の理に反しているように感じる」
さやか「等価交換?」
アル「えーとね、質量が一のものからは同じく一のものしか得られないっていう、僕たちが使う錬金術の法則だよ」
エド「錬金術の基本は、等価交換。つまり、何かを得ようとするなら、それと同等の代価が必要ってことだ」
さやか「へ、へえー」
アル「兄さんが言っているのは、魔力の源であるソウルジェムと願い一つの二つのメリットがあるのに、デメリットは魔女と戦うの一つだけっていうのは、おかしいってことだよね?」
エド「そうだ」
さやか「え?魔女と戦うためにソウルジェムを得るんじゃないの?願い事のために戦うんでしょ?」
マミ「私も美樹さんの言う通りだと思うわ。私たち魔法少女にはソウルジェムを持って魔女と戦うのよ。ソウルジェムがなければ戦えないわ。魔法を使って戦うためにソウルジェムがあって、それが願いに対する代償、とは思えないのかしら?」
アル「ごめんなさい。マミさん。マミさんは一人であんな恐ろしい敵と命を懸けて戦っている。それを否定するつもりはないんです」
アル「ただ、どうしても納得できないんです。錬金術は戦闘用として使えるようになるまで、かなりの時間がかかります。技を発動することすらできずに、錬金術師の道をあきらめる人も大勢います」
アル「それなのに、魔法少女は契約したら、魔法が使えるんですよね?僕たちが使う錬金術は水の性質を持つものからは水属性のものしか錬成できないんです。つまり、有から有を生み出すことが大前提で、錬成するには錬成陣を必要とするんです」
アル「けれどマミさんが使っている魔法は、無から有を出していました。それも、錬成陣もなしに。多大な努力をしてやっと習得できる錬金術でも、できないことを平然とマミさんはやっていました」
アル「こんなすごい魔法を契約したその日から使える上、願い事まで叶えてもらえる。これって、僕たちの感覚からすれば、何か違うように感じるんです」
マミ「たしかに、私たち魔法少女の魔力は強力だわ。でも、それは魔女と戦うためにあるの。メリットのように、言わないでほしいわ。魔女と戦うために、我慢していることだっていっぱいあるの」
マミ「それにリボンをマスケット銃へとするのは、努力して得た技よ。無から出しているわけでもないわ。魔力を消費するもの」
エド「わりぃ。でもな、俺たちはメリットだと思うくらい、魔法少女の魔法が魅力的に感じるんだ。俺たち錬金術師から見て、あの魔法はあり得ない。術法増幅器を使っているようなもんだ。まるで奇跡だ」

アル「それに、まだまだ疑問に思うことがあります」
エド「ああ。何故願いの代償が魔女との闘いなのか?それぞれ違う願いを叶えてもらっても、代償は戦うことなのは何故だ?それにソウルジェムの主原料は?願いか?魔力の源というなら、因果律ってやつか?まさか、ソウルジェムすら、無から生まれるなんてことはないよな?」
マミ「!!!」
マミ(あの時、ソウルジェムは何もないところから生まれたわ。そういうものだと思っていたけれど、言われてみれば、どうして…?魔女との戦いに疑問を思ったことはないわ。だって、それが私の、魔法少女の使命だもの。でも、どうしてかしら。エドワードさんたちが言っていることに反発する気持ちはあるけれど、わからないわけではない…)
エド「その顔は、わからねぇみたいだな」
マミ「え、ええ…」
エド「魔法少女は等価交換の法則と質量保存の法則に反している。何かとんでもないしっぺ返しがあるように思えてならない」
アル「キュゥべえの存在自体も謎だよ。君は宇宙のどこから、どんな目的で来ているの?何故、わざわざ君に地球にきて、魔女退治なんてしているの?何かメリットでもあるの?」
QB「……」
エド「何黙ってんだよ。願いの代償はなんだ?ソウルジェムの主原料はなんだ?」
QB「まったく。質問は一つずつにしてくれないかい?」
エド「願いの代償は?」
QB「魔女と戦うことだよ。これは最悪、命を落としかねないことだ。代償と言えるだろう」
マミ「そう、そうよね。だからこそ、魔法少女の使命と言えるのよ」
さやか「じゃあ、次。ソウルジェムは何からできるの?」
QB「契約からできる、と言えるんじゃないかな」
マミ「つまり、願いから生まれるってことね?」
QB「そう取ってももらって、問題ないよ」
マミ「なんだ、もう。エドワードさんたちが脅かすから、心配しちゃったじゃない。願いから、魔法少女が生まれるのよ。ソウルジェムも、戦う使命も」ホッ
QB「エドワード、君の考えはもっともだ。でも、魔法少女は等価交換では説明できないよ。何故なら、魔法少女は条理を覆す存在だからさ」
まどか「条理を覆す……」
さやか「すごい!」
アル「条理を覆す…か。なおさら興味深いや」キラキラ
エド「……」
アル「兄さん?」
エド「いや、何でもねぇ」
エド「ありがとな、マミ。お陰で色んなことがわかったぜ」
マミ「いいえ、どういたしまして。私も、魔法少女としての使命を再確認できて、よかったわ!」
エド「そうかよ」
まどか「すごいです、魔法少女も、マミさんも…!」
さやか「うんうん!正義のスーパーヒーローって感じ!」
まどか「お話し、聞けて良かったです、マミさん!」
さやか「ありがとうございます!」
QB「…………」
QB(やれやれ。僕にお礼はなしかい?)

マミ「さて、魔法少女については大体わかったわね?」
まどさやアル「「「はい!」」」
エド「おー」
「そこで提案なんだけど、しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」
まどか「ええ?」
さやか「いいんですか?」
魔女退治がどういうものか、その目で確かめてみればいいわ。そのうえで危険を冒してまでかなえる願いがあるべきかどうか、じっくり考えてみるべきだと思うの。
さやか「そうですね。私も素質があるんだから、無関係とはいえないし…」
エド「やめといたほうがいいぜ」
さやか「な、なにおー!!このさやかちゃんには、魔法少女が務まらないとでもいいたいのかー!?」
エド「そうじゃなくて、危険すぎんだろ」
マミ「大丈夫よ。私が付いているんだから。それに、二人も来てくれるでしょ?」
エド「そうだけどよ…」
マミ「ね、大丈夫でしょ?」
さやか「うんうん、正義の魔法使いに、凄腕錬金術師二人…二人?一人と一体?」
エド「二人だ!!」
アル「あははは…」
まどか「と、とにかく!すごい3人が付いてるんだから、大丈夫ってことだよね、さやかちゃん」
エド「なっ…」
さやか「そうそう!守ってくれたまえよー!エドー!」
エド「エドワードさ・んだ!たっく、危険だっつってんだろ!」
アル「に、兄さん。二人とも乗り気じゃ、らちが明かないでしょ?認めてあげようよ」
エド「…たっく、しょうがねえ。いいか!俺たちから離れて、うろちょろすんなよ!」
まどか「は、はい!」
さやか「あはは、わかってるよ」
マミ「」ニコニコ
マミ(エルリック兄弟の『目的』がまだ何かは聞いていないけれど、一緒に来てはくれる。魔法少女候補の二人も、そばにいてくれる。嬉しいなあ)
マミ「じゃあ、決まりね!明日の放課後、よろしくね!」
さやか「わかりました!」
エド「ああ、よろしくな」
まどアル「「よろしくお願いします」」
マミ「それじゃ、解散ね!」
まどさや「「お邪魔しました」」
マミ「ああ、悪いけど、エドワードさんとアルフォンスさんは残ってもらえるかしら?フォーメーションの確認をしたいの」
エド「おう」
アル「わかりました」
さやか「えー!なにそれー!?私たちはないんですか?」
マミ「ええ、私たちのそばにいてくれれば、それでいいから。それに、もう暗くなっちゃったでしょ?親御さんが心配するわ」
さやか「それを言ったら、デコボコ兄弟もそうですよね?」
まどか「さやかちゃん…」
エド「…俺たちは気ままな根無し草。両親とも居ねーようなもんだ」
アル「そういうわけだから、大丈夫だよ。二人こそ、こんな暗い中、大丈夫?」
まどか「う、ううん!大丈夫だよ、ありがとう」
さやか「ふ、ふーん。そうなんだ。あー……、にしても!アルってば、紳士だなー!ホントに同い年だと思えないわー」
アル「え、えへへ、ありがとう」
マミ「それじゃ、鹿目さん、美樹さん、気を付けてね」
まどさや「「お邪魔しました」」バタン

さやか「あれっそう言えば、エドワドたちの目的について聞いてないや」
まどか「あっ、そういえば、そうだったね」
さやか「ま、いっか」
まどか「あの二人の錬金術も、マミさんの魔法もすごかったね」
さやか「そうだね。魔法少女にならなくても、錬金術師になるって手もあるかもね」
まどか「ウェヒッ。私たちになれるわけないよ」
さやか「そうー?ま、今度聞いてみよ」


マミ「……さてと、これから聞くこと、見ること。すべて誰にも言わないと約束するわ」
エド「ああ、……俺たちの目的についてだな。キュゥべえ、表でてろ」
QB「なんでだい?」
エド「お前は聞くな」
QB「…わかったよ。終わったら呼んでくれ」
マミ「…左右で違う足音。何か関係あるのかしら?」
エドアル「!!」
エド「すごいな、そこに気が付いたか」
マミ「?なんで上着を?……あ」
エド「見てのとおり、こういうわけだ」
マミ「……!」
エド「右腕、左足が機械鎧(オートメイル)だ」
アル「この街ではあまり見かけないものですが、機械の義手と義足です」
マミ「それで、鋼の錬金術師と…」
マミ(ちょっと、いや、かなりかっこいい)
エド「ああ」
アル「錬金術についてどれくらい知っていますか?」
マミ「言葉自体は知ってるという程度よ。詳しくは知らないわ」
アル「そうですか…。この街には浸透していないんですね」
エド「俺たち錬金術師にとって、人体錬成は禁忌とされている。つまり、人を錬金術で作ってはいけないと決まっているんだ」
エド「俺たちはその禁忌を犯した。死んだ母親を錬成して、俺の足と弟を持っていかれた」
マミ「持っていかれた?」
アル「一つのものからは一つのものしか作れない。これが等価交換の法則です。錬金術にはリバウンドというものがあって、量が足りないのに一つのものを作ろうとすると、体の一部を持っていかれるんです」
マミ「それで、その手足と…アルフォンスさん?」
アル「ええ。今鎧の中を見せますね」

アルが鎧の頭を外して、鎧の中をマミに見せた。

マミ「……っ!!」
アル「僕は体を全部持っていかれました。左足を失った重症のまま、兄さんは自分の右手を引き換えにして僕の魂をこの鎧に定着させました」
アル「この血印が見えますか?僕はこの血印で鎧に定着されています」
エド「俺たちは元の体を取り戻すために旅をしている」

エド「マミ、賢者の石って知っているか?」
マミ「賢者の石?」
エド「別名を哲学者の石、天上の石、大エリクシル、赤きティンクトゥラ、第五実体。術法増幅器で等価交換の法則を無視してわずかな代償で大きな錬成を行うことができる石だ」
エド「俺たちは元の体に戻る手段、賢者の石を求めて旅をしている。賢者の石があれば、俺たちは元の体を取り戻すことができるんだ」
マミ「そう、だったの…」
エド「そのソウルジェムは俺たちが求めている賢者の石に似ている。だから、魔法少女について教えてもらいたいし、魔女との戦いについていきたい。魔力についても知りたい」
アル「何か、ヒントになることがあると思うんです」
マミ「いいわよ」
アル「ありがとうございます!」
エド「ありがとう、マミ」
マミ「こちらこそ。話してくれてありがとう。エドワードさんが魔法少女についてあんなに引っかかってた理由がわかってよかった。私にできることだったら、何でも言ってね」
アル「じゃあ!エド「さっそくそのソウルジェムを…、と言いたいところだが、もう時間が遅い」
マミ「そうね。もうすっかり窓の外が暗いわ」
エド「行くぞ、アル」
アル「で、でも…」
エド「また明日にでも見せてもらえばいいだろ」
アル「…?そうだね、兄さん」
マミ「……これ」スッ
エド「グリーフシード?」
マミ「後一回使えるわ。何かわかるかもしれないし、あげるわ」
エド「……いいのか?」
マミ「いいのよ。ただ、明日から一緒に戦ってグリーフシードを得られた場合は、すべて私のものってことでいいかしら?」
マミ「その分、魔法が見たかったらいつでも見せてあげるわ」
エド「わかった。サンキュ」
アル「ありがとうございます!」
マミ「……」
マミ「あのね」
エド「?」
マミ「私が、魔法少女になった理由を聞いてほしいの」

公園
エド「……」
アル「……」
マミ『死にたくない、生きたい。それが私の願い』
アル「車で、両親と一緒に交通事故にあって、か」
マミ『…つらかったわね。二人とも』
エド「…マミだって、つらかったよな」
アル「うん…。小学生で両親を亡くして、たった一人で生活して、たった一人で戦って…」
エド「……」
アル「どうにか、してあげたいね」
エド「ああ、そうだな」
QB「エドワード、僕の両耳を鷲掴みにするのをやめてくれないか?」
エド「…耳毛じゃなくて耳なのかよ、これ」
QB「正確には耳から生えた羽だよ。マミの前では優しく抱きかかえてくれたというのに、酷いじゃないか。離してくれよ」
エド「やなこった」
アル「ごめんね、キュゥべえ。兄さんってば言っても聞かないから」
QB「それで、僕に何の用だい?」
エド「……お前、オレたちをどれくらい騙している?」
QB「騙す?僕はそんなことしないよ」
エド「本当にそうか?」
アル「…兄さん?」

エド「いくつか質問がある。まずはソウルジェムについてだ」
QB「それならさっき話したじゃないか。」
エド「ソウルジェムは何からできるか、だろ?オレの聞きたいことはそれじゃない」
エド「子どもはどこから産まれるか、それは母親から。お前が答えたのはそういうことだ。その子どもが何でできているかじゃない」
アル「?確かに、そうだ」
エド「ソウルジェムの材料は、なんだ?」
QB「…………」
エド「答えろ」
QB「やれやれ、君はずいぶん勘が鋭いようだ」
アル「!!!」
エド「……」
QB「ソウルジェムの材料は魔法少女の魂だよ」
エド「お前っ!!!」ギリッ
アル「そ、そんな……」ガクッ
エド「何故、マミはそんなことも知らない!!?」
QB「聞かれなかったから、答えなかっただけさ。知らなかったら知らなかったで、何の不都合もないからね」
エド「テメェ!」ギチギチ
アル「兄さん、落ち着いて。それ以上強く握ったら、死んでしまう!」
エド「……クソッ」
QB「君たち人間に今言ったことを伝えると、決まって逆上する。まったく、わけがわからないよ」
アル「君には、人の感情が理解できないんだね」
QB「確かに、そうだといえる」
QB「でもソウルジェムは魔法少女にとってもメリットがあるんだよ?僕は魔法少女の魂を実体化し、手に取ってきちんと守れる形にして、少しでも安全に戦えるようにしてあげているんだ。慣れれば痛みを完全に遮断することだってできる」
エド「だからって、そりゃねえだろ」
QB「…魔法少女は初めから強いわけではない。ソウルジェムという形をとらなければ、すぐに死んでしまう」
QB「そもそも君たち人間は最初から魂の存在を自覚できてないんだろ?そこは神経細胞の集まりでしかないし、そこは循環器系の中枢があるだけだ。そのくせ、生命が維持できなくなると、精神まで消失してしまう」
QB「そんなこと、君たち人間だってやだろ?だから、死ににくいようにしてあげたんだよ」

エド「…ソウルジェムと肉体は何でつながっている?」
QB「精神だよ。半径100m圏内にソウルジェムがあれば、体を動かすことができる」
エド「!!」
アル(え…、じゃあ、僕の肉体って……!存在する!!?)
エド「生命活動が維持できなくなると、精神が消失して、肉体と魂のリンクが切れるってことか…!」
QB「そういうことだよ」
エド「アル!!」パアァ
アル「兄さん!!!」
QB「?」
QB「マミに伝える気かい?それならやめといたほうがいい」
エド「ああ。オレが同じ魔法少女の仲間じゃないと知ったとき、泣くほど気を張ってたんだ。今のマミに話すのは、あまりにも残酷すぎる」
アル「時期を見て話すよ」

エド「…ソウルジェムと肉体は何でつながっている?」
QB「精神だよ。半径100m圏内にソウルジェムがあれば、体を動かすことができる」
エド「!!」
アル(え…、じゃあ、僕の肉体って……!存在する!!?)
エド「生命活動が維持できなくなると、精神が消失して、肉体と魂のリンクが切れるってことか…!」
QB「そういうことだよ」
エド「アル!!」パアァ
アル「兄さん!!!」
QB「?」
QB「マミに伝える気かい?それならやめといたほうがいい」
エド「ああ。オレが同じ魔法少女の仲間じゃないと知ったとき、泣くほど気を張ってたんだ。今のマミに話すのは、あまりにも残酷すぎる」
アル「時期を見て話すよ」

アル「僕からもキュゥべえに質問がある」
QB「なんだい?」
アル「君の目的は何?」
QB「魔法少女の素質がある子を魔法少女にし、魔女と戦ってもらうことだよ」
アル「それで、君に何の得があるの?とても合理的な考えを持っている君が、それだけ理由で地球にやってくるわけがない」
QB「…………」
エド「オイオイ、まただんまりかよ」
QB「君たちはエントロピーという言葉を知っているかい?」
エド「熱力学か。エネルギーは形を返還させるごとにロスが生じる。つまり火で得られる熱エネルギーは木が育つエネルギーと釣り合わないってことだろ?」
QB「知ってるんだね、驚いたよ。その通りさ」
QB「宇宙全体のエネルギーは目減りしていく一方だ。だから僕たちは熱力学の法則に縛られないエネルギーである、魔法少女の魔力を求めてやってきた」
エド「どういうことだ?魔力の源であるソウルジェムは魔法少女の手元にあるだろ。どうやってそのエネルギーを回収する?」
QB「…………」
エド「オイ」
アル「まだ何かあるの?」
QB「ソウルジェムのまま、回収することはないよ」
エド「なら、どうやって回収する?」
QB「…………」ハァ…
エド「よっぽど話したくないんだな」イラッ
QB「僕たちの文明は知的生命体の感情をエネルギーに変換するテクノロジーを発明した。このテクノロジーを使って回収しているよ」
エド「どんなテクノロジーだ?」
QB「魔法少女の感情を利用して、エネルギーにするテクノロジーだよ」
エド「…そのテクノロジーで何を回収しているんだ?」
QB「エネルギーを回収しているよ」
エド「宇宙人か!!話が通じねー!!!そのエネルギーをどうやって回収してるかって聞いてんだよ!!」イラッ
アル「まあまあ、兄さん…。あたりを付けて質問するしかないよ」
エド「たっく…。オイ、お前が回収しているのって、エネルギーのほかにグリーフシードがあったな。そのグリーフシードは何でできている?それが、エネルギー回収に関係あるじゃねーの?」
アル「……!!」ゾワッ
アル(兄さんのいうことが正しかったら、ソウルジェムって……!)
QB「…………」
QB「君のような勘のいいガキは…」
エド「オイ。それさっきから言いたいだけだろ」

QB「やれやれ、まったく、君という子どもは…」
エド「子どもじゃねえ。さっさと話せ、説明しろ」
アル「」ゴクリ…
QB「グリーフシードは絶望で濁り切ったソウルジェムが元となっている」
アル「……!!」
エド「……」
エド「魔力の使い過ぎでは起こらないのか?」
QB「魔力の使い過ぎでも変化を起こすよ」
エド「他には?」
QB「魔法少女が絶望して呪いを生んだ時だ」
エド「負の感情ってことか?」
QB「そうだよ」
エド「…マミはこれを知っているのか?」
QB「もちろん知らないよ」
エド「この外道が!!」
アル「教えないまま契約を持ちかけるなんて!!」
QB「マミは契約したとき、瀕死状態だった。説明なんて聞いている暇はなかったよ」
アル「まどかとさやかは別だよ!」
QB「あの場にはマミがいた。この事実をマミが知ってしまったら、マミがどうなるかくらいわかるだろ?」
アル「...だったら、すぐに契約する必要がない子に、この事実を伝える?」
QB「わざわざ伝えることはないよ。二の足を踏む子が出るからね」
エド「悪魔だな、お前」
アル「最低だよ。断りもなしに魂を抜き取って、ソウルジェムにして、最後には…!願いのために魂を売るようなものじゃないか!」

QB「宇宙のエネルギー問題は君たち人類にも関係することだよ?」
QB「この宇宙にどれだけの文明がひしめき合い、どれほどのエネルギーを消費しているかわかるかい? 君たち人類もいつかはこの星を離れて、僕たちの仲間入りをする。その時にすでに枯れ果た宇宙を受け渡されても困るよね?長い目で見ればこれは君たちにとっても特になる話のはずだよ?」
エド「だから宇宙のために契約しろっていうのか?」
QB「契約を強制するつもりはないよ。あくまで君たちの合意をもとに契約しているからね」
エド「説明があまりにも不十分だ」
QB「認識の違いから生じた判断ミスを、そうも僕のせいにされるのは腹立たしいんだが…」
エド「...まったく人間というものをわかってないようだな」
QB「人間というよりは、感情だね。僕たちには感情というものが存在しないから。だからこそ、宇宙のあらゆる知的生命体を調査して、君たち人類を見いだしたんだよ」
エド「魔法少女の魔法も、感情エネルギーからくるものだとするならば、エネルギーを回収する方法は他にないのか?」
QB「最も効率がいいのが、君たち人類の第二次成長期の少女の希望と絶望の相転移なんだ」
エド「効率で少女が犠牲になる方法をとっているのか!?人道に反するだろ!」
QB「と、言われてもね。僕は人間ではないからね」
QB「ソウルジェムになった魔法少女の魂は、燃え尽きてグリーフシードになるとき、膨大なエネルギーを発生させる。それを回収するのが、僕の役目。アルフォンス、質問の答えはこれでいいかな?」
アル「ああ。ありがとうキュゥべえ」
エド「...魔法少女は魔女化する」
アル「残酷だ…」
エド「ああ…」

エド「魔女から人に戻すことはできるのか?」
QB「不可能に決まってるじゃないか。それができるとしたら条理を覆す魔法少女の願いだよ」
アル「……魔法少女の願い以外では元に戻らないの?」
QB「ああ。そういって間違いはない」
QB「まだほかに聞きたいことはあるかい?」
エド「因果律についてだ。因果律が高ければ高いほど、強力な魔法少女となり、やがて強力な魔女になるんだろ?」
QB「その通りだよ、エドワード」
エド「なら、因果律が高ければ高いほど、魔女になるときに得られるエネルギーが大きいのか?」
QB「そうだよ。だから、何としてでも鹿目まどかとの契約は成立させなければならないんだ」
アル「そんなにまどかの因果律は高いの?」
QB「ああ。今までに見たことがないくらいだ。彼女が望めば神にだってなれるほどの素質を持っている」
エド「つまり魔女になったら、魔神クラスってことか。地球を滅ぼすくらいのこと軽くしそうだな」
QB「その認識で間違ってないと思うよ」

エド「何故まどかとさやかで、そこまでの違いが出たんだ?」
QB「それは僕にもわからない。はっきり言って、まどかの素質はあり得ないといっていいほどのものだ」
アル「ちなみに兄さんの素質は?」
QB「神には到底なりえないが、世界を変えられるくらいはあるよ」
アル「ええ!?」
エド「マジかよ!?」
QB「アバウトな例えで申し訳ないのだが…。もう少しわかりやすいように言うと、人気少年漫画の主人公を張れるくらいにはあるよ」
エド「もっとわかりづらいわ!」
アル「せ、世界ってどれくらいの?」
QB「国…いや、地球全体ともいえるだろうね」
エド「大分幅があるな…」
アル「キュゥべえ、僕は?」
QB「君もマミを軽く超す素質の持ち主だが、契約はできないよ」
アル「えっ?どうして?」
QB「君の魂をソウルジェムにした途端、君はこの世界で体を動かすことができなくなるからだ」
エド・アル「!!!」
QB「どのような理由でそのような体になっているか、君たちの旅の目的が何なのかは、僕にはわからない。ただ、これだけは言えるよ」
QB「エドワード、アルフォンス。エドワードが魔法少じ…、…魔法少年として」
エド「オイ。今噛んだだろ。やり直せ」
QB「ごめんよ、慣れなくてね」

QB「君は少年でありながら素晴らしい素質を持っている。だから特例として魔法少年という形をとった。エドワードが魔法少年にとして契約すれば、願いを何でもひとつ叶えてあげる。君たちの旅を終わらせることができるよ。是非とも契約してほしいな」
エド「やなこった」
QB「どうしてだい?魅力的な誘いだと思うんだが」
エド「他に方法を探す。魔女との戦いなんて本末転倒になりかねないからな」
アル「そういうわけだからキュゥべえ、兄さんにこれ以上契約を持ちかけないでね」
QB「そう言われても、こればっかりは僕の役目だから約束はできないよ。もちろん契約の無理強いはしないけどね」

アル「...結局、君たちは自分達のことしか考えてないんだね」
QB「何を言うんだ。僕たちは宇宙のことを考えているんだよ」
アル「兄さん、絶対に、絶対に、契約なんてしないでね」
エド「こんな悪党と取り引きなんかしねーよ」
エド「いいか?白猫モドキ。さやかにも、まどかにも、これ以上近づくな」
QB「それも無理だよ。それに、僕は白猫モドキじゃないって。キュゥべえだよ」

アル「そういえば、どうしてマミさんやまどか、さやかに、兄さんに素質があることを伝えなかったの?」
QB「マミのまどかへの執着が削がれることを防ぐためだよ。エドワードが魔法少年になれるなんてマミが知ったら、エドワードに付きっきりになりかねないだろ?只でさえマミは寂しがり屋で甘えたがりだからね。後輩よりも同い年の子を選ぶよ」

エド「したたかっつーか、なんつーか。いかにも魔法少女の使い魔みたいな見た目とかわいらしい名前しやがって。お前たちは地球にどれくらいいるんだ?」
QB「地球の人間がいるところすべてに、かなりの数いるよ」
エド「うわっ、ゴキブリかよ気持ちわりぃ」
アル「いつ地球来たの?」
QB「有史以前から人間の文明に干渉しに来ていたよ」
アル「ええっ!?」
エド「よくお前たちのことを誰も気がつかないな」
QB「魔力を持たない一般人は僕たちのことを認識すらできないからね」

エド「なるほどな。お前ら白猫モドキのことは大体わかった。こちらから聞かなければ、お前らにとって都合の悪いことは話さないし、人の感情がわからない」
QB「僕は嘘もつかないよ。それに僕は白猫モドキじゃなくて、キュゥべえだよ」
エド「それはお前という個体についた名前だろ?お前たちのことを人間というように、お前たちの総称はなんだ?」
QB「僕たちは個体別に違う名称を持っていわけじゃないよ。キュゥべえが総称といっていいかな」
アル「えっ、キュゥべえが正式なの?」
QB「インキュベーターが正式だよ。キュゥべえは差し詰めあだ名かな。かわいらしいだろ?」
エド「...孵卵器か。なんつーか、まんまだな」
QB「まどかたちの前ではインキュベーターと呼ばないでくれよ」
エド「隠すつもりか」
QB隠すんじゃないよ、お願いしてるのさ」
エド「...ソウルジェムは魔法少女の魂だってこと、魔法少女は魔女になるということ、君の正体とその目的については、絶対にマミやまどかとさやかには言うな。特にマミ」
エド「俺が魔法少年になれるってことも、黙っとけ」
QB「別にいいよ。僕から伝えなくても、君たちが教えるんだろ?」
エド「...知らねぇ方が幸せかもしれないけどな」
アル「兄さん...」
エド「わかってる。時期を見て必ず伝えよう」
アル「うん...」
QB「果たしてマミたちが君の言葉を信じるとは思えないんだか...」
アル「僕たちはインキュベーターよりもマシに伝えられるよ」
QB「僕ほど丁寧な説明をできるものは早々いないと思うんだが...。まあいいよ」

見直してみたらちょいちょい連投してたところあった。すまん。
一旦休憩する。見てる人いるんだろうか不安になってきた……。

見てるぜ
この二人にとっては当然の疑問だよな
そんな美味しいだけの話があるはずないって

めっちゃありがとう。やる気出た。
この2作品好きすぎてクロスオーバー探したのに、誰も最後まで書いてくれてなかったから自分で書くことにしたんだ。
ハガレン知らない人でもまどマギ知らない人でもわかるように書くよ。
ハガレンサイドは小難しくなりがちになるけど、わかりやすいように頑張る。
多分長編になるけど最後まで書くから待ってて。ハガレンまどマギ最高

>>34 こうやって話しかけるんだっけ。初心者丸出しすまぬ……。1で35だよ。見てくれてありがとう。

ぼちぼち再開します。

QB「僕からも質問していいかい?」
エド「なんだ?」
QB「君たちは人体錬成をしたのかい?」
エド「……」
アル「どうしてそう思ったの?」
QB「どうやら図星のようだね。その辺が君たちの因果率の高さの理由のひとつになっているのかな」
QB「僕たちは有史以前から地球に存在している。人体錬成の前例がないわけじゃない。差し詰め君たちの願いは死んだ誰かを生き返らせたいかな?」
アル「今の願いはそうじゃない」
QB「肉体は魔力で補えばいい。君たちの望む魔力の源も手に入る。そして君の兄が願えば、死んだ誰かも生き返る。すべて丸く収まるじゃないか」
アル「君は一体何を言ってるのか分かって…」
エド「いくら怒っても無駄だ。こいつはそういうたぐいの話が通じる相手じゃない。オイ、キュゥべえ。お前たちはずいぶん物知りなんだな」
エド「有史以前からの錬金術と人体錬成について俺たちに教えてくれ」
アル「!」
QB「構わないけれど、君たちの望む情報があるとは限らないよ」
エド「それは俺たちが決めることだ。お前たちの記録している錬金術に関すること、すべてを教えてくれ。これは願いじゃない。お前に対して頼んでんだ」
QB「わかったよ」
エド「決まりだな」

エド「こいつに聞くのはシャクだが、なりふり構ってられねえ」つQB
QB「ちょっと待ってくれ!僕をどこにしまうつもりだい!?」
アル「うん。きっといい情報があるよ」
エド「ああ。なんたってこいつは聞けば答えるし、嘘もつかない」
アル「その点では最高だね」
QB「待ってくれ、エドワード!君は今の今まで僕の両羽を鷲掴みにした挙げ句、鞄に僕をしまうのかい!?」
エド「お前みたいな気色悪いの、手に持ってられっか」
QB「肩に乗せるって選択肢はないのかい!?鞄の中じゃぺしゃんこになっちゃうよ!」
エド「抵抗すんなよ。黙ってはいれ」ギュウギュウ
QB「た、助けてくれよ、アルフォンス!!動物虐待は良くないだろ!?」
アル「インキュベーターは保護すべき動物に入らないよ」ハハハ
QB「パンツ!これパンツじゃないか!」モガモガ
鞄「」キュッブチュ

アル「それにしても兄さん。いつから気づいてたの?」
エド「あ?」
アル「ソウルジェムについてだよ。気づいてたから、マミさんのソウルジェムを詳しく見せてもらわなかったんだよね?」
エド「別に気がついていた訳じゃねーよ。ただ、あまりのもコイツの説明がおかしいと思ったから」
QB「マミ!マミィ!!」ドンドン
エド「あ。こいついけすかねぇけど、マミと仲がいいんだったな。出してやるか」パカ
QB「ひ、酷い目に遭ったよ」ボロッ
エド「勘違いすんなよ!お前のためではなく、マミのために出してやったんだからな!!
アル「ツンデレみたいになってるよ。兄さん」

ほむら「……あなたたち」
エド「おわっ!?」
アル「いっ、いきなり背後に!」
エド「あっ!!テメェ!さっきチビっていったやつ!!」
ほむら「暁美ほむらよ」
エド「まだ許してねーからな!」
ほむら「?」
アル「すぐ根に持つ……」
ほむら「インキュベーターの企みによく気がついたわね」
ほむら「巴マミの家から出て来てからの、あなたたちの会話、すべて聞いてた」
エド「!……あ、あー…大丈夫、か?お前魔法少女だよな?」
ほむら「そう、私は魔法少女。心配ご無用。平気よ、魔法少女の真実をずいぶん前から知ってるわ」
エド「そうか…なら、何のようだ?こいつが欲しいのか?」つQB
QB「キュップイ」ボロッ
ほむら「違うわ。鹿目まどかと接触した時点でそいつに用はない。消えなさい」
アル(…まどかだけ?)

QB「と、いうことだ。離してくれるかい?」
エド「10分後、ここに戻ってこいよ。お前にはまだまだ用がある」ナデナデナデ
QB「30分欲しいな。それと僕の見た目を今更取り繕うとしても無駄だよ」ボロッ
エド「それで、俺たちに何のようだ?」
ほむら「あなたたち、名前は?」
エド「鋼の錬金術師。エドワード・エルリックだ」
ほむら「国家錬金術師の兄とその弟、エルリック兄弟ね」
エド「!ここに来て初めて知ってるやつにあったな」
ほむら「戦いに使えるかもしれないと思って、錬金術師や錬金術については一通り調べたから」
アル「僕は弟のアルフォンス・エルリックだよ」
ほむら「ずいぶん大きいのね…」
アル「あはは…これでも14歳だよ」
ほむら「!…そう」チラッ
エド「なんだよ。15だよ、文句あんのか」イラッ←兄貴
エド「わざわざ名乗らせて、俺たちに何のようだ?」
ほむら「あなたたちが真実を知ってしまったからには、教えなければいけない情報がある
信じるか信じないかはあなたたちで決めて」
エド「?」

ほむら「巴マミに真実を伝えては駄目。彼女は真実を知ると暴走して他の魔法少女と無理心中をはかる」
エドアル「「!!」」
ほむら「美樹さやかが契約すると、必ず絶望して魔女になる。それも、強力な魔女に。あの子はきっと幼馴染みのために契約するわ。幼馴染に恋してるのよ」
ほむら「佐倉杏子という赤い魔法少女がこの見滝原にやってくるわ。佐倉杏子は使い魔を倒さず、魔女になるまで待つ。正義感の強いマミやさやかとは正反対の魔法少女。必ず敵対するわ。けれど、彼女は他人のために願いを叶え、報われなかった過去がある、元正義の魔法少女でマミの元弟子よ」
ほむら「そして、一ヶ月後にワルプルギスの夜が来る。私たち魔法少女が一丸となって戦わなければ勝ち目がないと言っていいほどの相手。倒さなければ見滝原は壊滅し、多くの人が死ぬ」
ほむら「見滝原だけじゃない。他の街にワルプルギスが移動したら同じことが起こる」
ほむら「鹿目まどかには絶対に魔法少女にさせないで。ワルプルギスの夜を倒して、彼女は最悪の魔女になる。そして地球は滅ぶわ」
ほむら「最後にこれは直近の話。鹿目まどかと美樹さやかと共にマミは魔女狩りへいく。彼女は安心感から油断する傾向がある。魔女に対抗できるほどの力を持った錬金術師というならば、守ってあげて」
ほむら「以上よ」

エド「まどかとさやかに契約をさせないで、ワルプルギスの夜までに3人の魔法少女が手を組む必要があるのか」
ほむら「!…そうよ」
アル「君が情報通なのか、預言者なのかはわからない。けれど、まどかが魔法少女になったら、最悪の魔女になるというのは確定事項だ」
エド「問題はワルプルギスの夜が本当に現れるかどうかだな」
ほむら「ワルプルギスの夜のことはキュゥべえに聞いてみるといいわ。あいつは嘘はつかないから」
ほむら「そして証明する手だてはないけれど、私の言っていることは本当よ」
アル「君は正義の魔法少女なの?だったら、マミさんと協力することは簡単じゃないかな?」
ほむら「私は正義をふりかざすつもりはない」
アル「今だけでも出来ないかな?」
ほむら「……」
エド「明日、マミと魔女狩りに行く。マミと協力したいなら、こいよ」
ほむら「私はやることがある…」つ銃

エドアル「!」バッ
アル「それは、本物の銃?」
ほむら「そうよ。攻撃しないから、かまえを解いて。私は巴マミの様に魔法で武器を自由に作り出すことは出来ない。明日は武器を調達するしにいくのよ」
エド「ふーん。調達するためにさっきの人の背後に立つ魔法を使うのか」
ほむら「目ざといわね。そうよ。そういうわけだから、私は明日の魔女退治には行けない」
エド「そうか。なら、マミにお前のこと言っておいてやるからな。仲間になりたがってる魔法少女がいるって」
ほむら「そう、いいわよ」
エド「ありがとうだろ!」
ほむら「…ありがとう」

ほむら「くれぐれも気を付けてね。あなたたち、時期を見てと言っていたけれど、巴マミに魔法少女の真実を絶対に教えては駄目。まどかや美樹さやかにも教えては駄目。二人を経由して巴マミに伝わりかねない。もちろん、佐倉杏子にも伝えては駄目よ」
エド「ワルプルギスの夜を倒すまでは、か?」
ほむら「いいえ。永遠に伝えては駄目」
アル「百歩譲って魔女化の事実はいいとして、ソウルジェムが自身の魂だということは知っておいた方がいいんじゃないかな?意識して守れることもできるし、どこかに置き忘れるなんてことが、あったりしたら…」
ほむら「教える必要はないわ。知らない方がいいことだって、あるの。それにソウルジェムは魔力の源。すでに意識して守っているし、置き忘れるなんてあり得ない」
ほむら「真実を知ったせいで魔女化でもされたら、たまったものじゃない。だから、絶対に伝えては駄目よ」
アル「例え残酷な真実だとしても、知らなければいけない。自分の正体も知らずに生きていくことのほうが、残酷だ」
エド「今は伝えないが、いつか必ず伝える」
ほむら「そう。なら、そのいつかは私に決めさせて」
エド「なんでお前が…」
ほむら「エドワード・エルリック、あなた魔法少年になれるのよね。この事実を美樹さやかに伝えてもいいのかしら?」
エド「!?お、おま、それ…」

想像上のさやか『ぷっくく...あっははは!!魔ww法ww少www年wwwwwwwこりゃ、傑作だわ!!wwwwwwwwwwww魔法wwwww少wwwww年wwwwwwww』

エド「」イラァッ
ほむら「フリフリエドワード」ボソッ
アル「っ…ふふ」
エド「やめろ」

エド「冗談はやめろ!俺達は魔法少女の真実を…」
ほむら「人体錬成したんですってね」
エドアル「!!」
ほむら「禁忌よね」
エド「ぐ……」
アル「脅すつもり?」
ほむら「そうよ。裁かれたくなかったら、私の言うことを聞きなさい。悪いようにはしないから」
アル「そんな…!」
エド「お前が武器を盗んでいるって、軍にチクるぞ」
ほむら「いいわよ。証拠なんて出ないから。魔法少女にならなければすむ話よ」
エド「くっそ!このアマ!!」
ほむら「ごめんなさい。なりふり構ってられないの」
アル「!」
ほむら「それじゃ、よろしくね。明日は巴マミの護衛のみやってなさい。そのあとについてはまた話すわ」スッ
エド「あっ、オイ、コラ!!…消えた」

エド「まったく、なんなんだあいつ!!」
アル「やられたね。まさかすべて聞いてたなんて」
エド「ああ。悪趣味だぜ」
アル「これからどうする?兄さん」
エド「どうするもこうするも……ソウルジェム、魔女化については当分話せそうにない」
アル「ほむらの言うことをきくの?」
エド「きくしかねーだろ。だが、さやかが契約しそうになったときとか、いざというときは真実を話すしかない」
アル「…そうだね。そうしよう」
エド「要は契約させなければいい。明日、さやかの幼馴染みのとこ行くぞ。要はくっつけてやればいいんだろ?」
アル「そう簡単なものかなぁ。そもそも、その情報、信じるの?」
エド「他に情報もないし、契約を止めるためにさやかの幼馴染みと仲良くなっておくのもいいだろう。俺たちの言葉に耳を貸さなくても、幼馴染みの言葉なら届くなんてことも考えられるしな。それに、とりあえずその幼馴染みのとこ行ってみれば、さやかが恋しているかどうかの裏付けが取れるだろ」
アル「それもそうだけど、なんて言って会うつもりなの?」
エド「……さやかサンのお友達のエドワードデス。」
アル「ノープランなんだね」

エド「まずはインキュベーターが戻ってきたらワルプルギスの夜について確認だ」
アル「うん」


ほむら「……」コソッ
ほむら(まさか、こんなにも早くキュゥべえの企みに、気がつく人間がいると思わなかった)
ほむら(私が銃を向けたときの反応も、とても速かった。魔法少女の真実を巴マミたちに話したがってる問題はあるけれど、一応、抑えられている)
ほむら(頭がよく、戦闘能力もあり、おそらく精神力ある、今のところ協力的な二人。使えるかもしれない)


エド「ぶぇっくし!!…さみぃ」
アル「兄さん、大丈夫?」
エド「ああ。たっく、キュゥべえのやつ遅いな」
アル「僕たちの会話が10分もせずに終わっちゃったからね」
エド「後15分か」

アル「…ほむらの魔法って何だろう?」
エド「テレポーテーションとか、そういうやつ類のものじゃないか?」
アル「それで武器の調達するって結構危なくないかな?銃器を格納している場所って、場所の配置とか詳しく一般公開されてるわけがないし、万が一壁の中に移動したら…」
エド「…言われてみれば、そうだな」
アル「でしょう?」
エド「なら、時を止めるとか?」
アル「うーん」
エド「あり得ないな」
アル「あり得ないね」

エド「…あれだけの情報はどうやって集めたんだろうな」
アル「長年魔法少女をしていて、皆と面識があるからかな?」
エド「長年魔法少女をしているから、ワルプルギスの夜が現れることもわかると?」
アル「うん。でもそれじゃあ、わざわざ僕たちを手下にするようなことしないで、直接、マミさんや佐倉杏子に仲間になってくださいって言えばいいよね」
アル「ほむらが、何故そこまで他の魔法少女のことや、まどかとさやかのことを知っているか謎だよ。同じ制服は着ていたけど…」
エド「だよなぁ。なんか腑に落ちねーんだよ」
アル「なら、ほむらは預言者?」
エド「いくら魔法でも、そんなことできるか?」
アル「だよね」
エド「…ワープ」
アル「?」
エド「ワープする魔法が使えて、未来から過去にワープしてきた!」
アル「……」
エド「ないよなぁ」
アル「今度あったら聞いてみようか」
エド「キュゥべえに聞いてみようぜ。可能かどうか」
アル「あっ、そうだね。キュゥべえなら知ってるよね」
エド「そもそも、キュゥべえと契約してるんだろうし、あいつの能力なんてすぐに知れるだろ」
アル「うん。嘘はつかないみたいだし」
エド「ああ。油断ならないやつだけどな」

エド「インキュベーターというからには、ソウルジェムをグリーフシードに返すため手段を選ばないはずだ。対ワルプルギスの夜の戦力を削るために、他の魔法少女を減らしにくるはずだ」
アル「すべてはまどかが契約するようにするために、ね。ほむらの言ったことが本当なら、さやかの魔女化からマミさんが真実を知って、将来を悲観し仲間と共に無理心中をはかったら、ワルプルギスの夜を倒せる魔法少女はまどかだけ、となりかねない。ほむらの深読みしすぎか、ガセ情報だといいけど…」
エド「ああ。にしても、なんでまどかだけにそれほどの因果率があるのかも謎だな」
アル「インキュベーターもわからないって言ってたしね」
エド「ワルプルギスの夜、暁美ほむらの予言じみた話、ほむらの魔法、まどかの因果率…謎も問題も山積みかぁ」
エド「ほむらの話を信じるならだけどな」
アル「兄さんは信じる?」
エド「信じる信じないは別にして、これから起こるかもしれないことに対処はする。さやかの契約とかな」
アル僕は…」

ほむら『ごめんなさい。なりふり構ってられないの』

アル「信じたい、かな。何となく、僕や兄さんと同じような感じがしたから」
エド「同じ?どこがだ?」
アル「なりふり構ってられないところ」
エド「…確かにな」

エド「俺はあいつのことインキュベーターに似てると思った」
アル「えっ!?どうして?」
エド「結局は自分の目的のために、他の魔法少女に真実を教えず、利用する気満々なところだ。ワルプルギスの夜撃破という目的のためにな」
アル「言われてみれば、そんな感じしなくもないけど、マミさんのこと守ってあげてって言ってたし、同じ魔法少女を思う気持ちはあるはずだよ。言い過ぎだよ、兄さん」
エド「チビって言ったし、俺たちを手下扱いだし、気に食わねー」
アル「な、なりふり構っていられないんだよ」
エド「……」ムスッ
アル「…兄さんったら」

アル「……」

ほむら『鹿目まどかと接触した時点でお前に用はない。消えなさい』
ほむら『まどかや美樹さやかにも教えては駄目』

アルうーん...
アル「ほむらはまどかと仲がいいのかな?ほむらはまどかのことをまどかって呼んでいたけど、マミさんやさやかのことはフルネームだった。それに、まどかのこと気にしてたみたいだし」
エド「そういえば、そうだな。でも、気にしすぎじゃねーか?」
アル「うーん、そうかなぁ」
エド「ま、仲はいいかもな。魔女退治のときにまどかに聞いてみようぜ」
アル「そうだね」

改行してください読みにくいです

エド「ま、魔法少女の話はこれくらいにして」
エド「生命が維持できなくなると精神まで消失する。ソウルジェムと肉体は精神で繋がっていて、半径100m圏内なら自由に動かせる。これをアルフォンスに当てはめて考えると…僕の体は生命活動を維持したまま、魂と精神によって繋がっている。さらに、どこか近くに存在している!」
エド「その近くというのは恐らく、真理の扉の中だ!」
アル「見えてきたね、兄さん!」
エド「オレはあの時とっさに持っていかれたといった それは間違いじゃなかったんだ アルの体とオレの足は真理の扉の向こうに持っていかれたんだ」
エド「これからインキュベーターに過去の錬金術と人体錬成について聞けるし、また新たな発見があるかもしれない。それに、感情エネルギーについても詳しく聞いて研究すれば、安全な方法のエネルギー回収を目指せるかもしれない。そのエネルギーを錬金術に応用し運用すれば、俺たちの体を取り戻せる!」
アル「うん!ソウルジェムになった魂を体の中に戻す方法も、研究すれば見つかるかもしれないよ!」
エド「ああ!未来はそんなに暗くない!」
アル「うん!ああ、インキュベーターのやつ、早く戻ってこないかな。どこに行ったんだろう」
エド「マミのところに行ったか、まどかのやつのところに営業にでも行ったんだろう」
アル「えっ、それって大丈夫なのかな?」
エド「まどかに契約させるなって言ったほむらが野放しにしたんだから、大丈夫だろ。それにまどかのところに行ってても、あの性格からして、契約を即決することはないだろう」
アル「それもそうだね」

>>45 反応ありがとうございます。長いところの改行と、台詞事に改行入れてみました。


QB「キュップイ!」

まどか「わっ。どうしたの?くしゃみ?」

QB「うん。そうみたいだ。それで、契約をする気になったかい?」

まどか「う、うーん。まだ、あんまり。願いって言っても、何を願ったらいいかわかんないし」

QB「そうか。それじゃ、考えておいてね。また明日、聞かせてくれよ」

まどか「うん。あっ、行っちゃうの?キュゥべえ」

QB「うん。エドワードたちが待ってるからね」

まどか「そっか。じゃあ、また明日ね。暗いから、気を付けてね」

QBありがとう、まどか。また明日」


アル「あ、戻ってきた」

エド「遅いぞインキュベーター!」

QB「何をいってるんだい?ぴったり30分じゃないか」

エド「さっさと泊まるとこ探すぞガシッ」

QB「なんで君はまた両羽を鷲掴みにするんだい?」

エド「お、お前あったかいな」ギュッ

QB「うわあ!?ガッチガチの胸板!!!本当に男の子じゃないか!」

エド「だから初めから言ってるだろ!」

QB「すまない、男の子にハグされた記録は500年で止まっていたから、つい驚いてしまったよ!!
それにしてもその身長は詐欺だ。訳がわからないよ!」

エド「なーんーだーとー!!!???」グリグリグリグリ

アル(本当にインキュベーターには感情がないのかな)

QB「うわっ、うわ!もう毛並みがぐっちゃぐちゃじゃないか!折角まどかにブラッシングしてもらったのに!」

アル「やっぱりまどかのところに行ってたんだ。まどかは何て言ってたの?」

QB「暗いから、気を付けてねって言われたよ!君たちとは大違いさ!」ボロッ

エド「その優しさも今のうちだと思っとけ、この悪魔。契約についてまどかはどう言ってたんだよ?」

QB「何を願ったらいいかわからないって言ってたよ」

エド「よし」

QB「よしじゃないよ!僕としては早ければ早いほどいいんだ!君の右手とても冷たいよ!せめて生身の左手で掴んでくれよ!!」

エド「うるせーな。鞄の中に入れるぞ」

QB「」

QB(これだから男の子は!)

QB「それで、どこから話そうか」

エド「すぐに終わるやつから。まずは魔法少女関連で質問がある」

QB「まだあるのかい?」

エド「ああ。ワルプルギスの夜が一ヶ月後くるって本当か?」

QB「どこでその情報を手に入れたんだい?暁美ほむらかい?」

エド「ああ。本当か?」

QB「本当だよ」

アル「そっか……」

エド「はぁ……本当か。ワルプルギスの夜について説明してくれ」

QB「ワルプルギスの夜は他の魔女と違ってわざわざ結界のなかに閉じこもらない。
出現しただけで数千人という犠牲を出す。それでも一般人には見えないから、
スーパーセルなどの巨大な自然災害としてとられる。
過去にも何度か地球上に出現し、表向きは局地的な自然災害として処理されてきた」

QB「魔法少女が単独で倒すことは不可能であり、例え数人がかりで挑んだとしても、
必ず倒せるという敵ではない。最強の魔女だよ。
と、言っても神になれるほどの因果率を誇るまどかなら倒せるだろうね」

アル「数人がかりでも駄目かもしれないんだ」

QB「その数人にまどかが含めば確実に倒せるよ。
ベテラン魔法少女数人と魔法少年となったエドワードでも倒せないことはない。
けれど誰かは死ぬ可能性が高い」

エド「俺は契約しないし、まどかも契約しない。
ただ、まどかがワルプルギスの夜と戦ったら、必ず魔女になると思うか?」

QB「あり得ないことではないよ。ワルプルギスの夜は最強の魔女だからね」


エド「お前はまどかを魔女にするためなら何でもするか?
例えばまどかに契約させるため、他の魔法少女を減らしにかかるとか」

QB「直接手を下すことはしないが、まどかと契約するために僕たちはインキュベーターは
総力をあげて取り掛かっているよ。まどかが魔女化すればそれだけでノルマを達成できるからね」

アル「ノルマ?」

QB「地球で回収するエネルギーのノルマだよ」

エド「コイツ……俺たち人間をなんだと思ってんだ」

QB「曲がりなりにも知的生命体として接しているよ。多くのエネルギーを生み出してくれる君たちには、
感謝もしてるんだよ」

エド「便利な燃料タンクだと思ってるってことか」

QB「誤解を生むような言い方はやめてほしいし、そんな単純なものではないが……事実、そうだとも言えるよ」

エド「……」ビキビキ

アル「兄さん、抑えて。何言ってもこの生き物には通じないよ」

エド「……そうだったな」ハァ

エド「まどかの因果率について、本当に何もわからないのか?」

QB「残念だが、予測もまったくつかない」

エド「想像でもいい。少しもわからないのか?」

QB「わからないね」


エド「次だ。暁美ほむらという魔法少女について知っていることすべてを教えてくれ」

QB「何故か僕を狙撃してくること以外、何も知らないよ」

アル「契約した時のこととかは?」

QB「契約した覚えがないんだ」

エド「そんなことってありか…?」

QB「ないよ。イレギュラーだ」

エド「あいつの魔法について予測をたてられるか?」

QB「そうだな…。君たちの背後に立ったときに使った魔法はテレポートの魔法、
もしくは時間を止める魔法かな」

アル「時を止める魔法があるの!?」

QB「さあ、どうだろうね。ただ魔法少女は条理を覆す存在だ。あってもおかしくはない。
時を操るような願い事をすれば時を止める魔法が固有魔法になるだろう」

QB「ただし、そうなると固有魔法に魔力のほとんどを取られてしまって、
並みの魔法少女なら通常攻撃に使用する魔法の威力が皆無になってしまうだろうね

アル「通常攻撃魔法が皆無……」

エド「固有魔法ってなんだ?」

QB「願いによって異なる特別な魔法を魔法少女一人一人が持っているんだ。
例えば癒しを願いにすれば、回復力は人一倍になるなど、願いに沿った固有魔法になるよ」

エド「……」

回想
ほむら『巴マミの様に魔法で武器を自由に作り出すことは出来ない。明日は武器を調達するしにいくのよ』


エド(あいつの固有魔法がもし、時を止めることなら…)

エド「過去に戻ることを願いにする事って可能か?」

QB「おそらく可能だよ。でもその時間軸の過去に戻るのではなく、新たな時間軸に移動するようになるね」

エド「……!」ハッ

エド「因果律とは、現象は必ず原因によって起こる、原因なしに現象は起こらないということだ。
つまり、因果律が高いということは原因から起こる現象が多いということ。間違いないな?」

QB「大きな間違いはないよ」

エド「なら、因果律が高い鹿目まどかはあらゆる現象の原因であり、
それ故に神になれるほどの因果律を誇っていると考えられる」

エド「もしも、暁美ほむらの願いが過去へと戻ることだったら、
鹿目まどかの因果律の高さについて説明することができる」

アル「えっ!?」

エド「暁美ほむらが何らかの理由で鹿目まどかを原因として、過去へと戻る現象を起こしたのだとしたら?」

アル「確かにそれなら……!」

QB「説明できてないことはないね。
けれど、一回過去に戻ったくらいで、あそこまでの因果律を有することはできないよ」

QB「何度も何度も同じ時間を鹿目まどかを軸に過去へと戻ったというなら、別だけどね

エドそれは可能か?」

QB「おそらく可能だよ。もし、それが事実だとしたら、暁美ほむらは途方もない回数、
時間を巻き戻したことになるけどね」

エド(何度も繰り返したから、魔法少女の真実と、マミたちの将来をはっきり言うことができたのか)

アル「そんな……」

エド「問題は理由だな。もしワルプルギスの夜が関連するのなら、
過去に戻るたびにワルプルギスの夜の因果律も増えていることになる」

アル「ループするたびにワルプルギスの夜が強くなるなら、もしそうなら、ほむらはいくら頑張っても…」

エド「段々と勝つことが絶望的になってきてるってことだ そうだろ?」

QB「そうなるね」

アル「そんなの、可哀想すぎるよ!」

エド「……ああ」

エドしかし、言ったところで、仕方ない。今は勝つことを考えるぞ

アル(だから、なりふり構ってられないんだ…ほむら……)

エド「ほむらの話から考えると、ワルプルギスの夜までに、魔法少女が毎回全員揃っていたわけでは
なさそうだ。今度こそ全員を揃えて、俺たちも協力すればワルプルギスの夜を
まどか抜きで倒せるかもしれない」

アル「あくまでかもしれない、か」

QB「アルフォンスはともかく、エドワードは生身の体で挑むのかい?
無茶だ。一撃でも攻撃を受けたら、死んでしまうよ」

エド「死なねぇよ」

アル「大丈夫だよ。兄さんは結構強いから」

QB「君たちはワルプルギスの夜がどれ程の力を持っているか知らないから、そのようなことが言えるんだ」

エド「死なねぇって。お前こそ、俺たちの力のすべてを知らないから、そんなことが言えるんだろ」

QB「しかし、」

エド「アル、明日ほむらのやつに会って、あいつの固有魔法とワルプルギスの夜のについて確認するぞ。
まどかたちが通っている見滝原中学に行けば会えるだろ」

QB「……」

エド「さやかの幼馴染みとも会えるだろうし、一石二鳥だ」

アル「僕、この姿で通報されないか心配だな」

エド「アルは門の前で待ってろよ」

エド「それこそ不審者だよ、兄さん」

宿泊先のホテル

QB「さて、まだ質問はあるのかい?」

エド「現在から過去に至るまでの錬金術と人体錬成について。
お前たちインキュベーターの記録していることすべて話せ」

QB「それはかなりの情報量になる。一度には無理だ」

エド「なら、今は賢者の石について知っていることだけでいい」

QB「いいよ。賢者の石とは、錬金術の法則を無視して錬成することを可能とする術法増幅器だ。
かなりのエネルギーが凝縮されたもので、小さく不完全なものでも絶大な力を発揮する」

エド「!…なるほどな。リオールで見たものは不完全なものだったのか」

QB「賢者の石の他にも名前を持っており、形状はさまざま。
鉱石のようなものもあれば、液状のものもあり、その他、半液状、砂状のものもある」

QB「地球上ではクセルクセスにて初めて賢者の石の製造方法が確立され、多くの人間が利用された」

エド「…人間が利用された?」

QB「その製造方法は、」

エド「オイ、まさかソウルジェムと同じじゃ…!」

アル「……!」ハッ

QB「複 数 の 人 間 を錬成陣のなかの決まった位置におき、」

アル「そんな……!」

エド「賢者の石の材料は生きた人間だと…?!」

QB「そうだよ」

アル「そんな、そんなことが、許されるわけがない!!」

QB「許されるもなにも...現に君たちも見たじゃないか。
ソウルジェムという鉱石は人の魂でできたエネルギーの塊だよ?
あれも一種の賢者の石と言ってもいいものなのだが…」

アル「まさか、賢者の石もインキュベーターの仕業なの!?」

QB「違うよ。あれは僕とは違うものがやったことさ」

アル「違うもの…?」

QB「君たちがホムンクルス(フラスコの中の小人)と呼ぶ存在さ」

エド「!?あり得ねぇ!ホムンクルスなんて、伝説上のものじゃねぇか!!」

アル「そうだよ、あり得ないよ!」

QB「あり得ないと言われても、あるからにはあり得るとしか言いようがないよ」

エドアル「……」

エド「クセルクセスが一夜で滅んだという伝説は、国の皆が賢者の石になったからか?」

QB「そうだよ。あれは国家ぐるみでの錬成だったよ。大きな賢者の石の錬成には大規模な準備が必要でね。
長く準備をしていたよ。血の紋と言って、戦争などを起こし、多くの血を流すんだ。
それを各地で行わなければいけない。そのお陰で僕たちは多くの魔法少女と契約することができたよ」

アル「こんなことって……」

エド「お前、本当に嘘はつかないんだよな?!」

QB「嘘はつかないよ。そのようなことをして、僕に何の利益があるんだい?」

エド「じゃあ、なんでお前がそこまで賢者の石について知っている!?」

QB「エネルギー回収の方法を検討する上で出た案の一つだからさ。
ホムンクルス経由とはいえ、人間がこんなにも早くその方法にたどり着くとは予想外だったよ」

エド「っ……!!」

エド「賢者の石の材料は、生きた人間!!!」

アル「僕たちが望んだものが、そんなものだったなんて…!」

QB「ずいぶんショックだったようだね」

エド「今、そのホムンクルスはどうしている!?」

QB「わからない。500年ほど前にそれらしき人物の話を聞いたきりさ」

アル「500年前はどこにいたの?」

QB「アメストリスのセントラルにいたよ」

エド「俺たちの国じゃねーか!!」

アル「ま、まさか、また大きな賢者の石を作ろうとしているの!?」

QB「そう、思っていいんじゃないかな。クセルクセスの血の紋とアメストリス国家建国から
起きている戦争を鑑みると、それらは酷似しているからね」

エド「……」


QB「どう?僕と契約して魔法少年になる気になってくれたかい?」

エド「ならねえ!」

エド「アル!アメストリスの地図とコンパス!血の紋に丸付けてくぞ!」

アル「うん…!」

エド「くっそ、図書館開いてねーし、覚えているだけしか書き込めないが…」

エド「イシュバール殲滅戦……」

エド「オイ、インキュベーター!お前が知ってる流血を伴う大きな事件を言え!!」

QB「仕方ないな……1556年7月リヴィエア変事」

アル「リヴィエア…と」

QB「1661年10月カメロン内戦、1799年2月ソープマン事件、場所はフィクス……」

エド「これで全部か?」

QB「ああ、そうだよ」

エド「これ全部を繋ぐと…」

アル「全円の国土を持つアメストリス全体に広がる、まだ不完全だけどきれいな五角形の錬成陣になった。
これが、賢者の石の錬成陣」

QB「そうだよ。差し詰め国土錬成陣だね」

エド「国中の人を材料とした錬成を行うつもりか」

エド「次の血の門を刻む場所は……リオールだ」

アル「あのエセ教主のいたところだ」

エド「あの野郎はぶっ飛ばしたから、血の門は刻まれずに済んだか」

アル「これ、今すぐ大佐に、大総統に報告しないと!」

エド「駄目だ。クセルクセスは国家ぐるみで国土錬成陣を作った。今回は違うとは言い切れない」

アル「えっ、それじゃ…」

エド「ああ。軍がヤバイかもしれない」

アル「!!」

エド「クセルクセスにいたホムンクルスが関わっている可能性が高い上に、
建国から血の門が刻まれてきてんだ」

QB「まったくもってその通りだよ。この地図上に記した事件の共通点を考えてみなよ」

エド「共通点?」

アル「……すべての事件に軍が関係している?」

エド「建国の時から…!」

QB「アメストリスは初め領土の小さな国だったが、周囲の小国を併呑しながら広がって来たんだ」

QB「この円を作るのに必要な分だけ、要領よく」

エド「奴らはこの国を利用して賢者の石を錬成するために、一からこの国を作り上げたのか?」

アル「つまり、軍事国家の方が都合がよかったってことなのかな」

エド「合理的だな。すべて予定道理に進んだってわけか」

エド「軍はすべて真っ黒かもしれない…」

アル「でも、大佐は別だって思ってもいいよね?兄さん」

エド「ああ。大総統への忠誠心も薄いしな。
だから、お前は朝イチのイーストシティ行きの汽車に乗って、大佐のところに行け。直接話した方が良い」

QB「焔の大佐のことかい?彼なら東方司令部の人間だから、関わってない可能性が高いよ」

エド「どういうことだ?」

QB「血の門を率先して刻んでいるのは中央軍だからさ」

エド「そういうことか…!」

アル「どれもこれも中央軍が出張ってきて事を大きくしてるんだ……」

QB「弟のアルフォンスだけに行かせても大丈夫なのかい?」

エド「こっちはこっちで放っておけない。
俺はほむらにほむらの固有魔法とワルプルギスの夜の強さについて話してくる。
つーか、今すぐあいつを呼び出せないのか!?」バシバシ

QB「痛い!痛いよ、エドワード!!今テレパシーでやってみるよ」

エド「テレパシー!?なんでそんな便利なもん早く出さないんだ!バシバシバシ

QB「やめて!やめてよ!!」

QB「テレパシーが繋がったよ!」ボロッ

ほむら[何かしら?]

アル「おお!」

エド「うわ、すげぇ!便利だな!お前、ループしてるだろ!」

アル「に、兄さん、そんなんじゃ、伝わらな…」

ほむら[…インキュベーター!!お前は、また私の邪魔を…!]

アル「!?」

エド(うわっ、おっかね...)

エド「インキュベーターが教えたんじゃねえ。俺たちだ。お前が帰ったあと、
アルと二人で話し合った。そこで出た疑問をインキュベーターに聞いただけだ」

ほむら[…!あなたたち、どこまでわかったの?]

エド「今はまだ予測でしかない。お前の固有魔法は時間停止、そのせいで通常攻撃が皆無」

ほむら[そうよ]

エド「お前がループするたびに、まどかの因果律が高くなって、最強の魔法少女になれるまでになった」

ほむら[そう、よ]

エド「お前のループの理由はなんだ?」

ほむら[あなたには関係ないことよ]

エド「関係あるんだよ」

エド「もし、まどかの他にワルプルギスの夜もお前のワープの理由に含まれてるなら、
ワルプルギスの夜もループのたびに強くなっている可能性がある」

ほむら[……!そんな、私のせいで、まどかは…。ワルプルギスの夜まで…!!]

エド「 ?まさか、まどかの因果律の高さの理由は知らなかったのか?」

ほむら[ええ…]

QB「迂闊だったね、エドワード。大方の魔法少女は、魔法少女の真実を知らずに死んで行く。
君ほど頭の回る子は早々いないってことだよ。
例えたどり着いたとしても、因果律のことまで考えられる子はほぼいないに等しい。
現に暁美ほむらがそうだった」

アル(まどかのためにループを繰り返したのだとしたのに、まどかが"最悪"の魔女になる。
それの事実を知ったら、ほむらは絶望して、魔女に…?!)

エド「ほむら、しっかりしろ」

アル「落ち着いて、ほむら」

QB「ほむら、魔法少女が魔女になること、ソウルジェムのことは数あるループの中で知ったことだよね?
まどかが魔女化する時間軸もあったんじゃないかな?」

ほむら[…黙りなさい]

QB「とても倒せるような相手じゃなかっただろ?」

ほむら[黙りなさい!]

QB「お手柄だよほむら!君は気の手で最強の魔法少女を育て上げたんだ!!」

ほむら[黙れ!!]

エド「やめろ、インキュベーター」

エド「ほむら、大丈夫だ。魔法少女たちが協力すれば、ワルプルギスの夜は倒せる。
まどかをインキュベーターから守ることもできる。
相手が強くなった分、団結して、力を合わせれば絶対勝てる。俺たちはお前に協力する。一緒に戦う」

ほむら[!…本当?]

アル「うん。本当だよ。人間兵器だと言われる国家錬金術師とその弟だ。大きな戦力になれるよ。
だから、絶望しないで」

ほむら[絶望なんて、しないわ]

ほむら[…ありがとう]

アル(ひとまず、安心かな)ホッ

ほむら[そうと決まったら、作戦会議よ]ファサァ

ほむら[私の家に来なさい]ホムッ

ほむら[ワルプルギスの夜まで時間がない。私が迎えに行くほうが速い。歩きながら話しましょう]

エド「わかった。ホテルの場所は…」

ほむら[15分くらい待ってて]

エド「インキュベーターはどうする?」

ほむら[ほっときなさい。まどかが今すぐ契約することはないわ]

エド「だってよ」

QB「それじゃあ僕はおいとまするよ それから、君たち二人は別行動しないほうがいいと思うよ。
国家錬金術師は監視されている可能性が高いからね」

エド「……お前の目的はそれか。契約を取れそうにないわ頭は回るわで厄介なオレたちを、
見滝原から一先ず追い出すために話したんだな」

QB「僕は事実を言っているだけだよ 国家錬金術師と国土錬成陣、関係があると思う方が普通だろう?」

アル「……確かに」

エド「国家錬金術師が国土錬成陣発動のために狙われている。
それか国土錬成陣に気付いた者を始末するため監視している。そう言いたいのか?」

QB「そうだよ。ないとも言い切れないだろう?」

エド「……確かにそうだ。けど、お前の思うつぼにはさせねーよ。オレは残る。アルが行く」

アル「そうだね、兄さん。でも、大丈夫かな もし監視されていたら……」

エド(……ほむらに二人とも見滝原から離れても大丈夫な期間を聞く)ボソッ

アル(そうだね、それがいいね)ボソボソ

QB「それじゃあね、エドワード 正しい選択をするようにね」

エド「…………」ガシッ

QB「…なんだい?エドワード」

エド「お前、マミの部屋にいた時と違ってボロボロだな」

QB「君が乱暴にあつかうからじゃないか!」

エド「仕方ないな。こんなお前でもマミは大切に思っているから」トコトコ

QB「どこへ行くんだい?」

エド「風呂だ。きれいに洗ってやる」

QB「僕は一向に構わないが…乱暴に洗わないでくれよ」

エド「へーへー」

QB「どうして君まで服を脱ぐんだい?まさか一緒に入るつもりかい?」

エド「ほむらのとこ行ったら風呂に入ってる時間なんかないだろ」ガララッ

QB「そこの小さなたらいにぬるま湯を張って…」

エド「こんなんでいいのか?」

アル(なんか楽しそうだなあ)

QB「つめたっ!冷たいよ!!」

エド「あ、わりぃ。まだ水だったなあ」

QB「気を付けてくれよ!ボディソープはそんなにいらないよ!
まさか、僕をスポンジにして体を洗うつもりかい!?」

エド「そんなことしねぇよ気色わりぃ!!なんでそう思うんだ!?」

QB「そういう子がいたからだよ」

アル(…大丈夫かな)

QB「もっと!もっと優しく洗ってくれ!!」

エド「はあ?優しく洗ってるだろ」ガシガシ

QB「右手!右手が痛いよ!!」

エド「金属でできてんだから、仕方ないだろ!」ゴリゴリ

QB「違う!そこツボじゃないよ!痛い痛い痛い!!」ジタジタ

エド「オ、オイ!暴れるな、泡が飛び散る!!」ガシッ

QB「羽は!優しく!つかんでくれよ!!」バタバタ

エド「暴れるなって言ってるだろ!スポンジにするぞ!!」

アル「兄さん…」アハハ…

QB「ひどい目にあった」キラキラキラ

アル「うん、大分きれいになったね」

QB「アルフォンスが優しくドライヤーをかけて、優しくブラッシングしてくれたからだよ。ありがとう」

アル「どういたしまして」

エド「暗にオレがヘタクソだったって言ってねーか?」

アル(そりゃ、あれは見てられないレベルだよ…)


回想
エド『~♪~~♪』ガシガシガシ

QB『タオル!タオルはもっと優しく!!』

エド『ちゃんとやってるだろ!』

エド『~~♪~~~♪』グシャグシャ

QB『もっと、もっと毛並みに沿ってなでるようにドライヤーがけしてくれ!!』

エド『だから、さっきからちゃんとやってるだろ!!』

QB『やってないから言ってるんだよ!!僕にうらみでもあるのかい!?』

エド『あるけど、だからって乱暴にあつかってねーよ!細心の注意を払ってるわ!!』

QB『それでこれかい!?これだから男の子は!!』

エド『まだ言うかテメェ!!』

アル『兄さん、僕がやるよ』


アル(兄さんに悪気がない分、どうしようもないよなぁ)

QB「今度からはアルフォンスにしてもらうことにするよ」

エド「テメェ、オレ様の好意を…」

ほむら[来たわよ。ホテルから出てきて]

エドアル「!!」キョロキョロ

アル「どこにいるの?」

QB「テレパシーだよ」

エド「慣れねぇなぁ」

エド「よお」

ほむら「…シャンプーの香りがするわ。あんな事実を知った後なのに、のんきに風呂でも入っていたの?」

エド「作戦会議でそんな暇なくなるだろ?」

ほむら「それはそうだけど」ジャキッ

QB「エドワードがお風呂に入れてくれたんだ」キラキラ

ほむら「!そう。だったら打ち殺すのはもったいないわね。今すぐ消えなさい」

QB「じゃあね、エドワード、アルフォンス。また来るから、その時までに願い事を考えておいてね」

エド「契約はしない。話だけ聞かせろ。じゃあな」

アル「じゃあね、インキュベーター」



ほむらの家への道中

ほむら「…………」

エド「どうした?作戦会議は?」


ほむら「どうしてインキュベーターを風呂に入れたの?」

エド「結構ボロボロにしちまったから。あいつは最低な悪魔だが、ボロボロのあいつをマミが見たら悲しむ」

ほむら「…そう」

エド「あいつの行いを許したわけじゃない。あくまでマミのためだ」

ほむら「優しいのね」

エド「そんな話をしに来たんじゃないだろ」

ほむら「何から話しましょうか。あなたたちみたいな人も、あなたたち自体も今回のループが初めてだから」

エド「じゃねーと、オレに向かってチビっていったりしないもんな」

アル「そんなことで初対面だって気がついてたんだ……」

ほむら「悪かったわね。もう言わないわよ」

エド「チビじゃーからな」

ほむら「ええ」

エド「チビじゃーからな」

ほむら「……ええ。チビじゃないわ」

エド「おう」

アル(しつこい……)

ほむら「はっきり言って、あなたたちはイレギュラーよ。
魔法少女についても、キュゥべえについても、自力でたどり着いた人はほぼいなかった。
ましてや素質があるとはいえ一般人がとは、初めてのこと」

ほむら「その上、私が知らなかったことにまでたどり着くなんて。
ワルプルギスの夜もまどかも私がループするたびに強くなっている。確かにそう。
ワルプルギスの夜については言われてそう認識せざる終えなかった」

アル「ワルプルギスの夜ってどれくらい強いの?
魔法少女3人と僕たちが最高の状態で戦えば勝てる相手なの?」

ほむら「必ず勝てるわ。ただし、最高の状態に持っていくことこそが難しい」

エド「本当に必ず勝てるのか?インキュベーターは『例え数人がかりで挑んだとしても、
必ず倒せるわけではない』と言っていた。あいつは嘘だけはつかないという。
二人の魔法少女は説得するとして、それで本当に必ず勝てるのか?」

ほむら「あなたたちに嘘をつくのは得策ではないようね。そうよ、必ずなんて言えない」

エド「今後絶対に俺たちに嘘をつくな。隠しだてもなしだ」

ほむら「わかったわ。その代わり、そっちもそのつもりでね」

エド「ああ」


エド「で、だ。俺が軍の連中に掛け合って戦力を揃えるとして、どれくらいいれば確実に勝てる?」

ほむら「ダメよ。魔女は一般人には見えない。説明したところで、軍は来ない」

エド「オレを誰だと思ってる。軍を動かすなんざ雑作もない。国家錬金術師も連れてくる」

ほむら「!!」

ほむら「そうね……。正直、国家錬金術師以外は要らないわ。それ以外は邪魔になるだけ」

エド「前線保って後方から重火器ぶっ放せばよくねーか?」

ほむら「それもそうだけど……。難しいわ。使い魔に襲われて全滅する」

エド「使い魔か……」ウーン

エド「中尉が見えればなー…」

ほむら「中尉?」

アル「リザ・ホークアイ中尉だよ。鷹の目って呼ばれてる人。女性で、狙撃の名手なんだ」

ほむら「戦力になるわね……」

ほむら「見えれば」

エド「おばさんには無理か?」

アル「それ本人が居るところで言ったら殺されるよ」

アル「とりあえず、国家錬金術師2人は絶対来てくれるよ。
国家錬金術師ではないけど、ボクらの師匠の錬金術師にも来てもらえるよ、きっと。
師匠は旅行に行ってるかもしれないし、連絡が取れればになっちゃうけど……」

ほむら「……」ホム

アル(あ、ほむらがちょっと笑った。やっぱり、子どもだけじゃ心細いんだな)

ほむら「そうね。こちらとしてはそれくらいの人数が、魔女と使い魔の攻撃から守りやすいわ。
それに1人で魔法少女1人並の戦力になるだろうから、とても心強いわ」

アル「うーん。魔法少女1人分とはいかないかな」

ほむら「そう…あまり戦闘向きではない人たちなの?」

エド「戦闘向きねぇ…」

アル「むしろ戦闘に特化している人たちかな。
魔法少女の強さはマミさんの戦闘を1回見ただけであんまり知らないけど、
火力なら1人で魔法少女1人分以上って言っていいくらいの人だよ。魔力の回復も必要ないしね」

ほむら「!!」

エド「そういうことだ。後、錬金術師ではない人も連れてこれるが、どうする?」

ほむら「無しよ」

エド「いいのか?」

ほむら「力もないのに見えない敵と戦わせるなんて無理よ。
後方から援護してもらえるなら嬉しいけれど、対使い魔のための護衛をこちらが付けられるわけではないから」

エド「そうか。わかった」

エド(キュウべえにどうにかして一般人も見えるようになんねーか、聞いてみるか……)

エド「このくらい戦力がありゃ、死人を出さなくてすむか?」

ほむら「ええ。それだけ居れば勝てるわ。ただ、問題なのがコンビネーションね。
早急に戦力を確保して打ち合わせと練習をしなければならないわ」

ほむら「だから、必ずその戦力を集めてきて?」

エド「任せとけって」

エド「それで、ほむら。ほむらの家に着いたら、今後について話し合うとして、
オレたちは出来るだけ早くイーストシティにいかなきゃなんねぇ。
それを踏まえた上で今後の作戦を立ててくれ」

ほむら「どうして見滝原を離れなければならないの?」

エド「戦力を集めるためと、後は……嘘はつきたくない。だから、言えない」

エド「隠しだてはなし、でしょ?」

エド「魔法少女に関することは、な。これは魔法少女とは関係ない」

ほむら「関係あるわ。ワルプルギスの夜が来るまで時間がないのよ。
今はまどかたちの契約を阻止して、巴マミや佐倉杏子を仲間に引き入れなくてはならないのに、
この街を離れると言うなら、私にも関係がある問題よ」

アル「大丈夫。出来る限り早く帰ってくる。それに、ほむら。
これは知ったら、命にかかわるかもしれない問題なんだ」

エド「そういうことだ。知らない方がいい」

ほむら「……手、出して」ガシッ

エド「は?」つ
アル「え?」つ

ほむら「しっかり手を握って、離さないで」カチッ

エド「?……風がやんだ?」

アル「えっ、えっ?!」

ほむら「動かないで。それから、手を離さないで。離したらあなたたちの時間も止まってしまう」

エド「はぁ?!」

アル「あり得ない時間が止まるなんて」キョロキョロ

ほむら「あり得ないことなんて、あり得ないわ。魔法少女は条理を覆す存在だから」

ほむら「さあ、これでなにも気にせず話せるわね。どこかから誰かが聴いているなんてことはない」

アル「どうしよう、兄さん」

エド「首を突っ込むな。危険だ」

ほむら「あなたたちだって魔法少女の事情に首を突っ込んでるわ。とても危険なことよ」

エド「だからだ。ただでさえ危険な目にあってるお前にこれ以上背負わせるわけにはいかない」

ほむら「話しなさい」

エド「ダメだ」

ほむら「話しなさい。正直、あなたたちがここまで協力的な理由がわからない。
私があなたたちの事情に首を突っ込めるなら、相互関係が成り立つ。だから、それに越したことはないわ。
安心できるもの」

エド「等価交換ってか?」

ほむら「そうよ。あなたたちが私に協力する代わりに、私もあなたたちへの協力を惜しまない。等価交換よ」

エド「…そういうことならいいぜ」

アル「兄さん!?」

エド「けど、その等価交換はなりたたない。俺はお前のためだけに協力するんじゃない。
大切な人のためでも、今日知った人のためでも、世界のためでもある。それに俺たちのためでもある。
魔法について知るために、魔法少女にくっついてんだ」

エド「だから、ほむら。危ないと思ったら逃げろ。関わるな。これがこれから話すことを聞く条件だ」

ほむら「等価交換になってないわね」

エド「だから言ったろ。話すのはあくまでお前を安心させるため」

ほむら「……」

エド「話さないよりましだろ。それに、首を突っ込むか、どうかはお前次第」

アル(…確かにあそこまで言われたら話さずにはいられないけど…大丈夫かな)

ほむら「そう。それじゃ、解除するわよ。さりげなく、何事もなかったかのようにするのよ。続きは家でね」

エド「ちょっとまて。その前にすることがある」

ほむら「なによ?」

エド「すげー!!!」ダダダッ

ほむら「ちょっ!?急に動かないで!!」

エド「わりぃ!」

ほむら「何事!?」

エド「すっげーー!!止まってる!!!車も!うわっ!猫も止まってる!!!!」キョロキョロ

アル「す、すごい!ジャンプしたところで止まってる!!」

ほむら「何なの…こんな過剰反応されたの初めてよ……男の子って…」

アル「兄さんが過剰反応するタイプなだけだよ!」ワクワク

ほむら「……」

エド「アル!猫見ろ、猫!!」

アル「すごい!着地点をしっかりと見据えている!!」

ほむら「いい?時間が止まる前と同じポーズをして」

エド「このままお前の家行っちまえばいいじゃん」

ほむら「いきなり私たちが消えたら変でしょ」

エド「ちぇっ」

アル「兄さん、わがまま言っちゃダメだよ。魔力は無限じゃないし、グリーフシードは有限だよ」

エド「そうだったな。わりぃ」

エド「でもよ、俺も魔女と戦うから、その分...時間止めてもらっても」ヘラ

ほむら「……」ゴゴゴ

エド「いいわけないよな。ごめん」

ほむら「わかればいいのよ。時間を動かすわよ」カチッ

>>1です。夜になったらまた再開します。改行するだけで結構見やすくなるんだな。
他に改良点あったら教えて欲しいです。

読みやすくなりましたありがとうございます

マミ「兄!?兄って何!!!??兄って!!!??」
QB「残念だったねマミ。彼は魔法少女ではないよ」
マミ「でも、髪が長いわ!」
QB「彼の髪が長いけれど男性だよ」
マミ「で、でも、ね、年齢にしては」
QB「ちっちゃくても男性だ」
エド「だから、誰がチビだチビ!!」ウガーッ!!
マミ「ま、まだよ、まだあるわ!エルリックさんは魔法を使っていたわ!!だから、魔法少女、いいえ、魔法少年よ!!」
QB「魔法少年なんて、今まで前例がないよ。そもそも、エドワードとは男性名じゃないか」
エド「テメェだって、間違えてたじゃなねーか!!」
QB「彼の使っていた錬金術について、本人から説明してもらうべきじゃないかな?」シラッ
エド「話をきけー!!」
マミ「そんな、そんなぁ。本当に、魔法少女じゃないの!?じゃあ国家錬金術師って何なの!?」
エド「だから、どの辺が女に見えるんだよ!!?」
マミ「だって、ちょっとアレだけどメルヘンな槍持ってるじゃない!!魔法少女じゃない!!」
エド「あれは錬金術で作った槍だ!オレは国家錬金術師だ!ほら、この銀時計見ろ!!それに、ちょっとアレってなんだよ、かっこいいだろ!!」
マミ「魔法使ってたじゃない!!」
エド「魔法じゃねえ!錬金術だ!!」
マミ「こんな秘境に錬金術師居るわけないじゃない!!」
エド「居るわ!どんだけここ秘境なんだよ!!」

>>1です。間違えて>>69を投稿しちゃいましたが気にしないでください。
後Rの方にあげてたこと今さらになって気づいた。特にエログロ要素はない。強いて言えば多少のキャラ崩壊注意。
このままここで書き続けていいんだろうか……?

>>1です。Rじゃない方に移動した方が良いのかなと思って、現行のHTML化依頼スレッド探したが見つけられなかった。
とりあえずここでどなたかの反応待ちながら、書き溜めだけしておきます。マジ体たらくでごめん。
なんでRを見逃すんだ

>>68 見逃してたすみません。最初の方自分で読んでみたら確かに読みづらかったです。
教えてくれてありがとうございました。

>>1です。ss速報の方に同じタイトルで移動します。HTML化依頼してきました。

移動しました QB「僕と契約して」エド「喋るキメラ!?」【ハガレン×まどマギ】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1539951808/)

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